JP3383011B2 - 耐衝撃性樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性樹脂組成物

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JP3383011B2 JP17083293A JP17083293A JP3383011B2 JP 3383011 B2 JP3383011 B2 JP 3383011B2 JP 17083293 A JP17083293 A JP 17083293A JP 17083293 A JP17083293 A JP 17083293A JP 3383011 B2 JP3383011 B2 JP 3383011B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ブロック共重合体に特
定の架橋粒子を添加した、耐衝撃性と剛性に優れた樹脂
組成物、に関するものであり、その特性を生かして射出
成形及びシート成形分野等に利用される。 【0002】 【従来の技術】従来、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンからなるブロック共重合体樹脂は、押出成形、射出成
形、中空成形、真空成形等の成形が容易に実施できるこ
とから食品成形容器、家庭用品、電気部品、工業用品等
の素材として幅広い用途に使用されている。しかしなが
ら、これらのブロック共重合体樹脂は、剛性と耐衝撃性
のバランスは必ずしも満足できるものではなかった。そ
こで、これらの改良を目的として種々の方法が試みられ
ている。特開昭54ー62251号公報、特開昭52ー
136253号公報では剛性を改良する手段として、ブ
ロック共重合体樹脂とポリスチレンの組成物が報告され
ており、特開昭57ー21442号公報、特開昭59ー
187048号公報では耐衝撃性を改良する手段として
ブロック共重合体樹脂とスチレン含量の少ないエラスト
マーの組成物が報告されている。また、特開昭63ー1
17025号公報では、特定構造の架橋粒子を耐衝撃性
改良剤として用いることが報告されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述の、従来の技術に
記載した方法で剛性の改良を試みた場合は、透明性、耐
衝撃性が低下し、耐衝撃性の改良では剛性が低下する。
又、架橋粒子を添加しても十分な耐衝撃性が発現されな
いため、耐衝撃性と剛性に優れた樹脂組成物が望まれて
いた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
に鑑み、耐衝撃性と剛性に優れた樹脂組成物を得るため
鋭意検討を進めた結果、ブロック共重合体に、特定の架
橋粒子を添加することによって前記の目的が達成するこ
とを新たに見いだし、本発明を完成するに至った。 【0005】即ち、本発明は、 a)少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素を主体とす
る重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエンを主体
とする重合体ブロックとからなり、ビニル芳香族炭化水
素含有量が65重量%以上90重量%以下であるブロッ
ク共重合体100重量部に対し、 b)共役ジエン又は共役ジエン及びビニル芳香族炭化水
素からなる重合体の1種又は2種以上を架橋してなる平
均粒子径0.5〜30μm、トルエン膨潤度3〜50の
架橋粒子を0.1〜30重量部添加してなる耐衝撃性樹
脂組成物、に関するものである。 【0006】以下、本発明を詳細に説明すと、本発明
で用いるブロック共重合体は、少なくとも2個のビニル
芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと少なくと
も1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックとを有
するブロック共重合体である。ここでビニル芳香族炭化
水素を主体とする重合体ブロックとは、ビニル芳香族炭
化水素含有量を50重量%以上含有するビニル芳香族炭
化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック、及び/又は
ビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示し、共役
ジエンを主体とする重合体ブロックとは、共役ジエンを
50重量%を越える量で含有する共役ジエンとビニル芳
香族炭化水素共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単
独重合体ブロックを示す。 【0007】ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体
ブロック、或は共役ジエンを主体とする重合体ブロック
中にビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのランダム共重
合体部分が存在する場合、共重合されているビニル芳香
族炭化水素は重合体ブロック中に均一に分布していて
も、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、
該共重合体部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分布し
ている部分及び/又はテーパー状に分布している部分が
複数個共存してもよい。 【0008】本発明で用いるブロック共重合体は、基本
的には従来公知の手法で製造でき、例えば特公昭36−
19286号公報、特公昭43−17979号公報、特
公昭48−2423号公報、特公昭49−36957号
公報、特公昭57−49567号公報、特公昭58−1
1446号公報などに記載された手法があげられるが、
各構成ポリマーは後述する要件を満足するように製造条
件を設定しなければならない。上記の公知の手法はすべ
て、炭化水素溶剤中で、有機リチウム化合物等のアニオ
ン開始剤を用い、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素を
ブロック共重合する手法である。 【0009】本発明で用いるブロック共重合体のポリマ
ー構造は例えば A−(B−A)n 、 A−(B−A)n −B B−(A−B)n+1 、 (上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とす
る重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする
重合体ブロックである。AブロックとBブロックとの境
界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。nは1以上
の整数、一般的には1〜5である。)で表される線状ブ
ロック共重合体、あるいは一般式、 [(A−B)k m+2 −X 、 [(A−B)k −A]
m+2 −X 、[(B−A)k m+2 −X 、 [(B−
A)k −B]m+2 −X 、 (上式において、A、Bは前記と同じであり、k及びm
は1以上の整数、一般的には1〜5である。Xは例えば
四塩化ケイ素、四塩化スズなどのカップリング剤の残基
または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示
す。)で表されるラジアルブロック共重合体、あるいは
これらのブロック共重合体の任意のポリマー構造の混合
物が使用できる。 【0010】本発明に用いられるビニル芳香族炭化水素
としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジ
メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン
などがあるが、特に一般的なものはスチレンが挙げられ
る。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよ
い。共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有する
ジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−
メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的な
ものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙
げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用し
てもよい。 【0011】炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の
脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン等の脂環式炭化水素、或はベンゼン、トル
エン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等
が使用でき、これらは1種のみならず2種以上混合使用
してもよい。 【0012】有機リチウム化合物は、分子中に一個以上
のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有
機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物であり、
これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピ
ルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウ
ム、イソプレニルジリチウム等が挙げられ、これらは1
種のみならず2種以上混合使用してもよい。本発明にお
いては、重合速度の調整、重合した共役ジエン部のミク
ロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)の変更、共役
ジエンとビニル芳香族炭化水素の反応比の調整などの目
的で極性化合物やランダム化剤を使用することができ
る。 【0013】極性化合物やランダム化剤としては、テト
ラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテ
ル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホス
ホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウ
ムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。 【0014】本発明の方法において、重合体を製造する
際の重合温度は一般的に−10℃〜150℃、好ましく
は40℃〜120℃であり、重合に要する時間は条件に
よって異なるが、通常は48時間以内であり、特に好適
には1〜10時間である。また、重合系の雰囲気は窒素
ガスなどの不活性ガスなどをもって置換するのが望まし
い。 【0015】重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー
及び溶媒を液層に維持するに充分な圧力の範囲で行えば
よく、特に制限されるものではない。更に重合系内には
触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純
物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意
する必要がある。 【0016】本発明で用いるブロック共重合体の分子量
は、重合に使用する触媒量により任意に調整できるが成
形加工性の点から、メルトフローインデックス(JIS
K−6870により測定。条件はG条件で温度200
℃、加重5Kg)が0.1〜100g/10min、好
ましくは1〜50g/10minである。 【0017】本発明で用いるブロック共重合体は所望に
より不活性溶剤中で水素添加触媒の存在化に水素添加し
て水添物として使用することもできる。具体的な方法と
しては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6
636号公報に記載された方法により、特に好ましくは
特公昭63−4841号公報及び特公昭63−5401
号公報に記載された方法によるものである。 【0018】本発明の架橋粒子は、共役ジエン又は共役
ジエン及びビニル芳香族炭化水素からなる重合体の1種
又は2種以上を有機過酸化物を用いて架橋することによ
って得ることができる。架橋粒子の製造に用いる重合体
は、前記ブロック共重合体に列記した共役ジエンとビニ
ル芳香族炭化水素の1種又は2種以上を混合使用し、従
来公知の全ての重合方法、例えばラジカル重合、アニオ
ン重合によって製造することができる。共役ジエン及び
ビニル芳香族炭化水素をモノマーとする場合、得られる
重合体中の共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との組成
比は99:1〜5:95、好ましくは95:5〜10:
90の範囲で変化させることができる。共役ジエン及び
ビニル芳香族炭化水素からなる重合体は、ランダム共重
合体であってもブロック共重合体であってもよく、これ
らは従来公知のいずれかの方法で製造することができ
る。例えばランダム共重合体は、米国特許309451
4号明細書に記載されているように、共役ジエン及びビ
ニル芳香族炭化水素の混合物を通常の重合速度より遅い
速度で重合器に供給することによって製造できる。又、
米国特許3451988号明細書に記載されているよう
に、前記の極性化合物やランダム化剤の存在下に共役ジ
エンとビニル芳香族炭化水素の混合物を共重合させてラ
ンダム共重合体を製造することができる。 【0019】一方、ブロック共重合体の製造方法として
は前記した製造方法をそのまま用いることができる。 【0020】本発明の架橋粒子に用いる有機過酸化物は
重合体を架橋できるものであれば全て使用することがで
きる。例えば1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルパ−オキシ)シクロヘキサン、2,2−ビ
ス(t−ブチルパ−オキシ)オクタン、n−ブチル4,
4−ビス(t−ブチルパ−オキシ)バレラ−ト、ジ−t
−ブチルパ−オキシド、ジクミルパ−オキシド、αα’
−ビス(t−ブチルパ−オキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
−オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパ−オキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(ベンゾイルパ−オキシ)ヘキサン等
が挙げられるが好ましい有機過酸化物は1,1−ビス
(t−ブチルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、ジクミルパ−オキシドである。有機過酸化
物の添加量は架橋粒子のトルエン膨潤度が3〜50の範
囲に、好ましくは5〜40の範囲に調整し、添加する。
架橋粒子のトルエン膨潤度が3未満の場合は架橋粒子の
平均粒子径をコントロールすることが難しく、トルエン
膨潤度が50を越えると耐衝撃性が低下するため好まし
くない。 【0021】本発明の架橋粒子の平均粒子径は0.5〜
30μm、好ましくは1〜20μmの範囲である。平均
粒子径が0.5μm未満或は30μmを越えた場合のど
ちらも耐衝撃性が発現されないため好ましくない。本発
明の平均粒子径を有する架橋粒子は任意の方法で製造す
ることができる。好ましい方法としては重合体を炭化水
素溶媒に溶解した後、界面活性剤と水及び有機過酸化物
を加えて乳化し、この乳化液を加熱することによって架
橋粒子を製造する方法である。 【0022】尚、本発明で言う架橋粒子の平均粒子径と
は、乳化した後、脱溶媒を行った架橋粒子の透過型電子
顕微鏡写真(拡大倍率:10000倍)を撮影し、写真
中の架橋粒子約100〜200個の架橋粒子数を測定し
て求めたものである。 【0023】平均粒子径は次式より求めた。 【0024】平均粒子径=ΣNiDi /ΣNiDi (但し、Niは、粒子直径Diを有する架橋粒子の個数
を示す。) 本発明の架橋粒子の添加量は、成分aのブロック共重合
体100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましく
は0.3〜20重量部である。架橋粒子の添加量が0.
1重量部未満では樹脂組成物の耐衝撃性が発現されず、
30重量部を越えた場合は樹脂組成物の透明性或は流動
性等が劣るため好ましくない。 【0025】本発明において成分a、成分bからなる耐
衝撃性樹脂組成物は、従来公知のあらゆる配合方法によ
って製造することができる。例えば、オープンロール、
インテンシブミキサー、インターナルミキサー、コニー
ダー、二軸ローター付の連続混練機、押出機等の一般的
な混和機を用いた溶融混練方法等が用いられるが、とり
わけ好ましい方法は、溶媒に溶解した成分aと乳化液の
状態にある成分bを十分に混合撹拌した後、脱溶媒、脱
水及び乾燥する方法である。 【0026】本発明の耐衝撃性樹脂組成物は、必要に応
じて任意のスチレン系共重合体あるいは添加剤を含むこ
とができる。スチレン系共重合体の種類は、ABS樹
脂、AES樹脂、AAS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン
樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂などであり、添加剤の
種類はプラスチックの配合に一般的に用いられるもので
あれば特に制限はないが、例えば、ガラス繊維,ガラス
ビーズ,シリカ,炭カル,タルク等の無機補強剤、有機
繊維,クマロンインデン樹脂等の有機補強剤、有機パー
オキサイド,無機パーオキサイド等の架橋剤、チタン
白,カーボンブラック,酸化鉄等の顔料,染料,難燃
剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,帯電防止剤,滑剤,可
塑剤,その他の増量剤或はこれらの混合物があげられ
る。 【0027】本発明の耐衝撃性樹脂組成物は、そのまま
で或は着色して通常の熱可塑性樹脂と同様の加工手段に
よって成形し、あらゆる用途に使用できる。例えば、射
出成形、吹込成形方法等によるOA機器部品、日用品、
食品、雑貨、弱電部品等の容器に使用することができ
る。その他、シート、フィルム等の押出成形品を真空成
形、圧空成形等の方法によって熱成形した食品容器類、
青果物、菓子類容器等の広範囲な用途に使用することが
できる。 【0028】 【実施例】本発明を更に詳細に説明するために以下に本
発明の実施例を示すが、本発明の内容は、これらの実施
例ににより何ら限定されるものでないことは云うまでも
ない。 【0029】尚、実施例で使用したブロック共重合体と
架橋粒子の製造に使用した重合体は、下記のようにして
製造した。また、得られたブロック共重合体及び重合体
の溶液は、重合体と溶媒との重量比がいずれも1:4で
あった。 【0030】[ブロック共重合体 A]窒素ガス雰囲気
下において、スチレン30重量部とテトラヒドロフラン
0.3重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリ
チウムを0.08重量部添加し、70℃で1時間重合し
た後、更に1,3−ブタジエン20重量部とスチレン5
0重量部を含むシクロヘキサンを添加して70℃で2時
間重合した。得られた重合体は、スチレン含有量80重
量%のA−B−A構造のブロック共重合体であった。 【0031】[ブロック共重合体 B]窒素ガス雰囲気
下において、1,3−ブタジエン15重量部とスチレン
20重量部を含むn−ヘキサン溶液にn−ブチルリチウ
ムを0.07重量部添加し、70℃で2時間重合した
後、更に1,3−ブタジエン15重量部とスチレン50
重量部を含むn−ヘキサン溶液及びn−ブチルリチウム
0.02重量部を加えて70℃で2時間重合した。得ら
れた重合体は、スチレン含有量70重量%のB−A−B
−A構造のブロック共重合体とB−A構造のブロック共
重合体からなる混合物であり、しかも得られた重合体溶
液は懸濁状であった。 【0032】[ブロック共重合体 C]窒素ガス雰囲気
下において、スチレン85重量部を含むシクロヘキサン
溶液にn−ブチルリチウムを0.15重量部添加し、7
0℃で1時間重合した後、1,3−ブタジエン15重量
部を含むシクロヘキサンを添加して70℃で2時間重合
した。その後、エポキシ化大豆油を5重量部添加してス
チレン含有量85重量%のラジアル構造のブロック共重
合体を得た。 【0033】[重合体 D]窒素ガス雰囲気下において
1,3−ブタジエン100重量部を含むシクロヘキサン
溶液にn−ブチルリチウムを0.05重量部添加した
後、70℃で4時間重合し、ポリブタジエンを得た。 【0034】[重合体 E]窒素ガス雰囲気下におい
て、1,3−ブタジエン80重量部とスチレン20重量
部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを
0.08重量部添加し、70℃で2時間重合した。得ら
れた重合体は、スチレン含有量20重量%のB−A構造
のブロック共重合体であった。 【0035】[重合体 F]窒素ガス雰囲気下におい
て、1,3ブタジエン15重量部とスチレン20重量部
を含むn−ヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.1
1重量部添加し、70℃で2時間重合した後、更に1,
3−ブタジエン45重量部とスチレン20重量部を含む
n−ヘキサンを加えて70℃で2時間重合した。得られ
た重合体は、スチレン含有量40重量%のB−A−B−
A構造のブロック共重合体であった。 【0036】[重合体 G]窒素ガス雰囲気下におい
て、スチレン20重量部とテトラヒドロフラン0.3重
量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを
0.08重量部添加し、70℃で1時間重合した後、更
に1,3−ブタジエン40重量部とスチレン40重量部
を含むシクロヘキサンを添加して70℃で2時間重合し
た。得られた重合体は、スチレン含有量60重量%のA
−B−A構造のブロック共重合体であった。 【0037】[重合体 H]窒素ガス雰囲気下において
スチレン100重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−
ブチルリチウムを0.04重量部添加した後、70℃で
2時間重合し、ポリスチレンを得た。 【0038】( 実施例1)実施例1に用いたブロック共
重合体と架橋粒子の種類と製造方法及び樹脂組成物の製
造方法を下記に示し、得られた樹脂組成物の物性を表1
に示した。 【0039】成分aのブロック共重合体の種類 [ブロック共重合体 A]を用いた。 【0040】成分bの架橋粒子の製造方法 [重合体 E]の重合体溶液に、ロジン酸を該重合体1
00重量部に対して10重量部と1,1−ビス(t−ブ
チルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンを2重量部添加し混合溶解させた。次に乳化剤を含む
重合体溶液とロジン酸に対して等モル量の水酸化ナトリ
ウムを溶解させた水溶液とを重量比1.5/1の割合で
混合し、ディスパーミルで乳化した。生成した乳化液を
加熱用ジャケットを有する脱溶媒槽に装入し、加熱する
ことによってシクロヘキサンを蒸発除去した。この後、
脱溶媒した乳化液を加圧オートクレーブに装入し、12
5℃で3時間加熱撹拌し、乳化分散している重合体を架
橋した。得られた架橋粒子の乳化液の固形分濃度は16
重量%、平均粒子径は2.6μm、トルエン膨潤度は1
3.5であった。尚、トルエン膨潤度は以下のようにし
て測定した。乾燥して固着させた架橋粒子少量(一般に
0.2〜0.3g)をガラス瓶に秤量し、トルエンを覆
った状態で試料を室温に2日間放置して充分に平衡化
し、膨潤した試料を速やかにトルエンから濾別し、秤量
した。膨潤試料の重量を乾燥試料の重量で割ることによ
り膨潤度を算出した。 【0041】樹脂組成物の製造方法 [ブロック共重合体 A]の重合体溶液にブロック共重
合体100重量部に対して、オクタデシル−3−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネートを0.5重量部、トリス(2,4−ジ−
tert−ブチルフェニル)フォスファイトを0.5重
量部添加し、ブロック共重合体100重量部に対して、
架橋粒子を2重量部乳化液の状態で添加して充分混合撹
拌した後、ダブルドラムドライヤーにより脱溶媒、乾燥
を行い樹脂組成物を得た。 【0042】得られた樹脂組成物は押出機を用いてペレ
ット化した後、射出成形機を用いて厚さ3mmの成形片
を作成し物性測定を行った。本発明で規定する範囲内の
ブロック共重合体及び架橋粒子を用いた実施例1は剛性
を表す曲げ弾性率(ASTMD790に準拠)、耐衝撃
性を表すダート衝撃強度(ASTMD1709に準拠)
のバランスに優れており、透明性についても全光線透過
率(ASTMD1003に準拠)が高く透明な成形品が
得られた。 【0043】( 実施例2〜5及び比較例1〜7)表2に
示したブロック共重合体と架橋粒子を用いた樹脂組成物
を 架橋粒子の製造に用いる乳化剤がロジン酸3重量部
とポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(ポリオ
キシエチレンの重合度が15)5重量部である以外は実
施例1と同様な方法で製造し、成形した後、物性を測定
した。尚、表2の成分bの架橋粒子の平均粒子径の調整
は、乳化条件或は架橋後の分散条件等で行い、トルエン
膨潤度の調整は有機過酸化物の添加量で行った。比較例
7は表2に示した結果以外にも流動性が低いため外観が
劣るものであった。本発明で規定した範囲内の樹脂組成
物は、剛性と耐衝撃性に優れた物性を示すことがわか
る。 【0044】(実施例6)ポリスチレン(旭化成(株)
製 旭化成ポリスチレン685)100重量部に対し
て、実施例5と同一の樹脂組成物のペレット100重量
部をヘンシェルミキサーで充分混合した後、押出機によ
りペレット化した。次いでシート押出機を用いて厚さ
0.6mmのシートを成形した。得られたシートの物性
はダート衝撃値が43Kgf・cmの耐衝撃性に優れる
シートが得られた。 【0045】 【表1】【0046】 【表2】【0047】 【発明の効果】本発明の耐衝撃性樹脂組成物は剛性と耐
衝撃性のバランスに優れるため、各種成形品の成形素材
として用いることができるが、取分け耐衝撃性を必要と
する用途に好適である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 a)少なくとも2個のビニル芳香族炭化
    水素を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共
    役ジエンを主体とする重合体ブロックとからなり、ビニ
    ル芳香族炭化水素含有量が65重量%以上90重量%以
    下であるブロック共重合体100重量部に対し、 b)共役ジエン又は共役ジエン及びビニル芳香族炭化水
    素からなる重合体の1種又は2種以上を架橋してなる平
    均粒子径0.5〜30μm、トルエン膨潤度3〜50の
    架橋粒子を0.1〜30重量部添加してなる耐衝撃性樹
    脂組成物。
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