JP3332281B2 - 透明高強度樹脂組成物 - Google Patents

透明高強度樹脂組成物

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JP3332281B2 JP00992994A JP992994A JP3332281B2 JP 3332281 B2 JP3332281 B2 JP 3332281B2 JP 00992994 A JP00992994 A JP 00992994A JP 992994 A JP992994 A JP 992994A JP 3332281 B2 JP3332281 B2 JP 3332281B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明性が高く、かつ耐衝
撃性に優れた、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンモノ
マーの重合体からなるブロック共重合体及びビニル芳香
族炭化水素系樹脂を含有する透明高強度樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】リビングアニオン重合により、有機溶媒
中で有機リチウム化合物を開始剤としてビニル芳香族炭
化水素と共役ジエンモノマーをブロック共重合させる
と、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンモノマーの組成
割合及びブロック共重合体の構造の違いにより種々の物
性を有する重合体が得られ、共役ジエンモノマーの重合
体の含有量が多いと熱可塑性エラストマーの特性を示
し、ビニル芳香族炭化水素の重合体の含有量が多くなる
と熱可塑性プラスチックの特性を示す。一方、これらの
ブロック共重合体は共役ジエン重合体の存在量が耐衝撃
性に影響し、また、共役ジエン重合体は可視光線の波長
以下に分散しているため高度の透明性を有しており、優
れた物性バランスに加え、多種のビニル芳香族炭化水素
系重合体との相溶性に優れることから補強用として用い
られている(特公昭45−19388号、特公昭47−
43618号、特公昭53−417号公報等)。
【0003】しかし、上記の樹脂組成物は、透明性は良
好であるものの、用いるブロック共重合体中の共役ジエ
ン重合体の分散が細かいため衝撃に対する吸収力が小さ
く耐衝撃性は不十分であった。耐衝撃性を向上させる方
法として、配合するブロック共重合体の分子量を大きく
する、共役ジエン含有量を増やす等の方法があるが、そ
れぞれ加工性、硬度、透明性等の低下を生じ望ましい結
果が得られていない。その他の方法として、配合するブ
ロック共重合体中にビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
モノマーがランダム共重合した部分を設けることにより
耐衝撃性を向上させる方法が提案されているが(特開昭
48−48546号、特公昭53−416号公報等)、
これらの樹脂組成物では耐衝撃性は向上するものの透明
性が低下してしまい、透明性、耐衝撃性のともに良好な
樹脂は得られていない。
【0004】
【問題を解決するための手段】以上のような状況に鑑
み、本発明の目的は透明性を維持しつつ耐衝撃性を大幅
に向上させた樹脂組成物を開発しようとするものであ
る。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、配合する
ブロック共重合体の構造、特に共役ジエンモノマーの重
合体部と、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンモノマー
とがランダム共重合した部分の配置について、鋭意研究
を行った結果、従来の技術により製造された樹脂に比
べ、良好な透明性を維持したまま耐衝撃性を大幅に向上
させた樹脂組成物が出来ることを見出し、本発明に至っ
た。
【0006】すなわち、本発明はビニル芳香族炭化水素
と共役ジエンモノマーのブロック共重合体とビニル芳香
族炭化水素系樹脂を含有する樹脂組成物において、 (I)ブロック共重合体が、その両末端に大きさの異な
るビニル芳香族炭化水素ブロックA1 及びA2 を有し、
中間部分に共役ジエンモノマーの重合体及び/または共
役ジエンモノマーとビニル芳香族炭化水素の共重合体ブ
ロックB1 及びB 2 を有し、(1)ビニル芳香族炭化水
素/共役ジエンモノマーの重量比が50/50〜90/
10で共重合されており、(2)ブロック共重合体に含
有されるビニル芳香族炭化水素重合体のブロック率が2
5〜90重量%であり(但し、ブロック率(%)=(W
/W0 )×100、W=ブロック共重合体中のビニル芳
香族炭化水素重合体ブロックの重量、W0 =ブロック共
重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体の全重量であ
る)、(3)ブロックA1 及びA2 の数平均分子量の間
に0.1≦MN1 /MN2 ≦0.8の関係が成立し(但
し、MN1 =ブロックA 1 の数平均分子量、MN2 =ブ
ロックA2 の数平均分子量である)、(4)ブロックB
1 及びB2 において、1.2≦M1 /M2 ≦10の関係
が成立し(但し、M1 =ブロックB1 中の共役ジエンモ
ノマーの重合体の重量分率、M2 =ブロックB2 中の共
役ジエンモノマーの重合体の重量分率である)、(5)
ブロック共重合体の構造が、(イ)A1 −B1 −B2
2 又は(ロ)(A1 −B1 −B2−A2 n −Xであ
り(但し、Xは多官能カップリング剤の残基又は多官能
有機リチウム化合物の残基を示す)、かつ、(6)数平
均分子量が40000〜500000であることを特徴
とするブロック共重合体であり、 (II)ビニル芳香族炭化水素系樹脂が、ビニル芳香族
炭化水素の1種又は2種以上の重合体及び/またはビニ
ル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エステルの共重
合体であることを特徴とする樹脂組成物に関する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいてブロック共重合体に用いられるビニル芳香族炭化
水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−
ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタ
レン、ビニルアントラセンなどがあるが、特に一般的な
ものとしてはスチレンが挙げられる。
【0008】また、本発明においてブロック共重合体に
用いられる共役ジエンモノマーとしては1,3−ブタジ
エン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等であるが、特
に一般的なものとしては1,3−ブタジエンとイソプレ
ンが挙げられる。
【0009】ブロック共重合体中のブロックA1 及びA
2 は、上記ビニル芳香族炭化水素を重合することによっ
て得られるが、単一のビニル芳香族炭化水素からなる重
合体ブロックでも複数のビニル芳香族炭化水素からなる
共重合体ブロックであってもよい。
【0010】ブロックB1 及びB2 は上記のビニル芳香
族炭化水素と共役ジエンモノマーのそれぞれ1種又は2
種以上を重合することによって得られる。
【0011】(I)のブロック共重合体を製造するため
のビニル芳香族炭化水素/共役ジエンモノマーの重量比
は50/50〜90/10であり、好ましくは60/4
0〜85/15である。この重量比が50/50未満で
は透明性が低下し、また90/10を超えると耐衝撃性
が低下して好ましくない。
【0012】本発明において用いられるブロック共重合
体に含有されるビニル芳香族炭化水素重合体のブロック
率は25〜90%、好ましくは50〜85%である。ブ
ロック率が25%未満では透明性が著しく低下し、ま
た、90%を越えると耐衝撃性が低下して好ましくな
い。なお、ビニル芳香族炭化水素重合体のブロック率
は、 ブロック率(%)=(W×W0 )×100 (但し、W=ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水
素重合体ブロックの重量、W0 =ブロック共重合体中の
ビニル芳香族炭化水素重合体の全重量を示す)により求
められる。
【0013】ここで、ブロック共重合体中のビニル芳香
族炭化水素重合体の全重量は重合に供した全ビニル芳香
族炭化水素の重量であり、ビニル芳香族炭化水素重合体
ブロックの重量は、ブロック共重合体をオゾン分解して
(Y.TANAKA, et al.,RUBBER CHE
MISTRY AND TECHNOLOGY,58
16(1985)に記載の方法)得たビニル芳香族炭化
水素重合体成分のGPC測定(GPCの検出器として波
長を254nmに設定した紫外分光検出器を使用)にお
いて、各ピークに対応する分子量は予め標準ポリスチレ
ン及びスチレンオリゴマーを用いて作成した検量線から
求め、数平均分子量3000を超えるものをそのピーク
面積より定量して求めた。
【0014】本発明において用いられるブロック共重合
体の両末端のブロックA1 及びA2の数平均分子量の間
には、 0.1≦MN1 /MN2 ≦0.8 (但し、MN1 =ブロックA1 の数平均分子量、MN2
=ブロックA2 の数平均分子量を示す)の関係が成立す
る必要があり、更に望ましくは0.1以上0.6以下で
ある。この値が0.8を超えるか、或いは0.1未満で
は十分な耐衝撃性と透明性のバランスが得られない。
【0015】ブロック共重合体中に組み込まれているブ
ロックA1 及びA2 の数平均分子量は、ブロック共重合
体をオゾン分解して得たビニル芳香族炭化水素重合体成
分をGPCで測定し、常法(例えば「ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー」(丸善発行)に記載の方法)
に従って算出した値である。なお、GPCにおける検量
線は、標準ポリスチレンを用いて作成したものを使用す
る。
【0016】本発明において用いられるブロック共重合
体中の共役ジエンモノマーの重合体を含むブロックB1
及びB2 の共役ジエンモノマー重合体の間には、 1.2≦M1 /M2 ≦10 (但し、M1 =ブロックB1 中の共役ジエンモノマー重
合体重量/ブロックB1の重量、M2 =ブロックB2
の共役ジエンモノマー重合体重量/ブロックB2の重
量)の関係があり、更に好ましい範囲は1.4以上5以
下である。この値が1.2未満、或いは10を超えると
十分な耐衝撃性と透明性のバランスが得られない。
【0017】また、共役ジエンモノマー重合体の重量比
の高いブロックB1 が数平均分子量の小さいブロックA
1 に、共役ジエンモノマー重合体の重量比の低いブロッ
クB 2 が数平均分子量の大きいブロックA2 に隣接する
配置が好ましい。すなわち、ブロック共重合体の構造
は、(イ)A1 −B1 −B2 −A2 、又は(ロ)(A1
−B1 −B2 −A2 n −Xであることが好ましい(但
し、Xは多官能カップリング剤の残基、又は多官能有機
リチウム化合物の残基を示す)。
【0018】ブロックB1 及びB2 中のビニル芳香族炭
化水素と共役ジエンモノマーの重合体の分布は、ビニ
ル芳香族炭化水素と共役ジエンが均一に分布、ビニル
芳香族炭化水素からなる微小ブロックと共役ジエンから
なる微小ブロックの繰り返し、ブロックA1 からブロ
ックA2 方向に共役ジエン分布が徐々に減少する構造
等、どの場合においても本発明の効果は得られるが、特
に望ましいのはのブロックA1 からA2 方向に共役ジ
エン分布が徐々に減少する構造である。
【0019】また、ブロックB1 全体が共役ジエンモノ
マーの重合体ブロックであるか、又はブロックA1 側に
隣接するブロックB1 は、ブロックA1 に隣接する位置
に共役ジエンモノマーの重合体ブロック部を有すること
が望ましい。ブロックB1 とブロックB2 はビニル芳香
族炭化水素重合体の微小ブロック並びに共役ジエンモノ
マー重合体の重量比の段差により明確に区切られても、
或いは、2つのブロックを通して連続的に共役ジエンモ
ノマー重合体の分布が変化してもよい。なお、本発明の
範囲は上記の説明により制約を受けるものではない。
【0020】また、本発明において用いられるブロック
共重合体は、本発明で規定する条件を満足するリニア構
造のものを多官能カップリング剤によりカップリングさ
せて得られるラジアル構造のものであってもよい。な
お、この場合に用いられる多官能カップリング剤として
は四塩化ケイ素、エポキシ化大豆油、有機カルボン酸エ
ステル等の2〜4の官能基を持つ化合物が挙げられる。
【0021】また、ブロック共重合体の数平均分子量は
40000〜500000、好ましくは80000〜3
00000である。40000未満では樹脂の熱安定性
が低下して好ましくなく、また、500000を超える
と加工性が低下して本発明の特性が得られない。
【0022】本発明において用いられるブロック共重合
体は有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤としてビ
ニル芳香族炭化水素及び共役ジエンのモノマーを重合す
ることにより製造できる。有機溶媒としてはブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタ
ン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタ
ン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水
素、或いはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシ
レン等の芳香族炭化水素などが使用できる。
【0023】有機リチウム化合物は、分子中に1個以上
のリチウム原子が結合した化合物であり、例えば、エチ
ルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチ
ウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、
tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウ
ム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム
等が使用できる。
【0024】本発明において用いられるブロック共重合
体の分子量は、モノマーの全添加量に対する開始剤の濃
度により制御できる。また、ブロック共重合体のブロッ
ク率は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重合さ
せる際のランダム化剤の濃度により制御できる。
【0025】ランダム化剤としては主としてテトラヒド
ロフラン(THF)が用いられるが、その他のエーテル
類やアミン類、チオエーテル類、ホスホルアミド、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、カリウム又はナトリウムの
アルコキシド等も使用できる。適当なエーテル類として
はTHFの他にジメチルエーテル、ジエチルエーテル、
ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等が挙
げられる。アミン類としては第三級アミン、例えば、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチ
レンジアミンの他、環状第三級アミン等も使用できる。
その他にトリフェニルホスフィン、ヘキサメチルホスホ
ルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム又はナ
トリウム、カリウム又はナトリウムブトキシド等がラン
ダム化剤として用いることができる。
【0026】その他、機械的にビニル芳香族炭化水素と
共役ジエンモノマーを重合缶に連続フィードするか、ビ
ニル芳香族炭化水素と共役ジエンモノマーを重合缶に交
互に少量ずつ分添することによってもブロック率は制御
できる。
【0027】ブロックB1 とブロックB2 の造り分け
は、ブロック毎にビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
モノマーを必要な比率で一括もしくは分添する、ブロ
ックB 1 及びブロックB2 の両領域分に相当する共役ジ
エンモノマーを一括添加した後、ブロックB1 分のビニ
ル芳香族炭化水素を一括もしくは分添することによりブ
ロックB1 を形成し、継いでブロックB2 分のビニル芳
香族炭化水素と必要な場合ランダム化剤を一括もしくは
分添することによりブロックB2 を形成する等の方法が
あるが、どのような製法であっても本発明で規定する構
造に該当すれば効果は発現する。
【0028】本発明においてビニル芳香族炭化水素系樹
脂として、1種のビニル芳香族炭化水素の単独重合体、
或いは2種以上のビニル芳香族炭化水素の共重合体、及
び/またはビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸
エステルの共重合体が用いられる。
【0029】ビニル芳香族炭化水素としては、前記のブ
ロック共重合体に用いられるものと同様のものを用いる
ことができる。
【0030】(メタ)アクリル酸エステルとしては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸(2-エチル)ヘキシル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸(2-ヒドロキシ)エチル等が挙げられる。
【0031】本発明に用いられるビニル芳香族炭化水素
と(メタ)アクリル酸エステルの共重合体は、ビニル芳
香族炭化水素/(メタ)アクリル酸エステルの重量比
が、5/95以上であり、好ましくは40/60以上で
あり、更に好ましくは70/30以上であるモノマー混
合物を重合して得られる。
【0032】本発明における樹脂組成物中の(I)のブ
ロック共重合体/(II)のビニル芳香族炭化水素系樹
脂との重量比は20/80〜95/5であり、好ましく
は30/70〜95/5であり、更に好ましくは40/
60〜95/5である。ブロック共重合体/ビニル芳香
族炭化水素系樹脂との重量比が20/80未満では樹脂
の耐衝撃性が不十分であり好ましくない。
【0033】本発明における樹脂組成物を各分野で有効
に活用するためには、必要に応じて種々の添加剤を配合
することが望ましい。添加剤としては、各種安定剤、滑
剤、加工助剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇
剤、耐光性向上剤、軟化剤、可塑剤、顔料などが使用で
きる。
【0034】安定剤としては2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤、ト
リスノニルフェニルフォスファイト等の燐系酸化防止剤
等が挙げられる。またブロッキング防止剤、帯電防止
剤、滑剤としては、例えば脂肪酸アマイド、エチレンビ
スステアロアミド、ソルビタンモノステアレート、脂肪
酸アルコールの飽和脂肪酸エステル、ペンタエリスリト
ール脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの添加剤は
樹脂に対して5重量%以下の範囲で使用することが好ま
しい。
【0035】本発明における樹脂組成物は、ブロック共
重合体とビニル芳香族炭化水素系樹脂を混合することに
よって得られるが、混合する方法は、公知のいかなる方
法であってもよく、例えば、通常のヘンシェルミキサ
ー、リボンブレンダー、スーパーミキサー及びVブレン
ダー等でドライブレンドしてもよく、更に押出機で溶融
混合してもよい。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0037】実施例1 シクロヘキサン溶媒中、n−ブチルリチウムを開始剤と
して、スチレン及びブタジエンのモノマ−を用い表1の
P1に相当するA1 −B1 −B2 −A2 型構造のブロッ
ク共重合体を製造した。ブロック共重合体の製造におい
てブロック共重合体に組み込まれているポリスチレンブ
ロックA1 及びA2 の数平均分子量の比は、ブロックA
1 部に使用するスチレン量と、ブロックA2 部に使用す
るスチレン量の比率を変えることで調整し、また、スチ
レンのブロック率は、ブロックB 1 及びブロックB2
のモノマーとして添加するスチレンとブタジエンの混合
モノマーの比率を変えることで調整した。得られたブロ
ック共重合体90重量部とスチレン樹脂(電気化学工業
社製、商品名デンカスチロールGP−1)10重量部を
混合して押出機にてペレット化した後、日精樹脂工業社
製FS−55(2oz射出成型機)を用い220℃で縦
×横×厚さ=100mm×100mm×2mmのプレー
トを射出成型し、物性試験用に使用した。その結果を表
2に示した。
【0038】実施例2〜3、比較例1 実施例1で得られたブロック共重合体P1を用い、表2
及び3に示す割合でスチレン樹脂と混合して物性を測定
し、その結果を同表に示した。
【0039】実施例4〜7、比較例2〜6 実施例1と同様に重合を行い、表1に示したP2、P4
〜P7のブロック共重合体を得た。また、実施例7につ
いては重合が完結した後、3官能のエポキシ化大豆油
を、使用したn−ブチルリチウムに対して1/3モル添
加してカップリングさせることによりブロック構造が
(A1 −B1 −B2 −A2 3 Xで表されるブロック共
重合体P3を製造した。これらのブロック共重合体を用
い、実施例1と同様に表2及び3に示す割合でスチレン
樹脂と混合して物性を測定し、その結果を同表に示し
た。
【0040】実施例8 ブロック共重合体P1を90重量部と、メタクリル酸メ
チルを22重量%含むメタクリル酸メチルとスチレンの
共重合樹脂(新日鉄化学社製、商品名エスチレンMS−
200。以下、MS樹脂という)を10重量部混合して
押出機にてペレット化した後、日精樹脂工業社製FS−
55(2oz射出成形機)を用いて220℃で縦x横x
厚さ=100mmx100mmx2mmのプレートを射
出成形し、物性試験に供した。結果を表4に示した。
【0041】実施例9〜14、比較例7〜12 表4及び5に示す配合により実施例8同様して物性を測
定し、その結果を同表に示した。
【0042】実施例15〜21、比較例13〜18 ブロック共重合体と、アクリル酸n−ブチルを10重量
%含むアクリル酸n−ブチル−スチレン共重合樹脂の組
み合わせについて、表6及び7に示す配合により実施例
8同様して物性を測定し、その結果を同表に示した。以
上、表2、4及び6に示すように、本発明の樹脂組成物
は透明性及び耐衝撃性に優れた成型品の製造に好適であ
る。
【0043】表中の物性の測定は下記の方法によった。 (1)落錘強度:前述のプレートを20℃の雰囲気にお
いて、先端のRが10m/mφの錘を重量及び高さを変
えて落下させ、破壊の起こらない最高の高さを求め、重
量×高さで表示した。 (2)曇度:前述のプレートをASTM−D−1003
の方法により測定した。 (3)硬度:前述のプレートをASTM−D−785
(ロックウェル硬度:Rスケール)の方法により測定し
た。 なお、落錘強度と曇度の測定に使用したプレートは、射
出成型後23℃×50%×24時間、状態調整を行っ
た。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は耐衝撃性及び透明
性ともに優れるので、該樹脂組成物から透明性に優れ、
耐衝撃性の高い成型品を得ることができる。更に、射出
成型、射出中空成型によって成型品が得られるだけでな
く、押出成型、インフレーション成型等によりフィルム
/シートに成型され、そのまま、もしくは真空圧空成型
等の2次加工により種々の用途に使用できる。特に、透
明性と耐衝撃性の高度なバランスの要求される透明シー
ト用途への使用、低温収縮タイプのシュリンクフィルム
への腰強度付与成分としての使用が有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−79251(JP,A) 特開 昭60−223812(JP,A) 特開 昭63−145314(JP,A) 特開 昭50−108349(JP,A) 特開 昭50−121351(JP,A) 特開 平7−97418(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/02 C08L 25/04 C08F 297/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(I)のブロック共重合体と(I
    I)のビニル芳香族炭化水素系樹脂を含有する透明高強
    度樹脂組成物。 (I)ブロック共重合体の両末端に大きさの異なるビニ
    ル芳香族炭化水素重合体ブロックA1 及びA2 を有し、
    中間部分に共役ジエンモノマーの重合体及び/または共
    役ジエンモノマーとビニル芳香族炭化水素の共重合体ブ
    ロックB1 及びB 2 を有し、(1)ビニル芳香族炭化水
    素/共役ジエンモノマーの重量比が50/50〜90/
    10で共重合されており、(2)ブロック共重合体に含
    有されるビニル芳香族炭化水素重合体のブロック率が2
    5〜90重量%であり(但し、ブロック率(%)=(W
    /W0 )×100、W=ブロック共重合体中のビニル芳
    香族炭化水素重合体ブロックの重量、W0 =ブロック共
    重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体の全重量であ
    る)、(3)ブロックA1 及びA2 の数平均分子量の間
    に0.1≦MN1 /MN2 ≦0.8の関係が成立し(但
    し、MN1 =ブロックA 1 の数平均分子量、MN2 =ブ
    ロックA2 の数平均分子量である)、(4)ブロックB
    1 及びB2 において、1.2≦M1 /M2 ≦10の関係
    が成立し(但し、M1 =ブロックB1 中の共役ジエンモ
    ノマーの重合体の重量分率、M2 =ブロックB2 中の共
    役ジエンモノマーの重合体の重量分率である)、(5)
    ブロック共重合体の構造が、(イ)A1 −B1 −B2
    2 又は(ロ)(A1 −B1 −B2−A2 n −Xであ
    り(但し、Xは多官能カップリング剤の残基又は多官能
    有機リチウム化合物の残基を示す)、かつ、(6)数平
    均分子量が40000〜500000であることを特徴
    とするブロック共重合体 (II)ビニル芳香族炭化水素の1種又は2種以上の重
    合体及び/またはビニル芳香族炭化水素と(メタ)アク
    リル酸エステルの共重合体
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