JP5534289B2 - エンジニアリングプラスチック用溶融張力向上剤、熱可塑性樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

エンジニアリングプラスチック用溶融張力向上剤、熱可塑性樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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本発明は、エンジニアリングプラスチック用溶融張力向上剤、これをエンジニアリングプラスチックに配合して得られる溶融張力と透明性に優れる熱可塑性樹脂組成物及びその成形体に関する。
エンジニアリングプラスチックの中でも、芳香族ポリカーボネートは、その優れた機械的特性、耐熱性、電気的特性、寸法安定性、難燃性、透明性等により、電気電子・OA機器、光メディア、自動車部品、建築部材等に広く使用されている。しかし、その成形性は決して満足できるものではなく、成形性を改良するための様々な方法が提案されている。
例えば、芳香族ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックに溶融レオロジー調整剤として、質量平均分子量が少なくとも約150万であるメタクリレート重合体を用いてブロー成形品を得る方法(特許文献1参照)、芳香族ポリカーボネートに粘度平均分子量20万〜130万のアクリル系樹脂を添加することによって、発泡シート成形体を得る方法(特許文献2参照)などが提案されている。
しかし、これらは、高分子量のアクリル重合体により、溶融張力等のレオロジー特性を改善したもので、その添加量が多くなるに従って透明性が低下する傾向があり、透明性を維持したままで溶融張力を向上することは難しい。
また、ポリテトラフルオロエチレンとアクリル重合体からなる熱可塑性樹脂用改質剤を芳香族ポリカーボネートに添加した場合、ドローダウン防止等の効果があるとされている(特許文献3参照)。しかし、これは、ポリテトラフルオロエチレンにより溶融張力が改善したものであって、その添加量が多くなるにしたがい透明性が低下する傾向があり、透明性を維持したままで溶融張力を向上することはやはり困難である。
さらに、芳香族ポリカーボネートとシクロアルキル基を有するメタクリル共重合体からなる透明な熱可塑性樹脂組成物(特許文献4参照)、また、芳香族ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックに、フェニルメタクリレートとスチレンの共重合体を含む流動性向上剤を適用する方法(特許文献5参照)が提案されている。しかし、これらの共重合体は、透明性あるいは流動性など向上するものの、溶融張力の向上は期待できない。
特開平01−268761号公報 特開平10−329206号公報 国際公開第2002/090440号パンフレット 特開昭64−001749号公報 国際公開第2005/030819号パンフレット
本発明の目的は、エンジニアリングプラスチック成形品の透明性を維持するエンジニアリングプラスチック用溶融張力向上剤を開発することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の分子量をもつ芳香族(メタ)アクリレート重合体をエンジニアリングプラスチックに添加するとエンジニアリングプラスチックの透明性が低下することなく、溶融張力が顕著に向上することを見出した。
即ち、本発明は、質量平均分子量が30万〜500万の芳香族(メタ)アクリレート重合体(A)からなるエンジニアリングプラスチック用溶融張力向上剤を提供するものである。また本発明は、このエンジニアリングプラスチック用溶融張力向上剤をエンジニアリングプラスチック(B)に配合して得られる透明性が高い熱可塑性樹脂組成物及び当該熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形体を提供するものである。
本発明のエンジニアリングプラスチック用溶融張力向上剤は、芳香族ポリカーボネートに代表されるエンジニアリングプラスチックと相容性が良好で、高い分子量を有しているためエンジニアリングプラスチックの溶融張力を向上させ、加えて、エンジニアリングプラスチックと屈折率が近似していることから透明性の高い成形体を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のエンジニアリングプラスチック用溶融張力向上剤(以下、溶融張力向上剤と略称する。)は、質量平均分子量が30万〜500万の芳香族(メタ)アクリレート重合体(A)からなる。そして、この溶融張力向上剤は、芳香族ポリカーボネートに代表されるエンジニアリングプラスチックと相容性を示し、溶融張力を向上するのに十分な高い分子量をもち、且つ、エンジニアリングプラスチックと屈折率が近いことから透明性と溶融張力のバランスの優れた熱可塑性樹脂組成物を与える。
本発明の芳香族(メタ)アクリレート重合体(A)は、芳香族(メタ)アクリレートを主な単量体単位として構成する重合体であり、芳香族(メタ)アクリレート単量体としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート類、ベンジル(メタ)アクリレート類が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 芳香族(メタ)アクリレート単量体の中では、フェニルメタクリレート及びベンジルメタクリレートが好ましく、フェニルメタクリレートがより好ましい。
そして、上記芳香族(メタ)アクリレート重合体(A)は、α,β−不飽和単量体を含んでいてもよい。α,β−不飽和単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族(メタ)アクリレート重合体(A)(100質量%)中の芳香族(メタ)アクリレート単量体単位の含有率は、0.5質量%以上であり、20質量%以上が好ましく、更に50質量%以上が好ましく、70質量%以上が特に好ましい。芳香族(メタ)アクリレート単量体単位の含有率が0.5質量%以上であれば、エンジニアリングプラスチックとの相容性が良好になる。
本発明の芳香族(メタ)アクリレート重合体(A)の質量平均分子量は、30万〜500万であり、好ましくは40万〜300万、より好ましくは60万〜200万であり、更に80万〜130万が好ましい。芳香族(メタ)アクリレート重合体(A)の質量平均分子量が30万〜500万であれば、エンジニアリングプラスチックに対して良好な相容性を示し、溶融張力の向上効果が高い。
本発明の芳香族(メタ)アクリレート重合体(A)の製造方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等が挙げられるが、所望する質量平均分子量の重合体を得やすい点から、乳化重合法が適している。乳化重合法の場合は、重合後に、酸析凝固や塩析凝固、噴霧乾燥等の方法により重合体を回収するのが一般的である。
エンジニアリングプラスチック(B)としては、例えば、ポリフェニレンエーテル;芳香族ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系重合体;シンジオタクチックポリスチレン、耐熱ABS等のスチレン系樹脂;耐熱アクリル系樹脂;6−ナイロン、6,6−ナイロン等のアミド系重合体;ポリアリレート;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリアミドイミド;ポリエーテルイミド;ポリアセタールが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エンジニアリングプラスチック(B)の中では、溶融張力向上効果が十分発現することから、ポリエステル系重合体が好ましく、芳香族ポリカーボネートがより好ましい。芳香族ポリカーボネートとしては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン(ビスフェノールA)系ポリカーボネート等の4,4’−ジオキシジアリールアルカン系ポリカーボネートが挙げられる。
エンジニアリングプラスチック(B)の分子量は、特に制限はない。但し、芳香族ポリカーボネートである場合、質量平均分子量は1万〜5万が好ましく、1万5千〜3万がより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、エンジニアリングプラスチック(B)に、本発明の芳香族(メタ)アクリレート重合体(A)からなる溶融張力向上剤を配合して得られる。溶融張力向上剤の含有率は、熱可塑性樹脂組成物(100質量%)中0.3〜20質量%が好ましく、0.5質量%以上15質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下が更に好ましい。溶融張力向上剤の含有率が、0.3質量%以上であれば、溶融張力の向上効果が十分に発現する。他方、溶融張力向上剤の含有率が20質量%以下であれば、エンジニアリングプラスチックの優れた性能(機械的特性、透明性等)を低下させることがない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、エンジニアリングプラスチックの優れた特性(機械的特性、透明性等)を損なわない範囲で、具体的にはエンジニアリングプラスチック(100質量%)に対して50質量%以下の範囲で、ABS、HIPS、PS、PAS等のスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エラストマー等のエンジニアリングプラスチック以外の熱可塑性樹脂を配合することも可能である。
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、公知の安定剤、耐候剤、強化剤、無機フィラー、耐衝撃性改質剤、難燃剤、フルオロオレフィン、帯電防止剤、離型剤、染顔料等の各種添加剤を配合してもよい。
安定剤としては、例えば、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジフェニルハイドロジジェンフォスファイト、イルガノックス1076(チバ・ジャパン(株)製;商品名)(ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)が挙げられる。
耐候剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、溶融張力向上剤及びエンジニアリングプラスチック(B)の必須成分と、必要に応じて他の熱可塑性樹脂、あるいは各種添加剤を加えて、例えば、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、2本ロール、ニーダー、ブラベンダー等を用いて混練して製造する。また、溶融張力向上剤の配合比率が大きくなるように、溶融張力向上剤をエンジニアリングプラスチック(B)の一部と配合してマスターバッチを調製し、その後マスターバッチと、エンジニアリングプラスチック(B)の残部を配合して、熱可塑性樹脂組成物を得ることもできる。その成形体は、当該熱可塑性樹脂組成物を、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、注型成形等公知の成形法によって製造することができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、以下の記載において、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を意味する。
<製造例1> 重合体(A−1)の製造
冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌装置を備えたセパラブルフラスコに、イオン交換水281部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を投入した。
次いで、フェニルメタクリレート98部、メチルアクリレート2部、n−オクチルメルカプタン0.001部の混合液を添加した。
フラスコ内を窒素置換した後、フラスコの内温を50℃に昇温して、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.4部、イオン交換水9部の混合液を添加し、次いで、硫酸第一鉄0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.2部、イオン交換水9部の混合液を添加して、ラジカル重合を開始させた。その後60℃で1時間保持して重合を完了し、重合体(A−1)のラテックスを得た。このラテックスを、5%の酢酸カルシウム水溶液400部に投入して凝析させ、90℃で熱処理して凝固させた。凝固物を温水で洗浄した後乾燥して、質量平均分子量が150万の重合体(A−1)を得た。
<製造例2> 重合体(A−2)の製造
メチルアクリレート2部を、スチレン2部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、質量平均分子量が100万の重合体(A−2)を得た。
<製造例3> 重合体(A−3)の製造
フェニルメタクリレート98部、メチルアクリレート2部を、フェニルメタクリレート65部、スチレン35部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、質量平均分子量が50万の重合体(A−3)を得た。
<製造例4> 重合体(A−4)の製造
冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌装置を備えたセパラブルフラスコに、イオン交換水290部、アニオン系乳化剤(商品名「ラテムルASK」、花王(株)製)(固形分28%)1部(固形分)を投入し、次いで、硫酸第一鉄0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0003部、ロンガリット0.3部、イオン交換水5部の混合液を添加した。
フラスコ内を窒素置換した後、フラスコの内温を80℃に昇温して、フェニルメタクリレート12.5部、スチレン87.5部、n−オクチルメルカプタン0.5部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.2部の混合液を、180分間で滴下した。滴下終了後80℃で1時間保持して重合を完了し、重合体(A−4)のラテックスを得た。このラテックスを、0.7%の硫酸水溶液300部に投入して凝析させ、90℃で熱処理して凝固させた。凝固物を温水で洗浄し、さらに乾燥して、質量平均分子量が5万の重合体(A−4)を得た。
以上、製造例1〜4で得られた重合体(A−1)〜(A−4)の組成及び質量平均分子量を纏めて表1に示す。
Figure 0005534289
表中の略語
PhMA:フェニルメタクリレート
MA :メチルアクリレート
St :スチレン
下記実施例及び比較例において得られた熱可塑性樹脂組成物について、以下の(1)〜(3)の評価を行なった。
(1)溶融張力
装 置 :Rosand社製キャピラリーレオメーター RH7−2
バレル温度:260℃
L/D :16/1
押出速度 :2m/分
引取り速度:10m/分
(2)透明性(全光線透過率、ヘーズ)
バレル温度280℃、金型温度90℃の射出成形により、厚さ3mmの平板試験片を作成し、ヘーズメーターHR−100(村上色彩技術研究所(株)製)を用い、JIS−K7105に準じて全光線透過率とヘーズを測定した。
(3)耐衝撃性
バレル温度280℃、金型温度90℃の射出成形により、厚さ6.4mmのアイゾット衝撃試験片を作成し、ASTM D256に準拠してアイゾット衝撃試験を行なった。
各試験の結果は、後掲表2に示した。
[実施例1〜6、比較例1〜6]
溶融張力向上剤として重合体(A−1)〜(A−4)又は他の重合体を用い、エンジニアリングプラスチック(B)として芳香族ポリカーボネートを用い、表2に示す組成で配合して、二軸押出機(機種名「TEX−30α」日本製鋼所製)に供給し、280℃で溶融混練して、熱可塑性樹脂組成物を得た。
Figure 0005534289
表中の略語
PC:芳香族ポリカーボネート(商品名「ユーピロンS−2000F」、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、粘度平均分子量 24000)
P−530A:商品名「メタブレンP−530A」(三菱レイヨン(株)製、質量平均分子量 約300万のアクリル系共重合体)
BL869 :商品名「ブレンデックス869」(Chemtura社製、質量平均分子量 約600万のスチレン−アクリロニトリル共重合体)
A−3750:商品名「メタブレンA−3750」(三菱レイヨン(株)製、ポリテトラフルオロエチレンとアクリル系共重合体の混合物)
上記実施例及び比較例の結果から、次の(1)〜(5)事実が確認された。
(1)本発明の重合体(A−1)〜(A−3)を溶融張力向上剤として用いた実施例1〜6の熱可塑性樹脂組成物は、溶融張力が向上し、且つ、高い透明性を維持していることが確認された。
(2)質量平均分子量が低い重合体(A−4)を溶融張力向上剤として用いた比較例1の熱可塑性樹脂組成物は、透明性は維持されるものの、溶融張力は向上せず、むしろ低下した。
(3)比較例2の熱可塑性樹脂組成物は、芳香族(メタ)アクリレート単量体単位を含有しないアクリル系共重合体を溶融張力向上剤として用いたため、溶融張力は向上するものの、透明性が低下した。
(4)比較例3の熱可塑性樹脂組成物は、質量平均分子量が高い重合体を溶融張力向上剤として用いたため、芳香族ポリカーボネートとの相容性が劣り、溶融張力が向上せず、透明性も低下した。
(5)比較例4及び5の熱可塑性樹脂組成物では、本発明の重合体とは異なるものを溶融張力向上剤として用いたため、溶融張力は著しく向上するものの、透明性が低下した。
以上から明らかなように、本発明の溶融張力向上剤は、エンジニアリングプラスチックの溶融張力を向上させ、且つ、その成形体は透明性を維持する。また、成形体の透明性が維持されることから、熱可塑性樹脂組成物に染料及び/又は顔料を配合した場合、発色性の良好な成形体を得ることができる。
本発明の溶融張力向上剤は、エンジニアリングプラスチック、特に芳香族ポリカーボネートの溶融張力を向上させ、且つ、成形体の高い透明性を維持することができる。
本発明の溶融張力向上剤を配合した熱可塑性樹脂組成物は、溶融張力に優れ、透明性を維持できることから、光メディア用材料等の透明性が必要とされる用途や、筐体等の発色性が必要とされる用途等、幅広い分野に用いることができる。

Claims (2)

  1. 質量平均分子量が30万〜500万の芳香族(メタ)アクリレート重合体(A)からなるエンジニアリングプラスチック用溶融張力向上剤であって、
    前記エンジニアリングプラスチックが、ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィドからなる群から選ばれる少なくとも1種であるエンジニアリングプラスチック用溶融張力向上剤。
  2. 前記エンジニアリングプラスチックが芳香族ポリカーボネートである請求項1に記載のエンジニアリングプラスチック用溶融張力向上剤。
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