JP3000470B2 - 高成形性を有する延伸シート - Google Patents
高成形性を有する延伸シートInfo
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Description
2次成形され、軽量食品包装容器やその他物品の包装な
どに好適に用いられる、スチレン系重合体組成物よりな
る延伸シート、さらに詳しくは、剛性(弾性率)、光学
特性、加工特性(真空成形、圧空成形などの2次成形に
おける型決まり性、深絞り性、高速成形性)などに優
れ、偏肉の少ない2次成形品をあたえるスチレン系重合
体組成物延伸シートに関するものである。
スチレン(GPPS)を主原料とした延伸シートは、その透
明性、剛性(シートの腰強さ)に優れていることから主
として真空成形、圧空成形などの手段で2次成形され、
軽量包装用容器素材として食品包装用を始め種々の容器
として使用されている。しかし、これらの方法での延伸
シートの成形において成形可能な温度範囲は狭く、その
上、下限は、 下限…成形品の型決まりが不十分で不良が発生する温
度 上限…シートの1部が成形機熱板に粘着し空気を抱き
込みシート表面の加熱むらにより生じる、いわゆるレイ
ンドロップと言われる成形品フラット部の凹凸による不
良が発生する温度 により制限される。
囲を広げる方法として、例えば、接触加熱式圧空成形機
の熱板面を粗面化し、空気を飛散させる方法や、GPPSに
たいし、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)をドライブレン
ドしたOPSを用いる方法などが行なわれている。しかし
これら方法においては、レインドロップを十分防げない
ばかりか、前者の方法においては、熱板の粗さがシート
成形品に転写され透明性が悪化し商品価値を落とす、ま
た後者方法においては、HIPSが少量では耐レインドロッ
プ性にたいし、十分な効果はない。また効果が現れるほ
ど多量に入れた場合、HIPSによりシートの剛性、透明性
を落とす欠点がある。さらには、積層シートとし、表層
にHIPSとGPPSのブレンド層を配したポリスチレン系延伸
シートが例えば、特開昭57−193321号公報に提案されて
いる。また特開昭58−98222号公報には、GPPSにシリカ
などの無機質をブレンドした層を表層に配した積層シー
トが提案されている。しかしこれら方法においてもHIPS
や無機質により、シート表面を粗化することで熱板とシ
ートの間の空気を飛散させレインドロップを防ぐもので
あるため、透明性が悪化しシート、成形品の商品価値を
落としてしまう。
方法として例えば、特開昭49−18976号公報には、延伸
シートに無延伸ポリプロピレンシートを貼り合わせた複
合シートが、また、特開昭55−114458号公報には、スチ
レン系シートにポリオレフィン層を積層したのち、延伸
する複合延伸シートが記載されている。しかしこれら方
法においては、オレフィン系樹脂を表層に配しているた
め、透明性、剛性が劣る。さらに、異種樹脂を積層して
いるため、例えば成形品打ち抜き後のシート屑や、成膜
中のつかみ代を有効に回収できず経済的にも不利であ
る。
を損なわず、2次成形温度範囲を広げ、成形性を改良す
ることは困難なのが現状である。
安いため、成形スピードを速めることは、収益向上に大
きく寄与する。このため、2次成形加工メーカーでは成
形サイクルを0.5秒単位以下で管理しており、成形サイ
クルを短縮できる延伸シートの開発が待たれている。
ートの特徴である透明性、剛性などを保ちつつ、高速成
形性を付与したスチレン系重合体組成物延伸シートを提
供するものであり、特に、圧空成形、真空成形などによ
る2次成形品での型再現性、偏肉を改良した、今までに
ない深絞り性、高成形性延伸シートを提供することを目
的になされたものである。
とも1種の単量体:97〜20重量%と、 少なくとも1種の脂肪族不飽和カルボン酸またはその
誘導体よりなる単量体:3〜80重量%とからなり、ビカッ
ト軟化点が、105℃以下である少なくとも1種の共重合
体(A)よりなる、ASTM D−1504に準じて測定した加
熱収縮応力(ORS)が3.0〜13kg/cm2、且つ下式より求め
られるORS緩和率が0.75〜0.3である2軸方向に延伸配向
された2次成形用シート、または、該共重合体(A)
と、スチレンまたはスチレン系誘導体より選ばれる少な
くとも1種の単量体を主成分とするスチレン系重合体
(前記共重合体(A)に含まれる樹脂は除く)(B)と
からなる混合樹脂組成物よりなり、該重合体(A),
(B)の重量混合比が、0.05≦A/(A+B)≦0.97であ
る樹脂組成物よりなる、ASTM D−1504に準じて測定し
た加熱収縮応力(ORS)が3.0〜13kg/cm2、且つ下式より
求められるORS緩和率が0.75〜0.3である2軸方向に延伸
配向された2次成形用シートを採用した。
より40℃高温のシリコンオイル中に、シートを緊張下で
3秒間浸漬処理した後のORS ORS−1:処理前のシートのORS 以下、本発明を詳細に説明する。
チレンまたはスチレン系誘導体(以下、スチレン系成
分という)とは、例えばスチレン、α−アルキル置換ス
チレン例えば、α−メチルスチレン等、核アルキル置換
スチレン、核ハロゲン置換スチレンなどから目的に応じ
て少なくとも1種選べば良い。共重合体(A)中の該ス
チレン系成分よりなる成分の含有量は、97〜20重量%
にする必要がある。該スチレン系成分が、20重量%未
満では、スチレン系成分の特性である剛性が弱くなり
好ましくない。更に、樹脂組成物の流動性を高め、溶融
押出時の成形加工性を良くし、またスチレン系重合体
(B)を混合する場合は該重合体との相溶性を高める観
点からは、該スチレン系成分を97〜40重量%にするこ
とが好ましく、より好ましくは、95〜50重量%、更に好
ましくは95〜60重量%にすることである。また、該スチ
レン系成分が、この上限をこえた場合、該脂肪族不飽
和カルボン酸またはその誘導体(以下、カルボン酸系
成分という)としての効果(例えば、耐溶媒性、耐候
性、さらに第3成分を添加した場合の第3成分との混合
性や反応性などの改良等)が低くなり、好ましくない。
酸系成分とは、例えばアクリル酸またはそのエステル
類、メタクリル酸またはそのエステル類、フマル酸、マ
レイン酸またはその酸無水物、イタコン酸等のα,β−
不飽和ジカルボン酸等またはそのモノまたはジエステル
類などから目的に応じて少なくとも1種選べば良い。こ
れらの内、好ましいものは、上記のエステル類を主体と
したものであり、これらのアルコール成分が、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル…等
の炭素数がC2〜C12の直鎖状または、側鎖を有するアル
コールよりなり好ましくはC2〜C8の同様のアルコールよ
りなるエステルである。また、該エステルをなす酸成分
としては、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸系のも
のであり、より好ましくは前者である。
成分との共重合体である。これらは少なくとも1種の
互いの単量体からなる共重合体であり、必要により少な
くとも2種のスチレン系成分とカルボン酸系成分と
の共重合体でも良い。
ク性、成形性、混合性等を改良する観点から、共重合体
(A)中のカルボン酸系成分を、上記カルボン酸エス
テルと、該カルボン酸との2種の混合体、その内でも、
該カルボン酸基の少なくとも1部がメタルイオン(Na+,
Li+,K+,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Mg2+,Zn2+,Fe2+,Fe3+,…等)で
イオン結合した構造の共重合体にしても良い。その場合
イオン結合を有する単量体相当単位の比率は、共重合体
中で、10〜0.0005モル%、好ましくは、5〜0.001モル
%、より好ましくは、3〜0.05モル%である。そのイオ
ン結合導入の方法は、例えば重合前に塩の型で、または
重合後に中和の型で、または重合後のカルボン酸エステ
ルをケン化した後導入するなどの公知の方法で行なえば
良く、これらに限定されないものとする。また、その場
合イオン結合を有する単量体相当単位の比率が、上記上
限を越えると溶融時の流れ、特に加工性、混合性が悪化
し好ましくない。
も良いし、2種以上混合しても良いが、1種の場合は、
単独で、2種以上混合した場合は混合状態で、ASTM D
−1525に準じて測定したビカット軟化点(以下VSPと略
す:加重1kg,昇温速度2℃/分)が、105℃以下、好ま
しくは100℃以下、より好ましくは95℃以下であるもの
を選定するのが好ましい。またその下限は特に定めない
が、スチレン系重合体(B)と混合する場合は、一般に
は25℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃
以上程度のものが良い。VSPの上限は、本発明の効果の
1つである延伸シートの2次成形性(延伸シートを圧空
成形法、真空成形法などにより容器に成形した際の成形
温度範囲、成形容器の偏肉、高速成形性、深絞り性など
を表わす)が悪化する領域である。また更にスチレン系
重合体(B)と混合した場合、共重合体(A)成分によ
る2次成形性改良効果が現れにくくなる領域である。ま
た好ましい下限は一般に、共重合体の取り扱いに支障の
きたす点、特に多量に使用した時にベトツキ等が発生す
る領域であり、これら対策をほどこした場合はこの限り
でない。また、該共重合体を単独または2種以上を混合
した樹脂のみでシートを成膜する場合、シートを構成す
る樹脂のVSPの下限は、好ましくは50℃以上、より好ま
しくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上であることが
望ましい。この好ましい下限は、シートの耐熱性を維持
する上で望ましい温度である。
の耐熱性を重要視する用途にはVSPが90℃より高温のも
のを使用するのが好ましい。また、耐熱性をあまり必要
とせず深絞り性を重要視する用途(例えば野菜などの包
装容器)にはVSPが90℃以下の樹脂が好ましい。
て、該共重合体(A)の濃度10重量%のトルエン溶液の
25℃における溶液粘度(キヤノン・フェンス粘度管No.2
00で測定)で好ましくは5〜100cps、より好ましくは10
〜80cps、更に好ましくは15〜60cpsである(5、10、5
0、100cpsはそれぞれ重量平均分子量で約7.6万、15万、
41万、56万とする)。これらの上限は加工性、混合性よ
り制限される。また下限は共重合体(A)自身の強度、
加工性、分散性などより制限される。
る、溶媒を一部用いたマス重合によりランダム重合する
のが一般的であるが、これらに限定されるものではな
い。また、第3成分としての公知のゴム類を重合前、後
に添加することによりグラフト化または均一化、マトリ
ックス取り込み化等の処方を取り入れることによるハイ
インパクト処方を加えると、より好ましい場合もあり共
重合体(A)は、これらも包括した共重合体またはその
組成物とする。
でも、従来の延伸シートに比べその2次成形性は改良さ
れ、また、剛性、透明性も良好なものである。該共重合
体(A)の延伸シートへの成膜方法は、公知の方法で行
なえば良く特に制限はない(一例を後述する)。
レン系重合体(B)とは、例えばスチレン、α−メチル
スチレン等のα−アルキル置換スチレン、核アルキル置
換スチレン、核ハロゲン置換スチレン等より選ばれる少
なくとも1種のスチレン系単量体よりなる重合体、該ス
チレン系単量体のうちの少なくとも1種を50重量%以
上、好ましくは70重量%以上含むこれら単量体と共重合
可能な単量体との共重合体、少量のゴム成分を含む耐衝
撃性ポリスチレンである。これら重合体は目的に応じて
1種用いても良いし2種以上を組み合わせても良い。
は、例えばアクリル酸または、そのエステル類、メタク
リル酸または、そのエステル類、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸また
は、そのモノエステル、ジエステル類、アクリロニトリ
ル、無水マレイン酸、マレイミドなどがあげられる。こ
れら単量体は、1種用いても良いし、2種以上を組み合
わせてもよいが、前述の共重合体(A)に含まれる樹脂
は除く。
いのは、スチレン単量体よりなる汎用ポリスチレンであ
る。また、シートの耐油性、耐候性などを向上させるに
は、例えばメチルメタクリレート、メタクリル酸、アク
リロニトリル、無水マレイン酸などから選ばれる少なく
とも1種の単量体を含む上記スチレン系共重合体(B)
が有効な場合もある。
使用する場合、その重量平均分子量(GPC測定法により
測定)は10万〜60万、好ましくは15万〜50万、より好ま
しくは20〜40万の範囲のものである。重量平均分子量の
上限は、2次成形性の悪化や、共重合体(A)との混合
性が悪化する領域である。また下限未満では、シートの
強度が低下し、更に、例えば接触加熱式圧空成形機法な
どにより2次成形を行なった場合、比較的低い温度でレ
インドロップと言われる成形品フラット部の凹凸による
不良が発生しやすくなる領域である。
合されることによって始めて本発明の高成形性を有する
延伸シートの効果である2次成形性の改良が可能とな
る。特に該スチレン系重合体(B)のVSPが、使用する
共重合体(A)のVSPより高い場合、該スチレン系共重
合体と(A)成分との相乗効果により、成形温度範囲が
拡がり2次成形性の大きな改良が可能となり好ましい
が、この場合の該スチレン系樹脂(B)と(A)成分と
の混合樹脂組成物のVSPは50〜120℃である。この下限
未、混合性が悪化する領域である。特に(A)成分との
混合性をより高める観点からは、MFRを好ましくは1.0〜
15g/10min.、より好ましくは1.5〜10g/10min.の範囲に
するのが良い。
述した共重合体(A)の1種または、2種以上の混合物
からシートを成膜しても従来のOPS以上の2次成形性特
性を示すシートが得られる。また、共重合体(A)とス
チレン系重合体(B)を重量混合比で0.05≦A/(A+
B)≦0.97の範囲で混合した樹脂組成物を用いシーティ
ングすることによっても延伸シートの2次成形性を大き
く改良したシートを得ることが可能である。
合樹脂組成物シートにおいて、共重合体(A)の重量混
合比の下限は、スチレン系重合体シートの2次成形性を
改良することが困難になる領域である。また、上限は、
上述の共重合体(A)単独のシートに比べ剛性、耐熱性
などの物性の改良効果が発現しない領域である。
囲、成形品の偏肉、高速成形性、深絞り性などを高度に
バランスさせるには、共重合体(A)とスチレン系重合
体(B)との混合組成物とすることが望ましく、その好
ましい重量混合比は、0.05≦A/(A+B)≦0.95、より
好ましくは0.10≦A/(A+B)≦0.90、更に好ましくは
0.20≦A/(A+B)≦0.80である。
に使用する共重合体(A)、スチレン系重合体(B)の
他に、新しい第3成分として例えば石油樹脂、離型剤、
熱安定剤、スリップ剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、防
曇剤、酸化防止剤、着色剤、可塑剤、オリゴマー、その
他慣用の添加剤、他の極性基を有したホモ重合体または
共重合体を本発明の特性を損なわない範囲内で混合して
用いても良い。
る方法、混練能力の高いミキサーで充分混練した後ペレ
タイズする方法、共重合体(A)、スチレン系重合体
(B)の両者の良溶媒で溶融した後ペレタイズする方
法、良溶媒と貧溶媒で行なう方法等適時公知の方法を利
用すれば良く、これらに限定されるものでない。また、
本発明の高成形性を有する延伸シートの特性は2軸延伸
することによりえられる性質を保有する。また、多層構
成の少なくとも1層として用いてもよい。ここではその
1つの実施態様として単層での2軸延伸シートの例の場
合について記述する。
の延伸シートの製造において慣用されている方法で行な
えば良い。その1例は、前述の共重合体(A)と、スチ
レン系重合体(B)とその他必要に応じて、他の混合
材、一般の可塑剤類を混合し、ドライブレンドまたはプ
レミキシングしたものを溶融押出して、T−ダイまたは
サーキューラーダイ等で連続押出し、原反をテンター法
またはバブル法などで、連続的に逐次または同時に2軸
延伸する方法である。また、コンプレッションシートを
作成しバッチ方法で延伸を行なっても良い。
8倍、好ましくは2〜6倍である。延伸温度は90〜150
℃、好ましくは100〜140℃、より好ましくは105℃〜135
℃である。
成形法、真空成形法など一般に知られている方法によ
り、食品包装容器などの包装用軽量容器に好適に成形さ
れるが、これらに限定されるものではない。
〜1.0mm、好ましくは0.03〜0.7mm、より好ましくは0.05
〜0.5mmの範囲が好ましい。
ベルは、ASTM D−1504に準じて測定した加熱収縮応力
(ORS:シートを形成する樹脂組成物のVSP+30℃の温度
のシリコン油中でのピーク応力値)が3.0〜13kg/cm2の
範囲で、好ましくは3.5〜10kg/cm2の範囲にあるのが適
当である。この上限以上では通常の成形機で成形した際
に成形品の型再現性が悪化する領域であり、更に過剰配
向の影響で製品の割れ、白化が生じ好ましくない。また
下限未満では、配向レベルが低いため、シートでは十分
なタフネスが仮にあっても2次成形後の成形品の打ち抜
き時や、使用中に割れが生じる恐れがある領域である。
り成形性、高速成形性を付与し、偏肉の少ない成形品を
得るには、シートを緊張下で熱処理した後の配向緩和率
が重要である。本発明では、シートを構成する樹脂組成
物のVSPより40℃高温のシリコンオイル中に、シートを
緊張下で3秒間浸漬処理した後の上述の方法で測定した
ORS(ORS−2)と処理前のシートのORS(ORS−1)との
比より求められるORS緩和率=(ORS−2/ORS−1)をそ
の尺度として用いた。
くは0.70以下である。また、下限は0.30以上、好ましく
は0.35以上である。ORS緩和率の上限はシートの2次成
形性、特に深絞り成形性、高速成形性を改良することが
困難になるレベルである。また、下限は、一般にシート
の延伸配向緩和によりシートのタフネスが低下し2次成
形品のフランジ部など絞り比の浅い部分で脆くなり2次
成形品が割れやすくなるレベルである。
発明のシートを公知の方法で成形した容器や、異種素材
シート(例えば、低発泡ポリスチレンシート、耐衝撃性
ポリスチレンシートなど)に公知の方法でラミネートし
たシート、およびこの成形容器をも含むものとする。
に限定されるものではない。
定した。(タテ、ヨコの平均値) 2)HazeはASTM D−1003に準じて測定。
物のVSP+30℃の温度のシリコン油中でのピーク応力
値;タテ、ヨコの平均値) 4)ORS緩和率は、シートを150×150mm、幅15mmのアル
ミ製の枠に弛みのないように均一に貼り付け、各シート
構成樹脂組成物のVSP+40℃に調整したシリコンオイル
に3秒間浸漬処理後急冷したシートのORS(ORS−2:タ
テ、ヨコの平均)と同方向の処理前のORS(ORS−1:タ
テ、ヨコの平均)との比(ORS−2/ORS−1)より算出し
た。なおORSは上述3)と同様の方法で測定した。
度90〜180℃、加熱時間2.5秒、成形時間2.0秒、成形加
圧圧力2.0kg/cm2の条件で、開口径90φmm、深さ36mmの
透明円柱容器を成形した。20ショット分の成形品を検品
し、レインドロップによる不良が5%以上の成形品に発
生する最低温度をA℃,型決まり不良(コーナー部のR
>4mm)が5%以上発生する最高温度をB℃とし、[A
−B]℃より成形温度範囲を求め、以下の基準で評価し
た。
元シート厚み]の平均を成形品の偏肉の尺度とし、以下
の基準で評価した。
0.3未満…合格レベル △:[コーナー部厚み/元シート厚み]が0.2以上、
0.25未満 ×:[コーナー部厚み/元シート厚み]が0.2未満 6)高速成形性は以下の方法で評価した。
ドロップの発生しないギリギリの温度で、加熱時間を0.
5〜2.5秒とし、他は上記、5)と同様に成形した。型決
まり不良(コーナー部のR>4mm)が5%以下となる最
短加熱時間を成形サイクル短縮の尺度とし、以下の基準
で評価した。
ル ×:最短加熱時間2.0秒以上 7)深絞り性は以下の方法で評価した。
ドロップの発生しないギリギリの温度で、開口径90φm
m、深さ36〜72mm(4.5mm間隔で成形した)の透明円柱容
器を上記、5)と同条件で成形した。各絞り深さの成形
容器の白化、破れによる不良を検品し不良が5%以下で
ある最大絞り深さより、以下の基準で評価した。
ル △:最大絞り深さが49.5mm以上、54mm未満 ×:最大絞り深さが49.5mm未満 実施例1 スチレン系成分としてスチレン、α−メチルスチレ
ンと、カルボン酸径成分としてブチルアクリレート,
エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、アクリル酸亜鉛をそれぞれ選定し、エチルベンゼ
ン、その他の適当な溶媒で希釈して熱ラジカル重合によ
り共重合体(A)を得た。この物の特徴を第1表に記
す。
る市販の樹脂を用いた。
2.2) ・HIPS:耐衝撃性ポリスチレン(スチレン含量93重量
%、ゴム成分7重量%、Mw=23万,VSP=98℃,MFR=2.
2) ・AS:スチレン−アクリロニトリル共重合体(スチレン
含量75重量%、VSP=109℃,MFR=4.3) ・SMAA:スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン92
重量%、VSP=125℃,MFR=1.0) 以上の共重合体(A)とスチレン系重合体(B)との
調合方法は、両者をそれぞれ所望の混合比率でドライブ
レンドした後、混練りミキシングヘッドを有し、[L/D
=46]の65φmm径のスクリューを有する押出機で溶融混
合しペレットとした。これらのペレットを50φmm径のス
クリューを有する押出機で溶融し、T−ダイより押出、
急冷後第2表に示す温度条件に加熱されたロール群の速
度差により、シート流れ方向(タテ方向とする)に延伸
したのち、第2表に示す温度条件によりテンターでシー
ト流れ方向に対し垂直方向(ヨコ方向とする)に延伸を
行ない厚みが250μのシートを得た。これらのシートの
特性を第3表に示す。
度、弾性率、透明性(HAZE)、成形性とのバランスが優
れている。第3表中、比−1はGPPSのみのブランクで、
成形性に劣る。比−2、3はGPPSにHIPSを添加した例で
あり、このような方法では、延伸シートの改良効果は少
なく、透明性は、悪化することが分かる。比−5、6は
スチレン系共重合体のブランクで、本願の共重合体
(A)とは異なるものである。これらもGPPSと同様、成
形性が劣る。比−7は、本願の共重合体(A)を低温で
延伸した高ORSのシートの例である。このものは、高ORS
で、且つORS緩和も小さいため、成形性に劣る。
樹脂シートの特徴である透明性、剛性などを保ち、圧空
成形、真空成形などによる2次成形品での型再現性、成
形容器の偏肉、深絞り性を改良し、かつ高速成形性を付
与したものであり、例えば、食品包装用容器、その他の
物品包装容器を成形するシートとして広く使用でき、そ
の工業的価値は大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】スチレンまたはスチレン系誘導体より選
ばれる少なくとも1種の単量体:97〜20重量%と、 少なくとも1種の脂肪族不飽和カルボン酸またはその
誘導体よりなる単量体:3〜80重量%とからなり、ビカッ
ト軟化点が、105℃以下である少なくとも1種の共重合
体(A)よりなる、ASTM D−1504に準じて測定した加
熱収縮応力(ORS)が3.0〜13kg/cm2、且つ下式より求め
られるORS緩和率が0.75〜0.3である2軸方向に延伸配向
された2次成形用シート。 ORS緩和率=(ORS−2/ORS−1) 但し、 ORS−2:シートを構成する樹脂組成物のビカット軟化点
より40℃高温のシリコンオイル中に、シートを緊張下で
3秒間浸漬処理した後のORS ORS−1:処理前のシートのORS - 【請求項2】スチレンまたはスチレン系誘導体より選
ばれる少なくとも1種の単量体:97〜20重量%と、 少なくとも1種の脂肪族不飽和カルボン酸またはその
誘導体よりなる単量体:3〜80重量%とからなり、ビカッ
ト軟化点が、105℃以下である少なくとも1種の共重合
体(A)と スチレンまたはスチレン系誘導体より選ばれる少なくと
も1種の単量体を主成分とするスチレン系重合体(前記
共重合体(A)に含まれる樹脂は除く)(B)とからな
る混合樹脂組成物よりなり、該重合体(A),(B)の
重量混合比が、0.05≦A/(A+B)≦0.97である樹脂組
成物よりなる、ASTM D−1504に準じて測定した加熱収
縮応力(ORS)が3.0〜13kg/cm2、且つ下式より求められ
るORS緩和率が0.75〜0.3である2軸方向に延伸配向され
た2次成形用シート。 ORS緩和率=(ORS−2/ORS−1) 但し、 ORS−2:シートを構成する樹脂組成物のビカット軟化点
より40℃高温のシリコンオイル中に、シートを緊張下で
3秒間浸漬処理した後のORS ORS−1:処理前のシートのORS
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