JPH09324115A - ポリマー組成物 - Google Patents

ポリマー組成物

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JPH09324115A
JPH09324115A JP16673296A JP16673296A JPH09324115A JP H09324115 A JPH09324115 A JP H09324115A JP 16673296 A JP16673296 A JP 16673296A JP 16673296 A JP16673296 A JP 16673296A JP H09324115 A JPH09324115 A JP H09324115A
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JP
Japan
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polymer
block
block copolymer
weight
acid ester
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Application number
JP16673296A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hamada
健一 浜田
Kazunari Ishiura
一成 石浦
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物との交
互コポリマーを含有するポリマー組成物であって、改善
された耐衝撃性を有する新規なポリマー組成物を提供す
る。 【解決手段】 本発明は、一般式:−C(=O)−R−
(R:エチレン性不飽和化合物から誘導される構造単
位)で示される繰り返し単位からなるポリマー(A)、
および、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステ
ルのポリマーブロックとガラス転移点25℃以下のポリ
マーブロックとを有するブロックコポリマー(B)を含
有するポリマー組成物である。ポリマー(A)の含有率
は30〜98重量%であり、ブロックコポリマー(B)
の含有率は70〜2重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一酸化炭素とエチ
レン性不飽和化合物との交互コポリマーを含有するポリ
マー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物と
の交互コポリマーは、一般式
【0003】
【化2】−C(=O)−R−
【0004】(式中、Rはエチレン性不飽和化合物から
誘導される構造単位を表す)
【0005】で示される繰り返し単位を有し、ポリケト
ンポリマーと称されることがある。該交互コポリマーは
多くの場合、約200℃近く、またはそれ以上の高い融
点を有するため、それを用いた成形品は耐熱性に優れ
る。また、該交互コポリマーが線状ポリマーである場合
には、成形性も良好である。これらの理由で、一酸化炭
素とエチレン性不飽和化合物との交互コポリマーは、エ
ンジニアリングプラスチックとして、耐熱性の要求され
る様々な分野に使用されつつある。ただし、上記の交互
コポリマーは、用途に応じては耐衝撃性が不十分な場合
がある。このため、該交互コポリマーを他のポリマーが
混合されたポリマー組成物とすることによって耐衝撃性
を改善する方法が、いくつか提案されている。例えば、
特開平2−38452号公報には、ビニル芳香族化合物
のポリマーブロックと共役ジエンのポリマーブロック
(該ポリマーブロックは水素添加されていてもよい)と
を有し、かつマレイン酸化されたブロックコポリマー
を、該交互コポリマーに混合したポリマー組成物が記載
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、改善さ
れた耐衝撃性を有する上記交互コポリマーの組成物とし
てこれまでに提案されているのは、特殊な技術に限られ
ているのが現状である。改善された耐衝撃性を有する上
記交互コポリマーの新規な組成物が提供できれば、該交
互コポリマーの用途展開上、極めて望ましいことであ
る。しかして、本発明の目的は、一酸化炭素とエチレン
性不飽和化合物との交互コポリマーを含有するポリマー
組成物であって、改善された耐衝撃性を有する新規なポ
リマー組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み本
発明者らは鋭意検討した結果、上記交互コポリマーと特
定のブロックコポリマーとを含有するポリマー組成物
が、上記の課題を解決し得ることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1)主として一般
【0009】
【化3】−C(=O)−R− (I)
【0010】(式中、Rはエチレン性不飽和化合物から
誘導される構造単位を表す)
【0011】で示される繰り返し単位からなるポリマー
(A)、および、主としてアクリル酸エステルまたはメ
タクリル酸エステルからなる単量体のポリマーブロック
と、ガラス転移点が25℃以下であるポリマーブロック
とを、それぞれ少なくとも1個有するブロックコポリマ
ー(B)を含有し;かつ、
【0012】(2)ポリマー(A)の含有率が30〜9
8重量%であり、ブロックコポリマー(B)の含有率が
70〜2重量%である;
【0013】ことを特徴とするポリマー組成物である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、ポリマー(A)
は、主として上記一般式(I)で示される繰り返し単位
からなるポリマーである。該一般式(I)においてRで
表される構造単位は、エチレン性不飽和化合物から誘導
される。該エチレン性不飽和化合物としては、例えば、
エチレン;プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィン;1
0−ウンデセン酸、10−ウンデセン−1−オール、6
−クロロ−1−ヘキセン、N−ビニルピロリドン、メタ
クリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル等の官能基で置換されたα−オレ
フィン誘導体;スチレン、p−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン等のビニル基含有芳香族炭化水素などの1
種または2種以上を挙げることができる。これらのエチ
レン性不飽和化合物の中でも、得られるポリマーの力学
特性、耐熱性等の点から、エチレンを主成分とすること
が好ましく、エチレンを小割合の他のα−オレフィンと
組み合わせて使用することがより好ましい。
【0015】ポリマー(A)の主鎖は分岐状であっても
よいが、成形性の点から実質的に線状であることが好ま
しい。また、ポリマー(A)の極限粘度数は、必ずしも
限定されるものではないが、m−クレゾール中、60℃
の条件で測定した場合において0.5〜10dl/gの
範囲内であることが好ましい。
【0016】ポリマー(A)は、例えば、特開昭50−
2000号公報、特開昭59−197427号公報、特
開昭62−53332号公報、特開昭62−11502
6号公報、特開昭62−131025号公報等に記載さ
れた公知の手法を用い、触媒の存在下で、一酸化炭素と
上記一般式(I)中の構造単位Rを与える所望のエチレ
ン性不飽和化合物とを接触させることにより製造するこ
とができる。触媒としては、例えば、パラジウム、コバ
ルトまたはニッケルの化合物と、強酸のアニオンと、リ
ン、ヒ素またはアンチモンの二座配位子とから形成され
る化合物を使用することができる。
【0017】本発明において、ブロックコポリマー
(B)は、主としてアクリル酸エステルまたはメタクリ
ル酸エステルからなる単量体のポリマーブロック(i)
の少なくとも1個と、該ポリマーブロックとは別のポリ
マーブロックとして、ガラス転移点(Tg)が25℃以
下であるポリマーブロック(ii)の少なくとも1個とを
有する。
【0018】上記のポリマーブロック(i)としては、
代表的には、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル
酸エチル、ポリメタクリル酸イソプロピル、ポリメタク
リル酸t−ブチル、ポリメタクリル酸シクロヘキシル、
ポリメタクリル酸イソボルニル、ポリアクリル酸t−ブ
チル、ポリアクリル酸シクロヘキシル、ポリアクリル酸
イソボルニル等のブロックを挙げることができるが、場
合によっては、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリメタ
クリル酸トリメトキシシリルプロピル、ポリアクリル酸
グリシジル、ポリメタクリル酸トリメトキシシリルプロ
ピル等の官能基を有するブロックであってもよく、ま
た、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エ
ステルの2種以上から形成されるコポリマーブロックで
あってもよい。ポリマー組成物における耐熱性が特に良
好となる点において、ポリマーブロック(i)における
ガラス転移点(Tg)は、25℃よりも高いことが好ま
しい。25℃よりも高いTgを有し、製造原料の汎用性
が高い点において、上記例示したポリマーブロック
(i)の中でも、ポリメタクリル酸メチルのブロックが
特に好ましい。
【0019】ブロックコポリマー(B)は、ガラス転移
点(Tg)が25℃以下であるポリマーブロック(ii)
を少なくとも1個有していることが必要である。ブロッ
クコポリマー(B)中のすべてのポリマーブロックのT
gがいずれも25℃より高い場合には、ポリマー(A)
とのポリマー組成物において耐衝撃性の改善が認められ
ない。上記ポリマーブロック(ii)としては、主として
共役ジエンからなる単量体のポリマー、該ポリマーが少
なくとも部分的に水素添加されたポリマー、または主と
してアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル
からなる単量体のポリマーのブロックであって、かつガ
ラス転移点が25℃以下であるブロックが好ましい。上
記の、主として共役ジエンからなる単量体のポリマーま
たは該ポリマーが少なくとも部分的に水素添加されたポ
リマーのブロックとしては、主としてブタジエンおよび
/またはイソプレンからなる単量体のポリマーブロック
またはそのポリマーブロック中に含まれる不飽和炭素結
合を水素添加して部分的にまたは完全に飽和させた形の
ポリマーブロックが好ましい。また、上記の、主として
アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルから
なる単量体のポリマーのブロックとしては、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デ
シル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリ
ル酸ドデシル等の1種または2種以上を主たる単量体と
するポリマーのブロックが好ましい。
【0020】ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン
は、例えば、アニオン重合法によりリビング重合するこ
とが可能であるが、その重合条件に応じて共役ジエンの
結合様式、ひいては、形成されるポリマーブロック中の
繰り返し単位の幾何異性が左右される。例えば、ブタジ
エンの非極性溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、トルエン等)中での重合で
は、形成されるポリマーブロックにおけるブタジエンの
結合様式は1,4−結合が主となり、一方、極性溶媒
(例えば、テトラヒドロフランの単独溶媒、テトラヒド
ロフランまたはテトラメチルエチレンジアミンと上記例
示の非極性溶媒との混合溶媒等)中での重合では、その
結合様式は1,2−結合が主となる。主として共役ジエ
ンからなる単量体のポリマーおよび該ポリマーが少なく
とも部分的に水素添加されたポリマーのブロックでは、
共役ジエンの結合様式の割合によってTgが左右される
ので、重合用溶媒を適宜選択することによって、Tgを
約−70℃から室温付近の温度まで任意にコントロール
することができる。
【0021】また、主としてアクリル酸エステルまたは
メタクリル酸エステルからなる単量体のポリマーのブロ
ックでは、使用する単量体の種類(特にアクリル酸エス
テルまたはメタクリル酸エステルのアルコール部分の構
造)などに応じてTgが左右される。したがって、該ブ
ロックにおいては、用いる単量体を適宜選択することや
複数種類の単量体を適宜組み合わせて共重合させること
により、Tgを任意にコントロールすることができる。
【0022】本発明において、ブロックコポリマー
(B)は、少なくとも1個のポリマーブロック(i)お
よび少なくとも1個のポリマーブロック(ii)を必須の
ブロックとして有するが、他のポリマーブロックをさら
に有していてもよい。他のポリマーブロックを構成する
単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニル
ピリジン等のエチレン性不飽和化合物を挙げることがで
きる。
【0023】ブロックコポリマー(B)のブロックの総
数は、特に限定されるものではないが、2、3または4
であることが好ましい。
【0024】なお、本発明において、ポリマーブロック
(i)および(ii)のTgは、ブロックコポリマー
(B)を示差走査熱量測定(DSC)法で分析すること
によって求めることができる。ブロックコポリマー
(B)のDSC測定では、ブロックコポリマー(B)の
試料を、窒素気流下において、10℃/分の速度で−1
00℃から200℃まで昇温したのち降温し、次いで再
度10℃/分の速度で−100℃から200℃まで昇温
した場合において、該再度の昇温時における測定結果を
採用することができる。
【0025】ブロックコポリマー(B)の具体例として
は、ポリブタジエン−b−ポリメタクリル酸メチル、ポ
リイソプレン−b−ポリメタクリル酸メチル、ポリスチ
レン−b−ポリブタジエン−b−ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリスチレン−b−ポリイソプレン−b−ポリメタ
クリル酸メチル、ポリスチレン−b−ポリブタジエン−
b−ポリスチレン−b−ポリメタクリル酸メチル、ポリ
スチレン−b−ポリイソプレン−b−ポリスチレン−b
−ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル−
b−ポリブタジエン−b−ポリメタクリル酸メチル、ポ
リメタクリル酸メチル−b−ポリイソプレン−b−ポリ
メタクリル酸メチル等のポリ共役ジエンブロックおよび
ポリメタクリル酸メチルブロックを含有するブロックコ
ポリマー;前記例示のブロックコポリマー中のポリ共役
ジエンブロックを少なくとも部分的に水素添加された構
造のブロックに置き換えたブロックコポリマーで例示さ
れる、少なくとも部分的に水素添加されたポリ共役ジエ
ンブロックおよびポリメタクリル酸メチルブロックを含
有するブロックコポリマー;ポリメタクリル酸ブチル−
b−ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸2−エ
チルヘキシル−b−ポリメタクリル酸メチル、ポリアク
リル酸ブチル−b−ポリメタクリル酸メチル、ポリアク
リル酸2−エチルヘキシル−b−ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリメタクリル酸ブ
チル−b−ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
メチル−b−ポリメタクリル酸2−エチルヘキシル−b
−ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル−
b−ポリアクリル酸ブチル−b−ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸2−
エチルヘキシル−b−ポリメタクリル酸メチル等のポリ
メタクリル酸エステル(またはポリアクリル酸エステ
ル)ブロックおよびポリメタクリル酸メチルブロックを
含有するブロックコポリマーなどが挙げられる。
【0026】本発明においては、ブロックコポリマー
(B)の全体の数平均分子量は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)により求められた標準ポ
リスチレン換算の値において、5000〜500000
の範囲内であることが好ましく、ポリマー(A)とのブ
レンド時の分散状態より10000〜200000の範
囲内であることがより好ましい。また、各ポリマーブロ
ックの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)および1H−NMRの分析に基づ
く値において、ポリマーブロック(i)では1000〜
100000の範囲内が好ましく、ポリマーブロック
(ii)では4000〜500000の範囲内が好まし
い。
【0027】ブロックコポリマー(B)は、ラジカル連
鎖移動法、リビングアニオン重合法等の公知の方法で合
成することができる。これらの合成方法は、例えば、ポ
リマー・プレプリント、アメリカン・ケミカル・ソサイ
ティ・ディビジョン・ポリマー・ケミストリー(Pol
ymer Preprint,American Ch
emical Society Division P
olymer Chemistry)第30巻、第26
頁(1989年)、ポリマー・ブレチン(Polyme
r Bulletin)第30巻、第257〜264頁
(1993年)、マクロモレキュールス(Macrom
olecules)第27巻、第4908〜4913頁
(1994年)、特開平6−93060号公報、特開平
6−206952号公報、特公平7−25859号公報
等に記載されている。
【0028】本発明のポリマー組成物においては、ポリ
マー(A)の含有率は30〜98重量%の範囲内であ
り、ブロックコポリマー(B)の含有率は70〜2重量
%の範囲内である。ポリマー(A)の含有率が30重量
%未満であるか、またはブロックコポリマー(B)の含
有率が70重量%を越える場合には、ポリマー組成物に
おいて耐熱性等のポリマー(A)に由来する特長が大幅
に損なわれる。また、ポリマー(A)の含有率が98重
量%を越えるか、またはブロックコポリマー(B)の含
有率が2重量%未満である場合には、ポリマー組成物に
おいて耐衝撃性が不十分となる。耐衝撃性および耐熱性
が特に高いレベルで両立される点からは、ポリマー
(A)の含有率は60〜90重量%の範囲内であり、ブ
ロックコポリマー(B)の含有率は40〜10重量%の
範囲内であることが好ましい。ブロックコポリマー
(B)中に含有されるTgが25℃以下であるポリマー
ブロック(ii)は室温においてソフトブロックとして機
能するが、ポリマー組成物において耐衝撃性および耐熱
性が特に高いレベルで両立されることから、ポリマーブ
ロック(ii)の重量がポリマー組成物全体の重量に対し
て1〜50%の範囲内を占めることが好ましく、5〜3
0%の範囲内を占めることがより好ましい。
【0029】本発明のポリマー組成物には、本発明の効
果が損なわれない限りにおいて、目的に応じて、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、強化ガラス等の添加
物;他のポリマーなどが添加されていてもよい。
【0030】本発明のポリマー組成物は、ポリマー
(A)およびブロックコポリマー(B)を、所望に応じ
て添加物、他のポリマーなどと共に、所定割合でブレン
ドすることによって製造することができる。そのブレン
ド方法は特に限定されるものではないが、例えば、ポリ
マー(A)の粉体とブロックコポリマー(B)の粉体と
をあらかじめ混合しておき、二軸回転押し出し機に供給
し、溶融混練した後、本発明のポリマー組成物をペレッ
ト状物の形状で取得することができる。本発明のポリマ
ー組成物は、射出成形等の任意の成形法により、所望の
形状に成形し、各種用途に供することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0032】実施例1 [ポリマー(A−1)の合成]酢酸パラジウム、トリフ
ルオロ酢酸および1,3−ビス[ジ(3−メトキシジフ
ェニル)ホスフィノ]プロパンより調製した触媒と、一
酸化炭素、エチレンおよびプロピレンとを接触させるこ
とによって、一酸化炭素単位(−C(=O)−)、エチ
レン単位(−CH2CH2−)およびプロピレン単位(−
CH2CH(CH3)−)をそれぞれ50モル%、46モ
ル%および4モル%含有し、一酸化炭素単位とオレフィ
ン単位(エチレン単位およびプロピレン単位)とが交互
に配列した線状のコポリマーを得た(以下、該コポリマ
ーを「ポリマー(A−1)」と称する)。ポリマー(A
−1)の極限粘度数を、m−クレゾール中、60℃の条
件で測定したところ、1.0dl/gであった。
【0033】[ブロックコポリマー(B−1)の合成]
5リットルのガラス製フラスコに、攪拌装置を取り付
け、系内をアルゴン雰囲気下にし(以降の重合操作はす
べてアルゴン雰囲気中で行った)、金属ナトリウム添加
後に蒸留して得られた乾燥トルエン1000mlと、s
ec−ブチルリチウム0.002モルとを加えた。これ
に、水素化カルシウム添加後に減圧蒸留して得られた乾
燥スチレンモノマー12gをシリンジで加え、室温で3
時間攪拌した。得られた反応混合液の一部をサンプリン
グし、GPCにより分子量を測定したところ、生成した
ポリスチレンのリビングポリマーの数平均分子量(M
n)は標準ポリスチレン換算で6100であり、重量平
均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)は1.1
0であった。得られた反応混合液に、水素化カルシウム
添加後に蒸留して得られた乾燥イソプレンモノマー80
gを、滴下ロートから約2時間を要して滴下した。さら
に8時間、室温で重合したのち、50℃まで昇温し2時
間攪拌することによってイソプレンの重合を追い込ん
だ。その後、n−ブチルリチウムの添加後に減圧蒸留し
て得られた乾燥1,1−ジフェニルエチレン0.1モル
をシリンジで加え、50℃で18時間反応させた。上記
のようにして得られた反応混合液に、1,1−ジフェニ
ルヘキシルリチウムの添加後に単蒸留して得られた乾燥
テトラヒドロフラン1.5リットルを、氷浴による冷却
下で加え、さらにドライアイス−メタノール浴で−78
℃に冷却した。次いで、水素化カルシウム添加後に蒸留
した後さらにトリイソブチルアルミニウムを添加し減圧
蒸留して得られたメタクリル酸メチルモノマー12gを
シリンジで滴下し、−78℃で3時間重合させた。その
後、約3mlのメタノールを加えることによって重合を
停止させた。得られた反応混合液を、18リットルのメ
タノール中に再沈することによって、ポリマー(ポリス
チレン−b−ポリイソプレン−b−ポリメタクリル酸メ
チル)を回収した。回収率はほぼ100%であり、重合
はほぼ定量的に進行していることが判明した。得られた
ポリマーをトルエンに溶解し、ニッケル−アルミニウム
錯体触媒を用いて、70℃、水素圧20kg/cm2
条件下に、24時間水素添加反応を行った。上記の水素
添加反応によって、ポリスチレン−b−水素添加ポリイ
ソプレン−b−ポリメタクリル酸メチルを得た(以下、
該ポリスチレン−b−水素添加ポリイソプレン−b−ポ
リメタクリル酸メチルを「ブロックコポリマー(B−
1)」と称する)。ブロックコポリマー(B−1)の水
素添加率を、1H−NMRに基づいて求めたところ、9
5%であった。ブロックコポリマー(B−1)の分子量
をGPCにより測定した結果、数平均分子量(Mn)は
標準ポリスチレン換算で820000であり、重量平均
分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)は1.12
であった。なお、そのGPCピークは低分子量側へのテ
ーリングもなく、完全に一山の形態を示した。また、ブ
ロックコポリマー(B−1)の1H−NMR解析結果お
よびポリスチレンリビングポリマーの数平均分子量の値
に基づいて求められた、ポリスチレン、水素添加ポリイ
ソプレンおよびポリメタクリル酸メチルの各ブロックの
数平均分子量は、それぞれ、6100、42000およ
び6000であった。ブロックコポリマー(B−1)の
DSC測定を、試料を、窒素気流下において、10℃/
分の速度で−100℃から200℃まで昇温したのち降
温し、次いで再度10℃/分の速度で−100℃から2
00℃まで昇温することによって行った。この場合の再
度の昇温時における測定結果に基づいて求められた、ポ
リスチレン、水素添加ポリイソプレンおよびポリメタク
リル酸メチルの各ブロックのTgは、それぞれ、99
℃、−58℃および122℃であった。
【0034】[ポリマー(A−1)とブロックコポリマ
ー(B−1)とのブレンド]上記ポリマー(A−1)と
上記ブロックコポリマー(B−1)とを、表1に示す割
合で、ラボプラストミル(東洋精機製)により、250
℃で、トルクが一定になるまで溶融混練することによっ
て、ポリマー組成物を得た。得られたポリマー組成物
を、プレス機によりシート状に成形したのち、試験片を
切り出し、ASTM−256によりノッチ付きアイゾッ
ト衝撃値を測定した。得られた結果を表1に示す。また
表1に、対照として、ポリマー(A−1)単独のノッチ
付きアイゾット衝撃値を併せて示す。
【0035】
【表1】
【0036】実施例2 [ブロックコポリマー(B−2)の合成]5リットルの
ガラス製フラスコに、攪拌装置を取り付け、系内をアル
ゴン雰囲気下にし(以降の重合操作はすべてアルゴン雰
囲気中で行った)、金属ナトリウム添加後に蒸留して得
られた乾燥テトラヒドロフラン700mlと、n−ブチ
ルリチウム添加後に減圧蒸留して得られた乾燥1,1−
ジフェニルエチレン0.004モルとを加えた。これ
に、0.004モルのn−ブチルリチウムを含有するヘ
キサン溶液を加え、室温で2時間反応させた。次に、こ
れを−78℃まで冷却し、0.04モルのリチウム2−
(2−メトキシエトキシ)エトキシドを含有するヘキサ
ン溶液を加え、さらに、ポリスチリルリチウム添加後に
蒸留して得られた乾燥トルエンを1.8リットル滴下し
た。続いて、この溶液を攪拌しながら、水素化カルシウ
ム添加後に蒸留した後さらにトリイソブチルアルミニウ
ムを添加し減圧蒸留して得られたメタクリル酸メチルモ
ノマー48gを滴下し、さらに2時間重合させた。得ら
れた反応混合液の一部をサンプリングし、GPCにより
分子量を測定したところ、生成したポリメタクリル酸メ
チルのリビングポリマーの数平均分子量(Mn)は標準
ポリスチレン換算で13000であり、重量平均分子量
と数平均分子量との比(Mw/Mn)は1.12であっ
た。得られた反応混合液を−95℃まで冷却し、水素化
カルシウム添加後に蒸留した後さらにトリイソブチルア
ルミニウムを添加し減圧蒸留して得られたアクリル酸2
−エチルヘキシルモノマー224gを、滴下ロートから
滴下し、次いで3時間重合させた。次に、水素化カルシ
ウム添加後に蒸留した後さらにトリイソブチルアルミニ
ウムを添加し減圧蒸留して得られたメタクリル酸メチル
モノマー48gを、シリンジで滴下し、3時間重合させ
た。最後に、約3mlのメタノールを加えることによっ
て重合を停止させた。得られた反応混合液を18リット
ルのメタノール中に再沈することによって、ポリマー
(ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸2−エ
チルヘキシル−b−ポリメタクリル酸メチル)を回収し
た(以下、該ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリ
ル酸2−エチルヘキシル−b−ポリメタクリル酸メチル
を「ブロックコポリマー(B−2)」と称する)。回収
率はほぼ100%であり、重合はほぼ定量的に進行して
いることが判明した。ブロックコポリマー(B−2)の
分子量をGPCにより測定した結果、主ピーク成分の数
平均分子量(Mn)は標準ポリスチレン換算で1320
000であり、重量平均分子量と数平均分子量との比
(Mw/Mn)は1.12であった。なお、主成分のピ
ークの面積は全体の93%であった。また、ブロックコ
ポリマー(B−2)の1H−NMR解析結果およびポリ
メタクリル酸メチルリビングポリマーの数平均分子量の
値に基づいて求められた、ポリメタクリル酸メチル、ポ
リアクリル酸2−エチルヘキシルおよびポリメタクリル
酸メチルの各ブロックの数平均分子量は、それぞれ、1
3000、59000および14000であった。ブロ
ックコポリマー(B−2)のDSC測定を、試料を、窒
素気流下において、10℃/分の速度で−100℃から
200℃まで昇温したのち降温し、次いで再度10℃/
分の速度で−100℃から200℃まで昇温することに
よって行った。この場合の再度の昇温時における測定結
果に基づいて求められた、ポリメタクリル酸メチルおよ
びポリアクリル酸2−エチルヘキシルの各ブロックのT
gは、それぞれ、125℃および−49℃であった。
【0037】[ポリマー(A−1)とブロックコポリマ
ー(B−2)とのブレンド]上記ポリマー(A−1)と
上記ブロックコポリマー(B−2)とを、表2に示す割
合で、ラボプラストミル(東洋精機製)により、250
℃で、トルクが一定になるまで溶融混練することによっ
て、ポリマー組成物を得た。得られたポリマー組成物
を、プレス機によりシート状に成形したのち、試験片を
切り出し、ASTM−256によりノッチ付きアイゾッ
ト衝撃値を測定した。得られた結果を表2に示す。また
表2に、対照として、ポリマー(A−1)単独のノッチ
付きアイゾット衝撃値を併せて示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明のよれば、上記の実施例から明ら
かなように、一酸化炭素とエチレン性不飽和化合物との
交互コポリマーを含有するポリマー組成物であって、改
善された耐衝撃性を有する新規なポリマー組成物が提供
される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)主として一般式 【化1】−C(=O)−R− (式中、Rはエチレン性不飽和化合物から誘導される構
    造単位を表す)で示される繰り返し単位からなるポリマ
    ー(A)、および、主としてアクリル酸エステルまたは
    メタクリル酸エステルからなる単量体のポリマーブロッ
    クと、ガラス転移点が25℃以下であるポリマーブロッ
    クとを、それぞれ少なくとも1個有するブロックコポリ
    マー(B)を含有し;かつ、(2)ポリマー(A)の含
    有率が30〜98重量%であり、ブロックコポリマー
    (B)の含有率が70〜2重量%である;ことを特徴と
    するポリマー組成物。
  2. 【請求項2】 ブロックコポリマー(B)中に含有され
    るガラス転移点が25℃以下であるポリマーブロックの
    重量がポリマー組成物全体の重量に対して1〜50%を
    占める請求項1記載のポリマー組成物。
  3. 【請求項3】 ブロックコポリマー(B)中に含有され
    るガラス転移点が25℃以下であるポリマーブロック
    が、主として共役ジエンからなる単量体のポリマー、該
    ポリマーが少なくとも部分的に水素添加されたポリマ
    ー、または主としてアクリル酸エステルもしくはメタク
    リル酸エステルからなる単量体のポリマーのブロックで
    あって、かつガラス転移点が25℃以下であるブロック
    である請求項1または2記載のポリマー組成物。
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