JPH10204136A - 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体およびその製造方法 - Google Patents

芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH10204136A
JPH10204136A JP2604197A JP2604197A JPH10204136A JP H10204136 A JPH10204136 A JP H10204136A JP 2604197 A JP2604197 A JP 2604197A JP 2604197 A JP2604197 A JP 2604197A JP H10204136 A JPH10204136 A JP H10204136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aromatic vinyl
conjugated diene
block copolymer
weight
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2604197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3629872B2 (ja
Inventor
Tetsuya Toyoshima
哲也 豊嶋
Hiroaki Matsuda
弘明 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2604197A priority Critical patent/JP3629872B2/ja
Publication of JPH10204136A publication Critical patent/JPH10204136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3629872B2 publication Critical patent/JP3629872B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベール安定性に優れ、且つ、樹脂に対する耐
衝撃性の改善効果にも優れる芳香族ビニル−共役ジエン
ブロック共重合体、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 芳香族ビニル結合単位と共役ジエン結合
単位とからなりブロック芳香族ビニル(A)を有する芳
香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体であって、
(i)ブロック共重合体中の芳香族ビニル結合単位量が
3〜60重量%、(ii)芳香族ビニル結合単位中のブ
ロック芳香族ビニル(A)量が40〜97重量%で、且
つ、該ブロック芳香族ビニル(A)部分のピークトップ
分子量(A−Mp)が1,000〜30,000、(i
ii)ブロック共重合体のピークトップ分子量(Mp)
が10,000〜1,500,000、(iv)ブロッ
ク共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)が1.10以下である芳
香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベール成形性に優
れ且つ樹脂に対する耐衝撃性の改善効果にも充分に優れ
た芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及びその
製造方法に関する。本発明は、また、ベール成形性に優
れ且つ樹脂に対する耐衝撃性の改善効果にも充分に優れ
た芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を有効成
分とする樹脂用改質剤、それを含む樹脂組成物、及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、芳香族ビニル系樹脂などの耐衝撃
性を改善するために、例えば、各種芳香族ビニル−共役
ジエンブロック共重合体の存在下に芳香族ビニル系単量
体をラジカル重合することによって、ポリ芳香族ビニル
系樹脂のマトリックス中に各種芳香族ビニル−共役ジエ
ンブロック共重合体を分散させて硬質で脆い芳香族ビニ
ル系樹脂の耐衝撃性を改善させている。しかしながら、
近年のテレビやエアコンなどのハウジング材料におい
て、大型化、軽量化にともなう薄肉成形性の要求が高ま
り、耐衝撃性の一層の改善が望まれている。
【0003】従来、耐衝撃性をさらに改善するために、
例えば、特開平2−185509号公報には、共役ジエ
ン部のビニル結合割合の低い芳香族ビニル−共役ジエン
ブロック共重合体を用いる方法が開示されている。しか
しながら、この方法では、耐衝撃性の改善は未だ充分で
なく、また、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合
体生産時のベール成形性に劣る等の問題点を有してい
る。また、耐衝撃性を改善するために、芳香族ビニル−
共役ジエンブロック共重合体の分子量を高める方法が知
られているが、この方法も、芳香族ビニル−共役ジエン
ブロック共重合体生産時のベール成形性に劣る問題点を
有している。
【0004】一方、芳香族ビニル−共役ジエンブロック
共重合体のベール成形性を改善する方法としては、例え
ば、特開昭64−74209号公報に、ブロック芳香族
ビニル(A)部分のピークトップ分子量(A−Mp)の
1/3以下の割合を25〜50モル%と高くする方法が
開示されている。しかしながら、同号公報で開示される
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体中のブロッ
ク芳香族ビニル(A)部分のピークトップ分子量(A−
Mp)が3万以上と高く、ベール成形性の改善効果が充
分でなく、さらに耐衝撃性の改善効果に劣る等の問題点
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ベー
ル成形性に優れしかも樹脂に対する耐衝撃性の改善効果
にも充分に優れる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共
重合体、及びその製造方法を提供することにある。本発
明の他の目的は、ベール成形性に優れしかも樹脂に対す
る耐衝撃性の改善効果にも充分に優れる芳香族ビニル−
共役ジエンブロック共重合体を有効成分とする樹脂改質
剤、それを含む樹脂組成物、及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0006】本発明者らは、前記従来技術の問題点を解
決するために鋭意研究を進めた結果、ブロック芳香族ビ
ニル(A)部分のピークトップ分子量が小さくて、且
つ、ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)を大き
く、しかも分子量分布(Mw/Mn)を充分に狭くさせ
た芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体が、ベー
ル成形性に優れしかもスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂
に対する耐衝撃性の改善効果にも充分に優れること、そ
して、該芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体
が、炭化水素系溶媒中、有機活性金属を開始剤として共
役ジエンと芳香族ビニルとを共重合する芳香族ビニル−
共役ジエンブロック共重合体の製造方法において、イニ
シャルの重合工程における単量体割合が特定割合以上
で、芳香族ビニルと共役ジエンの混合モノマーを重合す
る工程を含み、しかも、各重合工程における芳香族ビニ
ル量を特定値以下とすることにより容易に製造できるこ
と、及び、該芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合
体の存在下に芳香族ビニル系単量体をラジカル重合させ
て得られる樹脂組成物の耐衝撃性が充分に優れることを
見いだした。本発明は、これらの知見に基づいて完成に
至ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、芳香族ビニル結合単位と共役ジエン結合単位とから
なりブロック芳香族ビニル(A)を有する芳香族ビニル
−共役ジエンブロック共重合体であって、(i)ブロッ
ク共重合体中の芳香族ビニル結合単位量が3〜60重量
%、(ii)芳香族ビニル結合単位中のブロック芳香族
ビニル(A)量が40〜97重量%で、且つ、該ブロッ
ク芳香族ビニル(A)部分のピークトップ分子量(A−
Mp)が1,000〜30,000、(iii)ブロッ
ク共重合体のピークトップ分子量(Mp)が10,00
0〜1,500,000、(iv)ブロック共重合体の
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)が1.10以下である芳香族ビニル−共
役ジエンブロック共重合体が提供される。
【0008】本発明によれば、また、炭化水素系溶媒
中、有機活性金属を開始剤として用いて共役ジエンと芳
香族ビニルとを順次重合する芳香族ビニル−共役ジエン
ブロック共重合体の製造方法において、第1段目の重合
工程における単量体量が全単量体中の60重量%以上
で、芳香族ビニルと共役ジエンとの混合モノマーを重合
する工程を少なくとも含み、しかも、各重合工程におけ
る芳香族ビニル量が下式 芳香族ビニル量(g) ≦ 4000×有機活性金属モ
ル数 を満たす範囲にあることを特徴とする芳香族ビニル−共
役ジエンブロック共重合体の製造方法が提供される。
【0009】本発明によれば、さらに、上記芳香族ビニ
ル−共役ジエンブロック共重合体を有効成分とする樹脂
用改質剤が提供される。本発明によれば、さらに、樹脂
と上記樹脂改質剤を含んでなる樹脂組成物が提供され
る。本発明によれば、さらに、上記芳香族ビニル−共役
ジエンブロック共重合体の存在下で、芳香族ビニル系単
量体または芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体
との混合物を重合することを特徴とする樹脂組成物の製
造方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体 本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体
は、芳香族ビニル結合単位と共役ジエン結合単位とから
なる。芳香族ビニルとしては、格別な制限は無く、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレ
ン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4
−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メ
チルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、モノフルオロスチレン等を挙げる事が出来る。これ
らの中でも、スチレンが好ましい。これらの芳香族ビニ
ルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て用いる事が出来る。
【0011】共役ジエンとしては、格別な制限はなく、
例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブ
タジエン(すなわちイソプレン)、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これらの中
でも1,3−ブタジエンや2−メチル−1,3−ブタジ
エンが好ましく、特に1,3−ブタジエンが好ましい。
これらの共役ジエンは、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて用いる事が出来る。
【0012】本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロッ
ク共重合体中の各結合単位の割合は、芳香族ビニル結合
単位が3〜60重量%、好ましくは5〜45重量%、よ
り好ましくは5〜25重量%の範囲であり、共役ジエン
結合単位が40〜97重量%、好ましくは55〜95重
量%、より好ましくは75〜95重量%の範囲である。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体中の芳香族
ビニル結合単位や共役ジエン結合単位の割合がこの範囲
にあるときに、耐衝撃性の改善効果やベール成形性が高
度にバランスされ、さらに、樹脂に対して透明性や光沢
性を殆ど低下させないのでこれらの特性が特に要求され
る用途においても好適である。
【0013】本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロッ
ク共重合体は、ブロック芳香族ビニル(A)を有する。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体中のブロッ
ク芳香族ビニル(A)の割合は、全芳香族ビニル結合単
位量の40〜97重量%、好ましくは50〜95重量
%、より好ましくは60〜90重量%の範囲である。芳
香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体中のブロック
芳香族ビニル(A)の割合が過度に多いと耐衝撃性の改
善効果やベール成形性に劣り、逆に、過度に少ないと光
沢性や透明性などの本来有する樹脂の特性を損ねる場合
がある。
【0014】芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合
体中のブロック芳香族ビニル(A)量は、常法に従って
測定され、例えば、L.M.Kolthoff,eta
l.,J.Polym.Sci.,,429(194
8)に記載されているオスミウム酸分解法に従って、芳
香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を触媒量のオ
スミウム酸を用いtert−ブチルハイドロパーオキサ
イドで酸化分解した後にポアサイズ5.0μmのガラス
フィルターでろ別されるものとして測定される。
【0015】本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロッ
ク共重合体のブロック芳香族ビニル(A)部分のピーク
トップ分子量(A−Mp)は、上記ろ別されるブロック
芳香族ビニル(A)部分をゲルパーミエションクロマト
グラフィー(GPC)で測定しポリスチレン換算として
求められる値で、1,000〜30,000、好ましく
は3,000〜29,000、より好ましくは5,00
0〜28,000の範囲である。ブロック芳香族ビニル
(A)部分のピークトップ分子量(A−Mp)がこの範
囲であるときに、ベール成形性と耐衝撃性の改善効果が
高度にバランスされ、また、光沢性や透明性を要求され
る分野での応用にも好適である。
【0016】本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロッ
ク共重合体のピークトップ分子量(Mp)は、GPCに
より測定されるポリスチレン換算の値で10,000〜
1,500,000、好ましくは50,000〜1,0
00,000、より好ましくは100,000〜80
0,000、最も好ましくは150,000〜600,
000の範囲である。芳香族ビニル−共役ジエンブロッ
ク共重合体のピークトップ分子量(Mp)が過度に小さ
いと耐衝撃性の改善効果に劣り、逆に、過度に大きいと
ブロック共重合体の溶液粘度が上昇し、ブロック共重合
体の製造プロセス上問題となる。
【0017】本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロッ
ク共重合体の分子量分布は、GPCのポリスチレン換算
値で測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)で、1.10以下であ
る。芳香族ビニル−共役ジエンブロッック共重合体の分
子量分布(Mw/Mn)が過度に広いと耐衝撃性の改善
効果やベール成形性が充分でなく好ましくない。
【0018】本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロッ
ク共重合体中の共役ジエン結合単位部分のビニル結合
(1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合)割合
は、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択されれ
ばよいが、全共役ジエン結合単位量の通常50%以下、
好ましくは30%以下、より好ましくは15%以下のと
きに耐衝撃性の改善効果がさらに高く好適である。共役
ジエン部のビニル結合以外の残部は、1,4−結合であ
り、その中のシス−1,4−結合及びトランス−1,4
−結合の割合は使用目的に応じて適宜選択される。
【0019】本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロッ
ク共重合体の製造方法は、格別限定されるものではない
が、例えば、炭化水素系溶媒中、有機活性金属を開始剤
として用いて共役ジエンと芳香族ビニルとを共重合する
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の製造方法
において、第1段目における重合工程の単量体量が全単
量体中の特定割合以上で、芳香族ビニルと共役ジエンと
の混合モノマーを重合する工程を少なくとも含み、しか
も各重合工程における芳香族ビニル量を特定値以下とす
ることで容易に行うことができる。
【0020】炭化水素系溶媒としては、格別な制限はな
く、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭
化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族
炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類;などが用いられる。これらの炭化水素系溶
媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て用いる事が出来る。
【0021】有機活性金属としては、例えば、有機アル
カリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物、有機ラ
ンタノイド系列希土類金属化合物などのアニオン重合可
能な有機活性金属化合物が挙げられる。これらの中で
も、重合反応性、経済性などの観点から、有機アルカリ
金属化合物が特に好ましい。
【0022】有機アルカリ金属化合物としては、例え
ば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t
−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウ
ム、スチルベンリチウムなどのモノ有機リチウム化合
物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4
−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−
トリリチオベンゼンなどの多官能性有機リチウム化合
物;ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレンなどが
挙げられる。これらの中でも、有機リチウム化合物が好
ましく、モノ有機リチウム化合物が特に好ましい。
【0023】有機アルカリ土類金属化合物としては、例
えば、n−ブチルマグネシウムブロミド、n−ヘキシル
マグネシウムブロミド、エトキシカルシウム、ステアリ
ン酸カルシウム、t−ブトキシストロンチウム、エトキ
シバリウム、イソプロポキシバリウム、エチルメルカプ
トバリウム、t−ブトキシバリウム、フェノキシバリウ
ム、ジエチルアミノバリウム、ステアリン酸バリウム、
エチルバリウムなどが挙げられる。
【0024】有機ランタノイド系列希土類金属化合物と
しては、例えば、特公昭63−64444号公報に記載
されているようなバーサチック酸ネオジウム/トリエチ
ルアルミニウムハイドライド/エチルアルミニウムセス
キクロライドからなる複合触媒などが挙げられる。
【0025】これらの有機活性金属は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いる事が出来
る。有機活性金属の使用量は、要求される生成重合体の
分子量によって適宜選択され、全単量体100gあた
り、通常0.01〜20ミリモル、好ましくは0.05
〜15ミリモル、より好ましくは0.1〜10ミリモル
の範囲である。
【0026】単量体中の芳香族ビニルと共役ジエンの割
合は、前記芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体
中の各結合単位量となるように適宜選択される。
【0027】第1段目の重合工程における単量体量は、
全単量体中の60重量%以上、好ましくは65〜95重
量%、より好ましくは70〜90重量%である。第1段
目の単量体割合が過度に少ないと得られる芳香族ビニル
−共役ジエンブロック共重合体の分子量分布(Mw/M
n)が広くなり好ましくない。
【0028】本発明の製造方法は、芳香族ビニルと共役
ジエンとからなる混合モノマーを重合する工程を少なく
とも一つ有する。混合モノマーの重合工程の回数は、目
的に応じて適宜選択されるが、通常1〜5回、好ましく
は1〜3回、より好ましくは1回である。
【0029】混合モノマー中の芳香族ビニルと共役ジエ
ンとの割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよい
が、[芳香族ビニル]/[共役ジエン]の重量比で、通
常5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/
10、より好ましくは20/80〜80/20の範囲で
ある時に芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体中
のブロック芳香族ビニル(A)量が前記割合となり好適
である。
【0030】また、芳香族ビニル−共役ジエンブロック
共重合体中のブロック芳香族ビニル(A)量は、全単量
体中の混合モノマーの割合によっても影響され、その混
合モノマーの割合は、通常5〜100重量%、好ましく
は10〜90重量%、より好ましくは10〜85重量%
の範囲である。
【0031】本発明の製造方法においては、上記混合モ
ノマーを重合する工程以外に、芳香族ビニルを重合する
工程や共役ジエンを重合する工程などの重合工程を行う
ことができる。本発明の製造方法の重合工程の具体例と
しては、芳香族ビニルを重合する工程を(a)、共役ジ
エンを重合する工程を(b)、混合モノマーを重合する
工程を(a/b)と略記した場合、例えば、(a/
b)、(a)→(a/b)、(b)→(a/b)、(a
/b)→(a)、(a/b)→(b)、(a/b)→
(a/b)、(a)→(b)→(a/b)、(a)→
(a/b)→(b)、(b)→(a)→(a/b)、
(b)→(a/b)→(a)、(a/b)→(a)→
(b)、(a/b)→(b)→(a)、(a)→(a/
b)→(a)、(b)→(a/b)→(b)、(a/
b)→(a/b)→(a)、(a/b)→(a/b)→
(b)、(a)→(a/b)→(a/b)、(b)→
(a/b)→(a/b)、(a/b)→(a)→(a/
b)、(a/b)→(b)→(a/b)、(a)→
(b)→(a)→(a/b)、(b)→(a)→(b)
→(a/b)、(a)→(b)→(a/b)→(a)、
(b)→(a)→(a/b)→(a)、(a)→(b)
→(a/b)→(b)、(b)→(a)→(a/b)→
(b)、(a)→(a/b)→(a)→(b)、(a)
→(a/b)→(b)→(a)、(b)→(a/b)→
(a)→(b)、(b)→(a/b)→(a)→
(b)、(b)→(a/b)→(b)→(a)、(a/
b)→(a)→(b)→(a)、(a/b)→(b)→
(a)→(b)、(a/b)→(a/b)→(a)→
(b)、(a/b)→(a/b)→(b)→(a)、
(a/b)→(a)→(a/b)→(a)、(a/b)
→(a)→(a/b)→(b)、(a/b)→(b)→
(a/b)→(a)、(a)→(a/b)→(a)→
(a/b)、(a)→(a/b)→(b)→(a/
b)、
【0032】(b)→(a/b)→(a)→(a/
b)、(b)→(a/b)→(a)→(a/b)、
(b)→(a/b)→(b)→(a/b)、(a)→
(b)→(a/b)→(a/b)、(b)→(a)→
(a/b)→(a/b)、(a)→(a/b)→(a/
b)→(a)、(a)→(a/b)→(a/b)→
(b)、(b)→(a/b)→(a/b)→(a)、
(b)→(a/b)→(a/b)→(b)、(a/b)
→(a/b)→(a/b)→(a)、(a/b)→(a
/b)→(a/b)→(b)、(a/b)→(a/b)
→(a)→(a/b)、(a/b)→(a/b)→
(b)→(a/b)、(a/b)→(a)→(a/b)
→(a/b)、(a/b)→(b)→(a/b)→(a
/b)、(a)→(a/b)→(a/b)→(a/
b)、(b)→(a/b)→(a/b)→(a/b)、
(a/b)→(a/b)→(a/b)→(a/b)、
(a/b)→(a)→(b)→(a)→(b)、(a/
b)→(b)→(a)→(b)→(a)、(a)→(a
/b)→(a)→(b)→(a)、(a)→(a/b)
→(b)→(a)→(b)、(b)→(a/b)→
(a)→(b)→(a)、(b)→(a/b)→(b)
→(a)→(b)、(a)→(b)→(a/b)→
(a)→(b)、(a)→(b)→(a/b)→(b)
→(a)、(b)→(a)→(a/b)→(a)→
(b)、(b)→(a)→(a/b)→(b)→
(a)、(a)→(b)→(a)→(a/b)→
(a)、(a)→(b)→(a)→(a/b)→
(b)、(b)→(a)→(b)→(a/b)→
(a)、
【0033】(b)→(a)→(b)→(a/b)→
(b)、(a)→(b)→(a)→(b)→(a/
b)、(b)→(a)→(b)→(a)→(a/b)、
(a/b)→(a/b)→(a)→(b)→(a)、
(a/b)→(a/b)→(b)→(a)→(b)、
(a/b)→(a)→(a/b)→(a)→(b)、
(a/b)→(a)→(a/b)→(b)→(a)、
(a/b)→(b)→(a/b)→(a)→(b)、
(a/b)→(b)→(a/b)→(b)→(a)、
(a/b)→(a)→(b)→(a/b)→(a)、
(a/b)→(a)→(b)→(a/b)→(b)、
(a/b)→(b)→(a)→(a/b)→(a)、
(a/b)→(b)→(a)→(a/b)→(b)、
(a/b)→(a)→(b)→(a)→(a/b)、
(a/b)→(b)→(a)→(b)→(a/b)、
(a)→(a/b)→(a/b)→(a)→(b)、
(a)→(a/b)→(a/b)→(b)→(a)、
(b)→(a/b)→(a/b)→(a)→(b)、
(b)→(a/b)→(a/b)→(b)→(a)、
(a)→(a/b)→(a)→(a/b)→(a)、
(a)→(a/b)→(a)→(a/b)→(b)、
(a)→(a/b)→(b)→(a/b)→(a)、
(a)→(a/b)→(b)→(a/b)→(b)、
(b)→(a/b)→(a)→(a/b)→(a)、
(b)→(a/b)→(a)→(a/b)→(b)、
(b)→(a/b)→(b)→(a/b)→(a)、
(b)→(a/b)→(b)→(a/b)→(b)、
(a)→(a/b)→(a)→(b)→(a/b)、
【0034】(a)→(a/b)→(b)→(a)→
(a/b)、(b)→(a/b)→(a)→(b)→
(a/b)、(b)→(a/b)→(b)→(a)→
(a/b)、(a)→(b)→(a/b)→(a/b)
→(a)、(a)→(b)→(a/b)→(a/b)→
(b)、(b)→(a)→(a/b)→(a/b)→
(a)、(b)→(a)→(a/b)→(a/b)→
(b)、(a)→(b)→(a/b)→(a)→(a/
b)、(a)→(b)→(a/b)→(b)→(a/
b)、(b)→(a)→(a/b)→(a)→(a/
b)、(b)→(a)→(a/b)→(b)→(a/
b)、(a)→(b)→(a)→(a/b)→(a/
b)、(b)→(a)→(b)→(a/b)→(a/
b)、(a/b)→(a/b)→(a/b)→(a)→
(b)、(a/b)→(a/b)→(a/b)→(b)
→(a)、(a/b)→(a/b)→(a)→(a/
b)→(a)、(a/b)→(a/b)→(a)→(a
/b)→(b)、(a/b)→(a/b)→(b)→
(a/b)→(a)、(a/b)→(a/b)→(b)
→(a/b)→(b)、(a/b)→(a/b)→
(a)→(b)→(a/b)、(a/b)→(a/b)
→(b)→(a)→(a/b)、(a/b)→(a)→
(a/b)→(a/b)→(a)、(a/b)→(a)
→(a/b)→(a/b)→(b)、(a/b)→
(b)→(a/b)→(a/b)→(a)、(a/b)
→(b)→(a/b)→(a/b)→(b)、(a/
b)→(a)→(a/b)→(a)→(a/b)、(a
/b)→(a)→(a/b)→(b)→(a/b)、
(a/b)→(b)→(a/b)→(a)→(a/
b)、
【0035】(a/b)→(b)→(a/b)→(b)
→(a/b)、(a/b)→(a)→(b)→(a/
b)→(a/b)、(a/b)→(b)→(a)→(a
/b)→(a/b)、(a)→(a/b)→(a/b)
→(a/b)→(a)、(a)→(a/b)→(a/
b)→(a/b)→(b)、(b)→(a/b)→(a
/b)→(a/b)→(a)、(b)→(a/b)→
(a/b)→(a/b)→(b)、(a)→(a/b)
→(a/b)→(a)→(a/b)、(a)→(a/
b)→(a/b)→(b)→(a/b)、(b)→(a
/b)→(a/b)→(a)→(a/b)、(b)→
(a/b)→(a/b)→(b)→(a/b)、(a)
→(a/b)→(a)→(a/b)→(a/b)、
(a)→(a/b)→(b)→(a/b)→(a/
b)、(b)→(a/b)→(a)→(a/b)→(a
/b)、(b)→(a/b)→(b)→(a/b)→
(a/b)、(a)→(b)→(a/b)→(a/b)
→(a/b)、(b)→(a)→(a/b)→(a/
b)→(a/b)、(a/b)→(a/b)→(a/
b)→(a/b)→(a)、(a/b)→(a/b)→
(a/b)→(a/b)→(b)、(a/b)→(a/
b)→(a/b)→(a)→(a/b)、(a/b)→
(a/b)→(a/b)→(b)→(a/b)、(a/
b)→(a/b)→(a)→(a/b)→(a/b)、
(a/b)→(a/b)→(b)→(a/b)→(a/
b)、(a/b)→(a)→(a/b)→(a/b)→
(a/b)、
【0036】(a/b)→(b)→(a/b)→(a/
b)→(a/b)、(a)→(a/b)→(a/b)→
(a/b)→(a/b)、(b)→(a/b)→(a/
b)→(a/b)→(a/b)、(a/b)→(a/
b)→(a/b)→(a/b)→(a/b)、(b)→
(a/b)→(a)→(b)→(a)→(b)、(b)
→(a/b)→(b)→(a)→(b)→(a)、
(b)→(a/b)→(b)→(a)→(b)→(a)
→(b)、(a/b)→(a/b)→(b)→(a)→
(b)→(a)などが挙げられる。
【0037】これらの中でも、(b)→(a/b)、
(a/b)→(a)、(b)→(a/b)→(a)、
(a/b)→(b)→(a)、(b)→(a/b)→
(b)→(a)、(a/b)→(a)→(b)→
(a)、(b)→(a/b)→(a/b)→(a)、
(a/b)→(b)→(a)→(b)→(a)、(b)
→(a/b)→(a)→(b)→(a)、(b)→(a
/b)→(a/b)→(b)→(a)、(b)→(a/
b)→(a)→(a/b)→(a)、(b)→(a/
b)→(b)→(a/b)→(a)、(a)→(a/
b)→(a)→(b)→(a/b)、(b)→(a/
b)→(a)→(b)→(a/b)、(b)→(a/
b)→(b)→(a)→(a/b)、(b)→(a/
b)→(b)→(a)→(b)→(a)、(b)→(a
/b)→(b)→(a)→(b)→(a)→(b)→
(a)などが好ましく、(b)→(a/b)→(a)、
(b)→(a/b)→(b)→(a)、(b)→(a/
b)→(a)→(b)→(a)、(b)→(a/b)→
(b)→(a)→(b)→(a)が特に好ましい。
【0038】本発明の製造方法においては、上記各重合
工程における芳香族ビニル量が下式 芳香族ビニル量(g) ≦ 4000(好ましくは30
00、より好ましくは2500)×有機活性金属モル数 を満たす範囲に調整されることを特徴とする。各重合工
程における芳香族ビニル量が過度に多いと、得られる芳
香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体中のブロック
芳香族ビニル(A)部分のピークトップ分子量(A−M
p)が過度に大きくなり好ましくない。
【0039】本発明の製造方法においては、重合反応時
に、必要に応じてルイス塩基等の極性化合物を添加する
ことができる。ルイス塩基としては、例えば、テトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのエー
テル類;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジンなど
の第三級アミン類;カリウム−t−アミルオキシド、カ
リウム−t−ブチルオキシドなどのアルカリ金属アルコ
キシド類;トリフェニルホスフィンなどのホスフィン
類;等の化合物を挙げられる。これらのルイス塩基は、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用い
られ、その本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択され
る。
【0040】重合反応は、等温反応、断熱反応のいずれ
でもよく、通常は0〜150℃、好ましくは20〜12
0℃の重合温度範囲で行われる。重合反応終了後は、常
法により、例えば、停止剤としてメタノール、イソプロ
パノールなどのアルコール類を添加して重合反応を停止
し、酸化防止剤(安定剤)やクラム化剤を加えた後、直
接乾燥や、スチームストリッピングなどの方法で溶媒を
除去し乾燥して生成重合体を得ることができる。乾燥し
た生成重合体は、通常、圧縮成形してベールとして扱わ
れる。
【0041】樹脂用改質剤 本発明の樹脂用改質剤は、上記芳香族ビニル−共役ジエ
ンブロック共重合体を有効成分とし、特に、耐衝撃性の
改質剤(強靱化剤)として有用である。
【0042】本発明の樹脂用改質剤は、ゴム成分として
上記芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体以外
に、樹脂の強靱化剤として通常使用されるその他のゴム
を添加することができる。添加できるその他のゴムとし
ては、例えば、本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロ
ック共重合体以外の芳香族ビニル−共役ジエンブロック
共重合体、低シス−ポリブタジエンゴム、高シス−ポリ
ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンランダム共重合
体ゴム、ポリイソプレンゴム、天然ゴムなどが挙げられ
る。これらのその他のゴムは、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用
量は、全ゴム成分中の通常40重量%以下、好ましくは
20重量%以下、より好ましくは10重量%以下であ
る。
【0043】本発明の樹脂用改質剤は、上記ゴム成分以
外に、必要に応じて、樹脂工業で通常使用される配合剤
を添加することができる。使用できる配合剤の具体例と
しては、例えば、ミネラルオイル、流動パラフィン、有
機ポリシロキサン、有機または無機の充填剤、安定剤、
可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、充填剤、離
型剤、帯電防止剤、難燃剤などが挙げられる。これらの
配合剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて用いることができ、その使用量は、本発明の目的
を損ねない範囲で適宜選択される。
【0044】有機または無機の充填剤としては、例え
ば、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マ
グネシウム、軽石粉、軽石バルーン、塩基性炭酸マグネ
シウム、ドワマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウ
ム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレ
ー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレー
ク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイ
ト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫
化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチ
レン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維などを挙げる事が出来る。
【0045】安定剤としては、例えば、オクタデシル−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステ
ル、2,2'−オキザミドビス[エチル−3(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]などのフェノール系酸化防止剤;トリスノニルフ
ェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト等のリン系安定剤などを挙
げる事ができる。
【0046】難燃剤としては、特に制約はなく、通常ハ
ロゲン系難燃剤が用いられる。ハロゲン系難燃剤として
は、塩素系及び臭素系の種々の難燃剤が使用可能である
が、難燃化効果、成形時の耐熱性、樹脂への分散性、樹
脂の物性への影響等の面から、ヘキサブロモベンゼン、
ペンタブロモエチルベンゼン、ヘキサブロモビフェニ
ル、デカブロモジフェニル、ヘキサブロモジフェニルオ
キサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、デカブ
ロモジフェニルオキサイド、ペンタブロモシクロヘキサ
ン、テトラブロモビスフェノールA、及びその誘導体
[例えば、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒド
ロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノール
A−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テト
ラブロモビスフェノールA−ビス(ブロモエチルエーテ
ル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエ
ーテル)等]、テトラブロモビスフェノールS、及びそ
の誘導体[例えば、テトラブロモビスフェノールS−ビ
ス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフ
ェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテ
ル)等]、テトラブロモ無水フタル酸、及びその誘導体
[例えば、テトラブロモフタルイミド、エチレンビステ
トラブロモフタルイミド等]、エチレンビス(5,6−
ジブロモノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミ
ド)、トリス−(2,3−ジブロモプロピル−1)−イ
ソシアヌレート、ヘキサクロロシクロペンタジエンのデ
ィールス・アルダー反応の付加物、トリブロモフェニル
グリシジルエーテル、トリブロモフェニルアクリレー
ト、エチレンビストリブロモフェニルエーテル、エチレ
ンビスペンタブロモフェニルエーテル、テトラデカブロ
モジフェノキシベンゼン、臭素化ポリスチレン、臭素化
ポリフェニレンオキサイド、臭素化エポキシ樹脂、臭素
化ポリカーボネート、ポリペンタブロモベンジルアクリ
レート、オクタブロモナフタレン、ヘキサブロモシクロ
ドデカン、ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、
N−メチルヘキサブロモジフェニルアミン等を使用する
のが好ましい。
【0047】難燃剤の添加量は、本発明の芳香族ビニル
−共役ジエンブロック共重合体100重量部に対して、
通常3〜150重量部、好ましくは10〜140重量
部、特に好ましくは15〜120重量部である。難燃剤
の難燃化効果をより有効に発揮させるための難燃助剤と
して、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、
アンチモン酸ナトリウム、三塩化アンチモン等のアンチ
モン系難燃助剤を用いることができる。これらの難燃助
剤は、難燃剤100重量部に対して、通常1〜30重量
部、好ましくは2〜20重量部の割合で使用する。
【0048】これらのその他のゴムや配合剤の混合は、
前記芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体単離後
に、1軸もしくは2軸などの押出機、バンバリーミキサ
ー、ロール、ニーダーなどの各種混練装置を用いて行っ
てもよいし、また、前記芳香族ビニル−共役ジエンブロ
ック共重合体重合後の重合体含有溶液中に添加して混合
してもよい。
【0049】樹脂組成物 本発明の樹脂組成物は、樹脂と上記樹脂用改質剤とを含
有する。
【0050】本発明の樹脂用改質剤は、幅広い樹脂に対
して適用が可能であり、改質される樹脂の具体例として
は、例えば、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン
樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、マレ
イン酸樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化性
樹脂;アクリロニトリル−アクリレート−スチレン樹
脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン樹脂、アク
リロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパ
クトポリスチレン樹脂、メチルメタクリレート−スチレ
ン樹脂などの芳香族ビニル系熱可塑性樹脂;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂;ポ
リフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリアセタール、ポリエステル等のエンジニアリン
グプラスチック等を挙げる事が出来る。これらの中で
も、芳香族ビニル系熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ポリフェニレンエーテルなどが好ましく、芳香族
ビニル系熱可塑性樹脂が特に好ましい。これらの樹脂
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いる事が出来る。
【0051】樹脂に対する本発明の芳香族ビニル−共役
ジエンブロック共重合体の配合量は、使用目的や芳香族
ビニル−共役ジエンブロック共重合体の種類に応じて適
宜選択されるが、樹脂100重量部に対して、通常0.
1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、より好ま
しくは3〜15重量部の範囲である。芳香族ビニル−共
役ジエンブロック共重合体の配合量がこの範囲である時
に、耐衝撃性の改善効果が高く、しかも光沢や透明等の
外観特性や引張強度・剛性などの樹脂本来の物性の低下
も少なく好適である。
【0052】本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に制
限はなく、例えば、樹脂と前記樹脂用改質剤とを機械的
に混合することによって行うことができるが、樹脂が芳
香族ビニル系熱可塑性樹脂の場合には、前記芳香族ビニ
ル−共役ジエンブロック共重合体の存在下で、芳香族ビ
ニル系単量体または芳香族ビニル系単量体と共重合可能
な単量体との混合物を重合することによって容易に行う
ことができる。
【0053】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチ
レン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルス
チレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p
−ブロモスチレン、2−メチル−1−4−ジクロルスチ
レン、2−4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレンな
どが挙げられる。これらの中でも、スチレンが好まし
い。これらの芳香族ビニル系単量体は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いる事が出来
る。
【0054】芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量
体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、αクロロアクリロニトリルなどのニトリル系単
量体;メタクリル酸メチルエステル、アクリル酸メチル
エステルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;
アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽
和脂肪酸系単量体;フェニルマレイミド等が挙げられ
る。これらの中でも、ニトリル系単量体、(メタ)アク
リル酸エステル系単量体、不飽和脂肪酸系単量体などが
好ましく、ニトリル系単量体が特に好ましい。これらの
芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体は、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いる事が
出来る。
【0055】芳香族ビニル系単量体及び芳香族ビニル系
単量体と共重合可能な単量体との使用割合は、用途に応
じて適宜選択されるが、[芳香族ビニル系単量体]:
[芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体]の重量
比で通常20〜100:80〜0、好ましくは40〜1
00:60〜0、より好ましくは60〜100:40〜
0の範囲である。
【0056】芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合
体の使用量は、上記単量体100重量部に対して、通常
0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、より
好ましくは3〜15重量部となるように調節される。芳
香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の配合量がこ
の範囲である時に、耐衝撃性の改善効果が高く、しかも
光沢や透明等の外観特性や引張強度・剛性などの樹脂本
来の物性の低下も少なく好適である。また、前記その他
のゴムを前記割合で本発明の芳香族ビニル−共役ジエン
ブロック共重合体と併用してゴム成分として用いてもよ
い。
【0057】重合法としては、格別の限定はなく、通常
はラジカル重合で行われる。重合様式としては、例え
ば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状−懸濁
二段重合法などの多段重合法などが挙げられ、これらの
中でも、塊状重合法及び塊状−懸濁二段重合法が好まし
い。塊状重合法は、塊状連続重合法が特に好ましい。
【0058】塊状連続重合法により本発明の樹脂組成物
を製造する場合には、例えば、樹脂用改質剤を芳香族ビ
ニル系単量体または芳香族ビニル系単量体とそれと共重
合可能な単量体との混合物に溶解させ、必要に応じて、
希釈溶剤、流動パラフィン、ミネラルオイルなどの内部
潤滑剤、酸化防止剤、連鎖移動剤などを加えた後、無重
合触媒重合の場合は、通常80〜200℃において加熱
重合し、触媒重合の場合は、重合触媒存在下、通常20
〜200℃において重合し、単量体(芳香族ビニル単量
体または芳香族ビニル単量体とそれと共重合可能な単量
体との混合物)の重合転化率が60〜90%になるまで
重合する。この場合、重合触媒を用いる事がより好まし
い。
【0059】重合触媒としては、重合方法に応じて適宜
選択でき、例えば、ラジカル重合の場合は、通常、有機
過酸化物やアゾ系触媒が用いられ、好ましくは有機過酸
化物である。有機過酸化物としては、例えば、1,1−
ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1
−ビス(t−ブチルペルオキシ)−8,3,5−トリメ
チルシクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;ジ−
t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキル
ペルオキシド類;ベンゾイルペルオキシド、m−トルオ
イルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;ジメ
チルスチルペルオキシジカーボネートなどのペルオキシ
カーボネート類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカ
ーボネートなどのパーオキシエステル類;シクロヘキサ
ノンペルオキシドなどのケトンペルオキシド類;p−メ
ンタハイドロペルオキシドなどのハイドロパーオキシド
類などが挙げられる。これらの重合触媒は、それぞれ単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いる事ができ
る。重合触媒の使用量は、単量体100重量部に対し
て、通常0.001〜5重量部、好ましくは0.005
〜3重量部、より好ましくは0.01〜1重量部であ
る。
【0060】希釈溶剤としては、例えば、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素
類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペ
ンタン等の脂環式炭化水素類;n−ブタン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;メチルイソプ
ロピルケトンなどのケトン類;などが挙げられ、芳香族
炭化水素類が好ましい。これらの希釈溶剤は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられ、そ
の使用量は、全単量体の通常0〜25重量%である。
【0061】連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシ
ルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメル
カプタン類;1−フェニルブテン−2−フルオレン、ジ
ペンテンなどのテルペン類;クロロホルムなどのハロゲ
ン化合物;α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられ
る。
【0062】重合操作終了後、生成した樹脂組成物は、
常法に従って、例えば、加熱減圧による溶媒除去、ある
いは揮発物除去設計された押出し装置を用いて押出す事
により、未反応モノマーや希釈溶剤などを除去し回収す
る事ができる。得られた樹脂組成物は、必要により、ペ
レット化または粉末化して実用に供される。
【0063】また、塊状−懸濁重合法においては、通
常、前記の塊状重合法と同様にして単量体の重合転化率
が30〜50%に達するまで部分的に重合を行い、次い
で、この部分的に重合した重合溶液をポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルロースなどの懸濁安定剤お
よび/またはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムな
どの界面活性剤の存在下で、水中に懸濁して反応を完結
させる。生成した耐衝撃性樹脂組成物は、ろ過分離、遠
心分離などの方法により単離し、水洗、乾燥を行い、必
要に応じてペレット化または粉末化する。
【0064】本発明の樹脂組成物において、樹脂マトリ
ックス中の本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロック
共重合体を含むゴム成分の平均粒子径は、格別制限され
ないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜
5μm、より好ましくは0.5〜3μmの範囲内にある
時に、耐衝撃性の向上が著しく好適である。
【0065】
【実施例】以下に、製造例、実施例、および比較例を挙
げて、本発明についてより具体的に説明する。以下の例
中の部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
各種の物性の測定法は下記の通りである。 (1)ブロック共重合体中の芳香族ビニル結合単位量
は、波数約700cm-1におけるフェニル基による赤外
線吸収ピークの強度を測定し、予め求めておいた検量線
からその量を求めた。 (2)ブロック共重合体中の共役ジエン結合単位のビニ
ル結合量は、赤外分光光度計を使用して、モレロ法に従
って1,2−ビニル結合量を算出した。 (3)ブロック共重合体のピークトップ分子量(Mp)
は、テトラヒドロンフラン(THF)を溶媒にしたゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によっ
て測定されるポリスチレン換算の値で示した。 (4)ブロック共重合体の分子量分布は、GPCで測定
されるポリスチレン換算の重量平均(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn)で示した。 (5)ブロック芳香族ビニル(A)量は、L.M.Ko
lthoff,etal.,J.Polym.Sc
i.,,429(1948)に記載されるオスミウム
酸分解法に従って測定した。すなわち、芳香族ビニル−
共役ジエンブロック共重合体0.05gを四塩化炭素1
0mlに溶解し、tert−ブチルハイドロパーオキサ
イドの70%水溶液16mlと四塩化オスミウムの0.
05%クロロホルム溶液4mlを加え、90℃バス中に
て15分間還流を行い酸化分解反応を行った。反応終了
後、反応溶液を冷却し、該反応溶液中にメタノール20
0mlを撹拌下に加えてブロック芳香族ビニル成分を沈
殿させ、これを5μmのガラスフィルターにてろ別し、
この重量を芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体
中の全芳香族ビニル含有量に対する割合で示した。 (6)ブロック芳香族ビニル(A)部分のピークトップ
分子量(A−Mp)は、上記(5)で分離されたブロッ
ク芳香族ビニル成分をTHFに溶解し、GPCで測定さ
れるポリスチレン換算の値で示した。 (7)ブロック共重合体のベール成形性は、圧縮成形用
の金型形状 20(cm)×10(cm)×5(cm)
を用いて、圧縮圧力;60kg/cm2、圧縮時間;6
0秒、圧縮温度;50℃、使用サンプル量;1200g
の条件で成形し、得られた加圧成形体の表面状態を下記
基準で評価した。 ◎;極めて堅固に成形され、表面を手で触ってもゴムが
バラバラにならない。 ○;堅固に成形されるが、表面を手で触るとゴムが粉末
状に僅かに削れる。 ×;成形されるが、手でほぐすと容易に形状が壊れる。 (8)アイゾッド衝撃強度は、JIS K−7110に
従って測定し、比較例を100とする指数(数値が大き
い程好ましい。)で表示した。
【0066】[実施例1](ブロック共重合体の製造
例) 撹拌器、リフラックスコンデンサー及びジャケット付き
の2キロリットルの反応器を、洗浄乾燥し、窒素置換
後、予め精製、乾燥したシクロヘキサン700kg、及
びブタジエン83kgをいれて、50℃に昇温してか
ら、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.65mm
ol/ml)を390ml添加して重合を開始した(重
合1段目)。反応転化率が約100%になったところで
引き続き、ブタジエン7kgとスチレン6kgの混合溶
液を添加して重合した(重合2段目)。2段目の重合の
反応転化率が約100%になってから、スチレン4kg
を添加しさらに重合した(重合3段目)。3段目の反応
転化率が約100%になったところでイソプロピルアル
コールを1mol添加して重合を停止し、ついでフェノ
ール系老化防止剤(チバガイギー社製、イルガノックス
1076)を200g添加してから反応混合物を10k
g取り出して、スチームストリッピング法により脱溶媒
した後、真空乾燥してブロック共重合体Aを得た。
【0067】得られたブロック共重合体Aの芳香族ビニ
ル結合単位量、共役ジエン結合単位のビニル結合量、ブ
ロック共重合体のピークトップ分子量(Mp)、ブロッ
ク共重合体の分子量分布(Mw/Mn)、ブロック芳香
族ビニル(A)量、ブロック芳香族ビニル(A)部分の
ピークトップ分子量(A−Mp)、およびブロック共重
合体のベール成形性について検討し、その結果を表1に
示した。
【0068】[実施例2〜5]実施例1の方法に準じて
表1記載の条件にてブロック共重合体B〜Eを製造し、
実施例1と同様な評価を行った。その結果を表1に示し
た。
【0069】[比較例1〜3]実施例1と同じ反応器
を、洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製、乾燥したシク
ロヘキサン700kg、テトラメチルエチレンジアミン
(TMEDA)20mmol、及びブタジエン60k
g、スチレン17kgをいれて、50℃に昇温してか
ら、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.65mm
ol/ml)を420ml添加して重合を開始した(重
合1段目)。反応転化率が約100%になったところで
引き続き、スチレン23kgを添加して反応転化率が約
100%になるまで重合を行った。その後、イソプロピ
ルアルコールを1mol添加して重合を停止し、フェノ
ール系老化防止剤(チバガイギー社製、イルガノックス
1076)200gを添加してから反応混合物を10k
g取り出してスチームストリッピング法により脱溶媒し
た後、真空乾燥してブロック共重合体Fを得た。
【0070】得られたブロック共重合体Fの芳香族ビニ
ル含有量、共役ジエン結合単位のビニル結合量、ブロッ
ク共重合体のピークトップ分子量(Mp)、ブロック共
重合体の分子量分布(Mw/Mn)、ブロック芳香族ビ
ニル(A)量、ブロック芳香族ビニル(A)部分のピー
クトップ分子量(A−Mp)、およびブロック共重合体
のベール成形性について検討し、その結果を表1に示し
た。
【0071】[比較例2〜3]比較例1の方法に準じて
表1記載の条件にてブロック共重合体G〜Hを製造し、
比較例1と同様な評価を行った。その結果を表1に示し
た。
【0072】
【表1】
【0073】(*1)TMEDA
【0074】表1の結果より、本発明の芳香族ビニル−
共役ジエンブロック共重合体(実施例1〜5)は、ベー
ル成形性に優れ、特に、芳香族ビニル結合単位量が5〜
45重量%(実施例1〜5)、好ましくは5〜25重量
%(実施例1〜3)である時、及び/または、ブロック
芳香族ビニル(A)部分のピークトップ分子量(A−M
p)が3,000〜29,000(実施例1〜5)、好
ましくは5,000〜28,000(実施例1〜3)で
ある時にベール成形性が一層優れていることがわかる。
それに対して、ブロック芳香族ビニル(A)部分のピー
クトップ分子量(A−Mp)やブロック芳香族ビニル量
が過度に高い場合、あるいは芳香族ビニル−共役ジエン
ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が過度に
大きい場合はベール成形性に劣り(比較例1〜3)、特
に芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の分子量
分布(Mw/Mn)が過度に大きい場合にベール成形性
が著しく劣ることがわかる(比較例3)。また、表1の
結果より、1回の重合工程における芳香族ビニル量が過
度に多いとブロック芳香族ビニル(A)部分のピークト
ップ分子量(A−Mp)が大きくなり(比較例1)、混
合モノマーの重合工程を含まないとブロック芳香族ビニ
ル(A)量が過度に多く成り過ぎ(比較例2)、そして
第1段目の単量体量が過度に少ないとブロック共重合体
の分子量分布(Mw/Mn)が大きくなり(比較例
3)、いずれも好ましくないことがわかる。
【0075】[実施例6]撹拌装置つきステンレス製反
応機で、実施例1で得られたブロック共重合体A180
gをスチレンモノマー1820gに溶解させた後、連鎖
移動剤(n−ドデシルメルカプタン)をスチレンモノマ
ーに対し250ppmの割合で添加し、130℃で1時
間20分撹拌しバルク重合を行った。次いで、内容物を
取り出し、この内容物1250gとポリビニルアルコー
ル2%水溶液3750gを8リットルの撹拌装置付きス
テンレス製反応機に入れ、70℃に昇温した。次に、ベ
ンゾイルパーオキサイド2.5gとジクミルパーオキサ
イド1.26gを添加し、70℃で1時間、90℃で1
時間、110℃で1時間、130℃で4時間重合を行っ
た。重合終了後、室温まで冷却し、得られたポリスチレ
ン樹脂組成物をろ過、回収し、水洗い洗浄後、60℃で
6時間減圧乾燥した。
【0076】得られたポリスチレン樹脂組成物を180
℃のロールで練りシート状に成形し、シートペレタイザ
ーでペレット状にした。試験サンプルは、得られたペレ
ットを射出成形機SAV−30/30(山城精機社製;
金型温度50℃、ノズル先端温度240℃)にて射出成
形して試験片を作成し、そのIZOD衝撃強度を測定し
た。その結果を表2に示した。
【0077】[実施例7〜10、比較例4〜6]ブロッ
ク共重合体Aの代わりに実施例2〜5及び比較例1〜3
で製造したブロック共重合体B〜Hを用いる以外は実施
例6と同様に行いIZOD衝撃強度を測定した。その結
果を表2に示した。
【0078】
【表2】
【0079】(*1)比較例4を100とする指数
【0080】表2の結果より、本発明の芳香族ビニル−
共役ジエンブロック共重合体を用いた樹脂組成物(実施
例6〜10)は、充分に耐衝撃性に優れていることがわ
かる。特に、芳香族ビニル結合単位量が5〜45重量%
(実施例6〜10)、好ましくは5〜25重量%(実施
例6〜8)、及び/または、ブロック芳香族ビニル
(A)部分のピークトップ分子量(A−Mp)が3,0
00〜29,000(実施例6〜10)、好ましくは
5,000〜28,000(実施例6〜8)である芳香
族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を用いた時に、
耐衝撃性が一層優れていることがわかる。それに対し
て、ブロック芳香族ビニル(A)部分のピークトップ分
子量(A−Mp)やブロック芳香族ビニル(A)量が過
度に高いもの(比較例4〜5)や芳香族ビニル−共役ジ
エンブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が過
度に大きいもの(比較例6)などの芳香族ビニル−共役
ジエンブロック共重合体を用いると耐衝撃性の改善が充
分でないことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 212:04 220:42)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニル結合単位と共役ジエン結合
    単位とからなりブロック芳香族ビニル(A)を有する芳
    香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体であって、
    (i)ブロック共重合体中の芳香族ビニル結合単位量が
    3〜60重量%、(ii)芳香族ビニル結合単位中のブ
    ロック芳香族ビニル(A)量が40〜97重量%で、且
    つ、該ブロック芳香族ビニル(A)部分のピークトップ
    分子量(A−Mp)が1,000〜30,000、(i
    ii)ブロック共重合体のピークトップ分子量(Mp)
    が10,000〜1,500,000、(iv)ブロッ
    ク共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
    (Mn)との比(Mw/Mn)が1.10以下である芳
    香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体。
  2. 【請求項2】 炭化水素系溶媒中、有機活性金属を開始
    剤として用いて共役ジエンと芳香族ビニルとを順次重合
    する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の製造
    方法において、第1段目の重合工程における単量体量が
    全単量体中の60重量%以上で、芳香族ビニルと共役ジ
    エンとの混合モノマーを重合する工程を少なくとも含
    み、しかも、各重合工程における芳香族ビニル量が下式 芳香族ビニル量(g) ≦ 4000×有機活性金属モ
    ル数 を満たす範囲にあることを特徴とする芳香族ビニル−共
    役ジエンブロック共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の芳香族ビニル−共役ジエ
    ンブロック共重合体を有効成分とする樹脂用改質剤。
  4. 【請求項4】 樹脂と請求項3記載の樹脂用改質剤を含
    んでなる樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の芳香族ビニル−共役ジエ
    ンブロック共重合体の存在下で、芳香族ビニル系単量体
    または芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体との
    混合物を重合することを特徴とする樹脂組成物の製造方
    法。
JP2604197A 1997-01-24 1997-01-24 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3629872B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2604197A JP3629872B2 (ja) 1997-01-24 1997-01-24 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2604197A JP3629872B2 (ja) 1997-01-24 1997-01-24 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10204136A true JPH10204136A (ja) 1998-08-04
JP3629872B2 JP3629872B2 (ja) 2005-03-16

Family

ID=12182625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2604197A Expired - Fee Related JP3629872B2 (ja) 1997-01-24 1997-01-24 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3629872B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7034402B1 (en) 2000-06-28 2006-04-25 Intel Corporation Device with segmented ball limiting metallurgy
WO2006120995A1 (ja) * 2005-05-11 2006-11-16 Zeon Corporation ブロック共重合体、およびそれを含んでなる樹脂組成物とその製造方法
WO2007013541A1 (ja) 2005-07-29 2007-02-01 Zeon Corporation ブロック共重合体とその製造方法、樹脂改質用組成物、および改質樹脂組成物とその製造方法
WO2008001907A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Zeon Corporation copolymère séquencé, composition pour une modification de résine et composition de résine modifiée
WO2022034865A1 (ja) 2020-08-11 2022-02-17 旭化成株式会社 包装成形体、架橋用ゴム組成物、包装成形体の製造方法、架橋用ゴム組成物の製造方法、及びタイヤ用トレッド
WO2022065509A1 (ja) 2020-09-28 2022-03-31 旭化成株式会社 ベール成形体

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7034402B1 (en) 2000-06-28 2006-04-25 Intel Corporation Device with segmented ball limiting metallurgy
WO2006120995A1 (ja) * 2005-05-11 2006-11-16 Zeon Corporation ブロック共重合体、およびそれを含んでなる樹脂組成物とその製造方法
US8153727B2 (en) 2005-05-11 2012-04-10 Zeon Corporation Block copolymer, resin composition comprising same, and process for producing the resin composition
WO2007013541A1 (ja) 2005-07-29 2007-02-01 Zeon Corporation ブロック共重合体とその製造方法、樹脂改質用組成物、および改質樹脂組成物とその製造方法
US8637604B2 (en) 2005-07-29 2014-01-28 Zeon Corporation Block copolymer and method for producing same, composition for resin modification and modified resin composition, and method for producing same
WO2008001907A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Zeon Corporation copolymère séquencé, composition pour une modification de résine et composition de résine modifiée
JP5577593B2 (ja) * 2006-06-30 2014-08-27 日本ゼオン株式会社 ブロック共重合体、樹脂改質用組成物および改質樹脂組成物
WO2022034865A1 (ja) 2020-08-11 2022-02-17 旭化成株式会社 包装成形体、架橋用ゴム組成物、包装成形体の製造方法、架橋用ゴム組成物の製造方法、及びタイヤ用トレッド
WO2022065509A1 (ja) 2020-09-28 2022-03-31 旭化成株式会社 ベール成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3629872B2 (ja) 2005-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2001062813A1 (fr) Caoutchouc de copolymere bloc, modificateur de resine, et composition de resine
JPH1060174A (ja) ポリブタジエンゴム及び耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物
JP3985293B2 (ja) ブロック共重合体及びその製造方法
EP0879836B1 (en) Aromatic vinyl-conjugated diene block copolymer and production process thereof
JP3629872B2 (ja) 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体およびその製造方法
JP6010320B2 (ja) 選択部分水添された分岐状共役ジエン重合体及びこれを用いたビニル芳香族系樹脂の製造方法
US6162873A (en) Aromatic vinyl-conjugated diene block copolymer and production process thereof
JP4029471B2 (ja) 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及びその製造方法
JP3876940B2 (ja) 芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、その製造方法、及び樹脂組成物
JP4029470B2 (ja) 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及びその製造方法
JP5577593B2 (ja) ブロック共重合体、樹脂改質用組成物および改質樹脂組成物
JP3414429B2 (ja) ゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂組成物及びその製造方法
JPH0768319B2 (ja) スチレン系樹脂
JP2844173B2 (ja) 耐衝撃性透明樹脂組成物
JP2000001516A (ja) 樹脂改質剤、それを含む樹脂組成物、およびポリ芳香族ビニル系樹脂組成物
JP3658861B2 (ja) 星型分岐ポリスチレンを含有する樹脂組成物
JP3688069B2 (ja) 樹脂シート
JPH09302051A (ja) 高光沢耐衝撃性スチレン系樹脂組成物及びその製造方法
JPH01172413A (ja) 耐衝撃性スチレン系樹脂及びその製造方法
JP2004250679A (ja) スチレン系樹脂組成物
JP2003113281A (ja) 射出成形用組成物
JP2598264B2 (ja) 耐衝撃性スチレン系樹脂組成物とその製造方法
JP3383011B2 (ja) 耐衝撃性樹脂組成物
JPH09302044A (ja) 耐衝撃性スチレン系樹脂組成物及びその製造方法
JP3599072B2 (ja) ビニル芳香族重合体含有樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040524

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040602

A521 Written amendment

Effective date: 20040802

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040901

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20041124

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041207

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071224

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees