JPS5930739B2 - 耐衝撃性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性スチレン系樹脂組成物

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JPS5930739B2
JPS5930739B2 JP3438076A JP3438076A JPS5930739B2 JP S5930739 B2 JPS5930739 B2 JP S5930739B2 JP 3438076 A JP3438076 A JP 3438076A JP 3438076 A JP3438076 A JP 3438076A JP S5930739 B2 JPS5930739 B2 JP S5930739B2
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vinyl aromatic
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copolymer
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保司 佐藤
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雅信 石原
允 本多
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【発明の詳細な説明】 本発明は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのプロ
ツク共重合体混合物と耐衝撃性スチレン系樹脂とからな
る組成物に関するものである。
更に詳しくは、4不活性溶媒中で有機リチウム化合物を
触媒として得られた、(1)ビニル芳香族炭化水素含有
量55〜85重量%の、少くとも1個以上のビニル芳香
族炭化水素重合体プロツクと共役ジエン重合体プロツク
とからなる共重合体および(2)ビニル芳香族炭化水素
含有量75重量%以上の、少くとも1個以上のビニル芳
香族炭化水素重合体プロツクと共役ジエン重合体プロツ
クとからなる共重合体であつて、(1)共重合体よりも
ビニル芳香族炭化水素含有量が多い共重合体又はビニル
芳香族炭化水素重合体からなる共重合体混合物であり、
(1)/(2)の重量比が1.5以上の共重合体混合物
と(B》3〜12重量%の共役ジエン系ゴム状重合体に
97〜88重量%のビニル芳香族炭化水素をグラフト重
合して得られた耐衝撃性スチレン系樹脂とからなる樹脂
組成物に関するものである。
従来、スチレンで代表されるビニル芳香族炭化水素系重
合体樹脂に関しては、各種の製造法、組成物が提案され
ている。
これらの殆んどは、汎用ポリスチレンが透明性、表面光
沢に優れ美しい外観を有し、かつ剛性、引張強度に優れ
るものの、耐衝撃性に劣り脆いという欠点を有するため
、この汎用ポリスチレンの耐衝撃性の改良に関するもの
である。すなわち、汎用ポリスチレンに特定のゴム状共
重合体を混合した組成物、あるいはゴム状重合体にスチ
レンモノマーをグラフト重合した耐衝撃性ポリスチレン
系樹脂、あるいはスチレン含量の高いスチレンーブタジ
エンプロツク共重合体樹脂等に代表される方法が従来試
みられてきた。汎用ポリスチレンに特定のゴム状重合体
を混合する例として、特公昭44−7126号にみられ
るように汎用ポリスチレンに線状プロツク共重合体を混
合する方法、あるいは特開昭48−43445号、特開
昭49−25043号等にみられるように、特定のプロ
ツク構造を有するビニル芳香族炭化水素含有量の比較的
高いビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのプロツク共
重合体と汎用ポリスチレンとの組成物も知られている。
これら組成物の耐衝撃性はポリスチレンより若干向上す
るものの充分とは言えず、剛性、透明性の低下が著しい
。ゴム状重合体にスチレンモノマーをグラフト重合した
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、ゴム状重合体をスチレ
ンモノマーに溶解し、塊状重合又は懸濁重合又は塊状一
懸濁重合併用方式で重合することによつて得られるもの
である。
この耐衝撃性ポリスチレンは耐衝撃性に優れるが、全く
の不透明樹脂であり、表面光沢にも劣るという問題があ
る。スチレン含量の高いスチレンーブタジエンプロツク
共重合体は、リピングアニオン重合法によつて得られる
ものであつて、特公昭47−3252号、特公昭48−
2423号等のように、不活性溶媒中で有機リチウム化
合物等のアニオン重合開始剤により、スチレンとブタジ
エンを交互に重合することによつて生成される。
このようなスチレン含量の高いプロツク共重合体は透明
性が良好であり、汎用ポリスチレンよりも耐衝撃性に優
れるものである。しかしながら、このプロツク共重合体
はある程度の成果をあげているものの、耐衝撃性は十分
と言えず、その用途が限られていたものである。以上の
ように、従来提案されている耐衝撃性ポリスチレンは、
耐衝撃性に優れるものの著しく透明性に劣るか、透明性
に優れるものの耐衝撃性の改良効果が十分ではないかの
いずれかであり、耐衝撃性をはじめとする諸物性と透明
性とのバランスに優れたものは、未だ見い出されていな
いのである。一方、出願人は、先に従来と全く異なる概
念と知見に基づいて、透明で耐衝撃性に優れるスチレン
系樹脂組成物(特願昭50−54211)を提案してい
る。
この組成物は、不活性有機溶媒中で有機リチウム化合物
を触媒として得られた、(1)ビニル芳香族炭化水素含
有量が55〜85重量%の少くとも1個以上のビニル芳
香族炭化水素重合体プロツクと共役ジエン重合体プロツ
クとからなる共重合体および(2)ビニル芳香族炭化水
素含有量が75重量%以上の少くとも1個以上のビニル
芳香族炭化水素重合体プロツクと共役ジエン重合体プロ
ツクとからなる共重合体又はビニル芳香族炭化水素重合
体からなるスチレン系樹脂組成物において、(1)/1
2)の重量比が1.5/1以上であり、かつ(1)のポ
リマー鎖の少くとも35%が(2)のポリマ一鎖と同一
構造を有することを特徴とする組成物である。
この組成物は、従来組成の異なる重合体を混合すると透
明性が悪くなるという概念に反して全く透明であり、耐
衝撃性も有している。しかしながら、このプロツク共重
合体混合物においても、耐衝撃性は十分に満足するべき
ものとは言い難く、従来の汎用ポリスチレンとゴム状重
合体との混合物、あるいはスチレン含量の高いプロツク
共重合体に比較して、同等ないしは同等以上の耐衝撃性
を有するものの、更に耐衝撃性に優れる樹脂が望まれて
いたものである。
本発明者らは、上記問題に鑑み鋭意研究した結果、新た
に耐衝撃性に優れるスチレン系樹脂組成物を見い出し本
発明に至つた。
即ち、本発明は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンと
のプロツク共重合体混合物と耐衝撃性スチレン系樹脂と
からなる組成物であつて、(4)該共重合体混合物が不
活性溶媒中で有機リチウム化合物を触媒として得られた
、(1)ビニル芳香族炭化水素含有量55〜85重量%
の少くとも1個以上のビニル芳香族炭化水素重合体プロ
ツクと共役ジエン重合体プロツクとからなる共重合体お
よび(2)ビニル芳香族炭化水素含有量75重量%以上
の少くとも1個以上のビニル芳香族炭化水素重合体プロ
ツクと共役ジエン重合体プロツクとからなる共重合体で
、(1)共重合体よりもビニル芳香族炭化水素含有量が
多い共重合体又はビニル芳香族炭化水素重合体からなる
共重合体混合物であつて、(1)/(2)の重量比が1
.5/1以上の共重合体混合物であり、(3)耐衝撃性
スチレン系樹脂が、3〜1−2重量%の共役ジエン系ゴ
ム状重合体に97〜88重量%のビニル芳香族炭化水素
をグラフト重合して得られた重合体である組成物に関す
る。
本発明組成物において、プロツク共重合体混合物と耐衝
撃性スチレン系樹脂との重量比が75/25以下のもの
は、耐衝撃性スチレン系樹脂の剛性、引張強度、熱変形
温度を低下することなく、耐衝撃性、光沢の改良された
組成物となる。
従来の耐衝撃性スチレン系樹脂、即ちゴムグラフト耐衝
撃性ポリスチレンは、いわゆるABS系樹脂と比較する
と、耐衝撃性は劣るものであり、更に光沢も十分ではな
かつたのである。本発明組成物において、プロツク共重
合体混合物と耐衝撃性スチレン系樹脂との重量比75/
25以下のものは、従来の耐衝撃性スチレン系樹脂の欠
点を改良したものとなるのである。本発明組成物におい
て、本発明の特徴が最とも発揮されるのは、プロツク共
重合体混合物と耐衝撃性スチレン系樹脂との重量比が9
8/2〜75/25のものである。
該重量比が98/2〜90/10の時には、プロツク共
重合体混合物が本来有している透明性を殆んど低下させ
ることがなく、曇度〔Haze(%)旙ほぼ10%以下
とすることができる。該重量比が98/2〜90/10
は、このように透明性に優れるうえに、耐衝撃性はプロ
ツク共重合体混合物よりも更に改良されるのである。一
方、該重量比が90/10〜75/25の組成物は、曇
度〔Haze(0が10%を超えるものの耐衝撃性の向
上には著しいものがあり、剛性、熱変形温度も向上する
のである。従来、ビニル芳香族炭化水素含量の高い共役
ジエン−ビニル芳香族炭化水素プロツク共重合体は、汎
用ポリスチレンよりも耐衝撃性に優れるものの、未だ十
分とは言えず、その用途が制限されるものであつて、本
発明組成物において、プロツク共重合体混合物と耐衝撃
性スチレン系樹脂との重量比が98/2〜75/25の
ものは、耐衝撃性に優れることにより、その使用できる
範囲は広いものであり、成型品に要求される耐衝撃性と
透明性とのバランスに応じて組成比を変更することによ
り、要求特性に対応した特性を有する樹脂組成物を提供
できるのである。
総じて本発明組成物は、目的とする特性に応じ・て組成
比を選択することにより、特性のバランス特に耐衝撃性
と透明性に優れた樹脂とすることができるのである。
本発明の態様を以下に具体的に説明する。
本発明で使用するプロツク共重合体混合物は、不活性有
機溶剤中で有機リチウム化合物を触媒としてアニオン重
合された重合体である。
プロツク共重合体混合物の第1の重合体は、ビニル芳香
族炭化水素含有量が55〜85重量%の、少くとも1個
以上のビニル芳香族炭化水素重合体プロツクと共役ジエ
ン重合体プロツクとからなる共重合体である。ビニル芳
香族炭化水素含有量55%未満の場合には、樹脂的な性
質が損なわれ、ひいては最終的な本発明組成物の硬さ、
剛性が低下し好ましくない。ビニル芳香族炭化水素含有
量が85重量%を超えると、硬さ、剛性の向上には寄与
するが、耐衝撃性の優れたものとはなり難い。プロツク
共重合体混合物の第1のポリマ一は、下記一般式で示さ
れるものが好ましい。A−(B−A)、(A−B) A
−B−(B−A)n′ Nsn上式にお
いてAはビニル芳香族炭化水素を主とするプロツクを示
し、Bは共役ジエンを主とする重合体プロツクを示す。
ここでnは1以上の数であるがnが5以上の場合は、重
合操作が煩雑となり工業的に実施するには不利である。
更にモノマーや溶媒中に含まれる不純物により、リビン
グポリマ一が不活性化し、得られた共重合体の透明性を
悪くする可能性があり好ましくない。また前記一般式で
示したプロツク共重合体はいわゆる完全プロツク共重合
体であつてもまた漸減プロツク共重合体であつても良く
、具体的な製造方法は従来公知のいかなる方法を用いて
も良い。例えばA−(B−A)nで示されるプロツク共
重合体は、有機リチウム化合物を触媒としてまずAプロ
ツクを形成し、次いでBプロツクを形成させ、更にAプ
ロツクを形成するといつたモノマーの逐次添加によつて
製造可能である。(特公昭36−19286号等)。
またA<15Bを構成するモノマーの混合物を重合し、
共重合反応性比を利用して例えば(AB) なる漸減型
プロツク共重合体をn製造する方法も使用可能である(
特公昭43一17979号)。
また一般式A−B+−B−A)で示nされるラジアルプ
ロツク共重合体を得る方法としては、A−B なるリピ
ングブロツク共重合体を多官能性カツプリンク清央例え
ばポリハロゲン化物、ジエステル化合物等によりカツプ
リングさせることによつて製造できる。
プロツク共重合体混合物の第2の重合体は、有機リチウ
ム化合物を触媒としてアニオン重合されたビニル芳香族
含有量が.75重量%以上の、少くとも1個以上のビニ
ル芳香族炭化水素重合体プロツクと共役ジエン重合体プ
ロツクからなる共重合体であつて、(1)共重合体より
もビニル芳香族炭化水素含有量が多い共重合体又はビニ
ル芳香族炭化水素重合体である。
ビニル芳香族炭化水素含有量が75重量%未満の場合、
組成物は樹脂的性質を失ない、硬さ、引張強度等が低下
するので不都合である。また第2の重合体である少くと
も1個以上のビニル芳香族炭化水素重合体プロツクと共
役ジエン重合体プロツクからなる共重合体のプロツク構
造は前記第1の重合体で述べたと同じ一般式で示され、
具体的製造方法としては従来公知のいかなる方法も採用
できる。本発明のプロツク共重合体混合物の第1の重合
体と第2の重合体との重量比は1.5/1以上である。
1.5/1未満では混合物の透明性を低下させ、ひいて
は最終的な組成物の透明性も低下させ好ましくない。
又、本発明を必ずしも限定するものではないが、プロツ
ク共重合体混合物の第1の重合体鎖の少くとも35%は
、第2の重合体鎖と実質的に同一構造を有することが好
ましい。
ここで゛実質的に同一構造゛なる用語は、重合体を決定
する構造例えば、分子量、分布、ミクロ構造、分岐度、
プロツク構造(ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの結
合様式)等が製造条件のコントロール範囲内、分析の誤
差の範囲内で同一であることを示す。
更に模式的に示せば第1の重合体の分子鎖口コZzzz
乙 第2の重合体の分子鎖 ?砂蓚クグ で?Z/部分の構造が同じであることを云う。
この斜線部分が第1の重合体鎖の35%未満の場合には
両重合体の相容性が悪くなり透明性が損なわれる。第1
の重合体鎖の少くとも35%が第2の重合体鎖と実質的
に同一構造を有する組成物を製造する方法は、上記組成
物が得られる方法ならば、従来公知のいかなる方法も採
用できる。具体的には、第1の重合体の一部分を製造す
ると全く同じ方法、すなわち、触媒、モノマー、溶媒、
重合条件(温度、圧力、モノマー供給速度等)等を全く
同じにして第2の重合体を製造し、得られた両重合体を
溶液状又はペレツト状等、従来公知の方法で混合して本
発明の組成物とすればよい。最も推奨すべき本発明の組
成物の製造方法は、アニオン重合方法によつてまず第1
の重合体の一部を製造し、第1の重合体の製造を継続し
つつ同一重合系内で同一条件で第2の重合体を製造する
方法である。すなわち、有機リチウム化合物を触媒とす
るアニオン重合方法は、分子設計が比較的容易に又定量
的にできるので、本発明に用いるプロツク共重合体混合
部のように限定された構造の重合体混合物を得るには好
適である。本発明のプロツク共重合体混合物を構成する
第1又は第2の重合体を製造するのに用いられる不活性
溶媒は、有機リチウム化合物を不活性化しない溶媒なら
特に問題はないが、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエ
ン、キシvン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式
炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、イソペンタン等脂肪族
炭化水素等が好ましい。
更に溶剤中に少量の極性化合物を添加して、重合速度を
上げたり、ブタジエンとスチレンの共重合反応性比を変
えてプロツク共重合体を目的とする構造にすることもで
きる。これらの極性化合物の例としては、テトラヒドロ
フラン、ジメチルエーテル等のエーテル類、トリエチル
アミン等の第3級アミン類等があげられる。本発明のプ
ロツク共重合体を製造する場合には、不活性溶剤として
脂肪族炭化水素を主とする溶媒を用いることが好ましい
脂肪族炭化水素は、芳香族炭化水素や脂環式炭化水素に
比較して、人体に対する毒性が小さく、大気中に揮散し
た時に光化学スモッグの原因となることが少ない。又、
脂肪族炭化水素中で本発明のプロツク共重合体混合物を
重合する場合には、ビニル芳香族炭化水素含有量の高い
重合体は脂肪族炭化水素溶媒に溶解しないために、重合
体が溶媒中に微小粒子として分散した状態、いわゆるデ
イスパージヨン状態で重合する必要がある。この場合に
は、ディスパージヨン溶液の粘度が低いために、重合器
の撹拌、溶液の移送にかかる動力が小さくて済むという
効果を有する。本発明で用いるプロツク共重合体混合物
を脂肪族炭化水素溶媒中で重合する場合には、有機リチ
ウム化合物を2回供給する2段重合法により、一つの重
合素中で混合物を重合することが好ましい。
この場合にプロツク共重合体混合物は安定なデイスパー
ジヨンとして得られる。より具体的には下記のような方
法で重合されることが好ましい。まず、脂肪族炭化水素
を主とする溶媒中で、(イ)有機リチウム化合物を触媒
とし、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が
O/100〜60/40の範囲で、しかも全使用モノマ
ーの1〜80重量%のモノマーを用いて、(a)共役ジ
エンの活性重合体又は (b)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とのランダム
共重合体よりなる活性重合体又は(c)少くとも1個以
上のビニル芳香族炭化水素重合体プロツクと共役ジエン
重合体プロツクよりなる活性重合体を生成させ、(ロ)
次いで、(イ)で得られた活性重合体の存在下に、ビニ
ル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が100/0
〜75/25の範囲の残りのモノマーおよび有機リチウ
ム化合物を添加し、(イ)で得られた重合体鎖を延長し
つつ、(d)ビニル芳香族炭化水素重合体又は (e)少くとも1個以上のビニル芳香族炭化水素重合体
プロツクと共役ジエン重合体プロツクよりなる共重合体
を生成することによつて得られる。
このような脂肪族炭化水素溶媒中で重合されたプロツク
共重合体混合物を用いた組成物は、その優れた物性と混
合物製造における効果とが相俟つて、工業的実施におけ
る優位性を発揮するのである。本発明の組成物を構成す
るプロツク共重合体混合物の第1又は第2の重合体を製
造するに用いる有機リチウム化合物は、少くとも1個以
上のリチウム原子を有する有機化合物で、例えば、n−
プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチル
リチウム、Sec−ブチルリチウム、Ter−ブチルリ
チウム、n−ペンチルリチウム、メチルシクロヘキシル
リチウム、ベンジルリチウム、1,4ジリチオn−ブタ
ン、1,6ジリチオn−ヘキサン、スチルベンジリチウ
ム、オリゴイソプレニルジリチウム等で、特に一般的な
ものとしてはn−ブチルリチウム、Sec−ブチルリチ
ウム等があげられる。
本発明におけるビニル芳香族炭化水素とは、スチレン、
o−メチル−スチレン、p−メチル−スチレン、m−メ
チル−スチレン、α−メチル、スチレン p−エチルス
チレン 1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン
、ビニルアントラセン等であり、特に一般的なものはス
チレンである。
これらは1種のみならず2種以上の混合物でもよい本発
明における共役ジエンとは、炭素原子数が4個ないし8
個の、一対の共役二重結合を有するジオレフインであり
、具体的には1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3
−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキ
サジエンなどであり、特に一般的なものは、1,3−ブ
タジエンおよびイソプレンである。
これらは1種のみならず2種以上の混合物でもよい。本
発明の組成物を構成するプロツク共重合体混合物の第1
又は第2の重合体を製造する時の重合温度は−40℃な
いし150℃であるが、一般的には40℃ないし120
℃である。
重合所要時間は30分間から24時間であるが、一般的
には、1時間ないし10時間である。重合系のふん囲気
は、窒素ガス等の不活性ガスをもつて置換されているこ
とが望ましい。また重合系中には、有機リチウム触媒、
あるいは活性共重合体を失活させるような不純物、たと
えば、水、酸素、炭酸ガスなどが混入しないよう留意す
る必要がある。本発明を構成する耐衝撃性スチレン系樹
脂は、共役ジエン系重合体ゴムにビニル芳香族炭化水素
をグラフト重合したものであればよい、耐衝撃性スチレ
ン系樹脂は、従来公知の方法のいずれであつてもよく、
特公昭38−26287号、特公昭39−18948号
、特公昭49−11633号等に示される。
即ち、共役ジエン系重合体ゴムをビニル芳香族炭化水素
単量体に溶解し、塊状重合するか、懸濁重合するか、あ
るいは塊状一懸濁併用方式で重合して得られる。耐衝撃
性スチレン系樹脂に用いる共役ジエン系重合体ゴムとし
ては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタ
ジエン−スチレンランダム共重合体、ブタジエンースチ
レンプロツク共重合体等をあげることができ、これらの
混合物であつても良い。
耐衝撃性スチレン系樹脂に用いるビニル芳香族炭化水素
単量体としては、例えば、スチレン、0−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルスチレン、ジメチルスチレン、p−エチルスチレン
、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等であり、特
に一般的なものはスチレンである。
これらの混合物であつてもよい耐衝撃性スチレン系樹脂
中の共役ジエン系重合体ゴムは3〜12重量%、ビニル
芳香族炭化水素は88〜97重量%である。
共役ジエン系重合体ゴム3重量%未満では、組成物の耐
衝撃性が十分ではなく、12重量%を超えると組成物の
透明性が低下し好ましくない。本発明組成物の各重合体
どうしを混合する方法は公知のいかなる方法によつても
よい。
例えば、ロール スクリユ一押出機等によつて混合して
もよいし、各々の溶液を混合してから加熱ドラム上、あ
るいはスチームストリツピングにより溶媒を蒸発して樹
脂を回収する方法によつてもよい。以上述べたように、
本発明組成物は耐衝撃性に優れ、かつ、要求される耐衝
撃性と透明性等の物性バランスに応じて組成比を変え要
求に応じることができるため、各種成形品の成形素材と
して用いることができる。即ち、本発明組成物は、その
ままであるいは着色して、通常の熱可塑性樹脂と同様に
押出成形によりシート、フイルムとすることができ、更
に真空、圧空等の熱成形により食品容器包装類、ブリス
タ一包装材、青果物菓子類の包装フイルム等、広範な包
装材料分野に使用することができる。更には、射出成形
、ブロー成形等による玩具、日用雑貨、容器等にも用い
ることができ、通常の汎用樹脂の用途に用いることがで
きる。以下に若干の実施例を示すが、これらは本発明を
更に詳細に説明するものであり、本発明の範囲を限定す
るものではない。
実施例 1 まず、以下の方法によりトルエン中、n−ブチルリチウ
ムを触媒として、B−A−B−A型及びA−B−A型ス
チレンーブタジエンプロツク共重合体を同時に重合し、
均一な樹脂状組成物を得た。
撹拌機付反応器を予め脱水、脱気し、窒素ガスで内部置
換したのち、1,3−ブタジエン26重量部を含む30
重量%トルエン溶液を注入゛した。次にn−ブチルリチ
ウムのトルエン溶液を活性リチウム化合物として0.1
25重量部加え、70℃で1時間重合した。該単量体の
重合が実質的に完了した後、スチレン74重量部を含む
30重量%トルエン溶液と、活性リチウム化合物として
0.034重量部のn−ブチルリチウムを含有するトル
エン溶液を加え、70℃で1時間重合した。該単量体の
重合が実質的に完了した後、1,3−ブタジエン26重
量部を含む30重量%トルエン溶液を加え、70℃で1
時間重合を続け、重合が実質的に完了した後、更にスチ
レン74重量部を含む30重量%トルエン溶液を加え、
70℃で1時間重合を続けた。該単量体の重合が完了し
た後、得られた共重合体溶液に重合停止剤として、4−
メチル−2,6−ジ一第3ブチルフエノール0.8重量
部を添加した。得られた共重合体溶液を過剰のメタノー
ル中に注ぎ、沈降した微粒状沈澱物を減圧乾燥した。得
られたプロツク共重合体の構造、組成と物性試験結果を
第1表に示した。このプロツク共重合体に、約6%の共
役ジエン系ゴムを含む市販の耐衝撃性ポリスチレンを混
合し、その物性を測定した。
結果を第1表に示したが、本発明組成物は耐衝撃性に優
れ、耐衝撃性ポリスチレンの混合量の少ない組成比では
、プロツク共重合体混合物に対して耐衝撃性の改良効果
が大きく、透明性の低下は小さく、耐衝撃性ポリスチレ
ンの多い組成比では、耐衝撃性の向上が特に著しく、硬
さ、剛性、引張強さも良好であることが明らかである。
比較例 1 ブタジエンとスチレン及び触媒の添加量が異なる他は実
施例1と同様にして、4種のプロツク共重合体混合物を
得た。
これにプロツク共重合体と耐衝撃性ポリスチレンとの重
量比が90/10の割合になるように実施例1で用いた
と同様な市販耐衝撃性ポリスチレンを混合し、物性を測
定した。結果を第2表に示したが、本発明組成物は透明
性、耐衝撃性のバランスに優れることが明らかである。
実施例 2溶媒としてn−ヘキサンを用いる他は実施例
1と同様にして、プロツク共重合体混合物を得た。
得られたプロツク共重合体混合物溶液は安定な分散液で
あり、かつ粘度も低いものであつた。分離回収されたプ
ロツク共重合体混合物と実施例1で用いたと同様な市販
耐衝撃性ポリスチレンとの組成比が90/10になるよ
うに混合し、物性を測定した。結果を第2表に示したが
、本発明組成物は物性のバランスに優れることが明らか
である。実施例 3まず、以下の方法によりシクロヘキ
サン中、n−ブチルリチウムを触媒として、B−A−B
−A型スチレン−ブタジエン・プロツク共重合体とスチ
レン重合体を同時に重合し、均一な樹脂状組成物を得た
撹拌機付反応器を予め脱水、脱気し窒素ガスで内部置換
したのち、1,3−ブタジエン32重量部とスチレン3
2重量部を含む30重量%シクロヘキサン溶液を注入し
た。
次にn−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液を活性リ
チウム化合物として0.18重量部加え、70℃で1時
間撹拌しながら重合した。該単量体の重合が実質的に完
了した後、ブタジエン46重量部とスチレン20重量部
を含むシクロヘキサン溶液を加え、更に70℃で1時間
重合を続けた。該単量体の重合が実質的に完了した後、
スチレン270重量部と活性リチウム化合物として、0
.14重量部のn−ブチルリチウムを含むシクロヘキサ
ン溶液を加え、70℃で1.5時間重合した。該単量体
の重合が完了した後、得られた共重合体溶液に重合停止
剤として4−メチル−2,6−ジ一第3−ブチルフエノ
ール0.8重量部を添加した。得られた共重合体溶液を
過剰のメタノール中に注ぎ沈降した微粒状沈澱物を減圧
乾燥した。得られたプロツク共重合体混合物と実施例1
で用いたと同様な市販耐衝撃性ポリスチレンとを混合し
、物性を測定した。
結果を第3表に示したが本発明組成物は物性のバランス
に優れることが明らかである。実施例 4 溶媒としてn−ヘキサンを用いた他は実施例3と同様に
して、プロツク共重合体混合物を得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共
    重合体混合物と耐衝撃性スチレン系樹脂とからなる組成
    物であつて、(A)該共重合体混合物が不活性溶媒中で
    有機リチウム化合物を触媒として得られた、(1)ビニ
    ル芳香族炭化水素含有量55〜85重量%の、少くとも
    1個以上のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと共役
    ジエン重合体ブロックとからなる共重合体および(2)
    ビニル芳香族炭化水素含有量75重量%以上の、少くと
    も1個以上のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと共
    役ジエン重合体ブロックとからなる共重合体で、(1)
    共重合体よりビニル芳香族炭化水素含有量が多い共重合
    体又はビニル芳香族炭化水素重合体からなる共重合体混
    合物であつて、(1)/(2)の重量比が1.5以上の
    共重合体混合物であり、(B)耐衝撃性スチレン系樹脂
    が、3〜12重量%の共役ジエン系ゴム状重合体に97
    〜88重量%のビニル芳香族炭化水素をグラフト重合し
    て得られた重合体である組成物。 2 共重合体混合物/耐衝撃性スチレン系樹脂の重量比
    が98/2〜90/10である特許請求の範囲第1項記
    載の組成物。 3 共重合体混合物/耐衝撃性スチレン系樹脂の重量比
    が90/10〜75/25である特許請求の範囲第1項
    記載の組成物。 4 共重合体混合物は、脂肪族炭化水素を主とする溶媒
    中で、(イ)有機リチウム化合物を触媒とし、ビニル芳
    香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が0/100〜6
    0/40の範囲で、しかも全使用モノマーの1〜80重
    量%のモノマーを用いて、(a)共役ジエンの活性重合
    体又は (b)共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とのランダム
    共重合体よりなる活性重合体又は(c)少なくとも1個
    以上のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと共役ジエ
    ン重合体ブロックよりなる活性重合体を生成させ、(ロ
    )次いで、(イ)で得られた活性重合体の存在下に、ビ
    ニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が100/
    0〜75/25の範囲の残りのモノマーおよび有機リチ
    ウム化合物を添加し、(イ)で得られた重合体鎖を延長
    しつつ、(d)ビニル芳香族炭化水素重合体又は (e)少くとも1個以上のビニル芳香族炭化水素重合体
    ブロックと共役ジエン重合体ブロックよりなる共重合体
    を生成することによつて得られる共重合体混合物である
    特許請求の範囲第1項記載の組成物。 5 ビニル芳香族炭化水素が、スチレン又は、o−、m
    −、p−メチルスチレン又はα−メチルスチレン又はジ
    メチルスチレン又はこれらの混合物であり、共役ジエン
    が、1,3−ブタジエン又はイソプレン又はこれらの混
    合物である特許請求の範囲第1項記載の組成物。
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