JP4053022B2 - ポリスチレン系二軸延伸積層シート、成形体および容器 - Google Patents

ポリスチレン系二軸延伸積層シート、成形体および容器 Download PDF

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本発明は、耐油性、耐熱性、外観に優れ、かつ強度とバランスの取れたポリスチレン系二軸延伸積層シートおよび成形体に関するものであり、特に食品包装用途として有用なシート、成形品および容器に関するものである。
ポリスチレンの二軸延伸シートは、透明性、剛性があり、比較的安価であるため、特に食品包装用の軽量容器として幅広く使用されている。しかしながら、これらの容器は耐熱性と耐油性に劣ることから、近年急速に普及した電子レンジ加熱用途としては使用されていない。これを解決する手段として、スチレン系単量体単位とアクリル酸、メタクリル酸、及び無水マレイン酸のうちの少なくとも一種の単量体からなる共重合体を用いた二軸延伸スチレン系耐熱シートが提案されているが(例えば、特許文献1参照)、コンビニエンスストア等で成形容器中のカレーや焼肉弁当などの食品に接触した状態で電子レンジで加熱した時に、接触部分が白化、変形する問題が生じ、耐熱性と耐油性において市場での要求を満足するレベルには達していない。
特公平3−67608号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、製膜性、透明性、耐油性、耐熱性、外観に優れ、かつ強度とバランスの取れたポリスチレン系二軸延伸積層シートおよび成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、ポリスチレン系二軸延伸シートにおいて、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、積層構成が特定の成分からなることを特徴とする二軸延伸積層シート、及びその成形品を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下のとおりである。
1)基材層とその少なくとも片面に表層を有し、表層の樹脂組成物(A)がスチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体(A1)と、スチレン系単量体単位及びアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸のうちの少なくとも一種の単量体単位とからなる共重合体(A2)からなり、基材層がスチレン系単量体単位とアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸のうちの少なくとも一種の単量体単位からなる共重合体(B)からなり、かつA1中のスチレン系単量体単位以外の質量組成比(RA1)とA2中のスチレン系単量体単位以外の質量組成比(RA2)が下記の数4式の条件を満足し、更に表層の樹脂組成物(A)のビカット軟化点をVA[℃]、基材層の共重合体(B)のビカット軟化点をVB[℃]とした場合、VB−VAが20℃未満であることを特徴とするポリスチレン系二軸延伸積層シート。

Figure 0004053022
2)下記の数5式の条件を満足することを特徴とする1)記載のポリスチレン系二軸延伸積層シート。
Figure 0004053022
3)上記1)または2)記載のポリスチレン系二軸延伸積層シートにおいて、基材層を構成する共重合体(B)中のスチレン系単量体単位以外の成分が占める割合が3.5〜20質量%であることを特徴とするポリスチレン系二軸延伸積層シート。
4)上記1)〜3)記載のポリスチレン系二軸延伸積層シートにおいて、その縦方向の配向緩和応力をσM、横方向の配向緩和応力をσTとした場合、下記の数6式の条件を満足することを特徴とするポリスチレン系二軸延伸積層シート。
Figure 0004053022
5)上記1)〜4)記載のポリスチレン系二軸延伸積層シートにおいて、総シート厚さに占める表層厚さの5%以上25%以下であることを特徴とするポリスチレン系二軸延伸積層シート。
6)上記1)〜5)に記載のポリスチレン系二軸延伸積層シートを熱成形してなる成形品およびその食品包装容器。
本発明は特定の樹脂の組み合わせにより、耐油性、耐熱性と優れた外観を有し、かつ強度とのバランスの取れたスチレン系積層体シート、その製造方法及び容器を提供するものであり、得られた容器は特に食品包装用の軽量容器などの用途に好適に用いられるものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物(A)はスチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体(A1)とスチレン系単量体単位及びアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸のうちの少なくとも一種の単量体単位からなる共重合体(A2)とからなる。(A1)成分を構成するスチレン系単量体とは、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、エチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等をあげることができるが、好ましくはスチレン、α-メチルスチレン、特に好ましくはスチレンである。これらスチレン系単量体は、単独でもよいが二種類以上を併用してもよい。
本発明で使用する(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート等があげられるが、好ましくは、メチルメタクリレートである。これら(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
樹脂組成物(A)を構成する共重合体(A1)中のスチレン系単量体単位以外の質量組成比(RA1)と共重合体(A2)中のスチレン系単量体単位以外の質量組成比(RA2)が下記の数1式の条件を満足することが必須である。ここでいう質量組成比とは、共重合体中に含まれるスチレン系単量体単位以外の質量を質量%で表示したものである。下記数1式の範囲を外れると、共重合体(A1)と共重合体(A2)の相溶性が劣り、透明性が低下し、外観を損ねてしまう。本発明においては、下記数7式を満たせば、質量組成比RA1とRA2は特に限定されない。
Figure 0004053022
表層の樹脂組成物(A)のビカット軟化点をVA[℃]、基材層の共重合体(B)のビカット軟化点をVB[℃]とした場合、VB−VAが20℃未満であることが必要であるが、好ましくは3≦VB−VA≦15、更に好ましい範囲は、6≦VB−VA≦9である。樹脂組成物(A)を構成する(A1)/(A2)の質量比は、特に限定されないが、10/90〜90/10が好ましい。ここでビカット軟化点とはJIS−K7206に準拠して測定した樹脂の軟化温度をいう。本発明の積層シートの耐油性発現メカニズムは、ビカット軟化点の高い基材層の樹脂に適した延伸温度で積層シートを延伸することにより、表層に歪を生じさせないところに起因する。すなわち基材層は配向させることによりシートとしての強度を発現し、表層は歪が生じないため耐油性に寄与する。従って、0≦VB−VA<3であるとVBとVAの差が小さすぎ、表層にも歪が生じてしまう場合があり十分な耐油性が得られないことがある。一方、VB−VAが20以上であれば、耐油性は発現するが、基材層に対して表層の粘度が低くなるため、特に製造工程の縦延伸工程でトラブルを生じることがある。具体的には、基材層の適正温度で製膜すると、表層がロールに粘着することで製膜に困難が生じたり、シートに縞模様が形成され外観が柔らかすぎてロールへ密着してしまいシートの外観が劣る。一方、表層の適正温度で製膜すると、基材層が固すぎてシートが破断してしまう。またシートがえられたとしても、それを熱盤成形で成形する際、熱盤に融着したり、レインドロップと呼ばれる水滴上の凸凹不良が発生しやすくなる。なお、本発明では、表層樹脂組成と基材層に共重合組成を調整することで、VB−VAが20未満であり、好ましい範囲の3≦VB−VA≦15を満たすことができる。
基材層を構成する共重合体(B)中のスチレン系単量体単位以外の成分が占める割合は3.5〜20質量%であり、好ましい範囲は6.0〜15質量%、より好ましい範囲は、8.0〜12質量%である。この値が低いと、市場で要求される耐熱レベルを満足することができず、また高くなると、押出加工性が著しく低下するとともに、アクリル酸、メタクリル酸は、押出機内で脱水反応を起こし、ゲルが多量に発生し、得られたシートの外観を悪化させてしまう。
ポリスチレン系二軸延伸積層シートにおいて、その縦方向の配向緩和応力をσM、横方向の配向緩和応力をσTとした場合、|σM−σT|≦0.2[MPa]を満たさなければならず、好ましい範囲は、0≦|σM−σT|≦0.1[MPa]、より好ましい範囲は、0≦|σM−σT|≦0.02[MPa]である。ここでいう配向緩和応力とは、シート押出方向(縦方向)あるいはそれに垂直な方向(横方向)にそってシートより切り出した試験片を用いて測定するものであり、ASTMD1504に準じて測定できる。縦方向と横方向の配向緩和応力の差が大きいと、シートの方向性が強く存在するため一方向の裂けに対する強度が弱くなる傾向が見られる。これはクラックが強度が低いつまり配向の低い方向の集中してして成長しやすいため、破断しやすくなるからと考える。
総シート厚さに占める表層厚さは、5%以上25%以下が望ましく、好ましくは8%以上20%以下、より好ましくは10%以上15%以下である。表層厚さが5%より少ないと、樹脂界面に流れの乱れが発生しシート外観が損なわれる場合がある。これは金型内の表層樹脂の流路が狭すぎると樹脂の流れがスムースでなくなる為に、基材層樹脂との合流時に界面に乱れが生じてしまう為と考えられる。表層厚さの割合が25%を超えると、耐油性を発現する表層はその目的から低歪で配向がかかっていない為に強度面では弱く、さらに表層厚さの割合が25%を超えると透明性が低下することがある。以上より鋭意検討した結果、総シート厚さに占める表層厚さの割合は5%以上25%以下が望ましい。層比の確認方法としては、例えば表層のみを着色し、製膜後の積層シートをミクロトーム等の鋭利な刃物で切削後、その断面を光学式顕微鏡で観察し測定する方法がある。簡易的には基材層用押出機と表層用押出機の吐出量の比をもって層比に置き換えても良い。
ポリスチレン系二軸延伸積層シートの製造方法については特に制限はなく、従来の二軸延伸積層シートの製造において慣用されている方法を用いる。例えば押出機により樹脂を溶融混練して、マルチマニホールドダイやフィードブロックを用いた多層押出法により一括して積層シートを作製し、続いて、テンター方式等の延伸法により得られたシートを縦方向及び横方向に延伸(二軸延伸)し、冷却する。この際、温度調節の方法としては、縦延伸時では、ロールの内部に水や油の冷媒を循環させ熱交換により冷却する方法がある。温度センサーが実温度を感知することにより、設定温度との差によって電磁弁等でバルブが自動的に開閉するものを使用すると良い。また横延伸時では、テンター内にヒーターで熱せられた熱風を吹き付けることによってその雰囲気温度を上昇させ、熱電対等の温度センサーの実温度を感知することにより、設定温度との差によってそのヒーターをオンオフさせるものが一般的である。縦延伸及び横延伸時における設定温度は基材層樹脂が配向により強度を発現できる温度、具体的には基材層樹脂のビカット軟化点VBより5〜10℃高い温度に設定することが好ましい。同時にこの温度は表層樹脂にとっては歪のかかりにくい温度となり、耐油性も発現する。また配向緩和応力を制御する方法としては、延伸設定温度やラインスピードを変化させる方法等がある。
ポリスチレン系二軸延伸積層シートは、シート化の為に溶融混練時あるいは原料製造時に、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、離型剤、可塑剤、顔料、染料、発泡剤、発泡核剤、無機フィラー、帯電防止剤等公知の添加剤を含有することができる。
ポリスチレン系二軸延伸積層シートから成形品を得る方法としては、市販の一般的な熱盤圧空成形機を使用して得ることができる。使用する成形機は、熱盤にシートが圧接している時間や圧空による成形する時間、シート圧接から圧空成形に切り替わるタイムラグ、成形サイクル等が設定できるタイプのものが望ましい、これらの方法は例えば非特許文献1に記載されている。
高分子学会編「プラスチック加工技術ハンドブック」日刊工業新聞社(1995)
以下に実施例と比較例を用いて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例において使用した樹脂組成物1〜16の製造方法を示す。
樹脂組成物1〜16
下記の方法から得られた共重合体(A1)−1〜5と共重合体(A2)−1〜6から樹脂組成物(A)−1〜5を表1に示した配合割合にてヘンシェルミキサーで混合した後、二軸押出機(東芝機械社製TEM35B、シリンダー温度230℃)を用いて溶融混練してペレットを作製し樹脂組成物1〜16を得た。樹脂組成物1〜16のビカット軟化点を表1に記載した。
(1)共重合体A1の製造
共重合体(A1−1)
内容積200リットルの重合缶に、純水70.4kg、第三リン酸カルシウム300gを加え、攪拌した後、スチレン76.0kg、メチルメタクリレート4.0kg、ベンゾイルパーオキサイド267.2gを加え、密封して100℃で6時間反応させた。これを冷却した後、中和、脱水、乾燥した。これを熱分解ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、メチルメタクリレート質量組成比(RA1)は5%であった。
共重合体(A1−2)
スチレン64.0kg、メチレメタクリレート16.0kgとした以外は、上記共重合体(A1)−1と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メチルメタクリレート質量組成比(RA1)は20%であった。
共重合体(A1−3)
スチレン44.0kg、メチレメタクリレート36.0kgとした以外は、上記共重合体(A1)−1と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メチルメタクリレート質量組成比(RA1)は45%であった。
共重合体(A1−4)
スチレン24.0kg、メチレメタクリレート56.0kgとした以外は、上記共重合体(A1)−1と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メチルメタクリレート質量組成比(RA1)は70%であった。
共重合体(A1−5)
スチレン8.0kg、メチレメタクリレート72.0kgとした以外は、上記共重合体(A1)−1と同様の操作をして共重合体を得た。これをを上記同様の分析を実施した結果、メチルメタクリレート質量組成比(RA1)は90%であった。
(2)共重合体(A2)の製造
共重合体(A2−1)
内容積210リットルの重合缶に、純水90.0kg、ポリビニルアルコール100gを加え、攪拌した後、スチレン49.0kg、メタクリル酸1.0kg、重合開始材としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート55g、エチル−3、3−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブチレート10g、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマー45gを仕込み、温度112℃の昇温して6時間、その後温度132℃で4.5時間保持し重合を行なった。得られたビーズを洗浄、脱水、乾燥した後、押出してペレット形状の樹脂を得た。これを熱分解ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、メタクリル酸質量組成比(RA2)は2%であった。
共重合体(A2−2)
スチレンの仕込み量を47kg、メタクリル酸の仕込み量を3kgとした以外は、共重合体(A2−1)と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メタクリル酸質量組成比(RA2)は6%であった。
共重合体(A2−3)
スチレンの仕込み量を45kg、メタクリル酸の仕込み量を5kgとした以外は、共重合体(A2−1)と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メタクリル酸質量組成比(RA2)は10%であった。
共重合体(A2−4)
スチレンの仕込み量を42.5kg、メタクリル酸の仕込み量を7.5kgとした以外は、共重合体(A2−1)と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メタクリル酸質量組成比(RA2)は15%であった。
共重合体(A2−5)
スチレンの仕込み量を40.0kg、メタクリル酸の仕込み量を10.0kgとした以外は、共重合体(A2−1)と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メタクリル酸質量組成比(RA2)は20%であった。
共重合体(A2−6)
スチレンの仕込み量を37.5kg、メタクリル酸の仕込み量を12.5kgとした以外は、共重合体(A2−1)と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メタクリル酸質量組成比(RA2)は25%であった。
Figure 0004053022
次に実施例及び比較例において使用した共重合体(B)−1〜5の製造方法を示す。
共重合体(B)−1
スチレンの仕込み量を48.5kg、メタクリル酸の仕込み量を1.5kgとした以外は、共重合体(A2−1)と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メタクリル酸質量組成比(RA2)は3%であった。
共重合体(B)−2
スチレンの仕込み量を48.25kg、メタクリル酸の仕込み量を1.75kgとした以外は、共重合体(A2−1)と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メタクリル酸質量組成比(RA2)は3.5%であった。
共重合体(B)−3
スチレンの仕込み量を46.0kg、メタクリル酸の仕込み量を4.0kgとした以外は、共重合体(A2−1)と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メタクリル酸質量組成比(RA2)は8%であった。
共重合体(B)−4
スチレンの仕込み量を44.0kg、メタクリル酸の仕込み量を6.0kgとした以外は、共重合体(A2−1)と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メタクリル酸質量組成比(RA2)は12%であった。
共重合体(B)−5
スチレンの仕込み量を37.5kg、メタクリル酸の仕込み量を12.5kgとした以外は、共重合体(A2−1)と同様の操作をして共重合体を得た。これを上記同様の分析を実施した結果、メタクリル酸質量組成比(RA2)は25%であった。
次に、本発明における測定法、評価法を以下に説明する。
(1)ビカット軟化点(Vicat軟化点)
JIS−K7206に準拠して、樹脂組成物1〜16及び共重合体(B)−1〜5を各々用いて、試験片として厚み3.2mmの射出成型品を成形後、23℃×50%の恒温恒温室にて24時間放置し、状態調整を行い、5kgのウェイトを使用し、50℃/hr.の昇温速度で温度上昇させ、試験片に圧子が1mm進入したときの温度を記録した。これを3回繰り返しその平均値を採用した。
(2)製膜性
多層押出機のTダイからシート化する際に、ロール粘着が著しくシートが不可能だったものを×、順調に製膜ができて、得られたシートの厚み精度を幅方向で10cm間隔で5点測定した。厚みの精度(厚みの最大値と最小値の差と、各測定点での厚みの平均値との比)が10%を超え30%以下のものを○、10%以下のものを◎とした。
(3)シート外観
多層押出機のTダイから得られた多層シートの界面における波打ち現象が著しく外観不良のものを×、やや劣るものを△、良好なものを○とした。
(4)透明性の評価
後記する実施例で得られたシートのHazeを測定し、Hazeの値が1.5未満のものを○、1.5以上3.0未満のものを△、3.0以上のものを×とした。
(5)最大配向緩和応力
後記する実施例の共重合体の二軸延伸シートを用いASTM D1504に準じてシート押出方向(縦方向)とそれに垂直な方向(横方向)での配向緩和応力の最大値を測定した。
(6)耐油性の評価
試験評価用の勘合容器の成型条件
後記する実施例の共重合体の二軸延伸シートを用い、下記の条件の金型及び成型条件等で勘合容器を得た。
(イ)金型:
天面 :90×170[mm]
高さ :50[mm]
勘合面:120×200[mm](ロ)成型条件:
成型機:関西自動成型機社製、圧空真空成型機
ヒーター温度:145[℃]
金型温度 :145[℃]
成型時間 :15[sec]
圧接圧空遅れ:0.8[sec]
圧接真空遅れ:1.0[sec]
圧接時間 :5.0[sec]
成型圧空時間:3.5[sec]
耐油性の評価として、得られた容器成形品の天面部中央部より50×30[mm]の試験片を採取し90℃の椰子油(月島食品工業株式会社製精製ヤシ油)に5分間漬けた後に取り出し、白濁の有無を目視で観察した。
◎:良好
○:やや白濁あり
△:白濁
×:大きく変形し、亀裂が入る
(5)耐熱性の評価
上記成形条件で得られた容器成形品を110℃に設定した熱風乾燥機に10分間入れた後の容器の変形を目視で観察した。
○:変形がわからない。
△:変形があるが、外寸はあまり変わらない。
×:大きく変形し、寸法も変わっている
(6)強度の評価
強度の評価として、上記成形条件で得られた容器成形品の天面中央に錐を落下させ、割れが発生するエネルギー([J]=錐高さ[m]×錐重さ[kg])を測定し、これを落錐強度とした。錐は成形品に接触する部分は同じで、質量を変化させることができ、接触する先端部は直径15[mm]の半球状である。割れが発生するまで高さを1cm刻みで高くしてシートが割れるまで予備テストを行う。シートに割れが発生すると落下高さを1cm低くし、また割れが発生しない場合は落下高さを1cm高くするというテストを繰返す。測定値には10回測定したその平均値を採用した。
◎:50[J]以上
○:30以上50未満[J]
×:30[J]未満
実施例1
上述の樹脂組成物2を表層用に、共重合体(B)−3基材層用に用い、それぞれ240℃で多層押出機のTダイから共押出された樹脂を縦延伸機にて設定温度115℃で流れ方向に2.2倍、ついで横延伸機にて設定温度115℃で幅方向に2.2倍延伸して厚さ約0.3mmの2種3層の各構成の多層二軸延伸シートを得た。この時、所定の表層割合となるように、基材層用押出機と表層用押出機の吐出量を調整した。得られた多層シートの縦方向の配向緩和応力と、横方向の配向緩和応力の差 |σM−σT|、総シート厚さに占める表層厚さの割合、製膜性、シート外観、透明性、及び得られた多層シートを135℃にて熱板成形した容器の耐油性、耐熱性、落錐強度を表2に示す。各評価項目において結果が良好でバランスが取れていることがわかる。
実施例2〜15及び比較例1〜9
表層と基材層に用いる樹脂を変えた以外は、実施例1と同様に実施した。
Figure 0004053022

Claims (7)

  1. 基材層とその少なくとも片面に表層を有し、表層の樹脂組成物(A)がスチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体(A1)と、スチレン系単量体単位及びアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸のうちの少なくとも一種の単量体単位とからなる共重合体(A2)からなり、基材層がスチレン系単量体単位とアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸のうちの少なくとも一種の単量体単位からなる共重合体(B)からなり、かつA1中のスチレン系単量体単位以外の質量組成比(RA1)とA2中のスチレン系単量体単位以外の質量組成比(RA2)が下記の数1式の条件を満足し、更に表層の樹脂組成物(A)のビカット軟化点をVA[℃]、基材層の共重合体(B)のビカット軟化点をVB[℃]とした場合、VB−VAが20℃未満であることを特徴とするポリスチレン系二軸延伸積層シート。
    Figure 0004053022
  2. 下記の数2式の条件を満足することを特徴とする請求項1記載のポリスチレン系二軸延伸積層シート。
    Figure 0004053022
  3. 基材層を構成する共重合体(B)中のスチレン系単量体単位以外の成分が占める割合が3.5〜20質量%であることを特徴とする請求項1または2記載のポリスチレン系二軸延伸積層シート 。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリスチレン系二軸延伸積層シートにおいて、その縦方向の配向緩和応力をσM、横方向の配向緩和応力をσTとした場合、下記の数3式の条件を満足することを特徴とするポリスチレン系二軸延伸積層シート。
    Figure 0004053022
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリスチレン系二軸延伸積層シートにおいて、総シート厚さに占める表層厚さが5%以上25%以下であることを特徴とするポリスチレン系二軸延伸積層シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のポリスチレン系二軸延伸積層シートを熱成形してなる成形品。
  7. 請求項6記載の食品包装容器。
JP2004169917A 2004-06-08 2004-06-08 ポリスチレン系二軸延伸積層シート、成形体および容器 Expired - Fee Related JP4053022B2 (ja)

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