JPH05311027A - 耐衝撃性樹脂組成物およびそれに用いられる重合体微粒子 - Google Patents

耐衝撃性樹脂組成物およびそれに用いられる重合体微粒子

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JPH05311027A
JPH05311027A JP13969992A JP13969992A JPH05311027A JP H05311027 A JPH05311027 A JP H05311027A JP 13969992 A JP13969992 A JP 13969992A JP 13969992 A JP13969992 A JP 13969992A JP H05311027 A JPH05311027 A JP H05311027A
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methyl methacrylate
copolymer
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acrylate
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JP13969992A
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Takashi Onaga
崇 大永
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
Shiro Osada
司郎 長田
Mitsuo Otani
三夫 大谷
Koji Arakawa
興二 荒川
Teruo Hasegawa
輝夫 長谷川
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性に優れ、かつ耐熱性、吸水性がバラ
ンスよく改良された樹脂組成物を提供することにある。 【構成】 メタクリル酸メチル共重合体、芳香族ポリカ
ーボネートおよびゴム状弾性体からなる耐衝撃性樹脂組
成物、およびメタクリル酸メチル単位50〜98重量
%、2,4,6−トリブロモフェニルメタクリレートな
どのハロゲン元素で置換された芳香族基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル単位2〜50重量%を必須成分
とする共重合体をシエルとし、ゴム状弾性体をコアとす
る、該樹脂組成物に用いられる重合体微粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐衝撃性樹脂組成物およ
びそれに用いられる重合体微粒子に関し、特にメタクリ
ル酸メチル共重合体、芳香族ポリカーボネートおよびゴ
ム状弾性体とからなる耐衝撃性の樹脂組成物およびそれ
に用いられる重合体微粒子に関する。本発明の樹脂組成
物は優れた衝撃強度を有し、ポリメタクリル酸メチルと
芳香族ポリカーボネートの両特性を併せ持った材料とし
て、板、各種成形品等として利用される。
【0002】
【従来の技術】ポリメタクリル酸メチルは耐候性および
表面硬度に優れた特性を有しているが、この樹脂は用途
により機械的特性、特に耐衝撃性が十分ではなく、耐熱
性が低い、吸水率が高い等の問題点もあり、これらの改
善が求められている。
【0003】現在、ポリメタクリル酸メチルの耐衝撃性
を改善する方法としては、エマルジョン重合により合成
されゴム層とメタクリル樹脂層の多層からなるコア−シ
エル型粒子をポリメタクリル酸メチルにブレンドする方
法が一般に用いられている。しかし、この方法は十分な
衝撃強度を得るために多量の上記コア−シエル型粒子を
ブレンドすることを必要とし、このためブレンド物の耐
熱性、表面硬度、耐候性はポリメタクリル酸メチルと比
較して著しく低下するばかりでなく、吸水率は改善され
ないという問題点があった。
【0004】上記の問題点を解決するために、他のモノ
マーを共重合したり、あるいは他のポリマーをブレンド
することによりメタクリル樹脂を改良するすることが行
われる。これらの一つの方法として、メタクリル酸メチ
ルにシクロヘキシルメタクリレートあるいはフェニルメ
タクリレート等を共重合し吸水率を低下させる方法が知
られているが、このようにして得られるメタクリル樹脂
は吸水率が低下するものの、ポリメタクリル酸メチルよ
りも脆くなり、衝撃強度は低下するといった問題があ
る。また別の方法としては、ガラス転移温度を低下させ
る他のモノマーをメタクリル酸メチルと共重合すること
により耐衝撃性を改良する方法もあるが、この方法では
耐熱性が低下するという問題がある。
【0005】一方ポリマーをブレンドする方法について
は、ブレンドするポリマーとポリメタクリル酸メチルが
非相溶系である場合と相溶系である場合に区別される。
非相溶系である場合にはマトリクスであるポリメタクリ
ル酸メチルの性質は変化しないので耐衝撃性、耐熱性、
吸水率等の問題点は何等改善されない。相溶系の場合に
は、改善が期待できる場合があるがポリメタクリル酸メ
チルとブレンドする他のポリマーによって影響される。
例えばスチレン・アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリフッ化ビニリデン
等の比較的多くのポリマーはポリメタクリル酸メチルと
相溶し、分子状に混合することが知られており、ある程
度改善効果を有するが、このようなポリマーとポリメタ
クリル酸メチルとのブレンド物ではポリメタクリル酸メ
チルの耐衝撃性、耐熱性、吸水率をバランスよく改良す
ることは難しい。
【0006】相溶系でブレンドによる改良が期待できる
他のポリマーの1つとしてポリカーボネートが挙げられ
る。芳香族ポリカーボネート、特にビスフェノールAか
ら製造されるポリカーボネートは、優れた機械的特性、
耐熱性および低吸湿性を有する一方で成形性、表面硬度
に問題点を有するが、ポリメタクリル酸との相溶性が比
較的良好であるため、ポリメタクリル酸メチルと相溶状
態でブレンドすることによりポリメタクリル酸メチルお
よびポリカーボネートが有する問題点のいずれをも改良
できる可能性がある。例えばポリメタクリル酸メチルと
ビスフェノールAのポリカーボネートとを共通溶剤であ
るテトラヒドロフラン中で混合し、適当な条件下でキャ
スト成膜する場合には透明な完全相溶物が得られる。し
かし残念ながらこれら2つの樹脂の混合物の曇点は18
0℃以下であるため高温では2相に分離し、ポリメタク
リル酸メチルと芳香族ポリカーボネートとの溶融混練で
は完全相溶物は得られず、これら2つの樹脂のブレンド
物は真珠光沢を有し不透明となるといった問題点を有し
ていた(J.Polym.Sci.,Polym.Ph
ys.Ed.,25,1459(1987)参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、耐衝撃性に優れ、かつ、耐熱性、吸水性がバラ
ンスよく改良された樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意研究を進めた結果、メタクリル酸メチル
とハロゲン元素で置換された芳香族基を有するアクリル
酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルとの共
重合体、芳香族ポリカーボネート、およびゴム状弾性体
からなる樹脂組成物が、十分高い曇点を有し、耐衝撃
性、耐熱性、吸水性のいずれにも優れていることを見い
だし、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明によれば、上記の目的
は、(A)メタクリル酸メチル共重合体2〜90重量
%、(B)芳香族ポリカーボネート2〜90重量%、お
よび(C)ゴム状弾性体5〜70重量%からなる耐衝撃
性樹脂組成物、およびメタクリル酸メチル単位50〜9
8重量%、下記一般式(I)
【0010】
【化3】
【0011】[式中R1は水素原子またはメチル基を表
わし、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれハロゲ
ン原子を表わすか、またはそれらのうちの少なくとも1
つがハロゲン原子を表わし、他が水素原子、低級アルキ
ル基または低級アルコキシル基を表わす。]で表わされ
る単量体単位2〜50重量%、および他の共重合可能な
α、β−不飽和単量体単位0〜25重量%よりなる共重
合体をシエルとし、ゴム状弾性体をコアとするコアーシ
エル型重合体微粒子によって達成される。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
メタクリル酸メチル共重合体(A)は、メタクリル酸メ
チル単位と他の共重合可能な単量体単位とからなるもの
であれば特に制限はないが、特開昭63−90551号
公報、特開昭63−256647号公報、特開昭64−
1749号公報で用いられている、エステル基中に炭素
環状基を有するアクリル酸エステルおよび/またはメタ
クリル酸エステル単位とメタクリル酸メチル単位とから
なる共重合体が好ましく、特に下記一般式(I)で示さ
れる単量体単位を必須成分として含有するメタクリル酸
メチル共重合体であることが好ましい。
【0013】
【化4】
【0014】[式中R1は水素原子またはメチル基を表
わし、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれハロゲ
ン原子を表わすか、またはそれらのうちの少なくとも1
つがハロゲン原子を表わし、他が水素原子、低級アルキ
ル基または低級アルコキシル基を表わす。]
【0015】上記一般式(I)で示される単量体におけ
るR2ないしR6が表わすハロゲン原子としては、例えば
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、低級ア
ルキル基としては、例えばメチル基、エチル基などが挙
げられ、また低級アルコキシル基としては、例えばメト
キシ基、エトキシ基などが挙げられる。一般式(I)で
示される単量体としては、例えば、クロルフェニルメタ
クリレート、ジクロルフェニルメタクリレート、トリク
ロルフェニルメタクリレート、テトラクロルフェニルメ
タクリレート、ペンタクロルフェニルメタクリレート、
ブロモフェニルメタクリレート、ジブロモフェニルメタ
クリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、ペン
タブロモフェニルメタクリレート、クロルフェニルアク
リレート、ジクロルフェニルアクリレート、トリクロル
フェニルアクリレート、テトラクロルフェニルアクリレ
ート、ペンタクロルフェニルアクリレート、ブロモフェ
ニルアクリレート、ジブロモフェニルアクリレート、ト
リブロモフェニルアクリレート、ペンタブロモフェニル
アクリレート等が挙げられ、特に2、4、6−トリブロ
モフェニルメタクリレートが好ましく用いられる。
【0016】メタクリル酸メチル共重合体(A)におけ
るメタクリル酸メチル単位の含有量は、50〜98重量
%、好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは5
0〜90重量%の範囲である。ポリメタクリル酸メチル
の特性である良好な耐候性を維持させるためには該含有
量は50重量%以上である必要がある。またメタクリル
酸メチル共重合体(A)における一般式(I)で示され
る単量体等の共重合可能な単量体単位の含有量は2〜5
0重量%、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましく
は10〜50重量%の範囲である。該含有量が2重量%
未満では共重合体(A)と芳香族ポリカーボネート
(B)との十分な相溶性が得られず、一方50重量%を
超えると共重合体(A)の機械的特性が低下し、好まし
くない。
【0017】さらに本発明のメタクリル酸メチル重合体
(A)において、一般式(I)で示される単量体単位が
必須成分として含まれる場合には、本発明の効果を阻害
しない範囲で、所望により25重量%以下のメタクリル
酸メチル単位および一般式(I)で示される単量体単位
以外のα、β−不飽和単量体単位を含有することができ
る。このような単量体単位を構成する単量体としては、
例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、2,4−ジメチルスチレン、ハロゲンで核置換され
たスチレン等の芳香族ビニル単量体類、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イ
ソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート等の
炭素原子数1〜18のアクリル酸エステル類、エチルメ
タクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピル
メタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート等
の炭素原子数2〜18のメタクリル酸エステル類、アク
リル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マ
レイン酸、マレイン酸イミド、モノメチルマレエート、
モノエチルマレエート、モノイソプロピルマレエート、
ジメチルマレエート、ジエチルマレエート等を挙げるこ
とができる。これらのうち、芳香族ビニル単量体類とし
てはスチレンおよびα−スチレンが、アクリル酸エステ
ル類およびメタクリル酸エステル類としては炭素原子数
1〜12のものおよび炭素原子数2〜12のものがそれ
ぞれ好ましい。
【0018】本発明のメタクリル酸メチル共重合体
(A)は、その平均分子量に特に制限はないが、強度特
性および溶融性の点から好ましくは10,000〜5,
000,000より好ましくは50,000〜500,
000の範囲の数平均分子量を有するものが用いられ
る。
【0019】メタクリル酸メチル共重合体(A)は、
α、β−不飽和化合物を重合させるための公知方法、殊
にラジカル重合たとえば塊状重合、溶液重合、懸濁重合
またはエマルジョン重合により製造される。
【0020】上記重合時に用いられるラジカル重合開始
剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾ
ビス(γ−ジメチルバレロニトリル)等のようなアゾ化
合物、またはベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオ
キサイド、オキシネオデカノエート、ジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパー
オキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のようなパー
オキシ化合物が挙げられる。通常、重合開始剤を単量体
成分の全量に対して0.05〜0.5重量添加し、50
〜140℃の温度で2〜20時間重合させることによ
り、メタクリル酸メチル共重合体(A)を得ることがで
きる。
【0021】また、メタクリル酸メチル共重合体(A)
の分子量を制御するためには、連鎖移動剤を使用するの
が有効である。連鎖移動剤としては例えば、メチルメル
カプタン、エチルメルカプタン、イソプロピルメルカプ
タン、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタ
ン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン、エチルチオグリコレ
ート、メルカプトエタノール、チオ−β−ナフトール、
チオフェノール等が用いられ、モノマー成分全量に対し
通常0.005〜0.5重量%の範囲で使用される。
【0022】本発明に使用される芳香族ポリカーボネー
ト(B)としては、例えば4,4−ジヒドロキシジフェ
ニルアルカン系のポリカーボネートを挙げることがで
き、特にビスフェノール−Aのポリカーボネートが好ま
しい。芳香族ポリカーボネートは溶融性の点から好まし
くは10,000〜500,000、より好ましくは1
0,000〜60,000の範囲の数平均分子量を有す
るものが用いられる。
【0023】本発明に使用されるゴム状弾性体(C)と
しては、20℃におけるヤング率が109dyn/cm2
から106dyn/cm2の範囲にあるものが好ましく用
いられ、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、芳香族ビニルまたはジエン系モノマーからなる
単独重合体;前記単量体から選ばれた二種以上からなる
共重合体又はそれらの水添物;オレフィン系ゴムなどが
挙げられる。上記アクリル酸エステルとしては、例えば
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ベンジルなど
が挙げられ、メタクリル酸エステルとしては、例えばメ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸n−オク
チル、アクリル酸ベンジルなどが挙げられる。また上記
芳香族ビニルとしては、例えばスチレン、α−メチルス
チレンなどが挙げられ、ジエン系モノマーとしては、例
えばブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
【0024】本発明の樹脂組成物において、メタクリル
酸メチル共重合体(A)と芳香族ポリカーボネート
(B)とはすべての混合割合範囲で溶融状態で相溶性を
有し、メタクリル酸メチル共重合体(A)とゴム状弾性
体(C)および芳香族ポリカーボネート(B)とゴム状
弾性体(C)とは非相溶である。よって混練時にゴム状
弾性体の分散性を向上させるため、本発明ではメタクリ
ル酸メチル共重合体(A)をシエルとし、ゴム状弾性体
(C)をコアとするコア−シエル型重合体微粒子を用い
るのが好ましい。この重合体微粒子とメタクリル酸メチ
ル共重合体(A)と芳香族ポリカーボネート(B)との
混合物を混練するか、重合体微粒子とメタクリル酸メチ
ル共重合体(A)と芳香族ポリカーボネート(B)とを
同時に投入して混練することにより樹脂組成物とするこ
とが容易にできる。この場合重合体微粒子のシエル成分
であるメタクリル酸メチル共重合体は、メタクリル酸メ
チル共重合体(A)と完全に同一組成でなくとも差し支
えないが、屈折率を合せるため同一組成とすることが好
ましい。また重合体微粒子と芳香族ポリカーボネート
(B)とを混練することによっても樹脂組成物を得るこ
とができる。本発明の重合体微粒子は通常の多段階乳化
重合で製造することができる。
【0025】本発明の樹脂組成物はメタクリル酸メチル
共重合体(A)および芳香族ポリカーボネート(B)の
割合が少なすぎると十分な特性が得られないため、共重
合体(A)および芳香族ポリカーボネート(B)が重合
体組成物中に含まれる割合はそれぞれ2重量%から90
重量%の範囲にあるのが好ましい。ゴム状弾性体(C)
はその割合が少なすぎると十分な衝撃強度が得られず、
また多い場合は耐熱性、表面硬度が低下するため、本発
明の樹脂組成物に含まれるゴム状弾性体(C)の割合は
5重量%から70重量%の範囲にあることが必要であ
る。より好ましい範囲として、メタクリル酸メチル共重
合体(A)と芳香族ポリカーボネート(B)との混合割
合は重量比で10/90〜90/10の範囲であり、ま
たメタクリル酸メチル共重合体(A)と芳香族ポリカー
ボネート(B)からなる相溶ブレンド物とゴム状弾性体
(C)との混合割合は重量比で90/10〜50/50
の範囲である。
【0026】メタクリル酸メチル共重合体(A)、芳香
族ポリカーボネート(B)およびゴム状弾性体(C)を
混合する方法としては、特に限定されず通常の方法を用
いることができ、例えばブラベンダー型ミキサーなどを
用いて溶融混合する方法が採用される。混合に際して、
例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤などを添加することも
でき、また本発明の樹脂組成物の特性を阻害しない程度
に他の成分からなるポリマーを混合することもできる。
【0027】本発明のメタクリル酸メチル共重合体
(A)、芳香族ポリカーボネート(B)およびゴム状弾
性体(C)とからなる樹脂組成物は、たとえばペレット
の形状として押出成形、射出成形等することにより、
板、多種多様の成形品等に成形加工することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるも
のではない。なお実施例中の「部」は、特にことわりの
ない限り「重量部」を表す。また各物性値は下記の方法
に従い測定した。
【0029】数平均分子量:溶媒としてTHFを用
い、GPC(ポリスチレン換算)により測定した。
【0030】ガラス転移温度(Tg):DSC(mett
ler DSC 20)により窒素中、昇温速度10℃/分で室温
以上の温度において測定した。
【0031】吸水率:23℃の蒸留水中にて吸水によ
る重量増加が認められなくなった時の重量増加率を測定
した。
【0032】衝撃強度:JIS K7110に従い2
号A試験片を用いてノッチ付きアイゾット衝撃強度を測
定した。試験片の幅は3.2mmとした。
【0033】表面硬度:JIS Z2245に従いロ
ックウェル硬度を測定した。
【0034】ヤング率および破断伸度:オートグラフ
((株)島津製作所製)により、70mm×20mm×1
mmの試験片を用いて測定した。歪速度は1mm/mi
nとして測定した。
【0035】合成例1 メタクリル酸メチル70重量%、2,4,6−トリブロ
モフェニルメタクリレート20重量%およびシクロヘキ
シルメタクリレート10重量%とラウロイルパーオキサ
イド0.1PHR、n−オクチルメルカプタン0.2P
HRからなる単量体混合物100部とイオン交換水9
9.75重量%、ポリメタクリル酸カリウム0.05重
量%および硫酸ナトリウム0.2重量%からなる水溶液
200部をジャケット付きの100リットル耐圧重合槽
に仕込み、N2雰囲気下で撹拌しながらジャケットに温
水を通して重合温度75℃で重合を開始した。重合開始
後3時間でジャケットにスチームを通して120℃に昇
温し、さらに1時間保持して重合を完結させた。得られ
た共重合体の数平均分子量は5.34×104であり、
そのTgは117℃であった。
【0036】実施例1 撹はん機、還流冷却管、窒素導入管および温度計を備え
た反応器に、純水1000部、ステアリン酸ナトリウム
6部、ラウロイルザルコシン酸ナトリウム3部を投入
し、80℃に昇温して溶解した。n−ブチルアクリレー
ト42部、スチレン18部、アリルメタクリレート0.
9部を投入して重合を開始し、反応器内部の温度が最高
温度に達した30分後、n−ブチルアクリレート42
部、スチレン18部からなるモノマーの滴下を開始し
た。滴下終了から1時間後、メタクリル酸メチル53.
6部、アクリル酸メチル2.4部、シクロヘキシルメタ
クリレート8部、2,4,6−トリブロモフェニルメタ
クリレ−ト16部からなるモノマーを1時間で滴下し
た。滴下終了後、80℃で1時間保持したのち冷却して
重合を停止した。常法により、凝集させた後、十分に水
洗して重合体微粒子を回収した。得られた重合体微粒子
について、走査型電子顕微鏡観察および密度測定によ
り、粒子径およびゴム相の組成を求めたところ、平均粒
子径は0.1μm、ゴム相の組成は60重量%であっ
た。
【0037】実施例2 合成例1に示した共重合体38部、帝人化成(株)製の
パンライトL−1250(ビスフェノールAのポリカー
ボネート、数平均分子量20,000)45部および実
施例1に示した重合体微粒子17部を、プラストグラフ
(ブラベンダー社製)を用い250℃の温度、20rp
mの撹はん速度で10分間混練した。このようにして得
られたブレンド物中の共重合体、芳香族ポリカーボネー
トおよびゴム状弾性体の重量比は45/45/10であ
る。得られたブレンド物を250℃でプレス成型し試験
片を作成し各種測定に供した。ブレンド物の衝撃強度、
Tg、吸水率、表面硬度、ヤング率および破断伸度を表
1に示す。ブレンド物のTgが、同様にして測定した合
成例1に示したポリマーのTg(117℃)とL−12
50のTg(151℃)との間の温度に一つのみ現れて
いることから、ブレンド物のマトリクスは完全相溶して
いることがわかる。
【0038】実施例3〜7 共重合体(A)として合成例1に示した共重合体を用
い、芳香族ポリカーボネートとしてL−1250を用
い、ゴム状弾性体(C)として実施例1に示した重合体
微粒子を用いて、表1に示した重量比になるように実施
例2と同様に混練し、さらにプレス成型し試験片を作成
して各種測定に供した。衝撃強度、Tg、吸水率、表面
硬度、ヤング率および破断伸度の測定結果を表1に合せ
て示す。実施例3〜7のブレンド物のTgが同様にして
測定した合成例1に示したポリマーのTg(117℃)
とL−1250のTg(151℃)との間の温度に一つ
のみ現れ、かつ混合組成に応じて変化していることか
ら、実施例3〜7のブレンドのマトリクスはいずれも完
全相溶していることがわかる。
【0039】
【表1】
【0040】比較例1〜7 合成例1の共重合体、L−1250、合成例1の共重合
体と実施例1の重合体微粒子のブレンド(実施例2と同
様にして混練した)、合成例1の共重合体とL−125
0のブレンド(実施例2と同様にして混練した)、パラ
ペットH1000B((株)クラレ製のメタクリル酸メ
チル樹脂)、DR(Rohm & Haas社製の耐衝
撃メタクリル樹脂)およびSR−8500(旭化成
(株)製の耐衝撃メタクリル樹脂)についてそれぞれ実
施例2と同様にプレス成型して、得られた試験片につい
て衝撃強度、Tg、、吸水率、溶融粘度、表面硬度、ヤ
ング率および破断伸度を測定した。その結果を表2に示
す。この結果から本発明の樹脂組成物が、耐衝撃性に優
れ、バランスの採れた耐熱性、吸水性、表面硬度等を有
していることがわかる。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、従来のポリメタ
クリル酸メチル、耐衝撃メタクリル樹脂およびポリカー
ボネートと比較して、バランスの採れた耐衝撃性、耐熱
性、吸水性、表面硬度、成形性を有している。本発明の
樹脂組成物は上記特徴を生かし各種成形品等の用途に、
より有利に使用できる。特に本発明の樹脂組成物は、ポ
リメタクリル酸メチルについては耐衝撃性、耐熱性、吸
水性の問題で、またポリカーボネートについては表面硬
度、成形性の問題でこれまで使用が限定されていた用途
においてより広範囲に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 三夫 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 荒川 興二 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 長谷川 輝夫 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)メタクリル酸メチル共重合体2〜
    90重量%、(B)芳香族ポリカーボネート2〜90重
    量%および(C)ゴム状弾性体5〜70重量%からなる
    耐衝撃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)メタクリル酸メチル共重合体が、
    メタクリル酸メチル単位50〜98重量%、下記一般式
    (I) 【化1】 [式中R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2、R
    3、R4、R5およびR6はそれぞれハロゲン原子を表わす
    か、またはそれらのうちの少なくとも1つがハロゲン原
    子を表わし、他が水素原子、低級アルキル基または低級
    アルコキシル基を表わす。]で表わされる単量体単位2
    〜50重量%、および他の共重合可能なα、β−不飽和
    単量体単位0〜25重量%よりなる共重合体であること
    を特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 メタクリル酸メチル単位50〜98重量
    %、下記一般式(I) 【化2】 [式中R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2、R
    3、R4、R5およびR6はそれぞれハロゲン原子を表わす
    か、またはそれらのうちの少なくとも1つがハロゲン原
    子を表わし、他が水素原子、低級アルキル基または低級
    アルコキシル基を表わす。]で表わされる単量体単位2
    〜50重量%、および他の共重合可能なα、β−不飽和
    単量体単位0〜25重量%よりなる共重合体をシエルと
    し、ゴム状弾性体をコアとするコア−シエル型微粒子で
    あることを特徴とする重合体微粒子。
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