JPH11140267A - 新規なゴム変性スチレン系樹脂組成物、及びその成形品 - Google Patents
新規なゴム変性スチレン系樹脂組成物、及びその成形品Info
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- JPH11140267A JPH11140267A JP9321940A JP32194097A JPH11140267A JP H11140267 A JPH11140267 A JP H11140267A JP 9321940 A JP9321940 A JP 9321940A JP 32194097 A JP32194097 A JP 32194097A JP H11140267 A JPH11140267 A JP H11140267A
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Abstract
スチーム接触時の耐白化性に優れるスチレン系樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 ゴム状弾性体を分散粒子として含有し、
かつ連続相がスチレン系単量体とアクリル酸(メタクリ
ル酸)エステル単量体よりなるゴム変性スチレン系樹脂
において、ゴム変性スチレン系樹脂中のアルカリ金属の
量が20ppm以下であることを特徴とするゴム変性ス
チレン系樹脂組成物、及びその成形品。
Description
系樹脂組成物中のアルカリ金属の量が20ppm以下で
あることを特徴とする、新規なゴム変性スチレン系樹脂
組成物に関するものである。更に詳細には、本発明は
上記の新規なゴム変性スチレン系樹脂組成物より成形さ
れた、温水、スチーム接触時の白化現象を抑えた、透明
性の優れた新規なゴム変性スチレン系樹脂シート及びフ
ィルム、上記の新規なスチレン系樹脂組成物より成形
された、温水、スチーム接触時の白化現象を抑えた、透
明性の優れた新規なスチレン系樹脂収縮フィルム、上
記の新規なゴム変性スチレン系樹脂組成物より成形され
た、温水、スチーム接触時の白化現象を抑えた、透明性
の優れた新規な食品包装材、上記の新規なゴム変性ス
チレン系樹脂組成物より成形された、温水、スチーム接
触時の白化現象を抑えた、透明性の優れた新規な医療器
具を構成する部材、を提供する。
性に優れた樹脂であることから、以前から食品容器、包
装材等の成形材料として広く用いられてきた。利用分野
が拡大するに従い、温水、スチーム接触時の白化現象を
抑えることが強く求められるようになった。これまで透
明で強度の高いスチレン系樹脂としては、スチレン系単
量体と共重合可能なアクリル酸(メタクリル酸)エステ
ルを導入し、これら単量体からなる重合体を連続相と
し、スチレン−ブタジエン共重合体またはスチレン−ブ
タジエンブロック共重合体からなるゴム状弾性体を分散
相として、分散層と連続層の屈折率を合わせたゴム変性
スチレン系樹脂が知られており、食品容器、包装材等の
成形材料として広く用いられてきた。
の中には、容器、器具または内容物の殺菌を目的とし
て、容器、器具を、または容器に内容物を充填後、スチ
ームや温水で70〜100℃に加熱することをひつよう
とする使用法があり、従来のスチレン系単量体とアクリ
ル酸(メタクリル酸)エステルを連続相とし、スチレン
−ブタジエン共重合体またはスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体からなるゴム状弾性体を分散相とするゴム
変性スチレン系樹脂では、温水やスチーム接触後に白化
現象を起こして、製品の透明性が低下するなどの問題が
生じることがあった。
チレン系単量体と共重合可能なアクリル酸(メタクリル
酸)エステルを導入し、これら単量体からなる重合体を
連続相とし、スチレン−ブタジエン共重合体またはスチ
レン−ブタジエンブロック共重合体からなるゴム状弾性
体を分散相とする透明なゴム変性スチレン系樹脂が使用
されているが、フィルムを収縮させるために70〜10
0℃の温水またはスチームに直接接触させる使用法があ
り、従来のスチレン系単量体とアクリル酸(メタクリル
酸)エステルを連続相とし、スチレン−ブタジエン共重
合体またはスチレン−ブタジエンブロック共重合体から
なるゴム状弾性体を分散相とするゴム変性スチレン系樹
脂では、温水やスチーム接触後に白化現象を起こして問
題となっていた。
温水やスチームとの接触を避けるような使用法等を用い
る場合もあるが、用途が限定されてしまう。また、安価
な加熱、殺菌方法であるスチームや温水を使用すること
への要求が強く、スチームや温水と接触しても透明性が
低下しないゴム変性スチレン系樹脂への要望が高まって
いる。本発明者は検討の結果、スチレン系単量体とアク
リル酸(メタクリル酸)エステルを連続相とし、スチレ
ン−ブタジエン共重合体またはスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体からなるゴム状弾性体を分散相とするゴ
ム変性スチレン系樹脂では、樹脂組成物中にゴム状弾性
体重合時の触媒由来のアルカリ金属が多量に含まれてお
り、これが原因で白化現象を起こしていることを見出し
た。
ナッタ系の触媒を用いることにより、樹脂組成物中のア
ルカリ金属をゼロにすることが出来るが、この触媒系で
はスチレンを実用的な条件で共重合できないため、スチ
レン−ブタジエン共重合体が工業的には製造することが
出来ない。また、スチレン系単量体とアクリル酸(メタ
クリル酸)エステルを連続相とし、ゴム状弾性体を分散
相とするゴム変性スチレン系樹脂では、ゴム状弾性体が
ポリブタジエンの場合、分散相と連続相の屈折率を合わ
せて透明性を出すためには連続相中のスチレン系単量体
の量が非常に少なくなり、非常に流動性が悪く、スチレ
ン系樹脂の特徴である成形性が損なわれ、実用的な物性
の樹脂組成物は得られない。
鑑み、鋭意検討した結果、スチレン−ブタジエン共重合
体またはスチレン−ブタジエンブロック共重合体からな
るゴム状弾性体を分散粒子として含有し、かつ連続相が
スチレン系単量体20〜80重量部、アクリル酸(メタ
クリル酸)エステル単量体80〜20重量部よりなるゴ
ム変性スチレン系樹脂において、ゴム変性スチレン系樹
脂中のアルカリ金属の量を20ppm以下にすることに
より、温水、スチーム接触時の白化現象を抑えた、透
明性の優れた新規なスチレン系樹脂シート及びフィル
ム、温水、スチーム接触時の白化現象を抑えた、透明
性の優れた新規なスチレン系樹脂収縮フィルム、温
水、スチーム接触時の白化現象を抑えた、透明性の優れ
た新規な食品包装材、温水、スチーム接触時の白化現
象を抑えた、透明性の優れた新規な医療器具を構成する
部材が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
共重合体またはスチレン−ブタジエンブロック共重合体
からなるゴム状弾性体を分散粒子として含有し、かつ連
続相がスチレン系単量体20〜80重量部、アクリル酸
(メタクリル酸)エステル単量体80〜20重量部より
なるゴム変性スチレン系樹脂において、ゴム変性スチレ
ン系樹脂中のアルカリ金属の量が20ppm以下である
ことを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物であ
る。
形成するスチレン系単量体の量は20〜80重量部、好
ましくは30〜70重量部、更に好ましくは40〜60
重量部の範囲である。この量が20重量部未満の場合は
吸湿水分量が多くなり、成型時に乾燥工程が必要とな
り、生産性を著しく悪くすることと、流動性が非常に悪
くなるので好ましくない。また、80重量部を越える場
合は、高い透明性、強度、成形性のバランスに優れた樹
脂が得られず好ましくない。
ル酸)エステル単量体の割合は、連続相の屈折率が、用
いるゴム状弾性体の屈折率に合うように設定される。高
い透明性を要求される用途では、連続相とゴム状弾性体
の屈折率の差は0.010以内、好ましくは0.008
以内であるように制御することが望ましい。本発明にお
いて、スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチ
レン等が用いられる。これらは単独で用いてもよく、ま
たこれらを混合して用いることもできる。
酸)エステル単量体としては、ブチルアクリレート、エ
チルアクリレート、メチルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート等が用いられる。これ
らは単独で用いてもよく、またこれらを混合して用いる
こともできる。本発明のスチレン−ブタジエン共重合体
またはスチレン−ブタジエンブロック共重合体からなる
ゴム状弾性体としては、スチレン含有量は10重量%〜
50重量%であるものが好ましい。更に好ましくは20
重量%〜45重量%の範囲である。また、ゴム状弾性体
の分子量、分岐等は特に制約されるものではない。
のアルカリ金属の量は20ppm以下であることが必要
である。より好ましくは16ppm以下である。20p
pmを越える場合は温水、スチーム接触時の白化現象が
著しいだけでなく、シートもしくはフィルム、成形体の
表面が非常に荒れて外観を著しく損ない好ましくない。
アルカリ金属の種類の中では、特にリチウムが問題とな
る。ゴム変性スチレン系樹脂組成物中のアルカリ金属の
量は、原子吸光分光光度計を用いた原子吸光分光分析に
より測定することができる。
リ金属の量を20ppm以下にする方法は特に限定され
ないが、脱灰処理が一般的である。ゴム変性スチレン系
樹脂中に含まれるアルカリ金属の量が20ppm以下で
あれば、特に脱灰処理方法は限定されるものではない
が、例えば、脱灰処理として、ゴム状弾性体を溶媒、例
えばノルマルヘキサン等に溶解し、そのゴム状弾性体溶
液を水中に微分散させ、ゴム状弾性体中の未反応アルカ
リ金属を水酸化物として水側に移行させた後、水とゴム
状弾性体溶液を分離する。この操作を、ゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物中のアルカリ金属の量が本発明で必要と
する量より少なくなるまで繰り返した後、溶媒を分離
し、ゴム状弾性体を得る方法を用いることができる。
2.0μm、好ましくは0.1μm〜1.5μm、更に
好ましくは0.3μm〜1.0μmの範囲であり、0.
1μm未満であると強度補強効果が発現しない、あるい
は、強度補強効果が非常に小さい。一方、分散粒子径が
2.0μmを越える場合は、強度補強効果は大きいがシ
ート表面、成形体表面の外観が悪く、透明性が悪くな
り、好ましくない。本発明で言う粒子径は、特に断らな
い限り、体積平均粒子径を意味する。
状弾性体の量は1〜20重量%であり、好ましくは3〜
15重量%、更に好ましくは4〜14重量%の範囲であ
る。ゴム状弾性体の量が1重量%未満の場合は強度補強
効果が発現しない。また、20重量%を越える場合は、
透明性の低下と剛性が低下して、使用用途が大きく制約
を受けるので好ましくない。
有機ポリシロキサン、例えば、ポリジメチルシロキサ
ン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシ
ロキサン及び、これらの重合体の末端あるいは分子鎖中
にエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ビニル基、ア
ミノ基、アルコキシ基等を導入したものを添加すること
ができる。有機ポリシロキサンの含有量は、ゴム変性ス
チレン系樹脂組成物100重量部あたり0.002〜
0.5重量部の範囲が好ましい使用量である。本発明の
ゴム変性スチレン系樹脂組成物にテルペン系樹脂、石油
樹脂、クマロン樹脂、又、これらを構成するモノマー単
位と、スチレンやα−メチルスチレンなどの芳香族炭化
水素との共重合体、及びそれらを部分水素添加したもの
など添加することもできる。
得られるd−リモネン、または生松脂から得られるα−
ピネンの異性化で得られるジペンテンと芳香族炭化水素
をフリーデルクラフツ型触媒(例えば、塩化アルミ、三
フッ化硼素等)を用いてカチオン重合を行うことにより
得られる。そして、この重合体を水素添加することによ
り得られる樹脂も本発明で言うテルペン系樹脂に含まれ
る。水素添加率には特に制約はない。芳香族炭化水素と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン等が好適に用いられる。
が、重合度1000以下好ましくは500以下、更に好
ましくは200以下である。重合度が高くなるとゴム変
性スチレン系樹脂との相溶性が低下し、その結果透明性
が低下し好ましくない。テルペン系樹脂としては、例え
ば、ヤスハラケミカル株式会社製のYSレジンTO−1
25、TO−115、TO−105、TO−85及び、
クリアロンM−115、M−105、P−85(以上、
商品名)等を用いることが出来る。テルペン系樹脂の含
有量は、ゴム変性スチレン系樹脂100重量部当たり
0.5〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部で
あり、更に好ましくは1〜15重量部の範囲である。
ームクラッキングにより副正する分解留分のうち、C5
留分、C9留分を原料にして、フリーデルクラフト型触
媒によりカチオン重合して得られる樹脂が挙げられる。
石油樹脂中のC9留分の割合が30重量%以上であるこ
とが必要である。好ましくは40重量%以上である。C
9留分の割合が30重量%未満の場合は、ゴム変性スチ
レン系樹脂組成物との相溶性が低下し、その結果として
透明性が低下し、かつ、強度低下、シート、フィルム、
成形体の相剥離現象を招くことになり好ましくない。
合度1000以下、好ましくは500以下、更に好まし
くは200以下である。重合度が高くなると、ゴム変性
スチレン系樹脂との相溶性が低下し、可塑効果も低下
し、また、シート、フィルム成形体の透明性も悪化す
る。石油樹脂としては、トーネックス株式会社製の「テ
ルペンECR231C(商品名)」等を用いることがで
きる。石油樹脂の含有量は、ゴム変性スチレン系樹脂1
00重量部当たり0.5〜30重量部、より好ましくは
1〜20重量部であり、更に好ましくは1〜15重量部
の範囲である。
は、ゴム補強ポリスチレン(HIPS樹脂)の製造で多
用されている方法を用いることが出来る。すなわち、ゴ
ム状弾性体をスチレン系単量体またはアクリル酸(メタ
クリル酸)エステル単量体または重合溶媒または重合開
始剤からなる原料溶液に溶解し、このゴム状弾性体が溶
解した原料溶液を攪拌機付反応器に供給し、重合を行
う。分散粒子の粒子径の制御は一般的に行われている方
法、例えば攪拌羽根の攪拌数を変化させることにより制
御される。また、透明性を維持する方法として、一般的
な方法、例えば重合途中に必要に応じて単量体を添加す
るか、あるいは連続的に追添加する等の方法が用いられ
る。
量に原材料、重合率を調整することにより達成すること
ができる。また、高濃度のゴム状弾性体を含むゴム変性
スチレン系樹脂を上記の方法で製造し、別に製造したゴ
ム状弾性体を含まない、あるいはゴム状弾性体の少ない
スチレン系樹脂と混合することによっても達成できる。
但し、本発明の構成要件を全て満たすことは当然であ
る。
ゼン、トルエン、キシレン等を用いることも可能であ
る。また、スチレン系重合体の重合に多用されている有
機過酸化物を用いても、また、途中添加してもよい。重
合方法は、スチレン系重合体の製法で常用されている塊
状重合、または溶液重合が用いられる。回分式重合法、
連続式重合法いずれの方法も用いることができる。反応
器を出た重合溶液は、回収系に導かれ、未反応単量体、
重合溶媒等を除去し、ペレット化される。
製造時の未反応単量体及び/または重合溶媒を回収する
前または後の任意の段階、あるいはゴム変性スチレン系
樹脂を成形する段階においてスチレン系樹脂に慣用され
ている添加剤、例えば酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色
剤、帯電防止剤等を添加できる。また、本発明のゴム変
性スチレン系樹脂組成物と他のスチレン系樹脂、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体等を混合して使用する
ことも可能である。但し、本発明の構成要件を全て満た
すことは当然である。本発明でいうフィルム、シートと
は、厚さ0.02mm〜2.00mmのものである。成
形方法は特に限定されない。
るが、これらによって限定されるものではない。 (実施例1) 〔ゴム変性スチレン系樹脂組成物1〕B−Sタイプ
(B:ブタジエンブロック、S:スチレンブロック)
で、スチレン含有量が30重量%であるゴム状弾性体の
10重量%ノルマルヘキサン溶液と水を1:5で混合
し、超音波ホモジナイザーで10分間微分散させる。混
合液を静置し、デカンテーションによって水を分離した
後、再び水と1:5で混合し、超音波ホモジナイザーで
10分間微分散させる。この脱灰の操作を10回繰り返
す。
によって水と分離後、10倍量の90℃の温水中へ滴下
し、溶媒を揮発させ、ゴム状弾性体を回収する。更に8
0℃で8時間真空乾燥し、残留溶媒、水分を除去する。
攪拌機を備えた反応機2機を直列連結し、その後に2段
ベント付き押出機を配置した重合装置を用いてゴム変性
スチレン系樹脂を製造する。スチレン47.5重量部、
ブチルアクリレート10.0重量部、メチルメタクリレ
ート33.2重量部、上記脱灰処理を行ったゴム状弾性
体6.5重量部、エチルベンゼン2.8重量部、1,1
ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.01
重量部からなる原料溶液を反応機に供給し、重合を行
い、ゴム変性スチレン系樹脂組成物1を得る。
の操作を7回にする以外、ゴム変性スチレン系樹脂組成
物1と同様に操作し、ゴム変性スチレン系樹脂組成物2
を得る。 〔ゴム変性スチレン系樹脂組成物3〕脱灰の操作を4回
にする以外、ゴム変性スチレン系樹脂組成物1と同様に
操作し、ゴム変性スチレン系樹脂組成物3を得る。
にする以外、ゴム変性スチレン系樹脂組成物1と同様に
操作し、ゴム変性スチレン系樹脂組成物4を得る。 〔ゴム変性スチレン系樹脂組成物5〕攪拌機を備えた反
応機2機を直列連結し、その後に2段ベント付き押出機
を配置した重合装置を用いてゴム変性スチレン系樹脂を
製造する。スチレン47.5重量部、ブチルアクリレー
ト10.0重量部、メチルメタクリレート33.2重量
部、B−Sタイプ(B:ブタジエンブロック、S:スチ
レンブロック)で、スチレン含有量が30重量%である
ゴム状弾性体ゴム状弾性体6.5重量部、エチルベンゼ
ン2.8重量部、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)
シクロヘキサン0.01重量部からなる原料溶液を反応
機に供給し、重合を行い、ゴム変性スチレン系樹脂組成
物5を得る。ゴム変性スチレン系樹脂組成物1〜5の物
性を表1に示す。
物1を用い、押出機でTダイより0.3mmの原反を作
成する。得られたシートを、60℃の温水中に60分間
浸し、その後、表面状態、透明性を観察する。同様に、
各々70℃温水中に60分間、80℃温水中に60分
間、90℃温水中に60分間、100℃温水中に60分
間浸した後の表面状態、透明性を観察する。ゴム変性ス
チレン系樹脂組成物中のアルカリ金属の量を、原子吸光
分光光度計を用いた原子吸光分光分析により測定した。
物2を用い、実施例1と同様に操作、評価を行った。 (実施例4)ゴム変性スチレン系樹脂組成物3を用い、
実施例1と同様に操作、評価を行った。 (比較例2)ゴム変性スチレン系樹脂組成物4を用い、
実施例1と同様に操作、評価を行った。 (比較例3)ゴム変性スチレン系樹脂組成物5を用い、
実施例1と同様に操作、評価を行った。実施例1〜3、
比較例1・2の評価結果を表2に示す。
状態を観察し、使用の可否を以下の基準に基づき定め
た。 ○:温水白化しない(実使用に耐え得るレベル) △:温水白化する、表面状態は平滑。(実使用に耐え難
いレベル) ×:温水白化する、表面荒れが激しい。(実使用に耐え
難いレベル) 脱灰処理を行って、ゴム変性スチレン系樹脂組成物中の
アルカリ金属の量が20ppm以下である組成物を用い
た実施例1〜3は、70℃以上の温水に接触しても温水
白化が抑制され、実使用に耐え得る透明性、表面平滑性
を保持するのに対し、ゴム変性スチレン系樹脂組成物中
のアルカリ金属の量が20ppmを越える比較例1・2
は、70℃以上の温水と接触すると温水白化が生じ、透
明性、表面平滑性が実使用に耐え難いレベルにまで低下
してしまう。
リル酸)エステル単量体からなるスチレン系重合体を連
続相とし、スチレン−ブタジエン共重合体またはスチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体からなるゴム状弾性体
を分散相とするゴム変性スチレン系樹脂組成物中のアル
カリ金属の量を20ppm以下にする事により、温
水、スチーム接触時の白化現象を抑えた、透明性の優れ
た新規なスチレン系樹脂シート及びフィルムが得られる
こと、温水、スチーム接触時の白化現象を抑えた、透
明性の優れた新規なスチレン系樹脂収縮フィルムが得ら
れること、温水、スチーム接触時の白化現象を抑え
た、透明性の優れた新規な食品包装材が得られること、
温水、スチーム接触時の白化現象を抑えた、透明性の
優れた新規な医療器具を構成する部材が得られた。
Claims (5)
- 【請求項1】 スチレン−ブタジエン共重合体またはス
チレン−ブタジエンブロック共重合体からなるゴム状弾
性体を分散粒子として含有し、かつ連続相がスチレン系
単量体20〜80重量部、アクリル酸(メタクリル酸)
エステル単量体80〜20重量部よりなるゴム変性スチ
レン系樹脂において、ゴム変性スチレン系樹脂中のアル
カリ金属の量が20ppm以下であることを特徴とする
ゴム変性スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂
組成物からなる、スチレン系樹脂フィルム、もしくはシ
ート。 - 【請求項3】 請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂
組成物より成形された、シートまたはフィルムを、少な
くとも1軸以上の方向に延伸して作られた収縮性フィル
ム。 - 【請求項4】 請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂
組成物より成形された食品包装材。 - 【請求項5】 請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂
組成物より成形された医療器具を構成する部材。
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---|---|---|---|
JP32194097A JP3654757B2 (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 新規なゴム変性スチレン系樹脂組成物、及びその成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP32194097A JP3654757B2 (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 新規なゴム変性スチレン系樹脂組成物、及びその成形品 |
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JPH11140267A true JPH11140267A (ja) | 1999-05-25 |
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