JP2006176670A - 熱成形用のスチレン系樹脂シート、及びこれを使用して成形した成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】スチレン系樹脂からなる熱成形用のシートで、耐面衝撃性と剛性及び上蓋との嵌合強度の優れた成形体を得ることのできるシート及びそれを用いた成形体を提供すること。
【解決手段】アニオン重合により得られる重合体であって、スチレン系単量体(a)及び共役ジエン系単量体(b)の組成比b/(a+b)が0.5〜0.8であるスチレン系共重合樹脂(A)を5〜25重量%、実質的にスチレン系単量体の連鎖のみからなるポリスチレン樹脂(B)を55〜80重量%及びブタジエン系ゴム状重合体にスチレンをグラフト重合して得られるゴム変性ポリスチレンであって、その分散粒子の内部にポリスチレンを包含し、且つ分散粒子の平均粒子径が0.5〜10μm、その分散粒子のポリスチレンの含有量が75〜90重量%である該ゴム変性ポリスチレン樹脂(C)を5〜20重量%含有する樹脂組成物からなる熱成形用のスチレン系樹脂シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチレン系樹脂を主成分とする成形用シート、及びこれを用いて成形した成形体に関するものである。さらに言えば、本発明は特定のブロック共重合体と特定構造の分散粒子を有するゴム変性ポリスチレンとからなる、耐面衝撃性と剛性及び上蓋との嵌合強度に優れた樹脂組成物に関するものであり、その特性を生かしてシート成形分野等に利用される。尚、本発明において樹脂組成物の配合組成を表す単位「部」及び「重量%」は、特に断らない限り樹脂成分の合計を100としたときの質量基準で表す。
従来、スチレン系単量体と共役ジエン系単量体とからなるブロック共重合体樹脂は、押出成形、射出成形、中空成形、真空成形等の成形が容易に実施できることから食品成形容器、家庭用品、電気部品、工業用品等の素材として幅広い用途に使用されている。
しかしながら、これらのブロック共重合体樹脂は柔軟で強靭ではあっても剛性と耐衝撃性とのバランスの点では必ずしも満足できるものではなかった。そこで、これらの改良を目的として種々の方法が試みられている。例えば、特許文献1あるいは特許文献2には、ゴム変性ポリスチレンとスチレン−ブタジエンブロック共重合体からなる組成物が衝撃強度、伸び、折曲白化、ひんじ特性及び表面光沢に優れることが開示されている。また、特許文献3あるいは特許文献4では、剛性を改良する手段としてブロック共重合体樹脂とポリスチレンの組成物が開示されており、さらに、特許文献5あるいは特許文献6では耐衝撃性を改良する手段としてブロック共重合体樹脂とスチレン含量の少ないエラストマーとの組成物が開示されている。
特公昭52−16496号公報、要約 特公昭59−37299号公報、要約 特開昭54ー62251号公報、要約 特開昭52ー136253号公報、要約 特開昭57ー21442号公報、要約 特開昭59ー187048号公報、要約
これらの特許文献1〜特許文献6に開示された技術では、柔軟で強靭ではある「ブロック共重合体樹脂」の剛性と耐衝撃性とのバランスを改善することができたのではあるが、シートの内部歪みが少なく、成形体の金型転写性が良く、耐面衝撃性と剛性、及び包装用容器であれば、容器本体と上蓋との嵌合強度が優れたものとすることについては、必ずしも満足できるものではなかった。
そこで、本発明者等は、シートの内部歪みが少なく、成形体の金型転写性が良く、耐面衝撃性と剛性、及び包装用容器であれば、容器本体と上蓋との嵌合強度が優れたものとするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、特定の組成比のスチレン系単量体及び共役ジエン系単量体の連鎖を有するアニオン重合による重合体と、特定構造の分散粒子を有するゴム変性ポリスチレンとを主成分とする熱成形用のスチレン系樹脂シートを用いることにより課題が達成されることを見出し、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明の目的とするところは、熱成形用のスチレン系樹脂シートで、シートの内部歪みが少なく、成形体の金型転写性が良く、耐面衝撃性と剛性及び上蓋との嵌合強度の優れた成形体を得ることのできるシート及びそれを用いた成形体を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の採った手段は、
「有機リチウム開始剤を用いたアニオン重合により得られる重合体であって、スチレン系単量体(a)及び共役ジエン系単量体(b)の連鎖を有し、その組成比b/(a+b)が0.5〜0.8であるスチレン系共重合樹脂(A)を5〜25重量%、実質的にスチレン系単量体の連鎖のみからなるポリスチレン樹脂(B)を55〜80重量%、及びブタジエン系ゴム状重合体にスチレンをグラフト重合して得られるゴム変性ポリスチレンであって、その分散粒子の内部にポリスチレンを包含し、且つ分散粒子の平均粒子径が0.5〜10μm、その分散粒子のポリスチレンの含有量が75〜90重量%である該ゴム変性ポリスチレン樹脂(C)を5〜20重量%含有する樹脂組成物からなる熱成形用のスチレン系樹脂シート」
である。
すなわち、本発明に係る熱成形用のスチレン系樹脂シートは、まず、有機リチウム開始剤を用いたアニオン重合により得られる重合体であって、スチレン系単量体(a)及び共役ジエン系単量体(b)の連鎖を有し、その組成比b/(a+b)が0.5〜0.8であるスチレン系共重合樹脂(A)を5〜25重量%使用する必要がある。ここで、スチレン系単量体(a)とは、スチレンまたは、α−メチルスチレン等であり、共役ジエン系単量体(b)とは、ブタジエン又はイソプレン等である。これらの単量体から該共重合樹脂(A)を製造するには、陰イオン系重合開始剤により、単量体を段階的に重合する方法、両単量体の混合物を不活性溶媒中で共重合する方法、又は、これらを適当に併用する方法によって製造される。
また、該共重合樹脂(A)は、スチレン系単量体(a)及び共役ジエン単量体(b)の連鎖を有し、重量平均分子量は一般的には6万〜25万の範囲のものである。(a)及び(b)の連鎖の形態は特に限定されるものではなく、(a)連鎖と(b)連鎖と(a)連鎖とからなる共重合体のみならず、例えば前記の連鎖を複数回繰り返したいわゆる「マルチブロック共重合体」であっても良く、一方で、(a)及び(b)からなる連鎖を3〜5個、多官能性化合物により結合させたいわゆる「星型ブロック共重合体」であっても良い。また、その分子構造としては、それぞれの連鎖が完全連鎖もしくは、特開昭48−48456号公報に見られる如く、(a)連鎖と(b)連鎖の遷移部に、(a)連鎖と(b)連鎖とがランダムに存在するランダム共重合体を含有したいわゆるテーパードブロック構造を有するもののいずれでもよい。さらには、該共重合樹脂(A)としては、特公平1−32857号公報に記載された樹脂のように、重量平均分子鎖長と(a)連鎖と(b)連鎖の組成が異なる2つ以上の重合体の混合物であっても良い。
さて、本発明で使用されるスチレン系共重合樹脂(A)は、有機リチウム開始剤を用いたアニオン重合により得られる重合体であって、スチレン系単量体(a)及び共役ジエン系単量体(b)の連鎖を有し、その組成比b/(a+b)が0.5〜0.8であるスチレン系共重合樹脂であることが必要であった。
その理由は、このスチレン系共重合樹脂中に占める共役ジエン単量体の組成比b/(a+b)が0.5未満では、本発明のシートに用いたとき、シートの柔軟性が不十分となり成形等での型への密着性が不十分となり良好な金型転写姓が得られないばかりでなく、得られた成形体の残留応力が大きいために、いわゆる成形体の「反り」が許容範囲を超えてしまうからである。また、0.8を超えると該シートの弾性率が低下することや、該シートの耐熱温度が下がる為、該シートへの印刷、乾燥又は成形で熱が加わったときに、シートの反り・波打ち等が発生し良好な成形体が得られないからである。
そして、本発明に係る熱成形用のスチレン系樹脂シートは、これを構成している共重合樹脂(A)を5〜20重量%含有する必要がある。その理由は、該共重合樹脂(A)が5重量%未満では、該シートを用いて成形した際に、前記の成形体の衝撃強度が不十分となる場合があるからであり、一方、25重量%を越えると、製膜自体が困難となるばかりか該シートの腰が弱くなり、成形した際に良好な成形体を得ることが困難となる場合があるからである。
本発明で用いるポリスチレン樹脂(B)とは、実質的に前記のスチレン系単量体の連鎖のみからなる樹脂であって、一般に塊状重合や縣濁重合で得られるGPPS(ジェネラルパーパスポリスチレン)と呼ばれている樹脂を指す。この(B)成分は、特に限定されるものではないが、シートに加工する際に他の成分と溶融混合して押出成形するときのシート押出性の観点からメルトフローインデックス(MFI)がJIS−K7210条件8で測定した値で0.5〜15.0g/10分が好ましく、更に好ましくは2.0〜10.0g/10分の範囲である。
また、本発明に係るスチレン系樹脂シートにおける(B)成分の比率は、55〜80重量%が好ましい。その理由は、55重量%未満では、成形体の剛性が低下する場合が有るからであり、逆に、80重量%を越えると、シートの柔軟性が低下するため、成形等での型への密着性が不十分となることや成形体の「反り」が許容範囲を超える恐れがあるからである。
そして、本発明のスチレン系樹脂シートで用いるゴム変性ポリスチレン系樹脂(C)は、一般にハイインパクトポリスチレン(HIPS)と呼ばれる樹脂であって、従来公知のゴム変性ポリスチレンの製造で多用されている方法、即ち塊状重合、塊状−懸濁重合、乳化重合等で製造される。ブタジエン系ゴム状重合体からなる分散粒子の粒子径は公知の方法、例えば撹拌強度、生成したスチレン系重合体の分子量、分子量調整剤の量、溶剤の量、用いるブタジエン系ゴム状重合体の分子量、重合開始剤の種類量等を変更することにより調整される。分散粒子量(ゲル量)および膨潤指数の調整はゴム変性ポリスチレンの製法で一般的に用いられている方法の回収系の温度を制御することにより行われる。
本発明のスチレン系樹脂シートで使用するゴム変性ポリスチレンのブタジエン系ゴム状重合体の量は、特に限定するものではないが1〜15重量%の範囲であることが好ましい。また、本発明でのゴム変性ポリスチレンの分散粒子は、ポリスチレンを内部に包含している構造のものであり、その形態はサラミ構造であってもコア・シェル構造であってもよい。
このスチレン系樹脂シートにおいて使用されるゴム変性ポリスチレン(C)の分散粒子のポリスチレンの含有量は、ゴム変性ポリスチレンの製造に用いられるブタジエン系ゴム状重合体中のスチレン含量、分散粒子に包含及びグラフトされたスチレン含量によって調整されるが、それ以外にも前述した方法で得たゴム変性ポリスチレン(C)をスチレンモノマーに溶解し、かかる溶液に過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパ−オキシド等の有機過酸化物等の存在下に、この溶液を撹拌下に加熱してラジカル重合させ、分散粒子のポリスチレングラフト量を増量させる方法を用いてもよい。
本発明のゴム変性ポリスチレンの分散粒子のポリスチレンの含有量は下記の数1から求めた値を云う。
Figure 2006176670
分散粒子中のポリスチレン量は、熱分解ガスクロマトグラフィー、赤外分光分析等から求めることができる。本発明のゴム変性ポリスチレンの分散粒子のポリスチレンの含有量は、75〜90重量%、好ましくは80重量%を越え、90重量%以下である。75重量%未満では樹脂組成物成形品の剛性が劣り、90重量%を越えると耐面衝撃性が低下するため好ましくない。本発明のゴム変性ポリスチレンの分散粒子の平均粒子径は、0.5〜10μmの範囲、好ましくは1〜5μmの範囲である。0.5μm未満では樹脂組成物成形品の耐面衝撃性が低く、10μmを越えると成形品の剛性及び光沢が劣るため好ましくない。分散粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡写真(拡大倍率:10000倍)を撮影し、写真中の分散粒子約100〜200個の分散粒子を測定して求めたものである。
平均粒子径は次の数2より求めた。
[数2]
平均粒子径=ΣNiDi4 /ΣNiDi3
(式中、Niは粒子直径Diを有する分散粒子の個数を示す。)
本発明のスチレン系樹脂シートにおいて、上述した(C)成分は、その組成比は5〜20重量%の範囲であることが必要である。その理由は、5重量%未満では、成形体の衝撃強度が不十分となるからであり、逆に、20重量%を超えると該シートの光沢が著しく低下し、該シートの使用目的に合わなくなる場合があるからである。
本発明の熱成形用のスチレン系樹脂シートには、本発明の効果を阻害しない範囲で、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料などの着色剤、シリコンオイルやアルキルエステル系の離型剤、タルク、クレイ、シリカ等の粒状滑剤もしくはスルホン酸金属塩、ポリアルキレングリコール等の帯電防止剤等を添加することができる。
本発明のスチレン系樹脂シートは、一般的な熱可塑性樹脂シートの製造方法により得ることができ、その方法は特に限定されるものではないが、表面の平滑なシートを得るためにはTダイ法による溶融押出成形が望ましい。又、原料組成物の各成分の樹脂及び添加剤を混合する方法は、各成分を十分に混合できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、各原料をタンブラー等の混合機でペレットを混合した後押出機により溶融混練し、冷却固化してペレット化したものを、押出機に供給して一般的なTダイ法によりシートを得ることができる。又、一部の原料を前記のように予め溶融混練しておき、シート押出の際に他の成分と混合して押出機に供給してシートを得ることもできる。
本発明のスチレン系樹脂シートの厚さは、特に限定されるものではないが、通常0.2〜1.0mm程度である。0.2mm未満だと、成形条件によっては該シートの強度が不足し良好な成形体が得られないことが有るからであり、逆に、通常は1.0mmを越える厚さは必要としないからである。
従って、以上のように構成した請求項1の発明に係るスチレン系樹脂シートは、シートの内部歪みが少なく、成形体の金型転写性が良いものとなっており、このスチレン系樹脂シートを使用して成形すれば、耐面衝撃性と剛性及び上蓋との嵌合強度の優れた成形体を得ることができるのである。
さて、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、
「アニオン重合により得られる重合体であって、
スチレン系単量体(a)及び共役ジエン系単量体(b)の組成比b/(a+b)が0.5〜0.8であるスチレン系共重合樹脂(A)を5〜25重量%、
実質的にスチレン系単量体の連鎖のみからなるポリスチレン樹脂(B)を55〜80重量%、
及び、
ブタジエン系ゴム状重合体にスチレンをグラフト重合して得られるゴム変性ポリスチレンであって、その分散粒子の内部にポリスチレンを包含し、且つ分散粒子の平均粒子径が0.5〜10μm、その分散粒子のポリスチレンの含有量が75〜90重量%である該ゴム変性ポリスチレン樹脂(C)を5〜20重量%、
を含有する樹脂組成物からなる熱成形用のスチレン系樹脂シートを材料として熱成形したことを特徴とする成形体」
である。
すなわち、この請求項2に係る成形体は、上記請求項1に係るスチレン系樹脂シートを材料として熱成形したものであり、このスチレン系樹脂シートを請求項1と同じに規定したものである。
従って、この請求項2に係る発明によれば、内部歪みが少なく、金型転写性も良くなっているスチレン系樹脂シートを使用して成形したのであるから、完成された成形体は、耐面衝撃性と剛性の優れたものとなっているのである。また、この成形体が、上蓋が嵌合される容器本体であれば、上蓋との嵌合強度が優れたものとなっているのである。
以上詳述した通り、本発明においては、
「アニオン重合により得られる重合体であって、
スチレン系単量体(a)及び共役ジエン系単量体(b)の組成比b/(a+b)が0.5〜0.8であるスチレン系共重合樹脂(A)を5〜25重量%、
実質的にスチレン系単量体の連鎖のみからなるポリスチレン樹脂(B)を55〜80重量%、
及び、
ブタジエン系ゴム状重合体にスチレンをグラフト重合して得られるゴム変性ポリスチレンであって、その分散粒子の内部にポリスチレンを包含し、且つ分散粒子の平均粒子径が0.5〜10μm、その分散粒子のポリスチレンの含有量が75〜90重量%である該ゴム変性ポリスチレン樹脂(C)を5〜20重量%、
を含有する樹脂組成物からなる熱成形用のスチレン系樹脂シート」
に、その構成上の主たる特徴があり、これにより、スチレン系樹脂シートの内部歪みが少なく、成形体の金型転写性が良く、耐面衝撃性と剛性及び上蓋との嵌合強度の優れた成形体を得ることのできるスチレン系樹脂シートとなっているのである。
すなわち、本発明によれば、シートの内部歪みが少なく、成形体の金型転写性が良く、耐面衝撃性と剛性及び上蓋との嵌合強度の優れた成形体を得ることのできる熱成形用のスチレン系樹脂シート及びそれを用いた成形体を得ることができたのである。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
本発明において、シート用樹脂原料として以下に示した樹脂を用いた。
(A)−1 スチレン系共重合樹脂 タフプレン126(旭化成ケミカルズ(株)製) ブタジエン含有量 b/(a+b)=0.6、 MFI=14
(A)−2 スチレン系共重合樹脂 クリアレン 730L(電気化学工業(株)製) ブタジエン含有量 b/(a+b)=0.25 MFI=7.2
(B)−1 ポリスチレン樹脂 トーヨースチロール G14L(東洋スチレン(株)製) MFI=9.3
表1に実施例、比較例で用いるゴム変性ポリスチレン(C)を示す。(C)−1はポリブタジエンゴムを溶解させたスチレンを塊状重合させて得られたゴム変性ポリスチレンである。(C)−2は、ポリブタジエン又はスチレン−ブタジエンゴムを溶解させたスチレンを塊状重合して得たゴム変性ポリスチレンを再度スチレンに溶解し、スチレンに対して1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを600ppm、t−ドデシルメルカプタンを600ppm添加した後、この溶液を撹拌下で120℃で2時間加熱して分散粒子のポリスチレングラフト量を増量させることによって得たゴム変性ポリスチレンである。
Figure 2006176670
ゴム変性ポリスチレンの分散粒子量は、ゴム変性ポリスチレンをトルエン又はMEKに溶解し、遠心分離機で分散粒子を濾別、乾燥して求めた重量%である。分散粒子のポリスチレンの含有量は、分散粒子の熱分解ガスクロマトグラフィーを測定してポリスチレン含有量を求めた。測定条件はカラム充填剤がアピーゾングリースL、分解温度が600℃、インジェクション温度が250℃、カラム温度が140℃で測定した。
前記の原料を表2に示した組成比でブレンドし、65mm単軸押出機に供給し、170〜210℃に設定したシリンダー内で溶融混練した後、ダイ幅700mm、ダイリップ間隔0.8mmのTダイによってシート状に押出し、厚み0.4mmのシートを得た。
Figure 2006176670
(シートの引張弾性率、引張伸びの測定)
前記の方法で製膜したシートのMD方向の引張弾性率及び引張伸びをJISK7127に準拠して測定した。実施例及び比較例の測定結果をそれぞれ表3に示した。
(シートのデュポン衝撃強度の測定)
前記の方法で製膜したシートのデュポン衝撃強度をJIS K7124に準拠して測定した。実施例及び比較例の測定結果をそれぞれ表3に示した。
(シートの加熱収縮率測定)
前記の方法で製膜したシートのMD方向の加熱収縮率を以下の要領で測定した。
使用機器 : ヤマト Fine Oven DH62
加熱条件 : 120℃×20min
試験片 : 120mm×120mm
標線間距離 : 100mm
収縮率計算方法=[(元の長さ−加熱後の長さ)/(元の長さ)]×100(重量%)
実施例及び比較例の測定結果を表3に示した。
Figure 2006176670
(成形品の嵌合強度の測定)
前記の方法で製膜したシートを熱成形して、すし皿ケースの本体を得た。(成形品寸法(mm) W=104 L=221 D=21)。
別途熱成形して得られたOPS製すし皿ケース用上蓋を被せ、その押し込み強度をバネ秤を用いて測定した。実施例及び比較例の測定結果を表4に示した。
Figure 2006176670

Claims (2)

  1. アニオン重合により得られる重合体であって、
    スチレン系単量体(a)及び共役ジエン系単量体(b)の組成比b/(a+b)が0.5〜0.8であるスチレン系共重合樹脂(A)を5〜25重量%、
    実質的にスチレン系単量体の連鎖のみからなるポリスチレン樹脂(B)を55〜80重量%、
    及び、
    ブタジエン系ゴム状重合体にスチレンをグラフト重合して得られるゴム変性ポリスチレンであって、その分散粒子の内部にポリスチレンを包含し、且つ分散粒子の平均粒子径が0.5〜10μm、その分散粒子のポリスチレンの含有量が75〜90重量%である該ゴム変性ポリスチレン樹脂(C)を5〜20重量%、
    を含有する樹脂組成物からなる熱成形用のスチレン系樹脂シート。
  2. アニオン重合により得られる重合体であって、
    スチレン系単量体(a)及び共役ジエン系単量体(b)の組成比b/(a+b)が0.5〜0.8であるスチレン系共重合樹脂(A)を5〜25重量%、
    実質的にスチレン系単量体の連鎖のみからなるポリスチレン樹脂(B)を55〜80重量%、
    及び、
    ブタジエン系ゴム状重合体にスチレンをグラフト重合して得られるゴム変性ポリスチレンであって、その分散粒子の内部にポリスチレンを包含し、且つ分散粒子の平均粒子径が0.5〜10μm、その分散粒子のポリスチレンの含有量が75〜90重量%である該ゴム変性ポリスチレン樹脂(C)を5〜20重量%、
    を含有する樹脂組成物からなる熱成形用のスチレン系樹脂シートを材料として熱成形したことを特徴とする成形体。
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