JP2001002872A - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
スチレン系樹脂組成物Info
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Abstract
(フィッシュアイ)が少なく、剛性、耐衝撃性、透明性
等の物性バランスに優れ、かつ物性の異方性が小さいス
チレン系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (I)スチレン含有量が80〜89重量
%、アクリル酸n−ブチル含有量が11〜20重量%か
らなるスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体と、
(II)ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと共役ジ
エン重合体ブロックとからなる特定のブロック共重合体
とから構成され、(I)と(II)の重量比が20/8
0〜60/40であるスチレン系樹脂組成物。
Description
アイ)が少なく、剛性、耐衝撃性、透明性等の物性バラ
ンスに優れ、かつ物性の異方性が小さいシート及びフィ
ルム用樹脂組成物に関する。
い、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロッ
ク共重合体は、優れた透明性、耐衝撃性等の特性を利用
して射出成形用途、シート、フィルム等の押し出し成形
用途等に使用されている。とりわけ該ブロック共重合体
とビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘
導体共重合体とからなるシート、フィルム用組成物は、
透明性、機械特性及び収縮性に優れることから、いくつ
かの提案がなされている。例えば特開昭59−2213
48号公報には機械特性、光学特性、延伸特性及び耐ク
ラック特性等に優れる組成物を得るため、脂肪族不飽和
カルボン酸系誘導体含有量が5〜80重量%で、ビカッ
ト軟化点が90℃を超えないビニル芳香族炭化水素−脂
肪族不飽和カルボン酸系誘導体共重合体とビニル芳香族
炭化水素と共役ジエンのブロックからなる共重合体との
組成物が、特開昭61−25819号公報には低温収縮
性、光学特性、耐クラック特性、寸法安定性等に優れる
収縮フィルムを得るため、ビニル芳香族炭化水素含有量
が95〜20重量%で、ビカット軟化点が90℃を超え
ないビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系
誘導体共重合体とビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの
ブロックからなる共重合体との組成物を延伸した低温収
縮性フィルムが、特開平5−104630号公報にはフ
ィルムの経時安定性と耐衝撃性に優れた透明性熱収縮性
フィルムを得るため、ビカット軟化点が105℃を超え
ないビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系
誘導体共重合体とビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの
ブロックからなる共重合体との組成物からなり、特定の
熱収縮力を有することを特徴とする熱収縮性硬質フィル
ムが、特開平6−220278号公報には透明性、剛性
及び低温面衝撃性をバランスさせた組成物を得るため、
特定構造と分子量分布を有するビニル芳香族炭化水素と
共役ジエンのブロックからなる共重合体とビニル芳香族
炭化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂と
の組成物が、特開平7−216187号公報には透明性
と耐衝撃性に優れた樹脂組成物を得るため、特定構造の
ビニル芳香族炭化水素ブロックとビニル芳香族炭化水素
と共役ジエンの共重合体ブロックを有するブロック共重
合体とビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリル酸エス
テルの共重合体を含有する透明高強度樹脂組成物が夫々
記載されている。しかしながら、これらのビニル芳香族
炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体とビニ
ル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体共
重合体とからなる組成物は、比較的薄いシート及びフィ
ルム成形品とした時の成形品中のゲルレベル(フィッシ
ュアイ)と耐熱性を維持した物性バランスが十分ではな
く、これらの文献にはそれらを改良する方法に関して開
示されておらず、依然として市場でその問題点が指摘さ
れている。
ィルム成形品とした時に、ゲル(フィッシュアイ)が少
なく、剛性、耐衝撃性、透明性等の物性バランスに優
れ、かつ物性の異方性が小さいスチレン系樹脂組成物を
提供することを目的とする。
弾性率とその50%となる温度、及び180〜240℃
における粘度が所定範囲内である特定のスチレン−アク
リル酸n−ブチル共重合体と、特定のポリマー構造を有
するビニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重合
体との組成物、更にはそれに特定の安定剤を組み合わせ
ることによって、フィッシュアイ(以後FEと記す)を
大幅に低減し、かつ剛性、耐衝撃性、透明性、異方性等
の物性バランスを満足することができた。
9重量%、アクリル酸n−ブチル含有量が11〜20重
量%からなるスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体
と、(II)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素重
合体ブロックと少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロ
ックと少なくとも1つの共役ジエンとビニル芳香族炭化
水素共重合体ブロックを有するブロック共重合体、また
は少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロッ
クと少なくとも1つの共役ジエンとビニル芳香族炭化水
素共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブ
ロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が75〜
85重量%、共役ジエン含有量が25〜15重量%で、
該ブロック共重合を構成するビニル芳香族炭化水素全量
に対するビニル芳香族炭化水素単位数が1〜3の範囲の
短連鎖ビニル芳香族炭化水素重合部分の含有量が10〜
20重量%で、該ブロック共重合体の少なくとも1つの
ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの含有量が25〜
35重量%、該ブロック共重合体の少なくとも2つのビ
ニル芳香族炭化水素重合体ブロックの重量比が1.0以
上かつ1.2未満であるブロック共重合体からなり、
(I)と(II)の重量比が20/80〜60/40で
あるスチレン系樹脂組成物、ブロック共重合体(I
I)の少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素重合体ブ
ロックの含有量が30〜35重量%である記載のスチ
レン系樹脂組成物、スチレン−アクリル酸n−ブチル
共重合体(I)のスチレン含有量が83〜89重量%、
アクリル酸n−ブチル含有量が11〜17重量%である
又は記載のスチレン系樹脂組成物、スチレン−ア
クリル酸n−ブチル共重合体(I)の30℃における貯
蔵弾性率が1.5×109 〜2.5×109 Paの範囲
で、30℃における貯蔵弾性率の50%となる温度が7
5〜100℃の範囲である〜のいずれかに記載のス
チレン系樹脂組成物、スチレン−アクリル酸n−ブチ
ル共重合体(I)の180〜240℃における粘度が、
式(1)の値以下、式(2)の値以上の範囲内であるこ
とを特徴とする〜のいずれかに記載のスチレン系樹
脂組成物、 (1)P=2.91×105 −2350×T+5×T2 (2)P=1.46×105 −1119.2×T+2.256×T2 (P:測定温度T(℃)における溶融粘度(Pois
e)) 安定剤として2−t−アミル−6−〔1−(3,5−
ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−
4−t−アミルフェニルアクリレートを、(I)と(I
I)の合計100重量部に対して0.05〜3重量部添
加してなる〜のいずれかに記載のスチレン系樹脂組
成物に関する。
使用するスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体
(I)の製造方法は、スチレン系樹脂製造の公知の方
法、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳
化重合法等を用いることができる。本発明に使用するス
チレン−アクリル酸n−ブチル共重合体(I)中のスチ
レン含有量は80〜89重量%、好ましくは83〜89
重量%である。スチレン含有量が80重量%未満では耐
熱性が低下し、シート、フィルムが低温で融着するため
好ましくない。一方89重量%を超えると、熱収縮性フ
ィルムとした時に低温収縮性が劣るため好ましくない。
(I)の30℃における貯蔵弾性率は1.5×109 〜
2.5×109 Pa、好ましくは1.7×109 〜2.
3×109 Paの範囲である。1.5×109 Pa未満
では剛性が低下し、逆に2.5×109 Paを超えると
シートの伸びが低下するため好ましくない。また貯蔵弾
性率が30℃における貯蔵弾性率の50%となる温度
は、75〜100℃、好ましくは75〜85℃の範囲で
ある。75℃未満ではシート、フィルムとした場合に低
温で融着しやすくなるため好ましくない。100℃を超
えると、熱収縮性フィルムとした場合に低温収縮性が劣
るため好ましくない。
合体(I)の貯蔵弾性率は、DMA983(DUPON
T社製)で、共鳴周波数、昇温速度2℃/minで測定
した値である。本発明に使用するスチレン−アクリル酸
n−ブチル共重合体(I)の180〜240℃における
粘度は、式(1)の値以下、式(2)の値以上の範囲内
である。粘度が式(1)の値を超える場合には、シー
ト、フィルム中の比較的小さなFEが多くなり好ましく
ない。また粘度が式(2)の値未満の場合には比較的大
きなFEが発生するため好ましくない。
合体(I)の粘度は、キャピログラフ(東洋精機(株)
社製)で測定した、シェアレート(SR)が61sec
-1の値である。キャピログラフの測定条件は、キャピラ
リー長さ(L)が10.0mm、キャピラリー径(D)
が1.00mm、バレル径(B)が9.50mmで、1
80〜240℃の温度範囲で測定するものである。本発
明に使用するスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体
(I)の30℃の貯蔵弾性率、その50%となる温度及
び180〜240℃の粘度は、スチレンとアクリル酸n
−ブチルの含有量、スチレン−アクリル酸n−ブチル共
重合体の分子量調整剤量、重合器中での滞留時間及び重
合温度等を調整することでコントロールすることができ
る。
合体(I)の好ましいメルトフローレート(以後MFR
と記す)[JISK−6870に準拠し、G条件(温度
200℃、荷重5Kg)で測定]は0.1〜20g/1
0min、好ましくは1〜10g/10minである。
本発明に使用するブロック共重合体(II)は、有機溶
媒中、有機リチウム化合物を開始剤としてビニル芳香族
炭化水素及び共役ジエンを重合することにより得るもの
である。
ニル芳香族炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチ
レン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−
ジフェニルエチレンなどがあるが、特に一般的なものと
してはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず
2種以上混合使用してもよい。共役ジエンとしては、1
対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば
1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン
(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなど
であるが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエ
ン、イソプレンなどが挙げられる。これらは1種のみな
らず2種以上混合使用してもよい。
炭化水素含有量は75〜85重量%、好ましくは77〜
80重量%、共役ジエン含有量は25〜15重量%、好
ましくは23〜20重量%である。ビニル芳香族炭化水
素含有量が75重量%未満、共役ジエン含有量が25重
量%を超えるとシート、フィルム中のFEが多くなり、
逆にビニル芳香族炭化水素含有量が85重量%を超え、
共役ジエン含有量が15重量%未満では、シートの伸び
が低下するため好ましくない。
族炭化水素全量に対するビニル芳香族炭化水素単位数が
1〜3の範囲の短連鎖ビニル芳香族炭化水素重合部分の
含有量は10〜20重量%である。短連鎖ビニル炭化水
素重合部分の含有量が10重量%未満ではシートの伸び
が低下するため好ましくない。一方20重量%を超える
とシート、フィルムの加熱時の変形が大きくなり、寸法
安定性に劣るため好ましくない。
ブロック共重合体をジクロロメタンに溶解し、オゾン
(O3 )にて酸化分解した後、生成したオゾニドをジエ
チルエーテル中で水素化アルミニウムリチウムにて還
元、純水にて加水分解を行うことにより得られたビニル
芳香族炭化水素成分のゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)測定を行い、得られたピークの面積
比を算出することにより定量できる。
は、ブロック共重合体の製造時におけるビニル芳香族炭
化水素と共役ジエンが共重合する過程でのビニル芳香族
炭化水素と共役ジエンの重量、重量比、重合反応性比等
を変えることによりコントロールすることができる。具
体的な方法としては、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンとの混合物を連続的に重合系に供給して重合する、及
び/又は極性化合物あるいはランダム化剤を使用してビ
ニル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重合する等の方法
が採用できる。極性化合物やランダム化剤としては、テ
トラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエー
テル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジア
ミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホ
スホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリ
ウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
I)の少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素重合体ブ
ロックの含有量は25〜35重量%、好ましくは30〜
35重量%である。全てのビニル芳香族炭化水素重合体
ブロックが25重量%未満の場合は、シート、フィルム
とした場合に低温で融着するため好ましくない。一方全
てのブロックが35重量%を超える場合はシートの伸び
が低下し好ましくない。また25重量%未満のブロック
と35重量%を超えるブロックしか存在しない場合はシ
ートの異方性が大きくなり、押出方向に割れやすくなる
ため好ましくない。なお、「上記 本発明に使用するブ
ロック共重合体(II)の少なくとも1つのビニル芳香
族炭化水素重合体ブロックの含有量は25〜35重量
%」とは、該ブロック共重合体に対する、該ブロック共
重合体を構成する1以上のビニル芳香族炭化水素重合体
ブロックの夫々の重量比(%)の内、その少なくとも1
つ以上が25〜35重量%であることを意味するもので
ある。
つのビニル芳香族炭化水素ブロックの重量比は1.0以
上かつ1.2未満である。重量比が1.2以上ではシー
トの異方性が大きくなり、シートが押出方向に割れやす
くなるため好ましくない。ブロック共重合体(II)は
少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロック
と少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックと共役ジ
エンとビニル芳香族炭化水素共重合体ブロック又は少な
くとも2つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少
なくとも1つの共役ジエンとビニル芳香族炭化水素共重
合体ブロックを有するブロック共重合体で、例えば下記
の一般式のものが挙げられる。
Aはビニル芳香族炭化水素重合体重合体ブロックを示
す。Bは共役ジエン重合体ブロック、または共役ジエン
とビニル芳香族炭化水素共重合体ブロック、あるいは共
役ジエン重合体と共役ジエンとビニル芳香族炭化水素共
重合体が隣接するブロックを示す。Xはカップリング剤
の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基
を示す。n、k及びmは1以上の整数、一般的には1〜
5である。)である。
R(G条件で温度200℃、荷重5Kg)は成形加工の
点から0.1〜50g/10min、好ましくは1〜2
0g/10minである。本発明の組成物において、ス
チレン−アクリル酸n−ブチル共重合体(I)とブロッ
ク共重合体(II)の配合比は、重量比率で20/80
〜60/40、好ましくは30/70〜50/50であ
る。スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体(I)が
60重量%を超えるとシートの耐衝撃性が低下し、20
重量%未満では剛性が低下し、自然収縮率も大きくなる
ため好ましくない。
アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒ
ドロキシフェニル)エチル〕−4−t−アミルフェニル
アクリレートを(I)と(II)の合計100重量部に
対して0.05〜3重量部、更に好ましくは0.1〜2
重量部添加することによって、より一層のFE抑制効果
を得ることができる。安定剤が0.05重量部未満では
FEを抑制する効果がなく、3重量部を超えて添加して
も本発明以上のFE抑制効果に寄与しない。本発明のス
チレン系樹脂組成物にはn−オクタデシル3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o
−クレゾール、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)
−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニ
リノ)−1,3,5−トリアジン等のフェノール系安定
剤の少なくとも1種を(I)と(II)の合計100重
量部に対して0.05〜3重量部、トリス−(ノニルフ
ェニル)フォスファイト、2,2−メチレンビス(4,
6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、
2−〔〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメ
チルエチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキ
サフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕−N,N−ビ
ス〔2−〔〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−
ジメチルエチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジ
オキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕−エチ
ル〕−エタンアミン、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイト等の有機ホスフェート系、有
機ホスファイト系安定剤の少なくとも1種を(I)と
(II)の合計100重量部に対して0.05〜3重量
部添加することができる。
合方法によって製造することができる。例えば、オープ
ンロール、インテンシブミキサー、インターナルミキサ
ー、コニーダー、二軸ローター付の連続混練機、押出機
等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶
剤に溶解又は分散混合後溶剤を加熱除去する方法等が用
いられる。
明性、剛性、耐衝撃性等の物性バランス及び異方性を損
なわない範囲で必要に応じて種々の添加剤を配合するこ
とができる。これらの添加剤には、ビニル芳香族炭化水
素含有量が50重量%以下のビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンのブロック共重合体エラストマーやゴム変性ス
チレン系重合体、非ゴム変性スチレン系重合体、ポリエ
チレンテレフタレート等の他に、プラスチックの配合に
一般的に用いられる添加剤、例えば、ガラス繊維、ガラ
スビーズ、シリカ、炭カル、タルク等の無機補強剤、有
機繊維、クマロンインデン樹脂等の有機補強剤、有機パ
ーオキサイド、無機パーオキサイド等の架橋剤、チタン
白、カーボンブラック、酸化鉄等の顔料、染料、難燃
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可
塑剤、その他の増量剤あるいはこれらの混合物があげら
れる。取り分け、ビニル芳香族炭化水素含有量が50重
量%以下のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロッ
ク共重合体エラストマーを組成物中に2〜20重量%添
加することが耐衝撃性の向上に有効である。
して通常の熱可塑性樹脂と同様の加工手段によって成形
し、あらゆる用途に使用できる。例えば、射出成形、吹
込成形方法等によるOA機器部品、日用品、食品、雑
貨、弱電部品等の容器に使用することができる。特にF
Eが少ない特徴を生かし、ラミネート用フィルム等の薄
いフィルムに好適である。
は本発明の範囲を制限するものではない。表1に実施
例、比較例に使用したスチレン−アクリル酸n−ブチル
共重合体を示した。A−1〜A−4の共重合体は、撹拌
器付き10Lオートクレーブに、スチレンとアクリル酸
n−ブチルを表1に示す比率で5kg添加し、同時にエ
チルベンゼン0.3kgと、MFRを調整するため1,
1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを所定
量仕込み、110〜150℃で2〜10時間重合後、ベ
ント押出機で未反応スチレン、アクリル酸n−ブチル、
エチルベンゼンを回収して得た。1,1ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)シクロヘキサン量、重合温度、重合滞留
時間及び攪拌数は表1の30℃の貯蔵弾性率、その50
%となる温度及び180〜240℃の粘度となるように
調整した。得られた共重合体のMFRは、JISK−6
870に基づき、G条件で温度200℃、荷重5Kgで
測定した。
MA983(DUPONT社製)を用い、周波数は共鳴
周波数、昇温速度は2℃/minで、厚さ約3mm、幅
約12mmの圧縮成型品をスパン約15mmのアームに
取り付け、振幅0.2mmで測定した。また粘度(Po
ise)の測定条件は、キャピログラフ(東洋精機
(株)社製)を用い、シェアー(SR)が61sec-1
の値である。キャピログラフの測定条件は、キャピラリ
ー長さ(L)が10.0mm、キャピラリー径(D)が
1.00mm、バレル径(B)が9.50mmで、18
0〜240℃の範囲で10℃毎に測定した。
共重合体を示した。ブロック共重合体はシクロヘキサン
溶媒中でn−ブチルリチウムを開始剤に用い、表2のポ
リマー構造欄に記載されている順序、量のモノマーを添
加して重合した。重合終了後、メタノールを添加して重
合反応を停止した後、表3に示した安定剤量を添加し、
溶剤を留去してブロック共重合体を回収した。得られた
ブロック共重合体のMFRは全て5〜10の範囲であっ
た。
部分の含有量は、ブロック共重合体のジクロロメタン溶
液にオゾン(O3 )濃度1.5%の酸素を150ml/
分で通過させて酸化分解し、生成したオゾニドを、水素
化アルミニウムリチウムを混合したジエチルエーテル中
に滴下して還元した後、純水を滴下して加水分解し、炭
酸カリウムを添加し塩析、濾過を行うことにより得られ
たビニル芳香族炭化水素成分のGPC測定を行い、得ら
れたピークの面積比を算出することにより得た。なおオ
ゾン発生機は日本オゾン(株)製OT−31R−2型を
用い、GPC測定は、クロロホルムを溶媒とし、カラム
は流れ方向に島津製作所製shimpackHSG−4
0H、shimpackGPC−802、shimpa
ckGPC−801を用いて測定した。
配合組成に従って、40mmシート押出機を用いて押出
温度200℃で厚さ0.25mmのシートを成形し、引
張弾性率、破断伸び、Haze、80℃収縮率(低温収
縮性の目安)、自然収縮率、及び温水融着性(低温融着
性の目安)を下記の方法で測定した。また同条件で厚さ
0.6mmのシートを成形し、面衝撃強度及びシート異
方性を下記の方法で測定した。得られたシートの性能を
表3に示した。 (1)引張弾性率及び破断伸び:引張速度5mm/mi
nでシート押出方向およびその直角方向について測定し
た。試験片は幅を12.7mm、標線間を50mmとし
た。 (2)面衝撃強度:重錘形状を半径1/2インチとした
以外はASTMD−1709に準拠して23℃で測定
し、50%破壊値を求めた。 (3)シート異方性:シートを両手で一定の力を加えて
曲げ、押出方向に割れにくいものを○、割れやすいもの
を×とした。
ィンを塗布し、ASTM D1003に準拠して測定し
た。 (5)80℃収縮率:厚さ0.25mmのシートをテン
ター延伸機で押出方向の直角方向に5倍に一軸延伸して
得た厚さ約60μmの延伸フィルムを、80℃の温水中
に5分間浸漬し、次式により算出した。熱収縮率(%)
=(L−L1)/L×100、L:収縮前の長さ、L
1:収縮後の長さ。 (6)自然収縮率:80℃収縮率が40%の延伸フィル
ムを35℃で5日間放置し、次式により算出した。自然
収縮率(%)=(L2−L3)/L2×100、L2:
放置前の長さ、L3:放置後の長さ。 (7)温水融着性:延伸フィルムを直径約8cmのガラ
ス瓶に巻き付け、85℃温水中に3本俵積みで5分間放
置し、フィルムの融着状態を目視判定した。判定基準は
◎は全く融着していない、○はわずかに融着しているが
すぐ離れる、×は融着してすぐには離れない。
て押出温度235℃の条件で厚さ0.3mmのシートを
6時間連続成形し、運転開始5分後と6時間後のシート
面積300cm2 あたりの0.5mm以上のFE個数の
差をカウントして評価した(○:差が50個未満、△:
差が50〜100個、×:差が100個を超える)。 (比較例7)30℃における貯蔵弾性率が2.3×10
9 Pa、30℃における貯蔵弾性率が50%となる温度
が104℃のスチレン含有量が96重量%のスチレン−
アクリル酸n−ブチル共重合体を30重量%と表2のB
−1を70重量%の配合組成である以外は実施例1と同
様の方法で成形し、配合特性を調べた。その結果、80
℃収縮率が22%と低い値であった。
いたシート、フィルムは、FEが少なく、剛性、耐衝撃
性及び透明性等の物性バランスに優れ、かつ物性の異方
性が小さく、さらに熱収縮性フィルムとしても低温収縮
性が良好である。このようにFEが少ない特長を生かし
て、薄いシート、フィルム等の押出成型品をラッピング
フィルムに、又は発泡容器等へのラミネートフィルム用
途及び熱収縮性フィルム用途等に好適に利用できる。
チル共重合体の180〜240℃の範囲における粘度の
式(1)と式(2)の値を図示した。
Claims (6)
- 【請求項1】 (I)スチレン含有量が80〜89重量
%、アクリル酸n−ブチル含有量が11〜20重量%か
らなるスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体と、
(II)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素重合体
ブロックと少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロック
と少なくとも1つの共役ジエンとビニル芳香族炭化水素
共重合体ブロックを有するブロック共重合体、または少
なくとも2つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと
少なくとも1つの共役ジエンとビニル芳香族炭化水素共
重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロッ
ク共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が75〜85
重量%、共役ジエン含有量が25〜15重量%で、該ブ
ロック共重合体を構成するビニル芳香族炭化水素全量に
対するビニル芳香族炭化水素単位数が1〜3の範囲の短
連鎖ビニル芳香族炭化水素重合部分の含有量が10〜2
0重量%、該ブロック共重合体の少なくとも1つのビニ
ル芳香族炭化水素重合体ブロックの含有量が25〜35
重量%、該ブロック共重合体の少なくとも2つのビニル
芳香族炭化水素重合体ブロックの重量比が1.0以上か
つ1.2未満であるブロック共重合体からなり、(I)
と(II)の重量比が20/80〜60/40であるス
チレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】 ブロック共重合体(II)の少なくとも
1つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの含有量が
30〜35重量%である請求項1記載のスチレン系樹脂
組成物。 - 【請求項3】 スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合
体(I)のスチレン含有量が83〜89重量%、アクリ
ル酸n−ブチル含有量が11〜17重量%である請求項
1又は請求項2記載のスチレン系樹脂組成物。 - 【請求項4】 スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合
体(I)の30℃における貯蔵弾性率が1.5×109
〜2.5×109 Paの範囲で、30℃における貯蔵弾
性率の50%となる温度が75〜100℃の範囲である
請求項1〜3のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成
物。 - 【請求項5】 スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合
体(I)の180〜240℃における粘度が、式(1)
の値以下、式(2)の値以上の範囲内であることを特徴
とする請求項1〜4のいずれかに記載のスチレン系樹脂
組成物。 (1)P=2.91×105 −2350×T+5×T2 (2)P=1.46×105 −1119.2×T+2.256×T2 (P:測定温度T(℃)における溶融粘度(Pois
e)) - 【請求項6】 安定剤として2−t−アミル−6−〔1
−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニ
ル)エチル〕−4−t−アミルフェニルアクリレート
を、(I)と(II)の合計100重量部に対して0.
05〜3重量部添加してなる請求項1〜5のいずれかに
記載のスチレン系樹脂組成物。
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- 1999-11-26 JP JP33583999A patent/JP5051936B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP5051936B2 (ja) | 2012-10-17 |
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