JPH07179696A - 透明樹脂組成物 - Google Patents

透明樹脂組成物

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JPH07179696A
JPH07179696A JP32651293A JP32651293A JPH07179696A JP H07179696 A JPH07179696 A JP H07179696A JP 32651293 A JP32651293 A JP 32651293A JP 32651293 A JP32651293 A JP 32651293A JP H07179696 A JPH07179696 A JP H07179696A
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JP
Japan
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weight
vinyl aromatic
aromatic hydrocarbon
block
block copolymer
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Application number
JP32651293A
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English (en)
Inventor
Susumu Hoshi
進 星
Goro Yamamoto
五郎 山本
Tsutomu Sugimoto
勉 杉本
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品用途のケース、包装材料用などに使われ
る押出成形シート等の表面の平滑な透明性、剛性、室温
及び−10℃での耐面衝撃性とをバランスさせた樹脂組
成物を提供する。 【構成】 (a)ビニル芳香族炭化水素を主体とする重
合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブロック
からなるブロック共重合体で、該共重合体中のビニル芳
香族炭化水素含有量が65重量%以上、80重量%以
下、ビニル芳香族炭化水素のブロック率が50〜80
%、該ブロックスチレンの分子量分布が1.6を超え、
3.0以下で、分子量が60000以上の成分が15重
量%以上、60重量%以下であるブロック共重合体樹脂
と、(b)ビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸
エステルとの共重合体樹脂とを配合してなる透明樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐面衝撃性と透明性の
バランスに優れたシート用透明樹脂組成物に関するもの
であり、押出成形して得られるシート、フィルムあるい
は更に真空成形、折り曲げ成形、プレス成形などを行っ
て得られる容器、ケースなどの高度の透明性と耐面衝撃
性を必要とする透明成形品に好適な樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンから
なるブロック共重合体樹脂は優れた透明性と耐衝撃性を
備えた樹脂であり、シート、フィルム、射出成形品等に
広く使用されている。しかし、該樹脂には耐衝撃性に優
れたものは剛性が低く、反対に剛性の高いものは耐衝撃
性が低いという、二律背反の関係があり、特に耐面衝撃
性と剛性の両者とも優れたブロック共重合体樹脂は未だ
得られていないのが実状である。
【0003】耐衝撃性としてアイゾット衝撃強度を改良
する試みが特公昭52−16496号公報に開示されて
いる。スチレン・ブタジエンブロック共重合体にゴム変
性ポリスチレンを15%以上配合すると衝撃強度は向上
するが、透明性は著しく低下する。またゴム変性ポリス
チレンが0.5%の配合量では耐衝撃性、強度、剛性は
ゴム変性ポリスチレンを配合しない時と同等であり、な
んらの改良効果も認められない。
【0004】特公昭59−25821号公報には特定構
造のブロック共重合体を用いて変性したゴム変性耐衝撃
スチレン重合体とビニル芳香族炭化水素と共役ジエンか
らなるブロック共重合体とからなる重合体組成物が開示
され、優れた耐衝撃性と透明性であることが記載されて
いる。しかしながら、開示されたゴム変性耐衝撃スチレ
ン重合体はそれ自身のアイゾット衝撃強さが従来のもの
に比べ低く、十分な耐衝撃性には至っていない。特開昭
51−89550号公報にはビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンからなるブロック共重合体とゴム変性スチレン
重合体及びスチレン重合体とからなる透明耐衝撃性スチ
レン系重合体組成物が開示されている。しかし、この組
成物においても透明性と耐衝撃性の両者とも満足できる
組成物は見あたらない。
【0005】近年、地球環境の保護という観点から、塩
素を原料とする樹脂を非塩素系の樹脂に置き換える動き
が活発となり、剛性、透明性、耐衝撃性の総合的なバラ
ンスに優れた樹脂が望まれている。特開平4−3935
1号公報にはスチレン系樹脂(スチレン単独重合体又は
アクリロニトリルとの共重合体)と一般式A1−B−A2
で表されるブロック共重合体との樹脂組成物が開示され
ている。しかしながら、これに示されたブロック共重合
体樹脂組成物はブロック共重合体自身の低温での耐衝撃
性が十分でなく、0℃以下の温度で耐衝撃性が著しく低
下するため冷蔵庫などに保存する食品包装容器としての
使用あるいは寒冷地での使用が制限される欠点を有して
いる。特開平4−57845号公報にはスチレン系共重
合体樹脂とブロック共重合体との組成物が開示されてい
る。これに示されたブロック共重合体は、スチレン系成
分を主体とするブロックと共役ジエンを主体とするブロ
ック共重合体から構成されてはいるものの各ブロックを
構成する成分の比率は明確に示されておらず、実施例は
それぞれのブロックがスチレン、ブタジエン単独重合体
ブロックである。従って、実施例のようなブロック共重
合体のうちビニル芳香族炭化水素含有量の多いブロック
共重合体を用いた場合には、耐衝撃性が不足し、反対に
ビニル芳香族炭化水素含有量の少ないブロック共重合体
を用いた場合には剛性が著しく低下するだけでなく成形
品が青白く見える欠点を有している。特開平4−236
239号公報にはスチレン系共重合体樹脂とビニル芳香
族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体との
スチレン系樹脂シートが開示され、強度、透明性に優れ
ることが記載されている。しかし、このシートは耐面衝
撃性及び剛性共にまだ充分に満足されるものではなく、
また、シート表面も平滑ではないためクリア感に欠ける
問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術で達成
され得なかった高度の透明性、剛性と耐面衝撃性を必要
とする押出シート、フィルム、更に真空成形、プレス成
形、折り曲げ成形した容器、ケースにおいて、高度の透
明性、特に青白く見える欠点の無い透明性とシート表面
の平滑性、剛性、室温及び−10℃以下の耐面衝撃性の
バランスに優れる樹脂組成物を提供することが本発明の
課題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らはかかるシ
ートの青白さ、シート表面の平滑性及びシートの剛性と
耐面衝撃性を一挙に改良すべく鋭意検討した結果、ビニ
ル芳香族炭化水素と共役ジエンとからなる特定構造の熱
可塑性ブロック共重合体とビニル芳香族炭化水素と(メ
タ)アクリル酸エステルとの共重合体樹脂との組成物
は、青白さもなく、シート表面の平滑性に優れ、しかも
剛性が高く、室温での耐面衝撃性はもとより−10℃以
下の耐面衝撃性をも兼ね備えた性能を有することを見い
だし本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(a)少なくとも2個の
ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAと
少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロッ
クBからなるブロック共重合体で、該ブロック共重合体
中のビニル芳香族炭化水素含有量が65重量%以上、8
0重量%以下、ブロック共重合体中に組み込まれている
ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率が5
0重量%以上、80重量%以下、該ビニル芳香族炭化水
素重合体ブロックの分子量分布が1.6を超え、3.0
以下で分子量が60000以上の成分を15重量%以
上、60重量%以下有するブロック共重合体が10重量
%以上、90重量%以下と、(b)(メタ)アクリル酸
エステルの含有量が8重量%以上、25重量%以下のビ
ニル芳香族炭化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体樹脂が90重量%以下、10重量%以上とからなる
透明樹脂組成物、である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いるブロック共重合体は、ポリマー構造が、化1で表
される線状ブロック共重合体、あるいは化2で表される
ラジアルブロック共重合体、あるいはこれらのブロック
共重合体の任意のポリマー構造の混合物が使用できる。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】ここでビニル芳香族炭化水素を主体とする
重合体ブロックとはビニル芳香族炭化水素含有量が50
重量%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
との共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素
単独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主体とする重
合体ブロックとは共役ジエンを50重量%を越える量で
含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素共重合体ブ
ロック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックを示
す。
【0013】ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体
ブロック或は共役ジエンを主体とする重合体ブロック中
にビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのランダム共重合
体部分が存在する場合、共重合されているビニル芳香族
炭化水素は重合体ブロック中に均一に分布していても、
テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、該共
重合体部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分布してい
る部分及び/又はテーパー状に分布している部分が複数
個共存してもよい。
【0014】本発明で用いるブロック共重合体は基本的
には従来公知の手法で製造でき、例えば特公昭36−1
9286号公報、特公昭43−17979号公報、特公
昭48−2423号公報、特公昭49−36957号公
報、特公昭57−49567号公報、特公昭58−11
446号公報などに記載された手法があげられるが、各
構成ポリマーは後述する要件を満足するように製造条件
を設定しなければならない。上記の公知の手法はすべ
て、炭化水素溶剤中で有機リチウム化合物等のアニオン
開始剤を用い、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素をブ
ロック共重合する手法である。
【0015】本発明に用いられるビニル芳香族炭化水素
としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメ
チルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン
などがあるが、特に一般的なものはスチレンが挙げられ
る。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよ
い。共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有する
ジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−
メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的な
ものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙
げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用し
てもよい。
【0016】炭化水素溶媒としてはブタン、ペンタン、
ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪
族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロ
ヘキサン等の脂環式炭化水素、或はベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が
使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使用
してもよい。
【0017】有機リチウム化合物は、分子中に一個以上
のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有
機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物である。
これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピ
ルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウ
ム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。これらは
1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0018】本発明の方法において重合体を製造する際
の重合温度は一般的に−10℃〜150℃、好ましくは
40℃〜120℃である。重合に要する時間は条件によ
って異なるが、通常は48時間以内であり、特に好適に
は1〜10時間である。また、重合系の雰囲気は窒素ガ
スなどの不活性ガスなどをもって置換するのが望まし
い。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒
を液層に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特
に制限されるものではない。更に重合系内には触媒及び
リビングポリマーを不活性化させるような不純物、例え
ば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意する必要
がある。
【0019】本発明で用いるブロック共重合体のビニル
芳香族炭化水素含有量の好ましい範囲は65重量%以
上、80重量%以下であり、更に好ましい範囲は65重
量%以上、75重量%以下である。ブロック共重合体の
ビニル芳香族炭化水素含有量が65重量%未満では、樹
脂組成物成形品の剛性が劣り、逆に80重量%を越える
と耐面衝撃性が低下するため好ましくない。又、本発明
のブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量の範
囲外にあっては成形品に青白さが生じるため好ましくな
い。
【0020】本発明で用いるブロック共重合体のビニル
芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率の好ましい
範囲は50重量%以上、80重量%以下であり、更に好
ましい範囲は55重量%以上、75重量%以下である。
ブロック率が50重量%以下の場合は樹脂組成物成形品
の剛性と−10℃以下の耐面衝撃性が劣り、80重量%
を越えると耐面衝撃性が低下するため好ましくない。ビ
ニル芳香族炭化水素ブロックのブロック率は、ブロック
共重合体の製造時において少なくとも一部のビニル芳香
族炭化水素と共役ジエンが共重合する工程におけるビニ
ル芳香族炭化水素と共役ジエンの重量、重量比、重合反
応性比等を変えることによりコントロールすることがで
きる。
【0021】具体的な方法としては、(イ)ビニル芳香
族炭化水素と共役ジエンとの混合物を連続的に重合系に
供給して重合する、及び/又は(ロ)極性化合物或はラ
ンダム化剤を使用してビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンを共重合する等の方法が採用できる。極性化合物やラ
ンダム化剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
ブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、テ
トラメチルエチレンジアミン等のアミン類、チオエーテ
ル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシ
ド等が挙げられる。尚、本発明においてブロック共重合
体中に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブ
ロックのブロック率とは、四酸化オスミウムを触媒とし
てジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによ
りブロック共重合体を酸化分解する方法(I.M.KO
LTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.
1,429(1946)に記載の方法)により得たビニ
ル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(但し平均重合度
が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除か
れている)を定量し、下記の数1から求めた値を云う。
【0022】
【数1】
【0023】又、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロック
の分子量分布は該ブロック率の定量に用いたものと同一
成分の重量平均分子量を数平均分子量で徐した値であ
る。重量平均分子量及び数平均分子量はゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)用の単分散ポリス
チレンをGPCにより、そのピークカウント数と単分散
ポリスチレンの数平均分子量との検量線を作成し、常法
(例えば「ゲルクロマトグラフィー<基礎編>」講談社
発行)に従って算出した。
【0024】本発明においてビニル芳香族炭化水素重合
体ブロックの好ましい分子量分布の範囲は1.6を超
え、3.0以下、更に好ましくは1.7以上、2.5以
下である。ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの分子
量分布が1.6以下では樹脂組成物成形品の表面平滑性
に劣り、3.0を超えると−10℃以下の耐面衝撃性に
劣るため好ましくない。
【0025】又、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロック
の分子量の60000以上の成分が15重量%以上、6
0重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2
0重量%以上、55重量%以下である。ビニル芳香族炭
化水素重合体ブロックの分子量の60000以上の成分
が15重量%未満では樹脂組成物成形品の表面平滑性に
劣り、60重量%を越えると−10℃以下の耐面衝撃性
に劣るため好ましくない。尚、ビニル芳香族炭化水素重
合体ブロックはモノモダル、バイモダル或はポリモダル
であっても良く、バイモダル或はポリモダルにあっては
高分子側ピーク分子量を100000以下にすることが
−10℃以下の耐面衝撃性を発現する上で好ましい。
【0026】本発明で用いるブロック共重合体の分子量
は、重合に使用する触媒量により任意に調整できるが成
形加工性の点から、メルトフローインデックス(JIS
K−6870により測定。条件はG条件で温度200
℃、加重5Kg)が0.1〜50g/10min、好ま
しくは1〜20g/10minである。本発明で用いる
ブロック共重合体は所望により不活性溶剤中で水素添加
触媒の存在化に水素添加して水添物として使用すること
もできる。具体的な方法としては特公昭42−8704
号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方
法、特に好ましくは特公昭63−4841号公報及び特
公昭63−5401号公報に記載された方法である。
【0027】本発明で用いる(b)成分のビニル芳香族
炭化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を構成
する単量体には以下のものを挙げることができる。ビニ
ル芳香族炭化水素は、スチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどであ
り、(メタ)アクリル酸エステルは、メタクリル酸のメ
チルエステル、エチルエステル、n−ブチルエステル、
i−ブチルエステル、t−ブチルエステル、2−エチル
ヘキシルエステル、アクリル酸のメチルエステル、エチ
ルエステル、n−ブチルエステル、2−エチルヘキシル
エステルなど、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜8のア
ルコールとのエステルである。
【0028】これらの(b)成分の重合体の中で高度の
透明性と剛性を維持し、同時に加工性を改良するために
はスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体が好まし
い。剛性、耐熱性を改良するにはスチレン−メタクリル
酸メチル共重合体が好ましいが、多量に配合すると透明
性はやや劣るものとなる。スチレン−メタクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−n−アクリル酸ブチル共重合体
においてメタクリル酸メチルあるいはアクリル酸ブチル
の共重合組成比は、最終組成物の青白さをなくすため8
〜25重量%が好ましく、更に好ましくは10〜23重
量%であるが、0.1〜2%の他の単量体を含んでいて
もよい。また、これらのビニル芳香族炭化水素−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体のMI(G)は1〜1
0g/10minが好ましい。
【0029】本発明のシート用透明樹脂組成物のブロッ
ク共重合体(a)とビニル芳香族炭化水素−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体樹脂(b)の重量比は(a)
+(b)=100重量%に対して(a)が10重量%以
上、90重量%以下、(b)が90重量%以下、10重
量%以上であり、好ましくは(a)が20重量%以上、
80重量%以下、(b)が80重量%以下、20重量%
以上である。ブロック共重合体(a)の重量比が10重
量%未満の場合は、樹脂組成物成形品の耐面衝撃性が低
下するため好ましくない。又、90重量%を越える場合
は樹脂組成物成形品の剛性が低下すると共に、成形性が
悪化するため好ましくない。
【0030】本発明の透明樹脂組成物には、透明性、剛
性、耐面衝撃性を損なわない範囲で必要に応じて種々の
添加剤を配合することができる。これらの添加剤には、
ビニル芳香族炭化水素含有量が50重量%以下のビニル
芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体エラス
トマーやゴム変性耐衝撃性ポリスチレン、非ゴム変性ポ
リスチレン、ポリエチレンテレフタレート、酸化防止
剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色
剤、ミネラルオイル、可塑剤等がある。
【0031】本発明のシート用透明樹脂組成物を得る方
法は、従来公知のあらゆる配合方法によって製造するこ
とができる。例えば、オープンロール、インテシブミキ
サー、インターナルミキサー、コニーダー、二軸ロータ
ー付の連続混練機、押出機等の一般的な混和機を用いた
溶融混練方法等がある。
【0032】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、これら
は本発明の範囲を制限するものではない。 (a)成分のブロック共重合体の製造 表1に実施例で用いた(a)成分のブロック共重合体を
示した。A−1〜A−12のブロック共重合体はA−B
−A'構造のブロック共重合体であり、シクロヘキサン
溶媒中でn−ブチルリチウムを開始剤に用い、スチレ
ン、スチレン・ブタジエン混合物、スチレンの順にモノ
マーのシクロヘキサン溶液を添加して重合し、メタノー
ルで重合を停止した後、2−(2−ヒドロキシ−3−t
−ブチル−5−メチルベンジル)−4−メチル−6−t
−ブチルフェニルアクリレートとトリスノニルフェニル
ホスファイトをブロック共重合体100重量部に対して
それぞれ0.5重量部、安定剤として添加し、溶剤を留
去して得た。尚、ブロックポリスチレンの含有量(重量
%)はブロック共重合体をオスミウム酸で分解した後、
メタノールに再沈澱して測定した。また、そのブロック
スチレンのGPC曲線からブロックスチレンの分子量分
布(Mw/Mn)を求め、ブロックスチレンの分子量が
60000以上の成分量(重量%)は、ブロックスチレ
ンのGPC曲線の面積比から算出した。メルトフロー
(MI)はG条件で測定した。ブロック重合体のブロッ
クスチレンのMw/Mn、分子量が60000以上の成
分量の調整はスチレンモノマー量の組成比、重合器の撹
拌翼の撹拌数、重合温度等をコントロールすることによ
って調整した。ブロック共重合体A−13は、C−A−
B−A'構造のブロック共重合体であって、ポリブタジ
エン部分Cがブロック重合体の8重量%を占めるように
モノマーを添加した以外はA−1と同様の手法でブロッ
ク共重合体を得た。ブロック共重合体A−14、15は
第1段目にシクロヘキサン溶媒中でn−ブチルリチウム
とスチレンを添加して重合し、第2段目にもn−ブチル
リチウムとスチレンを添加して重合させ、次にスチレン
・ブタジエン混合物を添加して重合を完結した後、カッ
プリング剤として1,3ビス(N,N−グリシジルアミ
ノメチル)シクロヘキサンを添加したラジアルブロック
共重合体である以外はA−1と同様の手法でブロック共
重合体を得た。
【0033】(b)成分の製造 実施例に用いた(b)成分を表2に示した。B−1は市
販のものを、B−2〜B−5は、撹拌器付き10Lオー
トクレーブに、スチレンとアクリル酸n−ブチルを表2
に示す割合で5Kg添加し、同時にエチルベンゼン0.
3Kg、MI(G)を調整するため1,1ビス(t−ブ
チルパーオキシ)シクロヘキサンを所定量仕込み、11
0℃で2時間、130℃で3時間、150℃で2時間重
合後、押出機で未反応スチレン、アクリル酸n−ブチ
ル、エチルベンゼンを回収して得た。
【0034】本発明における各種評価の方法は以下のと
うりである。 [引張弾性率]JIS K−6872に準拠して、シー
トの押出方向及び押出方向に垂直な方向について測定し
た(単位はKg/cm2)。 [面衝撃強さ]面衝撃強さは、重錘形状が半径1/2イ
ンチのものを用いた以外はASTMD1709に準拠し
て測定した(単位はKg・cm)。
【0035】[肌荒れ度]押出シート(厚さ約0.7m
m)を紫外分光光度計(島津製作所(株)UV−210
0)を用いて、波長700nmの透過率より判定した。 ○:透過率が85%以上 △:透過率が80%以上85%未満 ×:透過率が80%未満 [青白さ]成形シートを目視判定した。
【0036】
【実施例1〜7及び比較例1〜11】表3に示した配合
量(重量%)の(a)成分、(b)成分を40mmシー
ト押出機で厚さ約0.7mmのシートを成形し、引張弾
性率、面衝撃強さ、青白さ及び表面平滑性を表す肌荒れ
度について測定した。結果を表3に示す。本発明で規定
した範囲の組成物は成形シートの青白さは極めて小さ
く、表面平滑性が良好なため透明感があり、剛性と特に
耐低温衝撃性のバランスに優れることが分かる。
【0037】
【実施例8〜10】表4に示した配合量(重量%)の
(a)成分、(b)成分を実施例1と同様な方法で厚さ
約0.7mmのシートを成形し、引張弾性率、面衝撃強
さ、肌荒れ度及び青白さについて測定した。結果を表4
に示した。
【0038】
【実施例11】(a)成分のブロック共重合体としてA
−3を14重量%、(b)成分としてB−3のスチレン
−アクリル酸n−ブチル共重合体を86重量%を配合し
て実施例1と同様に厚さ0.4mmのシートを成形し
た。その後、成形したシートを真空成形によってドリン
クカップの成形を行ったところ、カップ表面に肌荒れが
なく、青白さもないため極めて良好な外観を有するもの
であった。又、カップの剛性が高いことから、握った際
に腰があり、実用性に優れたカップを得ることができ
た。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明のビニル芳香族炭化水素と共役ジ
エンとからなる特定構造の熱可塑性ブロック共重合体樹
脂とビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エステ
ルとの共重合体樹脂組成物のシート成形品は、青白さも
なく表面が平滑な優れた透明性を有し、しかも剛性が高
く、室温での耐面衝撃性はもとより、−10℃以下の温
度でも良好な耐面衝撃性をも兼ね備えた性能を有してい
る。このような特性を利用し、内容物が鮮やかに見える
食品用のケース、包装用材料、ブリスター等の用途に好
適である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】
【表4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも2個のビニル芳香族炭
    化水素を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個
    の共役ジエンを主体とする重合体ブロックBからなるブ
    ロック共重合体で、該ブロック共重合体中のビニル芳香
    族炭化水素含有量が65重量%以上、80重量%以下、
    ブロック共重合体中に組み込まれているビニル芳香族炭
    化水素重合体ブロックのブロック率が50重量%以上、
    80重量%以下、該ビニル芳香族炭化水素重合体ブロッ
    クの分子量分布が1.6を超え、3.0以下で分子量が
    60000以上の成分を15重量%以上、60重量%以
    下有するブロック共重合体が10重量%以上、90重量
    %以下と、(b)(メタ)アクリル酸エステルの含有量
    が8重量%以上、25重量%以下のビニル芳香族炭化水
    素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂が90重
    量%以下、10重量%以上とからなる透明樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1(b)に記載のビニル芳香族炭
    化水素がスチレンであり、(メタ)アクリル酸エステル
    がアクリル酸n−ブチルである請求項1記載の透明樹脂
    組成物。
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