JPH0525360A - ブロツク共重合体樹脂組成物 - Google Patents

ブロツク共重合体樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0525360A
JPH0525360A JP26948791A JP26948791A JPH0525360A JP H0525360 A JPH0525360 A JP H0525360A JP 26948791 A JP26948791 A JP 26948791A JP 26948791 A JP26948791 A JP 26948791A JP H0525360 A JPH0525360 A JP H0525360A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block copolymer
vinyl aromatic
aromatic hydrocarbon
block
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26948791A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0717809B2 (ja
Inventor
Toshinori Shiraki
利典 白木
Susumu Hoshi
進 星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP26948791A priority Critical patent/JPH0717809B2/ja
Publication of JPH0525360A publication Critical patent/JPH0525360A/ja
Publication of JPH0717809B2 publication Critical patent/JPH0717809B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリマー構造が一般式B−A−B′−Aなど
の構造を有し、(Aはビニル芳香族炭化水素重合体ブロ
ック、B、B′は、30重量%以上の共役ジエンを含有
する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブ
ロックである。)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンと
の重量比が60/40〜95/5であり、該ブロック共
重合体をGPC測定して得られるビニル芳香族炭化水素
重合体ブロックの重量平均分子量と数平均分子量との比
が1.2〜2.0であり、該ブロック共重合体末端に存
在するB−Aセグメント中のビニル芳香族炭化水素含有
量が75〜97重量%であることなどを特徴とするブロ
ック共重合体とスチレン系重合体とからなる樹脂組成
物。 【効果】 透明でかつ耐衝撃性に優れるため射出成形用
素材として、特に反りが少ないため、平板状の成形品に
適し、玩具、日用品、雑貨品、弱電部品などの用途に、
また、例えば、押出成形、中空成形などによってシー
ト、フィルム、発泡体、中空成形品、一軸、二軸延伸成
形品の用途に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は、透明性、耐衝撃性に優
れ、射出成形用途においては反りの少ない成形品を与
え、またポリスチレンとのブレンド品の押出成形用途に
おいては相互の分散性が良好でフローマークの少ない成
形品を与えるブロック共重合体樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】共役ジエンとビニル芳香族炭化水素から
なるブロック共重合体は、比較的ビニル芳香族炭化水素
含有量が多い場合透明性に優れ、ポリスチレンよりも耐
衝撃性の良好な熱可塑性樹脂が得られることから食品包
装容器、日用雑貨品、玩具類、弱電部品などの分野を中
心に近年その使用量が増加しつつある。
【0003】この様なブロック共重合体の製造方法とし
ては、特公昭36−19286号公報、特公昭43−1
7979号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭
57−49567号公報、特公昭58−11446号公
報などがあげられる。又、この様なブロック共重合体は
剛性等の改良を目的としてポリスチレンを配合したり、
逆にポリスチレンの耐衝撃性の改良を目的としてブロッ
ク共重合体を配合する場合がある。かかる組成物の製造
方法としては、特公昭45−19388号公報、特公昭
47−43618号公報、特公昭51−27701号公
報、特公昭52−32774号公報、特公昭53−41
7号公報などがあげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法に開示されているブロック共重合体は射出成形品
のダート衝撃強度が充分でなく、その改良が望まれてい
る。又、射出成形は高剪断下で成形を行なうため成形品
に異方性を生じやすく、ある一方向に対して強度が弱く
なるとか、成形品に反りを生じるなどの問題を起こしや
すい。特に大型成形品や平板の成形においては反りを生
じやすいため、反りの少ない素材が要望されている。更
に、ポリスチレンとのブレンド物の押出成形用途におい
ては、相互の分散不良によるフローマークや層剥離現象
が見られ、著しく成形品の外観を損なう問題を生じてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる現状において、本
発明者らはポリスチレン等のビニル芳香族炭化水素重合
体とのブレンド物の押出成形用途において耐衝撃性に優
れ、相互の分散不良によるフローマークや層剥離現象を
起こさないブロック共重合体樹脂組成物を得ることにつ
いて検討を進めた結果、本発明に用いるブロック共重合
体の片端末端或いは両末端に特定量の共役ジエン単独重
合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素と共役ジ
エンとの共重合体ブロックを持たせると同時に、ブロッ
ク共重合体中に組込まれているビニル芳香族炭化水素重
合体の分子量分布をある特定の範囲に設定することによ
りその目的が達成されることを見い出し本発明を完成す
るに到った。
【0006】即ち、本発明はポリマー構造が一般式 B−A−B′−A、 B−A−B′−A−B′−A B−A−B′−A−B、 B−A−B′−A−B′−A
−B (上式において、Aはビニル芳香族炭化水素重合体ブロ
ック、B、B′は30重量%以上共役ジエンを含有する
共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との重合体ブロック
及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックである。)の
いずれかで表わされ、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンとの重量比が60/40〜95/5であり、G条件で
測定したメルトフローインデックスが0.1〜100g
/10minであるブロック共重合体において、(1)
該ブロック共重合体を四酸化オスミウムを触媒として
酸化分解し、GPC測定して得られるビニル芳香族炭化
水素重合体ブロックの重量平均分子量と数平均分子量と
の比が1.2〜2.0であり、(2) 該ブロック共重
合体のビニル芳香族炭化水素のブロック率が50〜80
%であって、(3) 該ブロック共重合体末端に存在す
るB−Aセグメント中のビニル芳香族炭化水素含有量が
75〜97重量%であり、(4) 該ブロック共重合体
末端に存在するBブロックの総和がブロック共重合体の
5〜15重量%であることを特徴とするブロック共重合
体とスチレン系重合体からなる樹脂組成物である。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明に用
いるブロック共重合体は、ポリマー構造が前記一般式を
有するものである。ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
との重量比が60/40〜95/5好ましくは65/3
0〜90/10のブロック共重合体である。ビニル芳香
族炭化水素含有量が60重量%未満の場合には剛性や、
透明性が劣り、95重量%を超える場合は耐衝撃性が劣
るため好ましくない。本発明においてBブロック及び
B′ブロックにおけるビニル芳香族炭化水素含有量は7
5重量%未満、好ましくは60重量%以下とすることが
低温特性の点で好ましい。Bブロック及びB′ブロック
共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とのランダム共重合
体部分が存在する場合、その部分におけるビニル芳香族
炭化水素はポリマー鎖にそって均一に分布していても、
又テーパー状に分布していてもよい。
【0008】本発明に用いるブロック共重合体の特徴
は、後述の分析方法によって測定される該ブロック共重
合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの重量平
均分子量(以下Mwとよぶ)と数平均分子量(以下Mn
とよぶ)の比が1.2〜2.0、好ましくは1.3〜
1.8の範囲であり、かつB−Aセグメントにおけるビ
ニル芳香族炭化水素含有量が75〜97重量%、好まし
くは80〜95重量%であることである。更に、該ブロ
ック共重合体末端に存在するBブロックの総和は、ブロ
ック共重合体の5〜15重合体%である。Mw/Mnが
1.2未満では耐衝撃性に劣り、2.0を超えると射出
成形時に成形異方性を生じ、成形品が反るという問題を
生じたり分散不良を起こして層剥離現象を起こすため好
ましくない。
【0009】ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックAの
Mw/Mnをコントロールする方法は、ブロック共重合
体分子鎖中の異なるブロックAを重合する際に、モノマ
ーフィード量を変えて数平均分子量の異なるブロックA
を同一分子鎖中に存在させる方法が、経済的観点から好
ましい。また、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックA
の数平均分子量は、ブロックとしての性能を発揮するた
めにも3000以上であることが必要である。
【0010】又B−Aセグメントにおけるビニル芳香族
炭化水素含有量が75重量%未満の場合には分散不良を
起こし、97重量%を超える場合は耐衝撃性が低下する
ため好ましくない。ビニル芳香族炭化水素重合体ブロッ
クのMw/Mnは次の様にして測定できる。ブロック共
重合体を、四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャ
リーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解した
後、分解物にメタノールを添加して得たビニル芳香族炭
化水素重合体成分(L.M.KOLTHOFF.et
al.J.Polym.sci.1,429(194
6)に記載の方法)をゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)で測定し、常法(例えば、「ゲルク
ロマトグラフィー<基礎編>」講談社発行に記載の方
法)に従って算出した値を云う。GPCにおける検量線
は、GPC用として市販されている標準ポリスチレンを
用いて作成したものを使用する。
【0011】この方法で分析可能なビニル芳香族炭化水
素重合体ブロックの数平均分子量は、およそ3000以
上である。本願発明のブロック共重合体のBブロック、
およびB′ブロックは、モノマー組成を十分にコントロ
ールして重合するために、そのブロック中に数平均分子
量が3000以上であるビニル芳香族炭化水素重合体は
存在しない。
【0012】本発明において耐衝撃性の点で特に好まし
いブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジ
エンとの重量比が65/35〜85/15で、しかもビ
ニル芳香族炭化水素のブロック率が50〜88重量%、
好ましくは65〜85重量%のブロック共重合体であ
る。尚、ここでビニル芳香族炭化水素のブロック率と
は、前述の酸化分解法でブロック共重合体成分の量を定
量し、その量をブロック共重合体に含まれているビニル
芳香族炭化水素の量で徐した値(百分率)をいう。
【0013】本発明に用いるブロック共重合体の分子量
は、重合に使用する触媒量により任意に調整できるが、
成形加工性の点からメルトフローインデックス(JIS
K−6870により測定。条件はG条件で温度200
℃、加重5kg)が0.1〜100g/10min、好
ましくは1〜50g/10minである。本発明に用い
るブロック共重合体は炭化水素溶媒中、有機リチウム化
合物を開始剤として重合することにより得られる。
【0014】炭化水素溶媒としてはブタン、ペンタン、
ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオ
クタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシ
クロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;或いは
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳
香族炭化水素などが使用できる。有機リチウム化合物
は、分子中に1個以上のリチウム原子を結合した有機リ
チウム化合物であり、例えばエチルリチウム、n−プロ
ピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチ
ウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチ
ウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチ
ウム、イソプレニルジリチウムなどがあげられる。
【0015】本発明において、ビニル芳香族炭化水素と
してはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチ
ルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、
ビニルアントラセンなどがあるが、特に一般的なものと
してはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず
2種以上混合して使用してもよい。共役ジエンとして
は、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、
たとえば1.3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブ
タジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−
ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジ
エンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3−
ブタジエン、イソプレンが挙げられる。これらは1種の
みならず2種以上混合して使用してもよい。
【0016】本発明に用いるブロック共重合体を製造す
るに際し、ビニル芳香族炭化水素のブロック率を調整す
る方法としては、(i) ビニル芳香族炭化水素と共役
ジエンとの混合物を連続的に重合系に供給して重合体す
る及び/又は(ii) 極性化合物或いはランダム化剤
を使用してビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重合
する方法が推奨される。極性化合物やランダム化剤とし
は、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルな
どのエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチ
レンジアミンなどのアミン類、チオエーテル類、ホスフ
ィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシドなどが挙げ
られる。
【0017】本発明に用いるブロック共重合体には、本
発明で規定する範囲外のビニル芳香族炭化水素含有量が
60〜95重量%のビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
とのブロック共重合体樹脂、ビニル芳香族炭化水素含有
量が60重量%未満のビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンとのブロック共重合体エラストマー、前記のビニル芳
香族炭化水素系モノマーの重合体、前記のビニル芳香族
炭化水素系モノマーと他のビニルモノマー、例えばエチ
レン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル等のアクリル酸エ
ステル;メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステ
ル;アクリロニトリル等との共重合体、ゴム変性スチレ
ン系樹脂(HIPS)等から選ばれる少なくとも1種の
重合体を配合して剛性や耐衝撃性等を改良することがで
きる。
【0018】本発明に用いるブロック共重合体に配合す
る他の熱可塑性重合体としては特にスチレン系重合体が
好ましく、かかる重合体としては非ゴム変性スチレン系
重合体及びゴム変性スチレン系重合体があげられる。非
ゴム変性スチレン系重合体は、前記のビニル芳香族炭化
水素化合物もしくはこれと共重合可能なモノマーを重合
することにより得られるものである。ビニル芳香族炭化
水素化合物と共重合可能なモノマーとしてはα−メチル
スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル、無水マレイン酸などがあげられ
る。
【0019】特に好ましい非ゴム変性スチレン系重合体
としては、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレ
ン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ス
チレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体などがあげられ、これらは単独又
は二種以上の混合物として使用することができる。本発
明において使用できるゴム変性スチレン系重合体は、ビ
ニル芳香族炭化水素化合物もしくはこれと共重合可能な
モノマーとエラストマーとの混合物を重合することによ
り得られ、重合方法としては懸濁重合、乳化重合、塊状
重合、塊状−懸濁重合などが一般に行なわれている。ビ
ニル芳香族炭化水素化合物と共重合可能なモノマーとし
ては、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸
などがあげられる。又、エラストマーとしては、天然ゴ
ム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ポリブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ポリブテンゴム、ゴム状エチレ
ン−プロピレン共重合体、ゴム状ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体、ブチルゴム、各種ニトリル系ゴム、
ゴム状エチレン−酢酸ビニル共重合体、ゴム状エチレン
−アクリル酸エステル共重合体、ゴム状アタクチックポ
リプロピレン樹脂、ゴム状エチレン−アクリル酸アイオ
ノマー等が使用される。
【0020】これらのエラストマーは、ビニル芳香族炭
化水素化合物もしくはこれと共重合可能なモノマー10
0重量部に対して一般に2〜70重量部、より一般的に
は3〜50重量部該モノマーに溶解して或いはラテック
ス状で塊状重合、塊状−懸濁重合、乳化重合等に供され
る。特に好ましいゴム変性スチレン系重合体としては、
耐衝撃性ゴム変性スチレン重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エテル−ブ
タジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−
ブタジエン−スチレン共重合体、耐衝撃性ゴム変性スチ
レン−無水マレイン酸共重合体などがあげられ、これら
は単独又は二種以上の混合物として使用することもでき
る。
【0021】本願発明に用いるブロック共重合体と前記
スチレン系重合体との組成物において、スチレン系重合
体の配合量は目的とする組成物の特性に応じて種々変更
できる。例えばブロック共重合体と非ゴム変性スチレン
系重合体との組成物においては、ブロック共重合体の剛
性を改良したり、非ゴム変性スチレン系重合体の耐衝撃
性を改良する目的から、相互の配合重量比は95/5〜
5〜95、好ましくは90/10〜10/90で使用で
きる。又ゴム変性スチレン系重合体を使用する場合にお
いて、ブロック共重合体の表面特性や耐衝撃性を改良す
る場合においては、ブロック共重合体とゴム変性スチレ
ン系重合体との配合重量比は99.9/0.1〜50/
50の範囲で使用され、一方ゴム変性スチレン系重合体
の光沢や着色性を改良する場合は、ブロック共重合体と
ゴム変性スチレン系重合体との配合重量比は50/50
〜3/97の範囲で使用される。必要に応じてスチレン
系重合体として非ゴム変性スチレン系重合体とゴム変性
スチレン系重合体を併用することもできる。
【0022】本発明のブロック共重合体樹脂組成物は、
必要に応じて、任意の添加剤を含むことができる。添加
剤の種類はプラスチックの配合に一般に用いられるもで
あれば特に制限はないが、例えば、ガラス繊維、ガラス
ビーズ、シリカ、炭カル、タルクなどの無機補強剤、有
機繊維、クマロンインデン樹脂などの有機補強剤、有機
パーオキサイド、無機パーオキサイドなどの架橋剤、チ
タン白、カーボンブラック、酸化鉄などの顔料、染料、
難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止
剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、その他の増量剤或いは
これらの混合物などが挙げられる。具体的には、「プラ
スチックおよびゴム用添加剤実用便覧」(化学工業社)
に記載された化合物類が使用できる。
【0023】本発明のブロック共重合体樹脂組成物は、
従来公知のあらゆる配合方法によって製造することがで
きる。例えば、オープンロール、インテンシブミキサ
ー、インターナルミキサー、コニーダー、二軸ローター
付の連続混練機、押出機等の一般的な混和機を用いた溶
融混練方法、各成分を溶剤に溶解又は分散混合後溶剤を
加熱除去する方法等が用いられる。
【0024】本発明のブロック共重合体樹脂組成物は、
透明でかつ耐衝撃性に優れるため射出成形用素材として
好適に利用できる。特に、射出成形した場合の反りが少
ないため、平板状の成形品や、平板状部分の多い成形
品、大型成形品に適する。本発明のブロック共重合体樹
脂組成物の射出成形品は、玩具、日用品、食品容器、雑
貨品、弱電部品の分野など、通常の汎用熱可塑性樹脂の
射出成形品が用いられる種々の用途に使用することがで
きる。又、本発明のブロック共重合体樹脂組成物は他の
従来公知の成形加工方法、例えば、押出成形、中空成形
などによってシート、フィルム、発泡体、各種形状の中
空成形品、圧空成形品、真空成形品、一軸延伸成形品、
二軸延伸成形品等極めて多種多様にわたる実用上有用な
製品に容易に成形加工出来、具体的には食品容器包装
類、ブリスター包装材、青果物、菓子類の包装フィルム
など広範な容器包装材分野に使用することもできる。
【0025】
【実施例】本発明を更に詳細に説明するために以下に本
発明の実施例を示すが、本発明の内容をこれらの実施例
に限定するものでないことは云うまでもない。
【0026】
【参考実施例1〜5】オートクレーブを窒素ガスで内部
置換した後、精製乾燥されたシクロヘキサン5リットル
を仕込み、その後70℃に攪拌、昇温した。次に触媒と
してn−ブチルリチウムを添加した。添加量はブロック
共重合体のM.Iが表2に示した所定の数値になるよう
に調整した。次に精製、乾燥されたブタジエン及び/又
はスチレンモノマーをプランジャーポンプによりモノマ
ー量及び供給時間が第1表に示す条件で添加し重合を続
けた。所定の重合ステップの重合が終了した後、メタノ
ール2mlを加えて重合を停止させ、更に抗酸化剤とし
て10gの4−メチル−2.6−ジ−tert−ブチル
フェノールを加えた。得られたブロック共重合体は押出
機でペレット化した後、東芝機械(株)社製 IS−8
0A(50オンス射出成形機)を用い200℃で厚さ3
mmの平板を射出成形した。
【0027】得られた射出成形品の物性を表2に示す。
本発明の範囲内のブロック共重合体は透明性、耐衝撃性
及び剛性に優れ、反りのない成形品であった。尚、表2
において、ポリスチレンブロックのMw/Mnおよびス
チレンのブロック率は、四酸化オスミウムを触媒として
ジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドにより
酸化分解した後、分解物にメタノールを添加して析出さ
せたビニル芳香族炭化水素重合体成分の重量を測定する
とともに、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを
測定して算出した。また、B−Aセグメントのスチレン
含有量は、重合時に添加したモノマー量から算出した。
【0028】また、ブロック共重合体を構成するスチレ
ン−ブタジエン共重合体ブロック(特許請求の範囲のB
又はB′に該当する。)中のブタジエンの含有量を計算
すると、例えば第1表中のブロック共重合体B又はD中
のB1 又はB4 のブタジエン/スチレンの重量比はいず
れも20/40である故、これらのスチレン−ブタジエ
ン共重合体ブロック中のブタジエンの含有量はそれぞれ
33.3重量%である。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】ただし、表2の(注)は次のとおりであ
る。 (注1)ASTM D−1709に準拠 (注2)ASTM D−790に準拠 (注3)JIS K−6714に準拠 (注4)射出成形品の反りは、成形品の流動方向とその
直角方向における成形収縮率の差との関連性が大きく、
その差が大きい方が射出成形品の反りが大きいことより
成形収縮率の差で判断した。
【0032】成形収縮率の差により以下の様にランク分
けした。 0.2%以下 ◎ 0.2%を超え 0.4%以下 ○ 0.4%を超え 0.6%以下 △ 0.6%を超える × 尚、流動方向とは直角方向の成形収縮率は、ゲート側と
は反対側の成形収縮率を測定した。
【0033】
【参考比較例1〜6】オートクレーブを窒素ガスで内部
置換した後、精製、乾燥されたシクロヘキサン5リット
ルを仕込み、その後70℃に攪拌、昇温した。次に触媒
としてn−ブチルリチウムを添加した。添加量はブロッ
ク共重合体が表4に示した所定の数値になるように調整
した。
【0034】次にテトラヒドロフラン1.5gを添加
し、各モノマー組成が表3に示す条件下で精製・乾燥さ
れたブタジエンとスチレンの混合モノマーをプランジャ
ーポンプで添加して重合させ、一方スチレンモノマーは
圧送により2分以内にオートクレーブに添加して重合さ
せた。所定の重合ステップの重合が終了した後、メタノ
ール2mlを加えて重合を停止させ、更に抗酸化剤とし
て10gの4−メチル−2.6−ジ−tert−ブチル
フエノールを加えた。得られたブロック共重合体は参考
実施例1〜5と同様な方法で射出成形した。得られた射
出成形品の物性を表4に示す。本発明の範囲外のブロッ
ク共重合体の成形品は耐衝撃性、剛性とのバランスに劣
っていた。
【0035】又、Mw/Mnが本発明の範囲を超えるも
のは成形品に反りを生じ、外観の劣るものであった。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【実施例1、2、比較例1〜4】参考実施例1、5、参
考比較例1〜4で用いたのと同じブロック共重合体をそ
れぞれ60重量%とスタイロン685を40重量%混合
してシート押出機により厚さ0.7mmのシートを得
た。更にこのシートの真空成形を行い、ポリスチレンと
ブロック共重合体の相溶性をみた。得られた各ブロック
共重合体樹脂組成物のシート物性を表5に示す。本発明
の範囲内のブロック共重合体樹脂組成物の成形品は透明
で分散性に優れ剛性、耐衝撃性のバランスが特に良好で
あることは明らかである。
【0039】
【表5】
【0040】
【発明の効果】本発明のブロック共重合体樹脂組成物は
透明でかつ耐衝撃性に優れるため射出成形用素材として
好適に利用できる。特に、射出成形した場合の反りが少
ないため、平板状の成形品や、平板状部分の多い成形
品、大型成形品に適する。又、本発明のブロック共重合
体樹脂組成物は他の従来公知の成形加工方法、例えば、
押出成形、中空成形などによってシート、フィルム、発
泡体、各種形状の中空成形品、圧空成形品、真空成形
品、一軸延伸成形品、二軸延伸成形品等に容易に成形加
工可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)ポリマー構造が一般式 B−A−B′−A、 B−A−B′−A−B、 B−A−B′−A−B′−A、 B−A−B′−A−B′−A−B、 (上式において、Aはビニル芳香族炭化水素重合体ブロ
    ック、B、B′は、30重量%以上共役ジエンを含有す
    る共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロ
    ック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックであ
    る。)のいずれかで表わされ、ビニル芳香族炭化水素と
    共役ジエンとの重量比が60/40〜95/5であり、
    G条件で測定したメルトフローインデックスが0.1〜
    100g/10minであるブロック共重合体におい
    て、 (1) 該ブロック共重合体を四酸化オスミウムを触媒
    として酸化分解し、GPC測定して得られるビニル芳香
    族炭化水素重合体ブロックの重量平均分子量と数平均分
    子量との比が1.2〜2.0であり、 (2) 該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素の
    ブロック率が50〜88%であり、 (3) 該ブロック共重合体末端に存在するB−Aセグ
    メント中のビニル芳香族炭化水素含有量が75〜97重
    量%であり、 (4) 該ブロック共重合体末端に存在するBブロック
    の総和がブロック共重合体の5〜15重量%であること
    を特徴とするブロック共重合体と (B)スチレン系重合体とからなる樹脂組成物。
JP26948791A 1991-10-17 1991-10-17 ブロック共重合体樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0717809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26948791A JPH0717809B2 (ja) 1991-10-17 1991-10-17 ブロック共重合体樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26948791A JPH0717809B2 (ja) 1991-10-17 1991-10-17 ブロック共重合体樹脂組成物

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25382285A Division JPS62115011A (ja) 1985-11-14 1985-11-14 ブロック共重合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0525360A true JPH0525360A (ja) 1993-02-02
JPH0717809B2 JPH0717809B2 (ja) 1995-03-01

Family

ID=17473128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26948791A Expired - Lifetime JPH0717809B2 (ja) 1991-10-17 1991-10-17 ブロック共重合体樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0717809B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000191869A (ja) * 1998-12-22 2000-07-11 Enichem Spa 高透明性ポリマ―組成物
JP2003113285A (ja) * 2001-10-04 2003-04-18 Asahi Kasei Corp 射出成形組成物
JP2006152277A (ja) * 2004-10-29 2006-06-15 Jsr Corp ブロック共重合体及びそれを含むゴム組成物並びに成形品
WO2008032556A1 (fr) * 2006-09-12 2008-03-20 Konami Digital Entertainment Co., Ltd. Article en résine thermoplastique moulé par extrusion-soufflage
JP4599495B2 (ja) * 1998-08-03 2010-12-15 旭化成ケミカルズ株式会社 線状ブロック共重合体、及びそれを含む樹脂組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4599495B2 (ja) * 1998-08-03 2010-12-15 旭化成ケミカルズ株式会社 線状ブロック共重合体、及びそれを含む樹脂組成物
JP2000191869A (ja) * 1998-12-22 2000-07-11 Enichem Spa 高透明性ポリマ―組成物
JP2003113285A (ja) * 2001-10-04 2003-04-18 Asahi Kasei Corp 射出成形組成物
JP2006152277A (ja) * 2004-10-29 2006-06-15 Jsr Corp ブロック共重合体及びそれを含むゴム組成物並びに成形品
WO2008032556A1 (fr) * 2006-09-12 2008-03-20 Konami Digital Entertainment Co., Ltd. Article en résine thermoplastique moulé par extrusion-soufflage
JP2008069189A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Konami Digital Entertainment:Kk 熱可塑性樹脂中空成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0717809B2 (ja) 1995-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4599495B2 (ja) 線状ブロック共重合体、及びそれを含む樹脂組成物
US5278232A (en) Molding compositions of a styrene polymer, a polyolefin and a triblock styrenic copolymer
JP5046469B2 (ja) ブロック共重合体組成物
JP3543917B2 (ja) ブロック共重合体、ブロック共重合体組成物及びその熱収縮性フィルム
JP4070865B2 (ja) 線状ブロック共重合体及び樹脂組成物
JP3356232B2 (ja) ブロック共重合体組成物及び熱収縮性フィルム
JPS6366862B2 (ja)
JP3332281B2 (ja) 透明高強度樹脂組成物
JPH0525360A (ja) ブロツク共重合体樹脂組成物
JPH09324084A (ja) ブロック共重合体樹脂組成物、成形体及びその製造方法
JP3516347B2 (ja) 樹脂組成物
JPH0312097B2 (ja)
JP3103384B2 (ja) ブロック共重合体樹脂組成物
JPH0257088B2 (ja)
JPH0132258B2 (ja)
JPH0633328B2 (ja) ブロック共重合体樹脂の製造方法
JP2002047387A (ja) スチレン系樹脂組成物
JPS6225698B2 (ja)
JPH0259164B2 (ja)
JPH0560498B2 (ja)
JP3383011B2 (ja) 耐衝撃性樹脂組成物
JP4305786B2 (ja) 樹脂組成物
JPH08193161A (ja) 耐衝撃性透明樹脂組成物
JPS63270718A (ja) ブロック共重合体
JPS634586B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19950828

EXPY Cancellation because of completion of term