JP4059823B2 - スチレン系二軸延伸積層シートの製造方法 - Google Patents
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Description
少なくとも3層のスチレン系樹脂の層よりなり、かつ下記(1)および(2)を満たすことを特徴とするスチレン系二軸延伸積層シートの製造方法。
(1)表層を構成するスチレン系樹脂のビカット軟化点をVA[℃]、中層を構成するスチレン系樹脂のビカット軟化点をVB[℃]とした場合、下記数式1を満たす樹脂をそれぞれ使用する。
3[℃]≦VB−VA≦15[℃] 数式1
(2)縦延伸および横延伸時における温度を、中層を構成するスチレン系樹脂のビカット軟化点VB[℃]+5〜10℃に設定する。
まず、本発明におけるスチレン系多層シートは、少なくとも3層のスチレン系樹脂の層よりなり、かつ表層を構成するスチレン系樹脂のビカット軟化点をVA[℃]、中層を構成するスチレン系樹脂のビカット軟化点をVB[℃]とした場合、3[℃]≦VB−VA≦15[℃]を満たす樹脂をそれぞれ使用しなけらばならない。ここでビカット軟化点とはJISK7206に準拠して測定した樹脂の軟化温度をいう。
0[℃]≦VB−VA<3[℃]であると、上記のような樹脂界面に流れの乱れは生じにくくなるが、耐油性が不十分となる。本発明の積層シートの耐油性発現メカニズムは、ビカット軟化点の高い中層の樹脂に適した延伸温度で積層シートを延伸することにより、表層に歪を生じさせないところに起因する。すなわち中層は配向させることによりシートとしての強度を発現し、表層は歪が生じないため耐油性に寄与する。また0[℃]≦VB−VA<3[℃]であるとVBとVAの差が小さすぎ、表層にも歪が生じてしまうため十分な耐油性が得られない。
以上、発明者らが鋭意検討した結果3[℃]≦VB−VA≦15[℃]の範囲が耐油性と強度および外観にバランスの取れた、優れた積層シートが得られるとの結論に至った。
層比の確認方法としては、例えば表層のみ着色しておき、製膜後の積層シートをミクロトーム等の鋭利な刃物で切削後、その断面を光学式顕微鏡で観察し測定する方法がある。簡易的には中層用押出機と表層用押出機の吐出量の比をもって層比に置き換えても良い。
縦方向と横方向の配向緩和応力の差が大きいと、シートの方向性が強く存在するため一方向の裂けに対する強度が弱くなる傾向が見られる。これはクラックが、強度が低いつまり配向の低い方向に集中して成長しやすいため、破断しやすくなるからと考えられる。
使用する装置としては、慣用のものでよく、例えば押出機により樹脂を溶融混練してTダイからフラット状に共押出ししてロールを通すことによりシート化する押出成形法によりシート成形し、例えばテンター方式等の延伸法により、得られたシートを縦方向および横方向に延伸(二軸延伸)し、冷却する。この際、温度調節の方法としては、縦延伸時では、ロールの内部に水や油の冷媒を循環させ熱交換により冷やす方法がある。温度センサーが実温度を感知することにより、設定温度との差によって電磁弁等でバルブが自動的に開閉するものを使用すると良い。また横延伸時では、テンター内にヒーターで熱せられた熱風を吹き付けることによってその雰囲気温度を上昇させ、熱電対等の温度センサーの実温度を感知することにより、設定温度との差によってそのヒーターをオンオフさせるものが一般的である。
また、配向緩和応力をコントロールする方法としては、この時の設定温度やラインスピードを変化させることにより、得られるシートの配向緩和応力を変化させることができる。
装置名:東洋精機社製 VSPテスター
試験片:長さ30mm×幅19mm×厚さ3.2mmの試験片を射出成形にて成形後、23℃×50%の恒温恒湿室にて24時間放置し状態調整した。
試験法:5kgのウェイトを使用し、50℃/hr.の昇温速度で温度上昇させ、試験片に圧子が1mm進入した時の温度を記録。3回試験を行い、その平均値を採用した。
2.2軸延伸シート作成に使用した押出、延伸装置は以下の通りである。
中層用押出機:ナカタニ機械社製 PLASTIC EXTRUDER NVC65
表層用押出機:ナカタニ機械社製 PLASTIC EXTRUDER VSK40
縦延伸機:田辺プラスチックス機械社製 400型縦延伸ロールユニット
横延伸機:小林機械製作所社製 SK-WE A88-027
3.得られた2種3層の2軸延伸シートを目視で外観を観察し、良好なものを◎、ほぼメルトフラクチャーのないものを○、ややメルトフラクチャーがあるものを△、はっきりとメルトフラクチャーが認められるものを×とし、外観性の評価とした。
4.得られた2種3層の2軸延伸シートを用い、ASTM D1504に準じてシートの押出方向(縦方向)とそれに垂直な方向(横方向)での配向緩和応力の最大値であるσMおよびσTを測定した。試験片はシートより20mm×135mmに切り出したものを使用し、測定値には5回測定したその平均値をそれぞれ採用した。
(1)金型:
天面:90×170[mm]
高さ:50[mm]
底面:120×200[mm]
(2)成形条件:
成型機:関西自動成型機社製PK400
成形温度:使用樹脂により変更
圧接圧空遅れ:0.8[sec]
圧接真空遅れ:1[sec]
圧接時間:4[sec]
成型圧空時間3.5[sec]
○:良好
△:やや白濁あり
×:白濁あり
7.耐熱性の評価として、得られた容器成形品を110℃に設定した熱風乾燥機に10分間入れた後の容器の変形を目視で観察した。
◎:変形がわからない
○:変形が微小である
△:変形があるが外寸はあまり変わらない
×:大きく変形し、寸法も変わっている
○:30[J]以上
△:20[J]以上30[J]未満
×:20[J]未満
樹脂(1):東洋スチレン(株)製PSのHRM6。ビカット軟化点は101℃であった。
樹脂(2):内容積210Lのオートクレーブに純水90Kgにポリビニルアルコール100gを添加し撹拌した。次にスチレン49.3kg、メタクリル酸0.7Kg、重合開始材としてt−ブチルパーオキシ−2―エチルヘキサノエート55g、エチルー3,3−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブチレート10g、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマー45gを仕込み、温度112℃に昇温して6時間、その後温度132℃で4.5時間保持し重合を行った。得られたビーズを洗浄、脱水、乾燥した後、押出してペレット形状の樹脂を得た。ビカット軟化点は103℃であった。
樹脂(3):スチレンの仕込量を48.5Kg、メタクリル酸の仕込量を1.5Kgとした他は樹脂(2)と同様にした。ビカット軟化点は108℃であった。
樹脂(4):スチレンの仕込量を47Kg、メタクリル酸の仕込量を3Kgとした
他は樹脂(2)と同様にした。ビカット軟化点は112℃であった。
樹脂(5):スチレンの仕込量を46Kg、メタクリル酸の仕込量を4Kgとした
他は樹脂(2)と同様にした。ビカット軟化点は117℃であった。
樹脂(3)を中層用押出機において、樹脂(1)を表層用押出機において、それぞれ230℃でTダイにより共押出された樹脂を、縦延伸機にて設定温度115℃で流れ方向に2.2倍、ついで横延伸機にて設定温度115℃で幅方向に2.2倍に延伸して厚さ約0.3mmの2種3層((1)/(3)/(1))の2軸延伸シートを得た。この時のラインスピードは8m/minである。得られた2軸延伸シートを上記3の方法で外観を目視観察したところ良好であった。上記4ほ方法で配向緩和応力の最大値であるσMおよびσTを測定したところ、σM=0.8MPa、σT=0.76MPaであった。
得られた2種3層の2軸延伸シートを上記5の方法で135℃にて容器に熱板成形した。得られた容器成形品において上記6の方法で耐油性試験を、上記7の方法で耐熱試験を、上記8の方法で落錘強度を評価した。
以上の各結果を表1に示す。
使用樹脂、表層割合のうち一部を変えた他は、実施例1と同様に実施した。ただし縦延伸温度、横延伸温度、熱板成形は適宜表2に示すように変更した。以上の結果を表1にまとめて示した。
Claims (1)
- 少なくとも3層のスチレン系樹脂の層よりなり、かつ下記(1)および(2)を満たすことを特徴とするスチレン系二軸延伸積層シートの製造方法。
(1)表層を構成するスチレン系樹脂のビカット軟化点をVA[℃]、中層を構成するスチレン系樹脂のビカット軟化点をVB[℃]とした場合、下記数式1を満たす樹脂をそれぞれ使用する。
3[℃]≦VB−VA≦15[℃] 数式1
(2)縦延伸および横延伸時における温度を、中層を構成するスチレン系樹脂のビカット軟化点VB[℃]+5〜10℃に設定する。
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JP2003306329A JP4059823B2 (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | スチレン系二軸延伸積層シートの製造方法 |
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