JP2006316103A - 射出成形用熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂の射出成形方法、及び射出成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 射出成形により、艶消し性がよく、低光沢性に優れる成形品を、低コストで与える熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂の射出成形方法、及び射出成形品を提供する。
【解決手段】 少なくとも(A)熱可塑性樹脂55〜83重量%、(B)オレフィン系ゴム7〜20重量%、および(C)無機充填剤10〜25重量%を含む射出成形用熱可塑性樹脂組成物であって、該(B)オレフィン系ゴム成分の重量平均分子量(Mw)が1.4×10〜1.9×10であることを特徴とする射出成形用熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 図1

Description

本発明は、新規な熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂の射出成形方法、及び射出成形品に関する。さらに詳しくは、射出成形により、艶消し性がよく、低光沢性に優れる成形品を与える熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂の射出成形方法、及び射出成形品に関する。
従来、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ABS樹脂に代表されるゴム強化スチレン系樹脂は、その優れた耐衝撃性、耐熱変形性、成形加工性、および良好な表面光沢を有する為、自動車用、家電機器用樹脂材料として各種の用途に使用されている。その一方で、近年、自動車内装部品や家電部品等の分野では、高級感を求める志向のもとに、製品表面の光沢(光線反射率)を抑えた艶消し性を付与した樹脂材料に対するニーズが高まっている。
光沢を抑えた艶消し部品を得る方法として、従来、金型面にシボ加工を施したり、艶消し塗装による方法、タルクなどの微粒子無機フィラーやゴム成分を配合する方法等が用いられてきた。しかしながら、これらの方法では高度の艶消し性が発現しなかったり、塗装においては製造工程数が増加するなどしてコスト上好ましくは無かった。すなわち、金型面の改良では、金型の補修、管理が難しく、また成形条件により艶の状態が依存し、一定の艶をもつ成形品を得ることが困難であった。また、ポリオレフィン樹脂やゴム強化スチレン系樹脂は、例え金型面にシボ加工を施しても、金型面の転写性に乏しいため、光沢を抑えた成形品表面を得ることは困難であった。さらに無機微粒子フィラーの配合では耐衝撃性の低下が顕著であり、ゴム状物質をブレンドする方法は一般的に艶消し効果が十分ではなく、かつフローマークやウエルドラインが生じやすく、外観の優れた成形品を得ることが難しかった。
本発明は、射出成形により、艶消し性がよく、低光沢性に優れる成形品を、低コストで与える熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂の射出成形方法、及び射出成形品を提供することにある。
本発明者らは、特定組成の熱可塑性樹脂組成物を射出成形すると、また特定条件の射出成形によって、上記目的を達成することを見出し、本発明に到達した。
即ち、第1に、本発明は射出成形用熱可塑性樹脂組成物の発明であり、少なくとも(A)熱可塑性樹脂55〜83重量%、(B)オレフィン系ゴム7〜20重量%、および(C)無機充填剤10〜25重量%を含む射出成形用熱可塑性樹脂組成物であって、該(B)オレフィン系ゴム成分の重量平均分子量(Mw)が1.4×10〜1.9×10であることを特徴とする。
本発明の射出成形用熱可塑性樹脂組成物により、艶消し性がよく、低光沢性に優れる成形品を、低コストで得ることができる。添加ゴムの分子量を高くすることで、成形品表面に、添加ゴムに起因する微細な凹凸が発生する。樹脂に比べて成形収縮率が小さいゴム粒子が樹脂中に発生することで、成形品の成形時の収縮が不均一となり、その結果、成形品の表面に微細な凹凸が発生するものと考えられる。本発明では、射出成形品表面の60°グロス値を1.5以下とすることが可能である。
本発明では、重量平均分子量(Mw)が1.4×10〜1.9×10のオレフィン系ゴムを特定量用いることにより、射出成形時にせん断力が負荷されてもゴム粒子が扁平せずに球形を保持したまま成形品の表面にミクロオーダーの微細な凹凸を生成することが、表面の艶消し性がよく、低光沢性に優れる原因であると考えられる。重量平均分子量(Mw)が1.4×10未満であると、低粘度のために射出成形時のせん断力によって扁平して固化するため本発明のような艶消し性、低光沢性の効果が奏されない。
本発明の射出成形品が十分な艶消し性と低光沢性を発揮するためには、シボ加工用の凹凸が内表面に形成されている金型を用い、得られる射出成形品表面の金型表面のシボ転写率が65%以上であることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の主成分である(A)熱可塑性樹脂樹脂としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂樹脂を広く用いることができる。この中で、艶消し性と低光沢性が要求されており、自動車内装材や家電製品筐体に用いられているポリオレフィン樹脂またはアクリロニトリル−スチレン系共重合体樹脂が好ましく例示される。具体的には、ポリプロピレンまたはポリプロピレン共重合体、ABS樹脂、AS樹脂などが好ましく例示される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に添加される(B)オレフィン系ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−オクテン共重合体ゴム、及びエチレン−プロピレン−共役ジエン共重合体ゴムから選択される1種以上が好ましく例示される。これらの重量平均分子量(Mw)が1.4×10〜1.9×10であることは上述の通りである。
第2に、本発明は熱可塑性樹脂の射出成形方法の発明であり、少なくとも(A)熱可塑性樹脂55〜83重量%、(B)オレフィン系ゴム7〜20重量%、および(C)無機充填剤10〜25重量%を含む射出成形用熱可塑性樹脂組成物を溶融し、シボ加工用の凹凸が内表面に形成されている金型中へ射出する射出成形方法であって、成形時の金型温度が60〜100℃であり、該(B)オレフィン系ゴム成分の重量平均分子量(Mw)が1.4×10〜1.9×10であることを特徴とする。金型温度は60°以上が好ましく、70℃以上が更に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂の射出成形方法により、射出成形品表面の60°グロス値が1.5以下である艶消し性、低光沢性に優れた成形品を得ることができる。また、射出成形品表面の金型表面のシボ転写率65%以上を達成することが可能である。更に、金型温度を60°以上と高く設定することで、射出から保圧時の溶融温度を高く維持することができ、転写率が向上するものと考えられる。
用いられる(A)熱可塑性樹脂樹脂、(B)オレフィン系ゴムについては、上述と同様である。
第3に、本発明は上記の熱可塑性樹脂の射出成形方法によって得られる成形品である。特に、上記の熱可塑性樹脂の射出成形方法によって得られる自動車用内装成形品及び家電製品部品・筐体である。
本発明により、艶消し外観を有し、かつシボ金型面の転写性に優れ表面光沢度が極めて低い優れた射出成形品が得られる。各種用途、例えば自動車内装部品、家電部品・筐体などに適する。
また、本発明により、塗装等による低光沢化のようにコストアップを生じることなく、射出成形により、高品質と低コストの両立を達成した。
本発明では、
1)成形時に、金型表面の凹凸(シボ)を忠実に転写させる。即ち、金型表面の10〜100μm程度の凹凸を忠実に転写することにより、転写性が低い場合と比べて、低光沢を発揮させる。
2)射出成形材料に特定のゴム成分と無機充填剤を加えることで、金型表面にはない、数μmの凹凸を付与し、更に低グロス化を達成する。
という、方策を講じている。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の主成分である(A)熱可塑性樹脂樹脂としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂樹脂を広く用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらの共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、フッ素樹脂、ポリアレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂、及びこれらを2種以上ブレンドした材料を用いることが可能である。
これらの中で、艶消し性と低光沢性が要求されており、自動車内装材や家電製品筐体に用いられているポリオレフィン樹脂またはアクリロニトリル−スチレン系共重合体樹脂が好ましく例示される。具体的には、ポリプロピレンまたはポリプロピレン系共重合体、ABS樹脂、AS樹脂などが好ましく例示される。
プロピレン系共重合体とは、プロピレンを主体とする単量体成分を重合して得られる重合体であり、プロピレンの含有量は、好ましくは、90〜100重量%であり、さらに好ましくは95〜100重量%である。
プロピレン系共重合体のプロピレンを主体とする単量体成分を重合して得られる重合体には、必要に応じて、エチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンを共重合させることができ、エチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンの含有量は、好ましくは0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。炭素数4〜12のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられ、好ましくは1−ブテンである。
本発明に用いられるポリプロピレン系共重合体におけるプロピレン−エチレン共重合体におけるエチレンの含有量は、20〜50重量%であり、好ましくは30〜50重量%である。20重量%未満の場合、艶消し効果が不充分である(ヘイズが低い)ことがあり、50重量%を超えた場合、耐衝撃性が悪化することがある。
本発明に用いるグラフト共重合体(ABS樹脂)は、次のようなものをいう。ジェン系ゴム10〜70重量部の存在下に芳香族ビニル化合物、55〜85重量%、シアン化ビニル化合物、15〜45重量%及びこれらと共重合可能な他のビニル系化合物、0〜30重量%から成る単量体混合物30〜90重量部を共重合したグラフト共重合体を意味する。
ここでいうジエン系ゴムとは、ポリブタジエン(PBD)、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)等が挙げられる。上記のABSにおける芳香族ビニル化合物としては、スチレン(ST)、α−メチルスチレン、ρ−メチルスチレン等が例示され、これらの併用も可能である。又、シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル(AN)、メタクリロニトリルなどが例示されるが、ANがより好ましい。芳香族ビニル化合物、及び、シアン化ビニル化合物と共重合可能なビニル系化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート等が例示される。
本発明の艶消し性、物性等に優れた樹脂組成物を得るためには、ABS中の各成分の構成割合が上記の範囲にあることが好ましい。ABS中のジエン系ゴムの量が50重量部を越えると最終組成物の成形性が悪くなる。又、ABS成分中のゴムの量が10重量部未満では最終組成物の機械的物性、特に耐衝撃性が低くなる。又、ABS中でのマトリクス樹脂を形成する単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の量が85重量%を越えるとABSの物性が低下し、一方シアン化ビニル化合物の量が45重量%を超えると樹脂組成物が不均一になり樹脂が着色しやすい。芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物と共重合し得る他のビニル単量体は30重量%以下にすることが必要である。30重量%を超えるとABSの物性、特に耐衝撃性や流動性が低下する。
ABSの製造方法としては公知の乳化重合法、塊状縣濁重合法あるいは溶液重合法が挙げられるが、特にゴムラテックスを用いる乳化重合法ABSが後のブレンド作業性が良いと言うことからより好ましい。
本発明に用いる共重合体(AS樹脂)とは次のようなものをいう。すなわち、芳香族ビニル化合物、55〜85重量%、シアン化ビニル化合物15〜45重量%及びこれらと共重合可能な他のビニル系化合物、0〜30重量%からなる単量体混合物を共重合したものである。
上記のAS樹脂における芳香族ビニル化合物としては、スチレン(ST)、α−メチルスチレン(AMS)、β−メチルスチレン等が例示され、これらの併用も可能である。又、シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル(AN)、メタクリロニトリルなどが例示されるが、ANがより好ましい。芳香族ビニル化合物、及び、シアン化ビニル化合物と共重合可能なビニル系化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート等が例示される。
AS樹脂中の芳香族ビニル化合物が55重量%未満であるとASが脆くなり、又、85重量%を超えると樹脂の熱安定性が悪くなる。一方、シアン化ビニル化合物の量が15重量%未満であると、ASの耐薬品性が低く、又、45重量%を越えると成形性が悪くなる。又、第5成分単量体の量は、多くとも30重量%以下にすべきで、それ以上共重合させると流動性などが悪くなる。
又、ASの製造方法としては、乳化重合法、縣濁重合法、塊状重合法などがあるが、どの重合法で作られたものでも問題はない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に添加される(B)オレフィン系ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−オクテン共重合体ゴム、及びエチレン−プロピレン−共役ジエン共重合体ゴムから選択される1種以上が好ましく例示される。これらの重量平均分子量(Mw)が1.4×10〜1.9×10であることは上述の通りである。
全組成物中のゴム含有率は0〜25重量%の範囲にあることが望ましく、好ましくは7.5〜20重量%である。7.5重量%未満では耐衝撃性、ウェルド強度が低い。7.5重量%以上では低光沢化が十分である。しかし、25重量%を越えると成形加工性が悪くなる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に添加される(C)無機充填剤としては、特に限定されず、各種樹脂の添加材として公知のものを用いることができる。具体的には、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、石膏、ガラス繊維、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、さらには亜鉛、銅、鉄、アルミニウム等の金属粉末或は繊維等を単独で或は混合して用いることができる。特に、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、亜鉛末、タルクと炭酸カルシウムとの混合物などが好ましい。
(C)無機充填剤の平均粒径は限定されないが、小さいほうが本発明の目的に即する。タルクの場合、平均粒径1.5〜10μmが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塩素捕捉剤、離型剤、帯電防止剤、難撚剤、滑剤、着色剤、合成油、ワックス等の種々の添加剤を添加することができる。
本発明の樹脂組成物は、上記成分を配合、混練する公知の方法によって得られる。混練りは、バンバリーミキサー、押出機又はこれらの組み合わせにより、所定の温度で、樹脂が可塑化するまで行えば良い。
このようにして得られた樹脂組成物は、直接射出成形しても良く、一旦ペレット化し、所望の形態に射出成形しても良い。
以下、本発明の実施例を示して具体的に説明する。しかしながら本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお例中の部及び%は全て重量基準である。
[実施例1]
(A)プロピレン−エチレン共重合体75重量%、(B)重量平均分子量(Mw)が1.8×10のオレフィン系ゴム10重量%、および(C)無機充填剤15重量%を含む射出成形用熱可塑性樹脂組成物を、シボ加工用の凹凸(内装用皮シボ)が内表面に形成されている金型を用いて、金型温度30〜80℃で射出成形した。
図1に、得られた製品表面の60°グロス値と転写率指標(%)を示す。図1の結果より、金型温度が60以上で60°グロス値と転写率指標(%)が特に優れていることが分る。なお、通常のポリプロピレン樹脂の射出成形の金型温度は30〜40℃程度である。
金型温度を高く設定することで、射出から保圧時の溶融温度を高く維持することができ、転写率が向上したものと考えられる。そして、転写率向上を反映して製品表面の60°グロス値が低下している。
[実施例2]
実施例1において、オレフィン系ゴムの重量平均分子量(Mw)を0.8×10〜1.9×10として、添加ゴムの分子量の最適化を計った。なお、金型温度は30℃であった。図2に、結果を示す。図2の結果より、十分な低光沢化のためには、オレフィン系ゴムの重量平均分子量(Mw)を1.4×10以上とすることが有効であることが分る。
添加ゴムの分子量を高くすることで、成形品表面に、添加ゴムに起因する微細な凹凸が発生する。樹脂に比べて生計収縮率が小さいゴム粒子が樹脂中に発生することで、成形品の成形時の収縮が不均一となり、その結果、成形品の表面に微細な凹凸が発生するものと考えられる。
[実施例3]
実施例1において、オレフィン系ゴムの添加量を0〜15重量%として、添加ゴムの添加量の最適化を計った。なお、金型温度は30℃であった。図3に、結果を示す。図3の結果より、十分な低光沢化のためには、オレフィン系ゴムの添加量を7.5重量%以上とすることが有効であることが分る。
[まとめ]
重量平均分子量(Mw)が1.8×10のオレフィン系ゴムを用い、ゴム添加量と金型温度を変えて製品表面の60°グロス値を調べた。結果を下記表1に示す。
Figure 2006316103
表1の結果より、
1)金型表面温度:60℃以上、
2)高分子量ゴム重量平均分子量(Mw):1.4×10以上
3)高分子量ゴム添加量:7.5重量%以上
の時、製品表面の60°グロス値1.7以下を達成できることが分る。
また、
1)金型表面温度:70℃以上、
2)高分子量ゴム重量平均分子量(Mw):1.4×10以上
3)高分子量ゴム添加量:7.5重量%以上
の時、製品表面の60°グロス値1.5以下を達成できることが分る。
本発明により、表面光沢度が極めて低い射出成形品が低コストで得られる。自動車内装部品、家電部品・筐体などに適する。
金型温度と、製品表面の60°グロス値及び転写率指標(%)の関係を示すグラフ。 添加ゴムの分子量の最適化を示すグラフ。 添加ゴムの添加量の最適化を示すグラフ。

Claims (15)

  1. 少なくとも(A)熱可塑性樹脂55〜83重量%、(B)オレフィン系ゴム7〜20重量%、および(C)無機充填剤10〜25重量%を含む射出成形用熱可塑性樹脂組成物であって、該(B)オレフィン系ゴム成分の重量平均分子量(Mw)が1.4×10〜1.9×10であることを特徴とする射出成形用熱可塑性樹脂組成物。
  2. 射出成形品表面の60°グロス値が1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用熱可塑性樹脂組成物。
  3. 射出成形品表面の金型表面のシボ転写率が65%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形用熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記(A)熱可塑性樹脂樹脂が、ポリオレフィン樹脂またはアクリロニトリル−スチレン系共重合体樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の射出成形用熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記(A)ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレンまたはポリプロピレン共重合体であることを特徴とする請求項4に記載の射出成形用熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記(B)オレフィン系ゴムが、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−オクテン共重合体ゴム、及びエチレン−プロピレン−共役ジエン共重合体ゴムから選択される1種以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の射出成形用熱可塑性樹脂組成物。
  7. 少なくとも(A)熱可塑性樹脂55〜83重量%、(B)オレフィン系ゴム7〜20重量%、および(C)無機充填剤10〜25重量%を含む射出成形用熱可塑性樹脂組成物を溶融し、シボ加工用の凹凸が内表面に形成されている金型中へ射出する射出成形方法であって、成形時の金型温度が60〜100℃であり、該(B)オレフィン系ゴム成分の重量平均分子量(Mw)が1.4×10〜1.9×10であることを特徴とする熱可塑性樹脂の射出成形方法。
  8. 射出成形品表面の60°グロス値が1.5以下であることを特徴とする請求項7に記載の熱可塑性樹脂の射出成形方法。
  9. 射出成形品表面の金型表面のシボ転写率が65%以上であることを特徴とする請求項7または8に記載の熱可塑性樹脂の射出成形方法。
  10. 前記(A)熱可塑性樹脂樹脂が、ポリオレフィン樹脂またはアクリロニトリル−スチレン系共重合体樹脂であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の射出成形方法。
  11. 前記(A)ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレンまたはポリプロピレン共重合体であることを特徴とする請求項10に記載の熱可塑性樹脂の射出成形方法。
  12. 前記(B)オレフィン系ゴムが、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−オクテン共重合体ゴム、及びエチレン−プロピレン−共役ジエン共重合体ゴムから選択される1種以上であることを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の射出成形方法。
  13. 請求項7乃至12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の射出成形方法によって得られる成形品。
  14. 請求項7乃至12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の射出成形方法によって得られる自動車用内装成形品。
  15. 請求項7乃至12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の射出成形方法によって得られる家電製品部品・筐体。
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