JP2844173B2 - 耐衝撃性透明樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性透明樹脂組成物

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JP2844173B2
JP2844173B2 JP1741995A JP1741995A JP2844173B2 JP 2844173 B2 JP2844173 B2 JP 2844173B2 JP 1741995 A JP1741995 A JP 1741995A JP 1741995 A JP1741995 A JP 1741995A JP 2844173 B2 JP2844173 B2 JP 2844173B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブロック共重合体と特定
構造の分散粒子を有するゴム変性ポリスチレンとからな
る、耐面衝撃性と剛性及び透明性に優れた樹脂組成物に
関するものであり、その特性を生かして射出成形及びシ
ート成形分野等に利用される樹脂組成物である。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンとからなるブロック共重合体樹脂は押出成形、射出成
形、中空成形、真空成形等の成形が容易に実施できるこ
とから食品成形容器、家庭用品、電気部品、工業用品等
の素材として幅広い用途に使用されている。
【0003】しかしながら、これらのブロック共重合体
樹脂は透明ではあっても剛性と耐衝撃性とのバランスの
点では必ずしも満足できるものではなかった。そこで、
これらの改良を目的として種々の方法が試みられてい
る。特公昭52−16496号公報、特公昭59−37
299号公報にはゴム変性ポリスチレンとスチレン−ブ
タジエンブロック共重合体からなる組成物が衝撃強度、
伸び、折曲白化、ひんじ特性及び表面光沢に優れること
が開示されている。特開昭54ー62251号公報、特
開昭52ー136253号公報では剛性を改良する手段
としてブロック共重合体樹脂とポリスチレンの組成物が
開示されており、特開昭57ー21442号公報、特開
昭59ー187048号公報では耐衝撃性を改良する手
段としてブロック共重合体樹脂とスチレン含量の少ない
エラストマーとの組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の、従来の技術に
記載したゴム変性ポリスチレンとスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体からなる組成物では十分な透明性を得
ることができず、又、ブロック共重合体樹脂とポリスチ
レンの組成物にあっては剛性は改良されるものの透明
性、耐衝撃性が低下し、そしてブロック共重合体樹脂と
スチレン含量の少ないエラストマーとの組成物では剛性
が低下するため、耐衝撃性と剛性及び透明性に優れた樹
脂組成物が望まれていた。
【0005】
【発明が解決する課題】本発明者らはかかる現状に鑑
み、耐衝撃性と剛性及び透明性に優れた樹脂組成物を得
るため鋭意検討を進めた結果、ブロック共重合体と特定
構造の分散粒子を有するゴム変性ポリスチレンとの組成
物によって前記の目的が達成することを見い出し、本発
明を完成するに至った。即ち、本発明は; (a)少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素を主
体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン
を主体とする重合体ブロックからなり、ビニル芳香族炭
化水素含有量が65〜90重量%であるブロック共重合
体70〜99.5重量%、(b)ブタジエン系ゴム状重
合体にスチレンをグラフト重合して得られるゴム変性ポ
リスチレンであって、その分散粒子の内部にポリスチレ
ンを包含し、且つ分散粒子の平均粒子径が0.5〜10
μm、その分散粒子のポリスチレンの含有量が75重量
%〜90重量%である該ゴム変性ポリスチレン0.5〜
30重量%からなる耐衝撃性透明樹脂組成物を提供する
ものであり、また、 (b)の分散粒子のポリスチレンの含有量が80重
量%を越え、90重量%以下である記載の耐衝撃性透
明樹脂組成物を提供するものであり、また、 記載の耐衝撃性透明樹脂組成物100重量部とス
チレン系重合体1〜150重量部とからなる耐衝撃性透
明樹脂組成物を提供するものであり、また、 スチレン系重合体が非ゴム変性スチレン系重合体で
ある記載の耐衝撃性透明樹脂組成物を提供するもので
ある。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いるブロック共重合体は、少なくとも2個のビニル芳
香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと少なくとも
1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックとを有す
るブロック共重合体である。ここでビニル芳香族炭化水
素を主体とする重合体ブロックとはビニル芳香族炭化水
素含有量を50重量%以上含有するビニル芳香族炭化水
素と共役ジエンとの共重合体ブロック及び/又はビニル
芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示し、共役ジエン
を主体とする重合体ブロックとは共役ジエンを50重量
%を越える量で含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化
水素共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合体
ブロックをいう。
【0007】ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体
ブロック或は共役ジエンを主体とする重合体ブロック中
にビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのランダム共重合
体部分が存在する場合、共重合されているビニル芳香族
炭化水素は重合体ブロック中に均一に分布していても、
テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、該共
重合体部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分布してい
る部分及び/又はテーパー状に分布している部分が複数
個共存してもよい。
【0008】本発明で用いるブロック共重合体は基本的
には従来公知の手法で製造することができ、例えば特公
昭36−19286号公報、特公昭43−17979号
公報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−36
957号公報、特公昭57−49567号公報、特公昭
58−11446号公報などに記載された手法が挙げら
れるが、各構成ポリマーは後述する要件を満足するよう
に製造条件を設定しなければならない。上記の公知の手
法はすべて、炭化水素溶剤中で有機リチウム化合物等の
アニオン開始剤を用い、共役ジエンとビニル芳香族炭化
水素をブロック共重合する手法である。本発明で用いる
ブロック共重合体のポリマー構造は例えば
【0009】
【化1】A−(B−A)n 、A−(B−A)n −B、B
−(A−B)n+1 〔上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とす
る重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする
重合体ブロックである。AブロックとBブロックとの境
界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。nは1以上
の整数、一般的には1〜5である。〕で表される線状ブ
ロック共重合体、あるいは
【0010】
【化2】一般式; [(A−B)k m+2 −X、[(A−B)k −A]m+2
−X、[(B−A)k m+2 −X、[(B−A)k
B]m+2 −X 〔上式において、A、Bは前記と同じであり、k及びm
は1以上の整数、一般的には1〜5である。Xは例えば
四塩化ケイ素、四塩化スズなどのカップリング剤の残基
または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示
す。〕で表されるラジアルブロック共重合体、あるいは
これらのブロック共重合体の任意のポリマー構造の混合
物が使用できる。
【0011】本発明に用いられるビニル芳香族炭化水素
としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジ
メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン
などが挙げられるが、特に一般的にはスチレンが挙げら
れる。これらは1種のみならず2種以上混合使用しても
よい。共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有す
るジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2
−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられるが、特に一
般的には、1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙げ
られる。これらは1種のみならず2種以上混合使用して
もよい。
【0012】炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の
脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン等の脂環式炭化水素、或はベンゼン、トル
エン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等
が使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使
用してもよい。
【0013】有機リチウム化合物としては、分子中に一
個以上のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合
物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物等
が挙げられる。これらの具体例としては、エチルリチウ
ム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n
−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert
−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジ
エニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げら
れる。これらは1種のみならず2種以上混合使用しても
よい。
【0014】本発明においては、重合速度の調整、重合
した共役ジエン部のミクロ構造(シス、トランス、ビニ
ルの比率)の変更、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素
の反応比の調整などの目的で極性化合物やランダム化剤
を使用することができる。極性化合物やランダム化剤と
しては、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテ
ル等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエ
チレンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフ
ィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げら
れる。
【0015】本発明の方法において重合体を製造する際
の重合温度は、一般的には−10℃〜150℃、好まし
くは40℃〜120℃の範囲である。重合に要する時間
は、条件によって異なるが、通常は48時間以内であ
り、特に好適には1〜10時間の範囲である。また、重
合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガスなどをもって
置換するのが望ましい。重合圧力は上記重合温度範囲で
モノマー及び溶媒を液層に維持するに充分な圧力の範囲
で行えばよく、特に制限されるものではない。更に重合
系内には触媒及びリビングポリマーを不活性化させるよ
うな不純物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しない
よう留意する必要がある。
【0016】本発明で用いるブロック共重合体のビニル
芳香族炭化水素含有量の範囲は65〜90重量%であ
り、好ましくは70〜85重量%の範囲である。ブロッ
ク共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が65重量%
未満では樹脂組成物成形品の剛性と透明性が劣り、逆に
90重量%を越えると耐面衝撃性が低下するため好まし
くない。
【0017】本発明で用いるブロック共重合体のビニル
芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率の好ましい
範囲は50〜100重量%である。ブロック率が50重
量%未満の場合は樹脂組成物成形品の剛性が劣るため好
ましくない。ビニル芳香族炭化水素ブロックのブロック
率は、ブロック共重合体の製造時において少なくとも一
部のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンが共重合する工
程におけるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの重量、
重量比、重合反応性比等を変えることによりコントロー
ルすることができる。具体的な方法としては; (イ)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの混合物を
連続的に重合系に供給して重合する、及び/又は、 (ロ)極性化合物或はランダム化剤を使用してビニル芳
香族炭化水素と共役ジエンを共重合する、等の方法が採
用できる。
【0018】極性化合物やランダム化剤としては、テト
ラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテ
ル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホス
ホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウ
ムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。尚、本
発明においてブロック共重合体中に組み込まれているビ
ニル芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率とは、
四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャリーブチル
ハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化
分解する方法〔I.M.KOLTHOFF,eta
l.,J.Polym.Sci.1,429(194
6)に記載の方法〕により得たビニル芳香族炭化水素重
合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以下のビニ
ル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を定量
し、下記の式から求めた値を云う。
【0019】
【数1】
【0020】本発明で用いるブロック共重合体の分子量
は、重合に使用する触媒量により任意に調整できるが成
形加工性の点から、メルトフローインデックス(JIS
K−6870により測定し、その条件はG条件で温度
200℃、加重5Kg)が0.1〜100g/10分、
好ましくは1〜50g/10分の範囲である。本発明で
用いるブロック共重合体は所望により不活性溶剤中で水
素添加触媒の存在化に水素添加して水添物として使用す
ることもできる。具体的な方法としては、特公昭42−
8704号公報、特公昭43−6636号公報に記載さ
れた方法、特に好ましくは特公昭63−4841号公報
及び特公昭63−5401号公報に記載された方法であ
る。
【0021】本発明の樹脂組成物のブロック共重合体の
配合量は、70〜99.5重量%、好ましくは80〜9
9.0重量%の範囲である。ブロック共重合体が70重
量%未満では透明性が低下し、99.5重量%を越える
量では耐面衝撃性が低下するため好ましくない。本発明
のゴム変性ポリスチレンは、スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、P−メチルスチレン、ビニルキ
シレン、ビニルナフタレン等の単独、又は混合物とブタ
ジエン系ゴム状重合体を重合したものである。本発明の
ゴム変性ポリスチレンのブタジエン系ゴム状重合体は、
ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体が用いられる。又、
ブタジエン系重合体の分子量や分岐度は限定されるもの
ではない。
【0022】本発明のゴム変性ポリスチレンのブタジエ
ン系ゴム状重合体の量は、特に限定するものではないが
1〜15重量%の範囲であることが好ましい。本発明の
ゴム変性ポリスチレンは、従来公知のゴム変性ポリスチ
レン(HIPS樹脂)の製造で多用されている方法、即
ち塊状重合、塊状−懸濁重合、乳化重合等で製造され
る。ブタジエン系ゴム状重合体からなる分散粒子の粒子
径は公知の方法、例えば撹拌強度、生成したスチレン系
重合体の分子量、分子量調整剤の量、溶剤の量、用いる
ブタジエン系ゴム状重合体の分子量、重合開始剤の種類
量等を変更することにより調整される。分散粒子量(ゲ
ル量)および膨潤指数の調整はゴム変性ポリスチレンの
製法で一般的に用いられている方法の回収系の温度を制
御することにより行われる。
【0023】本発明のゴム変性ポリスチレンの分散粒子
は、ポリスチレンを内部に包含している構造のものであ
り、その形態はサラミ構造であってもコア・シェル構造
であってもよい。本発明のゴム変性ポリスチレンの分散
粒子のポリスチレンの含有量は、ゴム変性ポリスチレン
の製造に用いられるブタジエン系ゴム状重合体中のスチ
レン含量、分散粒子に包含及びグラフトされたスチレン
含量によって調整されるが、それ以外にも前述した方法
で得たゴム変性ポリスチレンをスチレンモノマーに溶解
し、かかる溶液に過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビ
ス(t−ブチルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジクミルパ−オキシド等の有機過酸化物
等の存在下に、この溶液を撹拌下に加熱してラジカル重
合させ、分散粒子のポリスチレングラフト量を増量させ
る方法を用いてもよい。
【0024】本発明のゴム変性ポリスチレンの分散粒子
のポリスチレンの含有量は下記の式から求めた値を云
う。
【数2】
【0025】分散粒子中のポリスチレン量は、熱分解ガ
スクロマトグラフィー、赤外分光分析、本発明に記載の
ブロック率の測定等から求めることができる。本発明の
ゴム変性ポリスチレンの分散粒子のポリスチレンの含有
量は、75重量%〜90重量%、好ましくは80重量%
を越え、90重量%以下である。75重量%未満では樹
脂組成物成形品の透明性が劣り、90重量%を越えると
耐面衝撃性が低下するため好ましくない。本発明のゴム
変性ポリスチレンの分散粒子の平均粒子径は、0.5〜
10μmの範囲、好ましくは1〜5μmの範囲である。
0.5μm未満では樹脂組成物成形品の耐面衝撃性が低
く、10μmを越えると成形品の透明性が劣るため好ま
しくない。分散粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡
写真(拡大倍率:10000倍)を撮影し、写真中の分
散粒子約100〜200個の分散粒子を測定して求めた
ものである。
【0026】平均粒子径は次式より求めた。
【数3】平均粒子径=ΣNiDi4 /ΣNiDi3 (式中、Niは粒子直径Diを有する分散粒子の個数を
示す。) 本発明の樹脂組成物のゴム変性ポリスチレンの量は、
0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%の範囲
である。ゴム変性ポリスチレンの量が0.5重量%未満
では耐面衝撃性が低下し、30重量%を越えると透明性
が低下するため好ましくない。
【0027】本発明で特定のゴム変性ポリスチレンとブ
レンドしても良いスチレン系重合体は、本発明の特定の
ゴム変性ポリスチレンを除いたゴム変性ポリスチレン、
ゴム状弾性体を分散粒子として有するスチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、非ゴム変性スチレン系重合体等
である。ゴム状弾性体を分散粒子として有するスチレン
−アクリル酸エステル共重合体のゴム状弾性体の分散粒
子径は0.1〜1.2μmで、本発明のゴム変性ポリス
チレン中のゴム粒子と同類のものを意味する。又、好ま
しいアクリル酸エステルはメチルメタアクリレート、ブ
チルアクリレート、ブチルメタアクリレート等の1種以
上である。非ゴム変性スチレン系重合体は、ポリスチレ
ン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体、スチレン−メタクリル酸
エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体
等が挙げられるが、特に好ましいものはポリスチレンで
ある。これらは単独で、又は2種以上の混合物として使
用することができる。
【0028】本発明の樹脂組成物のスチレン系重合体の
配合量は、成分(a)と成分(b)の和を100重量部
とした場合に対して、1〜150重量部、好ましくは5
〜100重量部であり、150重量部を越えると耐面衝
撃性が低下するため好ましくない。本発明の樹脂組成物
は従来公知のあらゆる配合方法によって製造することが
できる。例えば、オープンロール、インテンシブミキサ
ー、インターナルミキサー、コニーダー、二軸ローター
付の連続混練機、押出機等の一般的な混和機を用いた溶
融混練方法、各成分を溶剤に溶解又は分散混合後溶剤を
加熱除去する方法等が用いられる。
【0029】本発明の樹脂組成物は必要に応じて任意の
添加剤を含むことができる。添加剤の種類はプラスチッ
クの配合に一般的に用いられるものであれば特に制限は
ないが、例えば、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ、
炭カル、タルク等の無機補強剤;有機繊維、クマロンイ
ンデン樹脂等の有機補強剤;有機パーオキサイド、無機
パーオキサイド等の架橋剤;チタン白、カーボンブラッ
ク、酸化鉄等の顔料;染料、難燃剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、その他の増量剤
或はこれらの混合物が挙げられる。
【0030】本発明の樹脂組成物はそのままで或は着色
して通常の熱可塑性樹脂と同様の加工手段によって成形
し、あらゆる用途に使用できる。例えば、射出成形、吹
込成形方法等によるOA機器部品、日用品、食品、雑
貨、弱電部品等の容器に使用することができる。その
他、シート、フィルム等の押出成形品を真空成形、圧空
成形等の方法によって熱成形した食品容器類、青果物、
菓子類容器等の広範囲な用途に使用することができる。
【0031】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例を用いて更
に詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限
するものではない。 (a)成分のブロック共重合体 表1に実施例、比較例で用いる(a)成分のブロック共
重合体を示す。A−1〜A−7のブロック共重合体はシ
クロヘキサン溶媒中でn−ブチルリチウムを開始剤に用
い、ポリマー構造で示した順にモノマーのシクロヘキサ
ン溶液を添加して重合し、メタノールで重合を停止した
後、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチ
ルベンジル)−4−メチル−6−t−ブチルフェニルア
クリレートとトリスノニルフェニルホスファイトをブロ
ック共重合体100重量部に対してそれぞれ0.5重量
部を安定剤として添加し、溶剤を留去して得た。尚、ブ
ロックポリスチレンの含有量(重量%)はブロック共重
合体をオスミウム酸で分解した後、メタノールに再沈澱
して測定した。また、メルトフロー(MI)はG条件で
測定した。
【0032】
【表1】 (注) Aはポリスチレンブロック、Bはブタジエンと
スチレンの共重合体ブロック、Cはポリブタジエンブロ
ックを示す。Xはカップリング剤として使用した1,3
−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキ
サンの残基である。A−6のCは3重量%、A1/A2
は1/3(重量比)である。A−6以外のA1/A2は
1/1(重量比)である。
【0033】(b)成分のゴム変性ポリスチレン 表2に実施例、比較例で用いる(b)成分のゴム変性ポ
リスチレンを示す。B−5、6はポリブタジエンゴムを
溶解させたスチレンを塊状重合させて得られたゴム変性
ポリスチレンである。B−5、6を除く他のゴム変性ポ
リスチレンは、ポリブタジエン又はスチレン−ブタジエ
ンゴムを溶解させたスチレンを塊状重合して得たゴム変
性ポリスチレンを再度スチレンに溶解し、スチレンに対
して1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)3,3,5
−トリメチルシクロヘキサンを600ppm、t−ドデ
シルメルカプタンを600ppm添加した後、この溶液
を撹拌下で120℃で2時間加熱して分散粒子のポリス
チレングラフト量を増量させることによって得たゴム変
性ポリスチレンである。ゴム変性ポリスチレンの分散粒
子量は、ゴム変性ポリスチレンをトルエン又はMEKに
溶解し、遠心分離機で分散粒子を濾別、乾燥して求めた
重量%である。分散粒子のポリスチレンの含有量は、分
散粒子の熱分解ガスクロマトグラフィーを測定してポリ
スチレン含有量を求めた。測定条件はカラム充填剤がア
ピーゾングリースL、分解温度が600℃、インジェク
ション温度が250℃、カラム温度が140℃で測定し
た。
【0034】
【表2】
【0035】(実施例1〜7、比較例1〜7)表3に示
した配合量(重量%)の(a)成分のブロック共重合体
と(b)成分のゴム変性ポリスチレンとを押出機を用い
てペレット化した後、射出成形機を用いて厚さ3mmの
成形片を作成し物性測定を行った。結果を表3に示す。
本発明で規定する範囲内のブロック共重合体、ゴム変性
ポリスチレン及び配合量であるものは表面硬度の目安と
なる鉛筆硬度(JIS K5400に準拠)、剛性を表
す曲げ弾性率(ASTM D790に準拠)、耐衝撃性
を表すダート衝撃値(ASTM D1709に準拠)の
バランスに優れていることが分かる。又、透明性につい
てもヘーズ値(JIS K6714に準拠)が低く透明
で美しい成形品が得られた。
【0036】
【表3】
【0037】(実施例8〜10、比較例8)表4に示し
た配合量の(a)成分のブロック共重合体、(b)成分
のゴム変性ポリスチレン及びポリスチレン〔旭化成
(株)製 旭化成ポリスチレン685〕を40mmシー
ト押出機で厚さ約0.7mmのシートを作成し、引張弾
性率(JIS K−6872に準拠:単位はKgf/c
2 )、面衝撃強さ(重錘形状が1/2インチを用いた
以外はASTM D1709に準拠:単位はKgf・c
m)、ヘーズ値(JIS K6714に準拠:単位は
%)を測定した。本発明で規定する範囲内のシート成形
品は、透明で優れた剛性と耐面衝撃性を有していること
が分かる。
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】上述のように、ブロック共重合体と特定
構造の分散粒子を有するゴム変性ポリスチレンとの組成
物とすることによって、耐面衝撃性と剛性及び透明性に
優れた成形品を提供する。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも2個のビニル芳香族炭
    化水素を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の
    共役ジエンを主体とする重合体ブロックとからなり、ビ
    ニル芳香族炭化水素含有量が65〜90重量%であるブ
    ロック共重合体70〜99.5重量%と、(b)ブタジ
    エン系ゴム状重合体にスチレンをグラフト重合して得ら
    れるゴム変性ポリスチレンであって、その分散粒子の内
    部にポリスチレンを包含し、且つ分散粒子の平均粒子径
    が0.5〜10μm、その分散粒子のポリスチレンの含
    有量が75重量%〜90重量%である該ゴム変性ポリス
    チレン0.5〜30重量%とからなることを特徴とす
    る、耐衝撃性透明樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (b)の分散粒子のポリスチレンの含有
    量が80重量%を越え、90重量%以下であることを特
    徴とする、請求項1記載の耐衝撃性透明樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の耐衝撃性透明樹脂組成物
    100重量部とスチレン系重合体1〜150重量部とか
    らなることを特徴とする、耐衝撃性透明樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 スチレン系重合体が非ゴム変性スチレン
    系重合体であることを特徴とする、請求項3記載の耐衝
    撃性透明樹脂組成物。
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