JPH06145443A - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物

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JPH06145443A
JPH06145443A JP29888892A JP29888892A JPH06145443A JP H06145443 A JPH06145443 A JP H06145443A JP 29888892 A JP29888892 A JP 29888892A JP 29888892 A JP29888892 A JP 29888892A JP H06145443 A JPH06145443 A JP H06145443A
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weight
styrene
polymer
block copolymer
resin
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JP29888892A
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Kazuhiko Sho
和彦 正
Mitsutoshi Toyama
満俊 遠山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度、透明性に優れたスチレン系樹脂組成物
を提供するものである。特に、シートの二次加熱成形時
の艶戻りによる透明性低下が少ないスチレン系樹脂組成
物を提供するものである。 【構成】 スチレン系重合体(I)とビニル芳香族炭化
水素重合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブ
ロックからなるブロック共重合体(II)とテルペン系
樹脂(III)からなるスチレン系樹脂組成物であり、
(I)、(II)の割合が、(I) 99〜70重量
%、(II) 1〜30重量%(但し、(I)+(I
I)=100重量%)であり、(III)の含有量が
(II)100重量部当たり40重量部以上であること
を特徴とする強度、透明性に優れたスチレン系樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なスチレン系樹脂組
成物に関するものである。更に詳しくは、特定の割合か
らなるスチレン系構造単位とアクリル酸エステル(メタ
クリル酸エステル)系構造単位からなる重合体中にゴム
状弾性体が分散粒子として存在するスチレン系重合体、
ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと共役ジエン重合
体ブロックを有するブロック共重合体及び、テルペン系
樹脂からなる強度、透明性に優れたスチレン系樹脂組成
物に関するものである。
【0002】更に、本発明は、上記の新規なスチレン系
樹脂組成物から得られた真空成形、圧空成形時の成形サ
イクルを短縮させるとともに,シートの艶戻りを防止し
た透明性の優れた新規なスチレン系樹脂シートをも提供
するものである。
【0003】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】スチレン
系樹脂は、透明性、成形性、剛性に優れた樹脂であるこ
とから、家庭用品、電気製品等の成形材料として広く用
いられてきた。利用分野を拡大するに従い、スチレン系
樹脂の強度向上が強く求められる状況になり、分子量を
高めるとか、分子量分布を最適化する方法が行われてい
るが、市場の要求を満足させるには至っていない。スチ
レン系樹脂の強度向上の為に、ポリスチレンとスチレン
−ブタジエンブロック共重合体をブレンドする方法が一
般的な方法として多用されているが、この樹脂組成物は
ポリスチレンに比べて透明性の低下が大きく、市場の要
求を満足させるには至っていない。
【0004】又、特にシート分野では低温成形、深絞り
成形性向上が求められているが、ポリスチレン、ブロッ
ク共重合体をブレンドしたスチレン系樹脂組成物では改
良に限界がある。又、成形品をトリミングした際、成形
品が割れる等の強度不足の問題点も指摘されている。
【0005】第二の共重合可能な単量体、例えばブチル
アクリレート等との共重合が試みられているが、成形品
の強度が著しく劣るものである。又、前記共重合体とス
チレン−ブタジエンブロック共重合体のブレンド樹脂が
試みられている。例えば、特公昭62−250701号
公報に記載がされているが、この樹脂は強度が低く、表
面硬度が低く、耐薬品性に劣る等多くの問題点を有して
いる。
【0006】特開昭62−169812号公報では、ス
チレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル及びス
チレン−ブタジエンブロック共重合体からなる混合溶液
を重合する方法が記載されている。この方法で重合され
た熱可塑性樹脂は、透明性、衝撃強度等は市場要求を満
足させる程度まで改良されているが、シートを二次加熱
成形した場合、成形品表面が艶戻りし、透明性が低下す
るという大きな問題点を有している。
【0007】又、ゴム状弾性体を分散粒子として含有す
るゴム補強樹脂の特徴として、耐折強度が脆いという問
題点も有している。かかる樹脂にスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体をブレンドする方法も公知であるが、
スチレン−アクリル酸(メタクリル酸)エステル共重合
体とスチレン−ブタジエンブロック共重合体をブレンド
すると、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の分散
性が悪く、結果として透明性の低下を招く。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状の問題点を解決するため鋭意検討した結果、スチ
レン系単量体とアクリル酸(メタクリル酸)エステル系
単量体からなる重合体中にゴム状弾性体が分散粒子とし
て存在するスチレン系重合体(I)とビニル芳香族炭化
水素重合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブ
ロックからなるブロック共重合体(II)とテルペン系
樹脂を適量配合することにより、強度、透明性、成形性
のバランスに優れた新規なスチレン系樹脂組成物が得ら
れること、このスチレン系樹脂組成物を成形したシート
は低温で成形でき、かつ成形体の強度が優れたスチレン
系樹脂組成物が得られることを見い出し、特に、二次加
熱成形時のシート表面の艶戻りがなく、成形品のトリミ
ング時の抜き割れ防止を付与した透明性の優れたスチレ
ン系樹脂シートが得られることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、 (1)下記化学式(A)、
【0010】
【化3】
【0011】下記化学式(B)、
【0012】
【化4】
【0013】で示される構成単位からなり、構成単位
(A)、(B)の割合が、(A)80〜20重量%、
(B)20〜80重量%(但し、(A)+(B)=10
0重量%)である重合体中にゴム状弾性体(C)が分散
粒子として存在し、ゴム状弾性体の含有量が0〜20重
量%であるスチレン系重合体(I)と、 (2)少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素重合体ブ
ロックと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合
体ブロックを有し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
との重量比が30:70〜55:45であるブロック共
重合体(II)と、 (3)テルペン系樹脂(III)とからなる樹脂組成物
であって、スチレン系重合体(I)とブロック共重合体
(II)の割合が、(I) 99〜70重量%、(I
I) 1〜30重量%(但し、(I)+(II)=10
0重量%)であり、テルペン系樹脂(III)の含有量
がブロック共重合体(II)100重量部当たり40重
量部以上である、ことを特徴とする強度、透明性に優れ
たスチレン系樹脂組成物である。
【0014】なお、本発明は、上記した、スチレン系重
合体(I)、ブロック共重合体(II)、テルペン系樹
脂(III)から構成されるスチレン系樹脂組成物によ
って形成されるスチレン系樹脂シートの発明をも含有す
るものである。以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、スチレン系重合体(I)、ブロック共重合体(I
I)及びテルペン系樹脂(III)とからなるスチレン
系樹脂組成物である。
【0015】まず本発明のスチレン系重合体(I)につ
いて説明する。連続相を形成する構成単位(A)の量は
80〜20重量%、構成単位(B)の量は20〜80重
量%の範囲が必須である。好ましくは、構成単位(A)
の量が30〜80重量%、構成単位(B)の量が20〜
70重量%の範囲である。構成単位(A)の量が20重
量%未満の時は、流動性が著しく低下し成形性が悪くな
り好ましくない。構成単位(A)の量が80重量%を越
える場合は、耐傷性が低下し、かつ、本発明で用いるゴ
ム状弾性体、ブロック共重合体の組成が透明性の観点か
ら制約受け、結果として強度低下を招き好ましくない。
【0016】本発明に於いて、構成単位(A)として
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン等が用いられる。単独で用
いてもよく、混合して用いてもよい。構成単位(B)と
しては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートが好適に
用いることができる。特にメチルメタクリレートとブチ
ルアクリレート(及び/又はブチルメタクリレート)混
合品がより好適に用いることができる。メチルメタアク
リレートとブチルアクリレート(及び/又はブチルメタ
クリレート)混合品を用いる場合はブチルアクリレート
(及び/又はブチルメタクリレート)の量は構成単位
(A)、構成単位(B)よりなる連続相である重合体の
20重量%以下が好ましい。20重量%を越える場合は
耐熱性が低下し、成形体の実用範囲が狭くなり好ましく
ない。
【0017】本発明のゴム状弾性体としては、常温でゴ
ム的性質を示すものであればよく、例えば、ポリブタジ
エン、スチレン−ブタジエン共重合体類、スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体類、水添スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体類等である。本発明では、透明性の
観点から、連続相である重合体と使用するゴム状弾性体
の屈折率の差が±0.03以内になるように、連続相と
使用するゴム状弾性体を調整することができる。
【0018】ゴム状弾性体の量は0〜20重量部の範囲
である。使用量は成形品の種類、目的等により適宜決め
られる。20重量%を越える場合は、表面の凹凸が激し
くなり結果的に透明性が低下し好ましくない。ゴム状弾
性体の粒子径は特に制約はないが、0.2〜2.5μ、
より好ましくは0.3〜2.0μの範囲である。0.2
μ未満では強度補強効果が低く、2.5μを越えると表
面の凹凸が激しくなり透明性が低下するので好ましくな
い。本発明でいう粒子径は数平均粒子径である。レーザ
ー解析方式粒子サイズアナライザーを用いて測定するこ
とができる。
【0019】本発明のスチレン系重合体(I)を得るに
は、ゴム補強ポリスチレン(HIPS樹脂)の製造で多
用されている方法を用いることができる。すなわち、ゴ
ム状弾性体をスチレン系単量体、アクリル酸(メタクリ
ル酸)エステル単量体、重合溶媒等からなる原料溶液に
溶解し、攪拌機付反応機に供給し、100〜180℃の
温度範囲で重合を行う。粒子径の制御は攪拌機の回転数
で、連続相の分子量は重合温度、連鎖移動剤等を用いて
公知の方法で制御することができる。又、透明性を維持
する方法として、一般的な方法、例えば重合途中に必要
に応じて単量体を添加するか、あるいは連続的に追添加
する等の方法が用いられる。
【0020】ゴム状弾性体の含有量は、目標とする含有
量になるように原材料、重合率を調整することにより達
成することもできるが、高濃度のゴム状弾性体を含むス
チレン系重合体を上記の方法で製造し、別に製造したゴ
ム状弾性体を含まないスチレン系重合体と混合すること
によっても製造できる。但し、本発明の構成要件を全て
満たすことは当然のことである。
【0021】この時、重合溶媒、例えばエチルベンゼ
ン、トルエン、キシレン等を用いることも可能である。
又、スチレン系重合体の重合に常用されている有機過酸
化物を用いても、又、途中添加してもよい。重合方法は
スチレン系重合体の製法で常用されている塊状重合法、
又は溶液重合法が用いられる。回分式重合法、連続式重
合法いずれの方法も用いることが出来る。
【0022】反応機を出た重合溶液は回収装置に導かれ
る。回収装置はスチレン系樹脂の製法で多用されている
装置、例えばフラッシュタンクシステム、多段ベント付
き押出機を用いることができる。操作条件もスチレン系
樹脂の製造と同等の条件を用いることができる。未反応
単量体及び/又は重合溶媒を回収する前又は後の任意の
段階でスチレン系重合体に慣用されている添加剤、例え
ば酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、ポ
リジメチルシロキサン等のシリコーン類等を添加でき
る。
【0023】本発明のブロック共重合体(II)として
は、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素重合体ブロ
ックと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体
ブロックとを有するブロック共重合体である。ここで、
共役ジエンを主体とする重合体ブロックとは、共役ジエ
ンの含有量が50重量%以上、好ましくは70重量%以
上、更に好ましくは90重量%以上の重合体ブロックで
ある。共役ジエンを主体とする重合体ブロック中に共重
合されているビニル芳香族炭化水素は重合体中に均一に
分布していても、又テーパー状に分布していてもよい。
ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンとの重量比は30:70〜55:45、好ましくは3
5:65〜50:50である。ビニル芳香族炭化水素の
含有量が30重量%未満の場合はスチレン系重合体と混
合した時、透明性が低下する。又、55重量%を越える
場合は強度補強結果、特に耐折強度向上効果が低下し好
ましくない。又、透明性も低下する。
【0024】ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水
素重合体ブロックの重量は、四酸化オスミウムを触媒と
してジ−t−ブチルハイドロパーオキサイドにより共重
合体を酸化する方法(例えば、L.M.KOLTHOF
F,et al.,J.Polymer Sci.,1
429(1946)に記載の方法)等により定義するこ
とができる。
【0025】本発明で使用するブロック共重合体は、下
記構造式〜で示される線状ブロック共重合体、
【0026】
【化5】
【0027】あるいは、下記一般式〜で示されるラ
ジアルブロック共重合体である。
【0028】
【化6】
【0029】本発明で使用するブロック共重合体に於い
て、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの数平均分子
量は10、000〜70,000、好ましくは15,0
00〜60,000である。共役ジエンを主体とする重
合体ブロックの数平均分子量は特に制限はないが、50
0ないし200,000、好ましくは1,000ないし
100,000である。
【0030】本発明で使用するブロック共重合体は、基
本的には従来公知の手法で製造出来、例えば特公昭36
−19286号、特公昭43−14979号、特公昭4
8−2423号、特公昭48−4106号、特公昭49
−36957号公報等に記載された方法が挙げられる。
本発明に於いて、ビニル芳香族炭化水素としてはスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t
−ブチルスチレン、α−メチルスチレン等が使用でき
る。これら単独又は2種類以上混合して使用してもよ
い。特に一般的なものとしては、スチレンが挙げられ
る。
【0031】又、共役ジエンとしては、1対の共役二重
結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブ
タジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が使用でき
る。これら単独、又は2種類以上混合して使用してもよ
い。特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、イ
ソプレンが挙げられる。
【0032】本発明に於いて、スチレン系重合体(I)
とブロック共重合体(II)の割合は、スチレン系重合
体(I)は99〜70重量%、ブロック共重合体(I
I)は1〜30重量%である。より好ましくはスチレン
系重合体(I)は98〜80重量%、ブロック共重合体
(II)は2〜20重量%である。ブロック共重合体
(II)が1重量%未満の場合、強度補強効果が発現せ
ず、又、30重量%を越える場合はテルペン系樹脂を用
いても分散性が悪く、透明性の低下を招く。
【0033】本発明のテルペン系樹脂(III)は、柑
橘系皮質から得られるd−リモネン、又は生松脂から得
られるα−ピネンの異性化で得られるジペンテンと芳香
族炭化水素をフリーデルクラフツ型触媒(例えば、塩化
アルミ、三弗化硼素等)を用いてカチオン重合を行うこ
とにより得られる。そして、この重合体を水素添加する
ことにより得られる樹脂も本発明で言うテルペン系樹脂
である。水素添加率には特に制約はない。
【0034】芳香族炭化水素としては、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン等が好適に用いられ
る。テルペン系樹脂の重合度は特に制約はないが、重合
度1,000以下、好ましくは500以下、更に好まし
くは200以下である。重合度が1,000を越えると
ブロック共重合体(II)の分散性が悪くなり、その結
果、透明性の低下を招く。
【0035】テルペン系樹脂としては、例えば、ヤスハ
ラケミカル株式会社のYSレジンTO−125、TO−
115、TO−105、TO−85及びクリアロンM−
115、M−105、P−85(いずれもヤスハラケミ
カル(株)の商品名)等を用いることができる。テルペ
ン系樹脂(III)の含有量は、ブロック共重合体(I
I)100重量部当たり40重量部以上である。好まし
くは50重量部以上である。
【0036】テルペン系樹脂(III)の含有量がブロ
ック共重合体(II)100重量部当たり40重量部未
満の場合はブロック共重合体(II)の分散性が悪くな
り、その結果透明性が低下する。本発明のスチレン系樹
脂組成物は、スチレン系重合体(I)、ブロック共重合
体(II)、テルペン系樹脂(III)を混合し、押出
機等で溶融混練することにより得ることができる。又、
スチレン系重合体(I)、ブロック共重合体(II)、
テルペン系樹脂(III)を混合し、射出成形機、ある
いはシート成形機等で溶融混練しつつ成形体、あるいは
シートを成形することにより得ることもできる。
【0037】スチレン系重合体を製造する際の原料溶液
にテルペン系樹脂を溶解し、スチレン系重合体を製造す
ることにより含有させるか、又はスチレン系重合体の製
造中にテルペン系樹脂を加熱溶融あるいは溶媒に溶解し
て添加し、スチレン系重合体に含有させることもでき
る。テルペン系樹脂を含有したスチレン系重合体とブロ
ック共重合体(II)を混合し前記と同様の方法で処理
することにより、本発明のスチレン系樹脂組成物を得る
ことができる。
【0038】本発明のスチレン系樹脂組成物は、従来の
スチレン系樹脂で多用されている各種添加剤、例えばス
テアリン酸、ベヘニン酸、それらの金属塩(カルシウ
ム、マグネシウム、亜鉛等)、エチレンビスステアロア
ミド等を添加することもできる。本発明に係わるスチレ
ン系樹脂組成物シートを作成するには、従来から多用さ
れている一般的な方法、例えば押出機で溶融した後、T
ダイから押出す等の方法が用いられる。シートの厚みは
特に限定されるものではないが、0.2〜30mmの範
囲のものが用いられる。
【0039】以下、実施例で更に詳しく説明する。但
し、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるも
のではない。なお、実施例中の物性の測定方法は以下の
通りである。 (試験法) M F R :ISO R1133に準ずる。
【0040】IZOD衝撃強度:ASTM D256に
準ずる。 シート一撃強度 :シートより5cm×8.8cmの試
験片を切出し東洋精機製作所の「落錘型グラフィックイ
ンパクトテスター」を用いて、高さ20cmより質量
6.5Kgのミサイルを自然落下させて破壊の最大荷重
を求める。
【0041】シート耐折強度 :ASTM D2176
に準ずる。なお、試験片はシートの押出し方向に対して
直角方向に矩形に切出したものを使用。 H A Z E :ASTM D1003に準ずる。 艶 戻 り :シートを120℃で5秒間加熱後、
圧空成形により飲料カップを成形し、成形前のシートと
飲料カップの透明性の差を肉眼で判定する。
【0042】
【実施例】 (スチレン系重合体−1)攪拌機を備えた反応機2基を
直列連結し、その後に二段ベント付き二軸押出機を配置
した重合装置を用いてスチレン系重合体を製造する。ス
チレン47.5重量部、ブチルアクリレート10.0重
量部、メチルメタクリレート33.2重量部、ゴム状弾
性体としてB−Sタイプ(B:ブタジエンブロック、
S:スチレンブロック)で、スチレン含有量が30重量
%であるゴム状弾性体6.5重量部、エチルベンゼン
2.8重量部、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサン0.01重量部からなる原料溶液を反応機
に供給し重合を行う。重合温度は130℃、150℃で
ある。得られたスチレン系重合体の物性を表1に示す。 (スチレン系重合体−2)スチレン56.1重量部、ブ
チルアクリレート1.9重量部、メチルメタクリレート
31.7重量部である以外、スチレン系重合体−1と同
様に操作し、スチレン系重合体−2を得る。物性を表1
に示す。 (ブロック共重合体−1、−2、−3)ポリマー構造、
スチレン含有量が表2に示したようなスチレン−ブタジ
エンブロック共重合体をn−ブチルリチウムを触媒とし
て重合する。 (テルペン系樹脂−1、−2)ヤスハラケミカル株式会
社のYSレジンTO−115、クリアロンM115(い
ずれも商品名)を用いる。
【0043】
【実施例1〜6、比較例1〜6】表3に示す割合でスチ
レン系重合体、ブロック共重合体及びテルペン系樹脂を
混合し、40mm単軸押出機でペレット化する。このペ
レットを用いて射出成形機で試験片を成形する。又、こ
のペレットを用いて30mm押出機で厚み0.3mmの
シートを作製する。射出成形品、シートの物性値を表4
に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】本発明のスチレン系樹脂組成物は強度、
透明性に優れる。特に、シートを二次加熱成形した時の
艶戻り現象がなく、透明性の優れた成形品が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)下記化学式(A) 【化1】 下記化学式(B)、 【化2】 で示される構成単位からなり、構成単位(A)、(B)
    の割合が、(A) 80〜20重量%、(B) 20〜
    80重量%(但し、(A)+(B)=100重量%)で
    ある重合体中にゴム状弾性体(C)が分散粒子として存
    在し、ゴム状弾性体の含有量が0〜20重量%であるス
    チレン系重合体(I)と、 (2)少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素重合体ブ
    ロックと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合
    体ブロックを有し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
    との重量比が30:70〜55:45であるブロック共
    重合体(II)と、 (3)テルペン系樹脂(III) とからなる樹脂組成物であって、スチレン系重合体
    (I)とブロック共重合体(II)の割合が、(I)
    99〜70重量%、(II) 1〜30重量%(但し、
    (I)+(II)=100重量%)であり、テルペン系
    樹脂(III)の含有量がブロック共重合体(II)1
    00重量部当たり40重量部以上である、ことを特徴と
    する強度、透明性に優れたスチレン系樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996006127A1 (fr) * 1994-08-19 1996-02-29 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Feuille en resine de styrene et moulage de cette feuille
CN103539912A (zh) * 2012-07-12 2014-01-29 中国石油天然气股份有限公司 一种高性能丁二烯-苯乙烯液体橡胶的制备方法

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