JP2005035208A - 耐油性スチレン系積層体シートおよび容器 - Google Patents

耐油性スチレン系積層体シートおよび容器 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性、剛性があり、かつ比較的安価な耐油性スチレン系積層体およびその容器を提供する。
【解決手段】スチレン系重合体またはこの重合体を含有する重合体組成物Aを中層に、Aと異なるスチレン系重合体またはこの重合体を含有する重合体組成物Bを表層として共押出することにより積層した後に、2軸延伸して得られるスチレン系積層体シートにおいて、その縦方向の配向緩和応力をσM、横方向の配向緩和応力をσTとし、中層Aのみでの縦方向の配向緩和応力をσMA、横方向の配向緩和応力をσTA、表層Bのみでの縦方向の配向緩和応力をσMB、横方向の配向緩和応力をσTBとした場合、下記数式1,2の条件を満足するスチレン系積層体シートおよびそれを熱成形してなる容器。
|σM−σT|≦2[kg/cm2] 数式1
{(σMA+σTA)/2}−{(σMB+σTB)/2}≧2[kg/cm2] 数式2
【選択図】なし

Description

本発明は、耐油性に優れたスチレン系積層体シートおよびその容器に関するものであり、特に食品等の各種容器として有用な積層体シートおよびその容器に関するものである。
スチレン系容器は様々な用途に用いられており、透明性、剛性があり、かつ比較的安価であるため、特に食品包装用の軽量容器として幅広く使用されている。容器の内容物である食品には油分の含まれているものが多く、容器の耐油性は重要な要求特性の1つとなっている。ポリスチレン樹脂に耐油性を与える方法としては、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを共重合させる方法が一般的である(例えば、特許文献1参照。)。また食品と接触する面にポリエチレンやポリプロピレン樹脂をラミネートして耐油性を上げる方法(例えば、特許文献2参照。)、スチレン系樹脂にポリエステル樹脂を積層する方法(例えば、特許文献3参照。)がある。しかしながらアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを共重合させる方法は、シートおよび容器にした際の透明性が低下する問題がある。また、ポリエチレンやポリプロピレンをポリスチレンにラミネートして耐油性を上げる方法やポリエステル樹脂を積層する方法は、層間の接着性に問題がある(例えば、非特許文献1参照。)ほか透明性が著しく損なわれる。
特開昭55−56112号公報 特開平10−86923号公報 特表平1−500893号公報 プラスチックスエージ、46巻6号、p106−112、2002年(葛良忠彦)
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、透明性、剛性があり、かつ比較的安価な耐油性スチレン系積層体およびその容器を提供することを目的とするものである。
即ち本発明は下記の通りである。
スチレン系重合体またはこの重合体を含有する重合体組成物Aを中層に、Aと異なるスチレン系重合体またはこの重合体を含有する重合体組成物Bを表層として共押出することにより積層した後に、2軸延伸して得られるスチレン系積層体シートにおいて、その縦方向の配向緩和応力をσM、横方向の配向緩和応力をσTとし、中層Aのみでの縦方向の配向緩和応力をσMA、横方向の配向緩和応力をσTA、表層Bのみでの縦方向の配向緩和応力をσMB、横方向の配向緩和応力をσTBとした場合、下記数式1,2の条件を満足するスチレン系積層体シートおよびそれを熱成形してなる容器である。
|σM−σT|≦2[kg/cm2] 数式1
{(σMA+σTA)/2}−{(σMB+σTB)/2}≧2[kg/cm2] 数式2
好ましくはスチレン系重合体またはこの重合体を含有する重合体組成物Aを中層に、Aと異なるスチレン系重合体またはこの重合体を含有する重合体組成物Bを表層として共押出することにより積層した後、それを2軸延伸して多層シートを製造する方法において、縦延伸工程のキャストロール設定温度を60℃以上100℃以下に温度調節することである。またそのシートの縦方向の配向緩和応力をσM、横方向の配向緩和応力をσTとし、中層Aのみでの縦方向の配向緩和応力をσMA、横方向の配向緩和応力をσTA、表層Bのみでの縦方向の配向緩和応力をσMB、横方向の配向緩和応力をσTBとした場合、下記数式3,4の条件を満足させるスチレン系積層体シートの製造方法およびその製造方法で製造されたスチレン系積層体シートを熱成形してなる容器である。
|σM−σT|≦0.5[kg/cm2] 数式3
3[kg/cm2]≧{(σMA+σTA)/2}−{(σMB+σTB)/2}≧2[kg/cm2] 数式4
さらに好ましくは中層Aの厚さに対する表層Bの厚さが10%以下であるスチレン系積層体シートおよびそれを熱成形してなる容器である。またさらに好ましくはスチレン系重合体Aの重量平均分子量(Mw)が15〜45万であるものを用いたスチレン系積層体シートおよびそれを熱成形してなる容器である。
本発明は耐油性と強度を兼ね備えたスチレン系積層体シートおよび容器を提供するものであり、得られた容器は特に食品包装用の軽量容器などの用途に好適に用いられるものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
まず、本発明におけるスチレン系多層シートは縦方向と横方向の配向緩和応力の差|σM−σT|が2[kg/cm2]以下でなければならない。ここでいう配向緩和応力とは、シート押出方向(縦方向)あるいはそれに垂直な方向(横方向)にそってシートより切り出した試験片を用いて測定するものであり、ASTM D1504に準じて測定できる。
縦方向と横方向の配向緩和応力の差が大きいと、シートの方向性が強く存在するため一方向の裂けに対する強度が弱くなる傾向が見られる。これはクラックが、強度が低いつまり配向の低い方向に集中して成長しやすいため、破断しやすくなるからと考えられる。したがって縦方向と横方向の配向緩和応力の差は2[kg/cm2]以下であることが必要であり、好ましくは1[kg/cm2]以下、更に好ましくは0.5[kg/cm2]以下である。
また、本発明におけるスチレン系積層体シートは、中層Aのみでの縦方向の配向緩和応力をσMA、横方向の配向緩和応力をσTA、表層Bのみでの縦方向の配向緩和応力をσMB、横方向の配向緩和応力をσTBとした場合、σMAとσTAの平均値がσMBとσTBの平均値より2[kg/cm2]以上大きくなければならない。これが2[kg/cm2]未満となると耐油性と強度のバランスをとる事が出来ない。
配向緩和応力が大きい、すなわち分子鎖が伸ばされた状態は強度が発現する。しかし同時に表面に歪を生じている為、クレージングと呼ばれる微小クラックが薬品で膨潤し、白濁に至る為に耐油性に劣る。したがって中層の配向緩和応力が大きく、表層の配向緩和応力が小さければ耐油性と強度が両立する事が出来る。発明者らが鋭意検討した結果、σMAとσTAの平均値がσMBとσTBの平均値より2[kg/cm2]以上大きければ耐油性と強度のバランスが良いことを見出した。
またσMAとσTAの平均値がσMBとσTBの平均値より2[kg/cm2]以上大きく3[kg/cm2]以下であることが好ましい。2[kg/cm2]以上大きければ耐油性と強度のバランスが良いことは上述したが、その値が大きすぎると中層と表層の強度差がありすぎるために、特に製造工程の縦延伸工程でトラブルを生じることがある。具体的には、中層が硬すぎてシートが破断したり、表層が柔らかすぎてロールへ密着してしまいシートに縞模様が形成され外観が悪くなることがある。
また、配向緩和応力が小さい表層の比率がある程度以上大きくなってしまうと、耐油性は良いものの強度が低下する傾向にある。したがって中層Aの厚さに対する表層Bの厚さが10%以下である事が好ましく、さらに好ましくは5%以下である。ここで表層Bは中層に対して片面のみに設けても両面に設けてもよく、油分等が接触する環境に応じて使い分けてよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で中層Aと表層Bに加えて必要に応じ他の層を加えて設けても良い。但し、配向緩和応力が小さい表層Bは必ず油分等が接触する最外層にする必要がある。
層比の確認方法としては、例えば表層のみ着色しておき、製膜後の積層体シートをミクロトーム等の鋭利な刃物で切削後、その断面を光学式顕微鏡で観察し測定する方法がある。簡易的には中層用押出機と表層用押出機の吐出量の比をもって層比に置き換えても良い。
層毎の配向緩和応力を測定する方法としては、逐次除去法を利用して応力を求め、それをあらかじめ求めておいた関係式により配向緩和応力に置き換える方法(例えば、非特許文献2参照。)、マイクロ波分子配向計を利用して配向度を求め、それをあらかじめ求めておいた関係式により配向緩和応力に置き換える方法(例えば、非特許文献3参照。)、等があるが、簡易的には同一条件で各々の樹脂を単層で製膜した時の配向緩和応力を測定し、その値をもって多層時の層毎の配向緩和応力としてもよい。
材料システム、15巻平成8年11月号、p93−101(新保寛ら) 成形加工、7巻11号、p723−728、1995年(図師泰伸ら) 本発明に使用する配向緩和応力をコントロールしたシートを得る方法としては、慣用の成形方法、例えば押出機により樹脂を溶融混練してTダイからフラット状に共押出ししてシート化する押出成形法によりシート成形し、慣用の延伸方法、例えば、テンター方式等の延伸法により、得られたシートを縦方向および横方向に延伸(二軸延伸)し、冷却することにより得られる。この時の設定温度やラインスピードを変化させることにより、得られるシートの配向緩和応力を変化させることができる。
ここで縦方向にシートを延伸する縦延伸工程においては、一般にTダイから押し出された溶融樹脂をキャストロール、予熱ロール、延伸ロール、アニールロール、ピンチロールの順番でシート走行させていくが、キャストロールにおいてその設定温度を60℃以上100℃以下に温度調節することが好ましい。これは中層と比較して表層の配向緩和応力が小さい、すなわち走行中のシートは中層が硬く、表層が柔らかくなる為である。表層が柔らかいとロールに付着し易くなり、シートに流れ方向と直角方向に縞状模様が出て外観が損なわれたり、ひどいときにはロールに巻き付き破断を起こしてしまい安定した製造ができない場合がある。そこで溶融樹脂が初めて接触することになるキャストロールにおいて、その設定温度を調節してシート温度をある程度下げる事により、より安定した製造が可能となる。ただし設定温度を60℃未満としてしまうとシートが冷えすぎてかえってシート走行が不安定になったり、中層と表層の配向緩和応力の差がつきにくくなったりする場合がある。したがってその設定温度は60℃以上100℃以下に温度調節することが好ましい。温度調節の方法としては、ロールの内部に水や油の冷媒を循環させ熱交換により冷やす方法がある。温度センサーが実温度を感知することにより、設定温度との差によって電磁弁等でバルブが自動的に開閉するものを使用すると良い。また、室温が高い等の理由により設定温度まで下がらない場合は、チラー等の冷却装置を併用するのが良い。
また容器成形品を得る方法としては、市販の一般的な熱板圧空成形機を使用して得ることができる。使用する成形機は、熱板にシートが圧接している時間や圧空により成形する時間、シート圧接から圧空成形に切り替わるタイムラグ、成形サイクル等が設定できるタイプのものが望ましい。これらの方法は例えば非特許文献4に記載されている。
高分子学会編「プラスチック加工技術ハンドブック」日刊工業新聞社(1995) また、本発明に使用するスチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、15万〜45万の範囲が好ましく、更に好ましくは15万〜40万である。Mwは、光拡散法、GPC法、超延伸法等によって測定することができる。Mwが15万未満となると分子の絡み合いが不十分となり、延伸による配向効果が得られにくい。また、45万を超えると延伸加工性が低下する。
本発明で用いられるスチレン系重合体は、スチレン系単量体を例えば塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合等により重合して得ることができる。この際の重合手法としては、連続重合でも回分重合でも差し支えない。上記のスチレン系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン 、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等が挙げられ、これらを単独でまたは併用して使用することができるが、スチレンが最も好ましい。
また、これらのスチレン系単量体に対して、その50重量%以下の範囲でこれと共重合可能な、例えばアクリル酸、メタクリル酸、またはそれらのアルキルエステル類、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル等の単量体を併用することができる。
本発明で使用されるスチレン系重合体またはこの重合体を含有する重合体組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で公知の添加剤、例えば可塑剤、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、抗菌剤、光拡散剤等を添加することができる。
これら添加剤の添加方法には特に制限はないが、ヘンシェル、タンブラー、バンバリー等のミキサーでドライブレンドする方法や、単軸押出機、2軸押出機等を用いて溶融混練する方法がある。
以下に実施例と比較例を用いて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら制限されるものではない。なお、用いた評価および試験機器を以下に示す。
1.使用する各樹脂の重量平均分子量は、下記にて予め測定した。
装置名:SYSTEM-21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED-Bを3本直列
温度:40[℃]
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2重量%
検量線:標準PS(PL社製)に準拠(分子量はPS換算値)
2.2軸延伸シート作成に使用した押出、延伸装置は以下の通りである。
中層用押出機:ナカタニ機械社製 PLASTIC EXTRUDER NVC65
表層用押出機:ナカタニ機械社製 PLASTIC EXTRUDER VSK40
縦延伸機:田辺プラスチックス機械社製 400型縦延伸ロールユニット
横延伸機:小林機械製作所社製 SK-WE A88-027
3.得られた2種3層の2軸延伸シートを目視で外観を観察し、良好なものを○、やや縞状模様があるものを△、はっきりと模様が認められるものを×とし、外観性の評価とした。
4.得られた2種3層の2軸延伸シートを用い、ASTM D1504に準じてシートの押出方向(縦方向)とそれに垂直な方向(横方向)での配向緩和応力の最大値であるσMおよびσTを測定した。試験片はシートより20mm×135mmに切り出したものを使用し、測定値には5回測定したその平均値をそれぞれ採用した。
5.同一条件で各々の樹脂を単層で2軸延伸シート化した時の配向緩和応力を上記3の方法で測定し、その値をもって多層時の層毎の配向緩和応力σMA、σTA、σMBおよびσTBとした。
6.得られた2種3層の2軸延伸シートを用い、下記の条件で熱板圧空成形を行い、容器成形品を得た。
(1)金型:
天面:90×170[mm]
高さ:50[mm]
底面:120×200[mm]
(2)成形条件:
成型機:関西自動成型機社製PK400
成形温度:120℃
圧接圧空遅れ:0.8[sec]
圧接真空遅れ:1[sec]
圧接時間:4[sec]
成型圧空時間3.5[sec]
7.耐油性の評価として、得られた容器成形品の天面部中央部より50×30[mm]の試験片を採取し、70℃の椰子油に5分間漬けた後に取り出し、白濁の有無を目視で観察した。
○:良好
×:白濁あり
8.強度の評価として、得られた容器成形品の天面中央に錘を落下させ、割れが発生するエネルギー([J]=錘高さ[m]×錘重さ[kg])を測定し、これを落錘強度とした。錘は成形品に接触する部分は同じで、重量を変化させることができ、接触する先端部は直径15[mm]の半球状である。測定値には10回測定したその平均値を採用した。
○:30[J]以上
△:20[J]以上30[J]未満
×:20[J]未満
9.強度の評価として、得られた容器成形品の天面中央より130×35[mm]の試験片を採取し、JIS K7128C法に準拠し引き裂き強度を求めた。縦方向と横方向を実施し小さいほうの値を採用した。測定値には5回測定したその平均値を採用した。
○:1500[N/cm]以上
△:1300[N/cm]以上1500[N/cm]未満
×:1300[N/cm]未満
本実施例と比較例に用いた樹脂を以下に示す。
樹脂(1):東洋スチレン(株)製PSのHRM6、重量平均分子量30万
樹脂(2):東洋スチレン(株)製PSのMW1D、重量平均分子量43.6万
樹脂(3):東洋スチレン(株)製PSのG200C、重量平均分子量27.5万
樹脂(4):東洋スチレン(株)製PSのG100C、重量平均分子量21.5万
樹脂(5):東洋スチレン(株)製PSのMT5D、重量平均分子量31.4万
樹脂(6):攪拌機付きオートクレーブにスチレン77.5質量部及びメチルメタクリレート(MMA)22.5質量部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2質量部、t−ドデシルメルカプタン0.1質量部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001質量部及び第3リン酸カルシウム0.5質量部、純水200質量部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、スチレン/MMA=77.4/22.6の質量組成を持つ、重量平均分子量23万のスチレン系樹脂を得た。
[実施例1]
樹脂(1)を中層用押出機において、樹脂(2)を表層用押出機において、それぞれ230℃でTダイにより共押出された樹脂を、縦延伸機にて設定温度115℃で流れ方向に2.2倍、ついで横延伸機にて設定温度115℃で幅方向に2.2倍に延伸して厚さ約0.3mmの2種3層((2)/(1)/(2))の2軸延伸シートを得た。この時のラインスピードは5m/minである。また縦延伸工程の各ロール設定温度は、キャストロール95℃、予熱ロール110℃、延伸ロール120℃、アニールロール110℃である。得られた2軸延伸シートを上記3の方法で配向緩和応力の最大値であるσMおよびσTを測定したところ、σM=5.3kg/cm2、σT=3.8kg/cm2のシートが得られていることがわかった。また上記4に示すように、同一の押出、延伸条件にて(1)、(2)各々の単層2軸延伸シートから、σMA、σTA、σMBおよびσTBを測定したところ、σMA=5.5kg/cm2、σTA=3.8kg/cm2、σMB=3.1kg/cm2、σTB=2.1kg/cm2であった。
得られた2種3層((2)/(1)/(2))の2軸延伸シートを上記5の方法で容器に熱板成形した。得られた容器成形品において上記6の方法で耐油性試験を、上記7の方法で落錘強度を、上記8の方法で引裂強度を評価した。
以上の各結果を表1、2に示す。耐油性が良好であり、かつ落錘強度や引裂強度も良好なことがわかる。
[実施例2〜6]及び[比較例1〜5]
使用樹脂、表層割合のうち一部を変えた他は、実施例1と同様に実施した。ただし比較例4は、縦延伸機設定温度を105℃、横延伸機設定温度を105℃に変更し、比較例5は縦延伸機設定温度を105℃に変更した。以上の条件および結果を表1、2にまとめて示した。実施例はいずれも耐油性と強度(落錘強度および引裂強度)を兼ね備えていることがわかる。
Figure 2005035208
Figure 2005035208
本発明は耐油性と強度を兼ね備えたスチレン系積層体シートおよび容器を提供するものであり、得られた容器は特に食品包装用の軽量容器などの用途に好適に用いられるものである。

Claims (7)

  1. スチレン系重合体またはこの重合体を含有する重合体組成物Aを中層に、Aと異なるスチレン系重合体またはこの重合体を含有する重合体組成物Bを表層として共押出することにより積層した後に、2軸延伸して得られるスチレン系積層体シートにおいて、その縦方向の配向緩和応力をσM、横方向の配向緩和応力をσTとし、中層Aのみでの縦方向の配向緩和応力をσMA、横方向の配向緩和応力をσTA、表層Bのみでの縦方向の配向緩和応力をσMB、横方向の配向緩和応力をσTBとした場合、下記数式1,2の条件を満足するスチレン系積層体シート。
    |σM−σT|≦2[kg/cm2] 数式1
    {(σMA+σTA)/2}−{(σMB+σTB)/2}≧2[kg/cm2] 数式2
  2. 下記数式3,4の条件を満足することを特徴とする請求項1記載のスチレン系積層体シート。
    |σM−σT|≦0.5[kg/cm2] 数式3
    3[kg/cm2]≧{(σMA+σTA)/2}−{(σMB+σTB)/2}≧2[kg/cm2] 数式4
  3. スチレン系重合体またはこの重合体を含有する重合体組成物Aを中層に、Aと異なるスチレン系重合体またはこの重合体を含有する重合体組成物Bを表層として共押出することにより積層した後、それを2軸延伸して積層体シートを製造する方法において、縦延伸工程のキャストロール設定温度を60℃以上100℃以下に温度調節することにより、そのシートの縦方向の配向緩和応力をσM、横方向の配向緩和応力をσTとし、中層Aのみでの縦方向の配向緩和応力をσMA、横方向の配向緩和応力をσTA、表層Bのみでの縦方向の配向緩和応力をσMB、横方向の配向緩和応力をσTBとした場合、下記数式1,2の条件を満足させるスチレン系積層体シートの製造方法。
    |σM−σT|≦2[kg/cm2] 数式1
    {(σMA+σTA)/2}−{(σMB+σTB)/2}≧2[kg/cm2] 数式2
  4. 下記数式3,4の条件を満足することを特徴とする請求項3記載のスチレン系積層体シートの製造方法。
    |σM−σT|≦0.5[kg/cm2] 数式3
    3[kg/cm2]≧{(σMA+σTA)/2}−{(σMB+σTB)/2}≧2[kg/cm2] 数式4
  5. 請求項3または4記載の製造方法で製造されたスチレン系積層体シートにおいて、中層Aの厚さに対する表層Bの厚さが10%以下である事を特徴とするスチレン系積層体シート。
  6. 請求項3または4記載の製造方法で製造されたスチレン系積層体シートにおいて、スチレン系重合体Aの重量平均分子量(Mw)が15〜45万であることを特徴とするスチレン系積層体シート。
  7. 請求項1,2,5または6のいずれかに記載のスチレン系積層体シートを用いて熱成形してなる容器。
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