JP2019112487A - 樹脂組成物および成形体、並びにこれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂の製造工程において生成するゲル不溶分の生成を抑制する方法が知られている。従来の方法は、一定の効果を有するものの、耐熱性およびゲル不溶分の低減による成形体の外観の向上には改善の余地があることが判明した。そこで、本発明は、耐熱性および得られる成形体の外観に優れる樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】 スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含む、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂と、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールと、を含む、樹脂組成物。【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂組成物および成形体、並びにこれらの製造方法に関する。
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂は耐熱性に優れており、耐熱性を必要とする射出成形体や二軸延伸シート、耐熱発泡容器、住宅の断熱材用途の発泡ボード等の原料として広く用いられている。
前記共重合体樹脂を製造する場合、工業的には、重合工程と脱揮工程とを含むことが通常である。一般的に、前記重合工程は、塊状重合法や溶液重合法が採用される。また、前記脱揮工程は、未反応の単量体等の有機揮発分、重合溶媒等を分離するために、高温、高真空下で脱揮処理が行われる。
この際、脱揮工程の高温、高真空の環境下等において、(メタ)アクリル酸の脱水反応等が生じることにより、ゲル不溶分が生成することが知られている。前記ゲル不溶分が上述の共重合体樹脂に含有されると、得られる成形体に外観不良が発生することがある。
このようなゲル不溶分の生成を抑制する方法として、例えば、特許文献1には、スチレンとメタクリル酸を重合工程にて重合し、次いで脱揮工程にて重合反応後の反応物から未反応物及び/又は重合溶媒を除去して、スチレン−メタクリル酸樹脂を製造するにあたり、炭素数が14〜20で、且つ凝固点が−10℃以下のイソ脂肪族第1級アルコールを、得られるスチレン−メタクリル酸樹脂中に0.02〜1.0重量%含有されるように、重合工程、脱揮工程及び重合工程と脱揮工程との間の工程の少なくともいずれか一つの工程において添加することを特徴とするスチレン−メタクリル酸樹脂組成物の製造方法に係る発明が記載されている。特許文献1には、上記発明によれば、前記製造方法により得られるスチレン−メタクリル酸組成物はゲル不溶分の少ない外観と色調に優れることが記載されている。
なお、特許文献1には、分子量が比較的小さく、沸点の低いアルコールは脱揮工程で短時間に飛散するため、ゲル化反応の抑制効果が薄いこと、他方、分子量が大きく、沸点の高いアルコールは、分子量が大き過ぎると凝固点が低くなり、アルコールが析出し、凝縮器や真空ラインを閉塞する場合があり好ましくないことが記載されている。
特開2009−126930号公報
上述のように、特許文献1に記載の発明によれば、ゲル不溶分の少ない外観および色調に優れる樹脂組成物が得られうる。しかしながら、耐熱性およびゲル不溶分の低減による成形体の外観の向上には改善の余地があることが判明した。
そこで本発明は、耐熱性および得られる成形体の外観に優れる樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究を行った。その結果、所定のイソ脂肪族第1級アルコールを用いることで上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含む、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂と、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールと、を含む、樹脂組成物に関する。
本発明によれば、耐熱性および得られる成形体の外観に優れる樹脂組成物が提供される。
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂を連続塊状重合するための簡略装置図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
<樹脂組成物>
本発明の一形態によれば、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含む、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂と、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールと、を含む、樹脂組成物が提供される。
これにより、耐熱性および得られる成形体の外観に優れる樹脂組成物を得ることができる。より詳細には、スチレンと(メタ)アクリル酸とを共重合することにより、耐熱性が高い樹脂組成物を得ることができる。また、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールを含むことにより、脱揮工程における高温、高真空下等において生じる(メタ)アクリル酸の脱水反応等に基づくゲル不溶分の生成を防止または抑制することができる。その結果、得られる成形体は外観に優れる。そして、前記耐熱性の向上効果および得られる成形体の外観の向上効果は、従来のものよりも高いものとなる。
[スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂]
本発明におけるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含む。その他、他のモノマーをモノマー単位として含んでいてもよい。なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸、アクリル酸、またはこれらの両方を意味する。
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂の重量平均分子量は、150,000〜400,000であることが好ましく、200,000〜300,000であることがより好ましい。スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂の重量平均分子量が150,000以上であると、得られる成形品の強度が高くなることから好ましい。一方、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂の重量平均分子量が400,000以下であると、溶融時に好適な流動性が得られうるため、成形加工性が良好となることから好ましい。なお、本明細書において、「重量平均分子量」の値は、標準物質をポリスチレンとするゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値を採用するものとする。この際、前記ゲル浸透クロマトグラフィの測定条件は以下の通りである。すなわち、高速GPCであるHLC−8220(東ソー株式会社製)、カラム(TSK−GELGMHXL×2)を使用し、サンプル5mgを10gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解した溶液200mLを装置に注入し、流量:1mL/分(THF)、恒温槽温度:40℃、示差屈折(RI)検出器にて測定する。
(スチレン系モノマー)
スチレン系モノマーとしては、特に制限されないが、スチレン、α−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンが挙げられる。これらのうち、スチレンを用いることが好ましい。なお、上記スチレン系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物中のスチレン系モノマーのモノマー単位の含有率は、樹脂組成物の全質量に対して、85〜98質量%であることが好ましく、88〜94質量%であることがより好ましい。スチレン系モノマーのモノマー単位の含有量が85質量%以上であると、樹脂組成物が流動性に優れ加工が容易となることから好ましい。一方、スチレン系モノマーのモノマー単位が98質量%以下であると、電子レンジ加熱容器の素材として使用できることから好ましい。なお、樹脂組成物中のスチレン系モノマーのモノマー単位には、例えばスチレンのホモポリマーに係るスチレン系モノマーのモノマー単位等も含まれる。
((メタ)アクリル酸)
樹脂組成物中の(メタ)アクリル酸のモノマー単位の含有率は、樹脂組成物の全質量に対して、2〜15質量%であることが好ましく、6〜12質量%であることがより好ましい。(メタ)アクリル酸のモノマー単位の含有率が2質量%以上であると、電子レンジ加熱容器の素材として使用できることから好ましい。一方、前記(メタ)アクリル酸のモノマー単位の含有率が15質量%以下であると、流動性に優れ加工が容易となることから好ましい。なお、樹脂組成物中のアクリル酸のモノマー単位には、例えばアクリル酸のホモポリマーに係るアクリル酸のモノマー単位等も含まれる。
(他のモノマー)
他のモノマーとは、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸以外のモノマーを意味する。
前記他のモノマーとしては、特に制限されないが、アクリロニトリル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル等が挙げられる。これらの他のモノマーは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコール)
炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールは、樹脂組成物の製造工程において、および/または樹脂組成物の成形加工時において、ゲル不溶分の生成を抑制または防止する機能を有する。イソ脂肪族第1級アルコールの炭素数が21以上であると沸点が高くなることから好ましい。一方、イソ脂肪族第1級アルコールの炭素数が26以下であると、樹脂組成物の耐熱性に優れることから好ましい。なお、本明細書において「イソ」とは、炭素鎖に分岐構造を有することを意味する。
前記炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールとしては、特に制限されないが、19−メチル−1−エイコサノール(イソヘンエイコサノール)、18−メチル−1−エイコサノール、19−エチル−1−ノナデカノール、1,18−ジメチル−1−ノナデカノール、3,18−ジメチル−1−ノナデカノール、15−プロピル−1−オクタデカノール、1,3,19−トリメチル−1−オクタデカノール、5−ブチル−1−ヘプタデカノール、15−ブチル−1−ヘプタデカノール、3−イソブチル−1−ヘプタデカノール、15−イソブチル−1−ヘプタデカノール、5−ヘプチル−1−テトラデカノール等の炭素数21のイソ脂肪族第1級アルコール;20−メチル−1−ヘンエイコサノール(イソドコサノール)、19−メチル−1−ヘンエイコサノール、11−メチル−1−ヘンエイコサノール、19−エチル−1−エイコサノール、18,20−ジメチル−1−エイコサノール、15−プロピル−1−ノナデカノール、13−イソプロピル−1−ノナデカノール等の炭素数22のイソ脂肪族第1級アルコール;21−メチル−1−ドコサノール(イソトリコサノール)、19−メチル−1−ドコサノール、19−エチル−1−ヘンエイコサノール、11,20−ジメチル−1−ヘンエイコサノール、15−ブチル−1−ノナデカノール、9−ペンチル−1−オクタデカノール等の炭素数23のイソ脂肪族第1級アルコール;22−メチル−1−トリコサノール(イソテトラコサノール)、20−エチル−1−ドコサノール、13−エチル−20−メチル−1−ヘンエイコサノール等の炭素数24のイソ脂肪族第1級アルコール;23−メチル−1−テトラコサノール(イソペンタコサノール)、9−エチル−1−トリコサノール等の炭素数25のイソ脂肪族第1級アルコール;24−メチル−1−ペンタコサノール(イソヘキサコサノール)、9,24−ジメチル−1−テトラコサノール等の炭素数26のイソ脂肪族第1級アルコール等が挙げられる。
これらのうち、炭素数22〜26のイソ脂肪族第1級アルコールであることが好ましく、炭素数23〜26のイソ脂肪族第1級アルコールであることがより好ましく、炭素数24〜26のイソ脂肪族第1級アルコールであることがさらに好ましい。
上述の炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの性状は、5℃で製造ラインの閉塞を防止または抑制する観点から液状であることが好ましい。
また、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの凝固点は−10℃以下であることが好ましく、−15℃以下であることがより好ましく、−20〜−15℃であることがより好ましい。イソ脂肪族第1級アルコールの凝固点が−10℃以下であると、室温(5℃)においてイソ脂肪族第1級アルコールのすべてまたはほとんどが液状であり、かつ、流動性が高いことから好ましい。なお、本明細書において、「凝固点」の値は、JIS K 0065:1992に準拠して測定された値を採用するものとする。
炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率の下限は、樹脂組成物の全質量に対して、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることが好ましく、0.02質量%以上であることがさらに好ましく、0.05質量%以上であることが特に好ましく、0.1質量%以上であることが最も好ましい。一方、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率の上限は、樹脂組成物の全質量に対して、1.0質量%以下であることが好ましく、0.75質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましく、0.3質量%であることが特に好ましい。一実施形態において、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率は、0.001〜1.0質量%であることが好ましく、0.02〜1.0質量%であることがより好ましく、0.02〜0.5質量%であることがさらに好ましく、0.02〜0.3質量%であることが特に好ましい。前記炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率が0.001質量%以上であると、ゲル状物質の生成を抑制または防止できることから好ましい。一方、前記炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率が1.0質量%以下であると、得られる成形体の耐熱性が良好である点から好ましい。
[炭素数14〜20のイソ脂肪族第1級アルコール]
樹脂組成物は、必要に応じて、炭素数14〜20のイソ脂肪族第1級アルコールを含んでいてもよい。
炭素数14〜20のイソ脂肪族第1級アルコールとしては、特に制限されないが、12−メチル−1−トリデカノール(イソテトラデカノール)、7−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(1−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール等の炭素数14のイソ脂肪族第1級アルコール;13−メチル−1−テトラデカノール(イソペンタデカノール)等の炭素数15のイソ脂肪族第1級アルコール;14−メチル−1−ペンタデカノール(イソヘキサデカノール)、2−ヘキシル−1−デカノール等の炭素数16のイソ脂肪族第1級アルコール;15−メチル−1−ヘキサデカノール(イソヘプタデカノール)等の炭素数17のイソ脂肪族第1級アルコール;15−メチル−1−ヘプタデカノール(イソオクタデカノール)、5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−1−オクタノール、5,5,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−1−オクタノール、5,7,7−トリメチル−2−(1,1,3−トリメチルブチル)−1−オクタノール、8-メチル−2−(4−メチルヘキシル)−1−デカノール、2−ヘプチル−1−ウンデカノール、2−ヘプチル−4−メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−5,7−ジメチル−1−オクタノール等の炭素数18のイソ脂肪族第1級アルコール;16−メチル−1−オクタデカノール(イソノナデカノール)等の炭素数19のイソ脂肪族第1級アルコール;17−メチル−1−ノナデカノール(イソエイコサノール)、3,5−ジメチル−1−オクタデカノール、5,9−ジメチル−1−オクタデカノール、3,9−ジメチル−1−オクタデカノール、3,5,9−トリメチルヘプタデカノール、2−オクチル−1−ドデカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−1−ドデカノール、2−(2,4−ジメチルヘキシル)−1−ドデカノール、2−(1,5−ジエチルヘキシル)−1−デカノール、3,5−ジメチル−2−(1,5−ジメチルヘキシル)−1−デカノール、5,9−ジメチル−2−(1,5−ジメチルヘキシル)−1−デカノール、3,5、7−トリメチル−2−(1,5−ジメチルヘキシル)−1−ノナノール、5,9−ジメチル−2−ヘプチル−1−ウンデカノール、5,9−ジメチル−2−(2,4−ジメチルヘキシル)−1−デカノール、5,9−ジメチル−2−(3,5−ジエチルヘキシル)−1−オクタノール等の炭素数20のイソ脂肪族第1級アルコール等が挙げられる。これらの炭素数14〜20のイソ脂肪族第1級アルコールは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭素数14〜20のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率は、上述の炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率によっても異なるが、0.001〜1.0質量%であることが好ましく、0.002〜0.5質量%であることがより好ましい。
[添加剤]
樹脂組成物は、添加剤を含んでいてもよい。
前記添加剤としては、特に制限されないが、ゴム強化芳香族ビニル樹脂(耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)樹脂等)、芳香族ビニル熱可塑性エラストマー(スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)樹脂等)等のゴム;高級脂肪酸(ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)、エチレンビスステアリルアミド等の滑剤;流動パラフィン等の可塑剤;酸化防止剤;難燃剤;加工助剤;帯電防止剤;防曇剤;耐光性向上剤;軟化剤;ブロッキング防止剤;無機補強剤;架橋剤;顔料;染料等が挙げられる。
これらの添加剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[製造工程由来成分]
樹脂組成物は、その他、製造工程由来成分を含んでいてもよい。当該製造工程由来成分としては、後述する有機溶媒、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤等が挙げられる。
[用途]
本形態に係る樹脂組成物は、得られる成形体の外観に優れることから、各種用途に使用される射出成形体や二軸延伸シート、或いは耐熱発泡容器、住宅の断熱材用途の発泡ボード等に好適に適用される。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の一形態によれば、樹脂組成物の製造方法が提供される。当該製造方法は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸を共重合する工程(1)と、前記工程(1)で得られる反応物を、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの存在下、脱揮する工程(2)と、を含む。
なお、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールを用いることにより、工程(1)における共重合反応の効率が向上する、製造コストに優れる等の効果を奏しうる。
具体的には、一実施形態において、後述するように、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールは、工程(1)前に添加される。この際、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールは、沸点が高く揮発しにくいことから、揮発を考慮して添加される添加量が少なくなる。その結果、コストが低減される。また、スチレンおよび(メタ)アクリル酸の共重合反応を阻害しない、または阻害しにくくなり、また、得られるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂に対して、悪影響を及ぼさない、または及ぼしにくくなる。
また、一実施形態において、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールは、工程(1)前に添加され、揮発分を考慮して工程(1)および/または工程(2)においてさらに追加添加される。しかしながら、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールは揮発しにくいことから、追加添加は不要であるか、または必要であっても少量でよい。その結果、追加添加に係る作業負担が低減され、製造コストに優れる。
[工程(1)]
工程(1)は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸を共重合する工程である。
(スチレン系モノマー)
スチレン系モノマーとしては上述したものが用いられうることからここでは説明を省略する。
((メタ)アクリル酸)
(メタ)アクリル酸としては上述したものが用いられうることからここでは説明を省略する。
(有機溶媒)
共重合により得られる反応物の粘性を低下させる目的で、有機溶剤を添加して共重合を行ってもよい。
前記有機溶剤としては、特に制限されないが、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、シアノベンゼン、ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらのうち、トルエンを用いることが好ましい。なお、これらの溶媒は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶剤の添加量としては、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸、および必要により併用されるその他のモノマーとの合計100質量部に対して、5〜20質量部であることが好ましく、10〜15質量部であることがより好ましい。有機溶剤の添加量が5質量部以上であると、共重合により得られる反応物の粘性が低くなることから好ましい。一方、有機溶剤の添加量が20質量部以下であると、共重合により得られる反応物の粘性が過度に低くならず、脱揮の効率を高く維持できることから好ましい。
なお、有機溶剤は、場合により、得られる樹脂組成物に含まれることがある。
(ラジカル重合開始剤)
共重合にはラジカル重合開始剤を使用することができる。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限されないが、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール類;クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;ベンゾイルパーオキサイド、ジシナモイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシイシプロピルモノカーボネート等のパーオキシエステル類;N,N’−アゾビスイソブチルニトリル、N,N’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、N,N’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、N,N’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、N,N’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられる。これらのうち、パーオキシエステル類を用いることが好ましく、t−ブチルパーオキシベンゾエートを用いることがより好ましい。なお、これらのラジカル重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合開始剤の添加量は、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸、及び必要により併用されるその他のモノマーとの合計質量に対して、50〜500ppmであることが好ましく、100〜300ppmであることがより好ましい。ラジカル重合開始剤の添加量が50ppm以上であると、共重合が好適に進行することから好ましい。一方、ラジカル重合開始剤の添加量が500ppm以下であると、樹脂組成物が必要以上に低分子量化しないことから好ましい。
なお、ラジカル重合開始剤は、場合により、得られる樹脂組成物に含まれることがある。
(連鎖移動剤)
共重合には連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤を使用することで、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂の分子量を制御することができる。
連鎖移動剤は、特に制限されず、連鎖移動基を1つ有する単官能連鎖移動剤であってもよいし、連鎖移動基を2以上有する多官能連鎖移動剤であってもよい。前記単官能連鎖移動剤としては、α―メチルスチレンダイマー、アルキルメルカプタン類、チオグリコール酸エステル類等が挙げられる。また、多官能連鎖移動剤としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール中のヒドロキシ基をチオグリコール酸または3−メルカプトプロピオン酸でエステル化したもの等が挙げられる。これらの連鎖移動剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
連鎖移動剤の添加量は、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸、及び必要により併用されるその他のモノマーとの合計質量に対して、300〜1500ppmであることが好ましく、500〜1000ppmであることがより好ましい。連鎖移動剤の添加量が300ppm以上であると、共重合が好適に進行することから好ましい。一方、連鎖移動剤の添加量が1500ppm以下であると、樹脂組成物が必要以上に低分子量化しないことから好ましい。
(共重合)
共重合の方法としては、特に制限されないが、塊状重合、溶液重合、懸濁重合等が挙げられる。これらのうち、製造コストの観点から塊状重合であることが好ましい。
以下、図面を参照しながら、本実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂を連続塊状重合するための簡略装置図である。連続塊状重合装置は、撹拌式反応器(I)、反応器(4)、(5)、および(6)が製造ラインから並列に配置された循環重合ライン(II)、並びに反応器(7)、(8)、および(9)が製造ラインから直列に配置された非循環重合ライン(III)を有する。この際、ポンプ(1)により撹拌式反応器(I)に、ポンプ(2)により循環重合ライン(II)に、ポンプ(10)により非循環重合ライン(III)にそれぞれ導入される。また、循環重合ライン(II)はポンプ(3)により循環される。スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸等はポンプ(1)から撹拌式反応器(I)に導入され、各反応器において共重合反応が進行する。なお、必要に応じて、撹拌式反応器(I)と循環重合ライン(II)との間、循環式重合ライン(II)と非循環式重合ライン(III)との間からスチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸等を添加することもできる。
重合温度としては、110〜170℃であることが好ましく、120〜150℃であることがより好ましい。
なお、反応器を複数設けて共重合の反応を行う場合には、上述の重合温度はそれぞれ同じであってもよいが、異なる条件としてもよい。
[工程(2)]
工程(2)は、工程(1)で得られる反応物を、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの存在下、脱揮する工程である。なお、本明細書において、「脱揮」とは、高温、高真空下で未反応の単量体等の有機揮発分、重合溶媒等を分離することを意味する。この際、前記「高温」とは通常、240〜280℃であり、好ましくは250〜270℃である。また、前記「高真空」とは、通常、10.0kPa以下であり、好ましくは4.0kPa以下である。
一実施形態に係る図1のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂を連続塊状重合するための簡略装置図においては、ポンプ(10)の後に脱揮機構を設け、当該脱揮機構により、製造過程に生じる未反応モノマーや有機溶剤を脱揮させる。そして、脱揮機構に連結する回収機構により脱揮された物質を回収することとなる。
工程(2)で得られる反応物の脱揮は、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの存在下で行われる。これにより、ゲル不溶分の生成を抑制または防止することができる。その結果、ゲル不溶分による回収機構の閉塞等を抑制または防止することができる。また、得られる樹脂組成物は、ゲル不溶分を含まない、またはほとんど含まないことから、成形体の外観に優れる樹脂組成物が得られうる。
炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの添加量は、得られる樹脂組成物中の含有率が上述の好ましい範囲となるように添加されることが好ましい。この際、「炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの添加量が、得られる樹脂組成物中の含有率が上述の好ましい範囲となるように添加される」とは、前記脱揮等の条件を勘案し、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの揮発等を考慮の上、最終的に樹脂組成物中に所定の含有率となる量で添加することを意味する。この際、前記炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールは、いずれの時点で添加してもよい。例えば、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールは、工程(1)前に添加したものであってもよいし、工程(1)中に添加したものであってもよいし、工程(2)前に添加したものであってもよいし、工程(2)中に添加したものであってもよいし、工程(2)後に添加したものであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。これらのうち、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールは、少なくとも一部を工程(1)前に添加することが好ましく、すべてを肯定(1)前に添加することがより好ましい。これにより、耐熱性に優れる、得られる成形体の外観に優れる、製造コストに優れる等の効果が得られうる。
炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの添加量は、工程(2)においてゲル化防止または抑制を発揮させる観点から、工程1のスチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸、及び必要により併用されるその他のモノマーとの合計質量に対して、0.02質量%以上であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましく、0.10〜4質量%であることがさらに好ましく、0.5〜3質量%であることが特に好ましい。なお、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールを分割して添加する場合には、その添加量の総和が上記範囲となることが好ましい。
脱揮温度としては、240〜280℃であり、好ましくは250〜270℃であることが好ましい。
なお、一実施形態において、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールは好ましくは5℃で液状であるため、例えば、回収機構において回収されたイソ脂肪族第1級アルコールが固化等することがなく、回収機構が有する配管の詰まりの発生を抑制または防止することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
[実施例1]
スチレンモノマー92部と、メタクリル酸8部と、溶媒であるトルエン15部とを混合して、混合溶液を調製した。前記混合液に、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルパーオキシベンゾエート150ppm(スチレンモノマーおよびメタクリル酸の合計量に対する量)と、連鎖移動剤であるα−メチルスチレンダイマー1000ppm(スチレンモノマーおよびメタクリル酸の合計量に対する量)と、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールであるファインオキソコール2600(イソヘキサコサノール(炭素数26)、日産化学株式会社製)1.0%(スチレンモノマーおよびメタクリル酸モノマーの合計に対する量)とを添加した。
樹脂組成物は、以下の装置により製造した。すなわち、図1で示される装置図に、2つの脱揮槽(脱揮機構)を直列に連結し、脱揮された未反応モノマーおよび溶剤はモノマー回収ラインに、得られる樹脂組成物はストランド化およびペレット化を行うため、単管−ペレタイザーに、それぞれ輸送されるようにした。
撹拌式反応器(I)は110〜130℃、循環重合ライン(II)および非循環重合ライン(III)は、それぞれ120〜160℃とし、また、2つの脱揮槽は240〜280℃とすることで、塊状重合を行い、樹脂組成物を製造した。また、モノマー回収ラインには脱揮された未反応モノマーおよび溶剤が回収された。
なお、製造された樹脂組成物について、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率およびメタクリル酸単位の含有率の測定を行った。
(炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率の測定)
樹脂組成物0.5gをTHF10mLに溶解し、ヘキサン50mLを添加して樹脂分を再沈殿させた。上澄み液を0.45μmのメンブランフィラターにてろ過した後、以下の条件でGC−MSで分析を行った。
(1)樹脂組成物中のイソ脂肪族第1級アルコールの測定
試料調製 :樹脂組成物0.5gをメチルエチルケトン20mlに溶解
測定条件
検出方法 :FID
測定機器 :島津製製作所 GC2010
カラム :DB−WAX
30m、0.25mmφ、df=0.5μm
カラム温度 :100℃→5℃/分→130℃→10℃/分→180℃(12分)
→20℃/分→220℃−20分
その結果、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率は、樹脂組成物の全質量に対して0.20%であった。
(樹脂組成物中のメタクリル酸単位含有率の測定)
樹脂組成物0.5gをTHF10mLに溶解した。次いで、0.1mol/L濃度の水酸化カリウムのエタノール溶液にて中和滴定を行い、得られた終点から樹脂組成物中の(メタ)アクリル酸単位の含有量を質量基準で算出した。なお、中和指示薬としてはフェノールフタレインを使用した。
メタクリル酸単位含有率は、樹脂組成物の全質量に対して、9.5%であった。
[実施例2]
ファインオキソコール2600の添加量を2.0%に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を製造した。
なお、実施例1と同様の方法で、樹脂組成物中の炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率およびメタクリル酸単位の含有率を測定したところ、それぞれ0.38%および9.5%であった。
[実施例3]
ファインオキソコール2600に代えてイソドコサノール(炭素数22)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を製造した。
なお、実施例1と同様の方法で、樹脂組成物中の炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率およびメタクリル酸単位の含有率を測定したところ、それぞれ0.18%および9.5%であった。
[比較例1]
ファインオキソコール2600に代えてイソヘキサデカノール(炭素数16)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を製造した。
なお、実施例1と同様の方法で、樹脂組成物中のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率およびメタクリル酸単位の含有率を測定したところ、それぞれ0.15%および9.6%であった。
[比較例2]
ファインオキソコール2600に代えてイソオクタコサノール(炭素数28)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を製造した。
なお、実施例1と同様の方法で、樹脂組成物中のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率およびメタクリル酸単位の含有率を測定したところ、それぞれ0.22%および9.6%であった。
[比較例3]
ファインオキソコール2600に代えてに代えて2−エチルヘキシルアルコール(炭素数8)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を製造した。
なお、実施例1と同様の方法で、樹脂組成物中のイソ脂肪族第1級アルコールの含有率およびメタクリル酸単位の含有率を測定したところ、それぞれ0.001%および9.5%であった。
[比較例4]
ファインオキソコール2600を添加しなかったことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を製造した。
なお、実施例1と同様の方法で、メタクリル酸単位の含有率を測定したところ、9.4%であった。
[評価]
実施例1〜3および比較例1〜4で製造した樹脂組成物およびモノマー回収ラインの状況について以下の評価を行った。
(耐熱性の評価)
ビカット軟化温度を測定した。測定はJIS K7206:2016に基づき実施し、以下の基準に準拠して評価した。得られた結果を下記表1に示す。
○:ビカット軟化温度120℃以上
△:ビカット軟化温度117℃以上120℃未満
×:ビカット軟化温度117℃未満
(射出成形品の外観評価)
樹脂組成物を送風乾燥機内で、100℃で3時間乾燥させた後、射出成形機にて250℃の条件下で90mm×50mm×3mmのプレート形状に成形した。成形したプレートを目視で観察し、以下の基準に準拠して5つの成形体表面の流線状のスジを数え、その平均値を算出し、以下の基準に準拠して評価した。得られた結果を下記表1に示す。
◎:スジ無し
○:スジの数が1本以上3本未満
×:スジの数が3本以上5本未満
××:スジの数が5本以上
なお、プレート表面の流線状のスジは、樹脂組成物中にゲル成分を含む場合に現れる傾向がある。
(モノマー回収ラインの閉塞評価)
樹脂組成物を5日間連続運転させた後、モノマー回収ラインの入口付近を目視で観察し、以下の基準に準拠して評価を行った。得られた結果を下記表1に示す。
〇:付着物はない
△:僅かに付着物がある
×:付着物がある
Figure 2019112487
表1の結果からも明らかなように、実施例1〜3で製造した樹脂組成物は、耐熱性に優れることが分かる。また、射出成形品の外観に優れることが分かる。
1、2、3、10 ポンプ、
4、5、6、7、8、9 反応器、
I 撹拌式反応器、
II 循環重合ライン、
III 非循環重合ライン。

Claims (5)

  1. スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含む、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂と、
    炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールと、
    を含む、樹脂組成物。
  2. 前記イソ脂肪族第1級アルコールの含有率が、前記樹脂組成物の全質量に対して、0.02〜1.0質量%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を成形してなる、成形物。
  4. 請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
    スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸を共重合する工程(1)と、
    前記工程(1)で得られる反応物を、炭素数21〜26のイソ脂肪族第1級アルコールの存在下、脱揮する工程(2)と、
    を含む、製造方法。
  5. 請求項4の方法で得られた樹脂組成物を成形することを含む、成形体の製造方法。
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