JP4104744B2 - 耐熱スチレン系樹脂、その製造法及び食品包装容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱スチレン系樹脂に関し、更に詳しくは、該樹脂中の単量体、及びスチレン2量体とスチレン3量体の含有量がそれぞれ規定量以下であることを特徴とする、耐熱性や臭気の改良された食品包装容器等の用途に好適な、該耐熱スチレン系樹脂、及びその製造法に関する。さらに該耐熱スチレン系樹脂を成形してなる食品包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレンに代表されるスチレン系樹脂は剛性等の機械的性質に優れ、更にシート加工性、発泡特性、真空成形性等の加工特性に優れる安全な材料であることから、食品包装容器等の用途に多用されてきたが、業務用および家庭用電子レンジの普及に伴い、食品包装容器に耐熱性が要求されるようになり、スチレン系樹脂に対しても耐熱性の向上が強く要求されるようになってきた。
【0003】
従来、ポリスチレンの耐熱性を向上させるために、無水マレイン酸、N−置換マレイミド、(メタ)アクリル酸等の単量体をスチレンに共重合させる技術が知られており、特にスチレンとメタクリル酸との共重合樹脂はポリスチレンの好ましい性能を大きく損なうことなく耐熱性の向上が図れ、電子レンジに使用可能な食品包装容器とする技術が、例えば特開昭62−25031号公報、特開昭62−94539号公報、特開昭62−260839号公報、特開平1−188537号公報などで知られている。
【0004】
しかしながら、スチレンにメタクリル酸を共重合した共重合樹脂は、溶融粘度が上昇するために成形加工時の生産性に劣るものとなり、生産性を改良しようと共重合樹脂の分子量を下げると脆いものとなり、脆さを改良しようとゴム成分を配合すると耐熱性が低下するためさらなる改良が求められていた。一方、食品包装容器用にはその性格上臭気の少ないことも併せて求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、本発明は、剛性、成形加工性といったスチレン系樹脂の好ましい性質を損なうことなく、電子レンジに使用される食品包装容器に要求される耐熱性を有し、かつ臭気の少ない耐熱スチレン系樹脂、およびその製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、スチレン系樹脂中に残存する単量体やラジカル重合中に副生して含まれるスチレン2量体ならびにスチレン3量体が、これらの樹脂からなる食品包装容器の実用上の耐熱性を大きく低下させること、更に、これらの単量体量や、スチレン2量体ならびにスチレン3量体の副生量は特定の重合法によって抑制され得ること、従ってその含有量を一定値以下に抑制され得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち本発明は、スチレン系単量体50〜99重量%、(メタ)アクリル酸単量体1〜50重量%、他の共重合性単量体0〜20重量%をラジカル共重合して得られる耐熱スチレン系樹脂であって、(1)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸単量体及び他の共重合性単量体の含有量の合計が1000ppm以下で、かつ、(2)スチレン2量体とスチレン3量体の含有量の合計が2000ppm以下であることを特徴とする耐熱スチレン系樹脂に関する。
【0008】
また、単量体の合計100重量部に対し重合開始剤として多官能有機過酸化物または2種以上の単官能有機過酸化物を合計0.01〜5重量部添加し、転化率が50重量%以上に至るまでの重合温度を120℃未満に制御した後、125℃を越える重合温度に制御してラジカル共重合することを特徴とする前記耐熱スチレン系樹脂の製造法に関する。
【0009】
本発明のスチレン系樹脂を構成するスチレン系単量体とはスチレン、α−メチルスチレン、またはベンゼン核の一部がアルキル基で置換されたスチレンをいう。とくに好ましくはスチレンである。
【0010】
また、(メタ)アクリル酸単量体とは、アクリル酸、メタクリル酸をいう。
【0011】
そして、他の共重合性単量体とはスチレン系単量体と共重合可能な単量体であれば特に制限はなく、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のラジカル重合性多塩基酸およびその無水物、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、あるいは(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等の単量体が例示できる。
【0012】
本発明の耐熱スチレン系樹脂は、スチレン系単量体50〜99重量%、(メタ)アクリル酸単量体1〜50重量%、他の共重合性単量体0〜20重量%をラジカル共重合して得られる。但し、スチレン系単量体としてはスチレン、あるいはスチレン以外にもα−メチルスチレン等前記のものを使用できるが、本発明においてはスチレン2量体、スチレン3量体の含有量を規定しており、スチレン以外のスチレン系単量体の使用は、少なくともスチレン系単量体100重量%に対してスチレンを50重量%以上とする併用に限る。本発明の耐熱スチレン系樹脂はスチレン系単量体が50重量%未満では成形加工性が劣るものとなり、99重量%を越えると耐熱性が劣るものとなって好ましくない。また、他の共重合性単量体が20重量%を越えると剛性、成形加工性、耐熱性のバランスが劣るものとなるため好ましくない。より好ましい範囲は、スチレン系単量体80〜95重量%、(メタ)アクリル酸単量体5〜20重量%、他の共重合性単量体0〜10重量%である。なお、単量体は重合初期に全量存在させて重合しても、重合途中に単量体を添加しながら重合しても差し支えない。
【0013】
本発明の耐熱スチレン系樹脂中に含有するスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸単量体及び他の共重合性単量体の残存量の合計は1000ppm以下である。1000ppmを越えると、電子レンジに使用可能な食品包装容器に求められる実用耐熱性が劣り、かつ臭気が強くなるため好ましくない。より好ましいスチレン系単量体の含有量は800ppm以下である。
耐熱スチレン系樹脂中に残存する単量体の割合はとくに制限はないが、(メタ)アクリル酸単量体が100ppm以下が好ましい。100ppmを越えると耐熱性が劣る場合がある。なお、本発明における耐熱スチレン系樹脂中のスチレン系単量体の測定は、ガスクロマトグラフィー法で測定したものであり、詳細はポリオレフィン等衛生協議会発行の文献、「ポリオレフィン等合成樹脂食品容器包装等に関する自主規制基準」(第3版)、第3部衛生試験法−追補(1993年5月)に記載の測定法に準じて行った。
【0014】
本発明でいうスチレン2量体とは1,2−ジフェニルシクロブタン、2,4−ジフェニル−1−ブテン等であり、スチレン3量体とは2,4,6−トリフェニル−1−ヘキセン、1−フェニル−4−(1´−フェニルエチル)テトラリン、トリフェニルシクロヘキサン等であるが、これらのオリゴマーの構造を特定することは本発明の目的あるいは本発明の効果とは直接関係はない。
【0015】
本発明の耐熱スチレン系樹脂はスチレン2量体とスチレン3量体の含有量が合計で2000ppm以下である。含有量が2000ppmを越えると、電子レンジに使用可能な食品包装容器に求められる実用耐熱性が劣るため好ましくない。より好ましくは該含有量が1500ppm以下である。なお、本発明における耐熱スチレン系樹脂中のスチレン2量体とスチレン3量体の測定は、耐熱スチレン系樹脂中より分離したメタノール可溶分をガスクロマトグラフィー法で分離して定量することにより行った。
【0016】
本発明の知見によれば、スチレン2量体、スチレン3量体の生成は、ラジカル重合時に十分量の重合開始剤を存在させ、しかも比較的低温で重合することにより抑制される。しかし低温で重合すると単量体が大量に残存したり、生産性が低下したりするため、高転化率領域も制御された温度状態等を維持して重合する必要がある。本発明では重合開始剤に多官能有機過酸化物または2種以上の単官能有機過酸化物を用いることで、高転化率領域で十分量の重合開始剤が存在し、スチレン2量体、3量体の生成を抑え、かつ単量体が大量に残存したり生産性が低下したりすることを抑えることができることを見い出した。
【0017】
即ち、使用する単量体の合計100重量部に対し重合開始剤として多官能有機過酸化物または2種以上の単官能有機過酸化物を合計0.01〜5重量部、より好ましくは0.03〜3重量部、さらに好ましくは0.05〜1重量部添加し、転化率が50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上に至るまでの重合温度を120℃未満、好ましくは115℃未満、さらに好ましくは113℃未満に制御した後、続いて125℃を越える重合温度、より好ましくは128℃を越える重合温度、さらに好ましくは130℃を越える重合温度、但し上限は250℃以下、に制御してラジカル共重合することにより、本発明の目的に叶う耐熱スチレン系樹脂を製造することができる。
【0018】
有機過酸化物の含有率が0.01重量部未満ではスチレン2量体、3量体を含むオリゴマーの副生を抑制する効果が不十分であり、5重量部を越えると効果が飽和して経済的に好ましくない上、得られた樹脂の熱安定性、耐光性等が劣る。また、転化率が50重量%に至るまでの重合温度が120℃以上であるとオリゴマーが副生し好ましくない。また転化率が50重量%に至るまでの重合温度を120℃未満に制御した場合であっても、その後の重合温度を125℃を越える温度に制御しないと単量体が大量に残存し、耐熱性や臭気の劣るものとなる。但し上限温度は前記のとおり250℃以下である。250℃を越えると得られるスチレン系樹脂の熱安定性に悪影響がでてくる。
【0019】
本発明において、多官能有機過酸化物の例として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、エチル−3,3−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等が挙げられる。また、単官能有機過酸化物の例としてt−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。半減期温度としては、好ましくは1時間半減温度が80〜160℃、さらに好ましくは100〜145℃である。
【0020】
また、本発明では多官能有機過酸化物または2種以上の単官能有機過酸化物を添加して重合することが必要であり、1種のみの単官能有機過酸化物を添加して重合を行うと、単量体が大量に残存する等目的のものが得られない。なお、多官能有機過酸化物または2種以上の単官能有機過酸化物を用いるならば、さらに追加して他の多官能有機過酸化物や単官能有機過酸化物を添加して重合することもできる。
【0021】
本発明の耐熱スチレン系樹脂は乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合の公知技術により製造できるが、好ましい重合形態は懸濁重合、塊状重合、溶液重合である。乳化重合は重合反応の制御は容易であるが、析出、乾燥等の後処理工程が繁雑であり経済的に好ましくない上、乳化剤等の夾雑物が耐熱性の低下や臭気の原因となる。また、重合初期は塊状重合で行い、重合後期は懸濁重合に移行し行うこともできる。
【0022】
本発明の耐熱スチレン系樹脂には必要に応じて酸化防止剤、滑剤、離型剤、可塑剤、顔料、染料、発泡剤、発泡核剤、無機フィラー、帯電防止剤、摺動剤等公知の添加剤を含有することもできる。さらに、本発明の耐熱スチレン系樹脂はGP−PSやHI−PS、MS樹脂、MBS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、PE、PP、PPO等公知の樹脂と組み合わせて使用することもできる。
【0023】
本発明の耐熱スチレン系樹脂は、公知の手法により食品包装容器とすることができる。例えば、射出成形を行い容器とする方法や、シート押出によって得られたシートを真空及び/または圧空成形して容器とする方法が挙げられる。また、本発明の耐熱スチレン系樹脂は公知の手法により発泡体としても差し支えない。例えば、低沸点液体を含浸するビーズを製造し発泡成形して発泡体としたり、シート押出時低沸点液体や化学発泡剤を添加してシート状の発泡体とする等が挙げられる。さらに、本発明の耐熱スチレン系樹脂は、シートやフィルムにして他のシートや発泡体に積層体として使用しても差し支えない。
【0024】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は重量基準である。最初に、本発明における評価法を以下に説明する。
【0025】
▲1▼剛性:曲げ弾性率(ASTM D790)
▲2▼耐熱性:ビカット軟化点(JIS K6871、5Kg荷重)
▲3▼成形加工性:MFR(JIS K6871、200℃、5Kg荷重)
▲4▼実用耐熱性:試験に供する樹脂を射出成形機として大隈クラウスマファイ社製OKM150を用い、成形温度230℃、金型温度50℃の条件にて射出成形して得た内径100mm、深さ100mm、厚み1mmの容器内に水道水100g及びサラダオイル5gを注ぎ、ラップをして500Wの電子レンジで3分間加熱した後の容器の外観を観察し、次の基準で判定した。
○・・・変化なし、 △・・・容器の変形や浸食あり、 ×・・・容器の変形や浸食あり容器として使用不可、 このうち○を合格と判定した。
▲5▼臭気:上記と同様に成形した容器を取り出して直ちにアルミホイルをかぶせ、1昼夜放置しアルミホイルを剥がした直後の臭気を嗅ぎ、下記の基準にて評価を行った。
○・・・殆ど臭気なし、 ×・・・異臭有り、 ○を合格と判定した。
【0026】
実施例1
内容量200Lのジャケット、撹拌機付きオートクレーブに純水100Kg、ポリビニルアルコール100gを加え、130rpmで撹拌した。続いてスチレン73.6Kg、メタクリル酸3.2Kg及びt−ブチルパーオキシベンゾエート420g、ジ−t−ブチルパーオキサイド20gを仕込み、オートクレーブを密閉して、110℃に昇温して5時間重合を行った。このときメタクリル酸3.2Kgを110℃に達したときから2時間かけてさらに添加を行った。なお、110℃で5時間重合を行った時の転化率は98%であった。さらに140℃で3時間保持し、重合を完結させた。重合して得られたビーズを洗浄、脱水、乾燥した後、押出機を用いペレット形状の樹脂を得た。得られた樹脂の物性を表1に示した。
【0027】
実施例2
スチレン73.6Kgを68Kg、メタクリル酸3.2Kgを6Kgとしてオートクレーブに仕込み、かつ110℃に達したときからさらに添加するメタクリル酸を3.2Kgから6Kgに変更した以外は、実施例1と同様に行った。
なお、110℃で5時間重合を行った時の転化率は98%であった。得られた樹脂の物性を表1に示した。
【0028】
実施例3
内容量200Lのジャケット、撹拌機付きオートクレーブに純水100Kg、ポリビニルアルコール100gを加え、130rpmで撹拌した。続いてスチレン65.6Kg、メタクリル酸メチルを8Kg、メタクリル酸3.2Kg及びt−ブチルパーオキシベンゾエート420g、ジ−t−ブチルパーオキサイド20gを仕込み、オートクレーブを密閉して、110℃に昇温して5時間重合を行った。このときメタクリル酸3.2Kgを110℃に達したときから2時間かけてさらに添加を行った。なお、110℃で5時間重合を行った時の転化率は98%であった。さらに140℃で3時間保持し、重合を完結させた。以後実施例1と同様にしてペレット形状の樹脂を得た。得られた樹脂の物性を表1に示した。
【0029】
実施例4
140℃を130℃で重合を完結させた以外は、実施例1と同様に行った。得られた樹脂の物性を表1に示した。
【0030】
比較例5
5t−ブチルパーオキシベンゾエート420gを210gとした以外は、実施例1と同様に行った。なお、110℃で5時間重合を行った時の転化率は98%であった。得られた樹脂の物性を表1に示した
【0031】
比較例1
内容量200Lのジャケット、撹拌機付きオートクレーブに純水100Kg、ポリビニルアルコール100gを加え、130rpmで撹拌した。続いてスチレン80Kg及びt−ブチルパーオキシベンゾエート420g、ジ−t−ブチルパーオキサイド20gを仕込み、オートクレーブを密閉して、110℃に昇温して5時間重合を行った。110℃で5時間重合を行った時の転化率は98%であった。さらに140℃で3時間保持し、重合を完結させた。以後実施例1と同様にしてペレット形状の樹脂を得た。得られた樹脂の物性を表2に示した。
表2より実用耐熱性が劣ることが分かる。
【0032】
比較例2
実施例1と同様の操作により110℃で5時間重合を行い転化率が98%となった後、125℃で3時間保持して重合を完結させた以外は実施例1と同様の操作によりペレット形状の樹脂を得た。得られた樹脂の物性を表2に示した。
表2より実用耐熱性が劣り、臭気があることが分かる。
【0033】
比較例3
t−ブチルパーオキシベンゾエート420gを84gとした以外は、実施例1と同様に行った。なお、110℃で5時間重合を行った時の転化率は98%であった。得られた樹脂の物性を表2に示した。
表2より実用耐熱性が劣ることが分かる。
【0034】
比較例4
t−ブチルパーオキサイドを仕込まなかった以外は、実施例1と同様に行った。なお、110℃で5時間重合を行った時の転化率は98%であった。得られた樹脂の物性を表2に示した。
表2より実用耐熱性及び臭気が劣ることが分かる。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】
本発明の耐熱スチレン系樹脂は剛性や成形加工性のバランスが良好で、かつ実用耐熱性に優れ臭気が少ないことから、電子レンジに使用できる食品包装容器に最適である。
Claims (1)
- スチレン系単量体82〜92重量%、(メタ)アクリル酸単量体8〜15重量%、他の共重合性単量体0〜10重量%をラジカル共重合して得られる耐熱スチレン系樹脂であって、(1)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸単量体及び他の共重合性単量体の含有量の合計が840ppm以下で、かつ(メタ)アクリル酸単量体が50ppm以下であり、かつ、(2)スチレン2量体とスチレン3量体の含有量の合計が610〜770ppm以下である耐熱スチレン系樹脂を成形してなることを特徴とする食品包装容器。
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