JPH1081806A - 樹脂シート - Google Patents
樹脂シートInfo
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- JPH1081806A JPH1081806A JP23422996A JP23422996A JPH1081806A JP H1081806 A JPH1081806 A JP H1081806A JP 23422996 A JP23422996 A JP 23422996A JP 23422996 A JP23422996 A JP 23422996A JP H1081806 A JPH1081806 A JP H1081806A
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Abstract
途に利用でき、透明で青白さが少なく、剛性と耐衝撃性
に優れた樹脂シートを提供する。 【解決手段】 (a)少なくとも2個のビニル芳香族炭
化水素を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の
共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなり、ビニ
ル芳香族炭化水素含有量が70〜85重量%、ビニル芳
香族炭化水素重合体ブロックのブロック率が50〜85
重量%あるブロック共重合体95〜99.4重量部、
(b)ブタジエン系ゴム状重合体にスチレンをグラフト
重合して得られるゴム変性ポリスチレンの分散粒子で、
該ゴム変性ポリスチレンの分散粒子はその内部にポリス
チレンを包含し、平均粒子径が1〜10μm、分散粒子
中のポリスチレンの含有量が75重量%〜90重量%で
ある該ゴム変性ポリスチレンの分散粒子0.6〜5重量
部からなる組成物を成形してなる樹脂シートとする。
Description
く、剛性と耐衝撃性に優れた樹脂シートに関する。
ンからなるブロック共重合体樹脂は押出成形、射出成
形、中空成形、真空成形等の成形が容易に実施できるこ
とから食品成形容器、家庭用品、電気部品、工業用品等
の素材として幅広い用途に使用されている。しかしなが
ら、これらのブロック共重合体樹脂は透明ではあっても
剛性と耐衝撃性のバランスの点では必ずしも満足できる
ものではなかった。そこで、これらの改良を目的として
種々の方法が試みられている。特公昭52−16496
号公報、特公昭59−37299号公報ではゴム変性ポ
リスチレンとスチレン−ブタジエンブロック共重合体か
らなる組成物が衝撃強度、伸び、折曲白化、ひんじ特性
及び表面光沢に優れることを報告している。特開昭54
ー62251号公報、特開昭52ー136253号公報
では剛性を改良する手段としてブロック共重合体樹脂と
ポリスチレンの組成物が報告されており、特開昭57ー
21442号公報、特開昭59ー187048号公報で
は耐衝撃性を改良する手段としてブロック共重合体樹脂
とスチレン含量の少ないエラストマーの組成物が報告さ
れている。また、本出願人は、特願平7−17419号
でこれらを改良した耐衝撃性透明樹脂組成物を提案した
が、シートとしてはなお十分なものではなかった。
組成物では、成形品の青白さ、透明性と耐衝撃性及び剛
性のバランスが十分ではなく、これらの特性を改良した
樹脂シートを得ることが望まれており、これが本発明の
課題である。
少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重
合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエンを主体とす
る重合体ブロックからなり、ビニル芳香族炭化水素含有
量が70〜85重量%、ビニル芳香族炭化水素重合体ブ
ロックのブロック率が50〜85重量%あるブロック共
重合体95〜99.4重量部、(b)ブタジエン系ゴム
状重合体にスチレンをグラフト重合して得られるゴム変
性ポリスチレンの分散粒子で、該ゴム変性ポリスチレン
の分散粒子はその内部にポリスチレンを包含し、平均粒
子径が1〜10μm、分散粒子中のポリスチレンの含有
量が75重量%〜90重量%である該ゴム変性ポリスチ
レンの分散粒子0.6〜5重量部からなる、(a)と
(b)を主体とする組成物を成形してなる樹脂シートを
提案し、上記課題を解決したものである。以下、本発明
を詳細に説明する。
くとも2個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体
ブロックと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重
合体ブロックとを有するブロック共重合体である。ここ
でビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと
はビニル芳香族炭化水素含有量が50重量%以上含有す
るビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロ
ック及び/又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロッ
クを示す。ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブ
ロックは少なくとも2個、好ましくは2〜8個で各々の
ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックの重
量及び数平均分子量は同一でも異なっていても良く、そ
の重量比(最大重量ブロック/最小重量ブロック)及び
数平均分子量の比(最大分子量ブロック/最小分子量ブ
ロック)は1〜10の範囲が好ましい。共役ジエンを主
体とする重合体ブロックとは共役ジエンを50重量%を
超える量で含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素
共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロ
ックを示す。共役ジエンを主体とする重合体ブロックは
共役ジエンの含有量の異なるブロックを少なくとも1
個、好ましくは1〜4個で、2個以上の重合体ブロック
中の共役ジエンの含有量の比(最大含有量ブロック/最
小含有量ブロック)は1.1〜10の範囲が好ましい。
又、ブロック共重合体の共役ジエンとビニル芳香族炭化
水素からなる重合体ブロックが複数個ある場合は共役ジ
エンとビニル芳香族炭化水素の組成比に関わらず、重合
体ブロック中の共役ジエンの含有量の比(最大含有量ブ
ロック/最小含有量ブロック)は1.1〜20の範囲が
好ましい。
ブロック或は共役ジエンを主体とする重合体ブロック中
にビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのランダム共重合
体部分が存在する場合、共重合されているビニル芳香族
炭化水素は重合体ブロック中に均一に分布していても、
テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、該共
重合体部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分布してい
る部分及び/又はテーパー状に分布している部分が複数
個共存してもよい。
には従来公知の手法で製造でき、例えば特公昭36−1
9286号公報、特公昭43−17979号公報、特公
昭48−2423号公報、特公昭49−36957号公
報、特公昭57−49567号公報、特公昭58−11
446号公報などに記載された手法があげられるが、各
構成ポリマーは後述する要件を満足するように製造条件
を設定しなければならない。上記の公知の手法はすべ
て、炭化水素溶剤中で有機リチウム化合物等のアニオン
開始剤を用い、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素をブ
ロック共重合する手法である。
ー構造は、一般式、 A−(B−A)n ,A−(B−A)n −B B−(A−B)n+1 , (上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とす
る重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする
重合体ブロックである。AブロックとBブロックとの境
界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。nは1以上
の整数、一般的には1〜5である。)で表される線状ブ
ロック共重合体、あるいは一般式、 [(A−B)k]m+2−X , [(A−B)k−A]m+2−X [(B−A)k]m+2−X , [(B−A)k−B]m+2−X (上式において、A、Bは前記と同じであり、k及びm
は1以上の整数、一般的には1〜5である。Xは例えば
四塩化ケイ素、四塩化スズ、1,3ビス(N,N−グリ
シジルアミノメチル)シクロヘキサンなどのカップリン
グ剤の残基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤
の残基を示す。)で表されるラジアルブロック共重合
体、あるいはこれらのブロック共重合体の任意のポリマ
ー構造の混合物が使用できる。
芳香族炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、
ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフ
ェニルエチレンなどがあるが、特に一般的なものはスチ
レンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混
合使用してもよい。共役ジエンとしては、1対の共役二
重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブ
タジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、
特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、イソプ
レンなどが挙げられる。これらは1種のみならず2種以
上混合使用してもよい。
ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪
族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロ
ヘキサン等の脂環式炭化水素、或はベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が
使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使用
してもよい。
のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有
機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物である。
これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピ
ルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウ
ム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。これらは
1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
度の調整、重合した共役ジエン部のミクロ構造(シス、
トランス、ビニルの比率)の変更、共役ジエンとビニル
芳香族炭化水素の反応比の調整などの目的で極性化合物
やランダム化剤を使用することができる。極性化合物や
ランダム化剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、
テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類、チオエー
テル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキ
シド等が挙げられる。
る際の重合温度は一般的に−10℃〜150℃、好まし
くは40℃〜120℃である。重合に要する時間は条件
によって異なるが、通常は10時間以内であり、特に好
適には0.5〜5時間である。また、重合系の雰囲気は
窒素ガスなどの不活性ガスなどをもって置換するのが望
ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び
溶媒を液層に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよ
く、特に制限されるものではない。更に重合系内には触
媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純
物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意
する必要がある。
芳香族炭化水素含有量の範囲は70〜85重量%であ
り、好ましくは75〜83重量%の範囲である。ブロッ
ク共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が70重量%
未満では、シートの剛性と透明性が劣り、逆に85重量
%を超えると耐面衝撃性が低下するため好ましくない。
本発明で用いるブロック共重合体のビニル芳香族炭化水
素重合体ブロックのブロック率は50〜85重量%であ
る。ブロック率が50重量%未満の場合はシートの剛性
が劣り、85重量%を超えるとシートの耐衝撃性が低下
するため好ましくない。ビニル芳香族炭化水素ブロック
のブロック率は、ブロック共重合体の製造時において少
なくとも一部のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンが共
重合する工程におけるビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンの重量、重量比、重合反応性比等を変えることにより
コントロールすることができる。具体的な方法として
は、(イ)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの混合
物を連続的に重合系に供給して重合する。及び/又は
(ロ)極性化合物或はランダム化剤を使用してビニル芳
香族炭化水素と共役ジエンを共重合する等の方法が採用
できる。
ラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテ
ル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホス
ホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウ
ムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。尚、本
発明においてブロック共重合体中に組み込まれているビ
ニル芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率とは、
四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャリーブチル
ハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化
分解する方法(I.M.KOLTHOFF,eta
l.,J.Polym.Sci.1,429(194
6)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭化水素重
合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以下のビニ
ル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を定量
し、下記の式から求めた値を云う。 ブロック率(重量%)=A/B×100 Aはブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体
ブロックの重量%、Bはブロック共重合体中の全ビニル
芳香族炭化水素の重量%である。
は、重合に使用する触媒量により任意に調整できるが成
形加工性の点から、メルトフローインデックス(JIS
K−6870により測定。条件はG条件で温度200
℃、加重5Kg)が0.1〜100g/10min、好
ましくは1〜50g/10minである。本発明で用い
るブロック共重合体は所望により不活性溶剤中で水素添
加触媒の存在化に水素添加して水添物として使用するこ
ともできる。具体的な方法としては特公昭42−870
4号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方
法、特に好ましくは特公昭63−4841号公報及び特
公昭63−5401号公報に記載された方法である。
5〜99.4重量部、好ましくは97〜99.0重量部
である。ブロック共重合体が95重量部未満ではシート
の透明性が低下し、99.4重量部を超える量ではシー
トの耐面衝撃性が低下するため好ましくない。本発明で
用いるゴム変性ポリスチレンの分散粒子は、下記のゴム
変性ポリスチレンの分散粒子であり、分散粒子はゴム変
性ポリスチレンとして、又は製造したゴム変性ポリスチ
レンから分散粒子を分離或いは濃縮した形態で配合して
も良い。
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、P−メチル
スチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン等の単
独、又は混合物とブタジエン系ゴム状重合体を重合した
もので、該ゴム変性ポリスチレンのブタジエン系ゴム状
重合体は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体が用いら
れる。又、ブタジエン系重合体の分子量や分岐度は限定
されるものではない。
エン系ゴム状重合体の量は特に限定するものではないが
1〜15重量%であることが好ましい。このようなゴム
変性ポリスチレンは従来公知のゴム変性ポリスチレン
(HIPS樹脂)の製造で多用されている方法、即ち塊
状重合、塊状−懸濁重合、乳化重合等で製造される。ブ
タジエン系ゴム状重合体からなる分散粒子の粒子径は公
知の方法、例えば撹拌強度、生成したスチレン系重合体
の分子量、分子量調整剤の量、溶剤の量、用いるブタジ
エン系ゴム状重合体の分子量、重合開始剤の種類量等を
変更することにより調整される。分散粒子量(ゲル
量)、膨潤指数の調整はゴム変性ポリスチレンの製法で
一般的に用いられている方法の回収系の温度を制御する
ことにより行われる。
散粒子は、ポリスチレンを内部に包含している構造のも
のであり、その形態はサラミ構造であってもコア・シェ
ル構造であってもよい。本発明で用いるゴム変性ポリス
チレンの分散粒子量は、本発明で規定した(a)成分の
ブロック共重合体との和を100重量部として0.6〜
5重量部である。ゴム変性ポリスチレンの分散粒子量が
0.6重量部未満では成形品の耐面衝撃性が低下し、逆
に5重量部を超えると成形品の透明性及び青白さが劣る
ため好ましくない。本発明で用いるゴム変性ポリスチレ
ンの分散粒子量は樹脂組成物をトルエン又はMEKに溶
解し、遠心分離機で分散粒子を濾別、乾燥して求めた重
量部である。
散粒子のポリスチレンの含有量は、ゴム変性ポリスチレ
ンの製造に用いられるブタジエン系ゴム状重合体のスチ
レン量、分散粒子に包含及びグラフトされたスチレン量
によって調整されるが、それ以外にも前述した方法で得
たゴム変性ポリスチレンをスチレンモノマーに溶解し、
かかる溶液に過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキサ
イド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス
(t−ブチルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、ジクミルパ−オキシド等の有機過酸化物等
の存在下に、この溶液を撹拌下に加熱してラジカル重合
させ、分散粒子のポリスチレングラフト量を増量させる
方法を用いてもよい。
散粒子のポリスチレンの含有量(重量%)は下記の式か
ら求めた値を云う。 ポリスチレンの含有量(重量%)=C/D×100 Cは分散粒子(乾燥ゲル)中のポリスチレン量、Dは分
散粒子量(乾燥ゲル)である。
クロマトグラフィー、赤外分光分析、本発明に記載のブ
ロック率の測定等から求めることができる。本発明で用
いるゴム変性ポリスチレンの分散粒子のポリスチレンの
含有量は75重量%〜90重量%、好ましくは80重量
%を超え、90重量%である。75重量%未満ではシー
トの透明性が劣り、90重量%を超えると耐面衝撃性が
低下するため好ましくない。
散粒子の平均粒子径は、1〜10μm、好ましくは1.
5〜5μmである。1μm未満ではシートの耐面衝撃性
が低く、10μmを越えるとシートの透明性が劣るため
好ましくない。分散粒子の平均粒子径は透過型電子顕微
鏡写真(拡大倍率:10000倍)を撮影し、写真中の
分散粒子約100〜200個の分散粒子数を測定して求
めたものである。平均粒子径は次式より求めた。
発明の樹脂シートで用いるスチレン系重合体はゴム変性
スチレン系重合体、ゴム状弾性体を分散粒子として有す
るスチレン−アクリル酸エステル共重合体、非ゴム変性
スチレン系重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体等である。ゴム変性スチレン系重合体としては、前
述のゴム変性ポリスチレンが挙げられる。アクリル酸エ
ステル共重合体は、メチルメタアクリレート、ブチルア
クリレート、ブチルメタアクリレート等の1種以上が挙
げられる。スチレン−ブタジエンブロック共重合体とし
ては、スチレンとブタジエンの重量比が10/90〜6
0/40のものが挙げられる。非ゴム変性スチレン系重
合体は、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン
共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチ
レン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水
マレイン酸共重合体等が挙げられるが、特に好ましいも
のはポリスチレンである。これらは単独で、又は2種以
上の混合物として使用することができる。本発明で用い
るスチレン系重合体の量は成分(a)の100重量部と
して5〜400重量部、好ましくは25〜300重量部
の範囲である。スチレン系重合体の量が400重量部を
超えるとシートの耐面衝撃性が低下するため好ましくな
い。本発明で用いるシートのスチレン系重合体は、樹脂
シートをエーテル等の有機溶媒で分別、定量することに
よって求めることができる。
る配合方法によって製造することができる。例えば、オ
ープンロール、インテンシブミキサー、インターナルミ
キサー、コニーダー、二軸ローター付の連続混練機、押
出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分
を溶剤に溶解又は分散混合後溶剤を加熱除去する方法等
が用いられる。
添加剤を含むことができる。添加剤の種類はプラスチッ
クの配合に一般的に用いられるものであれば特に制限は
ないが、例えば、ガラス繊維,ガラスビーズ,シリカ,
炭カル,タルク等の無機補強剤、有機繊維,クマロンイ
ンデン樹脂等の有機補強剤、有機パーオキサイド,無機
パーオキサイド等の架橋剤、チタン白,カーボンブラッ
ク,酸化鉄等の顔料,染料,難燃剤,酸化防止剤,紫外
線吸収剤,帯電防止剤,滑剤,可塑剤,その他の増量剤
或はこれらの混合物があげられる。
イ又は環状ダイからフラット状又はチューブ状に150
〜250℃、好ましくは170〜220℃で厚み約0.
05〜2mmに押出成形することによって得ることがで
きる。これらのシートは真空成形、圧空成形等の方法に
よって熱成形した食品容器類、青果物容器類、菓子類容
器等の広範囲な用途に使用することができる。
が、これらは本発明の範囲を制限するものではない。 (a)成分のブロック共重合体 シクロヘキサン溶媒中でn−ブチルリチウムを開始剤に
用い、表1に示したスチレン含有量、ポリスチレンブロ
ックのブロック率及びMIを有するA−1〜A−7のブ
ロック共重合体を製造した。スチレン含有量はスチレン
とブタジエンの添加量によって、ポリスチレンブロック
のブロック率はブタジエンとスチレンの共重合体ブロッ
ク中のスチレン添加量によって、MIはn−ブチルリチ
ウムの添加量によって調整した。例えば表1のA−4の
ブロック共重合体は次の様に重合した。窒素ガス雰囲気
下において、A1としてスチレン35重量部を含むシク
ロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.08重量部
添加し、80℃で25分間重合した後、Bとして1,3
−ブタジエン21重量部とスチレン10重量部を含むシ
クロヘキサン溶液を連続的に添加して80℃で45分間
重合した。次にA’として1,3−ブタジエン3重量部
とスチレン9重量部を含むシクロヘキサン溶液を連続的
に添加して80℃で15分間重合し、次にA2としてス
チレン23重量部を含むシクロヘキサン溶液を連続的に
添加して80℃で30分間重合した。その後、重合器に
メタノールをn−ブチルリチウムに対して0.9倍モル
添加し、安定剤を加えた後、脱溶媒してブロック共重合
体を得た。
粒子 表2に実施例で用いた(b)成分のゴム変性ポリスチレ
ンの分散粒子を示した。B−5、6はポリブタジエンゴ
ムを溶解させたスチレンを塊状重合させて得られたゴム
変性ポリスチレンの分散粒子である。B−5、6を除く
他のゴム変性ポリスチレンの分散粒子は、ポリブタジエ
ン又はスチレン−ブタジエンゴムを溶解させたスチレン
を塊状重合して得たゴム変性ポリスチレンを再度スチレ
ンに溶解し、スチレンに対して1,1−ビス(t−ブチ
ルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
を600ppm、t−ドデシルメルカプタンを600p
pm添加した後、この溶液を撹拌下で120℃で2時間
加熱して分散粒子のポリスチレングラフト量を増量させ
ることによって得たゴム変性ポリスチレンの分散粒子で
ある。ゴム変性ポリスチレン中の分散粒子量は、ゴム変
性ポリスチレンをトルエンに溶解し、遠心分離機で分散
粒子を濾別、乾燥して求めた重量%である。分散粒子の
ポリスチレンの含有量は、分散粒子の熱分解ガスクロマ
トグラフィーを測定してポリスチレン含有量を求めた。
測定条件はカラム充填剤がアピーゾングリースL、分解
温度が600℃、インジェクション温度が250℃、カ
ラム温度が140℃で測定した。
(単位は重量部)の(a)成分のブロック共重合体、
(b)成分のゴム変性ポリスチレンの分散粒子及びGP
PS(旭化成(株)製 旭化成ポリスチレン685)を
40mmシート押出機で厚さ約0.6mmのシートを作
成し、引張弾性率(JISK−6872に準拠:単位は
Kgf/cm2)、面衝撃強さ(重錘形状が1/2インチ
を用いた以外はASTMD1709に準拠:単位はKg
f・cm)、透明性(ヘーズ値(JISK6714に準
拠:単位は%))、青白さを測定した。表1の(b)成
分のゴム変性ポリスチレンの分散粒子の配合量は、ゴム
変性ポリスチレンをそのまま配合し、表2の分散粒子量
から算出した値である。本発明で規定した範囲内のシー
ト成形品は、青白さが少なく透明で優れた剛性と耐面衝
撃性を有していることが分かる。 [青白さの判定基準] 0:青白さが全くない。1:僅かに青白さがある。2:
やや青白さがある。
い。5:青白さが著しく大きい。
成分として97.5重量部、表2のゴム変性ポリスチレ
ンの分散粒子のB−7を(b)成分として2.5重量
部、GPPSを300重量部とスチレン含有量が40重
量%のスチレン−ブタジエンブロック共重合体を20重
量部の組成で実施例1と同様の方法で0.6mmのシー
トを作成した。その結果、押出方向の引張弾性率が19
600Kgf/cm2、垂直方向の引張弾性率が188
00Kgf/cm2、面衝撃強さが26Kg・cm、透
明性が2.1%、シートの青白さは2であった。
成分として99.0重量部、表2のゴム変性ポリスチレ
ンの分散粒子のB−5を(b)成分として1.0重量
部、アクリル酸n−ブチルの含有量が12重量%のスチ
レン−アクリル酸n−ブチル共重合体を100重量部の
組成で実施例1と同様の方法で0.6mmのシートを作
成した。その結果、押出方向の引張弾性率が16700
Kgf/cm2、垂直方向の引張弾性率が15300K
gf/cm2、面衝撃強さが35Kg・cm、透明性が
1.3%、シートの青白さは1であった。
耐衝撃性に優れた樹脂シートを提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記(a)と(b)を主体とする組成物
を成形してなる樹脂シート。 (a)少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素を主体と
する重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエンを主
体とする重合体ブロックからなり、ビニル芳香族炭化水
素含有量が70〜85重量%、ビニル芳香族炭化水素重
合体ブロックのブロック率が50〜85重量%あるブロ
ック共重合体95〜99.4重量部、 (b)ブタジエン系ゴム状重合体にスチレンをグラフト
重合して得られるゴム変性ポリスチレンの分散粒子で、
該ゴム変性ポリスチレンの分散粒子はその内部にポリス
チレンを包含し、平均粒子径が1〜10μm、分散粒子
中のポリスチレンの含有量が75重量%〜90重量%で
ある該ゴム変性ポリスチレンの分散粒子0.6〜5重量
部。 - 【請求項2】 (b)の分散粒子中のポリスチレンの含
有量が80重量%を超え、90重量%以下である請求項
1記載の樹脂シート。 - 【請求項3】 (a)の100重量部に対してスチレン
系重合体5〜400重量部含有する請求項1記載の樹脂
シート。 - 【請求項4】スチレン系重合体が非ゴム変性スチレン系
重合体を含有する請求項3記載の樹脂シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23422996A JP3688069B2 (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 樹脂シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23422996A JP3688069B2 (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 樹脂シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1081806A true JPH1081806A (ja) | 1998-03-31 |
JP3688069B2 JP3688069B2 (ja) | 2005-08-24 |
Family
ID=16967726
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23422996A Expired - Lifetime JP3688069B2 (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 樹脂シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3688069B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003002937A (ja) * | 2001-06-19 | 2003-01-08 | A & M Styrene Co Ltd | 光透過特性に優れた光透過用成型品 |
JP2006176670A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-07-06 | Risu Pack Co Ltd | 熱成形用のスチレン系樹脂シート、及びこれを使用して成形した成形体 |
-
1996
- 1996-09-04 JP JP23422996A patent/JP3688069B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003002937A (ja) * | 2001-06-19 | 2003-01-08 | A & M Styrene Co Ltd | 光透過特性に優れた光透過用成型品 |
JP2006176670A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-07-06 | Risu Pack Co Ltd | 熱成形用のスチレン系樹脂シート、及びこれを使用して成形した成形体 |
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JP3688069B2 (ja) | 2005-08-24 |
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