JPH0643473B2 - 耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法

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JPH0643473B2
JPH0643473B2 JP31241486A JP31241486A JPH0643473B2 JP H0643473 B2 JPH0643473 B2 JP H0643473B2 JP 31241486 A JP31241486 A JP 31241486A JP 31241486 A JP31241486 A JP 31241486A JP H0643473 B2 JPH0643473 B2 JP H0643473B2
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【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法に関
し、さらに詳細には耐衝撃性、外観特性および機械的特
性のバランスに優れた耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製
造方法に関する。
b.従来の技術 一般に、スチレン系樹脂などの芳香族ビニル系樹脂は、
加工成形時の流動性、成形品の透明性および光沢が良好
であるなど、多くの優れた性質を有しているが、耐衝撃
性が劣るという大きな欠点を有している。
かかる欠点を補う方法として、機械的な方法によって
樹脂にゴム状重合体を分散せしめる方法、あるいはゴ
ム状重合体に芳香族ビニル化合物(例えばスチレン)を
グラフト重合する方法などが知られている。
しかしながら、前記機械的な方法によって樹脂にゴム
状重合体を分散せしめる方法においては、ゴム状重合体
と樹脂との間に親和性がない場合には、単に脆い混合物
が得られるに過ぎない。また、両者の親和性が良好な場
合には、耐衝撃性が改善されるものの、かかる樹脂は耐
衝撃性以外の機械的特性が充分に改良されず、また成形
品の表面光沢も優れず、さらにゴム状重合体の架橋がな
されていないため、成形品の配向性が大きいという欠点
を有する。
一方、前記ゴム状重合体に芳香族ビニル化合物をグラ
フト重合する方法では、得られる樹脂の耐衝撃性は改善
されるが、機械的特性、配向性、表面光沢などの特性は
未だ充分に満足できるものではない。
かかる欠点を改良する方法として、ゴム状重合体とし
てビニル結合を多く含有するブタジエン重合体を使用
し、これにスチレンをグラフト重合させる方法が提案さ
れている(特公昭45-40546号、特開昭59-184216号)。
c.発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前記ゴム状重合体としてビニル結合を
多く含有するブタジエン重合体を使用し、これにスチレ
ンをグラフト重合させる方法によって得られる樹脂は、
配向性および表面光沢は改良されるものの未だ充分では
なく、しかも機械的特性、特に引張強度が低く、また低
温での耐衝撃性が劣るという欠点を有する。
本発明者らは、前記従来の方法の問題点に鑑み、樹脂の
耐衝撃性、外観特性および機械的特性のバランスに優れ
た耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂を得ることを目的として
鋭意検討した結果、特定の構造を有する芳香族ビニル−
共ジエン系共重合体をゴム状重合体として使用し、これ
に芳香族ビニル化合物をグラフト重合することにより、
前記技術的課題を解決できることを見出し、本発明に到
達したものである。
d.問題点を解決するための手段 すなわち、本発明は、芳香族ビニル−共役ジエン系共重
合体の存在下に芳香族ビニル化合物を重合する方法にお
いて、前記芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体が ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が60〜100 25℃で測定した5重量%スチレン溶液の粘度が250〜4
50センチポイズ 共役ジエン部分のビニル結合含量が13〜30% 芳香族ビニル化合物成分と共役ジエン化合物成分との
割合が重量比で3〜10/97〜90、 であり、かつ得られる樹脂中に分散したゴム粒子のメジ
アン粒子径を1〜2.5μmの範囲に調節することを特徴
とする耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法を提供す
るものである。
本発明は、まず特定の芳香族ビニル−共役ジエン系共重
合体を製造し、これに芳香族ビニル化合物を通常のラジ
カル重合開始剤の存在下にグラフト重合することによっ
て、耐衝撃性、外観特性および機械的特性のバランスに
優れた芳香族ビニル系樹脂を製造するものである。
本発明に使用される芳香族ビニル−共役ジエン系共重合
体は、通常芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物と
を、有機リチウム化合物を触媒として使用し溶液重合し
て得られる 上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、p−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
3,5−ジメチルスチレンなどが挙げられ、好ましくは
スチレンである。
また、共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ヘプタジエンなどのほ
か、炭素数4〜7の分岐状の各種共役ジエン化合物が挙
げられ、好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、特に好ましくは1,3−ブタジ
エンである。
また、かかる芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物を
溶液重合する際の触媒である有機リチウム化合物として
は、例えばn−プロピルリチウム、イソプロピルリチウ
ム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert
−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、リチウムト
ルエン、ベンジルリチウム、1,4−ジリチオ−n−ブ
タン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルエタン、
トリメチレンリチウム、2,−ジフェニルエタン、トリ
メチレンジリチウム、オリゴイソプレニルジリチウムな
どが挙げられ、一般的にはn−ブチルリチウム、sec−
ブチルリチウムである。
さらに、前記溶液重合に使用される溶媒としては、炭化
水素溶媒が好ましく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、これらの炭化
水素溶媒1種を単独で、または2種以上を混合して使用
できる。
本発明に使用する芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体
としては、ブロック部分を有している共重合体でもよ
い。しかし、本発明の効果を十分に得るためには、でき
るだけランダム化した、すなわとブロック部分のほとん
どない共重合体であることが望ましい。そのため、上記
溶液重合に際しては、得られる芳香族ビニル−共役ジエ
ン系共重合体のビニル結合含量を調整し、かつ前記芳香
族ビニル化合物のブロック重合体化を阻止してランダム
共重合体を得るために、重合系に、ジメチルエーテル、
ジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル
化合物;ジメチルサルファイド、ジエチルサルファイド
などのチオエーテル化合物;ジメチルエチルアミン、ト
リn−プロピルアミン、トリエチルアミンなどのアミン
化合物で代表されるルイス塩基を添加することができ
た。
また前記芳香族ビニル化合物のブロック重合体化を阻止
してランダム共重合体を得るための他の方法として、有
機リチウム化合物を含む溶液中に芳香族ビニル化合物お
よび共役ジエン化合物の両モノマーの反応速度より遅い
速度で、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物の混合
溶液を添加しつつ共重合を行なう方法がある。
また、上記溶液重合の反応操作温度は、通常の重合温
度、例えば50〜150℃、好ましくは70〜120で実施され
る。
さらに、本発明において使用される芳香族ビニル−共役
ジエン系共重合体は、以上のように、芳香族ビニル化合
物と共役ジエン化合物を重合することによって得られる
ゴム状重合体でありる、さらに下記〜の用件を満足
する必要がある。
ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が60〜100、好ましくは70
〜90であり、かつ、その5重量%スチレン溶液の粘度
が250〜450センチポイズ、好ましくは280〜400センチポ
イズである。
本発明に使用される芳香族ビニル−共役ジエン系共重合
体のムーニー粘度(ML1+4 100℃)が60未満または25℃で
測定した5重量%スチレン溶液の粘度が250センチポイ
ズ未満では、得られる芳香族ビニル系樹脂の耐衝撃性の
改良効果が充分でないばかりでなく、引張り強度が低く
なり好ましくない。一方、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)
が100を超えるかまたは25℃で測定した5重量%スチレ
ン溶液の粘度が450センチポイズを越えるものは、ゴム
としての取扱いが困難であるばかりでなく、樹脂中に分
散したゴム粒子の粒子径が不揃いとなり、特に巨大粒子
が生成しやすくなるため、光沢の劣った樹脂しか得られ
ない。
上記ムーニー粘度と5重量%スチレン溶液の粘度は、芳
香族ビニル−共役ジエン系共重合体の溶液重合の際にし
ようする有機リチウム化合物の使用量および重合温度に
よって調整することが可能である。例えば、有機リウム
化合物としてn−ブチルリチウムを使用した場合、その
使用量を約0.04〜0.06ppm、重合温度を約70〜120℃とし
て芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体を溶液重合する
ことにより、上記ムーニー粘度と5重量%スチレン溶液
の粘度のものを得ることができる。
また、芳香族ビニル−共役ジエン系ランダム共重合体
のビニル結合含量は13〜30%、好ましくは14〜25%、さ
らに好ましくは15〜20%である。
本発明に使用される芳香族ビニル−共役ジエン系共重合
体のビニル結合含量が13%未満の場合は、得られる樹脂
の耐衝撃性が劣り、しかも配向性が大きく、一方、ビニ
ル結合含量が30%を超えると、得られる樹脂の配向性は
良好となるが、低温耐衝撃性が低下するため、好ましく
ない。
上記ビニル結合含量は、芳香族ビニル−共役ジエン系共
重合体の溶液重合系に、前記ルイス塩基を添加するとと
もに、その添加量を選択することにより、容易に調整す
ることが可能である。例えば、ルイス塩基としてテトラ
ヒドロフランを使用した場合、その添加量を溶剤に対し
約30〜1500ppmにすることにより、得られる芳香族ビニ
ル−共役ジエン系共重合体のビニル結合含量を上記の範
囲に調整することができる。
さらに、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体中にお
ける芳香族ビニル化合物成分と共役ジエン化合物成分と
の組成割合は3〜10/97〜90、好ましくは4〜7/96〜
93(重量比)である。
本発明に使用される芳香族ビニル−共役ジエン系共重合
体中の芳香族ビニル化合物成分が3%未満の場合は得ら
れる樹脂の配向性が大きく、一方、10%を超える場合
に、配向性は小さくなるものの、常温および低温におけ
る耐衝撃性が低下するため好ましくない。
本発明においては、前記特定の芳香族ビニル−共役ジエ
ン系共重合体を使用すると同時に、得られる樹脂中に分
散したゴム粒子の平均粒子径をメジアン径で1〜2.5μ
m、好ましくは1.2〜2.3μmとする必要がある。メジア
ン径が1μm未満では耐衝撃性が劣り、2.5μmを超え
る場合は光沢の劣ったものしか得られない。
前記のように、粒子径を調節するには、重合槽の攪拌装
置の形状、攪拌機の回転数、攪拌時間、分子量調節剤の
量などの種々の要因によって左右され、一義的に決定す
ることはできないが、一般に、グラフト重合時の攪拌に
おいてゴム状重合体に対して応力のかかるような条件、
例えば回転数を調節することによって粒子径の調節を行
うことができる。
次に、本発明は、前記特定の芳香族ビニル−共役ジエン
系共重合体を使用し、これに芳香族ビニル化合物をグラ
フト重合するものである。
上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビ
ニルナフタレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレ
ンなどを挙げることができるが、好ましくはスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレンであり、さら
に好ましくはスチレンである。
また前記特定の芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体に
芳香族ビニル化合物をラジカル共重合する方法として
は、特に制限されるものではないが、例えば前記芳香族
ビニル−共役ジエン系共重合体を溶解した芳香族ビニル
化合物溶液を塊状重合するか、塊状重合−懸濁重合の組
み合わせによりラジカル重合する方法により実施され
る。
前記芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体と芳香族ビニ
ル化合物のグラフト重合において、芳香族ビニル−共役
ジエン系共重合体と芳香族ビニル化合物の混合割合は重
量%比で3/97〜15/85、好ましくは4/96〜10/90で
ある。
芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体の使用量が3重量
%未満では、得られる樹脂の耐衝撃性が低下し本発明の
目的を達成し難く、一方、15重量%を超えるとグラフト
重合溶液の粘度が非常に高くなるため、実際にグラフト
重合することが困難となる。
芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体と芳香族ビニル化
合物とのグラフト重合を塊状重合によって行う場合に
は、前記芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体を芳香族
ビニル化合物に溶解させ、次いで必要に応じて分子量調
節剤を添加して重合させる。
上記分子量調節剤としては、例えばα−メチルスチレン
ダイマー、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメ
ルカプタン、1−フェニルブテン−2−フルオレンなら
びにジペンテン、クロロホルムなどのメルカプタン類、
テルペン類、ハロゲン化合物などが用いられる。
また、得られる樹脂の成形加工性を向上させるために滑
剤を加えることができる。例えば、ステアリン酸ブチ
ル、フタル酸ブチルなどのエステル系滑剤、ミネラルオ
イル、パラフィンワックスなどの従来の樹脂加工におい
て用いられる滑剤を使用することができる。
これらを前記の重合体溶液に溶解後、重合開始剤とし
て、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、キュメンハイドロパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリーブ
チルパーオキシアセテート、ジ−ターシャリーブチルパ
ーオキシイソフタレートまたはアゾビスイソブチロニト
リルなどを添加して、不活性ガス雰囲気下、反応温度60
〜200℃で攪拌しながら重合反応を完結させる。
また、塊状重合の際には、重合開始剤を用いずに熱ある
いは光によって重合を開始させる重合も可能である。
前記塊状重合反応中において、通常は芳香族ビニル化合
物の重合率が約30%になるまでの段階において効果的に
攪拌することが好ましく、一方、該芳香族ビニル化合物
の重合率が約30%を超えて進んだ後には攪拌を緩和する
ことが好ましい。
またこの際、重合系の粘度を低下させる目的でトルエ
ン、エチルベンゼン、キシレンなどの炭化水素溶媒を加
えてもよい。
重合終了後、ベント式ルーダーまたはスチームストリッ
ピングなどによって、脱モノマー、脱溶媒することによ
り重合生成物かモノマーおよび溶媒が回収される。
また芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体と芳香族ビニ
ル化合物とのグラフト重合を塊状重合−懸濁重合の組み
合わせによって行う場合には、まずモノマー(芳香族ビ
ニル化合物)の約10〜45重量%が重合体に転化するまで
塊状重合を行い、この溶液をポリビニルアルコール、ポ
リメタクリル酸塩、第三燐酸カルシウムなどの懸濁安定
剤を溶解した水溶液中に分散させ、懸濁状態を保ちなが
ら反応温度60〜150℃で重合を完結させる。重合終了
後、重合生成物を充分に水洗して懸濁安定剤を除去した
のち乾燥することにより芳香族ビニル系樹脂が回収され
る。
なお、前記塊状重合あるいは塊状−懸濁重合によりラジ
カル重合する際に、使用されるモノマー50重量%以上が
前記芳香族ビニル化合物であることが好ましく、50重量
%未満のモノマーを該化合物以外のアクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸メチル、
メタクリル酸メチルなどの脂肪族ビニル化合物で置き換
えてもよい。
また、前記両重合法で得られた樹脂には、既知の酸化防
止剤、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6
−ジメチルフェノール、2,2′−メチレン−ビス(4
−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−
チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、ジラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジ−
ノニルフェニル)ホスファイト、ワックス;既知の紫外
線吸収剤、例えばp−tert−ブチルフェニルサリシレー
ト、2、2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−(2′−ジヒドロキシ−4′−n−オクトキ
シフェニル)ベンゾチロアゾール;既知の滑剤、例えば
パラフィンワックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロ
アミド、メチレンビスステアロアミド、n0ブチルステ
アレート、ケトンワックス、オクチルアルコール、ラウ
リルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリ
ド;既知の難燃剤、例えば酸化アンチモン、水酸化アル
ミニウム、硼酸亜鉛、トリクレジルホスフェート、トリ
ス(ジクロロプロピル)ホスフェート、塩素化パラフィ
ン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモベンゼン、テト
ラブロモビスフェノールA;既知の帯電防止剤、例えば
ステアロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチ
ルアンモニウムニトレート;既知の着色剤、例えば酸化
チタン、カーボンブラック、その他の無機あるいは有機
顔料;既知の充填剤、例えば炭酸カルシウム、クレー、
シリカ、ガラス繊維、ガラス玉、カーボン繊維などを必
要に応じて添加することができる。
e.実施例 以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって限定されるもので
はない。
なお、実施例中、部および%はとくに断らない限り、重
量基準で示した。
また、実施例中における各種の測定は、下記に示す方法
にしたがった。
芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体のミクロ構造は赤
外分光分析法(モレロ法)により、結合芳香族ビニル化
合物成分量は赤外分光分析法で波数699cm-1におけるフ
ェニル基による吸収ピークの強度を測定し、予め求めた
おいた検量線からその量を求め、5重量%スチレン溶液
の粘度はキャノンフェンスケ型粘度計を用い、25度にて
測定した。
また、芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体の分子量分
布は、東洋曹達工業(株)製、HLC-802A型GPCを、用
い、検知器として示差屈折計を用い、次の条件で測定し
た。
カラム;東洋曹達工業(株)製カラム、GMH-3、 移動相;テトラヒドロフラン 測定温度;40℃ 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の物性は、次の方法に従つ
て測定した。
アイゾット衝撃強度(1/4インチ、ノッチ付き); 8oz射出成形機を用い、シリンダー温度200℃で得られ
た樹脂を成形し、その成形品について、ASTMD-256に準
じて測定した。
引張強度;8oz射出成形機を用い、シリンダー温度200
℃で得られた樹脂を成形し、その成形品について、ASTM
D-638に準じて測定した。
光沢;8oz射出成形機を用い、シリンダー温度200℃で
得られた樹脂を成形し、その成形品について、ASTM D-5
23に準じ、45°反射光沢度を測定した。
配向性;3.5oz射出成形機を用い、シリンダー温度200℃
で、第1図(A)および(B)に示す形状および寸法の成形品
を成形し、これを第1図の点線の如く短冊状に切断し
て、(A)の如く切断したサンプルについて流動垂直方向
ノッチ付きアイゾット衝撃強度を、また(B)の如く切断
したサンプルについて流動平衡方向ノッチ付きアイゾッ
ト衝撃強度を測定した。
なお、第1図(A)および(B)において、1は樹脂を流し込
むゲートである。
また、非配向度(%)は、下記式で計算した。
分散ゴム粒子のメジアン粒子径;樹脂ペレット1〜2粒
をジメチルホルムアミド約50ml中に入れ、約3時間放置
する。次にこのジメチルホルムアミド溶解液を電解質溶
液(ISOTONII)に添加し、適度の粒子濃度としてコール
ターカウンターにて測定し、得られた粒径分布から50%
のメジアン粒径を算出した。
実施例1 内容積15の攪拌機付重合反応器を用い、重合反応器底
部より1,3−ブタジエン1425g/Hr,スチレン75g/Hr,
シクロヘキサン10,500g/Hr,n−ブチルリチウム0.8g/H
r,テトラヒドロフラン0.5g/Hrの流量となるように定量
ポンプを用いて連続的に供給し、重合反応器内を終始85
℃に保って重合させた。重合反応器の頂部から連続的に
抜き出された重合溶液に重合体100部あたり0.5部の2,
6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを加えた。得ら
れた重合溶液をスチームストリッピングにより脱溶媒
し、110℃の熱ロールで乾燥して、スチレン−ブタジエ
ン共重合体を得た。
得られたスチレン−ブタジエン共重合体のムーニー粘度
(ML1+4,100℃)は82、5重量%スチレン溶液の粘度は350
センチポイズ、ビニル結合含量は15重量%、結合スチレ
ン量は4.8%、分子量分布(MW/MN)は1.7であった。
次いで、前記で得られたスチレン−ブタジエン共重合体
6部,スチレン94部の混合物を、室温で約8時間攪拌
し、均一に溶解した。この溶液を内容積10の攪拌機付
重合反応器に移しこれにtert−ドデシルメルカプタン0.
03部およびベンゾイルパーオキシド0.04部を添加し、回
転数400rpm、95℃でスチレンの重合率が約30%になるま
で重合させた。
次いで、重合溶液100部当たりジクミルパーオキサイド
0.10部を添加し、さらに懸濁安定剤として第三燐酸カル
シウム2部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.005部を含む水150部を加え、攪拌下に
懸濁させた。この懸濁混合物を攪拌しつつ、120℃で2
時間、140℃で2時間さらに160℃で2時間加熱して重合
させた。
得られたビーズ状の樹脂を濾別し、水洗処理後、乾燥し
て押出機でペレット化した。
かくて得られたスチレン系樹脂を、射出成形して物性測
定用の試験片を作成し、その物性を評価した。
その測定結果を表−1に示す。
実施例2 実施例1においてテトラヒドロフランの供給量を4.2g/H
rに変えた以外は、実施例1と同様に行った。その結果
を表−1に示す。
実施例3 スチレン−ブタジエン共重合体の重合形式を回分式に変
えた重合を行った。すなわち、内容積10の攪拌機付き
重合反応器を用い、シクロヘキサン4900g、テトラヒド
ロフラン2.0g、n−ブチリリチウム0.35gを仕込み、さ
らに1,3−ブタジエン660gとスチレン40gの混合モノ
マーを、1時間で添加し終るように定量ポンプを用いて
連続的に反応系中に加え、85℃にて溶液重合を行った。
得られたスチレン−ブタジエン共重合体のムーニー粘度
は86、5重量%スチレン溶液の粘度は280センチポイ
ズ、ビニル結合含量は20重量%、結合スチレン量は5.1
%、分子量分布(MW/MN)は1.3であった。
以下、実施例1と同様にグラフト重合を行い、スチン系
樹脂を得、その物性を評価した。その結果を表−1に示
す。
比較例1 実施例1において、n−ブチルリチウムの供給量を1.05
g/Hrに変えた以外は、実施例1と同様に行った。その結
果を表−1に示す。
本比較例はムーニー粘度と5重量%スチレン溶液粘度が
本発明の範囲未満のスチレン−ブタジエン共重合体を使
用した例であり、得られる樹脂の衝撃強度および引張強
度が劣ることがわかる。
比較例2 実施例1において、テトラヒドロフランの供給量を21.0
g/Hrに変えた以外は、実施例1と同様に行った。その結
果を表−1に示す。
本比較例はビニル結合含量が本発明の範囲を超えたスチ
レン−ブタジエン共重合体を使用した例であり、得られ
る樹脂の低温衝撃強度が劣ることがわかる。
比較例3 実施例1において、1,3−ブタジエンの供給量を1305
g/Hrに、スチレンの供給量を195g/Hrに変えた以外は、
実施例1と同様に行った。その結果を表−1に示す。
本比較例は結合スチレン量が本発明の範囲を超えたスチ
レン−ブタジエン共重合体を使用した例であり、得られ
る樹脂の常温および低温での衝撃強度が劣ることがわか
る。
比較例4 実施例1において、1,3−ブタジエンの供給量を1470
g/Hrに、スチレンの供給量を30g/Hrに変えた以外は、実
施例1と同様に行った。その結果を表−1に示す。
本比較例は結合スチレン量が本発明の範囲未満のスチレ
ン−ブタジエン共重合体を使用した例であり、得られる
樹脂の配向性が劣ることがわかる。
比較例5 実施例1において、テトラヒドロフランの供給を止めた
以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表−1に
示す。
本比較例はビニル結合含量が本発明の範囲未満のスチレ
ン−ブタジエン共重合体を使用した例であり、得られる
樹脂の耐衝撃強度と配向性が劣ることがわかる。
比較例6 実施例1のグラフト重合の際の攪拌回転数を600rpmに変
えた以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表−
1に示す。
本比較例は得られる樹脂中に分散したゴム粒子の粒子径
が本発明の範囲未満の例であり、得られる樹脂の耐衝撃
強度が劣ることがわかる。
比較例7 実施例1のグラフト重合の際の攪拌回転数を200rpmに変
えた以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表−
1に示す。
本比較例は得られる樹脂中に分散したゴム粒子の粒子径
が本発明の範囲を超えた例であり、得られる樹脂の引張
強度および光沢が劣ることがわかる。
実施例4 実施例において、テトラヒドロフランの供給量を8.0g/h
rに変えた以外は実施例1と同様に行った。その結果を
表−1に示す。
実施例5 実施例1において、n−ブチルリチウムの供給量を0.95
g/hrに変えた以外は実施例1と同様に行った。その結果
を表−1に示す。
比較例8 実施例1において、n−ブチルリチウムの供給量を0.53
g/hrに変えた以外は実施例1と同様に行った。その結果
を表−1に示す。
f.発明の効果 本発明によれば、耐衝撃性、外観特性および機械的特性
のバランスに優れた耐衝撃性芳香族ビニル化合物樹脂を
得ることができ、その工業的意義は極めて大である。
【図面の簡単な説明】 第1図(A)、(B)は、流動平行芳香ノッチ付きアイゾット
衝撃強度および流動垂直芳香ノッチ付きアイゾット衝撃
強度を測定するための成形品の模式図である。 1…ゲート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥居 政俊 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 竹内 幹雄 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体の存
    在下に芳香族ビニル化合物を重合する方法において、前
    記芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体が ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が60〜100 25℃で測定した5重量%スチレン溶液の粘度が250〜4
    50センチポイズ 共役ジエン部分のビニル結合含量が13〜30% 芳香族ビニル化合物成分と共役ジエン化合物成分との
    割合が重量比で3〜10/97〜90、 であり、かつ得られる樹脂中に分散したゴム粒子のメジ
    アン粒子径を1〜2.5μmの範囲に調節することを特徴
    とする耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法。
JP31241486A 1986-12-26 1986-12-26 耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂の製造方法 Expired - Lifetime JPH0643473B2 (ja)

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