JP3618876B2 - ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性と、耐衝撃性、成形性のバランスに優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)は、耐衝撃性、成形性に優れた樹脂であることから、家庭用品、電化製品、食品容器等の成形材料や、包装材料として広く用いられている。ゴム変性スチレン系樹脂は、耐衝撃性、成形性に優れるものの、透明性に劣っており、特に、包装材料としては、透明性が要求される場合が多く、透明性と、耐衝撃性、成形性の相反する特性を同時に満足するゴム変性スチレン系樹脂の出現の要望が高まっている。
【0003】
従来のゴム変性スチレン系樹脂は、ポリスチレンからなる連続相にゴム状重合体を含む分散粒子とからなるが、両者の屈折率が異なる為、この樹脂に入射した光が、連続相と分散粒子との界面で反射され、樹脂全体としては、乳白色を呈した不透明体となる。さらに成形体の厚みを薄くしたシート、フィルムであっても半透明なものしか得ることができない。
【0004】
ゴム変性スチレン系樹脂の透明性を向上させる方法としては、連続相をスチレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルを重合してなる共重合体とし、分散粒子に含まれるゴム状重合体をスチレン−ブタジエンブロック共重合体として、両者の屈折率を事実上一致させる方法(特開昭62−169812号公報)が提案されている。かかる方法で作成された樹脂は、透明ではあるものの、耐衝撃強度が不十分であり、また、この樹脂を用いて、食品容器、包装材等に多用されるシート熱成形によって得られる成形体は、成形工程にて表面が荒れ、透明性が低下するという問題があった。
【0005】
さらに、耐衝撃強度とシート熱成形体の透明性を向上させる方法として、上述の方法に加えて、テルペン系水素添加樹脂を添加する方法(特開平5−171001号公報)がある。かかる方法では、耐衝撃強度と透明性のバランスが向上するものの、この樹脂を用いてシート熱成形を行う際に、透明性を発揮しうる成形条件が狭く、汎用性に欠けるという問題があった。また、樹脂の製造工程においてテルペン系水素添加樹脂を添加させる工程を加える必要があり、工程が煩雑になる問題があった。同様に、石油樹脂、クマロン樹脂を添加する方法(特開平7−292191号公報)が開示されているが、上記と同様の問題を有すると同時に、シート熱成形用素材として提示されているにも関わらず、樹脂の透明性の評価はシート熱成形前のシート段階におけるHaze(曇価)をもっておこなわれており、多くの場合市場において要求される、シート熱成形後の成形体における透明性をも満足するものでは無かった。
【0006】
また、用いるゴム状重合体を25℃における5重量%スチレン溶液粘度、結合スチレン量によって規定した技術(特開平4−180907号公報)も開示されている。しかし、この場合は、樹脂の透明性は、射出成形による成形体のHazeによって評価されており、射出成形品としての透明性は高いものの、シート熱成形用の素材として用いた場合、成形体の表面が荒れ、磨りガラス状になって透明性が低下する問題を有していた。
【0007】
一般に、ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム状重合体を含む分散粒子は、その平均粒径が小さいほど透明性を発揮しやすいが、耐衝撃性が劣る。また反対に、粒径が大きくなると、シート熱成形後の成形体の表面の荒れが激しくなって透明性が悪化する場合がある。この様に、透明性と耐衝撃性は、分散粒子径について、相反する関係にある。上記の従来技術の中では、透明性と耐衝撃性をバランスしやすい範囲として、0.1〜2.0μmにあることが好ましいとされているが、透明性、耐衝撃性を共に高いレベルでバランスさせるには、分散粒子径を制御する方法では、限界があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シート熱成形前後の透明性の低下が小さく、透明性と耐衝撃性、成形性の、従来相反する特性を満足したゴム変性スチレン系樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明性と耐衝撃性が、ゴム変性スチレン系樹脂中に分散する粒子を構成するゴム状重合体の影響を大きく受けることを見いだし、ゴム重合体として特定の分子量と構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体を用い、且つ、連続相をなすスチレン系樹脂の屈折率を、変性前のゴム状重合体の屈折率とを実質的に一致させることによって上記課題を解決した。
【0010】
すなわち、本発明は、スチレン系樹脂からなる連続相と、ゴム状重合体を含む平均粒径が0 . 1〜2μmの分散粒子よりなるゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、変性前のゴム状重合体が10〜45重量%のスチレン成分を含み、重量平均分子量Mwが400,000〜100,000でありブロックスチレン部分の重量平均分子量が26,000以下であるスチレンーブタジエン共重合体であり、且つ、連続相をなすスチレン系樹脂の屈折率と、変性前の該ゴム状重合体の屈折率との差が0〜0.01であることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物に係わる。
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム状重合体に、連続相をなすスチレン系樹脂を構成する単量体と同種の単量体をグラフトさせ、スチレン系樹脂からなる連続相に粒子状に分散させた、いわゆる耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)に準じた構造からなる。本発明における、変性前のゴム状重合体とは、上記のグラフト前の段階にあるものを指す。
【0012】
本発明に用いるゴム重合体は、変性前の重合体の重量平均分子量Mwが400,000〜100,000である。好ましくは、360,000〜150,000である。且つ、ブロックスチレン部分の重量平均分子量が26,000以下、好ましくは20,000以下であるスチレン−ブタジエン共重合体である。
重量平均分子量が100,000未満であると、十分な補強効果が得られず耐衝撃性が低下し、また、400,000を越えても、成形体の耐衝撃性が低下する。また、400,000を越えると、分散粒子の大きさを、2.0μm以下に制御することが困難となり、透明性を低下させる場合がある。
【0013】
また、変性前のゴム状重合体に含まれるブロックスチレン部分の重量平均分子量が26,000を越えると成形体の表面の凹凸が激しくなり、透明性が低下する。ブロックスチレン部分の重量平均分子量の下限としては、ランダム構造であることを示しており、ブロックスチレン部分の重量平均分子量の測定値としては、2000以下をランダム構造と見なす。
【0014】
変性前のゴム状重合体に含まれるスチレン成分量は、連続相の屈折率の調整のしやすさ、補強効果の発現しやすさを鑑みて、10〜45重量%であることが好ましい。
本発明で用いられるゴム状重合体であるスチレンーブタジエン共重合体は、特に製造方法を限定されるものではなく、公知の製造方法を用いれば良い。通常、有機リチウム系触媒を用いて、炭化水素系溶媒中において重合を行う。分岐構造を持たせる場合は、続いて2官能以上のカップリング剤にてカップリングすることによって製造される。
【0015】
本発明において、連続相をなすスチレン系樹脂は、その屈折率と,変性前のゴム状重合体の屈折率との差が0〜0.01であり、好ましくは0〜0.008である。0.01を越えると、成形段階以前において既に透明性が低下する。
【0016】
本発明において、連続相をなすスチレン系樹脂に用いられるスチレン系単量体としては、スチレン、αーメチルスチレンp−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられ、単独あるいは二種以上用いても良い。
本発明において、連続相をなすスチレン系樹脂の屈折率は、スチレン系単量体と、これに共重合可能な単量体成分との割合を調節することによって調整される。この目的の為には、スチレン系単量体と共重合される単量体は、スチレン系単量体単独からなる重合体の屈折率よりも、屈折率の低い重合体を生成する単量体である必要がある。この条件を満足する単量体であればよい。得られるスチレン系樹脂の成形性や、表面特性(耐傷性)、工業的な入手のしやすさ等を考慮すると、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル等が挙げられる。これらを単独、または混合して用いても良い。
【0017】
連続相を形成するスチレン系樹脂に含まれるスチレン系単量体の量は、20〜80重量%、好ましくは、30〜70重量%である。20重量%未満もしくは80重量%を越える場合は、耐熱性が実用に耐えうる範囲でゴム状重合体と屈折率を一致させるのが困難となる。さらに、20重量%未満の場合は、吸湿水分が多くなり、樹脂の物性を変化させる他、成形時に乾燥工程が必要となるなど生産性の点からも好ましくない。また、80重量%を越える場合は、透明性、耐衝撃強度、成形性を同時に満足した優れた樹脂が得られず好ましくない。
【0018】
スチレン系樹脂中のゴム状重合体の量は、3〜20重量%が好ましい。3重量%未満であると、高い透明性が得られるが補強効果が十分でなく、耐衝撃性が不足する。20重量%を越える場合は、樹脂の剛性と透明性が低下し、シート成形体としての用途には適さない。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂の製造には、塊状重合、溶液重合のいずれの方法も用いることができ、公知の耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)の製造方法を用いることができる。例えば、スチレン系単量体、その他の単量体、重合溶媒、重合開始剤からなる原料溶液に、ゴム状重合体を溶解せしめ、このゴム状重合体を溶解した原料溶液を撹拌機付反応器に供給し、重合を行う。分散粒子の粒子径の制御は、例えば、撹拌数の変化させる方法、あるいは重合途中に、必要に応じて単量体を添加する方法が挙げられる。
【0019】
ゴム状重合体の含有量は、目標とする含有量になるように、原材料中のゴム状重合体の含有量や重合率を調整することによって達成することもできるが、高濃度のゴム状重合体を含むゴム変性スチレン系樹脂を上記の方法で作成し、別に作成した、ゴム状重合体を含まない、屈折率が等しいスチレン系樹脂と混合することによっても達成できる。但し、混合後の樹脂が本発明の構成要件を全て満たすことは当然である。
【0020】
重合溶媒としては、エチルベンゼン、トルエン、キシレン等を用いることが可能である。また、重合開始剤として、例えば、スチレン系樹脂の重合に常用されている有機過酸化物を用いても良いし、これを途中添加しても良い。
重合反応器を出た重合溶液は、回収装置に導かれる。回収装置は、スチレン系樹脂の製造で常用される装置、例えば、フラッシュタンクシステム、多段ベント付き押出機等を用いることができる。
【0021】
また、本発明において、ゴム変性スチレン系樹脂製造時の、回収工程の前後の任意の段階、あるいは、ゴム変性スチレン系樹脂を押出す段階において、スチレン系樹脂に慣用される各種添加剤、例えば、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤等を添加できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
変性前のゴム状重合体についての測定には、以下の方法を用いた。
(1)重量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、試料濃度0.1重量%、カラム温度35℃、送液流量0.7ml/分の条件のもとで、RI検出器を用いて測定し、GPC用単分散ポリスチレンを用いた検量線から、常法(例えば「ゲルパーミエーションクロマトグラフィー<基礎編>」講談社)に従って算出した。この方法によってえられる分子量は、ポリスチレン換算分子量であり、本発明における重量平均分子量は、このポリスチレン換算分子量による値を採用している。
【0023】
(2)ブロックスチレン部分の重量平均分子量:スチレン−ブタジエン共重合体を、4酸化オスミウムを触媒として、ジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たポリスチレン成分を、上記(1)重量平均分子量の測定に用いた方法と同様の方法にて重量平均分子量を求めた。
【0024】
(3)スチレン成分含有量:(株)日立製作所製U−2000紫外線分光光度計を用いて、常法により測定した。
(4)屈折率:25℃のもとで、アタゴ(株)社製アッベ屈折率計を用いて測定した。
ゴム変性スチレン系樹脂組成物についての測定には、以下の方法を用いた。
【0025】
(1)分散粒子の平均粒径:約0.5重量%の濃度となるように試料をジメチルホルムアミドと混合し、超音波を照射して連続相部分を溶解し、分散粒子を分散させる。この試料溶液をさらにジメチルホルムアミドで約30倍に希釈して測定試料液とし、Coulter社製 LS−130を用いて、体積基準粒子径分布を求め、その中位径を平均粒径とした。
【0026】
(2)MFR(メルトフローレート):ISO R1133に準じて測定した。
(3)Vicat軟化点:ASTM D1525に準じて測定した。
(4)屈折率:ゴム状重合体の屈折率の測定方法と同一方法で測定した。
(5)ゴム状重合体含有量:重合直後のゴム変性スチレン系樹脂組成物溶液から溶媒、未反応単量体を除去をする前の溶液を採取する。230℃、10mmHgの減圧下で乾燥して、重合溶液中の固形分の重量%を求める。この値と、重合前の原料溶液に含まれるゴム状重合体の重量%から、ゴム変性スチレン系樹脂組成物中に含まれるゴム状重合体の重量%を求めた。
【0027】
(6)スチレン系樹脂組成:ゴム変性スチレン系樹脂組成物をメタノール10重量%を含むメチルエチルケトンに溶解し、遠心分離器((株)日立製作所製 himac R−20(ローター:R20A2)で、20,000rpmで60分間処理したのち、沈殿物と上澄み液を分離し、上澄み液に大量のメタノールを加え、ゴム変性スチレン系樹脂組成物中のスチレン系樹脂部を沈澱させる。この沈澱物を取り出し、50℃、10mmHgの減圧下で乾燥させる。乾燥後のサンプルを、日本分光(株)JNM−G400 FT−NMRを用いて、以下の条件下で1Hを測定する。
【0028】
パルス幅=8.4μs、積算回数=1000、サンプル濃度=2wt%、溶媒=1,1,2,2−テトラクロロエタン(d2)、サンプル管=5mmφ
6.2〜7.4ppmのピークをスチレン系単量体由来のものとし、3.4〜3.8ppmのピークをアクリル酸エステル由来のものとし、0.2〜1.1ppmのピークをメタクリル酸エステル由来のものとして、各々のピークをピーク分離して面積比を求め、この値よりスチレン系樹脂部の組成重量比を求めた。この値と、上記(5)で求めた。ゴム状重合体含有量から、ゴム変性スチレン系樹脂組成物中の各単量体成分の重量%を求めた。
【0029】
ゴム変性スチレン系樹脂組成物を用いて作成したシート状成形体、及び、シート状成形体を熱成形して得た容器状シート熱成形体の作成方法、及びこれらについての測定方法を以下に示す。
(1)シート状成形体:ゴム変性スチレン系樹脂組成物を用いて、Tダイを備えた30mm押出機で、厚さ0.30mm、幅約40cmのシート状成形体を作成した。
【0030】
(2)容器状シート熱成形体:シート状成形体を、成形体表面から10cm離れたとことに配した電熱ヒーター(温度220℃)で上下から20秒もしくは60秒加熱し、金型温度50℃、成形時間2秒の条件下で、真空成形法にて図1に示す形状の角形容器状成形体を作成した。
(3)Haze(曇価):シート状成形体、及び、容器状シート熱成形体の底部について、ASTM D−1003に準じて測定した。
【0031】
(4)耐衝撃強度(デュポン式衝撃強度):シート状成形体を25℃のもとで、ダート先端径1/8インチR、受け径3/16インチRの装置を用い、50%破壊率のエネルギーを測定した。
「ゴム状重合体(スチレン−ブタジエン共重合体)A〜F」:n−ブチルリチウムを触媒とし、シクロヘキサンを溶媒として、スチレン成分含有量、平均分子量、屈折率等が、表1に示す値を有するスチレン−ブタジエン共重合体を重合した。
【0032】
【実施例1〜4】
撹拌機を備えた反応器に、スチレン43.9重量部、メタクリル酸メチル31.8重量部、アクリル酸ブチル10.3重量部、エチルベンゼン5重量部を仕込み、表1に示すゴム状重合体のA、B、CまたはDを9重量部溶解し原料溶液とする。これに、日本油脂(株)製の有機過酸化物パーヘキサ3Mを0.02重量部投入し、120℃で2時間、135℃で2時間、145℃で2時間重合した。得られたゴム変性樹脂組成物のMFRが、2.5〜3.5g/分の範囲になる様に、原料溶液に、適当量のα−メチルスチレンダイマーを添加した。重合終了後、速やかに重合溶液を230℃の減圧下に導いて未反応単量体、溶媒等の揮発分を除去し、押出機にてペレット化した。分散粒子の粒子径は、撹拌機の撹拌数によって制御した。得られたゴム変性スチレン系樹脂組成物の性状を表2に示す。さらにこのゴム変性樹脂組成物を用いて得たシート状成形体のHaze、耐衝撃強度、及び、容器状シート熱成形体のHazeを表2に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003618876
【0034】
【表2】
Figure 0003618876
【0035】
【比較例1〜3】
用いたゴム状重合体が、表1のE、FまたはGである以外は、実施例1と同様の操作にてゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。その性状を表2に示す。このゴム変性スチレン系樹脂を用いて得たシート状成形体のHaze、耐衝撃強度、及び、容器状シート熱成形体のHazeを表2に示す。
【0036】
【実施例5】
スチレン54.0重量部、メタクリル酸メチル23.0部、アクリル酸ブチル9.0部、ゴム状重合体が表1のHである以外は、実施例1と同様の操作にてゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。その性状を表3に示す。このゴム変性スチレン系樹脂を用いて得たシート状成形体のHaze、耐衝撃強度、及び、容器状シート熱成形体のHazeを表3に示す。
【0037】
【表3】
Figure 0003618876
【0038】
【実施例6】
スチレン43.0重量部、メタクリル酸メチル43.0重量部、アクリル酸ブチル0重量部である以外は、実施例1と同様の操作にてゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。その性状を表3に示す。このゴム変性スチレン系樹脂を用いて得たシート状成形体のHaze、耐衝撃強度、及び、容器状シート熱成形体のHazeを表3に示す。
【0039】
【比較例4】
スチレン71.6重量部、メタクリル酸メチル7.9部、アクリル酸ブチル6.5部、ゴム状重合体が表1のHである以外は、実施例1と同様の操作にてゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。その性状を表3に示す。このゴム変性スチレン系樹脂を用いて得たシート状成形体のHaze、耐衝撃強度、及び、容器状シート熱成形体のHazeを表3に示す。
【0040】
表2及び表3の結果から明らかな様に、本発明の方法によって得たゴム変性スチレン系樹脂組成物は、シート状にした場合の透明性と耐衝撃性を同時に満足し、且つ、シートを熱成形して得た成形体の透明性も、広い成形条件の範囲において良好であることがわかる。
これに対し、表2中の比較例1で見られるように、ゴム状重合体に含まれるブロックスチレン部分の重量平均分子量が26,000を越えると、シート熱成形後の成形体の透明性が悪化し、また、比較例2、3で見られるように、重量平均分子量が400,000を越えると耐衝撃性が低下しており、いずれも、透明性と、耐衝撃性のバランスが、実施例に比べて明らかに低いことがわかる。また、表3中の比較例4で見られるように、屈折率差が0.01を越えると、シート状成形体の段階ですでに透明性が低いことは明らかである。
【0041】
【発明の効果】
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、成形も容易で且つ、耐衝撃性と透明性を同時に満足し、特に、シート熱成形後の成形体の透明性も高いことから、容器などの透明性と耐衝撃性、成形性が要求される分野に広範囲に使用でき、発明の効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例で作成された容器状シート熱成形体の外観図。

Claims (2)

  1. スチレン系樹脂からなる連続相と、ゴム状重合体を含む平均粒径が0 . 1〜2μmの分散粒子よりなるゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、変性前のゴム状重合体が10〜45重量%のスチレン成分を含み、重量平均分子量Mwが400,000〜100,000でありブロックスチレン部分の重量平均分子量が26,000以下であるスチレンーブタジエン共重合体であり、且つ、連続相をなすスチレン系樹脂の屈折率と、変性前の該ゴム状重合体の屈折率との差が0〜0.01であることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  2. ゴム状重合体を3〜20重量%含み,連続相を形成するスチレン系樹脂がスチレン系単量体20〜80重量%、アクリル酸(メタクリル酸)エステル単量体20〜ら80重量%からなる請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
JP03446696A 1996-02-22 1996-02-22 ゴム変性スチレン系樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3618876B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20230170784A (ko) 2021-04-20 2023-12-19 덴카 주식회사 투명한 고무 변성 스티렌계 수지 조성물

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