JP3300674B2 - 非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物とそのカレンダー加工方法 - Google Patents
非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物とそのカレンダー加工方法Info
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- JP3300674B2 JP3300674B2 JP31020698A JP31020698A JP3300674B2 JP 3300674 B2 JP3300674 B2 JP 3300674B2 JP 31020698 A JP31020698 A JP 31020698A JP 31020698 A JP31020698 A JP 31020698A JP 3300674 B2 JP3300674 B2 JP 3300674B2
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- terephthalate resin
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、カレンダー加工性
に優れた非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組成
物とその加工方法に関する。
に優れた非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組成
物とその加工方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般にポリエチレンテレフタレートは、
食品や工業材料の包装材、建築や家電、自動車などの積
層用シートとして使用されている。これら用途に使用さ
れているポリエチレンテレフタレートシートは従来から
押出成形法及び射出成形法により製造されている。押出
成形法及び射出成形法は、特定の厚さになるようダイス
を調整した後、溶融樹脂を排出して樹脂の軟化温度より
急激に冷却しがら引き取る加工方法であり、引き取りロ
ールや金型などからのシートの引き剥がしが容易である
反面、ダイスの調整不具合やダイスに付着した樹脂や添
加物の影響などにより溶融樹脂の均一な排出が阻害され
て、ダイスの幅方向に局部的に著しく厚さの違う部分が
頻繁に発生していた。この局部的に厚さの違う部分のあ
るシートは、印刷や各種ラミネート、コーティングなど
の加工に不適切なほか、ブリスターパックやトレー、キ
ャリアテープなどへ二次成形する場合にシートの穴あき
の原因となっていた。
食品や工業材料の包装材、建築や家電、自動車などの積
層用シートとして使用されている。これら用途に使用さ
れているポリエチレンテレフタレートシートは従来から
押出成形法及び射出成形法により製造されている。押出
成形法及び射出成形法は、特定の厚さになるようダイス
を調整した後、溶融樹脂を排出して樹脂の軟化温度より
急激に冷却しがら引き取る加工方法であり、引き取りロ
ールや金型などからのシートの引き剥がしが容易である
反面、ダイスの調整不具合やダイスに付着した樹脂や添
加物の影響などにより溶融樹脂の均一な排出が阻害され
て、ダイスの幅方向に局部的に著しく厚さの違う部分が
頻繁に発生していた。この局部的に厚さの違う部分のあ
るシートは、印刷や各種ラミネート、コーティングなど
の加工に不適切なほか、ブリスターパックやトレー、キ
ャリアテープなどへ二次成形する場合にシートの穴あき
の原因となっていた。
【０００３】これらの成形法に対して、カレンダー加工
法は、溶融樹脂を加熱された金属ロールで圧延して特定
の厚さのシートにする方法で、シートの生産性に優れて
いるほか、ロールによる圧延加工のためダイスなどのト
ラブルがなく局部的な厚さムラが少ない点で優れている
が、材料として非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹
脂を用いる場合には、金属ロールからのシートの剥離性
が悪く実施困難であった。
法は、溶融樹脂を加熱された金属ロールで圧延して特定
の厚さのシートにする方法で、シートの生産性に優れて
いるほか、ロールによる圧延加工のためダイスなどのト
ラブルがなく局部的な厚さムラが少ない点で優れている
が、材料として非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹
脂を用いる場合には、金属ロールからのシートの剥離性
が悪く実施困難であった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、金属ロールからのシートの剥離性がよく表面平
滑性に優れたシート状物を、カレンダー加工法により得
ることができる非結晶性ポリエチレンテレフタレートシ
ート樹脂組成物とその加工方法を提供することにある。
目的は、金属ロールからのシートの剥離性がよく表面平
滑性に優れたシート状物を、カレンダー加工法により得
ることができる非結晶性ポリエチレンテレフタレートシ
ート樹脂組成物とその加工方法を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の非結晶性ポリエ
チレンテレフタレート樹脂組成物は、非結晶性ポリエチ
レンテレフタレート樹脂 100重量部に対し、重量平均分
子量が５万〜 600万のアクリル酸系樹脂 0.1〜15重量部
と４−フッ化エチレン変性アクリル酸系樹脂0.05〜２重
量部の一方または両方を配合してなるもので、上記課題
を解決したカレンダー加工法によるシート加工を容易に
行うことができる。
チレンテレフタレート樹脂組成物は、非結晶性ポリエチ
レンテレフタレート樹脂 100重量部に対し、重量平均分
子量が５万〜 600万のアクリル酸系樹脂 0.1〜15重量部
と４−フッ化エチレン変性アクリル酸系樹脂0.05〜２重
量部の一方または両方を配合してなるもので、上記課題
を解決したカレンダー加工法によるシート加工を容易に
行うことができる。
【０００６】また、この非結晶性ポリエチレンテレフタ
レート樹脂組成物に、さらに酸化チタン、タルク及び炭
酸カルシウムの内の少なくとも一種類を１〜20重量部配
合することによって、カレンダー加工性とシートの表面
平滑性を向上させることができる。さらに、アクリル酸
系樹脂は、重量平均分子量が５万以上〜70万未満のアク
リル酸系樹脂 0.2〜10重量部と重量平均分子量が70万以
上〜 600万以下のアクリル酸系樹脂 0.1〜５重量部の２
種類の組み合わせからなるものが好ましく、これにより
カレンダーの金属ロールからのシートの剥離性と表面平
滑性を向上させることができる。
レート樹脂組成物に、さらに酸化チタン、タルク及び炭
酸カルシウムの内の少なくとも一種類を１〜20重量部配
合することによって、カレンダー加工性とシートの表面
平滑性を向上させることができる。さらに、アクリル酸
系樹脂は、重量平均分子量が５万以上〜70万未満のアク
リル酸系樹脂 0.2〜10重量部と重量平均分子量が70万以
上〜 600万以下のアクリル酸系樹脂 0.1〜５重量部の２
種類の組み合わせからなるものが好ましく、これにより
カレンダーの金属ロールからのシートの剥離性と表面平
滑性を向上させることができる。
【０００７】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
組成物のカレンダー加工は、４本以上の金属ロールを備
えたカレンダー加工機を用いて、その最終金属ロールの
表面温度が非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組
成物のガラス転移温度より80〜 160℃高い温度範囲内で
行うことによって達成される。この加工方法によれば、
上記非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を
任意の厚さのシートに加工することができ、厚さが均一
で表面の平滑性に優れたシートを極めて経済的に生産す
ることができる。得られたシートは、印刷やラミネー
ト、コーティングで問題なく使用可能であり、二次成形
による穴あきもない成形品を得ることができる。
組成物のカレンダー加工は、４本以上の金属ロールを備
えたカレンダー加工機を用いて、その最終金属ロールの
表面温度が非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組
成物のガラス転移温度より80〜 160℃高い温度範囲内で
行うことによって達成される。この加工方法によれば、
上記非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を
任意の厚さのシートに加工することができ、厚さが均一
で表面の平滑性に優れたシートを極めて経済的に生産す
ることができる。得られたシートは、印刷やラミネー
ト、コーティングで問題なく使用可能であり、二次成形
による穴あきもない成形品を得ることができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明の非結晶性ポリエチレンテ
レフタレート樹脂組成物で用いる非結晶性ポリエチレン
テレフタレート樹脂としては、テレフタル酸： 100モル
％、エチレングリコール：30〜90モル％及び１，４−シ
クロヘキサンジメタノール：10〜70モル％、特にはテレ
フタル酸： 100モル％、エチレングリコール：65〜80モ
ル％及び１，４−シクロヘキサンジメタノール：20〜35
モル％からなるものが好ましい。ここでエチレングリコ
ール成分が30モル％未満か、１，４−シクロヘキサンジ
メタノール成分が90モル％を超えると、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂の再結晶化が進みカレンダー加工がで
きなくなる。また逆にエチレングリコール成分が90モル
％を超えるか、１，４−シクロヘキサンジメタノール成
分が10モル％未満の場合も再結晶化によりカレンダー加
工ができなくなる。
レフタレート樹脂組成物で用いる非結晶性ポリエチレン
テレフタレート樹脂としては、テレフタル酸： 100モル
％、エチレングリコール：30〜90モル％及び１，４−シ
クロヘキサンジメタノール：10〜70モル％、特にはテレ
フタル酸： 100モル％、エチレングリコール：65〜80モ
ル％及び１，４−シクロヘキサンジメタノール：20〜35
モル％からなるものが好ましい。ここでエチレングリコ
ール成分が30モル％未満か、１，４−シクロヘキサンジ
メタノール成分が90モル％を超えると、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂の再結晶化が進みカレンダー加工がで
きなくなる。また逆にエチレングリコール成分が90モル
％を超えるか、１，４−シクロヘキサンジメタノール成
分が10モル％未満の場合も再結晶化によりカレンダー加
工ができなくなる。
【０００９】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
組成物で用いられるアクリル酸系樹脂としては、「塩化
ビニル樹脂製食品容器包装等に関する自主規制基準」に
記載されているアクリル酸系及びメタクリル酸系のポリ
マーが用いられる。これには例えば、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸・メタ
クリル酸コポリマー、アクリル酸エステル及びメタクリ
ル酸エステルのコポリマー、アクリル酸エステルとメタ
クリル酸エステルの一方または両方と下記モノマーの１
種またはそれ以上とのコポリマーなどが挙げられる。こ
のモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸グリシ
ジル、アクリルニトリル、塩化ビニル、ブタジエン、酢
酸ビニル、塩化ビニリデン、イタコン酸、イタコン酸ジ
ブチルエステル、スチレン、メタクリル酸、α−メチル
スチレン、シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられ
る。
組成物で用いられるアクリル酸系樹脂としては、「塩化
ビニル樹脂製食品容器包装等に関する自主規制基準」に
記載されているアクリル酸系及びメタクリル酸系のポリ
マーが用いられる。これには例えば、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸・メタ
クリル酸コポリマー、アクリル酸エステル及びメタクリ
ル酸エステルのコポリマー、アクリル酸エステルとメタ
クリル酸エステルの一方または両方と下記モノマーの１
種またはそれ以上とのコポリマーなどが挙げられる。こ
のモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸グリシ
ジル、アクリルニトリル、塩化ビニル、ブタジエン、酢
酸ビニル、塩化ビニリデン、イタコン酸、イタコン酸ジ
ブチルエステル、スチレン、メタクリル酸、α−メチル
スチレン、シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられ
る。
【００１０】アクリル酸系樹脂は重量平均分子量が５万
〜 600万の範囲内のもので、非結晶性ポリエチレンテレ
フタレート樹脂 100重量部に対し 0.1〜15重量部配合さ
れる。このアクリル酸系樹脂はまた、重量平均分子量が
５万以上〜70万未満の範囲内のアクリル酸系樹脂0.2 〜
10重量部、特には0.5 〜５重量部と、重量平均分子量が
70万以上〜 600万以下の範囲内のアクリル酸系樹脂を
0.1〜５重量部、特には0.2 〜３重量部との２種類の組
み合わせからなるものが好ましい。
〜 600万の範囲内のもので、非結晶性ポリエチレンテレ
フタレート樹脂 100重量部に対し 0.1〜15重量部配合さ
れる。このアクリル酸系樹脂はまた、重量平均分子量が
５万以上〜70万未満の範囲内のアクリル酸系樹脂0.2 〜
10重量部、特には0.5 〜５重量部と、重量平均分子量が
70万以上〜 600万以下の範囲内のアクリル酸系樹脂を
0.1〜５重量部、特には0.2 〜３重量部との２種類の組
み合わせからなるものが好ましい。
【００１１】このアクリル酸系樹脂の重量平均分子量が
５万未満では、溶融もしくは軟化したシートのゴム弾性
が低下し、カレンダーの金属ロールから剥離したシート
が伸びて引き取り困難となり、重量平均分子量が 600万
を超えると、カレンダーの金属ロールからシートが剥離
しなくなる。また添加量が 0.1重量部未満では、カレン
ダーの金属ロールからの剥離効果がなくカレンダー加工
が困難となる。15重量部を超えると、金属ロール剥離性
が大きく圧延樹脂の金属ロールへのくい込みが悪く安定
加工が難しくなり、また圧延される溶融樹脂バンクの回
転が不均一となって、得られるシートの表面平滑性が悪
くなる。
５万未満では、溶融もしくは軟化したシートのゴム弾性
が低下し、カレンダーの金属ロールから剥離したシート
が伸びて引き取り困難となり、重量平均分子量が 600万
を超えると、カレンダーの金属ロールからシートが剥離
しなくなる。また添加量が 0.1重量部未満では、カレン
ダーの金属ロールからの剥離効果がなくカレンダー加工
が困難となる。15重量部を超えると、金属ロール剥離性
が大きく圧延樹脂の金属ロールへのくい込みが悪く安定
加工が難しくなり、また圧延される溶融樹脂バンクの回
転が不均一となって、得られるシートの表面平滑性が悪
くなる。
【００１２】他方、４−フッ化エチレン変性アクリル酸
系樹脂としては、アクリル酸系またはメタクリル酸系ポ
リマーと４−フッ化エチレンとを共重合させたものが用
いられる。この添加量は、非結晶性ポリエチレンテレフ
タレート樹脂 100重量部に対し0.05〜２重量部、好まし
くは0.3 〜１重量部である。この添加量が0.05重量部未
満では、溶融もしくは軟化したシートゴム弾性が低下
し、カレンダーの金属ロールから剥離したシートが伸び
て引き取り困難となる。２重量部を超えると、シートの
ゴム弾性が強すぎるためシート表面が荒れて平滑性が悪
くなる。
系樹脂としては、アクリル酸系またはメタクリル酸系ポ
リマーと４−フッ化エチレンとを共重合させたものが用
いられる。この添加量は、非結晶性ポリエチレンテレフ
タレート樹脂 100重量部に対し0.05〜２重量部、好まし
くは0.3 〜１重量部である。この添加量が0.05重量部未
満では、溶融もしくは軟化したシートゴム弾性が低下
し、カレンダーの金属ロールから剥離したシートが伸び
て引き取り困難となる。２重量部を超えると、シートの
ゴム弾性が強すぎるためシート表面が荒れて平滑性が悪
くなる。
【００１３】上記非結晶性ポリエチレンテレフタレート
樹脂組成物には、さらに顔料もしくは充填剤として広く
使用されている酸化チタン、タルク及びカルシウムの内
の一種もしくは２種以上を、非結晶性ポリエチレンテレ
フタレート樹脂 100重量部に対し、１〜20重量部、好ま
しくは２〜10重量部配合することで、カレンダーのバン
ク回転を円滑にし、かつ樹脂シートへのエアーの混入を
防止する効果がある。これによって通常カレンダーの各
ロールの温度や速度比率の変更によって行っていたシー
トのエアー混入防止調整が容易になる。そして得られた
シートは、エアー跡のない表面平滑性に優れたシートと
なる。この添加量が１重量部未満では樹脂シートへのエ
アー混入を防止する効果が少なく、20重量部を超えると
カレンダー加工が難しくなる。
樹脂組成物には、さらに顔料もしくは充填剤として広く
使用されている酸化チタン、タルク及びカルシウムの内
の一種もしくは２種以上を、非結晶性ポリエチレンテレ
フタレート樹脂 100重量部に対し、１〜20重量部、好ま
しくは２〜10重量部配合することで、カレンダーのバン
ク回転を円滑にし、かつ樹脂シートへのエアーの混入を
防止する効果がある。これによって通常カレンダーの各
ロールの温度や速度比率の変更によって行っていたシー
トのエアー混入防止調整が容易になる。そして得られた
シートは、エアー跡のない表面平滑性に優れたシートと
なる。この添加量が１重量部未満では樹脂シートへのエ
アー混入を防止する効果が少なく、20重量部を超えると
カレンダー加工が難しくなる。
【００１４】なお、非結晶性ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂組成物には、上述した材料のほかに、必要に応じ
て安定剤、界面活性剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填
剤、紫外線防止剤、顔料などを、カレンダー加工適性を
阻害しないように種類または量を選択して添加すること
ができる。
ト樹脂組成物には、上述した材料のほかに、必要に応じ
て安定剤、界面活性剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填
剤、紫外線防止剤、顔料などを、カレンダー加工適性を
阻害しないように種類または量を選択して添加すること
ができる。
【００１５】本発明の非結晶性ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂組成物のカレンダー加工方法は、４本以上の金
属ロールを備えたカレンダー加工機を用いて、その最終
金属ロールの表面温度が非結晶性ポリエチレンテレフタ
レート樹脂組成物のガラス転移温度より80〜 160℃高い
温度、特には 100〜 140℃高い温度で加工することによ
って、表面平滑性に優れた非結晶性ポリエチレンテレフ
タレートシートを得ることができる。最終金属ロールの
表面温度が非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組
成物のガラス転移温度＋80℃より低いときは、シート表
面が荒れて平滑性が悪く、逆に非結晶性ポリエチレンテ
レフタレート樹脂組成物のガラス転移温度よりも 160℃
高い温度を超えると、金属ロールからのシートの剥離性
が悪くなる。
ート樹脂組成物のカレンダー加工方法は、４本以上の金
属ロールを備えたカレンダー加工機を用いて、その最終
金属ロールの表面温度が非結晶性ポリエチレンテレフタ
レート樹脂組成物のガラス転移温度より80〜 160℃高い
温度、特には 100〜 140℃高い温度で加工することによ
って、表面平滑性に優れた非結晶性ポリエチレンテレフ
タレートシートを得ることができる。最終金属ロールの
表面温度が非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組
成物のガラス転移温度＋80℃より低いときは、シート表
面が荒れて平滑性が悪く、逆に非結晶性ポリエチレンテ
レフタレート樹脂組成物のガラス転移温度よりも 160℃
高い温度を超えると、金属ロールからのシートの剥離性
が悪くなる。
【００１６】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例および比
較例を挙げて説明する。 実施例１〜８、比較例１〜12 非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂 100重量部
に、表１及び表２に示す割合の下記材料を配合し、ヘン
シェルミキサーで均一に混合して、得られた組成物を逆
Ｌ形４本ロールのカレンダー加工機を用い、厚さ 0.3m
m、幅1000mmのシートに加工した。カレンダーの金属ロ
ールの表面温度は、溶融状態の樹脂組成物を投入するロ
ールから１番目のロールを 200℃、２番目のロールを 2
00℃、３番目のロールを 195℃、最終ロールを 140℃、
190℃及び 250℃と変化させ、金属ロールからの剥離
性、得られたシートの表面平滑性、カレンダーの最終金
属ロールからのシートの引き取り性を下記の基準で評価
し、その結果を表１及び表２に併記した。
較例を挙げて説明する。 実施例１〜８、比較例１〜12 非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂 100重量部
に、表１及び表２に示す割合の下記材料を配合し、ヘン
シェルミキサーで均一に混合して、得られた組成物を逆
Ｌ形４本ロールのカレンダー加工機を用い、厚さ 0.3m
m、幅1000mmのシートに加工した。カレンダーの金属ロ
ールの表面温度は、溶融状態の樹脂組成物を投入するロ
ールから１番目のロールを 200℃、２番目のロールを 2
00℃、３番目のロールを 195℃、最終ロールを 140℃、
190℃及び 250℃と変化させ、金属ロールからの剥離
性、得られたシートの表面平滑性、カレンダーの最終金
属ロールからのシートの引き取り性を下記の基準で評価
し、その結果を表１及び表２に併記した。
【００１７】（使用材料） ・非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂PETG 6763
（イーストマンケミカル社製、商品名、テレフタル酸 1
00モル％、エチレングリコール65〜70モル％及び１，４
−シクロヘキサンジメタノール30〜35モル％からなる非
結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂、ガラス転移温
度：80℃） ・アクリル酸系樹脂L-1000（三菱レイヨン社製、商品
名、重量平均分子量20万） ・アクリル酸系樹脂P-550A（同前、重量平均分子量 100
万） ・重量平均分子量１万及び 800万のアクリル酸系樹脂は
従来知られている方法で重合した材料を使用した。 ・４−フッ化エチレン変性アクリル酸系樹脂A-3000（同
前、表中、フッ化エチレン変性アクリル酸系樹脂とす
る）
（イーストマンケミカル社製、商品名、テレフタル酸 1
00モル％、エチレングリコール65〜70モル％及び１，４
−シクロヘキサンジメタノール30〜35モル％からなる非
結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂、ガラス転移温
度：80℃） ・アクリル酸系樹脂L-1000（三菱レイヨン社製、商品
名、重量平均分子量20万） ・アクリル酸系樹脂P-550A（同前、重量平均分子量 100
万） ・重量平均分子量１万及び 800万のアクリル酸系樹脂は
従来知られている方法で重合した材料を使用した。 ・４−フッ化エチレン変性アクリル酸系樹脂A-3000（同
前、表中、フッ化エチレン変性アクリル酸系樹脂とす
る）
【００１８】（評価方法） ・カレンダーの金属ロールからの剥離性（表中、金属ロ
ール剥離性とする）： 金属ロールからの溶融軟化したシートの剥離が非常に良
好である…◎ 金属ロールからの溶融軟化したシートの剥離が良好であ
る…………○ 金属ロールからの溶融軟化したシートの剥離が悪い……
……………×
ール剥離性とする）： 金属ロールからの溶融軟化したシートの剥離が非常に良
好である…◎ 金属ロールからの溶融軟化したシートの剥離が良好であ
る…………○ 金属ロールからの溶融軟化したシートの剥離が悪い……
……………×
【００１９】・シートの表面平滑性（表中、シート表面
平滑性とする）： シートの表面が非常に滑らかである…◎ シートの表面が滑らかである…………○ シートの表面が荒れて平滑でない……×
平滑性とする）： シートの表面が非常に滑らかである…◎ シートの表面が滑らかである…………○ シートの表面が荒れて平滑でない……×
【００２０】・シートの引き取り性（表中、シート引き
取り性とする）： カレンダーの最終金属ロールから剥離したシートが極度
に伸びず、引き取りが非常に容易である…◎ カレンダーの最終金属ロールから剥離したシートが極度
に伸びず、引き取りが容易である…………○ カレンダーの最終金属ロールから剥離したシートが極度
に伸びるため引き取りが難しい……………×
取り性とする）： カレンダーの最終金属ロールから剥離したシートが極度
に伸びず、引き取りが非常に容易である…◎ カレンダーの最終金属ロールから剥離したシートが極度
に伸びず、引き取りが容易である…………○ カレンダーの最終金属ロールから剥離したシートが極度
に伸びるため引き取りが難しい……………×
【００２１】重量平均分子量は、測定装置 SHODEX GPC
SYSTEM11（昭和電工社製、商品名）に、カラムSYODEX G
PC KF-800P（同前、保護）、SYODEX GPC KF-806F（同
前、分析）、検量線としての標準ポリスチレン（ウォー
ター・アソシエイツ社製）を使用し、溶媒にテトラヒド
ロフランを用いて、ＧＰＣ法により40℃で測定した。
SYSTEM11（昭和電工社製、商品名）に、カラムSYODEX G
PC KF-800P（同前、保護）、SYODEX GPC KF-806F（同
前、分析）、検量線としての標準ポリスチレン（ウォー
ター・アソシエイツ社製）を使用し、溶媒にテトラヒド
ロフランを用いて、ＧＰＣ法により40℃で測定した。
【００２２】
【表１】
【００２３】
【表２】
【００２４】
【発明の効果】本発明の非結晶性ポリエチレンテレフタ
レート樹脂組成物は、カレンダー加工に際し、金属ロー
ル離れがよく、剥離したシートの伸びが少なく、容易に
カレンダーの最終金属ロールから引き取ることができ
る。また得られたシートは、表面の平滑性に優れ、局部
的な厚さ変動のない高品位のシート状物であり、生産性
に優れている。このシート状物を使用することによっ
て、真空成形、圧空成形時のシートの局部的な厚さ変動
による穴がなく、積層ラミネート時のシワの発生やコー
ティング時の塗布抜けなどをなくすことができる。
レート樹脂組成物は、カレンダー加工に際し、金属ロー
ル離れがよく、剥離したシートの伸びが少なく、容易に
カレンダーの最終金属ロールから引き取ることができ
る。また得られたシートは、表面の平滑性に優れ、局部
的な厚さ変動のない高品位のシート状物であり、生産性
に優れている。このシート状物を使用することによっ
て、真空成形、圧空成形時のシートの局部的な厚さ変動
による穴がなく、積層ラミネート時のシワの発生やコー
ティング時の塗布抜けなどをなくすことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平８−283547（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−278418（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C08J 5/18 C08L 67/00 - 67/02
Claims (4)
- 【請求項１】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
100重量部に対し、重量平均分子量が５万〜 600万のア
クリル酸系樹脂 0.1〜15重量部と４−フッ化エチレン変
性アクリル酸系樹脂0.05〜２重量部の一方または両方を
配合してなることを特徴とする非結晶性ポリエチレンテ
レフタレート樹脂組成物。 - 【請求項２】酸化チタン、タルク及び炭酸カルシウムの
内の少なくとも一種類を１〜20重量部配合してなる請求
項１記載の非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組
成物。 - 【請求項３】重量平均分子量が５万〜 600万のアクリル
酸系樹脂が、重量平均分子量が５万以上〜70万未満のア
クリル酸系樹脂 0.2〜10重量部と重量平均分子量が70万
以上〜 600万以下のアクリル酸系樹脂を 0.1〜５重量部
の２種類の組み合わせからなる請求項１記載の非結晶性
ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物。 - 【請求項４】４本以上の金属ロールを備えたカレンダー
加工機を用いて、その最終金属ロールの表面温度が非結
晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物のガラス転
移温度より80〜 160℃高い温度で加工することを特徴と
する非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の
カレンダー加工方法。
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| JP31020698A JP3300674B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物とそのカレンダー加工方法 |
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