JP2824787B2 - スチレン系樹脂二軸延伸積層シート - Google Patents

スチレン系樹脂二軸延伸積層シート

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば真空成形や圧空成形等により、食品
包装用軽量容器やその他の物品の包装容器に成形して用
いるのに適したスチレン系樹脂二軸延伸積層シートに関
する。更に詳しくは、スチレン系樹脂二軸延伸シートの
成形性、剛性、透明性の改良に関する。
[従来の技術] 一般に、スチレン系樹脂二軸延伸シートは、透明性、
光沢、剛性等に優れていることから、食品包装用軽量容
器等の成形材料として広く用いられている。また、この
スチレン系樹脂二軸延伸シートをこれらの容器へ成形す
るには、通常、当該シートを熱板に接触させて加熱し、
圧空や真空状態によって賦形する熱板圧空・真空成形が
用いられている。
ところで、上記熱板圧空・真空成形において、スチレ
ン系樹脂二軸延伸シートが空気を抱き込んで熱板面に粘
着しやすく、これによっていわゆるレインドロップ(成
形品表面の凹凸)といわれる不良現象が発生する。
従来、上記レインドロップの発生防止のため、成形機
の熱板を粗面とする方法や、ポリスチレンに、ジエン系
ゴム成分を含む耐衝撃性ポリスチレンをブレンドし、シ
ート表面を粗面とする方法(例えば特開昭57−193321
号)や、同様に無機質をブレンドしてシート表面を粗面
とする方法(例えば特開昭58−98222号)により、熱板
とシートとの接触面に存在する空気を逃散させる方法が
提案されている。
しかしながら、これら方法では、添加するゴム成分や
無機質が少量であると、十分にレインドロップ発現を防
止できない。また、レインドロップ発現を十分防止でき
るほどこれらを添加した場合は、シート及び成形品の透
明性が悪化し、商品価値をそこなう欠点がある。更にこ
れら方法では、シート成形品の深絞り性や、型再現性を
改善することはできない。
一方、従来、型再現性を改良するために、表層をオレ
フィン系樹脂またはこれらの混合物、内層をスチレン系
樹脂とした積層シートとすること(例えば特開昭55−14
4158号、特開昭57−6766号)が知られている。
しかしながら、このような積層シートでは、内,表層
が異種樹脂であるため、シートのスクラップを有効に回
収することができず、又、表層に剛性のないオレフィン
系樹脂を積層するために剛性が低下する欠点がある。
このように、現在の技術では、透明性を保持し、レイ
ンドロップ発現を防止し、かつ、真空成形、圧空成形な
どにおける型再現性が良好で深絞り成形可能な剛性の高
いシートは得難いのが現状ではある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、このような事情のもとで、スチレン系樹脂
二軸延伸シートの特徴である透明性を保持するととも
に、レインドロップが発生し難くかつ真空成形、圧空成
形などにおける成形温度範囲が広く、深絞り成形可能な
剛性の高いスチレン系樹脂二軸延伸積層シートを提供す
ることを目的としてなされたものである。
[課題を解決するための手段及び作用] 上記目的を達成させる上で、本発明者らは、重量平均
分子量が30万〜60万のスチレン系樹脂を主成分とする樹
脂(A)の両表層と、重量平均分子量が15万〜40万のス
チレン系樹脂を主成分とする樹脂(B)の少なくとも一
層の内層とからなる三層以上の二軸延伸された積層シー
トであって、上記表層と内層を構成する樹脂(A),
(B)の重量平均分子量の比(A/B)は、(A/B)≧1.1
の関係にあり、該積層シートの全層厚みに占める両表層
の合計厚みの割合は5〜70%であることを特徴とするス
チレン系樹脂二軸延伸積層シートを採用している。
以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シートにおい
て、目的とする深絞り成形可能な高い剛性のシートを得
るには、表層を構成する樹脂(A)の重量平均分子量
と、内層のうち少なくとも一層を構成する樹脂(B)と
の重量平均分子量の比(A/B)が(A/B)≧1.1以上であ
ることが重要である。該重量平均分子量比が1.1未満で
は、深絞り性と剛性とがバランスされたシートを得るこ
とが困難である。また、この効果をさらに向上させるに
は(A/B)が1.2以上、より好ましくは1.3以上にするこ
とが望ましい。
上記表層を形成する樹脂(A)としては、分子量が30
万〜60万の範囲にあるスチレン系樹脂が主として用いら
れる。この重量平均分子量が30万未満のものでは、真空
成形、圧空成形等従来の方法で成形した際に、シートが
成形機熱板に粘着しやすく、いわゆるレインドロップと
いわれる成形品の表面が凹凸になるという好ましくない
事態を招来する傾向があるため、成形可能温度の上限が
低くなる欠点がある。さらに成形時の再配向による弾性
率の向上が少ないという欠点も生じる。逆に該値が60万
を超えると上記欠点(レインドロップ)のない成形可能
温度の上限値は高くなるものの、型再現性に影響する成
形可能な温度の下限値も上昇するため、良い製品を得る
ための成形温度条件範囲がさほど広がらないばかりか、
高温域での成形が必要となって、成形性、成形サイク
ル、強度の向上などの点で好ましくない。
また、成形温度条件範囲を広げる観点から、表層には
重量平均分子量が35〜50万の範囲にあるスチレン系重合
体を採用することがより望ましい。
上記内層を形成する樹脂(B)としては、重量平均分
子量が15万〜40万の範囲にあるスチレン系樹脂が主成分
として用いられる。この重量平均分子量が15万未満の樹
脂を採用したシートは、シート成形品の圧縮強度が弱
く、剛性に劣るようになり、好ましくない。また、その
場合、ゴム成分含有の重合体及び共重合体をある程度混
合しても良いが、樹脂の特質が変る程多量に用いるのは
好ましくない。また、40万を超えると積層構造にするメ
リット、つまり型再現性、深絞り性の改良効果が現われ
ず好ましくない。
また、剛性の向上と型再現性を高度にバランスさせる
ためには、重量平均分子量が20万〜30万の範囲の樹脂を
採用することが望ましい。
本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シートにおい
て、内層に用いるスチレン系樹脂のメルトフローレート
(JIS K−7210に準拠し、200℃,5kgfで測定)は、1.0g/
10分以上、好ましくは1.5g/10分以上、より好ましくは
2.0g/10分以上20g/10分以下であることが望ましい。こ
のメルトフローレートの値の大きい樹脂を使うほど成形
性(型再現性)は向上するが、あまり高すぎると強度等
に問題を有するようになるが、本発明では、その選択範
囲を広くすることが出来る。
本発明でいう内層及び表層を形成するスチレン系樹脂
とは、一般用ポリスチレン、スチレン単位70重量%以上
を含有するスチレンと共重合可能な単量体との共重合体
等から選ばれ、これらは1種のみを用いてもよいし、2
種以上を組み合せて用いても良い。
上記スチレンと共重合可能な単量体としては、例え
ば、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン、ア
クリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエ
ステル類、無水マレイン酸、マレイミドなどが挙げられ
る。これらの共重合可能な単量体は、1種のみを用いて
もよいし、2種以上を組合せて用いても良い。重合の仕
方はランダム、ブロック共重合等を含むものとする。
内層及び表層には、その他の重合体として、耐衝撃性
ポリスチレン、スチレン−共役ジエンブロック共重合
体、該ブロック共重合体の水素添加物、その他の重合体
等より選ばれるスチレン系共重合体等を30重量%以下、
好ましくは20重量%以下の範囲内にて混合出来得る。こ
れら上記の重合体の混合量が30重量%を超えると、特に
延伸後のシート表面が粗面化し、透明性が著しく悪化す
るため好ましくない。
表層樹脂には、必要に応じてその他の添加剤として、
例えば、離型剤、熱安定剤、スリップ剤、帯電防止剤、
紫外線吸収剤、無機フィラー、その他慣用の添加剤が含
まれてもよい。また、所望に応じ、内層樹脂に、例え
ば、回収ポリマー、その他のポリマー、オリゴマー、可
塑剤、安定剤その他慣用の添加剤を加えても良い。これ
ら内層への添加剤は、単層の場合よりはるかに広い混合
比率範囲で添加することができ、このような場合でも、
成膜性の悪化、透明性の悪化や二次成形における悪影響
の少ないのが特徴である。
両表層の合計厚みは、シート全体厚みの5〜70%の範
囲で選ばれる。この厚みが5%未満では、耐レインドロ
ップ性の改良効果が少ない。また70%を超えると、型再
現性に影響する温度下限が上昇するため、高温域での成
形が必要となり、結果として成形性、成形サイクル、強
度の向上などの点で好ましくない。
さらに、耐レインドロップ性の改良効果を保ち、成形
温度下限を低く押えるには、両表層の合計厚みをシート
全体厚みの5〜50%、より好ましくは、10〜40%にする
ことが望ましい。
本発明において、重量平均分子量の測定は、一般に行
なわれている方法、例えばGPCによる分析、光散乱法等
で行なわれるが、これらに限定されない。しかし、内層
及び表層樹脂の分子量比を求めるには、内層に表層の樹
脂を同一の方法で測定することが必要であり、好ましく
は、GPCによる分析がよい。
本発明において、表層および/または内層に2種以上
の樹脂を混合して用いる場合、および/または、オリゴ
マー、離型剤、安定剤、可塑剤、その他の薬剤などの添
加剤を加える場合、ドライブレンドして用いてもよい
し、さらに押出機、バンバリミキサー、コニーダーなど
で予備混練したのちペレットとして用いてもよい。
本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シートの製造方
法についてはとくに制限はなく、従来二軸延伸積層シー
トの製造において慣用されている方法、例えば共押出し
によって積層シートを作成し、これを逐次又は同時に二
軸延伸する方法や、シートを溶融押出しして、高温状態
にあるうちに、他のシートと貼り合わせて積層シートを
作成し、これを同様に二軸延伸する方法または、延伸シ
ート同志を公知の方法でラミネートする方法などを採用
することができる。
本発明の層構造は、本発明で言う、前述のより高分子
量のスチレン系樹脂を主成分とする樹脂の層を少なくと
も表裏両表層に配することが重要であり、内層として
は、表層より分子量の低い前述のスチレン系樹脂を主成
分とする樹脂の層を少なくとも1層配するものである
が、本発明の特性に影響のない範囲内で、異なる樹脂と
のブレンド組成物よりなる層、他種樹脂よりなる層およ
び/または接着性成分よりなる層又は表層に利用した種
類の樹脂等から選ばれる少なくとも1層を追加のその他
の内層として、更に加えても良い。この場合の全内層に
しめる追加のその他の内層の比率は50%以下、好ましく
は30%以下である。
二軸延伸する方法については、一般に知られているテ
ンタ方式やインフレーション方式などにより延伸し、延
伸倍率は少なくとも一方向において2〜8倍、好ましく
は2.5〜6倍にするのがよい。延伸温度は、通常100〜16
0℃、好ましくは115〜150℃の範囲で選ばれる。その場
合、表層が内層よりもより配向がセットされる条件下で
あることが好ましく、その特徴は二次成形により更に配
向を増加させうるものである。また、延伸シートの原反
段階では内層と表層とが同程度の配向でも、二次成形時
に表層がより高配向になる傾向がある。
本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シートは、全体
の厚みが、0.01〜1.0mm、特に0.02〜0.5mmの範囲にある
ことが好ましい。また、ASTM D−1504に準じて測定した
加熱収縮応力(温度160℃の条件下でのピーク応力値)
が、通常3〜18kg/cm2、好ましくは4〜13kg/cm2の範囲
にあるものが好適である。該加熱収縮応力が3kg/cm2
満では配向レベルが低すぎて成形品の打抜き時に割れが
生じやすくなり、18kg/cm2を超えると一般の成形機では
型再現性の良い成形品が得にくく、過剰配向による成形
時の割れが多くなる原因となりやすい。
本発明の積層シートの成形時の加熱温度は、表層の高
分子量側の樹脂単層では好ましい成形が出来かねる低温
条件で可能である。また、深絞り成形が可能であり、剛
性向上にも特に効果がある。特に両表層に剛性付与に有
利な層を配置してあることは、これを内層に設ける場合
に比して特に剛性付与に有利となり、従来にない肉薄化
を図ることもできる。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
なお、各特性は次の方法に従って評価した。
(1)耐レインドロップ性 テストを、接触加熱式圧空成形機を用い、熱板温度を
140℃、加熱時間3秒、成形時間2秒、成形加圧圧力3kg
/cm2の条件で幅150mm、奥行90mm、深さ25mmのフード付
透明箱形容器に成形した。50ショット分の成形品につい
て、レインドロップの発生状態を検査し、以下の基準で
評定した。
(2)型再現性 テストシートを、接触加熱式圧空成形機を用い、熱板
温度を125℃、加熱時間2秒、成形時間1.5秒、成形加圧
圧力3kg/cm2の条件で、開口径90mm、深さ20mmの円柱容
器に成形した。20ショット分の成形品について、壁面と
底面とのコーナー部の半径を測定し、以下の基準で評定
した。
(3)深絞り性及び成形品の偏肉 テストシートを、接触加熱式圧空成形機を用い、開口
径90mm、深さ36〜63mm(絞り比0.4〜0.70)の透明円柱
成形体に成形し(熱板温度145℃、加熱時間4秒、成形
時間2秒、成形加圧圧力4kg/cm2)、20ショット分の成
形品を検品して、型再現性、白化、シートの破れから深
絞り性を評価し、その現象結果を記載する。
また、前記成形品の厚み分布を、マイクロゲージ(最
小目盛0.001mm)で測定し、成形品の最低厚み/元シー
トの厚み比より、成形品の偏肉を評価した。
(4)成形可能温度範囲 テストシートを接触加熱式圧空成形機を用い、熱板温
度115〜150℃、加熱時間1.5秒、成形時間1.5秒、加熱圧
力1kg/cm2、成形加圧圧力2kg/cm2の条件で、開口径90m
m、深さ20mmの透明円柱成形体に成形した。20ショット
分の成形品を検品し、前述のレインドロップ(フラット
部の厚みムラ)が5%以上発生しはじめた温度(○→△
の温度)をA℃、前述の成形品の型決まり不良の下限
(○→△になる温度)になる温度をB℃とし、[A−
B]℃より、成形可能温度範囲を求め、次の記号に従っ
て評定した。
(5)剛性 テストシートを、接触加熱式圧空成形機を用い、開口
部の径90mm、底面部径80mm、深さ30mmの透明プリンカッ
プ型成形体に壁面と底面とのコーナー半径が4mmになる
熱板温度で成形し(加熱時間3秒、成形時間1.5秒、成
形加圧圧力2kg/cm2)、得られた成形体の底面部全面を2
3℃、65%RH下で300mm/minの速度で圧縮して、成形体が
5mm圧縮された際の力を測定した(n=5の平均値、単
位kg)。
この剛性はシート成形品の腰強さの代用特性であり、
圧縮強度の強いものほど剛性に優れている。
(6)透明性 ASTM−D−1003に準拠してヘイズ値を測定し(n=5
の平均)、次の記号に従って評定した。
また、樹脂としては第1表に示すものを用いた。
1)GPC分析により測定 2)JIS K−7210に準拠して200℃、5kgfで測定 3)一般用ポリスチレン 4)耐衝撃性ポリスチレン 実施例1 65mm径、40mm径のスクリューを有する共押出機に3層
T−ダイを取付け、40mm径の押出機に第2表の実施例1
に示す表層樹脂を供給し、65mm径の押出機に第2表の実
施例1に示す内層樹脂を供給して各々溶融押出し、125
℃に各熱されたロール群の速度差により、縦に2.5倍に
延伸し、その後、テンターで横延伸(138℃、4.0倍)を
行ない、層構成10/80/10(各層の厚み比)、シート厚み
0.3mmの積層シートを得た。これらのシートの深絞り
性、成形品の偏肉、剛性を評価した。結果を第2表に示
す(実験番号1〜3)。
比較例1 第2表の比較例1に示す樹脂を用い、層構成10/80/10
(各層の厚み比)、シート厚み0.3mmの積層シートを実
施例1と同様に作成し、これらのシートの深絞り性、成
形品の偏肉、剛性を評価した。結果を第2表に示す(実
験番号4〜5)。
第2表より、本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シ
ートは、偏肉が少なく、深絞り性に優れ、かつ、剛性の
高い成形品を与えることが明らかである。
一方比較例では、深絞り成形性と剛性とをバランスさ
せることは困難である。
実施例2 65mm径、及び40mm径のスクリューを有する共押出機に
3層T−ダイを取付け、表層として40mm径の押出機に第
1表に示す樹脂を供給し、内層として65mm径の押出機
に第1表に示す樹脂を供給し、溶融押出し、125℃に
加熱されたロール群の速度差により、縦に2.7倍に延伸
し、その後、テンターで横延伸(135℃、4.0倍)を行な
い、第3表に示す実施例の構成の積層シート(シート厚
み0.18mm)を得た。これらのシートの耐レインドロップ
性、型再現性、剛性、透明性を評価した。結果を第3表
に示す(実験番号6〜9)。
比較例2 第2表の比較例2に示す層構成の厚み0.18mmの二軸延
伸積層シートを、実施例2と同様に作成し、得られたシ
ートの耐レインドロップ性、型再現性、剛性、透明性を
求めた。その結果を第3表に示す(実験番号10〜13)。
比較例3 50mm径押出機に単層T−ダイを取付け、第3表比較例
3に示した各樹脂を押出し、実施例2と同条件で延伸
し、第3表比較例3の単層シートを得た。これらのシー
トの耐レインドロップ性、型再現性、剛性、透明性を評
価した。結果を第3表に示す(実験番号14〜19)。
第3表より、本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シ
ートは、透明性、剛性、成形性のバランスのとれたシー
トであることが明らかである。
一方、比較例では成形性のよいシートを得るには、ポ
リスチレンのグレードを厳しく選定する必要があり、そ
れでも透明性、剛性、成形性のバランスのとれたものを
得ることは困難である。
実施例3、比較例4 第1表に示す各樹脂を用い、第4表に示す層構成の厚
み0.18mmの二軸延伸積層シートを、実施例1と同様に作
成した。この際、延伸条件をタテ延伸部130℃で3.0倍、
ヨコ延伸部138℃で4.5倍にして延伸した。この延伸した
シートの成形可能温度範囲及び剛性を評価した。その結
果を第4表に示す(実施例3:実験番号20〜24、比較例4:
実験番号25〜27)。
第4表より、本発明のスチレン系二軸延伸シートは成
形性、剛性に優れたシートであることがわかる。
[発明の効果] 本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シートは、以上
説明の通りのものであり、次の効果を奏するものであ
る。
(1)表層に重量平均分子量30万以上の比較的高分子量
のスチレン系樹脂を主体として使用し、かつ内層に表層
より流動性の良いスチレン系樹脂を主体として使用して
いるため、耐レインドロップ性、型再現性に優れてお
り、結果として、広い温度範囲での成形が可能であり、
また、さらに深絞り性に優れ、偏肉の少ない成形品が得
られる。
(2)表層に延伸時の相乗効果があり、かつ成形品とし
たときに剛性の出やすい高分子量スチレン系樹脂を配し
ているため、特に剛性に優れた成形品を得ることがで
き、肉薄化も可能である。
(3)表層に比較的高分子量ポリスチレン系樹脂を配し
ているため、内層に他樹脂とのブレンドまたは、オリゴ
マー可塑剤、安定剤等を加えても、成膜時の添加剤蒸発
による成膜不良またはシート表面物性への影響が少な
い。
(4)成形品の打ち抜き時に残るポリマーの屑を内層に
添加することができ、たがいに相溶性が良好でない場合
でも、表層まで影響しないため、シートの透明性の悪化
をもたらすことがなく、スクラップポリマーの有効回収
が可能である。
このように、本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シ
ートは、透明性、剛性、および成形性(耐レインドロッ
プ性、型再現性、深絞り性)に優れた特徴を有し、軽量
食品包装容器をはじめ、その他の物品の容器成形用シー
トとして、好適に用いることができ、工業的に利用価値
が極めて高いものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量が30万〜60万のスチレン系
    樹脂を主成分とする樹脂(A)の両表層と、重量平均分
    子量が15万〜40万のスチレン系樹脂を主成分とする樹脂
    (B)の少なくとも一層の内層とからなる三層以上の二
    軸延伸された積層シートであって、上記表層と内層を構
    成する樹脂(A),(B)の重量平均分子量の比(A/
    B)は、(A/B)≧1.1の関係にあり、該積層シートの全
    層厚みに占める両表層の合計厚みの割合は5〜70%であ
    ることを特徴とするスチレン系樹脂二延伸積層シート。
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