JP5577593B2 - ブロック共重合体、樹脂改質用組成物および改質樹脂組成物 - Google Patents

ブロック共重合体、樹脂改質用組成物および改質樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ブロック共重合体、樹脂改質用組成物および改質樹脂組成物に関し、詳しくは、樹脂改質剤として用いた場合に、耐衝撃性に優れ、成形品でのフィッシュ・アイを生じにくく、成形加工性も良好な樹脂を実現できるブロック共重合体、該ブロック共重合体を含んでなる樹脂改質用組成物、および該樹脂改質用組成物を含んでなる改質樹脂組成物に関する。
スチレン系樹脂は、成形加工性や機械的特性に優れていることに加え、安価であることから多岐の用途に使用されている。特に、ポリブタジエンが配合された改質スチレン系樹脂の成形品は、耐衝撃性が大きくなるので家庭用電器、事務機器、包装容器、雑貨など多岐の分野で多用されている。しかし、ポリブタジエンを配合したスチレン系の改質樹脂組成物は、成形加工性(流動性)が著しく低下するという欠点を有している。
なお、スチレン系樹脂のようにベースとなる樹脂を「基材樹脂」といい、ポリブタジエンのように基材樹脂の特性を改質する成分を「改質剤」という。
耐衝撃性のあるスチレン系樹脂成形品を得るための他の方法として、n−ブチルリチウムなどのアルカリ金属触媒を用いる重合によって得られるスチレン−ブタジエンブロック共重合体をスチレン系樹脂に配合する技術が提案された(特許文献1〜3参照)。しかしながら、これらのブロック共重合体は、配合された樹脂の成形品の耐衝撃性を改善する作用を有するものの、製造過程で通常使用される押出乾燥機では乾燥効率が悪くて多大のエネルギーを要するうえに、過剰に乾燥させるとゲル分が多くなって樹脂改質に用いられるとフィッシュ・アイの多い成形品を与えるという問題を有している。
なお、本発明において、改質剤と熱安定剤、可塑剤などの必要に応じて加えられる配合剤とを含んでなる組成物を「樹脂改質用組成物」、基材樹脂と改質剤または樹脂改質用組成物とを含んでなる組成物を「改質樹脂組成物」、また、該改質樹脂組成物の成形品を「改質樹脂成形品」という。
特開昭63−48317号公報 特開平1−172413号公報 特開平5−331349号公報
本発明の目的は、樹脂の改質剤として用いた場合に、耐衝撃性に優れ、成形品でのフィッシュ・アイを生じにくく、成形加工性も良好な改質樹脂組成物を与えることのできるブロック共重合体、該ブロック共重合体を含んでなる樹脂改質用組成物、および該樹脂改質用組成物を含んでなる改質樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、それぞれ特定の単量体単位組成と特定のガラス転移温度を有する2つの重合体ブロックを含有し、特定の芳香族ビニル単量体単位含有量、および特定の5重量%スチレン溶液粘度を有するブロック共重合体により上記目的が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、共役ジエン単量体単位を含有する重合体ブロックAと、共役ジエン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を含有する重合体ブロックBと、を含んでなるブロック共重合体であって、(1)重合体ブロックAのガラス転移温度が−85℃〜−40℃の範囲であり、(2)重合体ブロックBのガラス転移温度が30℃〜95℃の範囲であり、(3)ブロック共重合体全体における芳香族ビニル単量体単位含有量が0.5重量%以上、30重量%未満であり、(4)5重量%スチレン溶液粘度が0.1mPa・s以上、30mPa・s未満であるブロック共重合体が提供される。
また、本発明によれば、上記のブロック共重合体を含んでなる樹脂改質用組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、上記の樹脂改質用組成物と、基材樹脂とを含んでなる改質樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、樹脂の改質剤として用いた場合に、耐衝撃性に優れ、成形品でのフィッシュ・アイを生じにくく、成形加工性も良好な改質樹脂組成物を与えることのできるブロック共重合体、該ブロック共重合体を含んでなる樹脂改質用組成物、および該樹脂改質用組成物を含んでなる改質樹脂組成物が提供される。
本発明のブロック共重合体は、少なくとも2つの重合体ブロック(重合体ブロックAおよび重合体ブロックB)を含んでなるものである。
本発明のブロック共重合体を構成する重合体ブロックAは、少なくとも共役ジエン単量体単位を含んでなり、−85〜−40℃のガラス転移温度を有することが必要であり、−85〜−50℃のガラス転移温度を有することが好ましい。重合体ブロックAのガラス転移温度が低すぎると、ブロック共重合体が製造時に乾燥させ難く、乾燥のために過大な熱がかかり、劣化するため、得られた改質樹脂成形品にフィッシュ・アイを生じ易い。逆に、高すぎると改質樹脂組成物の耐衝撃性に劣る。
重合体ブロックAに含まれる共役ジエン単量体単位を形成するための単量体としては、共役ジエン単量体であれば特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンが挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエンおよび2−メチル−1,3−ブタジエンが好ましく、ブロック共重合体の品質安定性を良好にする観点からは、切断反応を受け難い1,3−ブタジエンが特に好ましい。これらの共役ジエン単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、重合体ブロックAは、共役ジエン単量体単位以外の単量体単位を含んで構成されてもよい。特に、重合体ブロックAに含まれる共役ジエン単量体単位が、それのみではガラス転移温度が−85〜−40℃である重合体ブロックを構成できないものである場合は、重合体ブロックAが、共役ジエン単量体単位以外の単量体単位を含んで構成されることが必要である。重合体ブロックAを構成する共役ジエン単量体単位以外の単量体単位は、特に限定されないが、少なくとも芳香族ビニル単量体単位が含まれることが好ましい。
重合体ブロックAに含まれ得る芳香族ビニル単量体単位を形成するための単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、2−メチル−4,6−ジクロロスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル単量体が挙げられる。これらのなかでも、スチレン、α−メチルスチレンおよび4−メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。これらの芳香族ビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体ブロックAに含まれる共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との割合は、適宜選択可能であるが、(芳香族ビニル単量体単位)/(共役ジエン単量体単位)の重量比で、通常、0/100〜85/15、好ましくは5/95〜70/30、より好ましくは10/90〜40/60である。
共役ジエン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位以外の重合体ブロックAに含まれ得る単量体単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸または酸無水物;メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどの不飽和カルボン酸エステル;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエンなどを単量体として用いて得られる単量体単位が例示される。この単量体単位の量は、重合体ブロックAの重量に基づき、0〜5重量%であることが好ましい。なお、重合体ブロックAが2種以上の単量体単位を含んでなる場合において、その2種以上の単量体単位の結合様式は特に限定されない。
本発明のブロック共重合体を構成する重合体ブロックBは、少なくとも共役ジエン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を含んでなり、そのガラス転移温度は30〜95℃、好ましくは40〜95℃、より好ましくは50〜93℃である。重合体ブロックBのガラス転移温度が低すぎるとブロック共重合体が凝固し難くて製造が困難となるおそれがあり、逆に、高すぎるとブロック共重合体が製造時に乾燥させ難く、乾燥のために過大な熱がかかり、劣化するため、得られた改質樹脂成形品にフィッシュ・アイを生じ易いものとなるうえに、得られる改質樹脂組成物の耐衝撃性も低下する。
重合体ブロックBに含まれる共役ジエン単量体単位を形成するための単量体としては、共役ジエン単量体であれば特に限定されず、例えば、重合体ブロックAに含まれる共役ジエン単量体単位を形成するための単量体として例示したものが用いられ、なかでも、1,3−ブタジエンおよび2−メチル−1,3−ブタジエンが好ましく、ブロック共重合体の品質安定性を良好にする観点からは、切断反応を受け難い1,3−ブタジエンが特に好ましい。これらの共役ジエン単量体は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体ブロックBに含まれる芳香族ビニル単量体単位を形成するための単量体としては、例えば、重合体ブロックAに含まれる芳香族ビニル単量体単位を形成するための単量体として例示したものが挙げられ、なかでもスチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル単量体は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体ブロックBに含まれる共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との割合は、適宜選択可能であるが、(芳香族ビニル単量体単位)/(共役ジエン単量体単位)の重量比で、通常、99/1〜50/50、好ましくは98/2〜60/40、より好ましくは95/5〜70/30である。
また、重合体ブロックBは、共役ジエン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位を含んで構成されてもよい。そのような単量体単位を形成する単量体としては、例えば、重合体ブロックAに含まれ得る共役ジエン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位を構成するための単量体として例示したものが用いられる。この単量体単位の量は、重合体ブロックBの重量に基づき、0〜5重量%であることが好ましい。なお、重合体ブロックBの各単量体単位の結合様式は特に限定されない。
本発明のブロック共重合体は、上記の重合体ブロックAと重合体ブロックBとを、それぞれ少なくとも1つ含んでなるものであるが、重合体ブロックAや重合体ブロックBを複数含んだものであってもよく、また、重合体ブロックAや重合体ブロックB以外の重合体ブロックを含んだものであってもよい。重合体ブロックAや重合体ブロックB以外の重合体ブロックとしては、特に限定されないが、例えば、95℃を超えるガラス転移温度を有する重合体ブロック、−40℃を超え30℃未満のガラス転移温度を有する重合体ブロック、−85℃未満のガラス転移温度を有する重合体ブロック、−85〜−40℃のガラス転移温度を有するが共役ジエン単量体単位を含まない重合体ブロック、30〜95℃のガラス転移温度を有するが共役ジエン単量体単位か芳香族ビニル単量体単位の少なくとも一方を含まない重合体ブロックなどが挙げられる。
本発明のブロック共重合体における各重合体ブロック間の結合様式は、特に限定されず、例えば、直鎖状、櫛型状、星型状のブロック共重合体であってもよい。
本発明のブロック共重合体における重合体ブロックAと重合体ブロックBとの重量比(重合体ブロックAまたはBが複数ある場合はそれらの合計重量を基準とする。)は、(重合体ブロックAの重量)/(重合体ブロックBの重量)として、0.43〜49であることが好ましく、0.67〜30であることがより好ましく、1〜9であることがより好ましい。この重量比が小さすぎるとブロック共重合体が脆く崩れやすくなることにより製造上問題となり、大きすぎるとブロック共重合体が粘着してコールドフローしやすくなることにより製造上問題となる。
本発明のブロック共重合体全体における芳香族ビニル単量体単位含有量は、0.5重量%以上、30重量%未満であることが必要であり、3〜30重量%未満であることが好ましい。ブロック共重合体における芳香族ビニル単量体単位含有量が少ないと、ブロック共重合体が製造時に乾燥させ難く、乾燥のために過大な熱がかかり、劣化するため、得られた改質樹脂成形品にフィッシュ・アイを生じ易い。逆に、この芳香族ビニル単量体単位含有量が多いと、改質樹脂組成物の耐衝撃性に劣る。
本発明のブロック共重合体全体における共役ジエン単量体単位含有量は、70〜99.5重量%であることが好ましく、70〜97重量%であることがより好ましい。また、本発明のブロック共重合体全体における共役ジエン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位含有量は、特に限定されないが、25重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、5重量%以下であることが特に好ましい。
本発明のブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位部分におけるビニル結合(1,2−ビニル結合および3,4−ビニル結合)の割合は、該ブロック共重合体を用いて得られる改質樹脂組成物の耐衝撃性をより良好にする観点より、全共役ジエン単量体単位の50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、5〜30重量%であることが特に好ましい。
本発明のブロック共重合体の25℃での5重量%スチレン溶液粘度は、0.1mPa・s以上、30mPa・s未満であることが必要で、1〜29mPa・sであることが好ましく、3〜28mPa・sであることがより好ましい。この粘度が低いと得られる改質樹脂組成物の耐衝撃性が低下し、逆に、高いと改質樹脂組成物の成形加工性が低下する。
本発明のブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、示差屈折検出器を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算値で、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜750,000、より好ましくは10,000〜500,000である。Mwが小さすぎると得られる改質樹脂組成物の耐衝撃性が不十分となるおそれがあり、逆に、Mwが大きすぎると該ブロック共重合体の溶液粘度が高くなってブロック共重合体の製造工程で問題が生じる可能性がある。また、Mwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)として、1〜1.5であることが好ましい。ブロック共重合体の分子量分布が広すぎると得られる改質樹脂組成物の耐衝撃性が不十分となるおそれがある。
また、本発明のブロック共重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、特に限定されないが、通常、10〜140、好ましくは15〜70、より好ましくは20〜50である。このムーニー粘度が低すぎると得られる改質樹脂組成物の耐衝撃性が不十分となるおそれがあり、逆に、高すぎるとブロック共重合体が製造時に乾燥させ難くなって不具合を生じる可能性がある。
本発明のブロック共重合体は、従来公知のブロック共重合体の製造方法を適用して得ることが可能である。その具体例としては、重合体ブロックAおよび重合体ブロックBのうち、いずれか一方を形成するための単量体を重合開始剤の存在下に反応器中で重合し、次いで、他方を形成するための単量体を反応器に添加してさらに重合を行う方法が挙げられる。なお、このようにしてブロック共重合体を得る場合において、必要に応じて、重合体ブロックAおよび重合体ブロックBを形成するための単量体を重合する前後や、その中間に、重合体ブロックAおよび重合体ブロックB以外の重合体ブロックを形成するための単量体を反応器に添加して重合を行ってもよい。
本発明のブロック共重合体を製造する際に用いる重合開始剤としては、一般的に共役ジエン単量体に対しアニオン重合活性があることが知られている有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物、有機ランタノイド系列希土類金属化合物などを用いることができる。
有機アルカリ金属化合物としては、分子中に1個以上のリチウム原子を有する有機リチウム化合物が特に好適に用いられ、その具体例としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム、ジアルキルアミノリチウム、ジフェニルアミノリチウム、ジトリメチルシリルアミノリチウムなどの有機モノリチウム化合物や、メチレンジリチウム、テトラメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、イソプレニルジリチウム、1,4−ジリチオ−エチルシクロヘキサンなどの有機ジリチウム化合物、さらには、1,3,5−トリリチオベンゼンなどの有機トリリチウム化合物などが挙げられる。これらのなかでも、有機モノリチウム化合物が特に好適に用いられる。
重合開始剤として用いる有機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、n−ブチルマグネシウムブロミド、n−ヘキシルマグネシウムブロミド、エトキシカルシウム、ステアリン酸カルシウム、t−ブトキシストロンチウム、エトキシバリウム、イソプロポキシバリウム、エチルメルカプトバリウム、t−ブトキシバリウム、フェノキシバリウム、ジエチルアミノバリウム、ステアリン酸バリウム、エチルバリウムなどが挙げられる。
有機ランタノイド系列希土類金属化合物の具体例としては、ネオジム、サマリニウム、ガドリニウムなどを含むランタノイド系列希土類金属化合物/アルキルアルミニウム/アルキルアルミニウムハライド/アルキルアルミニウムハイドライドからなる複合触媒が挙げられる。
また、その他の重合開始剤としては、チタン、バナジウム、サマリニウム、ガドリニウムなどを含むメタロセン型触媒などの有機溶媒中で均一系となり、リビング重合性を有するものなどが挙げられる。
なお、これらの重合開始剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
重合開始剤の使用量は、目的とするブロック共重合体の分子量に応じて決定すればよく、特に限定されないが、ブロック共重合体全体を構成するために使用する単量体100gあたり、通常、0.01〜20ミリモル、好ましくは、0.05〜15ミリモル、より好ましくは、0.1〜10ミリモルである。
重合に用いる溶媒は、重合開始剤に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、鎖状炭化水素溶媒、環式炭化水素溶媒またはこれらの混合溶媒が使用される。鎖状炭化水素溶媒としてはn−ブタン、イソブタン、1−ブテン、イソブチレン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、トランス−2−ペンテン、シス−2−ペンテン、n−ペンタン、イソペンタン、neo−ペンタン、n−ヘキサンなどの、炭素数4〜6の鎖状アルカンおよびアルケンを例示することができる。環式炭化水素溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素化合物;を挙げることができる。これらの溶媒は、1種類を単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
重合に用いる溶媒の量は、特に限定されないが、重合反応後の溶液におけるブロック共重合体の濃度が、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%になるように設定する。
連鎖移動反応などに起因する低分子量の重合体の生成を抑えるため、溶媒や共役ジエン単量体中に不純物として含まれる1,2−ブタジエン、アセチレン類などの重合阻害物質の反応器へ混入量を極力少なくすることが好ましい。これらの重合阻害物質の量は、重合に用いる反応器内において、通常、200ppm以下、好ましくは100ppm以下、特に好ましくは20ppm以下とする。
ブロック共重合体を重合反応で得る際に、ブロック共重合体の各重合体ブロックの構造を制御するために、重合に用いる反応器にルイス塩基化合物を添加してもよい。このルイス塩基化合物としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジンなどの第三級アミン類;カリウム−t−アミルオキシド、カリウム−t−ブチルオキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類;トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類;などが挙げられる。これらのルイス塩基化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられ、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
重合反応時にルイス塩基化合物を添加する時期は特に限定されず、目的とするブロック共重合体の構造に応じて適宜決定すれば良い。例えば、重合を開始する前に予め添加しても良いし、一部の重合体ブロックを重合してから添加しても良く、さらには、重合を開始する前に予め添加した上で一部の重合体ブロックを重合した後さらに添加しても良い。
ブロック共重合体を製造する重合反応温度は、通常、10〜150℃、好ましくは30〜130℃、より好ましくは40〜90℃である。重合に要する時間は条件によって異なるが、通常、48時間以内、好ましくは0.5〜10時間である。反応温度の制御が困難な場合には還流型凝縮器(コンデンサー)を設置した反応容器を用い還流冷却による温度制御を行うのが好ましい。重合は、窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行うことが望ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲で単量体および溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されない。
本発明のブロック共重合体は、カップリング剤によりカップリングされたものであってもよい。カップリングさせて得られるブロック共重合体は、凝固させてポリマーを析出させることがより容易となる。この場合に用いるカップリング剤は特に限定されないが、例えば、ジメチルジクロロスズ、メチルトリクロロスズ、四塩化スズなどの錫系カップリング剤、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、四塩化ケイ素、ジフェノキシジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、ビス(トリクロロシリル)メタン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、テトラメトキシシラン、ヘキサメトキシジシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、テトラエトキシシラン、ヘキサエトキシジシラン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタンなどのケイ素系カップリング剤、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエンなどのエポキシ系カップリング剤、四塩化チタンなどの金属塩化物系カップリング剤、リン系カップリング剤、イソシアネート系カップリング剤、シリコーンオイル系カップリング剤などを挙げることができる。
そのカップリング率も特に限定されないが、通常、30〜100重量%、好ましくは、50〜100重量%である。なお、カップリング率とは、最終的に得られるブロック共重合体の全量に対して、カップリング剤と反応させる前の活性末端を有するブロック共重合体のピークトップ分子量の2倍以上の分子量を有する重合体分子の重量分率である。
重合反応が終了したら、必要に応じて水、メタノール、エタノール、プロパノール、塩酸、クエン酸などの重合停止剤;熱安定剤;鉱物系プロセス油、合成系プロセス油などの伸展剤;中和剤;などを添加し、次いで重合体溶液からブロック共重合体を回収する。ブロック共重合体を回収する方法としては、重合体溶液から溶剤を除去する直接乾燥法および重合体の分離手段として一般的に用いられているスチームストリッピングなどの公知の凝固方法を採用することができる。
ブロック共重合体がスチームストリッピングなどによって凝固されてスラリーとして回収される場合は、通常、押出機型スクイザーなどの任意の脱水機を用いて脱水して、所定値以下の含水率を有するクラムとし、さらにそのクラムをバンドドライヤーあるいはエクスパンション押出乾燥機などの任意の乾燥機を用いて乾燥する。ブロック共重合体に、一定以上(例えば、1.5重量%以上)の揮発分が残存していると、それを用いて得られる改質樹脂組成物が白濁しやすいものとなるので、この乾燥は十分に行う必要がある。
本発明のブロック共重合体は、従来の樹脂改質用のゴム質ブロック共重合体に比して、乾燥によって容易に残存揮発分を低減させることが可能である。すなわち、乾燥を効率良く行うことができる。また、本発明のブロック共重合体は、容易に残存揮発分を低減させることができるので、乾燥のために過大な熱をかける必要がないので劣化し難く、そのためにこのブロック共重合体を用いて得られる改質樹脂組成物は、改質樹脂成形品にフィッシュ・アイを生じ難い。
以上のように本発明のブロック共重合体は、製造過程において乾燥させることが容易なため生産性良く製造することが可能であることにより、改質樹脂成形品にフィッシュ・アイを発生しにくく、耐衝撃性に優れ、成形加工性も良好な改質樹脂組成物を与えることができる。したがって、本発明のブロック共重合体は、樹脂改質用途に特に好適に用いられるものである。
本発明の樹脂改質用組成物は、前記のブロック共重合体を含んでなるものである。
本発明のブロック共重合体を基材樹脂に配合することにより、成形品の耐衝撃性、透明性、光沢性などの性状を改質できる。また、本発明のブロック共重合体を基材樹脂に配合する以前の段階で、予め該ブロック共重合体と従来公知の配合剤とを混合して、本発明の樹脂改質用組成物を形成しておくことができる。そのような配合剤としては、熱安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料、離型剤、帯電防止剤、難燃剤などが挙げられるが、少なくとも、熱安定剤が用いられることが好ましい。
熱安定剤としては、特に限定されず、例えば、ホスファイト化合物熱安定剤、ホスホナイト化合物熱安定剤、アクリレート化合物熱安定剤、フェノール化合物熱安定剤、アミン化合物熱安定剤などを用いることができる。これらの熱安定剤は、1種類を単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
熱安定剤の使用量(2種以上用いる場合はその総量)は、ブロック共重合体100重量部当たり、通常、0.01〜0.5重量部、好ましくは0.02〜0.3重量部、更に好ましくは0.03〜0.25重量部である。熱安定剤の使用量がこの範囲内であるとき、樹脂改質用組成物中のブロック共重合体の着色、劣化が起こり難く、得られる改質樹脂組成物の色調および光沢が良好となる。
本発明の樹脂改質用組成物を調製するには、上述のブロック共重合体に必要に応じて上記の各種配合剤を配合すればよい。その配合方法に特に限定はないが、重合後で、凝固前のブロック共重合体の溶液に添加すると、各種配合剤を均一に分散させることが容易なので好ましい。
本発明の改質樹脂組成物は、前記樹脂改質用組成物と、基材樹脂とを含んでなるものである。
基材樹脂としては、特に限定されないが、芳香族ビニル単量体単位を含有する芳香族ビニル系樹脂や、オレフィン系樹脂などを好ましく例示することができる。
芳香族ビニル系樹脂の例としては、アクリロニトリル−アクリレート−スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂、メチルメタクリレート−スチレン樹脂などのスチレン系樹脂を挙げることができる。また、オレフィン系樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。さらに、基材樹脂は、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステルなどの樹脂であってもよい。なかでも芳香族ビニル単量体単位を含んでなるものが特に好ましい。これらの基材樹脂は、一種類を単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。
本発明の改質樹脂組成物における樹脂改質用組成物と基材樹脂との配合割合は、前記のブロック共重合体/基材樹脂の配合比率で、通常、2/98〜50/50、好ましくは3/97〜40/60、より好ましくは5/95〜30/70である。ブロック共重合体の比率が高すぎると改質樹脂組成物の光沢、剛性、耐候性、硬度などが劣るおそれがあり、逆に、低すぎると改質樹脂組成物の耐衝撃性が低下する傾向にある。
本発明の改質樹脂組成物を製造する方法は、特に限定されず、基材樹脂と樹脂改質用組成物とを任意の方法で混合してもよく、また、樹脂改質用組成物の存在下で基材樹脂の原料となる単量体(以下、「樹脂単量体」ということがある。)を重合してもよい。後者の方法によると、耐衝撃性により優れた改質樹脂組成物を得ることができるので好ましい。
基材樹脂と樹脂改質用組成物との混合は、一軸押出機または二軸などの多軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダーなどの各種混練装置を用いて行うことができる。混合温度は、好ましくは100〜250℃の範囲である。
樹脂改質用組成物の存在下で、樹脂単量体を重合するには、重合反応器中で樹脂改質用組成物を樹脂単量体に溶解または分散させた状態で重合する。重合方法は、特に限定されず、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法などの何れでもよい。
塊状重合法では、樹脂単量体中に樹脂改質用組成物および重合開始剤を溶解または分散させ、必要に応じて、分子量調節剤、滑剤などを添加し、不活性ガス雰囲気下で攪拌しながら重合すればよい。芳香族ビニル単量体を塊状重合法で重合する場合は、重合温度は60〜200℃が好ましい。懸濁重合法では、塊状重合法と同様に樹脂単量体中に樹脂改質用組成物および重合開始剤を溶解し、必要に応じて、分子量調節剤、滑剤などを添加した溶液を、懸濁安定剤を溶解した水溶液中に分散させ、撹拌により懸濁状態を保持しつつ重合し、重合終了後に懸濁安定剤を十分に水洗して除去して、改質樹脂組成物を回収すればよい。芳香族ビニル単量体を懸濁重合法で重合する場合は、60〜150℃で重合を完結させることが好ましい。溶液重合法では、塊状重合法と同様に樹脂単量体中に樹脂改質用組成物および重合開始剤を溶解させ、必要に応じて、分子量調節剤、滑剤、更に粘度調節のための有機溶媒などを添加して、不活性ガス雰囲気下で攪拌しながら重合すればよい。芳香族ビニル単量体を溶液重合法で重合する場合は、重合温度は、60〜200℃が好ましい。樹脂単量体の10〜50重量%程度が重合するまで塊状重合し、次いで、懸濁重合したり、溶液重合したりする二段階重合法で重合してもよい。重合終了後、常法により凝固・乾燥などの処理を行って、改質樹脂組成物を回収する。
本発明の改質樹脂組成物は、基材樹脂が熱可塑性樹脂である場合、JIS K7210に準じて、220℃、10kgの荷重で測定したメルトマスフローレートの下限が、好ましくは5、より好ましくは10のものであり、上限が好ましくは80のものである。メルトマスフローレートが上記範囲内にあることにより、改質樹脂組成物の成形加工性と耐衝撃性とが高度にバランスされる。
本発明の改質樹脂組成物には、必要に応じて、樹脂工業において通常使用される各種配合剤を添加することができる。このような配合剤としては、熱安定剤、ミネラルオイル、流動パラフィン、有機または無機の充填剤、耐候安定剤、耐光安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料、離型剤、帯電防止剤、難燃剤などを例示することができる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、各例中の「部」は特に断りのない限り重量基準である。なお、試験、評価は下記によった。
〔ブロック共重合体の重量平均分子量〕
テトラヒドロフランをキャリアーとするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算分子量として求めた。具体的には、高速液体クロマトグラフィー装置HLC8220およびカラムGMH−HR−Hを2本(何れも東ソー社製)を用い、さらに、検出器として、示差屈折率計(示差屈折検出器)を用いて測定した。なお、測定試料としては、重合体濃度0.045%のテトラヒドロフラン溶液0.1mlを用い、測定時の送液流量は1ml/分とした。
〔ブロック共重合体中の単量体単位含有量および共役ジエン単量体単位部分におけるビニル結合の割合(ビニル結合量)〕
JEOL社製400MHzNMR装置を用いて、プロトンNMRにより測定した。
〔重合体ブロックのガラス転移温度〕
ブロック共重合体を測定試料とし、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製)を用いて、次の条件で測定した。すなわち、室温(23℃)から120℃まで昇温、120℃を10分間保持、−120℃まで降温(冷却速度100℃/分)、−120℃を10分間保持、150℃まで昇温(加熱速度60℃/分)の順で測定試料の温度を変化させ、中点の2回平均値をガラス転移温度とした。
〔ブロック共重合体の5重量%スチレン溶液粘度〕
25℃において、オストワルド粘度計を用いて測定した。
〔凝固性〕
スチームストリッピング法にて脱溶媒する操作において、クラムサイズの違いで凝固性を判断した。(クラムサイズが大きすぎると残存溶剤分が多くなりやすく、配管の閉塞などの不具合が起き易い。)
スチームストリッピング法は、毎時150リットルで流れる重合体溶液に300kPaのスチームを毎時200kgで吹き付け、800リットルの凝固タンクに、このスチームと重合体溶液の混合物を連続的に受け入れ、更に凝固タンクにスチームと水を供給し105℃に保持させ、重合体と水の重量比が5/95になるように攪拌しながら溶媒や未反応モノマーを回収し、重合体凝固物と水の混合物を得ることでおこなった。
得られた重合体凝固物(クラム)の最大長を500個測定し、その平均値から以下のように判定した。
判定:クラム平均最大長
◎ :0.5〜2.0cm
○ :2.0〜5.0cm
× :5.0cm以上
〔樹脂改質用組成物の残存揮発分量〕
得られた樹脂改質用組成物を110℃のオーブン中で1時間乾燥し、その前後の重量に基づき、次式により残存揮発分量の割合(V0)を求めた。なお、比較例においては残存揮発分が1.5重量%より大きかったため、樹脂改質用組成物を135℃に加熱されたエクスパンション押出乾燥機(全長:1200mm、直径:250mm)に再投入し、押出して残存揮発分を揮発させてから上記と同様にして求めた。
0=〔(S−B0)/S〕×100 (単位:%)
(ここで、Sは乾燥前のクラムの重量であり、B0は乾燥後のクラムの重量である。)
〔樹脂改質用組成物のゲル量〕
得られた樹脂改質用組成物を60℃の真空乾燥機中で1時間乾燥した。乾燥後の試料5gを、三角フラスコに入れたキシレン95gに投入し、マグネチックスターラーで4時間攪拌した後、ゲル分(キシレン不溶分)を、JIS P3801において2種に分類されるろ紙を用いて濾別した。ろ紙上のゲル分をオスミニウム酸で染色した上で、目視で観察し、以下の基準で判定した。なお、比較例においては残存揮発分が1.5重量%より大きいかったため、その樹脂改質用組成物を135℃に加熱されたエクスパンション押出乾燥機(全長:1200mm、直径:250mm)に再投入し、押出して水分を揮発させてから上記と同様にしてゲル量を求めた。また、比較例においては参考として再投入前のサンプルのゲル量も測定した。
判定 :観察結果
1 :直径0.5mm以上のゲルがない
2 :直径0.5〜1mm程度のゲルが数個観察される。
3 :直径1mm程度のゲルがろ紙一面に観察される。
4 :直径1mm程度のゲルのほかに、直径2.5mm程度のゲルが観察される。
〔改質樹脂組成物のシャルピー衝撃強度〕
JIS K7111に準じて、23℃、ノッチ付きで測定した。
〔改質樹脂組成物のメルトマスフローレート〕
JIS K7210に準じて、220℃、10kgの荷重で測定した。10g/10min以上であると成形加工性が良好となり好ましい。
〔改質樹脂成形品に生じるフィッシュ・アイ〕
改質樹脂組成物を、幅30cmのTダイを備えた40mmの単軸押出機から200℃で押出した後、1.5倍の延伸をかけて、厚さ0.2mmのフィルムを作製した。フィルムの作製から30分後に、そのフィルムの30cm×10cmの範囲にある直径3mm以上のフィッシュ・アイの数を数え、その数が5個以上のときはフィッシュ・アイが「あり」とし、4個以下のときはフィッシュ・アイが「なし」とした。
〔実施例1〕
コンデンサー、攪拌器およびジャケットを備えたオートクレーブ(容量2,000リットル)に、n−ブタン30%とシクロヘキサン70%とからなる混合溶媒を600kg、スチレン8.0kg、および1,3−ブタジエン24.0kgを入れ、さらに、テトラメチルエチレンジアミンを0.17モル添加し、系の温度を50℃に調整した。次いで、この系に、予め0.9モル/Lに調整したn−ブチルリチウムのヘキサン溶液を圧力上昇と温度上昇を確認しながら重合反応が進行する直前まで少しずつ滴下することにより系中の重合失活成分を除去した。
次いで、同じ濃度のn−ブチルリチウムのヘキサン溶液を系中のリチウム量が3.3モルとなるように添加して重合を開始した。反応開始10分後からスチレン4.0kgと1,3−ブタジエン84.0kgとを60分にわたって添加した。系の温度は、反応開始後30分で80℃に達し、その後はコンデンサーを制御することにより、80℃を維持した。後から添加した単量体の添加が終了してから30分後に、重合転化率は実質的に100%となり、重合体ブロックAの重合が完了したことを確認した。
次いで、この系に、スチレン28.5kgと1,3−ブタジエン1.5kgとを30分にわたって添加した。単量体の添加が終了してから40分後に重合転化率は実質的に100%となり、重合体ブロックBの重合が完了したことを確認してから、系にメタノール2.0モルを添加して重合反応を停止した。
反応停止後、この系に熱安定剤として、2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール(イルガノックス1520L、チバスペシャリティーケミカルズ社製)をブロック共重合体100部に対して0.18部添加して均一化し、スチームストリッピング法により脱溶媒してブロック共重合体および熱安定剤からなる樹脂改質用組成物が懸濁するスラリーを得た。
その後、樹脂改質用組成物のスラリーを約70℃に調整して押出機型スクイザー(全長:890mm、直径:230mm、スリット存在部分の長さ:482mm、スリット幅:0.1mm、絞りの回転数:100rpm、温度:40℃)を用いて脱水した。得られた含水クラムを、135℃に加熱されたエクスパンション押出乾燥機(全長:1200mm、直径:250mm)に入れ、押出して水分を揮発させた。押出機のダイヘッドは約150℃であった。
次いで、エクスパンション押出乾燥機に直結された温風乾燥機(温度:70℃、風量:100L/分、滞留時間:10分)でさらに乾燥して樹脂改質用組成物Aを得た。
得られた樹脂改質用組成物Aについてガラス転移温度、スチレン結合量(芳香族ビニル単量体単位含有量)、ブタジエン結合量(共役ジエン単量体単位含有量)、ビニル結合量(ビニル結合の割合)、重量平均分子量、ムーニー粘度、5重量%スチレン溶液粘度、残存揮発分量およびゲル量を測定した結果を表4に記す。
次に、完全混合型反応槽3基を直列に接続した連続的重合反応装置を用いて樹脂改質組成物を得た。まず、第一反応槽に上記樹脂改質用組成物13.4部、スチレン62.2部、アクリロニトリル20.7部およびエチルベンゼン3.45部よりなる原料溶液を調合した。調合した溶液を第一反応槽から第二反応槽に連続的に供給し、同時に有機化酸化物〔1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン〕0.05部を第二反応槽に連続的に添加しながら重合反応を行なった。
さらに、得られた重合反応液を第二反応槽から第三反応槽に連続的に供給し、同時にt−ドデシルメルカプタン0.2部を第三反応槽に連続的に供給した。第三反応槽より重合反応液を予熱器と真空室より成る脱揮発分槽に導いた。脱揮発分槽入口における重合体に転化した単量体の総量は65部であった。単量体および溶剤を実質的完全に除去し、さらに、造粒工程を経て改質樹脂組成物を得た。
改質樹脂組成物についてメルトマスフローレートとシャルピー衝撃強度を、また、改質樹脂組成物を押出成形加工して得られた改質樹脂成形品についてフィッシュ・アイを測定した。これらの結果を表4に記す。
〔実施例2〜5〕
実施例1において、重合反応におけるn−ブチルリチウム、スチレン、1,3−ブタジエン、およびテトラメチルエチレンジアミンの量を表1に示すように変更した他は実施例1と同様に行って樹脂改質用組成物B〜Eを得た。これらの樹脂改質用組成物について実施例1と同様の測定を行った。それらの結果を表4に記す。
得られた樹脂改質用組成物を用いて3段の攪拌式重合槽列反応器にて実施例1と同様にして、ただしスチレン、アクリロニトリル、エチルベンゼン、有機過酸化物およびt−ドデシルメルカプタンを表3に示す部数として重合して改質樹脂組成物を得た。それぞれの改質樹脂組成物およびその成形品について実施例1と同様の試験、評価を行った。それらの結果を表4に記す。
〔比較例1〜7〕
実施例1において、重合反応におけるn−ブチルリチウム、スチレン、1,3−ブタジエン、およびテトラメチルエチレンジアミンの量を表1に示すように変更した他は実施例1と同様に行って樹脂改質用組成物F〜JおよびLを得た。これらの樹脂改質用組成物について実施例1と同様の測定を行った。それらの結果を表4に記す。但し、比較例6においては、凝固性が極めて悪く、以降の操作を行わなかった。
次いで、得られた樹脂改質用組成物を用いて3段の攪拌式重合槽列反応器にて実施例1と同様にして、ただしスチレン、アクリロニトリル、エチルベンゼン、有機過酸化物およびt−ドデシルメルカプタンを表3に示す部数として重合して改質樹脂組成物を得た。それぞれの改質樹脂組成物およびその成形品について実施例1と同様の試験、評価を行った。それらの結果を表4に記す。
〔実施例6〕
コンデンサー、攪拌器、およびジャケットを備えたオートクレーブ(容量2,000L)に、n−ブタン30%とシクロヘキサン70%とからなる混合溶媒を600kg、スチレン6.4kg、および1,3−ブタジエン0.5kgをいれ、さらに、テトラメチルエチレンジアミンを0.03モル添加し、系の温度を50℃に調整した。次いで、この系に0.9モル/Lにあらかじめ調整したn−ブチルリチウムのヘキサン溶液を、圧力上昇と温度上昇を確認しながら重合反応が進行する直前まで少しずつ滴下することで、系中の重合失活成分を除去した。
次いで、同じ濃度のn−ブチルリチウムのヘキサン溶液を系中のリチウム量が0.4モルとなるように添加して重合を開始した。系の温度は、反応開始後30分で55℃に達し、その後はコンデンサーを制御することにより55℃を維持した。系の温度が55℃に達してから60分後に重合転化率は実質的に100%となり、重合体ブロックBの重合が完了したことを確認した。
次いで、この系に、0.9モル/Lのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液をリチウム量として2.1モルに相当する量を添加し、さらに、スチレン4.3kgと1,3−ブタジエン138.8kgとを60分にわたって添加し、重合を再開した。系の温度は、反応開始後60分で80℃に達し、その後はコンデンサーを制御することにより80℃を維持した。系の温度が80℃に達してから90分後に重合転化率は実質的に100%となり、重合体ブロックAの重合が完了したことを確認した。
次いで、この系に、n−ブチルリチウム(2回添加した総量)1モル当り0.25モルのテトラメトキシシランを添加し、70℃でカップリング反応を行った。テトラメトキシシランの添加が終了してから60分後に系にメタノール2.0モルを添加し、重合反応を停止した。
反応停止後、この系に熱安定剤として、2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール(イルガノックス1520L、チバスペシャリティーケミカルズ社製)をブロック共重合体100部に対して0.18部添加して均一化し、スチームストリッピング法により脱溶媒して、樹脂改質用組成物の懸濁するスラリーを得た。
この後は実施例1と同様にして樹脂改質用組成物Mを得た。
得られた樹脂改質用組成物について、実施例1と同様の測定を行い、さらにカップリング率を求めた。これらの測定結果を表5に記す。
次いで、得られた樹脂改質用組成物を用いて3段の攪拌式重合槽列反応器にて実施例1と同様にして、ただしスチレン、アクリロニトリル、エチルベンゼン、有機過酸化物およびt−ドデシルメルカプタンを表3に示す部数として重合して改質樹脂組成物を得た。改質樹脂組成物およびその成形品について実施例1と同様の試験、評価を行った。その結果を表5に記す。
〔実施例7および8〕
実施例6において、重合反応におけるn−ブチルリチウム、スチレン、1,3−ブタジエン、テトラメチルエチレンジアミン、およびテトラメトキシシランの量を表2に示すように変えた他は実施例6と同様に行って樹脂改質用組成物NおよびOを得た。これらの樹脂改質用組成物について実施例6と同様の測定を行った。それらの結果を表5に記す。
また、得られた樹脂改質用組成物を用いて3段の攪拌式重合槽列反応器を用いて実施例1と同様にして、ただしスチレン、アクリロニトリル、エチルベンゼン、有機過酸化物およびt−ドデシルメルカプタンを表3に示す部数として重合して改質樹脂組成物を得た。それぞれの改質樹脂組成物および成形品について実施例1と同様の試験、評価を行った。それらの結果を表5に記す。
Figure 0005577593





































Figure 0005577593
Figure 0005577593
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Figure 0005577593
表4および5が示すように、本発明の要件を満たす実施例1〜8におけるブロック共重合体と熱安定剤とからなる樹脂改質用組成物は、いずれもシャルピー衝撃強度が0.7J/cm2で十分な耐衝撃性を有し、メルトマスフローレートも良好であるためフィルム成形加工が可能であり、フィッシュ・アイも見られなかった。
一方、ブロック共重合体の重合体ブロックAまたは重合体ブロックBのガラス転移温度、スチレン単位含有量、スチレン単位含有量および5重量%スチレン溶液粘度の中のいずれかの項目が本発明の規定から外れる比較例1〜7では、いずれも成形品にフィッシュ・アイが多く見られた。これは、残存揮発分1.5重量%以下に乾燥した状態の樹脂改質用組成物中にゲル量が多く存在することと相関があると考えられる。
本発明のブロック共重合体を含む樹脂改質剤を配合した改質樹脂組成物は、耐衝撃性に優れ、成形品でのフィッシュ・アイを生じにくく、成形加工性も良い。
上記改質樹脂組成物は、広範な用途に使用可能であるが、特に、優れた耐衝撃性が要求される用途に好適に用いられ、例えば、洗濯機、エアコン、冷蔵庫、AV機器、OA機器などの家電製品;玩具、化粧品容器、シートなどの雑貨;自動車内外装、住宅資材などの構造材料;電話、携帯電話;楽器;などに用いられる。

Claims (18)

  1. 共役ジエン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を含有する重合体ブロックAと、共役ジエン単量体単位及び芳香族ビニル単量体単位を含有する重合体ブロックBとを含んでなるブロック共重合体であって、
    (1)重合体ブロックAのガラス転移温度が−85℃〜−40℃の範囲であり、
    (2)重合体ブロックBのガラス転移温度が30℃〜95℃の範囲であり、
    (3)ブロック共重合体全体における芳香族ビニル単量体単位含有量が0.5重量%以上、30重量%未満であり、
    (4)5重量%スチレン溶液粘度が0.1mPa・s以上、30mPa・s未満であり、
    (5)重合体ブロックAと重合体ブロックBとの重量比が(重合体ブロックAの重量)/(重合体ブロックBの重量)として0.43〜9.0の範囲であり、
    (6)重合体ブロックAに含まれる共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との割合(共役ジエン単量体単位/芳香族ビニル単量体単位)(重量比)が98/2〜60/40の範囲であり、
    (7)重合体ブロックBに含まれる共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との割合(共役ジエン単量体単位/芳香族ビニル単量体単位)(重量比)が1/99〜50/50の範囲であるブロック共重合体。
  2. ブロック共重合体Aに含まれる共役ジエン単量体単位が1,3−ブタジエン単位である請求項1に記載のブロック共重合体。
  3. ブロック共重合体全体における共役ジエン単量体単位の含有量が70〜99.5重量%の範囲である請求項1または2に記載のブロック共重合体。
  4. ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位部分におけるビニル結合の割合が、全共役ジエン単量体単位の50重量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のブロック共重合体。
  5. ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の値として、1,000〜1,000,000の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載のブロック共重合体。
  6. ブロック共重合体の分子量分布が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによってポリスチレン換算の値として測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)として、1.0〜1.5の範囲である請求項1〜5のいずれかに記載のブロック共重合体。
  7. 重合体ブロックAのガラス転移温度が−85℃〜−50℃の範囲である請求項1〜6のいずれかに記載のブロック共重合体。
  8. 重合体ブロックBのガラス転移温度が40℃〜95℃の範囲である請求項1〜のいずれかにに記載のブロック共重合体。
  9. 重合体ブロックAと重合体ブロックBとの重量比が1〜9の範囲である請求項1〜のいずれかに記載のブロック共重合体。
  10. ブロック共重合体全体における芳香族ビニル単量体単位含有量が3重量%以上、30重量%未満である請求項1〜のいずれかに記載のブロック共重合体。
  11. 5重量%スチレン溶液粘度が0.1mPa・s〜29mPa・sの範囲である請求項1〜10のいずれかに記載のブロック共重合体。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のブロック共重合体を含んでなる樹脂改質用組成物。
  13. さらに、ブロック共重合体100重量部に対し、0.01〜0.5重量部の熱安定剤を含む請求項12 に記載の樹脂改質用組成物。
  14. 請求項12または13に記載の樹脂改質用組成物と、基材樹脂とを含んでなる改質樹脂組成物。
  15. 基材樹脂が、芳香族ビニル単量体単位を含む樹脂である請求項14に記載の改質樹脂組成物。
  16. 樹脂改質用組成物と基材樹脂との割合が、(樹脂改質用組成物中のブロック共重合体)/(基材樹脂)の重量比率として2/98〜50/50の範囲である請求項14または15に記載の改質樹脂組成物。
  17. 樹脂改質用組成物の存在下で、基材樹脂の原料となる単量体を重合することにより製造されたものである請求項14〜16のいずれかに記載の改質樹脂組成物。
  18. メルトマスフローレートが5〜80(220℃、10kgの荷重下に測定)の範囲である請求項14〜17のいずれかに記載の改質樹脂組成物。
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