JP2005105280A - 高い透明性を有する熱可塑性の成形組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低い曇り度、高い透光率、良好な加工性及び機械的特性を特徴とする熱可塑性の成形組成物を提供する。
【解決手段】数平均分子量30〜120kg/モル及び質量平均分子量60〜240を有し、スチレン、核置換スチレン及びメチルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素及びアクリロニトリル、メチルメタクリレート、無水マレイン酸、N−アルキル置換マレイン酸イミド及びN−アリール置換マレイン酸イミドからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素の重合生成物であるコポリマーと、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマー(その質量に対して20〜30%のブタジエン含有率を有する)を含有し、前記のコポリマーの(A.2)の含有率が19〜27.5%(そのコポリマーの質量に対して)である組成物を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は熱可塑性の成形組成物及び、特にスチレンをベースとする組成物に関する。
澄明かつ延性の、(i)スチレンコポリマー及び(ii)ゴム成分を含有する熱可塑性の成形組成物は開示されている。
スチレンコポリマーはスチレン−アクリロニトリル−コポリマーによって表現され、そしてゴム成分はスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマーである。その低い曇り度、高い透光率、良好な加工性及び機械的特性を特徴として、該組成物は種々の有用な物品の製造のために適当である。
本発明の熱可塑性の成形組成物は
(i)スチレンコポリマー及び
(ii)ゴム成分
を含有する。該組成物はその低い曇り度、高い透光率、良好な加工性及び延性を特徴とする。
本発明のスチレンコポリマーは(A.1)すなわちスチレン、核置換スチレン及びメチルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素並びに(A.2)すなわちアクリロニトリル、メチルメタクリレート、無水マレイン酸、N−アルキル置換マレイン酸イミド及びN−アリール置換マレイン酸イミドからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素から誘導される。該コポリマーの数平均分子量は30〜120、有利には40〜100kg/モルであり、その質量平均分子量は60〜240、有利には80〜210kg/モルである。該コポリマー中のA.2の含有率はコポリマーの質量に対して、10〜27.5%、有利には15〜27%である。
有利な態様において、該スチレンコポリマーはスチレンとアクリロニトリルと、場合によりメチルメタクリレートとのコポリマー又はα−メチルスチレンとアクリロニトリルと、場合によりメチルメタクリレートとのコポリマー又はスチレン及びα−メチルスチレンとアクリロニトリルと、場合によりメチルメタクリレートとのコポリマーである。
該スチレンコポリマーは公知であり、かつ例えばラジカル重合による、特に有利には乳化重合、懸濁重合、溶液重合及び塊状重合によるその製造方法も数々の文献によく記載されている。
本発明による組成物のゴム成分はスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマーである。該組成物はコポリマーの質量に対して20〜30%、有利には23〜27%、最も有利には25%の範囲のブタジエン含有率を特徴としている。
特に適当なゴム成分はKraton Polymers社から商標名Kraton D1403P及びKraton D1494Pとして市販されている。これらは、ブタジエン含有率が約25%であり、ショアA(10秒)硬度値がそれぞれ64及び67であることを特徴としている。
本発明による組成物は1〜99%、有利には5〜95%のスチレン系コポリマー及び99〜1%、有利には99〜5%のゴム成分を含有し、その際、%はこれらの成分の全質量に対するものである。
有利な態様において、該組成物は、前記の(ii)以外のゴム成分を含有しないことを特徴としている。更に有利な態様において、該組成物は、その曇り度値が15%以下、有利には13%以下であり、かつその透過率が87%より高く、有利には88%より高いことを特徴としている。
本発明の組成物は、有利にはスチレン系成形組成物に関するその効果について知られている、例えば可塑剤、酸化防止剤、安定剤、難燃剤、繊維、無機繊維、無機充填剤、染料、顔料などを含む他の添加剤を含有してよい。
本発明による組成物の製造はこの分野でよく知られる慣用の手法に従って行われる。しかしながら通常は、該組成物は強力ブレンダー、例えばバンバリーミキサー又は2軸スクリュー押出機中で押出混合又は配合される。
本発明による組成物から製造される物品は、その高い透光性及び低い曇り度値を特徴としている。更に、該組成物は良好な熱的及び機械的な特性を有する。
本発明を以下の実施例により記載するが、これらはその説明を目的とするものであり、本発明の範囲の如何なる限定を暗示することを意図するものではない。
本発明を表す組成物を製造し、それから製造される物品を以下に記載のように評価した。2軸スクリュー押出機(Leistritz社)中、250rpmで配合を行った。事融点は約250〜260℃であった。
試験片を射出成形(Cincinnati Milacron, Boboshot 110T)によって製造した。融点を領域1、2、3及びノズルについて475゜Fに設定した。鋳型温度を130゜Fに設定した。
組成物の成分:
“SAN−1”とは、17質量%のアクリロニトリル、82kg/モルの数平均分子量及び185kg/モルの質量平均分子量を有するスチレン及びアクリロニトリルのコポリマーを呼称する。
“SAN−2”とは、23質量%のアクリロニトリル、72kg/モルの数平均分子量及び163kg/モルの質量平均分子量を有するスチレン及びアクリロニトリルのコポリマーを呼称する。
“SAN−3”とは、33質量%のアクリロニトリル、66kg/モルの数平均分子量及び146kg/モルの質量平均分子量を有するスチレン及びアクリロニトリルのコポリマーを呼称する。
“K−1”とは、25質量%のポリブタジエンを含有する、Kraton Polymers社から入手できるポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン−トリブロックコポリマーKraton D1403P(ショアA硬度=64)を呼称する。
“K−2”とは、25質量%のポリブタジエンを含有する、Kraton Polymers社から入手できるポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン−トリブロックコポリマーKraton D1494P(ショアA硬度=67)を呼称する。
以下に示される組成物は、本発明に臨界を有さないと考えられる、樹脂100部に対して0.1部の慣用の酸化防止剤を含有した。
曇り度及び透過率の測定は、0.100′′の薄さの試験片でASTM D1003に従って実施した。
メルトフローインデックス(MFI)はASTM D1238(200℃、5Kg)に従って測定した。
ビカー温度は1Kgの負荷下にASTM D1525に従って測定した。油温を2℃/分の速度で高めた。
衝撃強さ(室温でのノッチ無し衝撃)ft−lb/in(1/8′′)はASTM D4812に従って実施した。試験片サイズは6.35cm×1.27cm×1/8′′であった。
引張特性は室温でInstron Universal Machineを用いて50mm/分のクロスヘッド速度でASTM D−638に従って測定した。
第1表
Figure 2005105280
Bは「破断」を意味する。
SAN−2だけを含有する比較例(比較)との比較及び本発明の範囲外のSANコポリマーを含有する相応の実施例との比較において、本発明を説明する組成物(例2及び5)は顕著に改善された光学的特性及び機械的特性を示している。
第2表
Figure 2005105280
**NYは「得られず」を示している。
比較例C1との比較において、例15を除く全ての実施例は本発明を特徴付ける有利な光学的特性及び機械的特性を示している。
本発明を前記に詳細に説明を意図して記載したが、かかる詳細は単に論点に関するものであり、当業者が、特許請求の範囲によって限定される場合を例外に、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく変更を行えると解されるべきである。

Claims (1)

  1. 以下の
    (i)数平均分子量30〜120kg/モル及び質量平均分子量60〜240を有し、
    (A.1)スチレン、核置換スチレン及びメチルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素及び
    (A.2)アクリロニトリル、メチルメタクリレート、無水マレイン酸、N−アルキル置換マレイン酸イミド及びN−アリール置換マレイン酸イミドからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素
    の重合生成物であるコポリマー、並びに
    (ii)スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマー(その質量に対して20〜30%のブタジエン含有率を有する)
    を含有し、前記のコポリマー中の(A.2)の含有率がそのコポリマーの質量に対して19〜27.5%である、熱可塑性の成形組成物。
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