JP2001031046A - ポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂、その製造法及び食品包装容器 - Google Patents

ポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂、その製造法及び食品包装容器

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JP2001031046A
JP2001031046A JP19993799A JP19993799A JP2001031046A JP 2001031046 A JP2001031046 A JP 2001031046A JP 19993799 A JP19993799 A JP 19993799A JP 19993799 A JP19993799 A JP 19993799A JP 2001031046 A JP2001031046 A JP 2001031046A
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poly
styrene
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resin
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JP19993799A
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Takayuki Ando
孝行 安藤
Masahiko Aoki
賢彦 青木
Hideki Totani
英樹 戸谷
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形加工性、生産性、成形品外観、剛性、表面
硬さに優れ、臭気の少ない食品包装容器等の用途に好適
な新規な樹脂及びそのシート等を提供すること。 【解決手段】スチレン系単量体単位10重量%以上50
重量%未満、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位
50重量%を越え90重量%以下、他の共重合性単量体
単位0〜20重量%からなる共重合体であって、該共重
合体中の未反応単量体の含有量の合計が3000ppm
以下で、かつ、スチレン2量体と3量体の含有量の合計
が1000ppm以下で、更に硫黄系連鎖移動剤に基ず
く硫黄含有量が70ppm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリ(メタ)アクリ
ルスチレン系樹脂に関し、更に詳しくは、該樹脂中の未
反応単量体、スチレン2量体とスチレン3量体の合計
量、及び硫黄系連鎖移動剤に基づく硫黄含有量がそれぞ
れ規定量以下であることを特徴とする、射出成形時、シ
ート製造時やその二次加工時の生産性、及びそれらの成
形品の外観に優れ、剛性、表面硬さが良好で臭気の少な
い食品包装容器等の用途に好適なポリ(メタ)アクリル
スチレン系樹脂及びその樹脂の製造法、更に該ポリ(メ
タ)アクリルスチレン系樹脂を用いたポリ(メタ)アク
リルスチレン系樹脂シート及び食品包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレンに代表されるスチレン系樹
脂は透明性、剛性、成形性等に優れ、更に安価であるこ
とから家庭用品、玩具、OA機器のハウジング材、食品
包装容器等に利用されている。特に、シート加工性、発
泡特性、真空成形性等の加工特性に優れる無毒で安全な
材料であることから、食品包装容器等の用途に多用され
てきた。また、業務用及び家庭用電子レンジの普及に伴
い、これらの食品包装容器に、剛性、表面硬さ、成形品
の外観改良が要求されるようになり、また、二軸延伸シ
ートを食品包装用の軽量容器に用いるにあたり、よりシ
ートの成形性及びその真空成形性等の二次加工特性に優
れるスチレン系樹脂が強く要求されている。
【0003】スチレン系樹脂の剛性を向上させる手法と
しては、スチレン系樹脂の平均分子量を大きくし高分子
量化する方法、及びスチレン系樹脂中に存在するゴム成
分若しくは可塑剤量を減量させる方法があるが、前者は
成形性を犠牲にし、一方後者は耐衝撃性を犠牲にするこ
とになる。更に、スチレン系樹脂の表面硬度を向上させ
る手法としては、含有する可塑剤を減量させる方法がこ
れまでに用いられているが、成形性が低下する問題があ
った。また、シリコンオイル等の滑剤を含有させる方法
も用いられているが、印刷等の二次加工性が低下する問
題があった。また、スチレン系樹脂の剛性及び表面硬度
を向上させる手法としては、メチルメタクリレート又
は、アクリロニトリルを共重合させる方法等があるが、
いずれの共重合樹脂も、溶融粘度が上昇するために成形
加工時の生産性に劣るものとなり、生産性を改良しよう
として共重合樹脂の分子量を下げると脆いものとなり、
脆さを改良しようとゴム成分を配合すると耐熱性が低下
するためさらなる改良が求められていた。
【0004】また成形品の外観を改良するために、ある
いは成形加工性を向上させるために滑剤、可塑剤等を添
加してシート成形又は射出成形することが行われる。滑
剤、可塑剤の添加量が多いとシートを成形する押出機の
金型、もしくはロール表面にブリードアウトし、シート
表面やロールに付着し、汚染し、シート外観が劣り、あ
るいはシートを二次加工する際に二次加工機例えば真空
成形機等の金型にブリードアウトした滑剤、可塑剤が付
着し成形品の品質低下、あるいは連続成形性が中断され
生産性の低下を招く欠点がある。射出成形時においても
同様で、射出成形金型を汚染し、汚染物が成形品へ付着
したりし、金型掃除の頻度が多く、また成形品の外観も
劣る為、生産性が損なわれる。また可塑剤を添加すると
先に述べたように剛性、表面硬度もしくは機械的強度が
低下したりして不都合が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のスチ
レン系樹脂の欠点を改良し成形加工時の生産性、成形加
工性、成形品外観、剛性、表面硬さが良好で臭気の少な
い食品包装容器等の用途に好適な熱可塑性樹脂並びにそ
の樹脂の製造方法、その樹脂を用いたシート、及びその
食品包装容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、スチレン
系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル単量体単位
を主成分としてなる共重合体である。該共重合体中に残
存する未反応単量体や副生して含まれるスチレン2量体
及びスチレン3量体、並びに硫黄系連鎖移動剤に基づく
硫黄含有量が、該共重合体の成形加工時の生産性や外観
及び臭気に大きく影響していること、これらの未反応単
量体量や、スチレン2量体並びにスチレン3量体の副生
量は特定の重合法によって抑制され得ること、更にこれ
ら含有量を一定値以下に抑制させて得た(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体を主成分とした共重合体をもって初
めて、当初の課題を解決し本発明を完成するに至った。
なお、本発明のスチレン系単量体単位と(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体単位を主成分としてなる共重合体を
以下ポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂と称する。
【0007】即ち本発明は、スチレン系単量体単位10
重量%以上50重量%未満、(メタ)アクリル酸エステ
ル単量体単位50重量%を越え90重量%以下、他の共
重合性単量体単位0〜20重量%からなる共重合体であ
って、該共重合体中の(1)未反応単量体の含有量の合
計が3000ppm以下で、かつ、(2)スチレン2量
体とスチレン3量体の含有量の合計が1000ppm以
下で、更に、(3)硫黄系連鎖移動剤に基づく硫黄含有
量が70ppm以下であることを特徴とするポリ(メ
タ)アクリルスチレン系樹脂、並びにそのポリ(メタ)
アクリルスチレン系樹脂を用いたポリ(メタ)アクリル
スチレン系樹脂シート及び食品包装容器に関する。
【0008】また、単量体の合計100重量部に対し重
合開始剤として多官能有機過酸化物又は2種以上の単官
能有機過酸化物を合計0.01〜5重量部添加し、少な
くとも転化率が50重量%以上に至るまでの重合温度を
110℃未満に制御した後、125℃を越える重合温度
に制御してラジカル共重合することを特徴とする前記ポ
リ(メタ)アクリルスチレン系樹脂の製造法に関する。
【0009】更には、ポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂100重量部に対してゴム状重合体を10重量部以
下(但し、0は含まず)を含有してなるポリ(メタ)ア
クリルスチレン系樹脂組成物及びそのポリ(メタ)アク
リルスチレン系樹脂組成物を用いたポリ(メタ)アクリ
ルスチレン系樹脂シート及び食品包装容器に関する。
【0010】本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂を構成するスチレン系単量体とはスチレン、α−メ
チルスチレン、またはベンゼン核の一部がアルキル基で
置換されたスチレンをいう。特に好ましくはスチレンで
ある。これらのスチレン系単量体は単独で用いてもよい
が二種以上を併用してもよい。
【0011】また、本発明で使用される(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体とは、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート等のア
クリル酸エステルが挙げられるが、好ましくはメチルメ
タクリレート、またはn−ブチルアクリレートである。
特に好ましくは、メチルメタクリレートである。これら
の(メタ)アクリル酸エステル単量体は単独で用いても
よいが二種以上を併用してもよい。
【0012】そして、他の共重合性単量体とはスチレン
系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重
合可能な単量体であれば特に制限はなく、マレイン酸、
イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のラジ
カル重合性多塩基酸及びその無水物、マレイミド、N−
メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレ
イミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、あるいは
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等
の単量体が例示できる。好ましくはメタクリル酸であ
る。
【0013】更に、これらのポリ(メタ)アクリルスチ
レン系樹脂に耐熱性を付与する場合には、共重合体中に
残存する未反応単量体の低減を考慮してマレイン酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、メタクリル酸等が用いられる。
【0014】本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂は、スチレン系単量体単位10重量%以上50重量
%未満、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位50重
量%を越え90重量%以下、他の共重合性単量体単位0
〜20重量%からなる共重合体をラジカル共重合して得
られる。本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂
はスチレン系単量体単位が10重量%未満では成形加工
性が劣るものとなり、また、50重量%以上ではスチレ
ン2量体、スチレン3量体の生成割合が多くなり好まし
くない。また、他の共重合性単量体単位が20重量%を
超えるとスチレン系樹脂シート及び食品包装容器の生産
性、成形加工性、外観、剛性、表面硬さ、臭気のバラン
スが劣るものとなるため好ましくない。
【0015】なお、前記した耐熱性を付与するために添
加する、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、マレイミド、N−メチルマレイミド、N
−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、
N−フェニルマレイミド、メタクリル酸等の単量体を用
いる場合は1重量%以上20重量%以下が好ましく、更
に好ましくは3〜18重量%で、特に好ましくは5〜1
5重量%である。
【0016】本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂のスチレン系単量体単位、(メタ)アクリル酸エス
テル単量体単位、他の共重合性単量体単位の好ましい範
囲は、スチレン系単量体単位15〜45重量%と、上記
の規定範囲を満たした(メタ)アクリル酸エステル単量
体単位と他の共重合性単量体単位の合計量が55〜85
重量%である。更に好ましくはスチレン系単量体単位2
0〜40重量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体と
他の共重合性単量体単位の合計量が60〜80重量%で
ある。なお、単量体は重合初期に全量存在させて重合し
ても、重合途中に単量体を添加しながら重合しても差し
支えない。
【0017】本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂中に含有する未反応単量体残存量の合計は3000
ppm以下である。3000ppmを越えると、該ポリ
(メタ)アクリルスチレン系樹脂を用いて成形加工する
際に、これらの未反応単量体が金型に付着したり、臭気
の原因となる。特に、シート製造時、未反応単量体がシ
ート表面へブリードアウトし、シート表面及びロールを
汚染する。また、シート成形時に金型を汚染する。より
好ましくは2000ppm以下、更に好ましくは150
0ppm以下、特に好ましくは1000ppm以下であ
る。
【0018】本発明でいうスチレン2量体とは1,2−
ジフェニルシクロブタン、2,4−ジフェニル−1−ブ
テン等であり、スチレン3量体とは2,4,6−トリフ
ェニル−1−ヘキセン、1−フェニル−4−(1´−フ
ェニルエチル)テトラリン、トリフェニルシクロヘキサ
ン等であるが、これらのオリゴマーの構造を特定するこ
とは本発明の目的あるいは本発明の効果とは直接関係は
ない。
【0019】また、本発明のポリ(メタ)アクリルスチ
レン系樹脂はスチレン2量体とスチレン3量体の含有量
が合計で1000ppm以下である。含有量が1000
ppmを越えると、シート製造時、シート表面にブリー
ドアウトし、シート表面及びロールを汚染する。また、
シート成形時に金型を汚染する。更に臭気の原因にな
る。より好ましくは400ppm以下、更に好ましくは
200ppm以下、特に好ましくは100ppm以下で
ある。
【0020】本発明の硫黄系連鎖移動剤に基づく硫黄含
有量とは、後で述べるポリ(メタアクリル)スチレン系
樹脂重合時に分子量等を調整する目的でn−ドデシルメ
ルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシル
メルカプタン等の硫黄系連鎖移動剤を添加する場合、そ
の連鎖移動剤に基づくポリ(メタアクリル)スチレン系
樹脂中の硫黄含有量のことである。
【0021】本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂中の硫黄系連鎖移動剤に基づく硫黄含有量は、70
ppm以下である。70ppmを越えると、特異的な臭
気の原因となる。そのため、好ましくは50ppm以下
であり、更に好ましくは30ppm以下である。特にポ
リ(メタ)アクリルスチレン系樹脂の分子量等を調整す
るためにα−メチルスチレンダイマー等の硫黄を含有し
ない添加剤を用いれば非常に好ましい。
【0022】本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂のMw(重量平均分子量)が5万〜40万で、かつ
Mz(Z平均分子量)/Mwが1.3〜2.8であるこ
とが好ましい。Mwが5万より小さいとポリ(メタ)ア
クリルスチレン系樹脂自体が脆い傾向にあり、そのポリ
(メタ)アクリルスチレン系樹脂シートやその成形品も
脆い傾向にある。また、Mwが40万より大きい場合、
溶融粘度が大きくなり、シート成形や二次成形加工性が
難しく生産性に劣る傾向にある。更にMz/Mwが1.
3〜2.8の範囲外の場合、シート成形や二次成形加工
が難しく、生産性に劣る傾向にある。更に好ましいMw
は、8万〜37万であり、特に好ましくは10万〜35
万である。また、Mz/Mwの場合は更に好ましくは
1.4〜2.6であり、特に好ましくは1.6〜2.4
である。
【0023】次に、本発明の条件を満足するポリ(メ
タ)アクリルスチレン系樹脂の製造方法について述べ
る。本発明の知見によれば、スチレン2量体、スチレン
3量体の生成は、ラジカル重合時に十分量の重合開始剤
を存在させ、しかも比較的低温で重合することにより抑
制される。しかし低温で重合すると単量体が大量に残存
したり、生産性が低下したりするため、高転化率領域も
制御された温度状態等を維持して重合する必要がある。
本発明では重合開始剤に多官能有機過酸化物又は2種以
上の単官能有機過酸化物を用いることで、高転化率領域
で十分量の重合開始剤が存在し、スチレン2量体、3量
体の生成を抑え、かつ単量体が大量に残存したり生産性
が低下したりすることを抑えることができることを見い
出したものである。
【0024】即ち、使用する単量体の合計100重量部
に対し重合開始剤として多官能有機過酸化物又は2種以
上の単官能有機過酸化物を合計0.01〜5重量部、よ
り好ましくは0.03〜3重量部、更に好ましくは0.
05〜1重量部添加し、転化率が50重量%以上、より
好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%
以上に至るまでの重合温度を110℃未満、好ましくは
105℃未満、更に好ましくは100℃未満に制御した
後、続いて125℃を越える重合温度、より好ましくは
127℃を越える重合温度、更に好ましくは129℃を
越える重合温度、但し上限は250℃以下、に制御して
ラジカル共重合することにより、本発明の目的に叶うポ
リ(メタ)アクリルスチレン系樹脂を製造することがで
きる。
【0025】有機過酸化物の含有量が0.01重量部未
満ではスチレン2量体、3量体を含むオリゴマーの副生
を抑制する効果が不十分であり、5重量部を越えると効
果が飽和して経済的に好ましくない上、得られた樹脂の
熱安定性、耐光性等が劣る。また、転化率が50重量%
に至るまでの重合温度が110℃以上であるとオリゴマ
ーが副生し好ましくない。また転化率が50重量%に至
るまでの重合温度を110℃未満に制御した場合であっ
ても、その後の重合温度を125℃を越える温度に制御
しないと単量体が大量に残存し、シート製造時にシート
表面にブリードアウトやシート表面の汚染や臭気等の劣
る傾向がある。但し上限温度は前記のとおり250℃以
下が好ましい。250℃を越えると得られるスチレン系
樹脂の熱安定性の劣る傾向が見られる。
【0026】本発明において、多官能有機過酸化物の例
として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス
(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロ
パン、エチル−3,3−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブ
チレート等が挙げられる。また、単官能有機過酸化物の
例としてt−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカー
ボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネー
ト、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチル
パーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられ
る。半減期温度としては、好ましくは1時間半減温度が
80〜160℃、更に好ましくは100〜145℃であ
る。
【0027】また、本発明では多官能有機過酸化物又は
2種以上の単官能有機過酸化物を添加して重合すること
が必要であり、1種のみの単官能有機過酸化物を添加し
て重合を行うと、単量体が大量に残存する等目的のもの
が得られない。なお、多官能有機過酸化物又は2種以上
の単官能有機過酸化物を用いるならば、更に追加して他
の多官能有機過酸化物や単官能有機過酸化物を添加して
重合することもできる。
【0028】更に本発明のポリ(メタ)アクリルスチレ
ン系樹脂の分子量を調整する目的で重合中に添加される
連鎖移動剤がある。例としてn−ドデシルメルカプタ
ン、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプ
タン等の硫黄系連鎖移動剤やα−メチルスチレンダイマ
ー等が挙げられる。
【0029】また、n−ドデシルメルカプタン、n−オ
クチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等の硫
黄系連鎖移動剤を用いる場合には、スチレン系樹脂中の
硫黄系連鎖移動剤に基づく硫黄含有量が、70ppm以
下でなるような量で用いることが必要である。
【0030】本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂はラジカル重合で製造したものである。具体的に
は、懸濁重合、塊状重合、溶液重合等で、好ましくは懸
濁重合である。懸濁重合は重合発熱の除熱が容易で、高
転化率領域まで重合が可能な為未反応単量体やスチレン
2量体、スチレン3量体を効率的に抑制出来る。
【0031】本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂は、ポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂の耐衝撃
強度やシートの強靭性あるいは平滑性を改良する目的で
ゴム状重合体を混合すること、あるいはゴム状重合体の
存在下でスチレン系単量体を重合した(共)重合体、ス
チレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体及
び/又はこれらと共重合可能な単量体を重合して得た共
重合体であるこれらのゴム状重合体含有(共)重合体を
混合することが出来る。以下、これらをポリ(メタ)ア
クリルスチレン系樹脂組成物という。また、ゴム状重合
体とゴム状重合体含有(共)重合体を併用することもで
きる。なお、ゴム状重合体含有(共)重合体もゴム状重
合体を有しているのでポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂組成物はゴム状重合体を含有しているものであると
いえる。
【0032】当該ゴム状重合体あるいはゴム状重合体含
有(共)重合体に用いられるゴム状重合体は、ポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体あるい
はスチレン−ブタジエンランダム共重合体が好ましく、
スチレンとブタジエンの組成比は連続相である樹脂成分
との屈折率の差が下記の範囲になるように設定すること
が好ましい。
【0033】また、本発明のポリ(メタ)アクリルスチ
レン系樹脂に当該ゴム状重合体及び/又はゴム状重合体
含有共重合体を混合するに際し、混合物(ポリ(メタ)
アクリルスチレン系樹脂組成物)の透明性を重要視し透
明性を確保する目的では、混合物の連続相である樹脂成
分と分散相を形成するゴム粒子との屈折率の差が0.1
以下が好ましい、更に好ましくは0.01以下である。
【0034】なお、ゴム状重合体含有(共)重合体に用
いられるスチレン系単量体としては、前記したスチレン
等の単量体が、また(メタ)アクリル酸エステル単量体
としては前記したメチルメタクリレート等の単量体、こ
れらの単量体と共重合可能な単量体としては、前記した
メタクリル酸、マレイン酸、アクリロニトリル等の他の
共重合性単量体として挙げた単量体が用いられる。
【0035】ポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂組成
物中に混合できる量は、ポリ(メタ)アクリルスチレン
系樹脂100重量部に対してゴム状重合体の含有量とし
て10重量部以下(但し、0は含まず)が好ましい。更
に好ましくは0.01〜8重量部で、特に好ましくは
0.05〜5重量部である。ゴム状重合体が0.01重
量部未満では改良効果が充分に発揮出来ず、10重量部
より大きいと効果が飽和するばかりか、透明性、剛性、
耐油性に劣る傾向を示す。
【0036】本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂とゴム状重合体及び/又はゴム状重合体含有(共)
重合体との混合物において、分散相であるゴム粒子の体
積平均粒子径は0.03μm〜5μm、好ましくは0.
1μm〜4μm、更に好ましくは0.2μm〜3μmで
ある。ゴム粒子の体積平均粒子径が0.03μmより小
さいと強靭性及び平滑性の改良効果が充分に発揮出来
ず、5μmより大きいと効果が飽和するばかりでなく、
透明性、剛性、耐油性が低下する傾向を示す。
【0037】当該ゴム状重合体含有(共)重合体の製法
は特に制限はないが、乳化重合で製造されたゴム状重合
体ラテックスの存在下に樹脂成分を構成する単量体に溶
解して塊状重合、溶液重合あるいは懸濁重合する方法が
好ましく、例えば、特公昭45−31677号公報、特
公昭46−32748号公報、特公昭47−8624号
公報等に開示された技術が知られている。異なる方法で
製造された、ゴム粒子の性状の異なるゴム状重合体含有
(共)重合体を併用することも可能である。
【0038】本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂には必要に応じて酸化防止剤、滑剤、離型剤、可塑
剤、顔料、染料、発泡剤、発泡核剤、無機フィラー、帯
電防止剤、摺動剤等公知の添加剤を含有することもでき
る。更に、本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系樹
脂はGP−PSやHI−PS、MS樹脂、MBS樹脂、
AS樹脂、ABS樹脂、PE、PP、PPO等公知の樹
脂と組み合わせて使用することもできる。
【0039】本発明のポリ(メタ)アクリルスチレン系
樹脂は、公知の手法によりポリ(メタ)アクリルスチレ
ン系樹脂シート及び食品包装容器とすることができる。
例えば、スチレン系樹脂シートの製造法として、1軸延
伸法、2軸延伸法、多軸延伸法、発泡成形法、共押出
法、積層法等が挙げられる。その中で2軸延伸法が好ま
しい。また、食品包装容器の製造法としては、射出成形
法、上記シートを圧空成形法、真空成形法、真空圧空成
形法等が挙げられる。その中で射出成形法や真空圧空成
形法が好ましい。
【0040】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。なお、「%」は重量基準である。最初に、本発
明における評価法を以下に説明する。
【0041】(1)単量体単位の測定:13C−NMRを
用いて、それぞれの単量体単位に起因するスペクトルピ
ークの面積比より樹脂組成を算出した。 (2)未反応単量体の測定:下記記載のガスクロマトグ
ラフィーを用い、内部標準法で測定した。 装置名:GC−12A(島津製作所社製) カラム:ガラスカラム φ3mm×3m 定量:内部標準法(シクロペンタノール) (3)スチレン2量体、3量体の測定:ガスクロマトグ
ラフィー法で測定したものであり、詳細はポリオレフィ
ン等衛生協議会発行の文献、「ポリオレフィン等合成樹
脂食品容器包装等に関する自主規制基準」(第3版)、
第3部衛生試験法−追補(1993年5月)に記載の測
定法に準じて行った。 (4)硫黄系連鎖移動剤に基づく硫黄含有量の測定:ス
チレン系樹脂の平板を用い、X線分析の蛍光法で硫黄の
定量を行った。 (5)重量平均分子量(Mw)、及びZ平均分子量(M
z)の測定:下記記載のGPC測定条件で測定した。 装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工
社製) カラム:PLgel MIXED−Bを3本直列 温度 :40℃ 検出 :示差屈折率 溶媒 :テトラヒドロフラン 濃度 :2重量% 検量線:標準PS(PL社製)に準拠(分子量はPS換
算値) (6)ゴム粒子の体積平均粒子径:下記記載の方法で測
定した。 装置名:レーザー回折方式粒子アナライザーLS−23
0型(コールター社製) 溶媒:ジメチルホルムアミド
【0042】(7)生産性の評価:下記記載の条件で
シート押出し、ロールの汚染程度で判断した。 シート押出機:φ40mmのエキストルーダー(田辺プ
ラスチック機械社製) Tダイ幅:500mm 押出温度:250℃ 押出時間:3時間 ロールの汚染程度:◎殆ど無し、○若干有り、△ロール
表面半分程度汚染有り、×ロール表面殆ど汚染有り (8)生産性の評価:生産性で得られたシートの偏
肉性を評価した。 偏肉性:◎偏肉殆ど無し、○偏肉若干有り、×偏肉有り (9)臭気:射出成形で得たカップ容器(内径80m
m、深さ80mm、厚み0.8mm)5個をガラス容器
に入れ、アルミホイルで封し、10時間放置した。その
後、アルミホイルを剥がし、臭いを嗅ぎ下記基準の官能
試験で評価した。 ◎殆ど無し、○若干有り、×異臭がする。 (10)成形品の脆さ:(7)で得たシートを縦方向に
2.5倍、横方向2.5倍で延伸した0.25mm厚み
の2軸延伸シートを得た。その2軸延伸シートを関西自
動成型機社製の真空圧空成型機PK400を用い、蓋容
器(170mm長さ×120mm幅×25mm高さ)を
成形した。その蓋容器を20枚重ね縁をトリミング(打
ち抜き)した。これを20回行った(蓋容器400枚分
トリミングした)時の蓋容器の割れた枚数をカウントし
た。 (11)衝撃強度:ASTM D256に基づき、試験
片にVノッチを入れ、ノッチの下部を固定したハンマー
で叩き、試験片を破壊するのに要したエネルギーより衝
撃強度を求めた。 測定装置:東洋精機社製 全自動衝撃試験機 試験片:63.5mm×12.7mm×6.4mm Vノッチ:試験片の一端より31.8mmの位置に深さ
2.54mm入れた。 (12)耐熱性:ビカット軟化点(JIS K−687
1 5Kg荷重) (13)剛性(曲げ強度):ASTM D−790に準
拠し、127mm×12.7mm×6.4mmの試験片
形状の射出成形品を用いて曲げ強度を測定した。単位を
MPaで示した。 (14)表面硬さ(ロックウェル硬度):JIS K−
6871に準拠し、127mm×12.7mm×6.4
mmの試験片形状の射出成形品を用いてロックウェル硬
度をスケールM法で測定した。
【0043】実施例1 内容積230Lのオートクレーブに純水100Kgとポ
リビニルアルコール100gを添加し攪拌した。次にス
チレン20Kg、メチルメタクリレート80Kg及びt
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート100
g、t−ブチルパーオキシアセテート50g、α−メチ
ルスチレンダイマー800gを仕込み、90℃に昇温し
て8時間重合を行った。なお、90℃で8時間重合を行
った時の転化率は96%であった。更に132℃で6時
間保持し、重合を完結させた。重合して得れられたビー
ズを洗浄、脱水、乾燥した後、押出機を用いてペレット
形状の樹脂を得た。その樹脂を用い、厚さ0.25mm
の2軸延伸シートを得た。その2軸延伸シートを用い蓋
容器(170mm長×120mm幅×25mm高さ)を
真空圧空成形法により得た。また、射出成形によりカッ
プ容器(内径80mm、深さ80mm、厚み0.8m
m)も得た。表1に樹脂組成及び評価結果を示した。
【0044】実施例2 実施例1のスチレン20Kg、メチルメタクリレート8
0Kg、α−メチルスチレンダイマー800gをスチレ
ン30Kg、メチルメタクリレート70Kg、α−メチ
ルスチレンダイマー1000gとし、更に132℃で6
時間保持を132℃で5時間保持とした以外は実施例1
と同様に行った。なお、90℃で8時間重合を行った時
の転化率が96%であった。表1に樹脂組成及び評価結
果を示した。
【0045】実施例3 実施例1のスチレン20Kg、メチルメタクリレート8
0Kg、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート100g、α−メチルスチレンダイマー800gを
スチレン38Kg、メチルメタクリレート62Kg、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート150
g、α−メチルスチレンダイマー150gとした以外は
実施例1と同様に行った。なお、90℃で8時間重合を
行った時の転化率が98%であった。表1に樹脂組成及
び評価結果を示した。
【0046】実施例4 実施例1のスチレン20Kg、メチルメタクリレート8
0Kg、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート100g、α−メチルスチレンダイマー800gを
スチレン43Kg、メチルメタクリレート55Kg、メ
タクリル酸2Kg、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート150g、t−ドデシルメルカプタン2
0gとし、更に132℃で6時間保持を132℃で4時
間保持とした以外は実施例1と同様に行った。なお、9
0℃で8時間重合を行った時の転化率が98%であっ
た。表1に樹脂組成及び評価結果を示した。
【0047】実施例5 実施例1のスチレン20Kg、メチルメタクリレート8
0Kg、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート100g、α−メチルスチレンダイマー800gを
スチレン25Kg、メチルメタクリレート67Kg、メ
タクリル酸8Kg、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート150g、α−メチルスチレンダイマー
500gとした以外は実施例1と同様に行った。なお、
90℃で8時間重合を行った時の転化率が98%であっ
た。表1に樹脂組成及び評価結果を示した。
【0048】実施例6 実施例2のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート100g、α−メチルスチレンダイマー1000
gをt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
150g、α−メチルスチレンダイマー20gとした以
外は実施例2と同様に行った。なお、90℃で8時間重
合を行った時の転化率が98%であった。表1に樹脂組
成及び評価結果を示した。
【0049】実施例7 実施例1のスチレン20Kg、メチルメタクリレート8
0Kg、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート100g、α−メチルスチレンダイマー800gを
スチレン40Kg、メチルメタクリレート60Kg、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート80
g、α−メチルスチレンダイマー400gとし、90℃
に昇温して8時間重合を93℃に昇温して6時間とし、
更に132℃で6時間保持を132℃で4時間保持とし
た以外は実施例1と同様に行った。なお、93℃で6時
間重合を行った時の転化率が95%であった。表1に樹
脂組成及び評価結果を示した。
【0050】実施例8 内容積230Lのオートクレーブにスチレン44Kg、
メチルメタクリレート50Kgの混合単量体にスチレン
−ブタジエン共重合体(スチレン含量40%、旭化成社
製、商品名 アサプレン670A)6Kgを溶解し、ベ
ンゾイルパーオキサイド40g、α−メチルスチレンダ
イマー600gを添加し攪拌下で90℃で重合し、スチ
レンとメチルメタクリレートの転化率分とスチレン−ブ
タジエン共重合体分の合計が45重量%に達した時塊状
重合を停止し重合液を得た。更に、内容積230Lのオ
ートクレーブに純水100Kgとポリビニルアルコール
100gを添加し、攪拌し、該重合液、ジクミルパーオ
キサイト200g添加し、100℃で2時間、115℃
で3.5時間、130℃で2.5時間保持し、懸濁重合
を完結させた。重合して得れられたビーズを洗浄、脱
水、乾燥した後、押出機を用いてペレット形状のゴム状
重合体含有共重合体を得た。次に実施例1で得たポリ
(メタ)アクリルスチレン系樹脂100重量部に対し、
上記ゴム状重合体含有共重合体8重量部をヘンシェルミ
キサーで混合し、φ40mm単軸押出機で溶融混練しな
がら押出し、ポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂組成
物を得た。表2に樹脂組成物の評価結果を示した。
【0051】実施例9 実施例8のゴム状重合体含有共重合体製造時のスチレン
44Kg、メチルメタクリレート50Kg、スチレン−
ブタジエン共重合体(スチレン含量40%、旭化成社
製、商品名 アサプレン670A)6Kgをそれぞれス
チレン35Kg、メチルメタクリレート60Kg、スチ
レン−ブタジエン共重合体(スチレン含量25%、旭化
成社製、商品名 タフデン2000)5Kgに変更した
以外は実施例8と同様に行い、ゴム状重合体含有共重合
体を得た。次に実施例3で得たスチレン系樹脂100重
量部に対し、上記ゴム状重合体含有共重合体30重量部
をヘンシェルミキサーで混合し、φ40mm単軸押出機
で溶融混練しながら押出し、ポリ(メタ)アクリルスチ
レン系樹脂組成物を得た。表2に樹脂組成物の評価結果
を示した。
【0052】比較例1 内容積230Lのオートクレーブに純水100Kgとポ
リビニルアルコール100gを添加し攪拌した。次にス
チレン100Kg、t−ブチルパーオキシアセテート8
0g、ジ−t−ブチルパーオキサイト30gを仕込み、
100℃に昇温して10時間重合を行った。なお、10
0℃で10時間重合を行った時の転化率は97%であっ
た。更に140℃で3時間保持し、重合を完結させた。
重合後の操作は実施例1と同様に行った。表3に樹脂組
成及び評価結果を示した。表3より生産性と臭気と剛性
と表面硬さに劣ることが分かる。
【0053】比較例2 内容積230Lのオートクレーブに純水100Kgにポ
リビニルアルコール100gを添加し攪拌した。次にス
チレン25Kg、メチルメタクリレート50Kg、メタ
クリル酸10Kg及びt−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート180g、t−ブチルパーオキシアセ
テート40g、t−ドデシルメルカプタン150gを仕
込み、95℃に昇温して6時間重合を行った。このとき
メタクリル酸15Kgを95℃に達したときから6時間
かけて更に添加を行った。なお、95℃で6時間重合を
行った時の転化率は98%であった。更に130℃で4
時間保持し、重合を完結させた。重合後の操作は実施例
1と同様に行った。表3に樹脂組成及び評価結果を示し
た。表3より生産性と臭気に劣ることが分かる。
【0054】比較例3 実施例1のスチレン20Kg、メチルメタクリレート8
0Kg、α−メチルスチレンダイマー800gをスチレ
ン30Kg、メチルメタクリレート70Kg、α−メチ
ルスチレンダイマー1200g、t−ドデシルメルカプ
タン70gとし、更に132℃で6時間保持を125℃
で6時間保持とした以外は実施例1と同様に行った。な
お、90℃で8時間重合を行った時の転化率が96%で
あった。表3に樹脂組成及び評価結果を示した。表3よ
り生産性と臭気に劣ることが分かる。
【0055】比較例4 内容積230Lのオートクレーブに純水100Kgとポ
リビニルアルコール100gを添加し攪拌した。次にス
チレン50Kg、メチルメタクリレート50Kg、t−
ブチルパーオキシイソブチレート120g、n−ドデシ
ルメルカプタン50gを仕込み、80℃に昇温して8時
間重合を行った。なお、80℃で8時間重合を行った時
の転化率は97%であった。更に100℃で2時間保持
し、重合を完結させた。重合後の操作は実施例1と同様
に行った。表3に樹脂組成及び評価結果を示した。表3
より生産性と臭気と剛性に劣り、成形品が脆いことが分
かる。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】本発明のポリ(メタ)アクルリルスチレ
ン系樹脂並びに該樹脂を用いた成形体、シート及び二軸
延伸シートは、実施例と比較例で明らかなとおり成形加
工時の生産性、成形品の外観、剛性、表面硬さが良好で
臭気の少ない優れた特性を有している。従って、該樹脂
を用いた成形体、シート及び二軸延伸シート等は電子レ
ンジ等の食品包装容器に最適である。また、該ポリ(メ
タ)アクルリルスチレン系樹脂にゴム状重合体を含有し
たポリ(メタ)アクルリルスチレン系樹脂組成物も同様
な効果を呈し、更に衝撃強度にも優れた特性を有するも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 2/38 C08F 2/38 4F210 4/34 4/34 4J002 212/06 212/06 4J011 212/08 212/08 4J015 220/10 220/10 4J100 220/14 220/14 C08J 5/18 CEY C08J 5/18 CEY C08L 25/14 C08L 25/14 33/06 33/06 // B29C 45/00 B29C 45/00 (C08L 33/06 21:00) B29K 25:00 33:04 B29L 7:00 24:00 Fターム(参考) 3E033 BA11 BA22 BA23 BB01 BB04 BB05 CA03 FA02 FA04 3E035 BA02 BC02 BD10 3E061 AB09 AD03 4F071 AA10 AA22X AA33X AA81 AD02 AD06 AG02 AH05 BA01 BB05 BB06 BB08 BC01 BC04 4F206 AA13E AA21E AA45 AG07 JA07 4F210 AA13E AA21E AA45 AG01 QC05 QW50 4J002 AC002 AC012 AC032 AC082 BC071 BG041 BG051 BG061 GG01 4J011 NA25 4J015 BA03 4J100 AB02Q AB03Q AJ02R AJ08R AJ09R AK31R AK32R AL03P AL04P AL05P AM02R AM15R AM43R AM45R AM47R AM48R BC04R CA04 CA05 DA01 DA04 FA03 FA28 FA41 JA58

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体単位10重量%以上5
    0重量%未満、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位
    50重量%を越え90重量%以下、他の共重合性単量体
    単位0〜20重量%からなる共重合体であって、該共重
    合体中の(1)未反応単量体の含有量の合計が3000
    ppm以下で、かつ、(2)スチレン2量体とスチレン
    3量体の含有量の合計が1000ppm以下で、更に、
    (3)硫黄系連鎖移動剤に基づく硫黄含有量が70pp
    m以下であることを特徴とするポリ(メタ)アクリルス
    チレン系樹脂。
  2. 【請求項2】 ポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂の
    Mw(重量平均分子量)が5万〜40万で、かつMz
    (Z平均分子量)とMwの比が1.3〜2.8であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリ(メタ)アクリルス
    チレン系樹脂。
  3. 【請求項3】 ポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂の
    スチレン系単量体単位がスチレンであり、(メタ)アク
    リル酸エステル単量体単位がメチルメタクリレートであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のポリ(メタ)
    アクリルスチレン系樹脂。
  4. 【請求項4】 ポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂の
    スチレン系単量体単位がスチレンであり、(メタ)アク
    リル酸エステル単量体単位がメチルメタクリレートであ
    り、他の共重合性単量体単位がメタクリル酸であること
    を特徴とする請求項1又は2記載のポリ(メタ)アクリ
    ルスチレン系樹脂。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載のポリ(メタ)アク
    リルスチレン系樹脂100重量部に対してゴム状重合体
    を10重量部以下(但し、0は含まず)を含有してなる
    ことを特徴とするポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 ゴム状重合体からなるゴム粒子の体積平
    均粒子径が0.03μm〜5.0μmであることを特徴
    とする請求項5記載のポリ(メタ)アクリルスチレン系
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6記載のポリ(メタ)アク
    リルスチレン系樹脂又はポリ(メタ)アクリルスチレン
    系樹脂組成物からなることを特徴とするスチレン系樹脂
    シート。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のポリ(メタ)アクリルス
    チレン系樹脂シートが2軸延伸してなることを特徴とす
    る2軸延伸ポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂シー
    ト。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載のポリ(メタ)アク
    リルスチレン系樹脂シートを二次成形加工してなること
    を特徴とする食品包装容器。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項6記載のポリ(メ
    タ)アクリルスチレン系樹脂又はポリ(メタ)アクリル
    スチレン系樹脂組成物を射出成形してなることを特徴と
    する食品包装容器。
  11. 【請求項11】 単量体の合計100重量部に対し、重
    合開始剤として多官能有機過酸化物又は2種以上の単官
    能有機過酸化物を合計0.01〜5重量部添加し、少な
    くとも転化率が50重量%以上に至るまでの重合温度を
    110℃未満に制御した後、125℃を越える重合温度
    に制御してラジカル共重合させることを特徴とする請求
    項1乃至4記載のポリ(メタ)アクリルスチレン系樹脂
    の製造法。
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