JP2001226547A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物およびその射出成形品 - Google Patents
ゴム変性スチレン系樹脂組成物およびその射出成形品Info
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- JP2001226547A JP2001226547A JP2000034000A JP2000034000A JP2001226547A JP 2001226547 A JP2001226547 A JP 2001226547A JP 2000034000 A JP2000034000 A JP 2000034000A JP 2000034000 A JP2000034000 A JP 2000034000A JP 2001226547 A JP2001226547 A JP 2001226547A
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Abstract
加工性に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物、並びに
射出成形品を提供すること。 【解決手段】スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系
重合体からなる連続相60〜90質量%と、ゴム状弾性
体にスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系重合体が
グラフト共重合体した分散相40〜10質量%からなる
ゴム変性スチレン系樹脂組成物で、更に連続相の重量平
均分子量(Mw)とその構成単量体単位とが特定の数値
関係の範囲にあり、分散相の体積平均粒子径が0.3〜
0.6μmで、かつトルエン膨潤率が3〜8倍であるゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物とすること、並びに該樹脂
組成物を射出成形して成形品とすること。
Description
性、剛性、表面硬度、および成形加工性に優れたゴム変
性スチレン系樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いて
射出成形してなる射出成形品に関するものである。
クリロニトリルとブタジエン単量体混合物を乳化重合し
て得られたゴム状重合体ラテックスにスチレン、メチル
メタクリレートおよびアクリロニトリルから選ばれた2
種以上の単量体を乳化重合して得られるMBS系重合体
をゴム変性スチレン系重合体に混合することにより耐衝
撃性と透明性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られるこ
とは知られている(特公昭46−32748号公報)。
しかしながら、これらの熱可塑性樹脂組成物は確かに耐
衝撃性に優れたものではあるが、表面硬度が低いために
傷つきやすく、また射出成形条件によっては良好な透明
性が得られないという欠点があった。
および成形加工性に対する要求も高まり、これらの要求
に対して従来の技術で得られる熱可塑性樹脂組成物では
いまだ満足いく物性が得られていないのが現状である。
み、本発明は、透明性、耐衝撃性、剛性、表面硬度、お
よび成形加工性に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成
物、並びに該樹脂組成物を用いて射出成形してなる射出
成形品を提出するものである。
な課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のスチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の連続相
と、特定のグラフト共重合体の分散相とから構成される
ゴム変性スチレン系樹脂組成物において、前記課題の解
決が果たされることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、および必要
に応じて用いられるこれらの単量体と共重合可能なビニ
ル系単量体からなるスチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル系共重合体の連続相60〜90質量%と、(II)
ゴム状弾性体、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸
エステル系単量体、および必要に応じて用いられるこれ
らの単量体と共重合可能なビニル系単量体からなるグラ
フト共重合体の分散相40〜10質量%からなるゴム変
性スチレン系樹脂組成物において、分散相の体積平均粒
子径が0.3〜0.6μmで、トルエン膨潤倍率が3〜
8倍であり、かつ連続相の重量平均分子量(Mw)とそ
の構成単量体単位から求められる数3式のXが数4式の
範囲にあるゴム変性スチレン系樹脂組成物およびその射
出成形品である。
組成物において、スチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体の連続相とグラフト共重合体の分散相との
屈折率の差が0.005以下であるゴム変性スチレン系
樹脂組成物およびその射出成形品である。
系樹脂組成物において、グラフト共重合体の分散相が、
体積平均粒子径0.3〜0.6μmで、その標準偏差
0.08〜0.2μmであるゴム変性スチレン系樹脂組
成物およびその射出成形品である。
ゴム変性スチレン系樹脂組成物の連続相を構成するスチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体とは、ス
チレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体、および必要に応じて用いられるこれらの単量体と共
重合可能なビニル系単量体からなる共重合体である。
成物の分散相を構成するグラフト共重合体とは、ゴム状
弾性体に、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体、および必要に応じて用いられるこれらの
単量体と共重合可能なビニル系単量体からなるスチレン
−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体がグラフトし
てなる共重合体である。
されるスチレン系単量体は、スチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチ
レン等を挙げることができるが、好ましくはスチレンで
ある。これらのスチレン系単量体は、単独でもよいが二
種以上を併用してもよい。
ステル系単量体としては、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート等のア
クリル酸エステルが挙げられるが、好ましくはメチルメ
タクリレート、またはn−ブチルアクリレートであり、
特に好ましくはメチルメタクリレートである。これらの
(メタ)アクリル酸エステル系単量体は単独で用いても
よいが二種以上を併用してもよい。
単量体と共重合可能なビニル系単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタアクリロ
ニトリル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシ
ルマレイミド等が挙げられる。
は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体、およびスチレン−ブタジエンランダム共重合体
等が挙げられる。スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、あるいはスチレン−ブタジエンランダム共重合体中
におけるスチレン量は、60質量%以下であることがゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物の良好な耐衝撃性と透明性
を得るために好ましい。
は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
の連続相60〜90質量%とグラフト共重合体の分散相
40〜10質量%からなる。グラフト共重合体10質量
%未満では耐衝撃性が不十分であり、40質量%を超え
ると剛性および表面硬度が劣るために好ましくない。
ム変性スチレン系樹脂組成物(質量をAとする)をメチ
ルエチルケトン(MEK)中で温度23℃で24時間攪
拌し、その後遠心分離機でMEKに対する不溶分を分
離、真空乾燥したものを質量測定して(質量をBとす
る)、次の数5式、数6式により求めるものである。
は、体積平均粒子径が0.3〜0.6μmおよびトルエ
ン膨潤倍率が3〜8倍である。体積平均粒子径が0.3
μm未満では耐衝撃性が不十分であり、0.6μmを越
えると透明性が劣るために好ましくない。また、トルエ
ン膨潤倍率が3倍未満では耐衝撃性が不十分であり、8
倍を越えると透明性および表面硬度が劣るために好まし
くない。
変性スチレン系樹脂組成物から分離した分散相(質量を
Cとする)をトルエンに温度23℃で24時間膨潤させ
た後、150メッシュ金網で濾別し、直ちに質量測定し
て(質量をDとする)、次の数7式により求めるもので
ある。
び/または特に面衝撃に代表される実用強度が要求され
る場合には、体積平均粒子径が0.3〜0.6μmで、
その標準偏差が0.08〜0.2μmであることが好ま
しい。
エステル系共重合体の連続相は、重量平均分子量(M
w)とその構成単量体単位から求められる数8式のXが
数9式の範囲にあることが必要である。ただし、ここで
述べる連続相の重量平均分子量とは、前記したゴム変性
スチレン系樹脂組成物のMEK可溶分をゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)法で測定したポリ
スチレン換算の重量平均分子量である。
80000を越えると成形加工性が劣るため好ましくな
い。
成物は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体からなる連続相とグラフト共重合体の分散相との屈
折率の差が0.005以下であることが良好な透明性を
得るために好ましい。
ることは難しいため、一般的には組成分析によりポリマ
ーを構成する単量体の組成比を算出することで、グラフ
ト共重合体の屈折率nは次の数10式を用いて計算によ
り屈折率を求めることが出来る。
m単量体およびCm単量体からなり、かつそれぞれの質
量比がXA、XBおよびXCからなる場合(但し、質量比
でXA+XB+XC=1)、nAはAm単量体からなるポリ
マーの屈折率、nBはBm単量体からなるポリマーの屈
折率、nCはCm単量体からなるポリマーの屈折率を示
すものとし、上式数10に代入して計算より求めるもの
である。
ル酸エステル系共重合体を構成する各単量体の量は、前
記した条件を満たせば特に限定されるものではないが、
好ましくはスチレン系単量体単位20〜70質量%、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位30〜80質
量%、および必要に応じて用いられるこれらの単量体と
共重合可能なビニル系単量体単位0〜10質量%であ
る。
るゴム状弾性体及び各単量体の量は、前記した条件を満
たせば特に限定されるものではないが、ゴム状弾性体3
0〜80質量部に、スチレン系単量体単位20〜70質
量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位30〜
80質量%、および必要に応じて用いられるこれらの単
量体と共重合可能なビニル系単量体単位0〜10質量%
からなるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体20〜70質量部がグラフトしたグラフト共重合体
が好ましく用いられる。
は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状−懸濁
重合法、乳化重合法等の公知技術により製造することが
できる。また、回分式重合法、連続式重合法のいずれの
方法も用いることができる。
は、公知の酸化防止剤、耐候剤、滑剤、可塑剤、着色
剤、帯電防止剤、鉱油等の添加剤を、本発明のゴム変性
スチレン系樹脂組成物の性能を損なわない範囲で配合し
てもよい。
は、配合・溶融押出しについて特に制限はなく、公知の
方法を採用することができる。例えば、各原料をあらか
じめタンブラーやヘンシェルミキサー等で均一に混合し
て、単軸押出機または二軸押出機等に供給して溶融混練
した後、ペレットとして調整する方法がある。このよう
にして得られた本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、例えば、射出成形、圧縮成形および押出成形等の方
法により各種成形体に加工され実用に供することができ
るが、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、優れ
た透明性、耐衝撃性、剛性、表面硬度、および成形加工
性を有しているため、このゴム変性スチレン系樹脂組成
物を射出成形してなる射出成形品は、実用的に極めて優
れたものである。
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
体の製造 参考例1:スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共
重合体A−1 容量250リットルのオートクレーブに、純水100k
gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5
g、第三リン酸カルシウム250g、スチレン41k
g、メチルメタクリレート56kg、アクリロニトリル
3kgを入れ、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ
イソブチレートを100g、t−ドデシルメルカプタン
300gを添加し、回転数150rpmの撹拌下に混合
液を分散させた。そしてこの混合液を温度90℃で8時
間、130℃で2.5時間加熱重合させた。反応終了
後、洗浄、脱水後乾燥し、ビーズ状のスチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体A−1を得た。
エステル系共重合体A−2 参考例1において、t−ドデシルメルカプタンを700
gに変更した以外はスチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル系共重合体A−1と同様に製造し、ビーズ状のスチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体A−2を
得た。
エステル系共重合体A−3 容量250リットルのオートクレーブに、純水100k
gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5
g、第三リン酸カルシウム250g、スチレン23k
g、メチルメタクリレート73kg、アクリロニトリル
4kgを入れ、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ
イソブチレートを100g、t−ドデシルメルカプタン
700gを添加し、回転数150rpmの撹拌下に混合
液を分散させた。そしてこの混合液を温度90℃で8時
間、130℃で2.5時間加熱重合させた。反応終了
後、洗浄、脱水後乾燥し、ビーズ状のスチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体A−3を得た。
エステル系共重合体A−4 参考例3において、t−ドデシルメルカプタンを300
gに変更した以外はスチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル系共重合体A−3と同様に製造し、ビーズ状のスチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体A−4を
得た。
g、オレイン酸カリウム500g、ピロリン酸ナトリウ
ム75g、硫酸第一鉄1.5g、エチレンジアミンテト
ラ酢酸ナトリウム2.2g、ロンガリット22gを加え
て撹拌下で均一に溶解した。次いでスチレン12.5k
g、ブタジエン37.5kg、t−ドデシルメルカプタ
ン148g、ジビニルベンゼン30g、ジイソプロピル
ベンゼンハイドロパーオキサイド96gを加え、撹拌し
ながら温度50℃で16時間反応を行って重合を完結
し、ゴム状弾性体ラテックスを得た。得られたゴム状弾
性体ラテックスにナトリウムスルホサクシネート45g
を添加して充分安定化した後、0.2質量%塩酸水溶液
と2質量%苛性ソーダ水溶液を別々のノズルから、ラテ
ックスのPHが8〜9を保つように添加し、ラテックス
を凝集肥大化させ、体積平均粒子径0.42μmのゴム
状弾性体ラテックスG−1を得た。
粒子径を0.63μmにした以外はゴム状弾性体ラテッ
クスG−1と同様に製造し、ゴム状弾性体ラテックスG
−2を得た。
オレイン酸カリウム1200g、水酸化カリウム200
g、過硫酸カリウム50gを加えて撹拌下で均一に溶解
した。次いでブタジエン50kg、t−ドデシルメルカ
プタン100g、ジビニルベンゼン50gを加え、撹拌
しながら温度50℃で16時間反応を行って重合を完結
し、ゴム状弾性体ラテックスを得た。得られたゴム状弾
性体ラテックスをマントンゴーリン式加圧凝集肥大機を
利用して、ラテックスを凝集肥大化させ、体積平均粒子
径0.35μmのゴム状弾性体ラテックスG−3を得
た。
オレイン酸カリウム400g、ロジン酸カリウム120
0g、炭酸ナトリウム1.2kg、過硫酸カリウム40
0gを加えて撹拌下で均一に溶解した。次いでブタジエ
ン80kg、t−ドデシルメルカプタン400gを加
え、撹拌しながら温度60℃で30時間重合し、さらに
70℃に昇温して30時間放置して重合を完結し、体積
平均粒子径0.34μmのゴム状弾性体ラテックスG−
4を得た。
オレイン酸カリウム1680g、ロジン酸カリウム16
0g、炭酸ナトリウム1.2kg、炭酸水素ナトリウム
20g、過硫酸カリウム400gを加えて撹拌下で均一
に溶解した。次いでスチレン20kg、ブタジエン60
kg、t−ドデシルメルカプタン320gを加え、撹拌
しながら55℃で16時間重合し、さらに温度70℃に
昇温して8時間放置して重合を完結し、体積平均粒子径
0.19μmのゴム状弾性体ラテックスG−5を得た。
で30kg計量して容積200Lのオートクレーブに移
し、純水80kgを加え、攪拌しながら窒素気流下で温
度50℃に昇温した。ここに硫酸第一鉄1.25g、エ
チレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム2.5g、ロンガ
リット100gを溶解した純水2kgを加え、スチレン
12.9kg、メチルメタクリレート17.1kg、t
−ドデシルメルカプタン60gからなる混合物と、ジイ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド120gを
オレイン酸カリウム450gを含む純水8kgに分散し
た溶液とを、別々に6時間かけて連続添加した。添加終
了後、温度を70℃に昇温して、さらにジイソプロピル
ベンゼンハイドロパーオキサイド30g添加した後2時
間放置して重合を終了した。得られた乳化液に酸化防止
剤を加え、純水で固形分を15質量%に希釈した後に温
度60℃に昇温し、激しく撹拌しながら希硫酸を加えて
塩析を行い、その後温度を90℃に昇温して凝固させ、
次に脱水、水洗、乾燥して粉末状のグラフト共重合体含
有重合体B−1を得た。
B−2 参考例10において、ゴム状弾性体ラテックスがゴム状
弾性体ラテックスG−2に変更された以外は、グラフト
共重合体含有重合体B−1と同様に製造し、粉末状のグ
ラフト共重合体含有重合体B−2を得た。
B−3 参考例10において、ゴム状弾性体ラテックスとしてゴ
ム状弾性体ラテックスG−2が固形換算で15kgとゴ
ム状弾性体ラテックスG−5が固形分換算で15kgと
の併用に変更された以外は、グラフト共重合体含有重合
体B−1と同様に製造し、粉末状のグラフト共重合体含
有重合体B−3を得た。
B−4 参考例10において、ゴム状弾性体ラテックスがゴム状
弾性体ラテックスG−5に変更された以外は、グラフト
共重合体含有重合体B−1と同様に製造し、粉末状のグ
ラフト共重合体含有重合体B−4を得た。
B−5 参考例7のゴム状弾性体ラテックスG−3を固形分換算
で30kg計量して容積200Lのオートクレーブに移
し、純水80kgを加え、攪拌しながら窒素気流下で温
度50℃に昇温した。ここに硫酸第一鉄1.25g、エ
チレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム2.5g、ロンガ
リット100gを溶解した純水2kgを加え、スチレン
6.9kg、メチルメタクリレート23.1kg、t−
ドデシルメルカプタン60gからなる混合物と、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド120gをオ
レイン酸カリウム450gを含む純水8kgに分散した
溶液とを、別々に6時間かけて連続添加した。添加終了
後、温度を70℃に昇温して、さらにジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド30g添加した後2時間
放置して重合を終了した。得られた乳化液に酸化防止剤
を加え、純水で固形分を15質量%に希釈した後に温度
60℃に昇温し、激しく撹拌しながら希硫酸を加えて塩
析を行い、その後温度を90℃に昇温して凝固させ、次
に脱水、水洗、乾燥して粉末状のグラフト共重合体含有
重合体B−5を得た。
B−6 参考例14において、ゴム状弾性体ラテックスがゴム状
弾性体ラテックスG−4に変更された以外は、グラフト
共重合体含有重合体B−5と同様に製造し、粉末状のグ
ラフト共重合体含有重合体B−6を得た。
B−7 参考例14において、ゴム状弾性体ラテックスとしてゴ
ム状弾性体ラテックスG−3が固形換算で15kgとゴ
ム状弾性体ラテックスG−4が固形分換算で15kgと
の併用に変更された以外は、グラフト共重合体含有重合
体B−5と同様に製造し、粉末状のグラフト共重合体含
有重合体B−7を得た。
B−8 容積100リットルのオートクレーブ中でスチレン3
2.3kg、メチルメタクリレート43.7kgの単量
体混合物にスチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含
量25%、旭化成社製タフデン2000(商品名))4
kgを溶解し、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサ
イド32g、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタ
ン160gを添加し、撹拌翼の回転数を260rpmに
設定し、温度90℃に加熱した。重合転化率が30質量
%に達した時に冷却して塊状重合を停止した。次いで該
反応混合液70kgを容積200リットルのオートクレ
ーブに移し、これに新たに重合開始剤としてジクミルパ
ーオキサイドを140g添加した。純水100kgにド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5g、第三
リン酸カルシウム350gを懸濁安定剤として添加し、
撹拌下に混合液を分散させた。反応系を温度100℃で
2時間、115℃で3.5時間、130℃で2.5時間
加熱重合させた。反応終了後、洗浄、脱水後乾燥し、ビ
ーズ状のグラフト共重合体含有重合体B−8を得た。
エステル系共重合体および参考例10〜17で製造した
グラフト共重合体含有重合体を表1、2で示した割合
(質量%)で配合してヘンシェルミキサーで混合した
後、二軸押出機(東芝機械(株)社製 TEM−35
B)でシリンダー温度220℃で溶融混練してペレット
化した。得られた試料ペレットを連続相と分散相に分離
し、その質量比を表1、2に示した。さらに、分離した
連続相の各分析値を表3、4に、分散相の各分析値を表
5、6に示した。
た。 (1)連続相と分散相の質量比の測定 あらかじめ質量測定しておいた試料ペレット(質量をA
とする)をメチルエチルケトン(MEK)中で温度23
℃で24時間攪拌し、その後遠心分離機でMEKに対す
る不溶分の分離を実施し、遠心分離操作後30分静置し
た。遠心分離機の操作条件は次の通りである。 温度:−9℃ 回転数:20000rpm 時間:60分 遠心分離させた溶液の上澄み液と沈殿物とを分離し、沈
殿物を真空乾燥機で乾燥した後、質量測定して(質量を
Bとする)次の数11式、数12式により連続相と分散
相の質量比を求めた。
ルを加え、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共
重合体(連続相)を沈殿させた。この沈殿物を採取し、
下記記載のGPC測定条件で測定した。 装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工
社製) カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列 温度:40℃ 検出:示差屈折率 溶媒:テトラハイドロフラン 濃度:2質量% 検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用い
て作製し、重量平均分子量はPS換算値で表した。
ン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体からなる連
続相を採取し、充分乾燥した後、プレス成形機により試
験片(0.5mm厚み)を作製して、デジタル屈折計R
X−2000(ATAGO社製)を用いて、温度25℃
で測定した。なお、接触液はヨウ化水銀カリウム飽和水
溶液を使用した。
位の測定 先の測定の前処理で得られたスチレン−(メタ)アクリ
ル酸エステル系共重合体からなる連続相(MEK可溶
分)とグラフト共重合体からなる分散相(MEK不溶
分)とをそれぞれ重クロロホルムに溶解または膨潤させ
てFT−NMR(日本電子社製FX−90Q型)を用い
て、構成単量体単位を求めた。
折率をデジタル屈折計RX−2000(ATAGO社
製)を用いて温度25℃で測定し数13式の係数を求
め、前記の方法により求めた組成比から次式により求め
た。
A]はそれぞれ順にブタジエン、スチレン、メチルメタ
クリレートの単量体の組成比である。但し[Bd]+
[MMA]+[St]=1である)
偏差 試料ペレット約1gをN,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)100g中で24時間撹拌し、さらにDMF
を加えて適当な濃度になるように希釈し、レーザー回折
散乱法粒子径分布測定器(COULTER社LS230
型)を使用して測定した。
記の物性測定方法に従い各種物性測定を行った。測定値
を表7、8に示した。
80CNV)を用いて、シリンダー温度220℃で成形
し、127×64×6.4mm厚の試験片を作成して、
深さ2.54mmのノッチを入れ、ASTM D256
に準拠して測定した(単位:J/m)。
て、温度220℃、荷重98.07N/cm2の条件で
測定した(単位:g/10分)。
80CNV)を用いて、シリンダー温度220℃で成形
し、127×64×6.4mm厚の試験片を作成して、
ASTM D790に準拠して測定した(単位:MP
a)。
80CNV)を用いて、シリンダー温度220℃で成形
し、127×64×6.4mm厚の試験片を作成して、
ASTM D785に準拠して測定した(Mスケー
ル)。
いて、試料ペレットをシリンダー温度220℃で成形
し、55×90×3mm寸法の角板試験片を作成した。
この試験片について、ASTM D1003に準拠して
測定した(単位:%)。
用いて、試料ペレットをシリンダー温度220℃で成形
し、120×120×2mm寸法の角板試験片を作成し
た。この試験片について、JIS K−7211に準拠
して測定し、結果は50%破壊エネルギーで示した(単
位:J)。
80CNV)を用いて、シリンダー温度220℃、金型
温度50℃、成形サイクル19秒(冷却時間10秒)の
条件にて枡形の成形品を作成し、目視にて透明性を評価
した。 ◎・・光沢感があり、透明性良好。 ○・・光沢感が若干劣るが、透明性は良好。 △・・部分的にうすく曇った感じがある。 ×・・全体的にうすく曇った感じがある。 ◎、○を合格と判定した。
係わる実施例は、いずれも透明性、耐衝撃性、剛性、表
面硬度および成形加工性に優れていたが、本発明の条件
に合わないゴム変性スチレン系樹脂組成物に係わる比較
例では、透明性、耐衝撃性、剛性、表面硬度および成形
加工性のうちいずれかの物性において劣るものであっ
た。
性、表面硬度および成形加工性に優れたゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いて射出成形
してなる射出成形品を提供することが出来る。
Claims (4)
- 【請求項1】 (I)スチレン系単量体、(メタ)アク
リル酸エステル系単量体、および必要に応じて用いられ
るこれらの単量体と共重合可能なビニル系単量体からな
るスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の
連続相60〜90質量%と、(II)ゴム状弾性体、ス
チレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体、および必要に応じて用いられるこれらの単量体と共
重合可能なビニル系単量体からなるグラフト共重合体の
分散相40〜10質量%とからなるゴム変性スチレン系
樹脂組成物において、分散相の体積平均粒子径が0.3
〜0.6μmで、トルエン膨潤倍率が3〜8倍であり、
かつ連続相の重量平均分子量(Mw)とその構成単量体
単位から求められる数1式のXが数2式の範囲にあるこ
とを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物。 【数1】 【数2】 - 【請求項2】 スチレン−(メタ)アクリル酸エステル
系共重合体の連続相とグラフト共重合体の分散相との屈
折率の差が0.005以下であることを特徴とする請求
項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項3】 グラフト共重合体の分散相が、体積平均
粒子径0.3〜0.6μmで、かつ標準偏差0.08〜
0.2μmであることを特徴とする請求項1または請求
項2記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項記載のゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物を射出成形してなることを
特徴とする射出成形品。
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