JP6741035B2 - 二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート、および、成形品 - Google Patents

二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート、および、成形品 Download PDF

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Description

本発明は、包装容器や蓋材などに用いられる二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート、および、該シートからなる成形品に関する。
従来、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートは、剛性、軽量性、透明性、成形性、リサイクル性などの観点から、食品包装容器や蓋材などの成形品として使用されている。
近年、コンビニエンスストアなどの業務用に使用する電子レンジの普及、及び、電子レンジの使用時間短縮のため、より高出力の機器が使用されるようになり、さらにはチルド弁当のように、電子レンジを調理器具として用いた商品も展開されている。
また、近年のチルド弁当の普及と種類展開に伴い、様々な食品調味料が用いられるようになり、食品包装容器や蓋材には、電子レンジ加熱に伴う成形品(シート)の変形抑制のための耐熱性と共に、調味料が付着した状態で加熱される際に生じる穴開きを抑制することが強く求められるようになってきた。
例えば、従前の二軸延伸ポリスチレンシートを用いた成形蓋では穴開きしてしまうため、内容物のミートソースやマヨネーズ等の調味料の上にポリプロピレンフィルムを乗せ、シートに調味料が接触しないようにする付加的な材料および工程を必要としている。
電子レンジ加熱に伴う成形品(シート)の変形抑制のためのシート自身の耐熱性を向上する技術としては、例えば、特許文献1には、スチレン単量体単位69〜92質量%、メタクリル酸単量体単位6〜16質量%、及びメタルクリル酸メチル単量体単位2〜15質量%含有するスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を用いて成形される押出シートが開示されている。また、特許文献2には、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合樹脂と耐衝撃性スチレン系樹脂とを含有する二軸延伸シートが開示されている。さらには、特許文献3には、多分岐状マクロモノマーとスチレン系モノマーとメタクリル酸とを共重合してなる多分岐状共重合体と、スチレン系モノマーとメタクリル酸とを共重合してなる共重合体を含有するスチレン系樹脂シートが開示されている。
特開2011−126996号公報 特開2015−021074号公報 特開2016−030817号公報
包装容器や蓋材に調味料が付着した状態で電子レンジでの加熱を行った場合、付着した調味料が局所的に過剰加熱され、容器や蓋材を形成するシートの調味料付着部のみが部分的にビカット軟化点を超える場合が多い。
電子レンジは、マイクロ波発生装置であるため、基本的には内容物に含まれる水分が振動し発熱することにより加熱されるものであるが、調味料によって加熱の度合いが異なることが本発明者らの検証により明らかとなり、調味料によっては加熱時の到達温度が100℃〜160℃程度まで上昇することが分かった。
しかしながら、特許文献1〜3のシートは、耐熱性向上による形状維持のみに着目されたものであり、電子レンジの性能向上や使用する調味料の種類によって生じる、局所的にシートの耐熱温度(ビカット軟化点やガラス転移温度)を超えた時におけるシートの穴開きという課題に対して、何ら解決手段を示していない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、電子レンジ加熱時における変形抑制や穴開き抑制といったシートの形状維持性に優れた、包装容器や蓋材として好適に用いられる二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを提供することを課題とする。
本発明者らが検討したところによると、特に二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートの場合、ビカット軟化点を超えて局所加熱された部分の収縮が始まり収縮応力が発生する。このとき、加熱温度での収縮応力がシートの弾性率を超えると、部分的に収縮する力に形状を維持できず、穴が開くと考えられた。
すなわち、調味料付着時での加熱に伴うシートの穴開きを抑制するには、局所加熱された状態において、シートの耐熱温度(ビカット軟化点やガラス転移温度)を超えた温度における二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートの特性を考慮することが、シートの穴開き抑制において、最も重要であると考えられた。
つまり、本発明者らは、シートの耐熱性向上は、容器や蓋材といった成形品の形状維持のためのアプローチの1つではあるが、耐熱性向上のみでは不十分であり、シートの耐熱温度(ビカット軟化点やガラス転移温度)を超えた温度におけるシートに求められる特性を考慮することが必要不可欠であると考えた。そして、穴開き抑制に必要なせん断貯蔵弾性率に関する技術設計指針を見出すに至り、以下の発明を完成させた。
第1の本発明は、ポリスチレン系樹脂を主成分としてなる樹脂組成物から構成された二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートにおいて、当該樹脂組成物の平行平板振動レオメータから算出されるせん断貯蔵弾性率(G’)が160℃において1.0×10Pa以上であることを特徴とする二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートである。
第1の本発明において、前記ポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体単位(a)と、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、及びアクリロニトリルの群から選ばれる1種の単量体単位(b)との二元共重合体、又は、スチレン系単量体単位(a)と、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、及びアクリロニトリルの群から選ばれる1種の単量体単位(b)’と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(c)との三元共重合体であることが好ましい。
ここで、「(a)と異なる種類のスチレン系単量体」とは、例えば、スチレン系単量体(a)としてスチレンを用いている場合は、該スチレン以外のスチレン系単量体をいい、例えば、αメチルスチレン、ジメチルスチレン等をいう。
第1の本発明において、前記二元共重合体の組成比は、前記単量体単位(a)が80〜99質量%、前記単量体単位(b)が1〜20質量%であり、(a)+(b)の合計が100質量%であることが好ましい。
第1の本発明において、前記三元共重合体の組成比は、前記単量体単位(a)が60〜98質量%、前記単量体単位(b)’が1〜20質量%、前記単量体単位(c)が1〜20質量%であり、(a)+(b)’+(c)の合計が100質量%であることが好ましい。
第2の本発明は、第1の本発明の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートからなる成形品である。
第2の本発明の成形品は、マヨネーズ、ケチャップ、及びソースの少なくとも1種を塗布し、電子レンジで800W、1分間加熱しても穴開きしないことが好ましい。なお、電子レンジでの加熱試験は、内容物として米飯を含んだサンプルを使用して、実際の実施形態に近い条件を採用する。
本発明によれば、電子レンジ加熱時における変形抑制や穴開き抑制といったシートの形状維持性に優れた、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得ることができるため、包装容器や蓋材として好適に利用することができる。
以下、本発明の実施形態の一例としての本発明の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートについて説明する。ただし、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
なお、本発明において、「主成分」とは、構成する樹脂組成物において最も多い質量比率を占める成分であることをいい、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
また、「X〜Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
<二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート>
本発明の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートは、ポリスチレン系樹脂を主成分としてなる樹脂組成物から構成され、かつ所定のせん断貯蔵弾性率(G’)を有する。
(樹脂組成物のせん断貯蔵弾性率)
本発明のシートを構成する樹脂組成物の平行平板振動レオメータから算出されるせん断貯蔵弾性率(G’)が160℃において1.0×10Pa以上であることが、本発明において最も重要である。
前述したように、本発明のシートを容器や蓋材として使用するにあたり、シートに調味料が付着した状態で電子レンジでの加熱を行った場合の穴開きを抑制するには、シートの耐熱温度(ビカット軟化点やガラス転移温度)を向上させるだけでは不十分である。
本発明者らは、本発明を完成する過程において、ケチャップ、マヨネーズ、ソース等の各種調味料を付着させたシートを電子レンジで加熱した際、加熱された調味料の到達温度が100℃〜160℃程度まで上昇する現象を究明した。すなわち、シートを構成するポリスチレン系樹脂のビカット軟化点は一般に100℃〜130℃程度であるので、電子レンジの加熱において調味料の種類や電子レンジでの加熱条件によっては、シートの耐熱温度を超える場合が発生するということである。
そのため、本発明は、シートの耐熱温度を超えた温度における必要なシートの特性を、穴開きのメカニズムとともに以下のように明らかにした。
前記穴開きのメカニズムとしては、シートに付着した調味料が局所的に過剰加熱され、シートの調味料付着部のみが部分的にビカット軟化点を超える際、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートでは、局所加熱された付着部の収縮が始まり、収縮応力が発生する。このとき、加熱温度での収縮応力がシートの弾性率を超えると、部分的に収縮する力に形状を維持できず、シートに穴が開くと考えられる。
言い換えれば、一般に、耐熱性の指標に考えられている樹脂物性のビカット軟化点は、シート全体の熱軟化としての耐熱性であるので、調味料付着時での加熱に伴うシートの穴開きを抑制するには、ビカット軟化点よりも、局所加熱された温度におけるシートのせん断貯蔵弾性率(G’)こそを本発明の規定する範囲にすることが重要となる。
すなわち、本発明のシートを構成する樹脂組成物の平行平板振動レオメータから算出されるせん断貯蔵弾性率(G’)が、調味料の加熱到達温度に相当する160℃において、1.0×10Pa以上であることが、本発明において最も重要となる。
前記樹脂組成物のせん断貯蔵弾性率(G’)は、160℃において、1.1×10Pa以上が好ましく、1.15×10Pa以上がより好ましく、1.2×10Pa以上が更に好ましい。また、前記樹脂組成物のせん断貯蔵弾性率(G’)の上限に関しては、特に制限はないが、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートの機械物性の維持、流動性の低下抑制、ゲルの発生抑制、及び、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを用いた成形品への二次加工の容易さや深絞り性を維持する観点から、160℃において、1.0×10Pa以下であることが好ましく、5.0×10Pa以下がより好ましく、4.0×10Pa以下が更に好ましい。また、本発明のシートを折り曲げたり、屈曲させたりして使用する用途においては、2.6×10Pa以下が好ましく、2.4×10Pa以下がより好ましく、2.0×10Pa以下が更に好ましい。
本発明のシートを構成する樹脂組成物のせん断貯蔵弾性率(G’)測定は、JIS K7244−10:2005に準拠し、平行平板振動レオメータにΦ20mmのパラレルプレート治具を用いて、サンプルをセットし、温度を230℃まで昇温することで、サンプルを溶融させる。その後、冷却速度3℃/minにて降温し、測定周波数1Hz(角周波数6.28rad/s)、応力制御方式により歪0.5%となるように制御した条件にて、せん断を掛けて測定する。このとき得られるせん断貯蔵弾性率(G’)の温度依存性プロファイルから、160℃におけるせん断貯蔵弾性率(G’)を算出する。
なお、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートの表面に塗布層を有する場合は、例えば、水やアルコール等のシートを侵食しない溶媒を用いて浸漬したり拭き取ったりして除去し、測定することができる。
上述のように、せん断貯蔵弾性率(G’)測定に用いるサンプルは、測定前に溶融されるため、測定に用いるサンプルは、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを構成する樹脂組成物のペレットを用いてもよく、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを用いてもよく、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを用いた成形品を用いてもよい。これらのサンプルは、測定開始時に溶融することから、得られるせん断貯蔵弾性率(G’)は、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを構成する樹脂組成物のせん断貯蔵弾性率(G’)を示すこととなる。
樹脂組成物のせん断貯蔵弾性率(G’)およびその対温度挙動は、ポリスチレン系樹脂の組成、分子量、分子量分布、分岐構造や、樹脂配合によって影響される。一般には、分子量が高い、分岐数が多いと、せん断貯蔵弾性率(G’)が高いといった傾向があるが、複数の因子が影響して現れる物性であり、本発明において、調味料が付着したシートの電子レンジ加熱耐性の要因として関係性を見出した物性である。
(ポリスチレン系樹脂)
本発明のシートを構成する樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂を主成分としてなる。ポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体を主たる単量体成分とした樹脂であり、スチレン系単量体を樹脂中に50質量%以上100質量%以下を含有する。例えば、前記ポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体の単独重合体でもよく、スチレン系単量体を主たる単量体成分とし、かつ他の単量体を含有する共重合体であってもよい。
前記ポリスチレン系樹脂が共重合体である場合、スチレン系単量体(a)を主たる単量体成分とすれば、上述の他の単量体成分を2種以上含有する多元共重合体でもよい。また、共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの共重合形態であってもよい。
また、前記ポリスチレン系樹脂は、線状ポリスチレン系樹脂であってもよく、多分岐状ポリスチレン系樹脂であってもよい。本発明のシートに用いるポリスチレン系樹脂は、1種類であってもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記スチレン系単量体(a)としては、スチレン及びその誘導体が挙げられる。例えば、スチレン、αメチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン等のアルキルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン等のハロゲン化スチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン等が挙げられる。
中でも、耐熱性と加工性の観点から、スチレン、αメチルスチレンを用いることが好ましい。
また、共重合体に用いられる他の単量体の例を挙げると、(a)と異なる種類のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリルや、ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエン系炭化水素、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィン等が挙げられる。
中でも、耐熱性と寸法安定性の観点から、また、共重合体に用いられる他の単量体として、(a)と異なる種類のスチレン系単量体であるαメチルスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、アクリロニトリルを用いることが好ましく、αメチルスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルを用いることがより好ましく、(メタ)アクリル酸を用いることが特に好ましい。
また、前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸エチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸フェニルアミノエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
中でも、共重合体の脱水反応抑制や機械強度の向上、耐光性、表面硬度などの観点から、共重合体に用いられる他の単量体として、(メタ)アクリル酸メチルを用いることが好ましい。
前記ポリスチレン系樹脂が共重合体である場合、スチレン系単量体単位(a)と、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、及びアクリロニトリルの群から選ばれる1種の単量体単位(b)との二元共重合体や、スチレン系単量体単位(a)と、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、及びアクリロニトリルの群から選ばれる1種の単量体単位(b)’と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(c)との三元共重合体が、電子レンジ穴開き耐性の点で好ましい。中でも、単量体単位(b)または(b)’が(メタ)アクリル酸である二元共重合体または三元共重合体が好ましい。
前記二元共重合体において、組成比は(a)80〜99質量%、(b)1〜20質量%が好ましい。なお、(a)+(b)の合計質量を100質量%とする。
前記三元共重合体において、組成比は(a)60〜98質量%、(b)’1〜20質量%、(c)1〜20質量%が好ましい。なお(a)+(b)’+(c)の合計質量を100質量%とする。
スチレン系単量体単位(a)の含有量は、二元共重合体の場合は、85〜98質量%が好ましく、86〜97質量%がより好ましく、90〜96質量%が更に好ましい。三元共重合体の場合は、67〜96質量%が好ましく、74〜94質量%がより好ましく、78〜92質量%が更に好ましい。
単量体単位(a)の含有量が二元共重合体の場合80質量%以上、三元共重合体の場合60質量%以上であると、樹脂の流動性の点で好ましい。また、単量体単位(a)の含有量が二元共重合体の場合99質量%以下、三元共重合体の場合98質量%以下であると、耐熱性が高くなり、加熱時のシートの変形抑制が良好となる。
二元共重合体の場合、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸の群から選ばれる1種の単量体単位(b)の含有量は、2〜15質量%が好ましく、3〜14質量%がより好ましく、4〜10質量%が更に好ましい。三元共重合体の場合、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸の群から選ばれる1種の単量体単位(b)’の含有量は、2〜18質量%が好ましく、3〜16質量%がより好ましく、4〜14質量%が更に好ましい。
単量体単位(b)、(b)’を1質量%以上含有すると、耐熱性が高くなり、加熱時のシートの変形抑制が良好となる。また、単量体単位(b)の含有量が20質量%以下、単量体単位(b)’の含有量が20質量%以下であると、ポリスチレン系樹脂中のゲル化物の増加が抑制され、外観が良好となる。また、シートの機械強度の低下が起き難い。
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(c)の含有量は、2〜15質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましく、4〜8質量%であることが更に好ましい。
単量体単位(c)の含有量が20質量%以下であると、ポリスチレン系樹脂の吸水が抑制され、シート成形時において発泡等が生じ難い。
前記ポリスチレン系樹脂が、(メタ)アクリル酸単量体単位を含む共重合体である場合、(メタ)アクリル酸の脱水反応によるゲル化反応を抑制するために炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールを含有することが好ましい。中でも、凝固点が−10℃以下のイソ型の脂肪族第1級アルコールが特に好ましい。
前記脂肪族第1級アルコールの含有量は、本発明のシートを構成する樹脂組成物中において、該樹脂組成物全体を100質量%として、0.02〜1.0質量%であることが好ましい。
前記炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールとしては、n−ミリスチン酸アルコール、n−パルミチン酸アルコール、n−ステアリルアルコール等が挙げられる。更に、凝固点が−10℃以下のイソ型の脂肪族第1級アルコールとしては、炭素数14のイソテトラデカノール、炭素数16のイソヘキサデカノール、炭素数18のイソオクタデカノール、及び炭素数20のイソエイコサノールが挙げられ、中でも、炭素数18のイソオクタデカノールが好ましい。
具体的には、例えば、7−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(1−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、2−ヘキシル−1−デカノール、5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−1−オクタノール、8−メチル−2−(4−メチルヘキシル)−1−デカノール、2−ヘプチル−1−ウンデカノール、2−ヘプチル−4−メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−(5,9−ジメチル)−1−デカノールが例示できる。
本発明のシートを構成する樹脂組成物として、2種類以上のポリスチレン系樹脂を混合して用いる場合は、本発明のシートが所定のせん断貯蔵弾性率(G’)を有すればよく、樹脂組成および混合比率等は、特に限定されない。
例えば、上述の単量体単位(a)と単量体単位(b)との二元共重合体、単量体単位(a)と単量体単位(b)’と単量体単位(c)との三元共重合体に対して、共重合組成比の異なる二元共重合体や三元共重合体、スチレン単独重合体、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の群から選ばれる1種類以上を混合することができる。
共重合組成比の異なる二元共重合体や三元共重合体を混合し、混合比率を適宜設定することで、シートの耐熱温度と機械強度を調整することが可能となる。
スチレン単独重合体を混合する場合は、シート成形時の樹脂組成物の溶融粘度の調整に有効であり、樹脂組成物における混合比率は、該樹脂組成物全体を100質量%として、0.1〜5質量%が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。
また、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を混合する場合は、シートの耐衝撃性を向上させる点で好ましい。前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂としては、ゴム等の成分が含まれるポリスチレン系樹脂であれば良く、スチレンの単独重合体中にゴム成分が含まれているもの、スチレン−(メタ) アクリル酸アルキル共重合体中にゴム成分が含まれているもの等、いずれも好適に用いることができる。ゴム成分は、マトリックス樹脂となるポリスチレンやスチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体中に、独立してゴム成分が粒子状になって分散していているもの、あるいは、ポリスチレンやスチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体にグラフト重合して粒子状に分散しているもののいずれであってもよい。
また、ゴム成分としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体などが挙げられる。特に、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体として含まれていることが好ましい。
また、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂内のゴム成分の含有率は、衝撃強度と延伸成形時の加工特性との両立の観点から、耐衝撃性ポリススチレン系樹脂を100質量%として、2.0〜15.0質量%であることが好ましい。
前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の含有量は、本発明のシートを構成する樹脂組成物中において、該樹脂組成物全体を100質量%として、0.1〜3.0質量%であることが好ましく、0.2〜2.0質量%であることがより好ましい。
(その他の成分)
本発明のシートを構成する樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、無機粒子や、前記ポリスチレン系樹脂以外の他の樹脂を含有することを許容することができる。無機粒子の含有により、シートのブロッキング抑制を図ることができる。
前記無機粒子は、本発明のシートの表面に適度な凹凸を発現させる観点、及び、透明性維持の観点から、前記無機粒子の含有量は、本発明のシートを構成する樹脂組成物中において、50〜500ppmであることが好ましい。また、前記無機粒子の平均粒子径としては、1〜20μmのものが好ましい。
前記無機粒子の種類は、特に限定されるものではないが、シリカ、ガラスビーズ等、及びそれらの表面に化学的処理を施したもの等が挙げられるが、化学的に安定であり、触媒作用によって樹脂を変性させないこと、及び該シートへのシリコーンオイルの塗布性が良好であることから、酸化珪素を主体成分とする球状シリカが好ましい。
他の樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、アラミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
また、前記樹脂組成物には、使用目的に応じて、その他樹脂原料や、耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂、相溶化剤、加工助剤、溶融粘度改良剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候性安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、核剤、架橋剤、滑材、アンチブロッキング剤、鉱油、スリップ剤、防曇剤、抗菌剤、消臭剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤および顔料などを樹脂組成物に適宜添加してもよい。
また、本発明のシートは、シート表面に防曇剤、帯電防止剤、離型剤(例えば、シリコーンオイル)などの塗布層を有することができる。離型剤の塗布量は、特に制限されるものではないが、上記のシート性能を発揮させるためには、少なくとも片面に5〜100mg/mの範囲で塗布することが好ましい。又、離型剤としては、シリコーンオイルが好ましく、高温成形時に該シート表面を侵しにくいことから、ポリジメチルシロキサンがより好ましい。
本発明のシートの二次成形品を食品包装材として使用する場合は、片面に離型剤を反対面(食品側となる面)に防曇剤を含む塗布層を有することが好ましい。防曇剤の塗布量は特に制限されるものではないが、上記のシート性能を発揮させるためには、少なくとも片面に10〜100mg/mの範囲で塗布することが好ましい。防曇剤としては公知の界面活性剤が使用可能で、特に多価アルコール脂肪酸エステル(ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)が好ましく、多価アルコール脂肪酸エステルと水溶性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体など) や、多糖類(メチルセルロース、シクロデキストリンなど)などとの2種以上の混合物が特に好ましい。
<二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートの製造方法>
本発明のシートの製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法によって製造することができる。例えば、押出機を用いて前記樹脂組成物を溶融し、ダイからシート状に押出し、冷却ロールや空冷、水冷にて冷却固化して得られるシート(未延伸シート)を、縦方向及び横方向に延伸処理した後、巻取機にて巻き取ることによりシートを得る方法が例示できる。ここで、「シート」とは、厚いシートから薄いフィルムまでを包括した意を有する。
前記未延伸シートを得る方法としては、本発明のシートを構成する組成物を混合した後、単軸押出機、異方向二軸押出機、同方向二軸押出機などの押出機を使用し、組成物の均一な分散分配を促す。本発明のシートを構成する組成物が複数の種類からなる場合、タンブラーミキサー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、リボンブレンダ―、スーパーミキサーなどの混合機で適当な時間混合した後、押出機に投入してもよく、他の混練機の先端にストランドダイを接続し、ストランドカット、ダイカットなどの方法により一旦ペレット化した後、(場合によっては追加する組成物とともに)得られたペレットを押出機に投入してもよい。
押出機により溶融された樹脂組成物は、押出機の先端にTダイなどの口金を接続し、シート状に成型された後、冷却ロールで冷却固化される。
押出温度は、180〜260℃程度が好ましく、より好ましくは190〜250℃である。押出温度やせん断の状態を最適化することにより、種々の物理的特性、機械的特性を所望の値にするのに有効となる。
本発明のシートの延伸方法としては、特に制約されるものではないが、縦方向(シートの流れ方向、MD)へのロール延伸や、横方向(シートの流れ方向に対して垂直方向、TD)へのテンター延伸等により、二軸延伸されることが好ましい。
また、上述のように縦方向に延伸した後、横方向に延伸してもよく、横方向に延伸した後、縦方向に延伸してもよい。また、縦方向及び横方向に延伸処理されていれば、同じ方向に2回以上延伸してもよい。さらには、縦方向に延伸した後、横方向に延伸し、さらに縦方向に延伸してもよい。また、同時二軸延伸機により縦方向、横方向に同時に延伸されてもよい。さらには、未延伸シートを裁断し、バッチ式の延伸機により二軸延伸されてもよい。
縦方向への延伸としては、ロールを用いた縦延伸方法が好ましい。ロールを用いた縦延伸方法は、低速ロールと高速ロールを同方向に回転させてシートを平行掛けに通紙し、延伸する方法と、低速ロールと高速ロールを逆回転させてシートを襷掛けに通紙し、延伸する方法とがあり、1段あるいは多段、平行掛け、あるいは襷掛けの任意の組み合わせとすることができる。また、低速ロールと高速ロールとの間にヒーターなどを設置し、ヒーターによる加熱を行いながら延伸することもできる。横方向への延伸としては、テンター延伸されることが好ましい。
縦延伸、横延伸における延伸倍率は、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを構成する樹脂組成物により異なるが、通常面倍率で1.5〜15倍、より好ましくは4〜10倍である。逐次延伸の場合の縦方向の延伸倍率は1.2〜5倍で、好ましくは1.5〜3.0倍であり、横方向の延伸倍率は1.2〜5倍で、好ましくは1.5〜3.0倍である。同時ニ軸延伸の各方向の延伸倍率は1.5〜5倍である。
また、縦延伸、横延伸における延伸温度は、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを構成する樹脂組成物により異なるが、縦延伸、横延伸ともに、概ね110℃〜170℃の温度で延伸されることが好ましい。
防曇剤、帯電防止剤、離型剤等の塗布層は、シートの延伸後に、公知の方法でシート表面に塗布して形成することができる。また、塗布層の形成前に、公知の方法でシート表面にコロナ処理を施すことができる。
また、本発明の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートは、ASTMD−2838−02に準拠し、ビカット軟化点+30℃の温度条件にて測定される配向緩和応力が好ましくは0.2〜2.0MPa、より好ましくは0.4〜1.0MPaである。配向緩和応力が0.2MPa以上であると、シートの耐衝撃性が増して耐折性が良好となりやすく、2.0MPa以下であると、シートの延伸切れが起き難く、また二次成形性が良好となりやすい。前記配向緩和応力を上述の好ましい範囲とするには、上記延伸倍率、及び、上記延伸温度を適宜調整することにより可能となる。
また、本発明の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートの厚さは、特に限定されないが、シート強度、耐熱性、成形性、経済性などの点から0.08〜1mmが好ましく、0.1〜0.7mmがより好ましい。なお、本発明のシートは、必要により、共押出やドライラミネートなどによって、同種または異種の熱可塑性樹脂を積層しても良い。
<成形品>
本発明のシートの用途としては特に限定されるものではないが、成形品の耐熱性、耐衝撃性、耐折性等に優れる観点より、本発明の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを熱板圧空真空成形法(直接加熱方式)又は圧空成形法、真空圧空成形法(間接加熱方式)によって、目的の容器形状に二次成形して、食品包装材等の成形品として好適に用いることができる。特に、弁当や総菜等の電子レンジで温める食品や、蒸し料理の材料等が内容物となっていて、電子レンジで加熱調理する、種々の調味料を用いた食品包装用の成形品等に好適である。その他、工業部品等の小分けトレーや運搬容器などに用いることも出来る。
本発明の成形品は、調味料を塗布し、電子レンジ加熱処理しても穴開きしないことが好ましい。
調味料の種類は、特に限定されないが、例えば、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、醤油、すし酢、ドレッシングなどが挙げられ、単独で用いる場合も、複数種を混合して用いている場合も含む。また、調味料の形態については、内容物の具材の上に乗っている場合、具材と混ぜてある場合などが挙げられる。中でも、マヨネーズ、ケチャップ、ソースが付着しても穴開きしないことが好ましく、例えばこれら調味料を1種類ずつ塗布して試験した場合、少なくとも何れか1種、より好ましくは2種、更に好ましくは3種の場合とも穴が開かないことが望ましい。また、調味料の付着量も穴開きの程度に影響するので、評価においては調味料の付着量と付着面積を決めて行うと良い。例えば、調味料0.3gを直径15mmの広さに塗布して行う。
電子レンジの条件は、例えばコンビニエンスストア等で販売されるチルド弁当の加温を想定した条件として、電子レンジの電力300W、500W、800W、1500W、1900W等で、時間15秒〜5分程度で加熱する条件が挙げられる。評価においては、例えば、電子レンジ800W、1分間加熱した条件にて穴開きの有無を判断することができる。また、電子レンジ加熱試験は実用条件に近似させ、内容物として米飯を収容したカップや底容器に対して、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートやその成形品を蓋として被せて行う。
また、穴開きしないとは、肉眼で容易に見てとれる直径3mm以上の穴が開かないことが好ましく、直径1mm以上3mm未満の小さな穴が多数開かないことがより好ましく、直径1mm未満度の穴が1つも開かないことが更に好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例では、シートの流れ方向を「縦」方向(又は、MD)、その直角方向を「横」方向(又は、TD)と記載する。
なお、各測定及び評価は次のように行った。結果を表1に示す。
(1)樹脂組成物のせん断貯蔵弾性率(G’)
下記に示す実施例、比較例において得られた二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを用いて、サーモフィッシャー社製の測定装置MARSIIを用いて、JIS K7244−10(2005年)に準拠し、平行平板振動レオメータにΦ20mmのパラレルプレート治具を用いて、サンプルをセットし、温度を230℃まで昇温することで、実施例、比較例で得られたシートを溶融させた。その後、冷却速度3℃/minにて降温し、測定周波数1Hz(角周波数6.28rad/s)、応力制御方式により歪0.5%となるように制御した条件にて、せん断貯蔵弾性率(G’)の温度プロファイルを測定した。得られたプロファイルから160℃における二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを構成する樹脂組成物のせん断貯蔵弾性率(G’)を算出した。
(2)樹脂組成物のビカット軟化点
下記に示す実施例、比較例において得られた二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを、150℃に設定した熱風循環式オーブン内に10分間入れて収縮させたシートを用いて、JIS K7206(2016)に準拠し、ビカット軟化点を測定した。
ポリスチレン系樹脂シートは非晶性であるため、そのビカット軟化点は、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを構成する樹脂組成物のビカット軟化点を示すこととなる。
(3)二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートの配向緩和応力
下記に示す実施例、比較例において得られた二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを用いて、ASTM D2838−02に準じて、ビカット軟化点+30℃の温度条件で、縦方向及び横方向の配向緩和応力を算出した。
(4)調味料塗布後の電子レンジ加熱試験
食品等の内容物を有する弁当の調味料が蓋に付着した状態での電子レンジ加熱を想定して、以下の試験を行った。
実施例、比較例において得られた二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートに、調味料0.3gを直径15mmの広さで塗布した。調味料には、マヨネーズ(キユーピー社製、商品名:キユーピーマヨネーズ)、ケチャップ(カゴメ社製、商品名:カゴメトマトケチャップ)、及びソース(カゴメ社製、商品名:醸熟ソースとんかつ)をそれぞれ用いた。次いで、計量カップ(アズワン社製、商品名:ニューディスポカップ、材質:ポリプロピレン、容量:500ml)に、内容物として事前に炊飯し室温保管しておいた米飯500g分を詰めて、上記調味料を塗布したシート面を内側にして平板シートの形状のまま、計量カップ上面に蓋として静置した。
その後、電子レンジ(日立アプライアンス社製、日立オーブンレンジMRO−DF6)にて、出力800W、加熱時間1分の条件で、上述の調味料を塗布したシートを蓋とした計量カップを加熱し、加熱1分後にシートを回収し、調味料を拭き取った後、シートの穴開きの有無を肉眼で観察した。シートに直径3mm以上の穴が開かなかった場合を「○」、シートに直径3mm以上の穴が開いた場合を「×」と判定した。
(5)二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートの耐折性
実施例、比較例において得られた二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートをJIS P 8115:2001に準拠して、東洋精機社製MIT耐揉疲労試験機を使用し、折り曲げ角±90度、折り曲げ速度175rpm、荷重1kgの条件で、試験片が破断するまでの折り曲げ回数を計測した。シートの縦方向および横方向の各5個、計10個の試験片について試験して平均値を算出し、折り曲げ回数30回以上の場合を「○」、10回以上29回までの場合を「△」、9回までの場合を「×」と判定した。
各実施例、比較例で使用した原材料は下記の通りである。
<ポリスチレン系樹脂>
それぞれ各社から購入した以下のA−1〜A−9のポリスチレン系樹脂を使用した。
・A−1:ポリスチレン樹脂(スチレン単量体100質量%)、
・A−2:スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単量体97質量%、メタクリル酸単量体3質量%)、
・A−3:スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単量体95質量%、メタクリル酸単量体5質量%)、
・A−4:スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単量体92質量%、メタクリル酸単量体8質量%)、
・A−5:スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単量体86質量%、メタクリル酸単量体14質量%)、
・A−6:スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単量体84質量%、メタクリル酸単量体11質量%、メタクリル酸メチル単量体5質量%)、
・A−7:スチレン−無水マレイン酸−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単量体75質量%、無水マレイン酸単量体10質量%、メタクリル酸メチル単量体15質量%)、
・A−8:スチレン−αメチルスチレン共重合体(スチレン単量体52質量%、αメチルスチレン単量体48質量%)、
・A−9:αメチルスチレン−アクリロニトリル共重合体(αメチルスチレン単量体69質量%、アクリロニトリル単量体31質量%)、
<比較例1>
ポリスチレン系樹脂(A−1)を単軸押出機に投入し、設定温度230℃にて溶融混練した後、単軸押出機の先端に接続したTダイにて、シート状に押出し、100℃に設定したキャスティングロールにて引き取り、冷却固化させて未延伸シートを得た。
その後、得られた未延伸シートを、126℃に設定した同時二軸延伸機にて、縦方向2.5倍、横方向2.5倍の倍率で延伸処理を行い、厚み240μmの二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
<実施例1>
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−2)に変えた他は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。その後、同時二軸延伸機の設定温度を132℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
<実施例2>
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−2)60質量%、ポリスチレン系樹脂(A−3)40質量%の混合物に変えた以外は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を137℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
<実施例3>
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−3)に変えた他は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を140℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
<比較例2>
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−4)に変えた他は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を156℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
<実施例4>
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−5)に変えた他は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を166℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
<実施例5>
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−6)に変えた以外は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を162℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
<実施例6>
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−7)に変えた以外は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を166℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
<実施例7>
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−8)に変えた以外は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を173℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
<実施例8>
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−9)に変えた以外は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を156℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
Figure 0006741035
実施例1〜8で得られたシートは、マヨネーズ、ケチャップ、ソースといった調味料が付着した状態での電子レンジ加熱において、穴開きが見られなかった。
一方、比較例1で得られたシートは、調味料付着時の電子レンジ加熱において、調味料付着部分に直径25mm程度の大きな穴が見られた。
さらに、比較例2は、実施例1〜3より高いビカット軟化点を示すものの、調味料付着時の電子レンジ加熱において、調味料付着部分において穴開きが観察された。これは、ビカット軟化点が高くても、分子量、分子量分布、分岐等の分子構造などによってせん断貯蔵弾性率が低く、調味料が付着する場合などの実用的な電子レンジ使用条件では耐熱性不十分になったものと考えられる。
このことからも、調味料付着時での加熱に伴うシートの穴開きを抑制するには、局所加熱された状態において、シートの耐熱温度(ビカット軟化点やガラス転移温度)を超えた時における温度、具体的には160℃における、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを構成する樹脂組成物のせん断貯蔵弾性率(G’)が本発明の規定する範囲とすることが、シートの穴開き抑制において、最も重要であることが分かる。
以上、現時点において、最も実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート、および、該シートからなる成形品もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートは、電子レンジ加熱時における変形抑制や穴開き抑制といったシートの形状維持性に優れた、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートであるため、包装容器や蓋材として好適に利用することができる。

Claims (6)

  1. スチレン系単量体(a)と、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、及びアクリロニトリルの群から選ばれる1種の単量体単位(b)との二元共重合体、又は、スチレン系単量体(a)と、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、及びアクリロニトリルの群から選ばれる1種の単量体単位(b)‘と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(c)との三元共重合体であるポリスチレン系樹脂を主成分としてなる樹脂組成物から構成された二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートであって
    当該樹脂組成物の平行平板振動レオメータから算出されるせん断貯蔵弾性率(G´)が160℃において1.0×10Pa以上であることを特徴とする二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート。
  2. 前記二元共重合体の組成比が、前記単量体単位(a)が80〜99質量%、前記単量体単位(b)が1〜20質量%であり、(a)+(b)の合計が100質量%である請求項に記載の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート。
  3. 前記三元共重合体の組成比が、前記単量体単位(a)が60〜98質量%、前記単量体単位(b)’が1〜20質量%、前記単量体単位(c)が1〜20質量%であり、(a) +(b)’+(c)の合計が100質量%である請求項に記載の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート。
  4. 前記ポリスチレン系樹脂が、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−αメチルスチレン共重合体、αメチルスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体の群から選ばれる1種である、請求項1〜3の何れかに記載の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートからなる成形品。
  6. マヨネーズ、ケチャップ、及びソースの少なくとも1種を塗布し、電子レンジで800 W、1分間加熱しても穴開きしない請求項5に記載の成形品。
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