JP2005298775A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Yuji Shima
裕士 島
Kinya Kurokawa
欽也 黒川
Hideki Totani
英樹 戸谷
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Abstract

【課題】 実用強度、透明性、伸びに優れ、その他物性バランスも良好な熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)芳香族ビニル単量体30〜90質量%と共役ジエン10〜70質量%より成る共重合体50.8〜94.8質量%、(B)芳香族ビニル単量体70〜85質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体15〜30質量%から成る共重合体5〜49質量%、テルペン系樹脂(C)0.2〜20質量%、低分子量スチレン系樹脂(D)0〜20質量%からなる熱可塑性樹脂組成物。

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物からなるシートを2次加工する際の透明性の低下が少なく、且つ剛性、衝撃強度、伸びに優れ、その他物性バランスも良好な熱可塑性樹脂、及びその製造方法に関する。
SBS樹脂およびMS樹脂からなるシートは、剛性、耐熱性、透明性に優れるが、2次加工(真空成形、熱盤成形等)時の加熱によりシートが曇る現象(外観不良)が見られた(例えば特許文献1)。
特開昭52−124046号公報、P1−P10
本発明の目的とするところは、熱可塑性樹脂組成物からなるシートを2次加工する際の透明性の低下が少なく、且つ剛性、衝撃強度、伸びに優れたシートを構成する熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位量を特定量有する共重合体と、芳香族ビニル単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を特定有する共重合体とテルペン系樹脂または、芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位を特定量有する共重合体と、芳香族ビニル単量体単位量と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を特定量有する共重合体とテルペン系樹脂、低分子量スチレン系樹脂を特定の割合で混合した熱可塑性樹脂組成物からなるシートは、2次加工時の加熱による透明性の低下が少なく、且つ剛性、衝撃強度、伸びに優れる事を発明した。
即ち、本発明は、(A)芳香族ビニル単量体単位30〜90質量%と共役ジエン単位10〜70質量%よりなる共重合体50.8〜94.8質量%、(B)芳香族ビニル単量体単位70〜85質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位15〜30質量%からなる共重合体5〜49質量%、テルペン系樹脂(C)0.2〜20質量%、低分子量スチレン系樹脂(D)0〜20質量%からなる熱可塑性樹脂組成物である。
特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエン単位を含有する共重合体(A)、特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及びメチル(メタ)アクリル酸エステルを含有するアクリル系共重合体(B)、並びに特定の割合のテルペン系樹脂(C)を必須成分とし、これらを特定の割合で配合した本発明の熱可塑性樹脂組成物は、実用強度、透明性、伸びに優れ、その他の物性バランスも良好であり、産業上の利用価値は極めて大きい。
以下に本発明を詳細に説明する。
共重合体(A)は、芳香族ビニル単量体単位30〜90%質量と共役ジエン単位10〜70質量%からなる。好ましくは、芳香族ビニル単量体単位75〜90%と共役ジエン単位10〜25質量%からなる事である。更に好ましくは、芳香族ビニル単量体単位76〜85質量%と共役ジエン単位15〜24質量%からなる事である。芳香族ビニル単量体単位が30質量%未満、即ち共役ジエン単位が70質量%を越えると、得られる組成物の透明性及び剛性が低下する。また、芳香族ビニル単量体単位が90%質量を越える場合、すなわち共役ジエン単位が10質量%未満であると、得られる組成物の実用強度が低くなる。また、熱可塑性樹脂組成物100質量%中の共重合体(A)の割合は50.8〜94.8質量%であるが、好ましくは60〜89.8%、さらに好ましくは60〜82.5質量%、特に好ましくは65〜79質量%である。共重合体(A)の割合が低下すると、熱可塑性樹脂組成物からなるシートは、2次加工時の加熱による透明性の低下する傾向がある。また共重合体(A)の割合が増加すると実用強度の低下する傾向がある。
共重合体(A)に用いる芳香族ビニル単量体単位としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
共重合体(A)に用いる共役ジエン単位としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中で1,3−ブタジエンが特に好ましい。
共重合体(A)の構造は特に限定されないが、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロック、共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックからなる例えば直線型、星型等のブロック共重合体がある。また、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロックあるいは共役ジエン単位を主体とする重合体ブロック中に共重合されている芳香族ビニル単量体単位は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸滅)状に分布していてもよく、下記の一般式で示されるものが好ましい。
(a) A−(B)m
(b) A−C−(B)m
(c) A−(C−B)m
(d) A−(C−B)m−(B)n
(e) A−B
(f) A−B−A
(g) A−C−B
(h) A−C−B−A
(i) A−B−C−B
(j) A−B−C−B−A
(k) A−C−B−C−B−A
(l)(A−B)m−X
(m)(A−C−B)m−X
(n)(A−C−B−A)m−X
(o)(A−C−B−C−B)m−X
(p)(A−C)n
(q)(A−C)n−A
(r)(A−C)m−X
(s)(A−C−A)m−X
(但し、一般式中Aはビニル芳香族炭化水素の重合鎖、Bはビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合鎖、Cは共役ジエンの重合鎖を示す。またmは2以上の整数、nは1以上の整数を示す。尚Aが一般式中に複数ある場合はその分子量が互いに同一でも異なっていても差し支えない。また、Xは開始剤として用いられる前記の多官能有機リチウム化合物の残基、または、多官能カップリング剤の残基を示す。多官能カップリング剤としては、四塩化ケイ素、エポキシ化大豆油等が挙げられる)
前記一般式中Aはビニル芳香族炭化水素の重合鎖、したがってビニル芳香族炭化水素のブロック重合鎖を示し、前記のビニル芳香族炭化水素の1種または2種以上を重合することにより導入される。
前記一般式中Bはビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合鎖を示す。一般式中の複数のBはその分子量あるいは組成分布(ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの分布)が互いに同一であっても異なっていてもよい。また、当該分布に関してはランダム状であってもテーパー状、即ちビニル芳香族炭化水素単位と共役ジエン単位の分布密度に勾配がついた状態、を有していても差し支えない。Bは前記のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重合することにより導入される。このとき一定の重合条件下で主に当該単量体の添加量と添加方法により分子量および組成分布が制御される。
前記一般式中Cは共役ジエンの重合鎖、したがって共役ジエンのブロック重合鎖を示し、前記の共役ジエンの1種又は2種以上を重合することにより導入される。一般式中に複数存在する場合、その分子量は互いに同一であっても異なっていても差し支えない。
次に、芳香族ビニル単量体30〜90質量%と共役ジエン10〜70質量%より成る共重合体(A)の製造について説明する。共重合体(A)は、有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤としてビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンのモノマーを重合することにより製造できる。有機溶媒としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、あるいはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素などが使用できる。
有機リチウム化合物は、分子中に1個以上のリチウム原子が結合した化合物であり、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムのような単官能有機リチウム化合物、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウムのような多官能有機リチウム化合物等が使用できる。
本発明に用いられるビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンは、前記したものを使用することができ、それぞれ1種又は2種以上を選んで重合に用いることができる。そして、前記の有機リチウム化合物を開始剤とする所謂リビングアニオン重合では、重合反応に供したビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンはほぼ全量が重合体に転化する。
共重合体(A)の分子量は、モノマーの全添加量に対する開始剤の添加量により制御できる。共重合体の数平均分子量は40,000〜500,000、好ましくは80,000〜300,000である。40,000未満ではブロック共重合体の十分な剛性と耐衝撃性が得られず、また、500,000を超えると加工性が低下してしまうため好ましくない。なお、本発明におけるブロック共重合体の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCと略す)を用いて常法に従って求めた。
共重合体のビニル芳香族炭化水素のブロック率は50〜100重量%、好ましくは50〜85重量%、特に好ましくは75〜85重量%である。ブロック率が50重量%未満であると、透明性と剛性が低下してしまい好ましくない。なお、ビニル芳香族炭化水素のブロック率は次式により求めたものである。ブロック率(%)=(W1 /W0 )×100、ここでW1 :共重合体(A)中のビニル芳香族炭化水素のブロック重合鎖の重量、W0 :共重合体中のビニル芳香族炭化水素単位の全重量を示す。なお、前記式中のW1 は、共重合体を公知文献(Y.TANAKA,et.al.,「RUBBER CHEMISTRY AND TECHNOLOGY(ラバー ケミストリー アンド テクノロジー)」,58,p16(1985))に記載の方法でオゾン分解し、得られたビニル芳香族炭化水素重合体成分をGPC測定してクロマトグラムの各ピークに対応する分子量を、標準ポリスチレン及びスチレンオリゴマーを用いて作成した検量線から求め、数平均分子量3,000を越えるものをそのピーク面積より定量して求めた。GPC測定用の検出器として波長を254nmに設定した紫外分光検出器を使用した。
共重合体(A)のブロック率は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重合させる際のランダム化剤の添加量により制御できる。ランダム化剤としては主としてテトラヒドロフラン(THF)が用いられるが、その他のエーテル類やアミン類、チオエーテル類、ホスホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウム又はナトリウムのアルコキシド等も使用できる。適当なエーテル類としてはTHFの他にジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。アミン類としては第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンの他、環状アミン等も使用できる。その他にトリフェニルホスフィン、ヘキサメチルホスホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム又はナトリウム、カリウム又はナトリウムブトキシド等もランダム化剤として用いることができる。
ランダム化剤の添加量としては、全仕込モノマー100重量部に対し、0.001〜10重量部が好ましい。添加時期は重合反応の開始前でも良いし、共重合鎖−B−の重合前でも良い。また必要に応じ追加添加することもできる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物中のアクリル系共重合体(B)は、芳香族ビニル単量体単位70〜85質量%からなる。好ましくは、芳香族ビニル単量体単位75〜80質量%と(メタ)アクリル酸エステル単位20〜25質量%からなることである。芳香族ビニル単量体単位が70質量%未満、すわわち(メタ)アクリル酸エステル単位が30質量%を越える場合、または芳香族ビニル単量体単位が85質量%を越える場合、すなわち(メタ)アクリル酸エステル単位が15質量%未満であると、得られる組成物の透明性が低下する。
アクリル系共重合体(B)に用いる芳香族ビニル単量体としては、前述と同様のスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
アクリル系共重合体(B)は、共重合体(A)と混合した際にも透明性が保たれるものであり、前記共重合体(A)の製造で説明したビニル芳香族炭化水素と、(メタ)アクリル酸エステルを重合することによって得られる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸(2−エチル)ヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等、メタクリル酸(2−ヒドロキシ)エチル等が挙げられる。これらの中でメタクリル酸メチルが好ましい。このアクリル系共重合体(B)は、ビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エステルの重量比が5〜99:95〜1、好ましくは40〜99:60〜1、さらに好ましくは70〜99:30〜1である単量体の混合物を重合して得られる。
アクリル系共重合体(B)の製造方法については特に制限は無く、例えば乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等の重合方法が採用できる。またアクリル系共重合体(B)は特に限定されないが、分子量(重量平均分子量)は100000〜350000であることが好ましい。好ましくは180000〜250000である。
熱可塑性樹脂組成物100質量%中のアクリル系共重合体(B)の割合は5〜49質量%であるが、好ましくは10〜39.8%、さらに好ましくは15〜37.5質量%、特に好ましくは16〜30質量%である。5質量%未満では熱可塑性樹脂組成物からなるシートは2次加工時の加熱による透明性の低下や実用強度の低下がおおきい。また49質量%を超えるも透明性の低下がある。
テルペン系樹脂(C)にはテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂があるが、この中で芳香族変性テルペン樹脂及びテルペンフェノール樹脂が好ましい。また、分子量(数平均分子量)は特に規定されないが500〜60000であることが好ましく、500〜30000であることがより好ましく、特に好ましくは500〜1000であり、芳香族変性テルペン樹脂では600〜800、テルペンフェノール樹脂では500〜1000である事が特に好ましい。
テルペン系樹脂(C)に含まれるテルペン樹脂は芳香族ビニル単量体単位とテルペンモノマー単位を共重合後、水素添加する事で得られる。芳香族ビニル単量体単位としてはスチレン、α−スチレン、メチルスチレン、ビニルスチレン等が好ましい。テルペンモノマー単位としてはα−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等が好ましい。
テルペン系樹脂(C)に含まれるテルペンフェノール樹脂は、フェノール単量体単位とテルペンモノマー単位を共重合することで得られる。テルペンモノマー単位としてはα−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等が好ましい。
熱可塑性樹脂組成物100質量%中のテルペン系樹脂(C)の割合は0.2〜20質量%であるが、好ましくは0.2〜10%、さらに好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。0.2質量%未満あるいは20質量%を超えると熱可塑性樹脂組成物からなるシートは2次加工時の加熱による透明性の低下がおおきい。
低分子量スチレン系樹脂(D)を構成する単量体には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等があるが、この中でスチレンが好ましい。低分子量スチレン系樹脂の数平均分子量(Mn)は特に規定されないが、好ましくは500以上100000未満、より好ましくは500以上60000以下、さらに好ましくは600以上10000未満、特に好ましくは700以上2000未満である。
熱可塑性樹脂組成物100質量%中の低分子量スチレン系樹脂(D)の割合は0〜20質量%であるが、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは2〜8質量%、特に好ましくは4〜8質量%である。20質量%を超えると熱可塑性樹脂組成物からなるシートは2次加工時の加熱による伸びや実用強度の低下がおおきい。
熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分の共重合体(A)、アクリル系共重合体(B)、テルペン系樹脂(C)、低分子量スチレン系樹脂の重量割合(但し合計を100重量%)は50.8〜94.8/5〜49/0.2〜20/0〜20であるが、好ましくは60〜89.8/10〜39.8/0.2〜10/0〜10であり、さらに好ましくは60〜82.5/15〜37.5/0.5〜10/2〜10である。特に好ましくは65〜79/16〜30/1〜10/4〜8である。
熱可塑性樹脂組成物からなるシートは、2次成形時の加熱後の曇り度が5%以下、好ましくは3%以下である。
熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲内で用途に応じて他の添加剤あるいは改質剤を加えて組成物とすることが可能である。本発明の熱可塑性樹脂組成物に必要に応じて配合することができる添加剤としては、各種安定剤、加工助剤、対光性向上剤、軟化剤、可塑剤、帯電防止剤、防曇剤、鉱油、フィラー、顔料、難燃剤、滑剤等が挙げられる。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えばブリスターパック、透明容器等の材料として好適に用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。これらはいずれも例示的なものであって、本研究の内容を限定するものではない。
参考例1 共重合体(A)の製造: 内容積200リットルの重合缶に65リットルのシクロヘキサンと8.5gのテトラヒドロフラン(ランダム化剤)及び3.7kgのスチレンを仕込み攪拌を行いながら30℃にて125mlのn−ブチルリチウム(10%シクロヘキサン溶液、開始剤)を添加後、昇温を行い、40分間重合させた。次に、ブタジエン0.5kgを添加し、40分間重合させた。次にスチレン7.4kgとブタジエン0.8kgを添加し、40分間重合させた。次にスチレン7.9kgとブタジエン2.1kgを添加し、40分間重合させた。その後、重合液に過剰のメタノールを添加し重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的の重合体(a−1)を得た。他の重合体(a−2〜4)も、仕込み量を変えた以外は、ほぼ同様の条件により作製した。尚、得られた共重合体の組成は、仕込みモノマーがほぼ完全に消費されるので、スチレン/ブタジエンの仕込み比と実質的に同じである。これらを表1に示す。
参考例2 アクリル系共重合体(B)の製造: 内容積200リットルの重合缶に、純水70.4kg、第3リン酸カルシウム300gを加え、攪拌した後、スチレン64.6kg、メタクリル酸メチル15.4kg、ベンゾイルパーオキサイド267.2gを加え、密封して100℃で6時間反応させた。これを冷却した後、中和、脱水、乾燥し、共重合体(芳香族ビニル単量体単位:メチルメタアクリレート=80:20、重量平均分子量は230000)を得た。
Figure 2005298775
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実施例1〜9
表4に示した配合割合で全量18kgになるよう、共重合体(A)、アクリル系共重合体(B)、テルペン系樹脂(C)と低分子量スチレン系樹脂(D)を20リットルヘンシェルミキサーに投入しブレンド後、35mmΦ2軸押出機(東芝社製)にて、可塑化温度が、フィード部が160℃、ダイス部が200℃の条件で押出しペレット化した。このペレットを使用し、40mmΦ単軸押出機(田端社製、単軸ダルメージスクリュー)にて(可塑化温度はフィード部は160℃、ダイス部が200℃、ロール温度は70℃、シート引き取り速度は1.5m/minの条件で)0.5mm厚のシートを作製し、実用強度を測定した。また得られたシートを、真空成形機(浅野研究所製 FK−0531−5)を用いてシート温度が120℃になるまで加熱し、その後自然冷却させ恒温室(温度:23℃、湿度:50%)で1日安置させた後、シート加熱部の曇り度を測定した。結果は表4に示す。
比較例1〜12
表5に示した配合割合で全量18kgになるよう、共重合体(A)、アクリル系共重合体(B)、(C)テルペン系水素添加樹脂と低分子量スチレン系樹脂(D)を20リットルヘンシェルミキサーに投入しブレンド後、35mmΦ2軸押出機(東芝社製)にて、上記の条件で押出しペレット化した。このペレットを使用し、40mmΦ単軸押出機(田端社製、単軸ダルメージスクリュー)にて上記の条件で0.5mm厚のシートを作製し、実用強度を測定した。また真空成形機を用いてシートを120℃まで加熱し、上記の条件でシートの曇り度を測定した。結果は表5に示す。
比較例1、7、9は、(C)水添テルペン樹脂の量が範囲外。比較例2、3は、共重合体(A)の共役ジエン単位が範囲外。比較例4、5は、共重合体(A)とアクリル系共重合体(B)の含有量が範囲外。比較例6は、共重合体(A)とテルペン系樹脂(C)の含有量が範囲外。比較例8は、アクリル系共重合体(B)の含有量が範囲外。比較例10、比較例11は、テルペン系樹脂(C)の含有量が範囲外である。比較例12は、低分子量スチレン系樹脂(D)の量が範囲以外である。
尚、表4、表5における物性測定は以下の方法で行った。
(1)実用強度は、成形温度200℃で成形した2.0mmの射出成形品によりハイドロショット(島津製作所製、H TM−1)を用いてブレイクポイントを測定した。
(2)剛性は、ASTM D−790に従い、成形温度220℃で成形した厚さ6.4mmの射出成形品により曲げ弾性率を測定した。
(4)伸びは、ASTM D−790に従い、成形温度220℃で成形した厚み6.4mmの射出成形品により伸びを測定した。
(5)曇り度は、シリンダー温度170〜200℃、ダイス温度が200℃で成形したシートを、600℃のセラミックヒーターで120℃まで加熱した後の曇り度を測定した。測定は、ASTM D1003に準拠し、日本電色工業製HAZEメーター(NDH−1001DP)を用いた。

Claims (10)

  1. 芳香族ビニル単量体単位30〜90質量%と共役ジエン単位10〜70質量%より成る共重合体(A)50.8〜94.8質量%、芳香族ビニル単量体単位70〜85質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位15〜30質量%から成るアクリル系共重合体(B)5〜49質量%、テルペン系樹脂(C)0.2〜20質量%、低分子量スチレン系樹脂(D)0〜20質量%からなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 共重合体(A)の芳香族ビニル単量体がスチレン、共役ジエンがブタジエンであることを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. アクリル系共重合体(B)の芳香族ビニル単量体がスチレン、(メタ)アクリル酸エステル系単量体がメチルメタアクリレートであることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. テルペン系樹脂が芳香族変性水添テルペン樹脂である請求項1〜3のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. テルペン系樹脂が数平均分子量で500〜1000の芳香族変性水添テルペン樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 低分子量スチレン系樹脂が数平均分子量で500〜100000のポリスチレンである事を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 共重合体(A)、アクリル系共重合体(B)と(C)芳香族変性水添テルペン樹脂、低分子量スチレン系樹脂(D)をスクリュー型押出機により混練することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるシート。
  9. 請求項1〜6、請求項8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる透明容器。
  10. 請求項1〜6、請求項8〜9記載のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるブリスター包装材。
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