JPH06279646A - 透明な耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

透明な耐熱性樹脂組成物

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JPH06279646A
JPH06279646A JP6817993A JP6817993A JPH06279646A JP H06279646 A JPH06279646 A JP H06279646A JP 6817993 A JP6817993 A JP 6817993A JP 6817993 A JP6817993 A JP 6817993A JP H06279646 A JPH06279646 A JP H06279646A
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resin
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styrene
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conjugated diene
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JP6817993A
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Ikuro Yamaoka
育郎 山岡
Toshimasa Tanaka
利昌 田中
Keiichi Saito
圭一 齋藤
Masao Kimura
正生 木村
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メタクリル酸メチル−α−メチルスチレン系
共重合体(以下、MSα系樹脂という)の透明性を失わ
ずに、耐熱性に優れ、剛性と靭性のバランスの取れた樹
脂組成物を提供する。 【構成】 メタクリル酸メチル単位60〜75重量%、
α−メチルスチレン単位10〜40重量%及びスチレン
単位0〜30重量%からなるMSα系樹脂(A)70〜
99重量%と、スチレン−共役ジエンブロック共重合体
(B)30〜1重量%とを主体とする組成物であり、前
記(B)のうち50〜99重量%が共役ジエン単位70
〜95重量%及びスチレン単位30〜5重量%からなる
共役ジエン比率の高いスチレン−共役ジエンブロック共
重合体(B-1)であり、残りの50〜1重量%が共役ジ
エン単位35〜65重量%及びスチレン単位65〜35
重量%からなるスチレン−共役ジエンブロック共重合体
(B-2)であり、(A)と(B-1)の屈折率差が実質的
に0.01以内である透明な耐熱性樹脂組成物である。 【効果】 耐熱性、剛性、靭性のバランスの取れた透明
なMSα系樹脂組成物を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れ、強度、
剛性と靭性のバランスの取れた透明な耐熱性熱可塑性樹
脂組成物に関する。更に詳しくは、メタクリル酸メチル
−α−メチルスチレン系共重合体(以下、MSα系樹脂
と略称する)と、該MSα系樹脂との屈折率差が0.0
1以内で共役ジエン比率の高いスチレン−共役ジエンブ
ロック共重合体(以下、B-1樹脂と略称する)、及び他
のスチレン−共役ジエンブロック共重合体(以下、B-2
樹脂と略称する)から基本的に構成される熱可塑性樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】MSα系樹脂は、耐熱性、剛性に優れた
透明な熱可塑性樹脂であるが、靭性が低いために用途が
制限されている。このような樹脂の特性、特に靭性を改
善するためには、樹脂中に粒状、網目状、ハニカム状等
の形で他のゴム成分や延性樹脂成分を導入する(アロイ
化する)〔G. Menges, Makromol. Chem., Macromol. Sy
mp., 23, 13(1989) 〕のが最良の方法であるが、その際
にもとのMSα系樹脂の透明性を失わないようにするた
めには、導入成分の大きさを可視光が散乱しない程度に
まで微細にするか、又は、MSα系樹脂と同様の屈折率
を有する透明な樹脂を導入成分として用いる必要があ
る。
【0003】前者の場合、MSα系樹脂と相溶性の良い
樹脂を導入成分として用いたり、相溶化剤を第三成分と
して加えると良いが、これまでに成功例は見出されてい
ない。例えば、MSα系樹脂と比較的相溶性の良いポリ
カーボネートを導入成分として用いることにより靭性は
改善されるが、透明性が失われてしまう〔特開平2-2849
49号公報;山本敏浩、齋藤圭一及び木村正生、高分子加
工40(2), 35(1991) 、M. Nishimoto, H. Keskkula and
D. R. Paul, Polymer, 32(7), 1274(1991)〕。
【0004】また、後者の場合、MSα系樹脂と屈折率
が同程度でかつ靭性を効果的に改善できるような導入成
分を見出すことが非常に困難で、これまでの成功例は少
ない。例えば、MSα系樹脂と屈折率が同程度のゴム強
化透明樹脂を導入することにより、MSα系樹脂の透明
性を保持したまま靭性が改善されるが、該ゴム強化透明
樹脂中のゴム含有量が少ないため、その効果は十分とは
言えない。このように、MSα系樹脂の透明性を保持し
たまま効果的に靭性を改善するアロイ化技術はこれまで
に見出されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、MS
α系樹脂の透明性を失わずに、耐熱性に優れ、剛性と靭
性のバランスの取れた樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために鋭意検討した結果、MSα系樹脂、該
MSα系樹脂との屈折率差が0.01以内で共役ジエン
比率の高いスチレン−共役ジエンブロック共重合体(B
-1樹脂)、及び前記MSα系樹脂とB-1樹脂との相溶性
を高める役割を果たす他のスチレン−共役ジエンブロッ
ク共重合体(B-2樹脂)から基本的に構成される樹脂組
成物が、MSα系樹脂の優れた透明性と耐熱性、剛性を
保持したまま高靭性となることを見出し、本発明を完成
した。
【0007】すなわち、本発明は、メタクリル酸メチル
単位60〜75重量%、α−メチルスチレン単位10〜
40重量%及びスチレン単位0〜30重量%からなるメ
タクリル酸メチル−α−メチルスチレン系共重合体
(A:MSα系樹脂)70〜99重量%と、スチレン−
共役ジエンブロック共重合体(B)30〜1重量%とを
主体とする組成物であり、前記スチレン−共役ジエンブ
ロック共重合体のうち50〜99重量%が共役ジエン単
位70〜95重量%及びスチレン単位30〜5重量%か
らなる共役ジエン比率の高いスチレン−共役ジエンブロ
ック共重合体 (B-1樹脂) であり、残りの50〜1重量
%が共役ジエン単位35〜65重量%及びスチレン単位
65〜35重量%からなるスチレン−共役ジエンブロッ
ク共重合体 (B-2樹脂) であり、MSα系樹脂(A)と
(B-1)の屈折率差が実質的に0.01以内であること
を特徴とする透明な耐熱性樹脂組成物である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いるMSα系樹脂は、塊状重合、溶液重合、乳化重
合、懸濁重合の何れによって重合したものでもよい。ま
た、重合時に有機過酸化物、アゾ系化合物を重合開始剤
として用いる開始剤重合、開始剤を用いない熱重合の何
れで重合したものでもよい。好ましくは、共重合体に不
純物の混入しない塊状重合法が用いられる。また、共重
合体の粘度が高い場合には、少量の溶媒を添加して重合
を行なうことも可能である。この場合溶媒としては、通
常のラジカル重合で用いられる不活性溶媒が好ましく、
例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等が用いら
れる。
【0009】本発明で用いるMSα系樹脂は、透明性の
指標となる全光線透過率(ASTM D1003に準拠)が85%
以上、耐熱性の指標となる荷重たわみ温度(ASTM D648
に準拠、曲げ応力18.5 kgf/cm2にて測定)及びビカット
軟化温度(ASTM D1525に準拠)がそれぞれ110℃以
上、130℃以上、剛性の指標となる曲げ弾性率(ASTM
D790 に準拠)及び引張弾性率(ASTM D638 に準拠)が
それぞれ25000 kgf/cm2以上、18000 kgf/cm2
以上であるという物性条件をすべて満たすものが好まし
い。該MSα系樹脂の全光線透過率が85%より低い場
合は、得られる樹脂組成物の透明性が不十分となる。該
MSα系樹脂の荷重たわみ温度、ビカット軟化温度がそ
れぞれ110℃、130℃より低い場合は、得られる樹
脂組成物の耐熱性が不十分となる。曲げ弾性率、引張弾
性率がそれぞれ25000 kgf/cm2、18000 kgf/c
m2より低い場合は、得られる樹脂組成物の剛性が不十分
となる。
【0010】MSα系樹脂の重量平均分子量は、3〜2
0万のものを用いることができるが、好ましくは5〜1
5万、更に好ましくは7〜13万のものを用いるのがよ
い。重量平均分子量が3万より小さいとMSα系樹脂の
耐熱性や剛性が低下し、荷重たわみ温度が110℃以
上、ビカット軟化温度が130℃以上、曲げ弾性率が2
5000 kgf/cm2以上、引張弾性率が18000 kgf/c
m2以上という条件を満たすことができない。重量平均分
子量が20万を越えるとMSα系樹脂の溶融粘度が高く
なりすぎて溶融混練や成形が困難となるだけでなく、熱
分解し易くなる。
【0011】また、該MSα系樹脂の組成は、メタクリ
ル酸メチル単位60〜75重量%、α−メチルスチレン
単位10〜40重量%及びスチレン単位0〜30重量%
であるが、好ましくはメタクリル酸メチル単位60〜7
0重量%、α−メチルスチレン単位10〜30重量%及
びスチレン単位5〜20重量%である。メタクリル酸メ
チル単位が60重量%より少ないと、MSα系樹脂に十
分な耐熱性が発現せず、荷重たわみ温度が110℃以
上、ビカット軟化温度が130℃以上という条件を満足
できない。また、メタクリル酸メチル単位が75重量%
を越えると、多くの場合MSα系樹脂の屈折率が1.5
1以下となり、B-1樹脂との屈折率差を実質的に0.0
1以内に抑えることができず、得られる樹脂組成物の透
明性が低下する。α−メチルスチレン単位が10重量%
より少ないと、MSα系樹脂に十分な耐熱性が発現せ
ず、荷重たわみ温度が110℃以上、ビカット軟化温度
が130℃以上という条件を満足できず、反対に、40
重量%を越えると、溶融混練や成形の際に熱分解を起こ
し易く、生成した低分子量物のために樹脂の耐熱性や剛
性が低下し、荷重たわみ温度が110℃以上、ビカット
軟化温度が130℃以上、曲げ弾性率が25000 kgf
/cm2以上、引張弾性率が18000 kgf/cm2以上という
条件を満たすことができない。
【0012】なお、該MSα系樹脂には、少量の第三成
分、例えばα−メチルスチレンとスチレンを除く芳香族
ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、メタクリル
酸メチル以外の(メタ)アクリル酸(エステル)系単量
体、マレイミド系単量体等から誘導された単位を含んで
いても差しつかえないが、全光線透過率が85%以上、
荷重たわみ温度が110℃以上、ビカット軟化温度が1
30℃以上、曲げ弾性率が25000 kgf/cm2以上、引
張弾性率が18000 kgf/cm2以上であるという物性条
件をすべて満たす範囲にとどめることがよい。
【0013】α−メチルスチレンとスチレンを除く芳香
族ビニル系単量体の具体例としては、p−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ブロモスチレン
等が挙げられる。シアン化ビニル系単量体の具体例とし
ては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等、ま
た、メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸(エ
ステル)系単量体の具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブ
チル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)ア
クリル酸ベンジル等が挙げられる。マレイミド系単量体
の具体例としては、マレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、
N−t−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイ
ミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。
【0014】本発明で用いられるスチレン−共役ジエン
ブロック共重合体(B)には、2種類の樹脂(B-1樹
脂、B-2樹脂) を用いる。これらは、一般に、アニオン
リビング重合法等によって製造したものを用いるが、他
の公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
ここで述べる共役ジエンの具体例としては、1,3−ブ
タジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは一
種だけでなく二種以上の混合物であってもよい。なお、
該スチレン−共役ジエンブロック共重合体には、少量の
第三成分、例えばスチレン以外の芳香族ビニル系単量
体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸(エ
ステル)系単量体、マレイミド系単量体等から誘導され
た単位を含んでいても差しつかえないが、全光線透過率
が85%以上、B-1樹脂の場合には更に破断点伸び率が
800%以上という物性条件を満たす範囲にとどめるこ
とがよい。
【0015】スチレン以外の芳香族ビニル系単量体の具
体例としては、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ブロモスチレン
等が挙げられる。シアン化ビニル系単量体の具体例とし
ては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等、また
(メタ)アクリル酸(エステル)系単量体の具体例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)
アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸ベンジル等が挙げられる。マレイミド系単量体の
具体例としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、
N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−
t−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。
【0016】B-1樹脂の組成は、共役ジエン単位70〜
95重量%及びスチレン単位30〜5重量%であるが、
好ましくは共役ジエン単位75〜85重量%及びスチレ
ン単位25〜15重量%である。共役ジエン単位が70
重量%より少ないと、多くの場合、該B-1樹脂の屈折率
が1.54以上となり、MSα系樹脂(A)との屈折率
差を実質的に0.01以内に抑えることができず、得ら
れる樹脂組成物の透明性が低下する。共役ジエン単位が
95重量%を越えるとB-2樹脂との十分な相溶性、即ち
界面での接着性が得られず、樹脂組成物の靭性が改善さ
れない。
【0017】B-2樹脂の組成は、共役ジエン単位35〜
65重量%及びスチレン単位65〜35重量%である。
B-2樹脂の共役ジエン単位が35重量%より少ないと、
B-1樹脂とB-2樹脂の屈折率差が大きくなり得られる組
成物が不透明になる。B-2樹脂の共役ジエン単位が35
重量%より少ない場合、あるいは65重量%より多い場
合には、B-2樹脂のミクロ構造は、共役ジエン相とスチ
レン相とが交互に積層したラメラ構造にならないことが
多く〔M. Shen and H. Kawai, AIChE Journal,24(1), 1
(1978) 〕、このB-2樹脂がMSα系樹脂とB-1樹脂の
間に介在しても、両者の間の相溶性を高める役割を果た
せず、得られる樹脂組成物の靭性が改善されない。
【0018】MSα系樹脂とスチレン−共役ジエンブロ
ック共重合体の配合割合は、MSα系樹脂が70〜99
重量%、好ましくは75〜95重量%であるのがよい。
MSα系樹脂の割合が70重量%未満の場合には得られ
る樹脂組成物の耐熱性が不十分となり、99重量%を越
える場合には組成物の靭性が不十分となる。該ブロック
共重合体のうちB-1樹脂とB-2樹脂の配合割合は、B-1
樹脂が50〜99重量%、好ましくは70〜95重量%
がよい。B-1樹脂の割合が50重量%未満の場合は得ら
れる樹脂組成物の透明性が不十分となり、99重量%を
越える場合は界面での接着性が不十分で、樹脂組成物の
靭性が改善されない。
【0019】MSα系樹脂、B-1樹脂及びB-2樹脂をブ
レンドする方法としては、公知の種々のブレンド方法を
採用可能であるが、溶融混練や溶液ブレンド法が好まし
い。溶融混練に使用する混練機は、ロール、バンバリミ
キサ等の各種インターナルミキサ、各種スクリュ式押出
機、その他のミキサである。直接の溶融混練が困難な場
合、例えば混練する樹脂の溶融粘度が著しく異なる場合
等には溶液ブレンド法を用いる。すなわち、分散媒にブ
レンドする樹脂を溶解してから十分に攪拌し、その分散
状態を損なうことなく樹脂を分散媒から分離すればよ
い。
【0020】本発明の樹脂組成物には、その優れた透明
性、靭性及び耐熱性を低下させない範囲で、混練や溶液
ブレンドの際に他の樹脂を添加することができる。これ
らは、例えば(メタ)アクリル酸(エステル)系単量体
と芳香族ビニル系単量体を含む単量体混合物の共重合体
(MSα系樹脂を除く)や、シアン化ビニル系単量体と
芳香族ビニル系単量体を含む単量体混合物の共重合体等
である。これらの共重合体の製造に用いる芳香族ビニル
系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロス
チレン、ブロモスチレン等が挙げられる。また、シアン
化ビニル系単量体の具体例としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等が挙げられ、更に、(メタ)
アクリル酸(エステル)系単量体の具体例としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベ
ンジル等が挙げられる。これらの添加用樹脂の製造方法
については、特に制限はなく、例えば乳化重合、懸濁重
合、塊状重合等の公知技術を適用できる。
【0021】更に、本発明の樹脂組成物には、混練や成
形の際に種々の配合剤を加えてもよい。熱分解を抑える
抗酸化剤として、ヒンダードフェノール系化合物、ホス
ファイト系化合物、チオエーテル系化合物等が使用可能
であり、その他に、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤
等も配合できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例に
おいて、樹脂の溶融混練と成形には、超小型の混練・射
出成形機(米国カスタム・サイエンティフィック・イン
ストルメント社製)を用いた。
【0023】実施例1〜3 重量平均分子量約11.6万、メタクリル酸メチル単位
約62重量%、α−メチルスチレン単位約20重量%の
MSα系樹脂(1)、ブタジエン単位約80重量%のス
チレン−共役ジエンブロック共重合体〔旭化成(株)製
商品名:タフプレン315 、B-1樹脂(1) 〕、ブタジエン
単位約60重量%のスチレン−共役ジエンブロック共重
合体〔旭化成(株)製商品名:タフプレン125 、B-2樹
脂(1) 〕を表1に示す重量比で混練機に仕込み、220
℃で約5分間溶融ブレンド後、ダンベル状の試験片(全
長約17mm)を射出成形した。
【0024】試験片が小さく規格(ASTM D1003、JIS K6
714 )に準拠した全光線透過率測定が困難なため、組成
物の透明性は、次のように目視により相対評価した。 MSα系樹脂(1)(全光線透過率90%)のダンベル
状試験片を評価の基準とし、組成物の試験片の透明性が
基準片と同程度(全光線透過率90%程度と見なせる)
であれば◎、僅かに劣るようであれば○、半透明の場合
(全光線透過率50%以上と見なせる)は△、不透明の
場合には×とした。また、引張特性は、引張試験機(島
津製オートグラフ)を用い、引張速度1mm/minにて測定
した。引張衝撃特性は、専用の衝撃試験機(米国カスタ
ム・サイエンティフィック・インストルメント社製)を
用い、引張衝撃エネルギーを求めた。ビカット軟化温度
は、ASTM D1525に準拠して測定した。測定結果を表1に
示す。
【0025】比較例1〜3 実施例1〜3で用いたMSα系樹脂(1)、B-1樹脂
(1)及びB-2樹脂(1)を表1に示す重量比で混練機
に仕込み、220℃で約5分間溶融ブレンド後、ダンベ
ル状の試験片(全長約17mm)を射出成形した。実施例
1〜3の場合と同様にして、組成物の透明性、引張特
性、引張衝撃特性、ビカット軟化温度を調べた。測定結
果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例4〜6 重量平均分子量約10万、メタクリル酸メチル単位約6
5重量%及びα−メチルスチレン単位約23重量%のM
Sα系樹脂(2)、及び実施例1〜3で用いたB-1樹脂
(1)、B-2樹脂(1)を表2に示す重量比で混練機に
仕込み、210℃で約5分間溶融ブレンド後、ダンベル
状の試験片(全長約17mm)を射出成形した。実施例1
〜3の場合と同様にして、組成物の透明性、引張特性、
引張衝撃特性、ビカット軟化温度を調べた。測定結果を
表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】比較例4〜5 実施例1〜3で用いたMSα系樹脂(1)とB-1樹脂
(1)とを表3に示す重量比で混練機に仕込み、220
℃で約5分間溶融ブレンド後、ダンベル状の試験片(全
長約17mm)を射出成形した。実施例1〜3の場合と同
様にして物性を評価した。結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】比較例6〜8 実施例1〜3で用いたMSα系樹脂(1)とB-1樹脂
(1)及びブタジエン単位約24.5重量%のスチレン
−共役ジエンブロック共重合体〔フィリップス石油社製
商品名:K−レジン KR03 、B-2樹脂(2)〕を表4に
示す重量比で混練機に仕込み、220℃で約5分間溶融
ブレンド後、ダンベル状の試験片(全長約17mm)を射
出成形した。実施例1〜3の場合と同様にして物性を評
価した。結果を表4に示す。
【0032】
【表4】
【0033】実施例1〜3(表1)及び実施例4〜6
(表2)より、本発明で得られる樹脂組成物は、MSα
系樹脂と同程度の透明性を有するだけでなく、十分な耐
熱性、剛性、靭性を併せ持っていることがわかる。一
方、比較例1〜3(表1)より、MSα系樹脂の含有量
が70重量%を下回る場合、MSα系樹脂のみの場合に
はそれぞれ耐熱性、靭性が不十分なことがわかる。比較
例4〜5(表3)より、B-2樹脂を組成物中に含まない
場合には、MSα系樹脂とB-1樹脂との間に良好な接着
性が得られないため、靭性が不十分となることがわか
る。また、比較例6〜8(表4)より、B-2樹脂の代わ
りに共役ジエン単位が35重量%を下回るスチレン−共
役ジエンブロック共重合体を用いた場合には、得られる
組成物が不透明であることがわかる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、メタクリル酸メチ
ル−α−メチルスチレン系共重合体と、該共重合体との
屈折率差が0.01以内で共役ジエン比率の高いスチレ
ン−共役ジエンブロック共重合体及び他のスチレン−共
役ジエンブロック共重合体とを組み合わせることによ
り、メタクリル酸メチル−α−メチルスチレン系共重合
体の透明性を失わずに耐熱性、剛性、靭性の優れた樹脂
組成物を得ることができるため、メタクリル酸メチル−
α−メチルスチレン系共重合体の工業的な用途拡大に寄
与できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 圭一 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 木村 正生 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチル単位60〜75重量
    %、α−メチルスチレン単位10〜40重量%及びスチ
    レン単位0〜30重量%からなるメタクリル酸メチル−
    α−メチルスチレン系共重合体(A)70〜99重量%
    と、スチレン−共役ジエンブロック共重合体(B)30
    〜1重量%とを主体とする組成物であり、前記(B)の
    うち50〜99重量%が共役ジエン単位70〜95重量
    %及びスチレン単位30〜5重量%からなる共役ジエン
    比率の高いスチレン−共役ジエンブロック共重合体(B
    -1)であり、残りの50〜1重量%が共役ジエン単位3
    5〜65重量%及びスチレン単位65〜35重量%から
    なるスチレン−共役ジエンブロック共重合体(B-2)で
    あり、(A)と(B-1)の屈折率差が実質的に0.01
    以内であることを特徴とする透明な耐熱性樹脂組成物。
JP6817993A 1993-03-26 1993-03-26 透明な耐熱性樹脂組成物 Withdrawn JPH06279646A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10233685A1 (de) * 2002-07-24 2004-02-12 Röhm GmbH & Co. KG Verfahren zur Herstellung eines hochviskosen Sirups aus PMMA und Polystyrol mit einer schlagzähen Formmasse aus PMMA
WO2004037922A1 (ja) * 2002-10-24 2004-05-06 Kuraray Co., Ltd. 重合体組成物
JP2006052346A (ja) * 2004-08-13 2006-02-23 Asahi Kasei Chemicals Corp 耐熱性スチレン系樹脂組成物

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