JP2010031142A - スチレン系樹脂フィルム、該フィルムを用いた積層シートおよび成形品 - Google Patents

スチレン系樹脂フィルム、該フィルムを用いた積層シートおよび成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】スチレン系樹脂の透明感を損なうことなく、二次加工の際の艶戻りによる外観の低下が抑制されたスチレン系樹脂フィルムと、その二次加工によるスチレン系樹脂加工品の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のスチレン系樹脂フィルムは、ゴム状重合体にスチレン系単量体をグラフト重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂を含有し、かつ、フィルムの分散相を形成する軟質成分の含量が0.1〜10質量%であり、分散相の平均粒子径が0.1〜1.0μmであるスチレン系樹脂組成物を成形して得られるスチレン系樹脂フィルムであって、JIS K7105による反射法(光学櫛幅2.0mm、測定角度60度)に準拠して測定した、フィルムの像鮮明度が35%以上であり、JIS K7105に準拠して測定した、フィルムの内部ヘイズが1.0%以下および外部ヘイズが3.0%以下であり、かつ、フィルムを250℃、15秒で熱処理したとき、熱処理の前後における内部ヘイズと外部ヘイズの変化量が、それぞれ0.5%以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチレン系樹脂組成物からなるフィルムに関するものである。さらに詳しくは、二次加工を行っても高い透明性や写像性を損なわないスチレン系樹脂フィルム、およびそれを用いた二次加工品に関するものである。
スチレン系樹脂組成物からなるフィルムは、透明性および印刷性に優れるために食品包装や封筒窓材の用途で広く利用されている。近年では発泡ポリスチレンシートと積層加工し、真空・圧空成形などにより任意の形状に成形され、インスタント食品容器、食品トレーなどとしても広く使用されている。
スチレン系樹脂のフィルムは、通常Tダイ押出し加工法またはインフレーション方式により製造される。強度や透明性が必要な場合には、テンター方式の延伸もしくはインフレーション法での膨比を調整して延伸することでフィルムに配向をかけることが一般的に行われる。
Tダイ押出法では厚み精度が高いフィルムを生産でき、これとテンター式延伸装置との組み合わせによって高延伸倍率の二軸延伸フィルムを得ることができる。ただし、高価かつ設置面積が大きな成形機を必要とすること、さらには消費電力が大きいなどの点でインフレーション式に比べて効率が悪く、コストが高いなどの欠点がある。
一方、インフレーション成形法は、押出機先端の円形のダイスより円筒状のフィルムを連続製造する方法であり、成形と同時に樹脂組成物の分子鎖が引取り方向(MD)及び、フィルム面内の引取り方向と垂直な方向(TD)の2方向に延伸され配向される。フィルムの厚さや延伸の程度はスクリュー回転数、引取り速度、および空気圧によって膨らませる度合いなどを変えて調節することができ、厚み精度には劣るものの生産性が高いことから広く用いられている。
ところで、スチレン系樹脂ではフィルム同士のブロッキング性のために、フィルムの巻き取りや成形の後工程である印刷段階で、皺の発生やフィルム切れなどのトラブルが発生することがある。
この対策として、スチレン系樹脂にゴム変性スチレン系樹脂(耐衝撃性スチレン系樹脂、HIPS)やスチレン−ブタジエンブロック共重合体をブレンドすることが行われている。これらのフィルムでは、架橋ゴムやスチレン−ブタジエン共重合体の粒子が表面に微小な凹凸を形成するため、フィルム間の滑り性が改善され、成形時や後工程でのトラブルの発生が抑制される。
また同時に、このような軟質成分の添加によってフィルム自体のしなやかさが増し、巻き取り時の割れや皺の発生が防止されて作業性が向上する利点もある。
ブレンドする樹脂として、HIPSは比較的安価であるが、多量に添加するとフィルム自体の透明性を低下させる問題点がある。一方、スチレン−ブタジエンブロック共重合体にも、製品の傷つき易さ、ゲル化のし易さなど、ゴム成分の物性に起因する問題や、多量に添加した場合、フィルムの表面外観の低下、さらにはスチレン−ブタジエンブロック共重合体自体が高価であるという欠点がある。
さらに、これらのブレンド樹脂を用いると、加熱を伴う二次加工において「艶戻り」と
よばれる現象があることが知られている。この艶戻り現象は、フィルム成形時に扁平化された軟質成分の粒子の変形が、二次加工の加熱をうけて緩和されることによりフィルム自体の透明感が低下したり、フィルム表面に微小な凹凸ができるために光沢感が低下したりするもので、二次成形品の外観を大いに損ねるものである。
上記の問題点を解決する方法として、特許文献1、特許文献2などでは軟質成分としてスチレン−ブタジエンブロック共重合体をブレンドした組成物へのテルペン系の樹脂の添加が開示されている。しかし、スチレン−ブタジエンブロック共重合体自体に起因する前述の欠点が改善されていないため、得られるフィルムは、白濁感や熱安定性などに大きな問題がある。
また、ブレンド樹脂を用いる以外の方法として、特許文献3、特許文献4などで各種微粒子を含有する高分子フィルムの製法も開示されている。しかし、これらの方法では透明性や下地印刷の写像性による艶感が著しく劣り、また特許文献5で開示されているようなスチレン系架橋微粒子を添加する方法であっても、厚さ100μm以下のフィルムでは透明性の低下が問題になる。さらには、これらの方法では、先に述べたゴム成分による巻き取り時のトラブル防止効果の恩恵を得ることができない。
特開平06−145443号公報 WO1996/006127号公報 特公昭55−7471号公報 特公昭47−2180号公報 特開平07−300533号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、スチレン系樹脂の透明感を損なうことなく、二次加工の際の艶戻りによる外観の低下が抑制されたスチレン系樹脂フィルムと、その二次加工によるスチレン系樹脂加工品の提供を目的とする。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、特定のスチレン系樹脂フィルムが、スチレン系樹脂の透明感を損なうことなく、二次加工時にみられる艶戻りによる透明性や写像性の低下が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、たとえば、以下の事項〔1〕〜〔8〕で特定される。
〔1〕本発明のスチレン系樹脂フィルムは、ゴム状重合体にスチレン系単量体をグラフト重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂を含有し、かつ、フィルムの分散相を形成する軟質成分の含量が0.1〜10質量%であり、分散相の平均粒子径が0.1〜1.0μmであるスチレン系樹脂組成物を成形して得られるスチレン系樹脂フィルムであって、JIS K7105による反射法(光学櫛幅2.0mm、測定角度60度)に準拠して測定した、フィルムの像鮮明度が35%以上であり、JIS K7105に準拠して測定した、フィルムの内部ヘイズが1.0%以下および外部ヘイズが3.0%以下であり、かつ、フィルムを250℃、15秒で熱処理したとき、熱処理の前後における内部ヘイズと外部ヘイズの変化量が、それぞれ0.5%以下であることを特徴とする。
〔2〕本発明のスチレン系樹脂フィルムは、120℃のシリコーンオイルバスに3分間浸漬した後に測定した、フィルム巻き取り方向(MD)の加熱収縮率が30〜90%であり、かつ、巻き取り方向(MD)と、フィルム面内で巻き取り方向と垂直な方向(TD)との比(MD/TD)が1.2〜4.0であることも好ましい。
〔3〕前記スチレン系樹脂組成物において、分散相以外の高分子のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したZ平均分子量と数平均分子量との比(Mz/Mn)が、3.5〜5.0であることも好ましい。
〔4〕本発明のスチレン系樹脂フィルムは、インフレーション法によって得られることが好ましい。
〔5〕本発明の積層シートは、スチレン系樹脂のシート状成形物の少なくとも片面に前記スチレン系樹脂フィルムを貼りあわせて得られることを特徴とする。
〔6〕本発明の成型品は、前記積層シートを加熱して、二次加工することにより得られることを特徴とする。
〔7〕本発明の封筒窓は、前記スチレン系樹脂フィルムを含むことを特徴とする。
〔8〕本発明の包装材は、前記スチレン系樹脂フィルムを含むことを特徴とする。
本発明によれば、スチレン系樹脂の透明感を損なうことなく、二次加工時にみられる艶戻りによる透明性や写像性の低下が抑制されたスチレン系樹脂フィルムを提供することができる。
また、このフィルムを二次加工することにより光沢感と下地の印刷の鮮映性に優れたスチレン系樹脂の加工品を提供することができる。
[スチレン系樹脂組成物]
本発明に用いるスチレン系樹脂組成物について説明する。
本発明のスチレン系樹脂フィルムに用いるスチレン系樹脂組成物は、フィルムのマトリックスとなるスチレン系樹脂中に軟質成分粒子が分散したゴム変性スチレン系樹脂を含有する。
ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム状重合体を芳香族モノビニルモノマーに溶解し、塊状重合した後、さらに懸濁重合を行う塊状−懸濁2段重合法又は塊状重合方法などにより製造することができ、重合反応条件は特に限定されるものではなく、通常のゴム変性スチレン系樹脂と同様にして行うことができる。
ゴム状重合体としては、ブタジエン重合体ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴムなどを挙げることができる。ブタジエン重合体ゴムとしては、シス含有量の高いハイシスポリブタジエンゴム、シス含有量の低いローシスポリブタジエンゴムを用いることができる。
芳香族モノビニルモノマーとしては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等のアルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−4−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン化スチレンなどのスチレン系化合物を挙げることができる。
本発明で用いるスチレン系樹脂組成物には、前述のスチレン系化合物の他に、複数のビニル基を有する化合物(多官能性ビニル化合物とも称す)を含有してもよい。多官能性ビニル化合物としては、例えば、ジビニルベンゼンなどの非共役ジビニル化合物、あるいは
多価アクリレート化合物などを用いることができる。具体的には、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパンなどのジアクリレート類、
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクロキシジエトキシフェニル)プロパンなどのジメタクリレート類、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレートなどのトリアクリレート類、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレートなどのトリメタクリレート類、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどのテトラアクリレート類、テトラメチロールメタンテトラメタクリレートなどのテトラメタクリレート類などを挙げることができる。
これらの多官能性ビニル化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせても良い。また、複数のビニル基を有する化合物の含有量は、全ての単量体成分に対して、50〜1000重量ppm、好ましくは100〜700重量ppmである。
また、上記のスチレン系化合物及び複数のビニル基を有する化合物と共に、スチレン系化合物と共重合可能な化合物、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸(C1〜C8)エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸(C1〜C8)エステル、アクリロニトリル、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド等のN−アルキル置換マレイミド又はその誘導体などを含有してもよい。これらの共重合可能な化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせても良い。
本発明で用いるスチレン系樹脂組成物において、ゴム状重合体に由来し、フィルムの分散相を形成する軟質成分の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%であり、特に好ましくは0.5〜6.0質量%である。軟質成分の量は、スチレン系樹脂組成物中の有機溶媒に対する不溶分を秤量して求めることができる。軟質成分の含有量が0.1質量%以上であると、得られるスチレン系樹脂フィルムの耐衝撃性を向上させることができ、さらに、10重量%以下であれば、軟質成分粒子による光の散乱が内部ヘイズに及ぼす影響が小さくなるため、得られるスチレン系樹脂フィルムの透明性が良好となる。また、軟質成分の含有量が、0.5〜6.0質量%であるとき、耐衝撃性、透明性を良好に併せ持つスチレン系樹脂フィルムを得ることができる。
軟質成分の含有量は、目標とする含有量になるように原材料、重合率を調製することにより達成することができる。また、高濃度のゴム状重合体を含むスチレン系重合体を製造し、別に製造したスチレン系樹脂と混合することによっても調製できる。
本発明で用いるスチレン系樹脂組成物は、分散相の軟質分散粒子の平均粒子径は、0.1〜1.0μmであり、好ましくは0.2〜0.8μmである。軟質分散粒子の平均粒子径が、0.1μm以上であると、得られるスチレン系樹脂フィルムの強度を補強する効果
が高く、平均粒子径が1.0μm以下であるとフィルムの外部ヘイズが小さくなり、さらに、二次加工時の加熱に対して軟質分散粒子の変形−緩和がフィルムの内部ヘイズ、外部ヘイズにおよぼす影響を小さくすることができるため、本発明の目的である透明性と艶戻りの低減化の意味で好ましい。また、軟質分散粒子の平均粒子径が、0.2〜0.8μmであるとき、特に強度、透明性、艶戻りの低減化に優れたスチレン系樹脂フィルムを得ることができる。
本発明において、軟質分散粒子の平均粒子径は、レーザー回折型粒度分布測定装置を用いて測定したもので、積算体積分布における50%の粒子径を平均粒子径として用いる。
平均粒子径は、例えば、軟質分散粒子が生成する段階、いわゆる転相段階における反応槽の攪拌数や反応液の粘度を調節するなどの方法で、反応液に加わる剪断力を調整することで制御することができる。
本発明で用いるスチレン系樹脂組成物において、分散相以外の高分子の重量平均分子量(Mw)が10万〜80万、好ましくは20万〜50万である。重量平均分子量が10万以上であれば、フィルムとしての強度が高く、成膜時の成形性や延伸性、および二次加工時の強度や深絞り性が良好である。さらに、80万以下であれば溶融時の流動性が十分に高いため、成形時の生産性を低下させることがない。
本発明で用いるスチレン系樹脂組成物において、分散相以外の高分子のZ平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比(Mz/Mn)が、3.5〜5.0であることが好ましい。
MzとMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって評価することができる。Mnは算術平均による分子量、Mzは分子量を重みとした平均の分子量であり、これらの比であるMz/Mnは、フィルム中の高分子量成分の割合の指標として使われる。
Mz/Mnの増加は高分子量成分の割合が増えることを意味し、分子間の絡み合いの増大から溶融張力が上昇し、また、成形機での樹脂圧が高まることによってフィルムの肉厚が均一化しやすい。また、Mz/Mnが上記範囲内であれば、成形時の樹脂が高くなり過ぎず、成形機の吐出が不安定なことによるフィルム外観の悪化を避けることができる。よって、Mz/Mnの値が適切な範囲内であることが、高品質なフィルムを安定的に生産する上では重要である。
本発明で用いるスチレン系樹脂組成物には、上記のポリマー成分以外に、必要に応じて、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料などを添加してよい。更に、本発明の効果を損ねない範囲内において、ミネラルオイルなどの可塑剤、本発明以外のスチレン系樹脂組成物、更にスチレン−ブタジエンブロック共重合体に代表されるエラストマーなどをブレンドしてもよい。
[スチレン系樹脂フィルム]
次に、本発明のスチレン系樹脂フィルムについて説明する。
本発明のフィルムは、インフレーション法、Tダイ押出法など公知の方法で成形することができる。所定の厚みと収縮率はインフレーション法であれば膨比を調整すること、Tダイ押出法であればテンター方式延伸装置などと組み合わせることによって達成することができる。ただし、生産性およびコストの面からインフレーション法での成形が好ましい。
本発明のフィルムは、スチレン系樹脂を製膜する場合の一般的な加工条件で製造でき、
例えばインフレーション加工機を用いて、160〜230℃に予熱した押出機に本発明に係るスチレン系樹脂組成物を通し、円形のダイスからチューブ状に押し出した溶融樹脂を垂直方向に引取りながら空気圧で膨らませ、巻き取ることで、ダイ口径より大きな径を持つ円筒状のフィルムを連続製造することができる。フィルムの厚さ及び延伸度は、スクリュー回転数、引取速度、及び空気圧によって調節する。インフレーション加工した後のフィルムを100〜150℃で更に延伸をかけて2軸廷伸フィルムとすることもできる。
スクリュー温度が上記範囲より高いと、本発明で用いる軟質分散粒子が熱によって変色し、フィルム自体が変色する可能性がある。
本発明のスチレン系樹脂フィルムの平均厚みは5〜50μmであり、さらに好ましくは10〜30μmである。平均厚みが5μm以上であれば、フィルムの強度が高く、印刷やラミネート加工時での破れが起こりにくい。また、平均厚みが50μm以下であれば、ラミネート加工時の熱量不足によるスチレン系樹脂フィルムの剥離が起こりにくい。
本発明のスチレン系樹脂フィルムは、JIS K7105による反射法に準拠して測定した、フィルムの像鮮明度が35%以上であり、好ましくは40%以上である。ただし、JIS K7105に記載の像鮮明度の反射法での測定角度は45度であるが、本発明ではフィルムの表面が平滑で、測定角度を45度にした場合には測定値が100%を越える場合があるため、測定角度を60度にて測定をおこなう。また、光学櫛幅は、2.0mmを採用した。
ここで像鮮明度とは、試料表面で反射する光を、移動する光学櫛を通して観察することで得られる指標である。この値が低いフィルムでは、透明性の指標であるヘイズや全光線透過率が良好であっても像の鮮明性が低く、内容物や裏面印刷の輪郭がぼやけてしまうため、本発明の目的が達成されない。
フィルムの全ヘイズ、内部ヘイズおよび外部ヘイズは、JIS K7105に準拠して測定することができる。内部ヘイズはフィルムを構成する樹脂内部に由来するヘイズであり、外部ヘイズはフィルムの表面での散乱に由来するヘイズである。
本発明のスチレン系樹脂フィルムの内部ヘイズは、好ましくは1.0%以下である。内部ヘイズがこの範囲であれば、フィルム内部での光の散乱が少ないため、フィルムの透明性が良好である。また、本発明のスチレン系樹脂フィルムの外部ヘイズは、好ましくは3.0%以下である。外部ヘイズがこの範囲であれば、フィルム表面での光の散乱が少なく、透明性や写像性が良好である。これらの値が大きいと、外観が白く曇った状態となり透明性や写像性が不足するようになるため、上記範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明のスチレン系樹脂フィルムは、250℃、15秒で熱処理したとき、熱処理の前後における内部ヘイズおよび外部ヘイズの変化量が、ともに0.5%以下である。これらヘイズ値の変化量が0.5%を超えると、加熱の前後でフィルムの透明性や光沢感が低下する、いわゆる艶戻り現象がみられる。なお、変化量の下限値については、特に制限されない。
本発明のスチレン系樹脂フィルムは、120℃のシリコーンオイルバスに3分間浸漬した後に測定した、フィルムの巻き取り方向(MD)の加熱収縮率が30〜90%である。フィルムの加熱収縮率はフィルムの分子鎖の配向度合いによって変化し、延伸時の温度、時間、延伸の程度などによって制御することができる。さらに本発明のスチレン系樹脂のフィルムは、120℃のシリコーンオイルバスに3分間浸漬した後に測定した、フィルムの巻き取り方向(MD)とフィルム面内で引取り方向と垂直な方向(TD)との加熱収縮率の比(MD/TD)が、1.2〜4.0である。この加熱収縮率の比はフィルムの異方
性の指標となるが、上記範囲内であればフィルムの裂けや印刷精度への影響がでることはない。
テンター方式による二軸延伸法では、MDおよびTD方向への延伸倍率を任意に設定できるため、この加熱収縮率比がより1.0に近い等方的なフィルムの成形も可能である。しかし、インフレーション法において等方的なフィルムとするには、巻き取り速度に対して膨比を過大に大きくとる必要があるため、成形条件的に困難が大きく、また生産性の面からも好ましくない。
本発明のスチレン系樹脂フィルムは、二次加工時の艶戻りが少ないため、食品トレーなどに使用されている発泡ポリスチレンへのラミネートフィルムに使用することができるほか、高い透明性と写像性を生かして、封筒の窓用フィルム、包装用フィルムなどの用途に使用することができる。
[積層シートおよび成型品]
次に、本発明の積層シートおよび熱成型容器について説明する。
本発明の積層シートは、スチレン系樹脂のシート状成形物の少なくとも片面に、本発明のスチレン系樹脂フィルムを貼りあわせて得られる。
本発明において、積層方法としては、成形ダイスから押出された溶融またはビカット軟化温度以上の基材樹脂シートにフィルムを圧着させる押出しラミネート法、フィルムと基材樹脂シートを熱ロールで圧着する熱ラミネート法、接着剤をコーティングしたフィルムと基材樹脂シートを熱圧着ロールにより圧着するドライラミネート法、フィルムと基材樹脂シートとの間にスチレン系樹脂などを押出し、挟み込むようにロールで圧着するサンドラミ法など公知の方法を用いることができる。
本発明のスチレン系樹脂フィルムに、加飾用の意匠や色彩をフィルムの裏面に印刷した後に積層化を行うことで、意匠性の高い積層シートを得ることができる。本発明のスチレン系樹脂フィルムは透明性が高く、二次加工を行っても艶戻りがないため、本発明では、加飾用の印刷像が鮮明な積層シートを得ることができる。
本発明の成型品は、前記積層シートを加熱することによって軟化させ、任意の形状に二次加工することで得られる。
本発明において、成形方法としては、真空成形、圧空成形、プレス成形等の公知の成形方法が使用でき、自由な形状に成形することができる。成形品は、容器、特に食品用などに好適に使用することができる。
[実施例]
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、得られたスチレン系樹脂組成物、スチレン系樹脂フィルムおよび成形品は、以下のようにして物性等を測定し、評価した。
[スチレン系樹脂組成物中の軟質成分の含有量]
スチレン系樹脂組成物0.5gを秤量(重量:W1)し、該試料を室温(23℃程度)においてメチルエチルケトン/メタノール(10/1体積比)の混合溶媒50mlに溶解させた。次に、該溶解時の不溶分を遠心分離により単離し、該不溶分を乾燥してその重量(W2)を測定した。軟質成分の含有量は、以下の式によって求めた。
軟質成分の含有量(%)=(W2/W1)×100
[スチレン系樹脂組成物中の軟質分散粒子の平均粒子径]
濃度が約1質量% となるようにスチレン系樹脂組成物をメチルエチルケトンに溶解さ
せ、軟質分散粒子を含む試料溶液を調製した。この試料溶液にレーザー回折型粒度分布測定装置((株)島津製作所製、SALD2200)を用いてレーザー光を照射し、発生した回折光および散乱光の像を検出し、像のパターンと強度とにより粒子の大きさ、量を計算した。平均粒子径は、積算体積分布において50% の粒子径を用いた。
[スチレン系樹脂組成物中のマトリックスの数平均分子量(Mn)およびZ平均分子量(Mz)]
スチレン系樹脂組成物において、分散相以外の高分子の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって評価した。スチレン系樹脂組成物を濃度0.2質量%になるようにテトラヒドロフランに溶解させ、遠心分離機を用いて溶解時の不溶分を遠心分離して、上澄み液を試料溶液として使用した。RI検出器(示差屈折検出器)を装着した東ソー(株)社製GPC8220を用い、カラムとして東ソー(株)社製Tsk−gel G6000HXLおよびG4000HXLの2本(いずれも長さ30cm)
を用い、測定温度40℃、試料溶液の注入量0.1ml、流速1ml/分の条件にて、分子量の測定を実施した。得られたクロマトグラフのピークの立ち上がり時間と分子量2000に相当する時間との間に直線を引き、標準ポリスチレンを用いて作成した標準較正曲線を用いて、クロマトグラフとの間に囲まれた部分の数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)および重量平均分子量(Mw)を計算した。
[平均厚み]
東洋精機製デジタル厚み計を用いて、MDおよびTD方向にそれぞれn=3でフィルムの厚みを測定し、その平均値を求めた。
[フィルムの像鮮明度]
JIS K7105による反射法に準拠して、フィルムを反射する光を、移動する光学櫛を通して受光波形を測定し、その最高波高、最低波高の値を用いて下式により算出した。ただし、測定角度はJIS K7105では45度と規定されているが、本発明においては60度で評価をおこなった。また、光学櫛幅(α)は、2.0mmで行った。
C(α)=((M−m)/(M+m))×100(%)
C:像鮮明度、α:光学櫛幅、M:最高波高、m:最低波高
[フィルムのヘイズ]
フィルムのヘイズ(全ヘイズ)は、JIS K7105に準拠して測定した。
また、内部ヘイズ(H1)は、予めガラス板2枚の間に流動パラフィン(クリストールJ352(商標))のみを挟んでヘイズ(H2)を測定しておき、次に流動パラフィンで表面を塗らしたフィルムを挟んでヘイズ(H3)を測定し、これらの差をとることで得た。
内部ヘイズ:(H1)=(H3)−(H2)
また、外部ヘイズは、全ヘイズから内部ヘイズを引いた値として求めた。
[フィルムの加熱収縮率]
直径Aの円状に切り出したフィルムを、2枚の板状の金網に挟み、120℃のシリコーンオイル中に3分間浸漬させた後に、得られたフィルムの巻き取り方向(MD)と、フィルム面内で巻き取り方向と垂直な方向(TD)との楕円の径を、それぞれ測定した。それらの値を、それぞれB1、B2として、MDおよびTDの加熱収縮率を以下の式により求めた。
MDの加熱収縮率(%)=100×(A−B1)/A
TDの加熱収縮率(%)=100×(A−B2)/A
[フィルム外観の目視評価]
フィルムの外観を目視で評価した。フィルムの評点は、下記の判定基準にて三段階評価とした。なお、写像性は、フィルム表面に蛍光灯など光源からの光をあて、写りこんだ光源の反射像について、その鮮明さを目視で観察して評価を行った。
透明性 ○:目視で透明。
△:若干の濁りがある。
×:半透明である。
写像性 ○:反射像の輪郭が明確に視認できる。
△:反射像がぼやける。
×:反射像が正しく視認できない。
[積層シートの目視評価]
積層シートの外観を目視で評価した。評点は、下記の判定基準にて三段階評価とした。なお、積層シートに使用しているフィルムの透明性は、使用したフィルムのコンタクト・クリア性の評価で代替した。すなわち、フィルムを印刷物の上に重ね、フィルムを通して見た印刷像の鮮明さとフィルムの透明感から評価を行った。また、光沢感は、積層シートのフィルム面に蛍光灯など光源からの光をあて、フィルム表面に写りこんだ光源の反射像の明るさと鮮明さから評価を行った。
透明性 ○:透過した印刷像が明確に視認でき、表面フィルムにクリア感がある。
△:透過した印刷像が明確に視認できるが、表面フィルムに濁りが感じられる。
×:表面フィルムを通した透過した印刷像が、白く濁っている。
光沢感 ○:フィルム面に光沢感があり、光源の反射像が視認できる。
△:フィルム面に光沢感が感じられるが、光源の反射像に乱れがある。
×:フィルム面に光沢感がない、または光源の反射像が正しく視認できない。
[サンプルの調製]
(HIPS−1の調製)
ゴム状重合体としてスチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム(SV値:35cps)9質量%を、スチレン72質量%、エチルベンゼン19質量%に溶解した原料混合液100重量部に対して、シリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル、比重0.97g/cm3)500重量ppmを添加して溶解し、原料液を調製した。
この原料液を、10L/hrの供給速度で、内容積20Lの完全混合型反応器(150回転/分)である第1の反応器に連続的に供給し、142℃で重合した。引き続き、内容積13Lの攪拌機付きプラグフロー型反応器である第2、第3の反応器に、重合液を連続的に装入し、重合した。第2の反応器出口の重合温度、第3の反応器出口の重合温度は、それぞれ123℃、130℃となるように調節した。次いで、内容積13Lのプラグフロー型反応器である第4の反応器に重合液を連続的に装入し、出口重合温度が141℃となるように調節して、スチレンの重合転化率が70質量%になるまで重合を進行させた。
この重合液を240℃、0.5kPaの減圧下で揮発性成分を除去した後に、樹脂100重量部に対して流動パラフィン(40℃での粘度=70cSt)2.0重量部を添加し
、これをペレット化した。
得られたゴム変性スチレン系樹脂(HIPS−1)の分析結果を表1に示す。
(HIPS−2の調製)
ゴム状重合体としてローシスポリブタジエンゴム(SV値:170cps、1,4−シス結合含量:35質量%)4質量%を、スチレン84質量%、エチルベンゼン12質量%に溶解した原料液を調製した。
この原料液を、10L/hrの供給速度で、内容積20Lの完全混合型反応器(150回転/分)である第1の反応器に連続的に供給し、132℃で重合した。引き続き、内容積13Lの攪拌機付きプラグフロー型反応器である第2、第3の反応器に重合液を連続的に装入し、重合した。第2の反応器出口の重合温度、第3の反応器出口の重合温度は、それぞれ133℃、134℃となるように調節した。次いで、内容積13Lのプラグフロー型反応器である第4の反応器に重合液を連続的に装入し、出口重合温度が143℃となるように調節して、スチレンの重合転化率が70質量%になるまで重合を進行させた。
この重合液を240℃、0.5kPaの減圧下で揮発性成分を除去した後に、樹脂100重量部に対して流動パラフィン(40℃での粘度=70cSt)2.0重量部を添加し、これをペレット化した。
得られたゴム変性スチレン系樹脂(HIPS−2)の分析結果を表1に示す。
(GPPS−1の調製)
20Lの連続バルク反応器に、スチレンモノマー96質量%、エチルベンゼン4質量%、及び二個のビニル基を含有する化合物であるp−ジビニルベンゼンを280重量ppmの組成に調製した溶液を5.0L/hrで連続的に注入し、147℃にて重合転化率が65%になるまで重合した。その重合混合物を240℃の真空脱気槽を通して未反応モノマーを回収し、押出し造粒機でペレット化し、GPPS(A)を得た。
次に20Lの連続バルク反応器に、スチレンモノマーを2.7L/hrで連続的に注入し、114℃で重合転化率が38%になるまで重合した。その重合混合物を240℃の真空脱気槽を通して未反応モノマーを回収し、押出し造粒機でペレット化し、GPPS(B)を得た。
GPPS(A)とGPPS(B)を25質量部:75質量部の割合でドライブレンドし、スチレン系樹脂(GPPS−1)を得た。
得られたスチレン系樹脂(GPPS−1)の分析結果を表1に示す。
(GPPS−2の調製)
20Lの連続バルク反応器に、スチレンモノマー90質量%、エチルベンゼン10質量%の組成に調製した溶液を4L/hrで連続的に注入し、143℃にて重合転化が60%になるまで重合した。その重合混合物を240℃の真空脱気槽を通して未反応モノマーを回収し、押出し造粒機でペレット化した。
得られたスチレン系樹脂(GPPS−2)の分析結果を表1に示す。
Figure 2010031142
[スチレン系樹脂フィルムの製造]
(実施例1〜3、比較例1〜6)
調製したHIPS、GPPS、およびスチレン系エラストマー(スチレンーブタジエンブロック共重合体、JSR(株)社製、商品名TR2000)を、表2で示す比率でブレンドし、(株)プラコー社製40mmφインフレーション加工機を用いて、樹脂温度20
0℃、ダイス温度180℃にてフィルム幅23cm、厚さ20μmのインフレーションフィルムを作成した。
なお、比較例1のフィルムについては、巻き取り後に割れが確認された。また、比較例6のフィルムについて、MD/TD比を、本発明の範囲より大きくなるように成形条件を調整したところ、フィルムの異方性が大きく、フィルムスリットで切れが発生したため、製膜することができなかった。
[フィルムの評価]
上記のようにして得たフィルムについて平均厚み、加熱収縮率、像鮮明度、ヘイズおよび外観の評価を行った。また、同じフィルムを、熱による融着を防ぐ目的で伸ばして枠に貼り付け、250℃のギアオーブン中で15秒間の熱処理を行い、熱処理後のヘイズ、および外観の評価を行った。これらの結果を表2に示す。
比較例2〜5のフィルムは、加熱処理によりヘイズや外観が低下したのに対し、実施例で得られたフィルムは、いずれも大きな変化は見られなかった。
Figure 2010031142
[積層シートの製造]
基材層として、65mmφTダイ押出機を用いて、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(日本ポリスチレン(株)社製、日本ポリスチH640N)を溶融押出し、厚み500μmのシートを製造した。一方、40mmφインフレーション製膜機を用いて、実施例および比較例のスチレン系樹脂組成物を溶融押出し、厚み25μmのフィルムを製造した。そして、この厚み25μmのフィルムを上記の基材層に熱ラミネーション法により積層して積層シートを製造した。
[積層シートの評価]
上記のようにして得た積層シートについて、二次加工を想定した加熱処理(250℃、15秒間)を行い、シート表面の光沢感と透明性を目視で評価した。結果を表3に示す。
比較例のシートは、加熱処理によって光沢感が低下したのに対し、実施例で得られたシートは、加熱前後でいずれも光沢感、透明感ともに大きな変化はみられず、艶戻りを抑制できていることがわかった。
Figure 2010031142

Claims (8)

  1. ゴム状重合体にスチレン系単量体をグラフト重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂を含有し、かつ、
    フィルムの分散相を形成する軟質成分の含量が0.1〜10質量%であり、分散相の平均粒子径が0.1〜1.0μmであるスチレン系樹脂組成物を成形して得られるスチレン系樹脂フィルムであって、
    JIS K7105による反射法(光学櫛幅2.0mm、測定角度60度)に準拠して測定した、フィルムの像鮮明度が35%以上であり、JIS K7105に準拠して測定した、フィルムの内部ヘイズが1.0%以下および外部ヘイズが3.0%以下であり、かつ、フィルムを250℃、15秒で熱処理したとき、熱処理の前後における内部ヘイズと外部ヘイズの変化量が、それぞれ0.5%以下である
    ことを特徴とするスチレン系樹脂フィルム。
  2. 120℃のシリコーンオイルバスに3分間浸漬した後に測定した、フィルム巻き取り方向(MD)の加熱収縮率が30〜90%であり、かつ、
    巻き取り方向(MD)と、フィルム面内で巻き取り方向と垂直な方向(TD)との比(MD/TD)が1.2〜4.0である
    ことを特徴とする請求項1に記載のスチレン系樹脂フィルム。
  3. 前記スチレン系樹脂組成物において、分散相以外の高分子のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したZ平均分子量と数平均分子量との比(Mz/Mn)が、3.5〜5.0であることを特徴とする請求項1または2に記載のスチレン系樹脂フィルム。
  4. インフレーション法によって得られることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂フィルム。
  5. スチレン系樹脂のシート状成形物の少なくとも片面に請求項1〜4のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂フィルムを貼りあわせて得られる積層シート。
  6. 請求項5に記載の積層シートを加熱して、二次加工することにより得られる成形品。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂フィルムを含む封筒窓。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂フィルムを含む包装材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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