JP2019157048A - 二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート、および、成形品 - Google Patents
二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート、および、成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019157048A JP2019157048A JP2018048573A JP2018048573A JP2019157048A JP 2019157048 A JP2019157048 A JP 2019157048A JP 2018048573 A JP2018048573 A JP 2018048573A JP 2018048573 A JP2018048573 A JP 2018048573A JP 2019157048 A JP2019157048 A JP 2019157048A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- mass
- polystyrene resin
- resin
- monomer unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Package Specialized In Special Use (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
Description
近年、コンビニエンスストアなどの業務用に使用する電子レンジの普及、及び、電子レンジの使用時間短縮のため、より高出力の機器が使用されるようになり、さらにはチルド弁当のように、電子レンジを調理器具として用いた商品も展開されている。
例えば、従前の二軸延伸ポリスチレンシートを用いた成形蓋では穴開きしてしまうため、内容物のミートソースやマヨネーズ等の調味料の上にポリプロピレンフィルムを乗せ、シートに調味料が接触しないようにする付加的な材料および工程を必要としている。
電子レンジは、マイクロ波発生装置であるため、基本的には内容物に含まれる水分が振動し発熱することにより加熱されるものであるが、調味料によって加熱の度合いが異なることが本発明者らの検証により明らかとなり、調味料によっては加熱時の到達温度が100℃〜160℃程度まで上昇することが分かった。
すなわち、調味料付着時での加熱に伴うシートの穴開きを抑制するには、局所加熱された状態において、シートの耐熱温度(ビカット軟化点やガラス転移温度)を超えた温度における二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートの特性を考慮することが、シートの穴開き抑制において、最も重要であると考えられた。
つまり、本発明者らは、シートの耐熱性向上は、容器や蓋材といった成形品の形状維持のためのアプローチの1つではあるが、耐熱性向上のみでは不十分であり、シートの耐熱温度(ビカット軟化点やガラス転移温度)を超えた温度におけるシートに求められる特性を考慮することが必要不可欠であると考えた。そして、穴開き抑制に必要なせん断貯蔵弾性率に関する技術設計指針を見出すに至り、以下の発明を完成させた。
また、「X〜Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
本発明の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートは、ポリスチレン系樹脂を主成分としてなる樹脂組成物から構成され、かつ所定のせん断貯蔵弾性率(G’)を有する。
本発明のシートを構成する樹脂組成物の平行平板振動レオメータから算出されるせん断貯蔵弾性率(G’)が160℃において1.0×105Pa以上であることが、本発明において最も重要である。
本発明者らは、本発明を完成する過程において、ケチャップ、マヨネーズ、ソース等の各種調味料を付着させたシートを電子レンジで加熱した際、加熱された調味料の到達温度が100℃〜160℃程度まで上昇する現象を究明した。すなわち、シートを構成するポリスチレン系樹脂のビカット軟化点は一般に100℃〜130℃程度であるので、電子レンジの加熱において調味料の種類や電子レンジでの加熱条件によっては、シートの耐熱温度を超える場合が発生するということである。
そのため、本発明は、シートの耐熱温度を超えた温度における必要なシートの特性を、穴開きのメカニズムとともに以下のように明らかにした。
言い換えれば、一般に、耐熱性の指標に考えられている樹脂物性のビカット軟化点は、シート全体の熱軟化としての耐熱性であるので、調味料付着時での加熱に伴うシートの穴開きを抑制するには、ビカット軟化点よりも、局所加熱された温度におけるシートのせん断貯蔵弾性率(G’)こそを本発明の規定する範囲にすることが重要となる。
すなわち、本発明のシートを構成する樹脂組成物の平行平板振動レオメータから算出されるせん断貯蔵弾性率(G’)が、調味料の加熱到達温度に相当する160℃において、1.0×105Pa以上であることが、本発明において最も重要となる。
なお、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートの表面に塗布層を有する場合は、例えば、水やアルコール等のシートを侵食しない溶媒を用いて浸漬したり拭き取ったりして除去し、測定することができる。
本発明のシートを構成する樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂を主成分としてなる。ポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体を主たる単量体成分とした樹脂であり、スチレン系単量体を樹脂中に50質量%以上100質量%以下を含有する。例えば、前記ポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体の単独重合体でもよく、スチレン系単量体を主たる単量体成分とし、かつ他の単量体を含有する共重合体であってもよい。
前記ポリスチレン系樹脂が共重合体である場合、スチレン系単量体(a)を主たる単量体成分とすれば、上述の他の単量体成分を2種以上含有する多元共重合体でもよい。また、共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの共重合形態であってもよい。
また、前記ポリスチレン系樹脂は、線状ポリスチレン系樹脂であってもよく、多分岐状ポリスチレン系樹脂であってもよい。本発明のシートに用いるポリスチレン系樹脂は、1種類であってもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
中でも、耐熱性と加工性の観点から、スチレン、αメチルスチレンを用いることが好ましい。
中でも、耐熱性と寸法安定性の観点から、また、共重合体に用いられる他の単量体として、(a)と異なる種類のスチレン系単量体であるαメチルスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、アクリロニトリルを用いることが好ましく、αメチルスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルを用いることがより好ましく、(メタ)アクリル酸を用いることが特に好ましい。
中でも、共重合体の脱水反応抑制や機械強度の向上、耐光性、表面硬度などの観点から、共重合体に用いられる他の単量体として、(メタ)アクリル酸メチルを用いることが好ましい。
前記三元共重合体において、組成比は(a)60〜98質量%、(b)’1〜20質量%、(c)1〜20質量%が好ましい。なお(a)+(b)’+(c)の合計質量を100質量%とする。
単量体単位(a)の含有量が二元共重合体の場合80質量%以上、三元共重合体の場合60質量%以上であると、樹脂の流動性の点で好ましい。また、単量体単位(a)の含有量が二元共重合体の場合99質量%以下、三元共重合体の場合98質量%以下であると、耐熱性が高くなり、加熱時のシートの変形抑制が良好となる。
単量体単位(b)、(b)’を1質量%以上含有すると、耐熱性が高くなり、加熱時のシートの変形抑制が良好となる。また、単量体単位(b)の含有量が20質量%以下、単量体単位(b)’の含有量が20質量%以下であると、ポリスチレン系樹脂中のゲル化物の増加が抑制され、外観が良好となる。また、シートの機械強度の低下が起き難い。
単量体単位(c)の含有量が20質量%以下であると、ポリスチレン系樹脂の吸水が抑制され、シート成形時において発泡等が生じ難い。
前記脂肪族第1級アルコールの含有量は、本発明のシートを構成する樹脂組成物中において、該樹脂組成物全体を100質量%として、0.02〜1.0質量%であることが好ましい。
具体的には、例えば、7−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(1−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、2−ヘキシル−1−デカノール、5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−1−オクタノール、8−メチル−2−(4−メチルヘキシル)−1−デカノール、2−ヘプチル−1−ウンデカノール、2−ヘプチル−4−メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−(5,9−ジメチル)−1−デカノールが例示できる。
例えば、上述の単量体単位(a)と単量体単位(b)との二元共重合体、単量体単位(a)と単量体単位(b)’と単量体単位(c)との三元共重合体に対して、共重合組成比の異なる二元共重合体や三元共重合体、スチレン単独重合体、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の群から選ばれる1種類以上を混合することができる。
スチレン単独重合体を混合する場合は、シート成形時の樹脂組成物の溶融粘度の調整に有効であり、樹脂組成物における混合比率は、該樹脂組成物全体を100質量%として、0.1〜5質量%が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。
また、ゴム成分としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体などが挙げられる。特に、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体として含まれていることが好ましい。
前記耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の含有量は、本発明のシートを構成する樹脂組成物中において、該樹脂組成物全体を100質量%として、0.1〜3.0質量%であることが好ましく、0.2〜2.0質量%であることがより好ましい。
本発明のシートを構成する樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、無機粒子や、前記ポリスチレン系樹脂以外の他の樹脂を含有することを許容することができる。無機粒子の含有により、シートのブロッキング抑制を図ることができる。
前記無機粒子は、本発明のシートの表面に適度な凹凸を発現させる観点、及び、透明性維持の観点から、前記無機粒子の含有量は、本発明のシートを構成する樹脂組成物中において、50〜500ppmであることが好ましい。また、前記無機粒子の平均粒子径としては、1〜20μmのものが好ましい。
本発明のシートの製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法によって製造することができる。例えば、押出機を用いて前記樹脂組成物を溶融し、ダイからシート状に押出し、冷却ロールや空冷、水冷にて冷却固化して得られるシート(未延伸シート)を、縦方向及び横方向に延伸処理した後、巻取機にて巻き取ることによりシートを得る方法が例示できる。ここで、「シート」とは、厚いシートから薄いフィルムまでを包括した意を有する。
押出機により溶融された樹脂組成物は、押出機の先端にTダイなどの口金を接続し、シート状に成型された後、冷却ロールで冷却固化される。
押出温度は、180〜260℃程度が好ましく、より好ましくは190〜250℃である。押出温度やせん断の状態を最適化することにより、種々の物理的特性、機械的特性を所望の値にするのに有効となる。
また、上述のように縦方向に延伸した後、横方向に延伸してもよく、横方向に延伸した後、縦方向に延伸してもよい。また、縦方向及び横方向に延伸処理されていれば、同じ方向に2回以上延伸してもよい。さらには、縦方向に延伸した後、横方向に延伸し、さらに縦方向に延伸してもよい。また、同時二軸延伸機により縦方向、横方向に同時に延伸されてもよい。さらには、未延伸シートを裁断し、バッチ式の延伸機により二軸延伸されてもよい。
本発明のシートの用途としては特に限定されるものではないが、成形品の耐熱性、耐衝撃性、耐折性等に優れる観点より、本発明の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを熱板圧空真空成形法(直接加熱方式)又は圧空成形法、真空圧空成形法(間接加熱方式)によって、目的の容器形状に二次成形して、食品包装材等の成形品として好適に用いることができる。特に、弁当や総菜等の電子レンジで温める食品や、蒸し料理の材料等が内容物となっていて、電子レンジで加熱調理する、種々の調味料を用いた食品包装用の成形品等に好適である。その他、工業部品等の小分けトレーや運搬容器などに用いることも出来る。
調味料の種類は、特に限定されないが、例えば、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、醤油、すし酢、ドレッシングなどが挙げられ、単独で用いる場合も、複数種を混合して用いている場合も含む。また、調味料の形態については、内容物の具材の上に乗っている場合、具材と混ぜてある場合などが挙げられる。中でも、マヨネーズ、ケチャップ、ソースが付着しても穴開きしないことが好ましく、例えばこれら調味料を1種類ずつ塗布して試験した場合、少なくとも何れか1種、より好ましくは2種、更に好ましくは3種の場合とも穴が開かないことが望ましい。また、調味料の付着量も穴開きの程度に影響するので、評価においては調味料の付着量と付着面積を決めて行うと良い。例えば、調味料0.3gを直径15mmの広さに塗布して行う。
電子レンジの条件は、例えばコンビニエンスストア等で販売されるチルド弁当の加温を想定した条件として、電子レンジの電力300W、500W、800W、1500W、1900W等で、時間15秒〜5分程度で加熱する条件が挙げられる。評価においては、例えば、電子レンジ800W、1分間加熱した条件にて穴開きの有無を判断することができる。また、電子レンジ加熱試験は実用条件に近似させ、内容物として米飯を収容したカップや底容器に対して、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートやその成形品を蓋として被せて行う。
また、穴開きしないとは、肉眼で容易に見てとれる直径3mm以上の穴が開かないことが好ましく、直径1mm以上3mm未満の小さな穴が多数開かないことがより好ましく、直径1mm未満度の穴が1つも開かないことが更に好ましい。
なお、各測定及び評価は次のように行った。結果を表1に示す。
下記に示す実施例、比較例において得られた二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを用いて、サーモフィッシャー社製の測定装置MARSIIを用いて、JIS K7244−10(2005年)に準拠し、平行平板振動レオメータにΦ20mmのパラレルプレート治具を用いて、サンプルをセットし、温度を230℃まで昇温することで、実施例、比較例で得られたシートを溶融させた。その後、冷却速度3℃/minにて降温し、測定周波数1Hz(角周波数6.28rad/s)、応力制御方式により歪0.5%となるように制御した条件にて、せん断貯蔵弾性率(G’)の温度プロファイルを測定した。得られたプロファイルから160℃における二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを構成する樹脂組成物のせん断貯蔵弾性率(G’)を算出した。
下記に示す実施例、比較例において得られた二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを、150℃に設定した熱風循環式オーブン内に10分間入れて収縮させたシートを用いて、JIS K7206(2016)に準拠し、ビカット軟化点を測定した。
ポリスチレン系樹脂シートは非晶性であるため、そのビカット軟化点は、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを構成する樹脂組成物のビカット軟化点を示すこととなる。
下記に示す実施例、比較例において得られた二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを用いて、ASTM D2838−02に準じて、ビカット軟化点+30℃の温度条件で、縦方向及び横方向の配向緩和応力を算出した。
食品等の内容物を有する弁当の調味料が蓋に付着した状態での電子レンジ加熱を想定して、以下の試験を行った。
実施例、比較例において得られた二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートに、調味料0.3gを直径15mmの広さで塗布した。調味料には、マヨネーズ(キユーピー社製、商品名:キユーピーマヨネーズ)、ケチャップ(カゴメ社製、商品名:カゴメトマトケチャップ)、及びソース(カゴメ社製、商品名:醸熟ソースとんかつ)をそれぞれ用いた。次いで、計量カップ(アズワン社製、商品名:ニューディスポカップ、材質:ポリプロピレン、容量:500ml)に、内容物として事前に炊飯し室温保管しておいた米飯500g分を詰めて、上記調味料を塗布したシート面を内側にして平板シートの形状のまま、計量カップ上面に蓋として静置した。
その後、電子レンジ(日立アプライアンス社製、日立オーブンレンジMRO−DF6)にて、出力800W、加熱時間1分の条件で、上述の調味料を塗布したシートを蓋とした計量カップを加熱し、加熱1分後にシートを回収し、調味料を拭き取った後、シートの穴開きの有無を肉眼で観察した。シートに直径3mm以上の穴が開かなかった場合を「○」、シートに直径3mm以上の穴が開いた場合を「×」と判定した。
実施例、比較例において得られた二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートをJIS P 8115:2001に準拠して、東洋精機社製MIT耐揉疲労試験機を使用し、折り曲げ角±90度、折り曲げ速度175rpm、荷重1kgの条件で、試験片が破断するまでの折り曲げ回数を計測した。シートの縦方向および横方向の各5個、計10個の試験片について試験して平均値を算出し、折り曲げ回数30回以上の場合を「○」、10回以上29回までの場合を「△」、9回までの場合を「×」と判定した。
<ポリスチレン系樹脂>
それぞれ各社から購入した以下のA−1〜A−9のポリスチレン系樹脂を使用した。
・A−1:ポリスチレン樹脂(スチレン単量体100質量%)、
・A−2:スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単量体97質量%、メタクリル酸単量体3質量%)、
・A−3:スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単量体95質量%、メタクリル酸単量体5質量%)、
・A−4:スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単量体92質量%、メタクリル酸単量体8質量%)、
・A−5:スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン単量体86質量%、メタクリル酸単量体14質量%)、
・A−6:スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単量体84質量%、メタクリル酸単量体11質量%、メタクリル酸メチル単量体5質量%)、
・A−7:スチレン−無水マレイン酸−メタクリル酸メチル共重合体(スチレン単量体75質量%、無水マレイン酸単量体10質量%、メタクリル酸メチル単量体15質量%)、
・A−8:スチレン−αメチルスチレン共重合体(スチレン単量体52質量%、αメチルスチレン単量体48質量%)、
・A−9:αメチルスチレン−アクリロニトリル共重合体(αメチルスチレン単量体69質量%、アクリロニトリル単量体31質量%)、
ポリスチレン系樹脂(A−1)を単軸押出機に投入し、設定温度230℃にて溶融混練した後、単軸押出機の先端に接続したTダイにて、シート状に押出し、100℃に設定したキャスティングロールにて引き取り、冷却固化させて未延伸シートを得た。
その後、得られた未延伸シートを、126℃に設定した同時二軸延伸機にて、縦方向2.5倍、横方向2.5倍の倍率で延伸処理を行い、厚み240μmの二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−2)に変えた他は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。その後、同時二軸延伸機の設定温度を132℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−2)60質量%、ポリスチレン系樹脂(A−3)40質量%の混合物に変えた以外は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を137℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−3)に変えた他は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を140℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−4)に変えた他は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を156℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−5)に変えた他は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を166℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−6)に変えた以外は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を162℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−7)に変えた以外は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を166℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−8)に変えた以外は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を173℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
ポリスチレン系樹脂(A−1)を、ポリスチレン系樹脂(A−9)に変えた以外は、比較例1と同様の条件にて、未延伸シートを得た。
その後、同時二軸延伸機の設定温度を156℃に変えた他は、比較例1と同様にして二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを得た。
一方、比較例1で得られたシートは、調味料付着時の電子レンジ加熱において、調味料付着部分に直径25mm程度の大きな穴が見られた。
さらに、比較例2は、実施例1〜3より高いビカット軟化点を示すものの、調味料付着時の電子レンジ加熱において、調味料付着部分において穴開きが観察された。これは、ビカット軟化点が高くても、分子量、分子量分布、分岐等の分子構造などによってせん断貯蔵弾性率が低く、調味料が付着する場合などの実用的な電子レンジ使用条件では耐熱性不十分になったものと考えられる。
このことからも、調味料付着時での加熱に伴うシートの穴開きを抑制するには、局所加熱された状態において、シートの耐熱温度(ビカット軟化点やガラス転移温度)を超えた時における温度、具体的には160℃における、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートを構成する樹脂組成物のせん断貯蔵弾性率(G’)が本発明の規定する範囲とすることが、シートの穴開き抑制において、最も重要であることが分かる。
Claims (6)
- ポリスチレン系樹脂を主成分としてなる樹脂組成物から構成された二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートにおいて、当該樹脂組成物の平行平板振動レオメータから算出されるせん断貯蔵弾性率(G’)が160℃において1.0×105Pa以上であることを特徴とする二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート。
- 前記ポリスチレン系樹脂が、スチレン系単量体単位(a)と、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、及びアクリロニトリルの群から選ばれる1種の単量体単位(b)との二元共重合体、又は、スチレン系単量体単位(a)と、前記(a)と異なる種類のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、及びアクリロニトリルの群から選ばれる1種の単量体単位(b)’と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(c)との三元共重合体である、請求項1に記載の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート。
- 前記二元共重合体の組成比が、前記単量体単位(a)が80〜99質量%、前記単量体単位(b)が1〜20質量%であり、(a)+(b)の合計が100質量%である請求項2に記載の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート。
- 前記三元共重合体の組成比が、前記単量体単位(a)が60〜98質量%、前記単量体単位(b)’が1〜20質量%、前記単量体単位(c)が1〜20質量%であり、(a)+(b)’+(c)の合計が100質量%である請求項2に記載の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート。
- 請求項1〜4の何れかに記載の二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートからなる成形品。
- マヨネーズ、ケチャップ、及びソースの少なくとも1種を塗布し、電子レンジで800W、1分間加熱しても穴開きしない請求項5に記載の成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018048573A JP6741035B2 (ja) | 2018-03-15 | 2018-03-15 | 二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート、および、成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018048573A JP6741035B2 (ja) | 2018-03-15 | 2018-03-15 | 二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート、および、成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019157048A true JP2019157048A (ja) | 2019-09-19 |
JP6741035B2 JP6741035B2 (ja) | 2020-08-19 |
Family
ID=67993949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018048573A Active JP6741035B2 (ja) | 2018-03-15 | 2018-03-15 | 二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート、および、成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6741035B2 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002225127A (ja) * | 2000-11-29 | 2002-08-14 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 二軸延伸ポリスチレン系シート及びその容器 |
JP2003012734A (ja) * | 2001-06-28 | 2003-01-15 | Denki Kagaku Kogyo Kk | スチレン系共重合体並びにその二軸延伸シート及び容器 |
JP2011126996A (ja) * | 2009-12-17 | 2011-06-30 | Ps Japan Corp | スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂、押出シート及び成形品 |
JP2015021074A (ja) * | 2013-07-19 | 2015-02-02 | サンディック株式会社 | 二軸延伸スチレン系樹脂シート及びその成形品 |
JP2016030818A (ja) * | 2014-07-30 | 2016-03-07 | Dic株式会社 | スチレン系樹脂組成物、二軸延伸スチレン系樹脂シート及び成形体 |
WO2016039341A1 (ja) * | 2014-09-08 | 2016-03-17 | 電気化学工業株式会社 | 二軸延伸シート及び包装用容器 |
JP2017214487A (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | Psジャパン株式会社 | スチレン系樹脂、スチレン系樹脂組成物、そのシート及び成形品、並びにスチレン系樹脂の製造方法 |
-
2018
- 2018-03-15 JP JP2018048573A patent/JP6741035B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002225127A (ja) * | 2000-11-29 | 2002-08-14 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 二軸延伸ポリスチレン系シート及びその容器 |
JP2003012734A (ja) * | 2001-06-28 | 2003-01-15 | Denki Kagaku Kogyo Kk | スチレン系共重合体並びにその二軸延伸シート及び容器 |
JP2011126996A (ja) * | 2009-12-17 | 2011-06-30 | Ps Japan Corp | スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂、押出シート及び成形品 |
JP2015021074A (ja) * | 2013-07-19 | 2015-02-02 | サンディック株式会社 | 二軸延伸スチレン系樹脂シート及びその成形品 |
JP2016030818A (ja) * | 2014-07-30 | 2016-03-07 | Dic株式会社 | スチレン系樹脂組成物、二軸延伸スチレン系樹脂シート及び成形体 |
WO2016039341A1 (ja) * | 2014-09-08 | 2016-03-17 | 電気化学工業株式会社 | 二軸延伸シート及び包装用容器 |
JP2017214487A (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | Psジャパン株式会社 | スチレン系樹脂、スチレン系樹脂組成物、そのシート及び成形品、並びにスチレン系樹脂の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6741035B2 (ja) | 2020-08-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20240058955A (ko) | 2축 배향 폴리프로필렌 필름 | |
JP6085533B2 (ja) | 二軸延伸スチレン系樹脂シート及びその成形品 | |
JP6389574B2 (ja) | 二軸延伸シートおよびその成形品 | |
JP2016525612A (ja) | ポリマーの溶融強度を上げるためのアクリル酸金属塩 | |
TWI697507B (zh) | 雙軸延伸薄片及其成形品 | |
WO2016039340A1 (ja) | 二軸延伸シート及び包装用容器 | |
JPWO2020158474A1 (ja) | ポリプロピレン系樹脂多層フィルム | |
JP2014534297A (ja) | 熱成形品、大きい、深い、複雑なおよび/または厚い物品を製造するためのポリプロピレン、変性ポリプロピレンを大きい、深い、複雑なおよび/または厚い物品に熱成形するプロセス、ならびに該ポリプロピレンの使用 | |
JP2015229330A (ja) | 耐油性ポリスチレン系樹脂シートおよびその成形容器 | |
JP6386874B2 (ja) | ポリオレフィン系組成物およびポリオレフィン延伸フィルム並びに延伸フィルムの製造方法 | |
JP4772683B2 (ja) | 多層熱収縮性ポリスチレン系フィルム、並びに該フィルムを用いた熱収縮性ラベル及び容器 | |
JP6546555B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡シート及びその製造方法、並びに、成形体 | |
JP6854819B2 (ja) | 二軸延伸シートおよびその成形品 | |
JP6850574B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡シート、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及びポリスチレン系樹脂積層発泡成形体 | |
JP6741035B2 (ja) | 二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート、および、成形品 | |
JP2006257307A (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡シート成形用樹脂組成物及びそれから得られるポリオレフィン系樹脂発泡シート | |
JP2005330299A (ja) | スチレン系樹脂二軸延伸シート及び熱成形品 | |
JP6306871B2 (ja) | 電子レンジ加熱用途に適したポリスチレン系樹脂シートおよびその成形容器 | |
JP7367571B2 (ja) | ポリスチレン系二軸延伸シート、非発泡シート、及びこれらを用いた成形品 | |
JP5904349B1 (ja) | 芳香族ビニル系樹脂二軸延伸シート、成形品の製造方法、及び食品包装材 | |
JP4769205B2 (ja) | 耐衝撃性ポリスチレン製二軸延伸シート、およびこのシート製成形品 | |
JP7200613B2 (ja) | 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂シート、及びその成形品 | |
JP5669351B2 (ja) | 4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムの製造法 | |
JP2020151907A (ja) | 二軸延伸多層フィルム | |
JP2005281646A (ja) | ポリスチレン系2軸延伸シート及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200108 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20200108 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20200122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200204 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200402 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200623 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200706 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6741035 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |