JP2000001516A - 樹脂改質剤、それを含む樹脂組成物、およびポリ芳香族ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

樹脂改質剤、それを含む樹脂組成物、およびポリ芳香族ビニル系樹脂組成物

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JP2000001516A
JP2000001516A JP10183314A JP18331498A JP2000001516A JP 2000001516 A JP2000001516 A JP 2000001516A JP 10183314 A JP10183314 A JP 10183314A JP 18331498 A JP18331498 A JP 18331498A JP 2000001516 A JP2000001516 A JP 2000001516A
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monomer
polymerization
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Tetsuya Toyoshima
哲也 豊嶋
Kokichi Noguchi
孝吉 野口
Masao Nakamura
昌生 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温耐衝撃性と光沢とが良好で高度にバラン
スした樹脂組成物を与えることができる樹脂改質剤を提
供する。 【解決手段】 共役ジエンに由来する全単位中シス結合
した共役ジエン由来の単位が40%以上、重量平均分子
量(Mw)が20,000〜10,000,000、重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(M
w/Mn)とMwとの間に下記式: log(Mw/Mn)<0.162×log(Mw)−
0.682 が成立する共役ジエンの単独重合体または共重合体から
なる樹脂改質剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂に配合した場
合の耐衝撃性および光沢の改善効果に優れた高シス共役
ジエン系重合体からなる樹脂改質剤、該改質剤を含有す
る樹脂組成物、および耐衝撃性ポリ芳香族ビニル系樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(HIP
S)は、一般に、各種未加硫ゴムの存在下にスチレン系
単量体を塊状重合、溶液重合または塊状懸濁重合するこ
とにより製造されており、ポリスチレン系樹脂のマトリ
ックス中にゴム粒子が分散した構造を有することによっ
て、硬質で脆いポリスチレン系樹脂の耐衝撃性が改良さ
れたものである。耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、安価
で、加工性および各種物性に優れているため、広範な用
途に使用されてきた。
【0003】耐衝撃性ポリスチレン系樹脂に使用される
未加硫ゴムとしては、ポリブタジエンゴムおよびスチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴムが一般的である。特に低温
における耐衝撃性を必要とする場合には、各種のポリブ
タジエンゴムが用いられている。より具体的には、例え
ば、有機リチウム単独またはこれを主成分とする触媒を
用いたアニオン重合法により得られる、いわゆる低シス
ポリブタジエンゴム、または、コバルト、ニッケル、チ
タンなどの遷移金属化合物を主成分とする配位アニオン
触媒を用いて得られる高シスポリブタジエンゴムが用い
られている。
【0004】近年、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、諸
物性および加工性が良好であることから、その用途はさ
らに広がりつつあるが、それに伴って、耐衝撃性ポリス
チレン系樹脂に対する要求性能は、従来以上に高度なも
のとなっている。要求性能としては、例えば、耐衝撃性
と剛性(曲げ弾性率)のバランス、低温での耐衝撃性、
光沢があることや着色が少ないことなどの外観、耐熱劣
化性などの向上が求められている。また、樹脂改質剤で
ある未加硫ゴムの存在下にスチレン系単量体を重合して
得られた耐衝撃性ポリスチレン系樹脂をさらにポリスチ
レン系樹脂などで希釈したり、難燃剤などの各種添加剤
を配合したりして使用しても、物性の低下を伴わない
か、極くわずかの低下にとどめることが求められてい
る。
【0005】従来、低温での耐衝撃性、耐熱性をさらに
改良する方法として、特開平4−14689号公報に
は、希土類金属化合物を主成分とする特殊な触媒を用い
て1,2−ビニル結合量が極めて少なく、且つ分子量分
布が比較的狭いポリブタジエンゴムを製造し、該ポリブ
タジエンゴムを耐衝撃性改質剤として用いる方法が提案
されている。また特開平7−336222号公報には、
遷移金属化合物、含有機アルミニウム化合物、水からな
る特定組成の重合触媒を用いて、特定量の分子量調整剤
およびオルトエステルの存在下にシス−1,4結合含有
量が大きく、比較的狭い分子量分布を持つポリブタジエ
ンを製造し、該ポリブタジエンゴムを耐衝撃性改質剤と
して用いる方法が提案されている。これらの方法によれ
ば、低温耐衝撃性に優れた耐衝撃性ポリスチレン系樹脂
が得られるものの、分子量分布が未だ広いために光沢の
改良効果は充分ではなく、より光沢に優れた耐衝撃性ポ
リスチレン系樹脂が求められていた。
【0006】一方、特公平6−51768号公報には有
機Li触媒を用いて3官能以上のカップリング剤で50
%以上カップリングされた、シス結合量が15〜45モ
ル%でかつMw/Mn比が1.2〜1.8と狭いポリブ
タジエンゴムを用いて耐衝撃性が改良されたポリスチレ
ン系樹脂を得る方法が提案されている。この方法によれ
ば分子量分布が狭いために光沢に優れた樹脂組成物を得
ることができるものの、シス−1,4結合含有量が低い
ために、低温衝撃強度の改良は充分ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、樹脂
に配合した場合に低温耐衝撃性と光沢のバランスを高度
に改善することができる樹脂改質剤、該樹脂改質剤を含
む樹脂組成物、および該改質剤を含むポリ芳香族ビニル
系樹脂組成物を提供することにある。
【0008】本発明者らは、前記従来技術の問題点を解
決するために鋭意研究した結果、シス結合含有量が高
く,重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
比(Mw/Mn)が小さい、特定の共役ジエン系重合体
からなる樹脂改質剤を用いることにより前記目的を達成
できることを見出した。
【0009】本発明の樹脂改質剤は、ポリ芳香族ビニル
系樹脂などの熱可塑性樹脂に、弾性高分子成分として含
有させた場合に、低温耐衝撃性と光沢が高度にバランス
した樹脂組成物を与えることができ、また、そのような
特性をもつポリ芳香族ビニル系樹脂組成物は、高シスブ
タジエン系ゴム組成物の存在下に、芳香族ビニル単量体
または芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体と
の混合物をラジカル重合させることにより、容易に得る
ことができる。本発明はこれらの知見に基づいて完成さ
れたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、共役ジエン単量体または共役ジエン単量体と共重合
可能な単量体との(共)重合体であって、共役ジエン単
量体に由来する全単位中シス結合した共役ジエン単量体
由来の単位が40重量%以上であり、重量平均分子量
(Mw)が20,000〜10,000,000であ
り、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
比(Mw/Mn)と重量平均分子量(Mw)の間に下記
式(1): log(Mw/Mn)<0.162×log(Mw)−
0.682 が成立する高シス共役ジエン系重合体からなる樹脂改質
剤が提供される。
【0011】さらに、本発明によれば、樹脂成分と上記
樹脂改質剤を含有する樹脂組成物が提供される。さら
に、本発明によれば、上記樹脂改質剤の存在下で、芳香
族ビニル単量体または芳香族ビニル単量体と共重合可能
な単量体との混合物を重合して得られるポリ芳香族ビニ
ル系樹脂組成物が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】(1)高シス共役ジエン系重合体 本発明で用いる高シス共役ジエン系重合体は、共役ジエ
ン単量体の単独重合体もしくは共役ジエン単量体どうし
の共重合体、または共役ジエン単量体と該共役ジエン単
量体と共重合可能な単量体との共重合体である。この高
シス共役ジエン系重合体は、共役ジエン単量体に由来す
る単位が40重量%以上、好ましくは70重量%以上、
より好ましくは90重量%以上のものである。
【0013】共役ジエン単量体としては、1,3−ブタ
ジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブ
タジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエ
ンなどが例示され、中でも1,3−ブタジエンが好まし
い。共役ジエン単量体と共重合可能な単量体としては、
スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチ
ルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチ
ルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−ク
ロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレ
ン、p−ブロモスチレン、2−メチル−1,4−ジクロ
ルスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタ
レンなどの芳香族ビニルのほか、ジシクロペンタジエ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,5−ヘキ
サジエンなどの非共役ジエンを挙げることができる。こ
れらの共重合可能な単量体は、単独で用いても、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】本発明で用いられる高シスジエン系重合体
は、共役ジエン単量体に由来する全単位中シス結合した
共役ジエン単量体由来の単位が40%以上、好ましくは
80%以上、より好ましくは90%以上のものである。
シス結合量が過度に少ないと該ジエン系重合体を用いて
つくられたポリ芳香族ビニル系樹脂の低温耐衝撃性が低
くなる。特に、共役ジエン単量体が1,3−ブタジエン
であって、該1,3−ブタジエンに由来する全単位中に
シス−1,4結合した1,3−ブタジエン由来の単位が
上記割合を占めるものが好ましい。シス−1,4結合以
外のトランス−1,4結合および1,2−ビニル結合に
ついては特に制限されない。
【0015】本発明で用いられる高シス共役ジエン系重
合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーで測定した標準ポリブタジエン換算の重量平均分子
量(Mw)で20,000〜10,000,000、好
ましくは50,000〜5,000,000、より好ま
しくは100,000〜3,000,000である。分
子量が過度に小さいと、液状ゴムとなり、取り扱いが困
難になるため、樹脂改質剤として使用し難くなる場合が
ある。逆に分子量が過度に大きいと、製造時のゴム溶液
粘度が上昇し、製造プロセス上問題となる。
【0016】本発明で用いられる高シス共役ジエン系重
合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)との間
に下記一般式(2): log(Mw/Mn)<A×log(Mw)−B (A=0.162、B=0.682) が成立するものである。好ましくはA=0.161でも
成立することが好ましく、A=0.160でも成立する
ことがより好ましく、A=0.159でも成立すること
が特に好ましい。また、B=0.684でも成立するこ
とが好ましく、B=0.687でも成立することがより
好ましく、B=0.690でも成立することが特に好ま
しい。
【0017】重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比(Mw/Mn)が、重量平均分子量(M
w)の大きさの割に大きすぎると樹脂改質剤として好ま
しい性能を示さず、例えば、樹脂改質剤として用いて調
製された芳香族ビニル系樹脂の光沢が低下する。一般的
には、比(Mw/Mn)が1.9以下であることが好ま
しく、1.7以下であることがより好ましく、1.5以
下であることが特に好ましい。
【0018】(2)高シス共役ジエン系重合体の製造方
法 本発明で用いられる高シス共役ジエン系重合体の製造方
法は特に限定されない。例えば、(A)置換基としてに
カルボニル基またはスルフォニル基をもつシクロペンタ
ジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物
と、(B)アルミノキサン、または該遷移金属化合物
(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成でき
るイオン化合物とからなる重合用触媒を用いて製造する
ことができる。
【0019】上記の置換基としてカルボニル基またはス
ルフォニル基をもつシクロペンタジエニル骨格を有する
周期律表第IV族遷移金属化合物(A)は、好ましくは
下記一般式(3)で示される周期律表第IV族遷移金属
化合物である。一般式(3):
【0020】
【化1】
【0021】(式中、Mは第IV族遷移金属、X1
2、X3は水素原子、ハロゲン、炭素数1から12の炭
化水素基または炭素数1から12の炭化水素オキシ基、
Yは水素原子または炭素数1から20の炭化水素基であ
って、それ自体シクロペンタジエニル基と環を形成して
いてもよく、Z1、Z2は水素原子または炭素数1から1
2の炭化水素基、Aは酸素原子または硫黄原子、R1
水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基または炭素数1
から12の炭化水素オキシ基であり、nは0から5の整
数である。)
【0022】一般式(3)で表される遷移金属化合物
は、より好ましくは、ただ一個のシクロペンタジエニル
基、アルキル、アリール、シクロアルキル基などの置換
基を有するシクロペンタジエニル基、または複数の融合
した環状置換基を配位子としてもついわゆるメタロセン
化合物であり、かつ該配位子のシクロペンタジエニル基
は>C=O構造、または>C=S構造を有する原子団を
置換基として有している。また、周期律表第IV族遷移
金属(式中のM)は、好ましくはTi、ZrまたはH
f、より好ましくはTiである。
【0023】好ましいX1、X2、X3は、ハロゲンとし
ては塩素原子、炭化水素基としてはメチル、ネオペンチ
ルなどのアルキル基、ベンジル基などのアラルキル基、
炭化水素オキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、イ
ソプロポキシ基などのアルコキシ基、ベンジルオキシ基
などのアラルキルオキシ基などが挙げられる。炭化水素
オキシ基としてはアルコキシ基が好ましい。Yには、例
えば、水素原子、および、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などの
アルキル基、フェニル基などのアリール基、ベンジル基
などのアラルキル基などのほか、トリメチルシリル基な
どの珪素原子を含有する炭化水素基も含まれる。シクロ
ペンタジエニル環に結合したYは、このシクロペンタジ
エニル環とともに、例えばインデニル基、フルオレニル
基のような多環状基を形成していてもよい。
【0024】Z1、Z2としては、例えば、水素原子、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、t−ブチル基などのアルキル基、フェニル基など
のアリール基、ベンジル基などのアラルキル基などが挙
げられる。R1としては、例えば、水素原子、炭化水素
基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基、
フェニル基などのアリール基、ベンジルなどのアラルキ
ル基、炭化水素オキシ基としてはメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t
−ブトキシ基などのアルコキシ基、フェニルオキシ基な
どのアリールオキシ基、ベンジルオキシ基などのアラル
キルオキシ基などが挙げられる。炭化水素オキシ基とし
ては、アルコキシ基が好ましい。nは好ましくは1また
は2、より好ましくは1である。
【0025】一般式(3)で表わされる周期律表第IV
族遷移金属化合物(A)の具体例としては、MeO(C
O)CH2CpTiCl3、MeO(CO)CH(Me)
CpTiCl3、{3−[MeO(CO)CH2]}(1
−Me)CpTiCl3などが例示される。(式中のM
eはメチル基、Cpはシクロペンタジエニル構造を示
す。) 一般式(3)で示される周期律表第IV族遷移金属化合
物の調製方法は特に制限されない。例えば、MeO(C
O)CH2CpTiCl3を調製するのであれば、Mac
romol.Symp.、1997年、第118巻 5
5〜60頁の記載に基づいて調製すればよい。
【0026】上記周期律表第IV族遷移金属化合物
(A)と組み合わせて用いるアルミノキサンは、下記一
般式(4)で表される直鎖状または環状重合体であり、
有機アルミニウムオキシ化合物である。 一般式(4): (−Al(R)O−)n (Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、その具体
例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチルな
どのアルキル基が挙げられ、中でもメチル基が好まし
い。Rはハロゲン原子および/またはR3O基で置換
されたものであってもよい。Rは炭素数1〜10の炭
化水素基であり、その具体例としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソブチルなどのアルキル基が挙げら
れ、中でもメチル基が好ましい。nは重合度であり、通
常5以上、好ましくは10以上である)
【0027】遷移金属化合物(A)と反応してカチオン
性錯体を形成できるイオン性化合物としては、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのアニオンと、
例えば(CH32N(C65)Hのような活性プロト
ンを有するアミンカチオン、(C653のような
三置換カルボニウムカチオン、カルボランカチオン、メ
タルカルボランカチオン、遷移金属を有するフェロセニ
ウムカチオンとのイオン化合物を用いることができる。
さらに、水素化金属化合物、周期律表第I〜III族主
元素金属の有機金属化合物、有機金属ハロゲン化合物、
水素化有機金属化合物などを併用して共役ジエン単量体
を重合してもよい。水素化金属化合物としては、例え
ば、NaH、LiH、CaH2、LiAIH4、NaBH
4などが挙げられる.
【0028】主元素金属の有機金属化合物としては、例
えば、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチ
ウム、ジブチルマグネシウム、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミ
ニウムなどが挙げられる。有機金属ハロゲン化合物とし
ては、例えば、エチルマグネシウムクロライド、ブチル
マグネシウムクロライド、ジメチルアルミニウムクロラ
イド、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキエチル
アルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロラ
イドなどが挙げられる。水素化有機金属化合物として
は、例えば、ジエチルアルミニウムハイドライド、セス
キエチルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
【0029】遷移金属化合物および/またはイオン性化
合物は、担体に担持して用いることができる。担体とし
ては、無機化合物または有機高分子化合物が挙げられ
る。無機化合物としては、無機酸化物、無機塩化物、無
機水酸化物などが好ましく、少量の炭酸塩、硫酸塩を含
有したものでもよい。特に好ましいものは無機酸化物で
あり、具体例としては、シリカ、アルミナ、マグネシ
ア、チタニア、ジルコニア、カルシアなどを挙げること
ができる。これらの無機酸化物は、平均粒子径が5〜1
50μm、比表面積が2〜800m/gの多孔性微粒
子が好ましく、例えば100〜800℃で熱処理して用
いることができる。有機高分子化合物としては、側鎖に
芳香族環、置換芳香族環、またはヒドロキシ基、カルボ
キシル基、エステル基、ハロゲン原子などの官能基を有
するものが好ましい。有機高分子化合物の具体例として
は、エチレン、プロピレン、ポリブテンなどの化学変性
によって導入された官能基を有するα−オレフイン単独
重合体、α−オレフイン共重合体、アクリル酸、メタク
リル酸、塩化ビニル、ビニルアルコール、スチレン、ジ
ビニルベンゼンなどの単独重合体、共重合体、さらにそ
れらの化学変性物を挙げることができる。これらの有機
高分子化合物は、平均粒子径が5〜250μmの球状微
粒子が用いられる。遷移金属化合物および/またはイオ
ン性化合物を担持することによって、触媒の重合反応器
への付着による汚染を防止することができる。
【0030】共役ジエン単量体単独もしくは共役ジエン
単量体どうしの混合物、または共役ジエン単量体と共重
合可能な単量体との混合物を、上記遷移金属化合物
(A)と、アルミノキサンおよび/または上記イオン性
化合物(B)とを用いて重合するには、以下の(1)〜
(6)のような方法が採られる。
【0031】(1)(A)成分と(B)成分を予め接触
させた後、さらに単量体と接触させて重合を行う。 (2)(A)成分と単量体とを予め接触した後、さらに
(B)成分と接触させて重合を行う。 (3)(B)成分と単量体とを予め接触した後、さらに
(A)成分と接触させて重合を行う。 (4)(A)成分と(B)成分を混合し、担体と接触さ
せ、生成した担持触媒を分離して、担持触媒と単量体と
を接触させて重合を行う。 (5)(A)成分と担体を接触させた後・さらに(B)
成分と接触させ、生成した担持触媒を分離して、担持触
媒と単量体とを接触させて重合を行う。 (6)(B)成分と担体を接触させた後、さらに(A)
成分と接触させ、生成した担持触媒を分離して、担持触
媒と単量体とを接触させて重合を行う。
【0032】上記(1)〜(6)の方法の中では、開始
剤効率と重合活性を向上させる点と、得られる重合体の
分子量分布をさらに狭くさせうる点から、(A)遷移金
属化合物と(B)アルミノキサンおよび/またはイオン
性化合物とを予め接触(エージング)させた後、さらに
単量体と接触させる(1),(4)〜(6)の方法が好
ましく、特に(1)の方法が好ましい。この方法によれ
ば重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比
(Mw/Mn)が著しく小さい共役ジエン系重合体が容
易に得られる。
【0033】なお、特に記載しない限り、(A)成分も
(B)成分も、それぞれ、溶液、スラリーのいずれの状
態であってもよく、互いに異なる状態であってもよい。
また、溶液またはスラリーとして調製するために用いる
溶媒としては、炭化水素溶媒またはハロゲン化炭化水素
溶媒が用いられる。炭化水素溶媒としては、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘブタン、オクタン、シクロヘキサ
ン、ミネラルオイル、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの不活性炭化水素が挙げられる。ハロゲン化炭化水素
溶媒としては、クロロホルム、メチレンクロライド、ジ
クロロエタン、クロロベンゼンなどが挙げられる。
【0034】上記重合反応において、成分(A)、
(B)および単量体の接触は、通常−100〜+100
℃にて1秒〜180分行う。触媒の使用量は、通常、単
量体1モル当り上記遷移化合物(A)100〜0.00
1ミリモル、好ましくは10〜0.01ミリモル、より
好ましくは5〜0.1ミリモルの範囲である。各成分の
使用量は、アルミノキサン/遷移金属化合物のモル比は
通常10〜10,000,好ましくは100〜5,00
0、イオン性化合物/遷移金属化合物のモル比は、通常
0.01〜100、好ましくは0.1〜10である。さ
らに有機金属化合物を共用する場合には、有機金属化合
物/遷移金属化合物のモル比は通常0.1〜10,00
0、好ましくは1〜1,000である。
【0035】この触媒を用いて、共役ジエン単量体、ま
たは、共役ジエン単量体およびこれと共重合可能な単量
体の混合物を重合するには、通常不活性炭化水素系溶媒
中での溶液重合法、スラリー重合法、モノマーを希釈剤
とするバルク重合法などが採用できる。その他、気相攪
拌槽、気相流動床での気相重合法も採用できる。これら
の重合法は、例えば、温度−100〜+110℃、時間
1秒〜360分、圧力が常圧〜30kg/cm2にて行
なわれる。なお、使用される不活性炭化水素系溶媒は前
述と同様のものである。
【0036】また、重合活性の向上、生成重合体の固体
触媒の形状保持、本重合反応容器への触媒導入の容易
さ、重合反応容器への触媒付着防止、気相反応容器中で
の流動性向上などを目的として、1,3−ブタジエンな
どの共役ジエンを前記の各種重合方法に従って、予め予
備重合したものを本重合で触媒として使用してもよい。
【0037】重合体の分子量を調節するために、連鎖移
動剤を添加することもできる。連鎖移動剤としては、シ
スー1,4−ポリブタジエンゴムの重合反応で一般に使
用されるものが用いられ、特に1,2−ブタジエンなど
のアレン類やシクロオクタジエンなどの環状ジエン類が
好ましく使用されるこの触媒を用いたブタジエン系重合
体の重合方法としては、連続重合方式、半回分重合方式
および回分重合方式を用いることができる。Mw/Mn
を小さくするためには、好ましくは半回分重合方式また
は回分重合方式、より好ましくは回分重合方式で重合す
る。
【0038】重合反応の停止は、通常、所定の転化率に
達した後、アルコール類、水、第1級または第2級アミ
ン類などの活性プロトン化合物を転化することによって
おこなわれる。アルコール類としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールが用
いられる。重合反応停止後、必要に応じて、安定剤、中
和剤、分散剤などを重合反応混合物であるゴム状重合体
溶液に加える。
【0039】本発明において、必要に応じて添加される
安定剤の種類や添加量は特に制限されない。使用可能な
老化防止剤としてはフェノール系安定剤、イオウ系安定
剤、リン系安定剤、アミン系安定剤などが例示される。
フェノール系安定剤は、特開平4−252243号公報
などで公知のもので、例えば、2,6−ジ−tert−
ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−ter
t−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−
tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2−t
ert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,
4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−
ジ−フェノール−4−オクタデシルオキシフェノール、
n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テ
トラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−ter
t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネ
ート〕−メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6
−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス(オクチルチオ
メチル)−6−メチルフェノール、2,4−ビス
(2’,3’−ジ−ヒドロキシプロピルチオメチル)−
3,6−ジ−メチルフェノール、2,4−ビス(2’−
アセチルオキシエチルチオメチル)−3,6−ジ−メチ
ルフェノールなどが例示される。イオウ系安定剤として
は、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステ
アリルチオジプロピオネート、アミルチオグリコレー
ト、1,1’−チオビス(2−ナフトール)、ジトリデ
シルチオジプロピオネート、ジステアリル−β,β’−
チオジプロピオネートなどが例示される。リン系安定剤
も公知のものであり、例えば、トリス(ノニルフェニ
ル)フォスファイト、サイクリックネオペンタンテトラ
イルビス(オクタデシルフォスファイト)、トリス
(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファ
イトなどが例示される。アミン系安定剤としては、例え
ば、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナ
フチルアミン、アルドール−α−ナフチルアミン、p−
イソプロポキシジフェニルアミン、p−(p−トルエン
スルホニルアミド)ジフェニルアミン、ビス(フェニル
イソプロピリデン)−4,4’−ジフェニルアミン、
N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、N,N’−ジ
フェニルプロピレンジアミン、オクチル化ジフェニルア
ミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミ
ン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレ
ンジアミンなどが例示される。
【0040】これらの安定剤の添加量はゴム状重合体1
00重量部に対して通常0.01〜5.0重量部、好ま
しくは0.05〜2.5重量部である。安定剤の添加量
が少なすぎると耐熱性が悪く安定剤の添加効果が小さす
ぎる。安定剤の添加量が多すぎるとゴム状重合体の熱変
色性が悪くなりすぎる。また、これらの安定剤は単独で
も使用できるし、2種以上の安定剤を混合しても使用で
きる。
【0041】これら安定剤の添加方法は、重合停止剤と
同時に添加してもよいし、重合停止剤添加後にゴム状重
合体溶液に添加してもよい。2種以上の安定剤を使用す
る場合は、あらかじめ混合してもよいし、別々に添加し
てもかまわない。なお、安定剤の配合は、乾燥工程を経
たゴム状重合体に、1軸または2軸などの押出機、バン
バリーミキサー、ロール、ニ−ダーなどの各種混練装置
を用いて行ってもよいが、乾燥工程の熱処理などでの劣
化を防ぐためには、重合工程の重合後に配合するのが好
ましい。
【0042】周期律表第IV族遷移金属化合物として、
含ハロゲン化合物を使用した場合はブタジエン系重合体
溶液を中和することが好ましい。配合する中和剤として
は通常、アルカリ金属やアルカリ土類金属の塩基性酸化
物、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、強ア
ルカリと弱酸との塩、アンモニア、含窒素有機化合物な
どが用いられる。
【0043】アルカリ金属の塩基性酸化物としては、N
2O、K2O、Li2Oなどが、アルカリ土類金属の塩
基性酸化物としてはCaO、MgO、BaOなどが挙げ
られる。アルカリ金属の水酸化物としては、NaOH、
KOH、LiOHなど、アルカリ土類金属の水酸化物と
しては、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Ba(OH)
2などが挙げられる。強アルカリと弱酸の塩としてはN
2CO3、K2CO3、Li2CO3、CH3COONa、
CH3COOK、CH3COOLiなどが挙げられる。含
窒素有機化合物としてはアミノアルコール類(例えば、
エタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミ
ン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチル−
N,N−ジエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノ
ールアミン、N−メチルエタノールアミンなど)、エチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、2−エ
チルヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、
ジイソブチルアミン、プロピルアミン、エチレンアミン
類(例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ペンタエチレンヘキサミンなど)、シクロヘキシル
アミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ベンジル
アミン、アニリン、N−エチルアニリン、N,N'−ジ
メチルアニリン、ベンジルエチルアニリンなどのアミン
類;ピリジン類、ピペリジン、ピペラジンなどの複素環
含窒素化合物;が挙げられる。好ましくは、アルカリ金
属、アルカリ土類金属の水酸化物、強アルカリと弱酸の
塩である。
【0044】中和剤の使用量は、含ハロゲン遷移金属化
合物のハロゲンに対して、通常0.1〜10当量、好ま
しくは0.3〜5当量、より好ましくは0.5〜3当量
である。上記触媒を用いて重合したブタジエン系重合体
をその重合体溶液から分離し回収する方法は特に限定さ
れず、通常の方法を用いることができる。例えば、ゴム
状重合体溶液から重合体を回収する一般的な方法である
スチームストリッピング法を用いることができる。スチ
ームストリッピング後のジエン系重合体クラムを脱水
し、乾燥する方法も通常の方法を用いればよく、特に限
定はされない。通常の方法としては、例えば、共役ジエ
ン系重合体クラムを振動スクリーンで熱水と分離後、圧
縮式水絞り機に導入して、クラム中の含水率を5〜25
重量%とした後、押出し乾燥機および/または熱風乾燥
機で乾燥して含水率を1重量%以下にする方法を用いる
ことができる。
【0045】(3)樹脂用改質剤 本発明の樹脂用改質剤は、上記高シス共役ジエン系重合
体を有効成分とするものであって、特に、樹脂の耐衝撃
性の改質剤(強靱化剤)として有用である。本発明の樹
脂用改質剤には、上記高シス共役ジエン系重合体以外
に、樹脂の強靱化剤として通常使用されるゴムを添加し
て使用することができる。
【0046】添加できるゴムとしては、例えば、低シス
ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体ゴム、スチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴ
ム、ポリイソプレンゴム、天然ゴムなどが挙げられる。
これらのゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を
組み合わせて用いることができ、その使用量は、上記高
シス共役ジエン系重合体を含めた樹脂用改質剤に含有さ
れている全ゴム成分中の通常40重量%以下、好ましく
は20重量%以下、より好ましくは10重量%以下であ
る。
【0047】本発明の樹脂用改質剤は、上記高シス共役
ジエン系重合体以外に、必要に応じて、樹脂工業で通常
使用される配合剤を添加することができる。使用できる
配合剤の具体例としては、例えば、ミネラルオイル、流
動パラフィン、有機ポリシロキサン、有機または無機の
充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、染料、
顔料、離型剤、帯電防止剤、難燃剤などが挙げられる。
これらの配合剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上
を組み合わせて用いることができ、その使用量は、本発
明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
【0048】有機または無機の充填剤としては、繊維状
または粉粒状の充填剤があり、例えば、シリカ、ケイ藻
土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石
粉、軽石バルーン、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、
ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、
グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロ
ン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などを
挙げることができる。
【0049】難燃剤としては、特に制約はなく、通常ハ
ロゲン系難燃剤が用いられる。ハロゲン系難燃剤として
は、塩素系および臭素系の種々の難燃剤が使用可能であ
るが、難燃化効果、成形時の耐熱性、樹脂への分散性、
樹脂の物性への影響などの面から臭素系難燃剤が好まし
い。臭素系難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモベン
ゼン、ペンタブロモエチルベンゼン、ヘキサブロモビフ
ェニル、デカブロモジフェニル、ヘキサブロモジフェニ
ルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、デ
カブロモジフェニルオキサイド、ペンタブロモシクロヘ
キサン、テトラブロモビスフェノールAおよびその誘導
体[例えば、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒ
ドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノー
ルA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエ−テル)、テ
トラブロモビスフェノールA−ビス(ブロモエチルエー
テル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリル
エーテル)など]、テトラブロモビスフェノールSおよ
びその誘導体[例えば、テトラブロモビスフェノールS
−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビ
スフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエー
テル)など]、テトラブロモ無水フタル酸およびその誘
導体[例えば、テトラブロモフタルイミド、エチレンビ
ステトラブロモフタルイミドなど]、エチレンビス
(5,6−ジブロモノルボルネン−2,3−ジカルボキ
シイミド)、トリス−(2,3−ジブロモプロピル−
1)−イソシアヌレート、ヘキサクロロシクロペンタジ
エンのディールス・アルダー反応の付加物、トリブロモ
フェニルグリシジルエーテル、トリブロモフェニルアク
リレート、エチレンビストリブロモフェニルエーテル、
エチレンビスペンタブロモフェニルエーテル、テトラデ
カブロモジフェノキシベンゼン、臭素化ポリスチレン、
臭素化ポリフェニレンオキサイド、臭素化エポキシ樹
脂、臭素化ポリカーボネート、ポリペンタブロモベンジ
ルアクリレート、オクタブロモナフタレン、ヘキサブロ
モシクロドデカン、ビス(トリブロモフェニル)フマル
アミド、N−メチルヘキサブロモジフェニルアミンなど
が挙げられる。
【0050】難燃剤の添加量は、ブタジエン系重合体1
00重量部に対して、通常3〜150重量部、好ましく
は10〜140重量部、より好ましくは15〜120重
量部である。
【0051】難燃剤の難燃化効果をより有効に発揮させ
るための難燃助剤として、例えば、三酸化アンチモン、
五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、三塩化ア
ンチモンなどのアンチモン系難燃助剤を用いることがで
きる。これらの難燃助剤は、難燃剤100重量部に対し
て、通常1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部の
割合で使用する。
【0052】これらのゴムや配合剤とブタジエン系ゴム
との混合は、1軸または2軸などの押出機、バンバリー
ミキサー、ロール、ニ−ダーなどの各種混練装置を用い
て行ってもよいし、また、共役ジエン系重合体の重合反
応混液中に添加した後、配合剤などと混合された共役ジ
エン系重合体を組成物として凝固させ、回収してもよ
い。
【0053】(4)樹脂組成物 本発明の樹脂組成物は、樹脂成分をベースとし、上記の
高シス共役ジエン系重合体からなる樹脂改質剤を含有す
るものである。
【0054】本発明の高シス共役ジエン系重合体からな
る樹脂用改質剤は、幅広い樹脂に対して適用が可能であ
る。改質される樹脂成分の具体例としては、例えば、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、マレイン酸樹脂、メ
ラミン樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化性樹脂; アクリ
ロニトリル−アクリレート−スチレン樹脂、アクリロニ
トリル−エチレン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−
スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレ
ン樹脂、メチルメタクリレート−スチレン樹脂などのポ
リ芳香族ビニル系樹脂; ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン系樹脂; ポリフェニレンエー
テル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ポリエステルなどのエンジニアリングプラスチッ
ク;などを挙げることができる。これらの中でも、ポリ
芳香族ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリフ
ェニレンエーテルなどが好ましく、ポリ芳香族ビニル系
樹脂が特に好ましい。これらの樹脂は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0055】樹脂成分に対する本発明の樹脂改質剤の配
合割合は、使用目的や組成物中の高シス共役ジエン系重
合体の種類や他の配合剤などとの量比によって適宜選択
されるが、樹脂成分100重量部に対して、高シス共役
ジエン系重合体からなる改質剤が通常0.1〜30重量
部、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは3〜1
5重量部の範囲である。高シス共役ジエン系共重合体の
配合割合がこの範囲であるときに、耐衝撃性の改善効果
が高く、しかも光沢や透明などの外観特性や引張強度、
剛性などの樹脂本来の物性の低下も少なく好適である。
なお、本発明の樹脂改質剤を使用する場合は、樹脂改質
剤中の高シス共役ジエン系重合体がこの配合割合になる
ように、樹脂改質剤を配合すればよい。本発明の樹脂組
成物の製造方法は、特に制限はなく、例えば、樹脂成分
と本発明の樹脂改質剤とを機械的に混合することによっ
て行うことができる。
【0056】樹脂成分がポリ芳香族ビニル系樹脂である
場合、該樹脂は芳香族ビニル単量体単独または他の単量
体との混合物の重合によって得られる。芳香族ビニル単
量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−
ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p
−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルス
チレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2
−メチル−1,4−ジクロルスチレン、2,4−ジブロ
モスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。これ
らの中でも、スチレンが好ましい。これらの芳香族ビニ
ル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み
合わせて用いることができる。
【0057】芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単
量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどの不飽和ニ
トリル単量体; メタクリル酸メチルエステル、アクリ
ル酸メチルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル
単量体; アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸
などの不飽和脂肪酸単量体; フェニルマレイミドなど
が挙げられる。これらの中でも、不飽和ニトリル単量
体、(メタ)アクリル酸エステル単量体、不飽和脂肪酸
単量体が好ましく、不蝕和ニトリル単量体が特に好まし
い。これらの芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単
量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0058】芳香族ビニル単量体とそれと共重合可能な
他の単量体との使用割合は、用途に応じて適宜選択され
るが、[芳香族ビニル単量体]:[他の単量体]の重量
比で、通常20:80〜100:0、好ましくは40:
60〜100:0、より好ましくは60:40〜10
0:0の範囲である。
【0059】ポリ芳香族ビニル系樹脂を製造するための
重合方法は、格別に制限はないが、通常ラジカル重合で
行われる。重合様式は、格別の限定はなく、例えば、塊
状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状−懸濁二段重
合法などの多段重合法などが挙げられ、これらの中で
も、塊状重合法および塊状−懸濁二段重合法が好まし
い。特に、塊状重合法は、塊状連続重合法が好ましい。
【0060】塊状連続重合法により本発明の樹脂組成物
を製造する場合には、例えば、本発明の樹脂改質剤を、
芳香族ビニル単量体、または芳香族ビニル単量体とそれ
と共重合可能な他の単量体との混合物に溶解させ、必要
に応じて、希釈溶剤、流動パラフィン、ミネラルオイル
などの内部潤滑剤、酸化防止剤、連鎖移動剤などを加え
る。無触媒重合の場合には、通常80〜200℃におい
て加熱重合し、触媒重合の場合は、重合触媒の存在下に
通常20〜200℃において重合する。単量体(芳香族
ビニル単量体、または芳香族ビニル単量体とそれと共重
合可能な他の単量体との混合物)の重合転化率が通常6
0重量%以上、好ましくは60〜90重量%になったと
ころで重合を停止する。本発明の場合、触媒重合が好ま
しい。
【0061】重合触媒は、重合方法に応じて適宜選択さ
れるが、ラジカル重合の場合は、通常、有機過酸化物や
アゾ系触媒が用いられ、好ましくは有機過酸化物であ
る。有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−8,3,5−トリメチルシ
クロヘキサンなどのパーオキシケタール類;ジ−t−ブ
チルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどのジアルキルパーオ
キシド類; ベンゾイルパーオキシド、m−トルオイル
パーオキシドなどのジアシルパーオキシド類; ジメチ
ルスチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシカ
ーボネート類; t−ブチルペルオキシイソプロピルカ
ーボネートなどのパーオキシエステル類; シクロヘキ
サノンパーオキシドなどのケトンパーオキシド類; p
−ペンタンハイドロパーオキシドなどのハイドロパーオ
キシド類; などが挙げられる。これらの重合触媒は、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。重合触媒の使用量は、単量体100重
量部に対して、通常0.001〜5重量部、好ましくは
0.005〜3重量部、より好ましくは0.01〜1重
量部である。
【0062】希釈溶剤としては、例えば、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水
素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロ
ペンタンなどの脂環式炭化水素類; n−ブタン、n−
ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類; メ
チルイソプロピルケトンなどのケトン類; などが挙げ
られ、芳香族炭化水素類が好ましい。これらの希釈溶剤
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いられ、その使用量は、全単量体の通常0〜25重量
%である。
【0063】連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシ
ルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメル
カプタン類; 1−フェニルブチル−2−フルオレン、
ジペンテンなどのテルペン類; クロロホルムなどのハ
ロゲン化合物; α−メチルスチレンダイマーなどが挙
げられる。重合操作終了後、生成した樹脂組成物は、常
法に従って、例えば、加熱減圧による溶媒除去、あるい
は揮発物除去設計された押出装置を用いて押し出すこと
により、未反応モノマーや希釈溶剤などを除去し回収す
ることができる。得られた樹脂組成物は、必要により、
ペレット化または粉末化して実用に供される。
【0064】塊状−懸濁重合法においては、通常、塊状
重合法と同様にして単量体の重合転化率が30〜50重
量%に達するまで部分的に重合を行い、次いで、この部
分的に重合した重合溶液をポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロースなどの懸濁安定剤、および/ま
たはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの界面
活性剤の存在下で、水中に懸濁して反応を完結させる。
生成した耐衝撃性樹脂組成物は、濾過分離、遠心分離な
どの方法により単離し、水洗、乾燥を行い、必要に応じ
てペレット化または粉末化する。
【0065】本発明の樹脂組成物において、樹脂マトリ
ックス中の高シス共役ジエン系ゴムなどのゴムの平均粒
子径は、格別制限されないが、通常0.01〜10μ
m、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.5
〜3μmの範囲内にあるときに、耐衝撃性の向上が著し
く好適である。
【0066】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明を具体的に説明する。これらの例中の部および%は、
特に断りのない限り重量基準である。また、実施例およ
び比較例中の各種測定は、下記の方法に従っておこなっ
た。
【0067】(1)重量平均分子量(Mw)および数平
均分子量(Mn) 重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は
東ソー株式会社製HLC−8020のゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーを用い、カラム:GMH−XL
(東ソー株式会社製)2本直列、カラム温度:40℃、
溶離液:テトラヒドロフラン、溶離液流量:1.0ml
/min、サンプル濃度8mg/20ml(テトラヒド
ロフラン)の測定条件で測定し、標準ポリブタジエン換
算値として算出した。
【0068】(2)ポリブタジエンのミクロ構造(シス
−1,4−結合含有量) 重合体中のシス−1,4−含有量はNMR分析により求
めた。すなわち、1H−NMR分析(1,4−結合5.
4〜5.6ppm、1,2−結合5.0〜5.1pp
m)から算出した重合体中の1,4−結合の中のシス含
量を13C−NMR(シス 28ppm、トランス 38
ppm)から算出し、全重合体中のシス含量とした。
【0069】(3)ポリスチレン樹脂の低温IZOD衝
撃強度 低温IZOD衝撃強度はJIS K7110に準じて、
−30℃で測定し、比較例1の値を100とする指数で
表した。数値が大きいほど低温衝撃強度が高く、好まし
い。 (4)光沢 光沢はJIS Z8741に準じて、入射角60°で測
定し、比較例1の値を100とする指数で表した。数値
が大きいほど光沢が大きく、好ましい。
【0070】(2−メトキシカルボニルメチル)シクロ
ペンタジエニルトリクロロチタン[MeO(CO)CH
2CpTiCl3]の合成 トリメチルシリルシクロペンタジエニルナトリウム(3
2g,200mmol)の400mlテトラヒドロフラ
ン溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でメチルブロモアセ
テート(30.6g,200mmol)の100mlテ
トラヒドロフラン溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了
後、さらに−78℃で一晩攪拌を続けた。その後、減圧
下でテトラヒドロフランを溜去し、生成した固体をろ別
した後真空蒸留(65〜66℃/3mmHg)により約
30g(収率70重量%)の(2−メトキシカルボニル
メチル)トリメチルシリルシクロペンタジエン[TMS
CpCH2COOMe]を得た。生成物の構造は1H−N
MRから確認した。
【0071】1H−NMR(ppm,TMS,CDC
3)6.55〜6.20(m,シクロペンタジエン中
の二重結合を構成する炭素に結合した水素)、3.5〜
3.35(m,シクロペンタジエン中の単結合を構成す
る炭素に結合した水素)、3.15〜2.98(m,シ
クロペンタジエン中の単結合を構成する炭素に結合した
水素)、3.69(s,2H)、3.67(s,3
H)、−0.22(s,9H)
【0072】(2−メトキシカルボニルメチル)トリメ
チルシリルシクロペンタジエン4.2g(20mmo
l)の100ml乾燥塩化メチレン溶液にアルゴン雰囲
気下0℃で3.8g(20mmol)の四塩化チタンを
加え、室温で3時間攪拌を続けた。反応溶液を−30℃
に冷却して析出したオレンジ色結晶(4.0g、収率7
0重量%)を得た。生成物が(2−メトキシカルボニル
メチル)シクロペンタジエニルトリクロロチタンである
ことを1H−NMRで確認した。
【0073】1H−NMR(ppm,TMS,CDC
3)7.05(s,4H),3.92(s,2H),
3.76(s,3H)
【0074】実施例1 ブタジエン重合体A メチルアルミノキサン12.2mmolのトルエン溶液
(東ソー・アクゾ社製)に(2−メトキシカルボニルメ
チル)シクロペンタジエニルトリクロロチタン(MeO
(CO)CH2CpTiCl3、以下「TiES」と略
す)0.0122mmolのトルエン溶液を滴下し−2
5℃にて1時間エージングした。内容積150mlの密
封型耐圧ガラスアンプルに、窒素雰囲気下で、トルエン
52.4gとブタジエン5.5gを仕込み0℃に保持し
た。このアンプルに上記のエージングした触媒を添加し
て、0℃にて5分間重合させた。その後、少量の酸性メ
タノール溶液で重合反応を停止し、次いで重合溶液を大
量の酸性メタノールに注ぎ込み、析出した白色固体をろ
取、乾燥し、ブタジエン重合体Aを得た。重合体収率は
75重量%であった。
【0075】このブタジエン重合体Aは、シス含量92
%、重量平均分子量(Mw)は1,283,100、重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(M
w/Mn)が1.41であった。log(Mw/Mn)
=0.149、0.162×log(Mw)−0.68
2=0.308であり、log(Mw/Mn)<0.1
62×log(Mw)−0.682であった。
【0076】ポリスチレン樹脂組成物 撹拌装置つきステンレス製反応機で、試料としてブタジ
エン重合体A180gをスチレン単量体1,820gに
溶解させた後、連鎖移動剤(n−ドデシルメルカプタ
ン)をスチレン単量体に対し250ppmの割合で添加
し、130℃で1時間20分撹拌し塊状重合を行った。
次いで、内容物を取り出し、この内容物1,250gと
ポリビニルアルコール2%水溶液3,750gを8リッ
トルの撹拌装置付きステンレス製反応容器に入れ、70
℃に昇温した。次に、ベンゾイルパーオキサイド2.5
gとジクミルパーオキサイド1.26gを添加し、70
℃で1時間、90℃で1時間、110℃で1時間、13
0℃で4時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却
し、得られた耐衝撃性ポリスチレン樹脂組成物をろ過、
回収し水洗い後、60℃で6時間減圧乾燥した。得られ
たポリスチレン樹脂組成物を、180℃のロールで練り
シート状に成形し、シートペレタイザーでペレット状に
した。このペレットを用いて、低温衝撃強度と光沢を測
定し、その結果を表1に示す。
【0077】比較例1 ブタジエン重合体Aを市販のブタジエンゴム(宇部興産
製、UBEPOL−BR150L、Mw=493,00
0、Mw/Mn=2.53、シス含量95.1%、lo
g(Mw/Mn)=0.403、[0.162×log
(Mw)−0.682]=0.240)を用いた他は実
施例1と同様の方法でポリスチレン樹脂組成物を製造し
た。原料ゴムのミクロ構造(シス−1,4−結合含有
量)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/M
n)を実施例1と共に表1に示し、得られたポリスチレ
ン樹脂組成物の低温衝撃強度と光沢の測定結果を表1に
示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】特定の高シス共役ジエン系重合体からな
る本発明の樹脂改質剤を含有する樹脂組成物は、低温耐
衝撃性と光沢とがバランスした成形品を与えることがで
きる。また、上記樹脂改質剤の存在下に芳香族ビニル単
量体または芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体と
の混合物を重合して得られるポリ芳香族ビニル系樹脂組
成物は、耐衝撃性と光沢とがバランスしているととも
に、容易に製造することができる点で有利である。
【0080】(好ましい実施態様) (1) 共役ジエン単量体または共役ジエン単量体と共
重合可能な単量体との(共)重合体であって、共役ジエ
ン単量体に由来する全単位中シス結合した共役ジエン単
量体由来の単位が40%以上であり、重量平均分子量
(Mw)が20,000〜10,000,000であ
り、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
比(Mw/Mn)と重量平均分子量(Mw)の間に下記
式(1): log(Mw/Mn)<0.162×log(Mw)−
0.682 が成立する高シス共役ジエン系重合体からなる樹脂改質
剤; (2) 樹脂成分と上記の樹脂改質剤を含有する樹脂組
成物;および (3) 上記の樹脂改質剤の存在下で、芳香族ビニル単
量体または芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体と
の混合物を重合して得られるポリ芳香族ビニル系樹脂組
成物の好ましい実施態様をまとめると以下のとおりであ
る。
【0081】1.高シス共役ジエン系重合体は、共役ジ
エン単量体の単独重合体もしくは共重合体、または共役
ジエン単量体に由来する単位が通常40重量%以上、好
ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以
上である、共役ジエン単量体と、共重合可能な単量体と
の共重合体であって、該単独重合体および共重合体にお
いて、共役ジエン単量体に由来する全単位中シス結合し
た共役ジエン単量体の単位が40%以上、好ましくは8
0%以上、より好ましくは90%以上のものである。
【0082】2.共役ジエン系単量体は、1,3−ブタ
ジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブ
タジエン、1,3−ペンタジエンおよび1,3−ヘキサ
ジエンの中から選ばれ、より好ましくは1,3−ブタジ
エンである。 3.高シス共役ジエン系重合体は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーで測定した標準ポリブタジエン換
算の重量平均分子量(Mw)が、20,000〜10,
000,000、好ましくは50,000〜5,00
0,0000、より好ましくは100,000〜3,0
00,000である。
【0083】4.高シス共役ジエン系重合体は、その重
量平均分子量(Mw)と(Mw/Mn)との間には、下
記式(2)が成立するものである。式(2): log(Mw/Mn)<A×log(Mw)−B A=0.162、B=0.682 上式は、A=0.161でも成立することが好ましく、
A=0.160でも成立することがより好ましく、A=
0.159でも成立することが特に好ましい。また、B
=0.684でも成立することが好ましく、B=0.6
87でも成立することがより好ましく、B=0.690
でも成立することが特に好ましい。
【0084】5.高シス共役ジエン系重合体は、その重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(M
w/Mn)は、好ましくは1.9以下、より好ましくは
1.7以下、特に好ましくは1.5以下である。 6.樹脂改質剤は、通常40重量%以下、好ましくは2
0重量%以下、より好ましくは10重量%以下の他のゴ
ム成分を含む。 7.樹脂組成物は、樹脂成分100重量部と、高シス共
役ジエン系重合体からなる樹脂改質剤0.1〜30重量
部、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは3〜1
5重量部を含んでなる。
【0085】8.ポリ芳香族ビニル系樹脂組成物は、高
シス共役ジエン系重合体からなる樹脂改質剤を芳香族ビ
ニル単量体、または芳香族ビニル単量体とそれと共重合
可能な単量体との混合物に溶解させ、触媒の存在下20
〜200℃にて、または触媒の非存在下80〜200℃
にて重合することによって得られる。 9.樹脂組成物において、高シス共役ジエン系ゴムは平
均粒子径が0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5
μm、より好ましくは0.5〜3μmの粒子として樹脂
マトリックス中に分散している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 昌生 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 4J002 AA001 AA011 AA021 AC022 AC082 BB031 BB121 BC031 BC041 BC052 BC061 BC071 BC082 BC112 BF051 BG051 BG101 BH001 BN141 BN143 BN151 BN153 BN163 CB001 CC021 CC181 CC191 CD001 CE001 CF001 CF211 CG001 CH071 CK011 CK021 CL001 CM041 FD010 FD030 FD130 4J026 AA16 AA17 AA21 AA67 AA68 AA69 AA71 AA72 AC33 AC36 BA04 BA05 BA06 BA08 BA25 BA27 BA31 BA35 BA38 BB01 BB02 DA02 DA05 DA08 DA10 DA17 DA18 DB02 DB03 DB05 DB09 DB12 DB15 DB26 DB29 DB32 DB34 EA04 FA03 4J100 AB00Q AB02Q AB03Q AB04Q AB08Q AB09Q AR22Q AS01P AS02P AS04P AS06P AS11Q AU21Q BB01P CA04 CA15 DA01 DA06 FA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン単量体または共役ジエン単量
    体と共重合可能な単量体との(共)重合体であって、共
    役ジエン単量体に由来する全単位中シス結合した共役ジ
    エン単量体由来の単位が40%以上であり、重量平均分
    子量(Mw)が20,000〜10,000,000で
    あり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
    の比(Mw/Mn)と重量平均分子量(Mw)の間に下
    記式(1): log(Mw/Mn)<0.162×log(Mw)−
    0.682 が成立する高シス共役ジエン系重合体からなる樹脂改質
    剤。
  2. 【請求項2】 樹脂成分と請求項1記載の樹脂改質剤を
    含有する樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の樹脂改質剤の存在下で、
    芳香族ビニル単量体または芳香族ビニル単量体と共重合
    可能な単量体との混合物を重合して得られるポリ芳香族
    ビニル系樹脂組成物。
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