JP2655689B2 - ゴム変性スチレン系樹脂 - Google Patents
ゴム変性スチレン系樹脂Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、透明性、耐衝撃性および剛性のバランスに
優れた、高光沢、半透明性を有するゴム変性スチレン系
樹脂に関する。
優れた、高光沢、半透明性を有するゴム変性スチレン系
樹脂に関する。
[従来の技術] ゴム状重合体の存在下にスチレン系単量体を重合させ
て得られるゴム変性スチレン系樹脂は、比較的良好な物
性バランスに加え、優れた成形加工性を有しており、ま
たこれらと製造法の異なるスチレン系樹脂であるABS樹
脂に比べ安価であるため、汎用樹脂として、弱電機器分
野、事務機器分野、包装容器分野、雑貨分野等で広く使
用されているが、近年、成形品表面光沢等の外観、さら
には透明性もしくは半透明性の要求される用途への適用
が特に強く望まれている。
て得られるゴム変性スチレン系樹脂は、比較的良好な物
性バランスに加え、優れた成形加工性を有しており、ま
たこれらと製造法の異なるスチレン系樹脂であるABS樹
脂に比べ安価であるため、汎用樹脂として、弱電機器分
野、事務機器分野、包装容器分野、雑貨分野等で広く使
用されているが、近年、成形品表面光沢等の外観、さら
には透明性もしくは半透明性の要求される用途への適用
が特に強く望まれている。
一般にゴム変性スチレン系樹脂は、ブタジエン系ゴム
のスチレン系単量体溶液を塊状重合または塊状−懸濁重
合することにより製造されており、要求物性に応じて原
料組成、重合条件等の調整が適宜なされている。しか
し、通常のゴム変性スチレン系樹脂は、白色、不透明で
あり、透明性の要求される用途への適用は困難であっ
た。
のスチレン系単量体溶液を塊状重合または塊状−懸濁重
合することにより製造されており、要求物性に応じて原
料組成、重合条件等の調整が適宜なされている。しか
し、通常のゴム変性スチレン系樹脂は、白色、不透明で
あり、透明性の要求される用途への適用は困難であっ
た。
ゴム変性スチレン系樹脂は、樹脂中の分散ゴム粒子相
により耐衝撃性を実現させているが、この分散ゴム粒子
が光を散乱し透明性を低下させるため、透明性を向上さ
せる手段として、分散ゴム粒子径を小さくし可視光線の
波長以下にコントロールする方法が従来より検討されて
いる。しかし、満足できる透明性が得られるまで分散ゴ
ム粒子径を小さくすると耐衝撃性の低下が大きく、また
ゴム使用量を増加させると透明性の低下のほか剛性等の
機械的物性の低下をきたすため、単に分散ゴム粒子系を
小さくする方法やゴム使用量を増加させる方法では満足
できる透明性、耐衝撃性および剛性のバランスに優れた
ゴム変性スチレン系樹脂を得ることは困難であった。
により耐衝撃性を実現させているが、この分散ゴム粒子
が光を散乱し透明性を低下させるため、透明性を向上さ
せる手段として、分散ゴム粒子径を小さくし可視光線の
波長以下にコントロールする方法が従来より検討されて
いる。しかし、満足できる透明性が得られるまで分散ゴ
ム粒子径を小さくすると耐衝撃性の低下が大きく、また
ゴム使用量を増加させると透明性の低下のほか剛性等の
機械的物性の低下をきたすため、単に分散ゴム粒子系を
小さくする方法やゴム使用量を増加させる方法では満足
できる透明性、耐衝撃性および剛性のバランスに優れた
ゴム変性スチレン系樹脂を得ることは困難であった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、剛性の低下を伴わずに耐衝撃性の向
上を計ることにより、透明性、耐衝撃性および剛性のバ
ランスに優れた、高光沢、半透明性を有するゴム変性ス
チレン系樹脂を提供することにある。
上を計ることにより、透明性、耐衝撃性および剛性のバ
ランスに優れた、高光沢、半透明性を有するゴム変性ス
チレン系樹脂を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、かかる問題点に鑑み鋭意検討した結
果、特定の2種のブタジエン系ゴムを特定の比率で組合
わせて用い、かつゴム粒子相成分とブタジエン成分との
比を大きくすることにより、上記目的が有効に達せら
れ、透明性、耐衝撃性および剛性のバランスに優れたゴ
ム変性スチレン系樹脂が得られることを見出し、本発明
に至った。
果、特定の2種のブタジエン系ゴムを特定の比率で組合
わせて用い、かつゴム粒子相成分とブタジエン成分との
比を大きくすることにより、上記目的が有効に達せら
れ、透明性、耐衝撃性および剛性のバランスに優れたゴ
ム変性スチレン系樹脂が得られることを見出し、本発明
に至った。
即ち、本発明は、ブタジエン系ゴムの存在下にスチレ
ン系単量体を重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂
であって、a)ブタジエン系ゴムがスチレン含有量25〜
50重量%のスチレン−ブタジエンブロック共重合体
(A)およびスチレン含有量25重量%未満のブタジエン
系重合体(B)とからなり、かつその重量比が(A)/
(B)=95/5〜60/40であり、b)該樹脂の連続マトリ
ックス相中に分散しているゴム粒子相の長さ平均粒径が
0.1〜0.4μmであり、c)ゴム粒子相成分とブタジエン
成分との重量比が3.3以上である ことを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂に関する。
ン系単量体を重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂
であって、a)ブタジエン系ゴムがスチレン含有量25〜
50重量%のスチレン−ブタジエンブロック共重合体
(A)およびスチレン含有量25重量%未満のブタジエン
系重合体(B)とからなり、かつその重量比が(A)/
(B)=95/5〜60/40であり、b)該樹脂の連続マトリ
ックス相中に分散しているゴム粒子相の長さ平均粒径が
0.1〜0.4μmであり、c)ゴム粒子相成分とブタジエン
成分との重量比が3.3以上である ことを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂に関する。
以下、本発明のゴム変性スチレン系樹脂について詳し
く説明する。
く説明する。
本発明に用いるスチレン−ブタジエンブロック共重合
体(A)は、リチウム系触媒により1,3−ブタジエンを
主成分とする共役ジオレフィンとスチレンを主成分とす
るスチレン系単量体とをブロック共重合することにより
得られる共重合体であり、例えば、一般式(S−B)n,
S(B−S)n,((S−B)n)mX等(ただし、Bはブ
タジエンを主とするブロック、Sはスチレンを主とする
ブロック、nは1以上の整数、mは3以上の整数、Xは
カップリング剤の残基である。)の配列、好ましくは、
S−BもしくはS−B−Sの配列を有するブロック共重
合体である。また、本発明に用いるスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体は、一部ランダム部を含有してもよ
いが、スチレンブロック部を構成するスチレン量は全ス
チレン量に対して50モル%以上、好ましくは75モル%以
上であることが望ましい。
体(A)は、リチウム系触媒により1,3−ブタジエンを
主成分とする共役ジオレフィンとスチレンを主成分とす
るスチレン系単量体とをブロック共重合することにより
得られる共重合体であり、例えば、一般式(S−B)n,
S(B−S)n,((S−B)n)mX等(ただし、Bはブ
タジエンを主とするブロック、Sはスチレンを主とする
ブロック、nは1以上の整数、mは3以上の整数、Xは
カップリング剤の残基である。)の配列、好ましくは、
S−BもしくはS−B−Sの配列を有するブロック共重
合体である。また、本発明に用いるスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体は、一部ランダム部を含有してもよ
いが、スチレンブロック部を構成するスチレン量は全ス
チレン量に対して50モル%以上、好ましくは75モル%以
上であることが望ましい。
また、スチレン−ブタジエンブロック共重合体中のス
チレン含有量は25〜50重量%、好ましくは35〜45重量%
であることが必要である。スチレン含有量が25重量%未
満の場合は透明性が得られず、スチレン含有量が50重量
%を越える場合は耐衝撃性が劣るため好ましくない。
チレン含有量は25〜50重量%、好ましくは35〜45重量%
であることが必要である。スチレン含有量が25重量%未
満の場合は透明性が得られず、スチレン含有量が50重量
%を越える場合は耐衝撃性が劣るため好ましくない。
本発明に用いるブタジエン系重合体(B)のスチレン
含有量は、25重量%未満であることが必要である。ブタ
ジエン系重合体(B)のスチレン含有量が25重量%を越
える場合は、耐衝撃性が劣るため好ましくない。また、
本発明に用いるブタジエン系重合体(B)は、ミドルシ
スゴムもしくはハイシスゴムのいずれでもよいが、シス
−1,4結合含量が25〜40モル%、重量平均分子量と数平
均分子量との比が1.1〜1.6、分岐状の高分子鎖の含有率
が50重量%以上であるゴムを用いた場合、透明性の良好
な樹脂が得られやすい。
含有量は、25重量%未満であることが必要である。ブタ
ジエン系重合体(B)のスチレン含有量が25重量%を越
える場合は、耐衝撃性が劣るため好ましくない。また、
本発明に用いるブタジエン系重合体(B)は、ミドルシ
スゴムもしくはハイシスゴムのいずれでもよいが、シス
−1,4結合含量が25〜40モル%、重量平均分子量と数平
均分子量との比が1.1〜1.6、分岐状の高分子鎖の含有率
が50重量%以上であるゴムを用いた場合、透明性の良好
な樹脂が得られやすい。
本発明に用いるブタジエン系重合体(B)は、エチル
リチウム、n−ブチルリチウム、ステアリルリチウム等
の有機リチウム化合物触媒、もしくはコバルトまたはニ
ッケル化合物と有機アルミニウム化合物を含有する触媒
により、1,3−ブタジエンを主成分とする共役ジオレフ
ィンを重合することにより得ることができる。具体的に
はポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体があ
げられる。また、有機リチウム化合物触媒を用いた場
合、多官能の結合剤によるカップリングにより分岐状の
高分子鎖を有するブタジエン重合体を得ることができ
る。
リチウム、n−ブチルリチウム、ステアリルリチウム等
の有機リチウム化合物触媒、もしくはコバルトまたはニ
ッケル化合物と有機アルミニウム化合物を含有する触媒
により、1,3−ブタジエンを主成分とする共役ジオレフ
ィンを重合することにより得ることができる。具体的に
はポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体があ
げられる。また、有機リチウム化合物触媒を用いた場
合、多官能の結合剤によるカップリングにより分岐状の
高分子鎖を有するブタジエン重合体を得ることができ
る。
本発明に用いるブタジエン系ゴムは、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体(A)およびブタジエン系重合
体(B)からなることが必要であり、(A)と(B)の
重量比は(A)/(B)=95/5〜60/40、好ましくは
(A)/(B)=90/10〜70/30である。(A)の割合が
重量比で95を越える場合は、耐衝撃性が不十分であり、
満足できる耐衝撃性と剛性のバランスを得ることが困難
である。また、(A)の割合が重量比で60未満の場合
は、透明性が劣るため、いずれの場合も改良された透明
性、耐衝撃性および剛性のバランスを有するゴム変性ス
チレン系樹脂を得ることはできない。
ジエンブロック共重合体(A)およびブタジエン系重合
体(B)からなることが必要であり、(A)と(B)の
重量比は(A)/(B)=95/5〜60/40、好ましくは
(A)/(B)=90/10〜70/30である。(A)の割合が
重量比で95を越える場合は、耐衝撃性が不十分であり、
満足できる耐衝撃性と剛性のバランスを得ることが困難
である。また、(A)の割合が重量比で60未満の場合
は、透明性が劣るため、いずれの場合も改良された透明
性、耐衝撃性および剛性のバランスを有するゴム変性ス
チレン系樹脂を得ることはできない。
本発明に用いるスチレン−ブタジエンブロック共重合
体(A)とブタジエン系重合体(B)のそれぞれの溶液
粘度(25℃における5重量%スチレン溶液の粘度)は特
に限定されるものではないが、20〜200cpsの範囲にある
ことが望ましい。
体(A)とブタジエン系重合体(B)のそれぞれの溶液
粘度(25℃における5重量%スチレン溶液の粘度)は特
に限定されるものではないが、20〜200cpsの範囲にある
ことが望ましい。
また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂におけるブタ
ジエン系ゴムの含有量は特に限定されるものではない
が、得られた樹脂の透明性、耐衝撃性および剛性等の物
性バランスの点で5〜12重量%の範囲にあることが好ま
しい。
ジエン系ゴムの含有量は特に限定されるものではない
が、得られた樹脂の透明性、耐衝撃性および剛性等の物
性バランスの点で5〜12重量%の範囲にあることが好ま
しい。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂の連続マトリックス
相中に分散したゴム粒子相の長さ平均粒径は0.1〜0.4
μ、好ましくは0.15〜0.3μであることが必要である。
ゴム粒子相の長さ平均粒径が0.4μを越える場合は、得
られるゴム変性スチレン系樹脂の透明性が劣り、また0.
1μ未満では耐衝撃性が劣るため、いずれの場合も透明
性と耐衝撃性を共に満足するゴム変性スチレン系樹脂を
得ることはできない。ここでいうゴム粒子相の長さ平均
粒径とは、ゴム変性スチレン系樹脂の超薄切片法による
透過型電子顕微鏡写真により、200〜1000個のゴム粒子
径を測定し、次式により算出したものである。
相中に分散したゴム粒子相の長さ平均粒径は0.1〜0.4
μ、好ましくは0.15〜0.3μであることが必要である。
ゴム粒子相の長さ平均粒径が0.4μを越える場合は、得
られるゴム変性スチレン系樹脂の透明性が劣り、また0.
1μ未満では耐衝撃性が劣るため、いずれの場合も透明
性と耐衝撃性を共に満足するゴム変性スチレン系樹脂を
得ることはできない。ここでいうゴム粒子相の長さ平均
粒径とは、ゴム変性スチレン系樹脂の超薄切片法による
透過型電子顕微鏡写真により、200〜1000個のゴム粒子
径を測定し、次式により算出したものである。
長さ平均粒径=ΣNiDi2/ΣNiDi (ここで、Niは粒径Diのゴム粒子の個数であり、粒径Di
はゴム粒子の長径と短径の平均値である。) 本発明のゴム変性スチレン径樹脂中のゴム粒子の形状
は、サラミ構造、コア/シェル構造等の形状をとり得る
が、透明性の点でコア/シェル構造であることが好まし
い。
はゴム粒子の長径と短径の平均値である。) 本発明のゴム変性スチレン径樹脂中のゴム粒子の形状
は、サラミ構造、コア/シェル構造等の形状をとり得る
が、透明性の点でコア/シェル構造であることが好まし
い。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂中のゴム粒子相成分
とブタジエン成分との比は、重量比で3.3以上、好まし
くは3.5以上であることが必要である。3.3未満では透明
性、耐衝撃性のいずれか、もしくは両方が劣り、透明性
と耐衝撃性のバランスの改良されたゴム変性スチレン系
樹脂を得ることができない。ここでいうゴム粒子相成分
とは、ゴム変性スチレン系樹脂中のメチルエチルケトン
/メタノール(容量比10/1)混合溶剤不溶分であり、ブ
タジエン成分とはゴム変性スチレン系樹脂中の重合時に
添加したブタジエン系ゴムのブタジエン部分である。ゴ
ム変性スチレン系樹脂中のブタジエン成分は、重合時の
ブタジエン系ゴムの添加量から算出する方法、もしくは
一塩化ヨウ素法による二重結合定量から算出する方法、
例えば、高分子分析ハンドブック,日本分析化学会,高
分子分析研究懇談会編(1987),267ページに記載の方法
により求めることができる。
とブタジエン成分との比は、重量比で3.3以上、好まし
くは3.5以上であることが必要である。3.3未満では透明
性、耐衝撃性のいずれか、もしくは両方が劣り、透明性
と耐衝撃性のバランスの改良されたゴム変性スチレン系
樹脂を得ることができない。ここでいうゴム粒子相成分
とは、ゴム変性スチレン系樹脂中のメチルエチルケトン
/メタノール(容量比10/1)混合溶剤不溶分であり、ブ
タジエン成分とはゴム変性スチレン系樹脂中の重合時に
添加したブタジエン系ゴムのブタジエン部分である。ゴ
ム変性スチレン系樹脂中のブタジエン成分は、重合時の
ブタジエン系ゴムの添加量から算出する方法、もしくは
一塩化ヨウ素法による二重結合定量から算出する方法、
例えば、高分子分析ハンドブック,日本分析化学会,高
分子分析研究懇談会編(1987),267ページに記載の方法
により求めることができる。
一般に、ゴム変性スチレン系樹脂のゴム粒子相成分と
ゴム成分との比は、ジャーナル・オブ・アプライド・ポ
リマー・サイエンス(Journal of Applied Polymer Sci
ence)Vol.28,(1983)の3259ページに示されている如
く、ゴム粒子径が非常に大きい場合、3.3以上の値をと
り得るが、ゴム粒子径が小さくなるに従って小さくな
り、3.3未満の値となる。また、市販のゴム変性スチレ
ン系樹脂のゴム粒子相成分とゴム成分との比は、通常2
〜3の範囲にあり、例えばポリマー・エンジニアリング
・アンド・サイエンス,ミッド−ジャーナリー(Polyme
r Engneering and Science,Mid/January)1986,Vol.26,
No.1の77ページの値ではゴム粒子径が3.9μで2.6、0.92
μで2.2である。また、ゴム粒子径が0.2〜0.4μにおけ
る、ゴム粒子相成分とゴム成分との比の公知の値は、例
えばジャーナル・オブ・マテリアルス・サイエンス(Jo
urnal of Materials Science)22,(1987)の1342ペー
ジの値ではゴム粒子径が0.2μで2.0、0.3μで2.7、0.4
μで2.6もしくは3.2であり、いずれの場合も3.3未満で
ある。
ゴム成分との比は、ジャーナル・オブ・アプライド・ポ
リマー・サイエンス(Journal of Applied Polymer Sci
ence)Vol.28,(1983)の3259ページに示されている如
く、ゴム粒子径が非常に大きい場合、3.3以上の値をと
り得るが、ゴム粒子径が小さくなるに従って小さくな
り、3.3未満の値となる。また、市販のゴム変性スチレ
ン系樹脂のゴム粒子相成分とゴム成分との比は、通常2
〜3の範囲にあり、例えばポリマー・エンジニアリング
・アンド・サイエンス,ミッド−ジャーナリー(Polyme
r Engneering and Science,Mid/January)1986,Vol.26,
No.1の77ページの値ではゴム粒子径が3.9μで2.6、0.92
μで2.2である。また、ゴム粒子径が0.2〜0.4μにおけ
る、ゴム粒子相成分とゴム成分との比の公知の値は、例
えばジャーナル・オブ・マテリアルス・サイエンス(Jo
urnal of Materials Science)22,(1987)の1342ペー
ジの値ではゴム粒子径が0.2μで2.0、0.3μで2.7、0.4
μで2.6もしくは3.2であり、いずれの場合も3.3未満で
ある。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂における樹脂中のゴ
ム粒子相成分の架橋度を示す指数である樹脂中のトルエ
ン不溶分の膨潤度は特に限定されるものではないが、得
られる樹脂の耐衝撃性、光沢および外観等の物性バラン
スの点で9〜22の範囲にあることが好ましい。
ム粒子相成分の架橋度を示す指数である樹脂中のトルエ
ン不溶分の膨潤度は特に限定されるものではないが、得
られる樹脂の耐衝撃性、光沢および外観等の物性バラン
スの点で9〜22の範囲にあることが好ましい。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂の重合方法として
は、従来より公知の塊状重合法、塊状−懸濁重合法等が
用いられる。例えば、塊状重合法による場合は、本発明
に用いられるブタジエン系ゴムのスチレン系単量体溶
液、もしくはこれにトルエン、エチルベンゼン等を希釈
剤として加えた溶液を撹拌下に加熱することにより所定
の重合率まで予備重合を行い、さらに所定の重合率まで
塊状重合を実施した後、加熱、減圧条件下で未反応単量
体、希釈剤を除去し、重合を完結させる。
は、従来より公知の塊状重合法、塊状−懸濁重合法等が
用いられる。例えば、塊状重合法による場合は、本発明
に用いられるブタジエン系ゴムのスチレン系単量体溶
液、もしくはこれにトルエン、エチルベンゼン等を希釈
剤として加えた溶液を撹拌下に加熱することにより所定
の重合率まで予備重合を行い、さらに所定の重合率まで
塊状重合を実施した後、加熱、減圧条件下で未反応単量
体、希釈剤を除去し、重合を完結させる。
また、塊状−懸濁重合法による場合は、本発明に用い
られるブタジエン系ゴムのスチレン系単量体溶液を予備
重合工程として撹拌下に加熱することにより所定の重合
率まで塊状重合を実施した後、この重合溶液を懸濁剤を
含む水中に懸濁させ、重合開始剤の存在下で懸濁重合を
実施し、重合を完結させる。
られるブタジエン系ゴムのスチレン系単量体溶液を予備
重合工程として撹拌下に加熱することにより所定の重合
率まで塊状重合を実施した後、この重合溶液を懸濁剤を
含む水中に懸濁させ、重合開始剤の存在下で懸濁重合を
実施し、重合を完結させる。
これらの重合に際し、連鎖移動剤、重合開始剤、可塑
剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて適宜使用する
ことができる。
剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて適宜使用する
ことができる。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂中の分散ゴム粒子相
の長さ平均粒径は、用いるブタジエン系ゴムの組成、ブ
タジエン系ゴムの溶液粘度、ブタジエン系ゴム溶液の濃
度、予備重合時の撹拌強度、連鎖移動剤あるいは重合開
始剤の使用法等の変更により調整される。
の長さ平均粒径は、用いるブタジエン系ゴムの組成、ブ
タジエン系ゴムの溶液粘度、ブタジエン系ゴム溶液の濃
度、予備重合時の撹拌強度、連鎖移動剤あるいは重合開
始剤の使用法等の変更により調整される。
また、ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム粒子相成分と
ブタジエン成分との比は、用いるブタジエン系ゴムの組
成、予備重合時における撹拌条件、転化率、連鎖移動剤
あるいは重合開始剤の使用法、塊状重合法における未反
応単量体除去工程の加熱、減圧条件、塊状−懸濁重合法
における懸濁重合時の重合温度および時間、重合開始剤
の種類および添加量等の変更により調整される。
ブタジエン成分との比は、用いるブタジエン系ゴムの組
成、予備重合時における撹拌条件、転化率、連鎖移動剤
あるいは重合開始剤の使用法、塊状重合法における未反
応単量体除去工程の加熱、減圧条件、塊状−懸濁重合法
における懸濁重合時の重合温度および時間、重合開始剤
の種類および添加量等の変更により調整される。
さらに、ゴム変性スチレン系樹脂中のトルエン不溶分
の膨潤度は、予備重合時における転化率、連鎖移動剤あ
るいは重合開始剤の使用法、もしくは塊状重合法におけ
る未反応単量体除去工程の加熱、減圧条件等の変更、塊
状−懸濁重合法における懸濁重合時の重合温度および時
間、重合開始剤の種類および添加量等の変更により調整
される。
の膨潤度は、予備重合時における転化率、連鎖移動剤あ
るいは重合開始剤の使用法、もしくは塊状重合法におけ
る未反応単量体除去工程の加熱、減圧条件等の変更、塊
状−懸濁重合法における懸濁重合時の重合温度および時
間、重合開始剤の種類および添加量等の変更により調整
される。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂中の分散ゴム粒子相
の長さ平均粒径は、重合開始の変更により調整される以
外に、2種以上のゴム変性スチレン系樹脂とブレンドに
よっても調整することができる。
の長さ平均粒径は、重合開始の変更により調整される以
外に、2種以上のゴム変性スチレン系樹脂とブレンドに
よっても調整することができる。
また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂のブタジエン
系ゴムの含有量は、重合時のブタジエン系ゴムの使用量
の変更による以外に、ブタジエン系ゴムを含有しないス
チレン系樹脂とのブレンドによっても調整することがで
きる。
系ゴムの含有量は、重合時のブタジエン系ゴムの使用量
の変更による以外に、ブタジエン系ゴムを含有しないス
チレン系樹脂とのブレンドによっても調整することがで
きる。
本発明におけるスチレン系単量体とは、スチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレ
ン等であり、これらは単独または混合して使用される。
また、これらのスチレン系単量体と共重合可能なアクリ
ロニトリル、メタクリル酸メチル等の単量体でスチレン
系単量体の一部を置換することができる。
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレ
ン等であり、これらは単独または混合して使用される。
また、これらのスチレン系単量体と共重合可能なアクリ
ロニトリル、メタクリル酸メチル等の単量体でスチレン
系単量体の一部を置換することができる。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂は、他の熱可塑性樹
脂、例えばポリフェニレンエーテル等を混合使用でき
る。
脂、例えばポリフェニレンエーテル等を混合使用でき
る。
また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂は、加工に際
して、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型
剤、滑剤、耐衝撃性改良剤、色剤等を添加混合使用でき
る。
して、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型
剤、滑剤、耐衝撃性改良剤、色剤等を添加混合使用でき
る。
[実 施 例] 以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明す
る。
る。
なお、実施例および比較例におけるブタジエン系ゴム
の構造解析は、以下の方法で実施した。
の構造解析は、以下の方法で実施した。
(1)シス−1,4結合含量 赤外吸収スペクトル分光法により算出した。
(2)スチレン含有量 紫外吸収スペクトル分光法により算出した。
(3)溶液粘度(SV) キャノンフェンスケ型粘度計を用いて、25℃にて5重
量%スチレン溶液の粘度を測定した。
量%スチレン溶液の粘度を測定した。
(4)重量平均分子量(w)と数平均分子量(n)
との比(w/n)、および分岐状の高分子鎖の含有率
(カップリング率) GPC(東洋曹達製,HLC−802UR)を使用し、屈折計を検
出器として用い、展開溶媒としてテトラヒドロフラン
(THF)を用いて40℃でw/nを測定した。また、分
岐状の高分子鎖と未カップリングの高分子鎖のそれぞれ
の平均分子量に相当するピークの高さの相対比をもっ
て、それぞれの高分子鎖の重量比率とし、分岐状の高分
子鎖の含有率(カップリング率)を算出した。
との比(w/n)、および分岐状の高分子鎖の含有率
(カップリング率) GPC(東洋曹達製,HLC−802UR)を使用し、屈折計を検
出器として用い、展開溶媒としてテトラヒドロフラン
(THF)を用いて40℃でw/nを測定した。また、分
岐状の高分子鎖と未カップリングの高分子鎖のそれぞれ
の平均分子量に相当するピークの高さの相対比をもっ
て、それぞれの高分子鎖の重量比率とし、分岐状の高分
子鎖の含有率(カップリング率)を算出した。
また、実施例および比較例におけるゴム変性スチレン
系樹脂の物性測定は、以下の方法で実施した。
系樹脂の物性測定は、以下の方法で実施した。
(1)ゴム粒子相の長さ平均粒径 樹脂の超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真によ
り、200〜1000個のゴム粒子径を測定し、次式により算
出した。
り、200〜1000個のゴム粒子径を測定し、次式により算
出した。
長さ平均粒径=ΣNiDi2/ΣNiDi ここで、Niは粒径Diのゴム粒子の個数であり、粒径Di
はゴム粒子の長径と短径の平均値である。
はゴム粒子の長径と短径の平均値である。
(2)ゴム粒子相成分含量 樹脂をメチルエチルケトン/メタノール(容量比10/
1)混合溶媒に溶解した後、遠心分離、過、減圧乾燥
操作により溶媒不溶分重量を測定し、次式により算出し
た。
1)混合溶媒に溶解した後、遠心分離、過、減圧乾燥
操作により溶媒不溶分重量を測定し、次式により算出し
た。
ゴム粒子相成分含量 =(溶媒不溶分重量/樹脂重量)×100 (3)トルエン不溶分の膨潤度 樹脂をトルエンに溶解し、常温で24時間放置した後、
遠心分離、デカンテーション操作により膨潤状態のトル
エン不溶分重量(Ws)を測定した。ついで減圧乾燥を行
い、乾燥状態のトルエン不溶分重量(Wd)を測定し、次
式により算出した。
遠心分離、デカンテーション操作により膨潤状態のトル
エン不溶分重量(Ws)を測定した。ついで減圧乾燥を行
い、乾燥状態のトルエン不溶分重量(Wd)を測定し、次
式により算出した。
トルエン不溶分膨潤度=Ws/Wd (4)曇価 積分球式光線透過率測定装置により、2mm厚平板の拡
散光線透過率(Td)および全光線透過率(Tt)を測定
し、次式により曇価を算出した。
散光線透過率(Td)および全光線透過率(Tt)を測定
し、次式により曇価を算出した。
曇価=(Td/Tt)×100 (5)光沢 射出成形により2mm厚の平板を成形し、JIS K7105によ
り、60度鏡面光沢度を測定した。
り、60度鏡面光沢度を測定した。
(6)アイゾット衝撃値、曲げ弾性率 射出成形により試験片を成形し、JIS K6871により測
定した。
定した。
実施例 1 スチレン含有量が40重量%、ブロックスチレン含有量
が30重量%、25℃における5重量%スチレン溶液粘度が
35cpsである、S(スチレン)−B(ブタジエン)配列
を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム
(A)8.1重量部およびシス−1,4結合含量が34モル%、
重量平均分子量と数平均分子量との比が1.4,25℃におけ
る5重量%スチレン溶液粘度が60cps、分岐状の高分子
鎖の含有率が60数量%であるポリブタジエンゴム(B)
0.9重量部をスチレン99重量部および白色鉱油1重量部
に溶解したゴム溶液を内容積5の撹拌機付オートクレ
ーブに仕込み、n−ドデシルメルカプタン0.1重量部を
加え、115℃で4時間、撹拌機の回転数が220rpmの撹拌
下で塊状重合した後冷却し、予備重合液を得た。次い
で、内容積10の撹拌機付オートクレーブに水100重量
部、第3リン酸カルシウム1重量部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ0.001重量部を仕込み、次に、前記予
備重合液100重量部、重合開始剤としてベンゾイルパー
オキサイド0.28重量部、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート0.15重量部を加え、90℃で4時間、140℃で2時
間、撹拌下で懸濁重合を行った。得られた懸濁重合液に
塩酸を加え、別、水洗、乾燥した後、2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール0.1重量%、ジンクステアレー
ト0.1重量%を混合し、押出機によりペレット化するこ
とによりコア/シェル構造のゴム粒子を有するゴム変性
スチレン系樹脂を得た。得られた樹脂の物性を第1表に
示す。
が30重量%、25℃における5重量%スチレン溶液粘度が
35cpsである、S(スチレン)−B(ブタジエン)配列
を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム
(A)8.1重量部およびシス−1,4結合含量が34モル%、
重量平均分子量と数平均分子量との比が1.4,25℃におけ
る5重量%スチレン溶液粘度が60cps、分岐状の高分子
鎖の含有率が60数量%であるポリブタジエンゴム(B)
0.9重量部をスチレン99重量部および白色鉱油1重量部
に溶解したゴム溶液を内容積5の撹拌機付オートクレ
ーブに仕込み、n−ドデシルメルカプタン0.1重量部を
加え、115℃で4時間、撹拌機の回転数が220rpmの撹拌
下で塊状重合した後冷却し、予備重合液を得た。次い
で、内容積10の撹拌機付オートクレーブに水100重量
部、第3リン酸カルシウム1重量部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ0.001重量部を仕込み、次に、前記予
備重合液100重量部、重合開始剤としてベンゾイルパー
オキサイド0.28重量部、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート0.15重量部を加え、90℃で4時間、140℃で2時
間、撹拌下で懸濁重合を行った。得られた懸濁重合液に
塩酸を加え、別、水洗、乾燥した後、2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール0.1重量%、ジンクステアレー
ト0.1重量%を混合し、押出機によりペレット化するこ
とによりコア/シェル構造のゴム粒子を有するゴム変性
スチレン系樹脂を得た。得られた樹脂の物性を第1表に
示す。
実施例2および3 実施例1において、スチレン−ブタジエンブロック共
重合ゴム(A)とポリブタジエンゴム(B)の使用比率
を第1表に示す如く変更した以外は、実施例1と同様に
してゴム変性スチレン系樹脂を得た。得られた樹脂のゴ
ム粒子はコア/シェル構造であった。得られた樹脂の物
性を第1表に示す。
重合ゴム(A)とポリブタジエンゴム(B)の使用比率
を第1表に示す如く変更した以外は、実施例1と同様に
してゴム変性スチレン系樹脂を得た。得られた樹脂のゴ
ム粒子はコア/シェル構造であった。得られた樹脂の物
性を第1表に示す。
実施例 4 実施例1において、ポリブタジエンゴム(B)をシス
−1,4結合含量が98モル5、25℃における5重量%スチ
レン溶液粘度が75cpsであるポリブタジエンゴム(B)
に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム変性スチ
レン系樹脂を得た。得られた樹脂のゴム粒子はコマ/シ
ェル構造であった。得られた樹脂の物性を第1表に示
す。
−1,4結合含量が98モル5、25℃における5重量%スチ
レン溶液粘度が75cpsであるポリブタジエンゴム(B)
に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム変性スチ
レン系樹脂を得た。得られた樹脂のゴム粒子はコマ/シ
ェル構造であった。得られた樹脂の物性を第1表に示
す。
実施例 5 実施例2において、ポリブタジエンゴム(B)をシス
−1,4結合含量が35モル%、重量平均分子量と数平均分
子量との比が2.1、25℃における5重量%スチレン溶液
粘度が80cpsであるポリブタジエンゴム(B)に変更し
た以外は、実施例2と同様にしてゴム変性スチレン系樹
脂を得た。得られた樹脂のゴム粒子はコア/シェル構造
であった。得られた樹脂の物性を第1表に示す。
−1,4結合含量が35モル%、重量平均分子量と数平均分
子量との比が2.1、25℃における5重量%スチレン溶液
粘度が80cpsであるポリブタジエンゴム(B)に変更し
た以外は、実施例2と同様にしてゴム変性スチレン系樹
脂を得た。得られた樹脂のゴム粒子はコア/シェル構造
であった。得られた樹脂の物性を第1表に示す。
比較例 1 実施例1で用いたスチレン−ブタジエンブロック共重
合ゴム(A)を単独で14.0重量部使用した以外は、実施
例1と同様にしてゴム変性スチレン系樹脂を得た。得ら
れた樹脂のゴム粒子はコア/シェル構造であった。得ら
れた樹脂の物性を第1表に示す。
合ゴム(A)を単独で14.0重量部使用した以外は、実施
例1と同様にしてゴム変性スチレン系樹脂を得た。得ら
れた樹脂のゴム粒子はコア/シェル構造であった。得ら
れた樹脂の物性を第1表に示す。
比較例 2 実施例2において、懸濁重合時の重合開始剤の使用量
をベンゾイルパーオキサイド0.35重量部、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート0.05重量部に変更した以外は、実
施例2と同様にしてゴム変性スチレン系樹脂を得た。得
られた樹脂のゴム粒子はコア/シェル構造であった。得
られた樹脂の物性を第1表に示す。
をベンゾイルパーオキサイド0.35重量部、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート0.05重量部に変更した以外は、実
施例2と同様にしてゴム変性スチレン系樹脂を得た。得
られた樹脂のゴム粒子はコア/シェル構造であった。得
られた樹脂の物性を第1表に示す。
比較例3および4 実施例1において、スチレン−ブタジエンブロック共
重合ゴム(A)とポリブタジエンゴム(B)の使用比率
を第1表に示す如く変更し、ゴム粒子径調整のため塊状
重合時の撹拌回転数を変更した以外は、実施例1と同様
にしてゴム変性スチレン系樹脂を得た。得られた樹脂は
サラミ構造もしくはコア/シェル構造のゴム粒子を有し
ていた。得られた樹脂の物性を第1表に示す。
重合ゴム(A)とポリブタジエンゴム(B)の使用比率
を第1表に示す如く変更し、ゴム粒子径調整のため塊状
重合時の撹拌回転数を変更した以外は、実施例1と同様
にしてゴム変性スチレン系樹脂を得た。得られた樹脂は
サラミ構造もしくはコア/シェル構造のゴム粒子を有し
ていた。得られた樹脂の物性を第1表に示す。
第1表に見られるとおり、実施例1〜5における本発
明のゴム変性スチレン系樹脂は、透明性、耐衝撃性およ
び剛性のバランスに優れ、しかも成形品の光沢も良好で
ある。これに対して、比較例1の如くスチレン−ブタジ
エンブロック共重合ゴム(A)を単独で使用した場合
は、耐衝撃性を得るためにはゴム使用量増加が必要であ
るため耐衝撃性と剛性のバランスが劣り、また比較例3
の如くゴムの使用比率が60/40未満の場合は透明性が劣
るため、いずれの場合も満足できるゴム変性スチレン系
樹脂を得ることはできない。また、比較例2の如く使用
するゴム組成、ゴム粒子径が本発明の範囲内にあって
も、樹脂中のゴム粒子相成分とブタジエン成分との比が
3.3未満の場合は、透明性と耐衝撃性のバランスが劣
る。また、比較例4の如くゴム粒子径が0.4μを越える
場合は透明性は得られない。
明のゴム変性スチレン系樹脂は、透明性、耐衝撃性およ
び剛性のバランスに優れ、しかも成形品の光沢も良好で
ある。これに対して、比較例1の如くスチレン−ブタジ
エンブロック共重合ゴム(A)を単独で使用した場合
は、耐衝撃性を得るためにはゴム使用量増加が必要であ
るため耐衝撃性と剛性のバランスが劣り、また比較例3
の如くゴムの使用比率が60/40未満の場合は透明性が劣
るため、いずれの場合も満足できるゴム変性スチレン系
樹脂を得ることはできない。また、比較例2の如く使用
するゴム組成、ゴム粒子径が本発明の範囲内にあって
も、樹脂中のゴム粒子相成分とブタジエン成分との比が
3.3未満の場合は、透明性と耐衝撃性のバランスが劣
る。また、比較例4の如くゴム粒子径が0.4μを越える
場合は透明性は得られない。
これらの結果から、特定のブタジエン系ゴム2種類を
特定の範囲で組合わせて用い、かつ分散ゴム粒子相を特
定の構造にコントロールすることにより、はじめて透明
性、耐衝撃性および剛性を共に満足するゴム変性スチレ
ン系樹脂が得られることがわかる。
特定の範囲で組合わせて用い、かつ分散ゴム粒子相を特
定の構造にコントロールすることにより、はじめて透明
性、耐衝撃性および剛性を共に満足するゴム変性スチレ
ン系樹脂が得られることがわかる。
[発明の効果] 以上の説明で示したように、本発明の半透明性ゴム変
性スチレン系樹脂は、透明性、耐衝撃性および剛性のバ
ランスに優れ、かつ光沢も優れているため、従来のゴム
変性スチレン系樹脂では不満足であった透明性、外観の
要求される用途に適用することができる。
性スチレン系樹脂は、透明性、耐衝撃性および剛性のバ
ランスに優れ、かつ光沢も優れているため、従来のゴム
変性スチレン系樹脂では不満足であった透明性、外観の
要求される用途に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 教幸 神奈川県川崎市川崎区千鳥町2番1号 日本ポリスチレン工業株式会社内 (56)参考文献 特公 昭48−20237(JP,B1)
Claims (1)
- 【請求項1】ブタジエン系ゴムの存在下にスチレン系単
量体を重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂であっ
て、 a)ブタジエン系ゴムがスチレン含有量25〜50重量%の
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(A)およびス
チレン含有量25重量%未満のブタジエン系重合体(B)
とからなり、かつその重量比が(A)/(B)=95/5〜
60/40であり、 b)該樹脂の連続マトリックス相中に分散しているゴム
粒子相の長さ平均粒径が0.1〜0.4μmであり、 c)ゴム粒子相成分とブタジエン成分との重量比が3.3
以上であることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63185269A JP2655689B2 (ja) | 1988-07-25 | 1988-07-25 | ゴム変性スチレン系樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63185269A JP2655689B2 (ja) | 1988-07-25 | 1988-07-25 | ゴム変性スチレン系樹脂 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0234611A JPH0234611A (ja) | 1990-02-05 |
JP2655689B2 true JP2655689B2 (ja) | 1997-09-24 |
Family
ID=16167872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63185269A Expired - Fee Related JP2655689B2 (ja) | 1988-07-25 | 1988-07-25 | ゴム変性スチレン系樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2655689B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0735425B2 (ja) * | 1989-10-27 | 1995-04-19 | 出光石油化学株式会社 | スチレン系樹脂組成物 |
JP2645409B2 (ja) * | 1990-01-26 | 1997-08-25 | 出光石油化学株式会社 | 高光沢耐衝撃性スチレン系樹脂組成物 |
JP2683613B2 (ja) * | 1990-01-30 | 1997-12-03 | 出光石油化学株式会社 | スチレン系樹脂から成る射出成形品 |
JP2006257266A (ja) * | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Nippon A & L Kk | 高光沢耐衝撃性ゴム変性スチレン系共重合体樹脂およびその連続的製造方法 |
-
1988
- 1988-07-25 JP JP63185269A patent/JP2655689B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0234611A (ja) | 1990-02-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |