JP3000470B2 - 高成形性を有する延伸シート - Google Patents

高成形性を有する延伸シート

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JP3000470B2
JP3000470B2 JP2172754A JP17275490A JP3000470B2 JP 3000470 B2 JP3000470 B2 JP 3000470B2 JP 2172754 A JP2172754 A JP 2172754A JP 17275490 A JP17275490 A JP 17275490A JP 3000470 B2 JP3000470 B2 JP 3000470B2
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宏幸 新井
功 吉村
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、主として真空成形、圧空成形などの手段で
2次成形され、軽量食品包装容器やその他物品の包装な
どに好適に用いられる、スチレン系重合体組成物よりな
る延伸シート、さらに詳しくは、剛性(弾性率)、光学
特性、加工特性(真空成形、圧空成形などの2次成形に
おける型決まり性、深絞り性、高速成形性)などに優
れ、偏肉の少ない2次成形品をあたえるスチレン系重合
体組成物延伸シートに関するものである。
[従来の技術] 従来、ポリスチレン系重合体延伸シート特に汎用ポリ
スチレン(GPPS)を主原料とした延伸シートは、その透
明性、剛性(シートの腰強さ)に優れていることから主
として真空成形、圧空成形などの手段で2次成形され、
軽量包装用容器素材として食品包装用を始め種々の容器
として使用されている。しかし、これらの方法での延伸
シートの成形において成形可能な温度範囲は狭く、その
上、下限は、 下限…成形品の型決まりが不十分で不良が発生する温
度 上限…シートの1部が成形機熱板に粘着し空気を抱き
込みシート表面の加熱むらにより生じる、いわゆるレイ
ンドロップと言われる成形品フラット部の凹凸による不
良が発生する温度 により制限される。
このため、このレインドロップを押さえ、成形温度範
囲を広げる方法として、例えば、接触加熱式圧空成形機
の熱板面を粗面化し、空気を飛散させる方法や、GPPSに
たいし、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)をドライブレン
ドしたOPSを用いる方法などが行なわれている。しかし
これら方法においては、レインドロップを十分防げない
ばかりか、前者の方法においては、熱板の粗さがシート
成形品に転写され透明性が悪化し商品価値を落とす、ま
た後者方法においては、HIPSが少量では耐レインドロッ
プ性にたいし、十分な効果はない。また効果が現れるほ
ど多量に入れた場合、HIPSによりシートの剛性、透明性
を落とす欠点がある。さらには、積層シートとし、表層
にHIPSとGPPSのブレンド層を配したポリスチレン系延伸
シートが例えば、特開昭57−193321号公報に提案されて
いる。また特開昭58−98222号公報には、GPPSにシリカ
などの無機質をブレンドした層を表層に配した積層シー
トが提案されている。しかしこれら方法においてもHIPS
や無機質により、シート表面を粗化することで熱板とシ
ートの間の空気を飛散させレインドロップを防ぐもので
あるため、透明性が悪化しシート、成形品の商品価値を
落としてしまう。
また、型決まり性を向上させ、成形温度範囲を広げる
方法として例えば、特開昭49−18976号公報には、延伸
シートに無延伸ポリプロピレンシートを貼り合わせた複
合シートが、また、特開昭55−114458号公報には、スチ
レン系シートにポリオレフィン層を積層したのち、延伸
する複合延伸シートが記載されている。しかしこれら方
法においては、オレフィン系樹脂を表層に配しているた
め、透明性、剛性が劣る。さらに、異種樹脂を積層して
いるため、例えば成形品打ち抜き後のシート屑や、成膜
中のつかみ代を有効に回収できず経済的にも不利であ
る。
このようにいずれの方法においても延伸シートの特性
を損なわず、2次成形温度範囲を広げ、成形性を改良す
ることは困難なのが現状である。
[発明が解決しようとする課題] さらに、延伸シートの2次成形品はその単価が非常に
安いため、成形スピードを速めることは、収益向上に大
きく寄与する。このため、2次成形加工メーカーでは成
形サイクルを0.5秒単位以下で管理しており、成形サイ
クルを短縮できる延伸シートの開発が待たれている。
本発明は、以上のような状況の中スチレン系重合体シ
ートの特徴である透明性、剛性などを保ちつつ、高速成
形性を付与したスチレン系重合体組成物延伸シートを提
供するものであり、特に、圧空成形、真空成形などによ
る2次成形品での型再現性、偏肉を改良した、今までに
ない深絞り性、高成形性延伸シートを提供することを目
的になされたものである。
[課題を解決するための手段及び作用] 上記目的を達成するため本発明では、 スチレンまたはスチレン系誘導体より選ばれる少なく
とも1種の単量体:97〜20重量%と、 少なくとも1種の脂肪族不飽和カルボン酸またはその
誘導体よりなる単量体:3〜80重量%とからなり、ビカッ
ト軟化点が、105℃以下である少なくとも1種の共重合
体(A)よりなる、ASTM D−1504に準じて測定した加
熱収縮応力(ORS)が3.0〜13kg/cm2、且つ下式より求め
られるORS緩和率が0.75〜0.3である2軸方向に延伸配向
された2次成形用シート、または、該共重合体(A)
と、スチレンまたはスチレン系誘導体より選ばれる少な
くとも1種の単量体を主成分とするスチレン系重合体
(前記共重合体(A)に含まれる樹脂は除く)(B)と
からなる混合樹脂組成物よりなり、該重合体(A),
(B)の重量混合比が、0.05≦A/(A+B)≦0.97であ
る樹脂組成物よりなる、ASTM D−1504に準じて測定し
た加熱収縮応力(ORS)が3.0〜13kg/cm2、且つ下式より
求められるORS緩和率が0.75〜0.3である2軸方向に延伸
配向された2次成形用シートを採用した。
ORS緩和率=(ORS−2/ORS−1) 但し、 ORS−2:シートを構成する樹脂組成物のビカット軟化点
より40℃高温のシリコンオイル中に、シートを緊張下で
3秒間浸漬処理した後のORS ORS−1:処理前のシートのORS 以下、本発明を詳細に説明する。
共重合体(A) 本発明において、共重合体(A)の1部を構成するス
チレンまたはスチレン系誘導体(以下、スチレン系成
分という)とは、例えばスチレン、α−アルキル置換ス
チレン例えば、α−メチルスチレン等、核アルキル置換
スチレン、核ハロゲン置換スチレンなどから目的に応じ
て少なくとも1種選べば良い。共重合体(A)中の該ス
チレン系成分よりなる成分の含有量は、97〜20重量%
にする必要がある。該スチレン系成分が、20重量%未
満では、スチレン系成分の特性である剛性が弱くなり
好ましくない。更に、樹脂組成物の流動性を高め、溶融
押出時の成形加工性を良くし、またスチレン系重合体
(B)を混合する場合は該重合体との相溶性を高める観
点からは、該スチレン系成分を97〜40重量%にするこ
とが好ましく、より好ましくは、95〜50重量%、更に好
ましくは95〜60重量%にすることである。また、該スチ
レン系成分が、この上限をこえた場合、該脂肪族不飽
和カルボン酸またはその誘導体(以下、カルボン酸系
成分という)としての効果(例えば、耐溶媒性、耐候
性、さらに第3成分を添加した場合の第3成分との混合
性や反応性などの改良等)が低くなり、好ましくない。
また、共重合体(A)の他の1部を構成するカルボン
酸系成分とは、例えばアクリル酸またはそのエステル
類、メタクリル酸またはそのエステル類、フマル酸、マ
レイン酸またはその酸無水物、イタコン酸等のα,β−
不飽和ジカルボン酸等またはそのモノまたはジエステル
類などから目的に応じて少なくとも1種選べば良い。こ
れらの内、好ましいものは、上記のエステル類を主体と
したものであり、これらのアルコール成分が、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル…等
の炭素数がC2〜C12の直鎖状または、側鎖を有するアル
コールよりなり好ましくはC2〜C8の同様のアルコールよ
りなるエステルである。また、該エステルをなす酸成分
としては、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸系のも
のであり、より好ましくは前者である。
共重合体(A)は、スチレン系成分とカルボン酸系
成分との共重合体である。これらは少なくとも1種の
互いの単量体からなる共重合体であり、必要により少な
くとも2種のスチレン系成分とカルボン酸系成分と
の共重合体でも良い。
また、本発明のシートの耐溶媒性、耐ストレスクラッ
ク性、成形性、混合性等を改良する観点から、共重合体
(A)中のカルボン酸系成分を、上記カルボン酸エス
テルと、該カルボン酸との2種の混合体、その内でも、
該カルボン酸基の少なくとも1部がメタルイオン(Na+,
Li+,K+,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Mg2+,Zn2+,Fe2+,Fe3+,…等)で
イオン結合した構造の共重合体にしても良い。その場合
イオン結合を有する単量体相当単位の比率は、共重合体
中で、10〜0.0005モル%、好ましくは、5〜0.001モル
%、より好ましくは、3〜0.05モル%である。そのイオ
ン結合導入の方法は、例えば重合前に塩の型で、または
重合後に中和の型で、または重合後のカルボン酸エステ
ルをケン化した後導入するなどの公知の方法で行なえば
良く、これらに限定されないものとする。また、その場
合イオン結合を有する単量体相当単位の比率が、上記上
限を越えると溶融時の流れ、特に加工性、混合性が悪化
し好ましくない。
上述の単量体よりなる共重合体(A)は、1種用いて
も良いし、2種以上混合しても良いが、1種の場合は、
単独で、2種以上混合した場合は混合状態で、ASTM D
−1525に準じて測定したビカット軟化点(以下VSPと略
す:加重1kg,昇温速度2℃/分)が、105℃以下、好ま
しくは100℃以下、より好ましくは95℃以下であるもの
を選定するのが好ましい。またその下限は特に定めない
が、スチレン系重合体(B)と混合する場合は、一般に
は25℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃
以上程度のものが良い。VSPの上限は、本発明の効果の
1つである延伸シートの2次成形性(延伸シートを圧空
成形法、真空成形法などにより容器に成形した際の成形
温度範囲、成形容器の偏肉、高速成形性、深絞り性など
を表わす)が悪化する領域である。また更にスチレン系
重合体(B)と混合した場合、共重合体(A)成分によ
る2次成形性改良効果が現れにくくなる領域である。ま
た好ましい下限は一般に、共重合体の取り扱いに支障の
きたす点、特に多量に使用した時にベトツキ等が発生す
る領域であり、これら対策をほどこした場合はこの限り
でない。また、該共重合体を単独または2種以上を混合
した樹脂のみでシートを成膜する場合、シートを構成す
る樹脂のVSPの下限は、好ましくは50℃以上、より好ま
しくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上であることが
望ましい。この好ましい下限は、シートの耐熱性を維持
する上で望ましい温度である。
これら共重合体(A)の内、シートおよび2次成形品
の耐熱性を重要視する用途にはVSPが90℃より高温のも
のを使用するのが好ましい。また、耐熱性をあまり必要
とせず深絞り性を重要視する用途(例えば野菜などの包
装容器)にはVSPが90℃以下の樹脂が好ましい。
また、上記共重合体(A)は、その分子量の尺度とし
て、該共重合体(A)の濃度10重量%のトルエン溶液の
25℃における溶液粘度(キヤノン・フェンス粘度管No.2
00で測定)で好ましくは5〜100cps、より好ましくは10
〜80cps、更に好ましくは15〜60cpsである(5、10、5
0、100cpsはそれぞれ重量平均分子量で約7.6万、15万、
41万、56万とする)。これらの上限は加工性、混合性よ
り制限される。また下限は共重合体(A)自身の強度、
加工性、分散性などより制限される。
該共重合体(A)の製造方法は、ラジカル熱重合によ
る、溶媒を一部用いたマス重合によりランダム重合する
のが一般的であるが、これらに限定されるものではな
い。また、第3成分としての公知のゴム類を重合前、後
に添加することによりグラフト化または均一化、マトリ
ックス取り込み化等の処方を取り入れることによるハイ
インパクト処方を加えると、より好ましい場合もあり共
重合体(A)は、これらも包括した共重合体またはその
組成物とする。
共重合体(A)は単独で延伸シートとして用いた場合
でも、従来の延伸シートに比べその2次成形性は改良さ
れ、また、剛性、透明性も良好なものである。該共重合
体(A)の延伸シートへの成膜方法は、公知の方法で行
なえば良く特に制限はない(一例を後述する)。
スチレン系重合体(B) 本発明の高成形性を有する延伸シートにおいて、スチ
レン系重合体(B)とは、例えばスチレン、α−メチル
スチレン等のα−アルキル置換スチレン、核アルキル置
換スチレン、核ハロゲン置換スチレン等より選ばれる少
なくとも1種のスチレン系単量体よりなる重合体、該ス
チレン系単量体のうちの少なくとも1種を50重量%以
上、好ましくは70重量%以上含むこれら単量体と共重合
可能な単量体との共重合体、少量のゴム成分を含む耐衝
撃性ポリスチレンである。これら重合体は目的に応じて
1種用いても良いし2種以上を組み合わせても良い。
また、該スチレン単量体と共重合可能な単量体として
は、例えばアクリル酸または、そのエステル類、メタク
リル酸または、そのエステル類、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸また
は、そのモノエステル、ジエステル類、アクリロニトリ
ル、無水マレイン酸、マレイミドなどがあげられる。こ
れら単量体は、1種用いても良いし、2種以上を組み合
わせてもよいが、前述の共重合体(A)に含まれる樹脂
は除く。
これらの内、該スチレン系重合体(B)として好まし
いのは、スチレン単量体よりなる汎用ポリスチレンであ
る。また、シートの耐油性、耐候性などを向上させるに
は、例えばメチルメタクリレート、メタクリル酸、アク
リロニトリル、無水マレイン酸などから選ばれる少なく
とも1種の単量体を含む上記スチレン系共重合体(B)
が有効な場合もある。
該スチレン系重合体(B)として汎用ポリスチレンを
使用する場合、その重量平均分子量(GPC測定法により
測定)は10万〜60万、好ましくは15万〜50万、より好ま
しくは20〜40万の範囲のものである。重量平均分子量の
上限は、2次成形性の悪化や、共重合体(A)との混合
性が悪化する領域である。また下限未満では、シートの
強度が低下し、更に、例えば接触加熱式圧空成形機法な
どにより2次成形を行なった場合、比較的低い温度でレ
インドロップと言われる成形品フラット部の凹凸による
不良が発生しやすくなる領域である。
これらスチレン系重合体(B)は共重合体(A)と混
合されることによって始めて本発明の高成形性を有する
延伸シートの効果である2次成形性の改良が可能とな
る。特に該スチレン系重合体(B)のVSPが、使用する
共重合体(A)のVSPより高い場合、該スチレン系共重
合体と(A)成分との相乗効果により、成形温度範囲が
拡がり2次成形性の大きな改良が可能となり好ましい
が、この場合の該スチレン系樹脂(B)と(A)成分と
の混合樹脂組成物のVSPは50〜120℃である。この下限
未、混合性が悪化する領域である。特に(A)成分との
混合性をより高める観点からは、MFRを好ましくは1.0〜
15g/10min.、より好ましくは1.5〜10g/10min.の範囲に
するのが良い。
高成形性を有する延伸シート 本発明の高成形性を有する延伸シートにおいては、上
述した共重合体(A)の1種または、2種以上の混合物
からシートを成膜しても従来のOPS以上の2次成形性特
性を示すシートが得られる。また、共重合体(A)とス
チレン系重合体(B)を重量混合比で0.05≦A/(A+
B)≦0.97の範囲で混合した樹脂組成物を用いシーティ
ングすることによっても延伸シートの2次成形性を大き
く改良したシートを得ることが可能である。
上記共重合体(A)とスチレン系重合体(B)との混
合樹脂組成物シートにおいて、共重合体(A)の重量混
合比の下限は、スチレン系重合体シートの2次成形性を
改良することが困難になる領域である。また、上限は、
上述の共重合体(A)単独のシートに比べ剛性、耐熱性
などの物性の改良効果が発現しない領域である。
また樹脂の相乗効果を最大限に発揮させ、成形温度範
囲、成形品の偏肉、高速成形性、深絞り性などを高度に
バランスさせるには、共重合体(A)とスチレン系重合
体(B)との混合組成物とすることが望ましく、その好
ましい重量混合比は、0.05≦A/(A+B)≦0.95、より
好ましくは0.10≦A/(A+B)≦0.90、更に好ましくは
0.20≦A/(A+B)≦0.80である。
また、本発明の高成形性を有する延伸シートは、それ
に使用する共重合体(A)、スチレン系重合体(B)の
他に、新しい第3成分として例えば石油樹脂、離型剤、
熱安定剤、スリップ剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、防
曇剤、酸化防止剤、着色剤、可塑剤、オリゴマー、その
他慣用の添加剤、他の極性基を有したホモ重合体または
共重合体を本発明の特性を損なわない範囲内で混合して
用いても良い。
また、使用する樹脂の混合方法はドライブレンドによ
る方法、混練能力の高いミキサーで充分混練した後ペレ
タイズする方法、共重合体(A)、スチレン系重合体
(B)の両者の良溶媒で溶融した後ペレタイズする方
法、良溶媒と貧溶媒で行なう方法等適時公知の方法を利
用すれば良く、これらに限定されるものでない。また、
本発明の高成形性を有する延伸シートの特性は2軸延伸
することによりえられる性質を保有する。また、多層構
成の少なくとも1層として用いてもよい。ここではその
1つの実施態様として単層での2軸延伸シートの例の場
合について記述する。
本発明のシートの製造方法は、特に制限はなく、従来
の延伸シートの製造において慣用されている方法で行な
えば良い。その1例は、前述の共重合体(A)と、スチ
レン系重合体(B)とその他必要に応じて、他の混合
材、一般の可塑剤類を混合し、ドライブレンドまたはプ
レミキシングしたものを溶融押出して、T−ダイまたは
サーキューラーダイ等で連続押出し、原反をテンター法
またはバブル法などで、連続的に逐次または同時に2軸
延伸する方法である。また、コンプレッションシートを
作成しバッチ方法で延伸を行なっても良い。
これらの延伸倍率は少なくとも1方向において1.5〜
8倍、好ましくは2〜6倍である。延伸温度は90〜150
℃、好ましくは100〜140℃、より好ましくは105℃〜135
℃である。
本発明の高成形性を有する延伸シートは、例えば圧空
成形法、真空成形法など一般に知られている方法によ
り、食品包装容器などの包装用軽量容器に好適に成形さ
れるが、これらに限定されるものではない。
本発明の高成形性を有する延伸シートの厚みは、0.01
〜1.0mm、好ましくは0.03〜0.7mm、より好ましくは0.05
〜0.5mmの範囲が好ましい。
また、本発明の高成形性を有する延伸シートの配向レ
ベルは、ASTM D−1504に準じて測定した加熱収縮応力
(ORS:シートを形成する樹脂組成物のVSP+30℃の温度
のシリコン油中でのピーク応力値)が3.0〜13kg/cm2
範囲で、好ましくは3.5〜10kg/cm2の範囲にあるのが適
当である。この上限以上では通常の成形機で成形した際
に成形品の型再現性が悪化する領域であり、更に過剰配
向の影響で製品の割れ、白化が生じ好ましくない。また
下限未満では、配向レベルが低いため、シートでは十分
なタフネスが仮にあっても2次成形後の成形品の打ち抜
き時や、使用中に割れが生じる恐れがある領域である。
本発明の高成形性を有する延伸シートにおいて、深絞
り成形性、高速成形性を付与し、偏肉の少ない成形品を
得るには、シートを緊張下で熱処理した後の配向緩和率
が重要である。本発明では、シートを構成する樹脂組成
物のVSPより40℃高温のシリコンオイル中に、シートを
緊張下で3秒間浸漬処理した後の上述の方法で測定した
ORS(ORS−2)と処理前のシートのORS(ORS−1)との
比より求められるORS緩和率=(ORS−2/ORS−1)をそ
の尺度として用いた。
本発明において、該ORS緩和率は、0.75以下、好まし
くは0.70以下である。また、下限は0.30以上、好ましく
は0.35以上である。ORS緩和率の上限はシートの2次成
形性、特に深絞り成形性、高速成形性を改良することが
困難になるレベルである。また、下限は、一般にシート
の延伸配向緩和によりシートのタフネスが低下し2次成
形品のフランジ部など絞り比の浅い部分で脆くなり2次
成形品が割れやすくなるレベルである。
また、本発明の高成形性を有する延伸シートには、本
発明のシートを公知の方法で成形した容器や、異種素材
シート(例えば、低発泡ポリスチレンシート、耐衝撃性
ポリスチレンシートなど)に公知の方法でラミネートし
たシート、およびこの成形容器をも含むものとする。
[実施例] 以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、これ
に限定されるものではない。
評価方法は以下の通りである。
1)引張強伸度、弾性率は、ASTM D−882に準じて測
定した。(タテ、ヨコの平均値) 2)HazeはASTM D−1003に準じて測定。
3)ORSは、ASTM D−1504に準じて測定。(樹脂組成
物のVSP+30℃の温度のシリコン油中でのピーク応力
値;タテ、ヨコの平均値) 4)ORS緩和率は、シートを150×150mm、幅15mmのアル
ミ製の枠に弛みのないように均一に貼り付け、各シート
構成樹脂組成物のVSP+40℃に調整したシリコンオイル
に3秒間浸漬処理後急冷したシートのORS(ORS−2:タ
テ、ヨコの平均)と同方向の処理前のORS(ORS−1:タ
テ、ヨコの平均)との比(ORS−2/ORS−1)より算出し
た。なおORSは上述3)と同様の方法で測定した。
5)成形温度範囲、偏肉は以下の方法で評価した。
テストシートを接触加熱式圧空成形機を用い、熱板温
度90〜180℃、加熱時間2.5秒、成形時間2.0秒、成形加
圧圧力2.0kg/cm2の条件で、開口径90φmm、深さ36mmの
透明円柱容器を成形した。20ショット分の成形品を検品
し、レインドロップによる不良が5%以上の成形品に発
生する最低温度をA℃,型決まり不良(コーナー部のR
>4mm)が5%以上発生する最高温度をB℃とし、[A
−B]℃より成形温度範囲を求め、以下の基準で評価し
た。
◎:成形温度が15℃以上 ○:成形温度が10℃以上、15℃未満…合格レベル △:成形温度が 5℃以上、10℃未満 ×:成形温度が 5℃未満 また、良品と判定した成形容器の[コーナー部厚み/
元シート厚み]の平均を成形品の偏肉の尺度とし、以下
の基準で評価した。
◎:[コーナー部厚み/元シート厚み]が0.3以上 ○:[コーナー部厚み/元シート厚み]が0.25以上、
0.3未満…合格レベル △:[コーナー部厚み/元シート厚み]が0.2以上、
0.25未満 ×:[コーナー部厚み/元シート厚み]が0.2未満 6)高速成形性は以下の方法で評価した。
テストシートを接触加熱式圧空成形機を用い、レイン
ドロップの発生しないギリギリの温度で、加熱時間を0.
5〜2.5秒とし、他は上記、5)と同様に成形した。型決
まり不良(コーナー部のR>4mm)が5%以下となる最
短加熱時間を成形サイクル短縮の尺度とし、以下の基準
で評価した。
◎:最短加熱時間が1.5秒未満 ○:最短加熱時間が1.5秒以上、2.0秒未満…合格レベ
ル ×:最短加熱時間2.0秒以上 7)深絞り性は以下の方法で評価した。
テストシートを接触加熱式圧空成形機を用い、レイン
ドロップの発生しないギリギリの温度で、開口径90φm
m、深さ36〜72mm(4.5mm間隔で成形した)の透明円柱容
器を上記、5)と同条件で成形した。各絞り深さの成形
容器の白化、破れによる不良を検品し不良が5%以下で
ある最大絞り深さより、以下の基準で評価した。
◎:最大絞り深さが63mm以上 ○:最大絞り深さが54mm以上、63mm未満……合格レベ
ル △:最大絞り深さが49.5mm以上、54mm未満 ×:最大絞り深さが49.5mm未満 実施例1 スチレン系成分としてスチレン、α−メチルスチレ
ンと、カルボン酸径成分としてブチルアクリレート,
エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、アクリル酸亜鉛をそれぞれ選定し、エチルベンゼ
ン、その他の適当な溶媒で希釈して熱ラジカル重合によ
り共重合体(A)を得た。この物の特徴を第1表に記
す。
またスチレン系重合体(B)として、以下の特性であ
る市販の樹脂を用いた。
・GPPS:汎用ポリスチレン(Mw=26万,VSP=106℃,MFR=
2.2) ・HIPS:耐衝撃性ポリスチレン(スチレン含量93重量
%、ゴム成分7重量%、Mw=23万,VSP=98℃,MFR=2.
2) ・AS:スチレン−アクリロニトリル共重合体(スチレン
含量75重量%、VSP=109℃,MFR=4.3) ・SMAA:スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン92
重量%、VSP=125℃,MFR=1.0) 以上の共重合体(A)とスチレン系重合体(B)との
調合方法は、両者をそれぞれ所望の混合比率でドライブ
レンドした後、混練りミキシングヘッドを有し、[L/D
=46]の65φmm径のスクリューを有する押出機で溶融混
合しペレットとした。これらのペレットを50φmm径のス
クリューを有する押出機で溶融し、T−ダイより押出、
急冷後第2表に示す温度条件に加熱されたロール群の速
度差により、シート流れ方向(タテ方向とする)に延伸
したのち、第2表に示す温度条件によりテンターでシー
ト流れ方向に対し垂直方向(ヨコ方向とする)に延伸を
行ない厚みが250μのシートを得た。これらのシートの
特性を第3表に示す。
以上の結果、実験No.1〜15とも比較例に比べて引張強
度、弾性率、透明性(HAZE)、成形性とのバランスが優
れている。第3表中、比−1はGPPSのみのブランクで、
成形性に劣る。比−2、3はGPPSにHIPSを添加した例で
あり、このような方法では、延伸シートの改良効果は少
なく、透明性は、悪化することが分かる。比−5、6は
スチレン系共重合体のブランクで、本願の共重合体
(A)とは異なるものである。これらもGPPSと同様、成
形性が劣る。比−7は、本願の共重合体(A)を低温で
延伸した高ORSのシートの例である。このものは、高ORS
で、且つORS緩和も小さいため、成形性に劣る。
[発明の効果] 本発明の高成形性を有する延伸シートは、スチレン系
樹脂シートの特徴である透明性、剛性などを保ち、圧空
成形、真空成形などによる2次成形品での型再現性、成
形容器の偏肉、深絞り性を改良し、かつ高速成形性を付
与したものであり、例えば、食品包装用容器、その他の
物品包装容器を成形するシートとして広く使用でき、そ
の工業的価値は大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 33/00 C08L 33/00 B29K 25:00 33:00 (56)参考文献 特開 昭61−106224(JP,A) 特開 昭61−123517(JP,A) 特開 平2−43023(JP,A) 特開 昭62−25031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 C08L 25/00,33/00 B29C 55/12 - 55/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレンまたはスチレン系誘導体より選
    ばれる少なくとも1種の単量体:97〜20重量%と、 少なくとも1種の脂肪族不飽和カルボン酸またはその
    誘導体よりなる単量体:3〜80重量%とからなり、ビカッ
    ト軟化点が、105℃以下である少なくとも1種の共重合
    体(A)よりなる、ASTM D−1504に準じて測定した加
    熱収縮応力(ORS)が3.0〜13kg/cm2、且つ下式より求め
    られるORS緩和率が0.75〜0.3である2軸方向に延伸配向
    された2次成形用シート。 ORS緩和率=(ORS−2/ORS−1) 但し、 ORS−2:シートを構成する樹脂組成物のビカット軟化点
    より40℃高温のシリコンオイル中に、シートを緊張下で
    3秒間浸漬処理した後のORS ORS−1:処理前のシートのORS
  2. 【請求項2】スチレンまたはスチレン系誘導体より選
    ばれる少なくとも1種の単量体:97〜20重量%と、 少なくとも1種の脂肪族不飽和カルボン酸またはその
    誘導体よりなる単量体:3〜80重量%とからなり、ビカッ
    ト軟化点が、105℃以下である少なくとも1種の共重合
    体(A)と スチレンまたはスチレン系誘導体より選ばれる少なくと
    も1種の単量体を主成分とするスチレン系重合体(前記
    共重合体(A)に含まれる樹脂は除く)(B)とからな
    る混合樹脂組成物よりなり、該重合体(A),(B)の
    重量混合比が、0.05≦A/(A+B)≦0.97である樹脂組
    成物よりなる、ASTM D−1504に準じて測定した加熱収
    縮応力(ORS)が3.0〜13kg/cm2、且つ下式より求められ
    るORS緩和率が0.75〜0.3である2軸方向に延伸配向され
    た2次成形用シート。 ORS緩和率=(ORS−2/ORS−1) 但し、 ORS−2:シートを構成する樹脂組成物のビカット軟化点
    より40℃高温のシリコンオイル中に、シートを緊張下で
    3秒間浸漬処理した後のORS ORS−1:処理前のシートのORS
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