JP2015091932A - 樹脂発泡シート、積層発泡シート、及び、発泡成形品 - Google Patents

樹脂発泡シート、積層発泡シート、及び、発泡成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】靱性や耐熱性に優れた発泡成形品の形成に適した樹脂発泡シートや積層発泡シートを提供すること。
【解決手段】積層発泡シートの形成に用いられる樹脂発泡シートに所定の割合でスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂含有させ、含まれる全ての樹脂に占めるメタクリル酸メチルの割合が0.3〜2.0質量%である樹脂発泡シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂発泡シート、積層発泡シート、及び、発泡成形品に関し、より詳しくは、樹脂発泡層と樹脂非発泡層とを有する積層発泡シートの形成に用いられる樹脂発泡シート、該樹脂発泡シートに樹脂フィルムが積層されてなる積層発泡シート、及び、該積層発泡シートが熱成形されてなる発泡成形品に関する。
従来、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)などと呼ばれるスチレン単独重合体を主成分とするポリスチレン系樹脂発泡シートは、ポリスチレンペーパー(PSP)などと呼ばれ熱成形によって種々の発泡成形品を製造する際の原材料シート(熱成形用樹脂シート)として広く用いられている。
この熱成形用樹脂シートとしては、PSPのように単独の樹脂発泡層のみを有する樹脂発泡シートや、複数の樹脂発泡層を有する樹脂発泡シートの他に、樹脂発泡シートに樹脂フィルムがラミネートされて樹脂非発泡層と樹脂発泡層とが形成された積層発泡シートなどが知られている。
この種の積層発泡シートは、前記発泡成形品としてトレー容器、丼容器、カップ容器といった食品収容用の発泡成形品を製造するための原材料として広く用いられている。
近年、前記のような食品容器には、内部に収容した食品を別の容器に移し替えることなく、そのまま電子レンジで加熱することが可能となるように耐熱性を向上させることが求められるようになってきている。
しかし、GPPSはガラス転移温度が通常100℃程度であるために、PSPなどで形成させた発泡成形品を上記のような電子レンジでの加熱用途に使用することは難しい。
このことからGPPSに比べてガラス転移温度の高い共重合体樹脂(例えば、メタクリル酸成分やメタクリル酸メチル成分とスチレン成分とを有する共重合体樹脂、以下「スチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂」ともいう)を主成分とする樹脂組成物で発泡層を形成させた樹脂発泡シートを食品容器などの発泡成形品の熱成形に利用することが試みられている(下記特許文献1参照)。
しかし、スチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂は、脆性に改善の余地があるもので、従来、耐熱性と靱性とに優れた熱成形用樹脂シートが要望されている。
特開2001−277442号公報
本発明は、このような問題を解決することを課題としており、耐熱性に優れた発泡成形品の形成に適した樹脂発泡シートや積層発泡シートを提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく、スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂よりも靱性や耐熱性に優れたスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂を樹脂発泡シートや積層発泡シートの発泡層の形成に用いることを検討した。
この点について、本発明者は、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂を樹脂発泡シートの形成材料として用いると、当該樹脂発泡シートが靱性や耐熱性に優れたものとなることを見出す一方で、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂を樹脂発泡シートの主成分にまでしてしまうと樹脂発泡シートに樹脂フィルムをラミネートして積層発泡シートを形成させる際に接着力不足を招くおそれがあることを見出した。
そして、本発明者は、樹脂発泡シートにメタクリル酸メチルを適度に含有させることで、靱性や耐熱性に優れ、且つ、樹脂発泡層と樹脂非発泡層との接着性に優れた積層発泡シートの形成に有効となることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決するための樹脂発泡シートに係る本発明は、スチレン成分とメタクリル酸メチル成分とを有する共重合体樹脂を含む樹脂組成物によって形成されている樹脂発泡シートであって、前記樹脂組成物は、含まれる全ての樹脂に占めるメタクリル酸メチルの割合が0.3質量%以上2.0質量%以下であることを特徴としている。
また、積層発泡シートに係る本発明は、上記のような樹脂発泡シートに樹脂フィルムが積層されたものであり、発泡成形品に係る本発明は、このような積層発泡シートが熱成形されたものである。
本発明の樹脂発泡シートは、メタクリル酸メチルが全樹脂の0.3質量%以上となるように含有されていることで優れた靱性や耐熱性が発揮されうる。
また、本発明の樹脂発泡シートは、メタクリル酸メチルが全樹脂の2.0質量%以下となるように含有されていることから積層発泡シートを形成させた際に、樹脂非発泡層が樹脂発泡層から剥離することを抑制させることができる。
即ち、本発明によれば、靱性や耐熱性に優れた発泡成形品の形成に適した樹脂発泡シートや積層発泡シートが提供され得る。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本実施形態における樹脂発泡シートは、樹脂発泡層(以下単に「発泡層」ともいう)と樹脂非発泡層(以下単に「非発泡層」ともいう)とを有する積層発泡シートとされ、発泡成形品の熱成形に用いられるものである。
本実施形態の積層発泡シートは、2層の発泡層と1層の非発泡層とを有する3層構成となっている。
なお、本実施形態の前記積層発泡シートは、前記非発泡層が一方の表面を構成しており、該表面から順に、非発泡層、前記2層の発泡層の内の第一の発泡層、及び、第二の発泡層となる積層構造を有している。
また、本実施形態における前記発泡成形品は、前記非発泡層が容器内側となるように積層発泡シートが熱成形されて形成されるものである。
また、積層発泡シートは、前記非発泡層の背面側に積層された第一の発泡層(以下「第一発泡層」ともいう)と、該第一の発泡層の背面側に積層された前記第二の発泡層(以下「第二発泡層」ともいう)とが、共押出法による押出発泡によって積層一体化されたものである。
より具体的には、本実施形態の積層発泡シートは、全樹脂の75質量%以上95質量%以下がスチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂である第一の樹脂組成物と、汎用ポリスチレン(GPPS)を主成分とする第二の樹脂組成物とが共押出されて第一発泡層と第二発泡層とが積層一体化されたものである。
前記第一発泡層の形成には、スチレン成分とメタクリル酸メチル成分とを有するスチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂を主成分とする第一の樹脂組成物(以下、「第一組成物」ともいう)が用いられている。
なお、本実施形態の第一組成物には、スチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂(A)としてスチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(A1)及びスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(A2)が含有されている。
さらに、第一組成物には、スチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂(A)としてメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(A3)が含有されている。
また、前記第一組成物には、スチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂(A)とともに、スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B)を含有させることができる。前記第一組成物は、該スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B)としてトランス型ポリブタジエンブロックをポリブタジエンブロックの主成分として含むトランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B1)や、シス型ポリブタジエンブロックをポリブタジエンブロックの主成分として含むシス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B2)を含有させることができる。
即ち、本実施形態における第一組成物は、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(A3)やスチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B)などに由来するポリブタジエンを含有している。
前記ポリブタジエンは、第一組成物中にミクロ相分離構造を形成させ得る成分であり、本実施形態の前記第一組成物には、マトリックス−ドメイン構造が形成されている。
そして、本実施形態の前記第一組成物は、前記マトリックスが前記スチレン成分と前記メタクリル酸成分とを含み、前記ドメインがポリブタジエンを含んでいる。
より詳しくは、本実施形態の前記第一組成物は、前記マトリックスがスチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(A1)及びスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(A2)の何れか一方を含んでいる。
前記のようにスチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂(A)は、第一組成物に含まれる全樹脂に占める割合が75質量%以上95質量%以下となって第一組成物に含有されており、前記スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B)は、ブタジエンブロックの総質量が前記第一組成物の全樹脂において所定の割合となるように含有され得る。
そして、前記の2種類のスチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B1、B2)の内、トランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B1)は、第一組成物に優れた強度を発揮させるのに特に有用な成分である。
また、前記シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B2)も、前記トランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B1)と併用されて第一組成物に優れた強度を発揮させるものである。
なお、スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂と、前記シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂とを混合した混合樹脂(A1,B2)は、通常、スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(A1)に比べて僅かに耐熱性(耐熱変形性)が低下する傾向を示すものの優れた機械的強度を発揮する。
この混合樹脂(A1,B2)に比べ、スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂と、トランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂とを混合した混合樹脂(A1,B1)は、靱性において優れている。
そして、スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂と、前記の2種類のスチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂とを混合した三種混合樹脂(A1,B1,B2)は、通常、トランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂を含んでいない混合樹脂(A1,B2)に比べて格段に優れた靱性を発揮する。
即ち、本実施形態においては、上記のような作用によって第一組成物に優れた耐熱性と強度とが発揮されている。
この点に関してより詳しく説明すると、シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂だけを含有させた前記混合樹脂(A1,B2)においては、シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B2)による分散相とスチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(A1)からなるマトリックス相とが形成され、前記分散相による補強効果を発揮させうる。
しかし、この混合樹脂(A1,B2)は、分散相とマトリックス相との界面における親和性が乏しく応力に対して破壊され易く、低い脆性を示しやすい状態となる。
ここでトランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B1)は、シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B2)に比べてスチレン−メタクリル酸共重合体樹脂との親和性が高いことから、スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂と混合された際に、分散相による補強効果とともに優れた靱性を発揮させ得る。
さらに、前記の三種混合樹脂(A1,B1,B2)は、トランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B1)が、シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B2)とスチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(A1)との相溶化剤的な作用を発揮し、分散相の微分散化に寄与するとともに分散相とマトリックス相との界面接着力を向上させることから優れた靱性が発揮される。
なお、ブタジエンブロックがトランス型のメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(A3)をトランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B1)に代えて用いても上記と同様の効果を期待することができる。
また、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(A3)として、ブタジエンブロックがシス型のシス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B2)に代えて用いても上記と同様の効果を期待することができる。
前記スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(A1)は、第一発泡層に優れた耐熱性を発揮させる上において有効となる成分であり、前記スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(A2)は、第一組成物をより耐熱性に優れたものとする上において有効な成分である。
前記第一発泡層の形成に用いられる第一組成物は、210℃の条件下で周波数分散測定した際の0.01Hzにおける複素粘度の値が18000Pa・s以上、25000Pa・s以下であることが第一発泡層に優れた強度と耐熱性を発揮させる上において好ましい。
一般に、樹脂の複素粘度の値は、分子鎖どうしの絡まり合いが少なく、ずり流動を生じやすい場合に低く観測される。
そして、分子どうしの絡まり合いが少ない樹脂は、一般に発泡させ易い反面、靱性が低く機械的強度も低い値を示す傾向がある。
その一方で、分子どうしの絡まり合いが多い樹脂は、靱性に優れ、機械的強度に優れるものの良好なる発泡状態にするのが容易ではない。
即ち、前記第一組成物は、第一発泡層を靱性に優れ、機械的強度に優れる状態に形成させるとともに良好なる発泡状態に形成させる上において前記のような複素粘度の値を示すことが好ましい。
本実施形態のようにスチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂(A)とともにメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(A3)やスチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(B1,B2)を第一組成物の構成材料とするような場合には、例えば、前記上限値(25000Pa・s)を超える複素粘度を示すスチレン−メタクリル酸系共重合体樹脂と、前記下限値(18000Pa・s)未満の複素粘度を示すスチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂とを選択してこれらを混合した際に上記範囲内の複素粘度を示すようにさせてもよい。
なお、この複素粘度の値は、例えば、Anton Paar社製の粘弾性測定装置「PHYSICA MCR301」と温度制御システム「CTD450」とを組み合わせて動的粘弾性測定することにより求めることができる。
より詳しくは、樹脂組成物が十分に軟化する温度以上において熱プレス機にて直径25mm×厚さ3mm程度の大きさの円盤サンプルを作製し、該サンプルを測定温度に加熱した粘弾性測定装置のプレート上にセットし窒素雰囲気下にて5分間に亘って放置・溶融させ、直径25mmのパラレルプレートにて間隔を2.0mmまで押しつぶし、プレートからはみ出した樹脂を取り除いて測定することができる。
なお、測定は、例えば、はみ出した樹脂を取り除いてから、測定温度±1℃に達するまで待ち、さらに5分間経過後に、歪み5%、周波数0.01〜100Hz、測定点の点数を21(5点/桁)の条件で、高周波数側(100Hz)から開始するようにすればよい。
そして、本実施形態においては、前記第一組成物に上記のような粘性をより確実に発揮させ得る点において、第一組成物におけるメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、トランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂、及び、シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂の含有量は、それぞれのスチレンブロックが所定の割合となるように調整されることが好ましい。
具体的には、前記第一組成物の全樹脂を100質量%とした際に、前記トランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂は、ポリブタジエンブロックの総量が0.1質量%以上5.5質量%以下の含有量となるように第一組成物に含有されることが好ましい。
さらに、前記第一組成物の全樹脂を100質量%とした際に、シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂は、ポリブタジエンブロックの総量が1質量%以上2.5質量%以下の含有量となるように第一組成物に含有されることが好ましい。
前記第一組成物における前記スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(A2)や前記メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(A3)は、メタクリル酸メチルが全樹脂の0.3質量%以上2.0質量%以下とされることが重要であり、好ましくは0.3質量%以上1.0質量%以下とされる。
この第一組成物においてスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂やメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂を構成しているメタクリル酸メチルは、第一組成物の全樹脂に占める割合が0.3質量%以上とされることで第一発泡層を耐熱性に優れたものとすることができる。
また、第一組成物においてスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂やメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂を構成しているメタクリル酸メチルは、第一組成物の全樹脂に占める割合が2.0質量%以下とされることで第一発泡層を非発泡層との接着性に優れたものとすることができ、1.0質量%以下とされることで当該効果を顕著なものにすることができる。
さらには、第一組成物は、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂を構成しているメタクリル酸メチルが、全樹脂の0.3質量%以上2.0質量%以下とされることで、第一発泡層を靱性に優れたものとすることができ、1.0質量%以下とされることで当該効果を顕著なものにすることができる。
(A1)スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂
本実施形態における、前記スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂は、スチレン単量体、及び、メタクリル酸単量体の合計含有量を100質量%としたときに、例えば、スチレン単量体の含有量が85〜99質量%、メタクリル酸単量体の含有量が1〜15質量%であるものを採用することができる。
(A2)スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂
本実施形態における、前記スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂は、スチレン単量体、メタクリル酸単量体、及びメタクリル酸メチル単量体の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン単量体の含有量が69〜92質量%、メタクリル酸単量体の含有量が6〜16質量%、及びメタクリル酸メチル単量体の含有量が2〜15質量%であるものを採用することが好ましい。
なお、本実施形態において、上記のような単量体の割合でスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂が構成されているのが好ましいのは、スチレン単量体を69質量%以上含有させることでスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂の熱溶融時における流動性を良好なものとさせ得るためである。
また、スチレン単量体を92質量%以下の含有量とさせるのが好ましいのは、メタクリル酸単量体及びメタクリル酸メチル単量体の含有による特性をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂により確実に発揮させ得るためである。
このような点において、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂におけるスチレン単量体の含有量は、78〜90質量%であることがより好ましく、80〜88質量%であることが特に好ましい。
また、メタクリル酸単量体の含有量が6質量%以上であることが好ましいのは、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂に優れた耐熱性をより確実に発揮させるためであり、メタクリル酸単量体の含有量が16質量%以下であることが好ましいのは、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂の流動性、及び、機械的強度を良好なものとさせ得るためである。
このような点において、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂におけるメタクリル酸単量体の含有量は、7〜15質量%であることがより好ましく、9〜13質量%であることが特に好ましい。
さらに、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂におけるメタクリル酸メチル単量体の含有量が2質量%以上であることが好ましいのは、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂に優れた機械的強度を発揮させ得るためであり、メタクリル酸メチル単量体の含有量が15質量%以下であることが好ましいのは、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂の流動性を良好なものとさせ得るためである。
このような点において、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂におけるメタクリル酸メチル単量体の含有量は、3〜10質量%であることがより好ましく、4〜7質量%であることが特に好ましい。
(A3)メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体樹脂
メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体樹脂(以下、「MBS樹脂」ともいう)としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体にメチルメタクリレート、スチレン及び、或いはブチルアクリレート、アクリロニトリルをグラフト重合してなる共重合体樹脂やポリブタジエンゴムにメチルメタクリレート、スチレン及び、或いはブチルアクリレート、アクリロニトリルをグラフト重合してなる共重合体樹脂などが採用可能である。
該メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(MBS)樹脂(A3)としては、ポリブタジエンブロックにシス1,4結合及び1,2ビニル結合よりもトランス1,4結合を多く含んだものが好ましく、ポリブタジエンブロックの90質量%以上がトランス型構造(トランス1,4結合)となっていることが好ましい。
該MBS樹脂は、ポリブタジエンを含むドメインを第一組成物中に良好な状態で分散させるのに有効な成分である。
即ち、MBS樹脂は、ポリブタジエンドメインによって第一組成物に優れた靱性を発揮させるのに有用な成分である。
(A4)その他のスチレン−メタクリル酸系共重合体
本実施形態における第一組成物には、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体など、その他のスチレン−メタクリル酸系共重合体を含有させうる。
その場合には、他のスチレン−メタクリル酸系共重合体によって導入されるメタクリル酸メチルも、場合によっては、樹脂非発泡層の局所的な剥離の原因となるおそれがあることから、このメタクリル酸メチルと、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂によって導入されるメタクリル酸メチルとの合計量は、第一組成物の全樹脂に占める割合が0.3質量%以上2.0質量%以下となるように調整されることが好ましく、0.3質量%以上1.0質量%以下となるように調整されることがより好ましい。
(B1)トランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂
本実施形態における前記トランス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂は、ブタジエン単量体によって構成されているポリブタジエンブロックの80質量%以上がトランス型構造となっていることが好ましい。
(B2)シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂
本実施形態における前記シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂は、スチレン単量体、及び、ブタジエン単量体の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン単量体の含有量が85〜90質量%、ブタジエン単量体の含有量が10〜15質量%であるものが好ましい。
また、本実施形態における前記シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂は、ブタジエン単量体によって構成されているポリブタジエンブロックの80質量%以上がシス型構造となっていることが好ましい。
前記第一組成物には、上記以外の成分を含有させても良いが、通常、その含有量は5質量%以下とされる。
この上記以外の成分としては、各種添加剤や押出し発泡において適度な発泡を生じさせるための成分が挙げられる。
前記添加剤としては、耐候剤や老化防止剤といった各種安定剤、滑剤などの加工助剤、スリップ剤、防曇剤、帯電防止剤といった機能性薬剤、顔料、香料などといったものが挙げられる。
なかでも、本実施形態における前記第一組成物に、前記スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を含有させる場合には、当該スチレン−メタクリル酸メチル共重合体の含有量を100質量部としたときに、0.1〜1.5質量部となる割合で脂肪酸アミドを添加することが好ましい。
なお、押出発泡に際して発泡を調整するための成分としては、気泡調整剤などが挙げられる。
該気泡調整剤としては、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物からなる粉末を採用させ得る。
なお、本実施形態において前記第一組成物を発泡状態にさせて前記第一発泡層を形成させる際には、一般的な押出発泡において用いられている発泡剤を利用することができる。
該発泡剤としては、物理発泡剤と化学発泡剤とに大別でき、前記物理発泡剤としては、例えば、窒素、炭酸ガス、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、イソヘプタン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、ジメチルエーテル、水等が挙げられる。
これらの物理発泡剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記化学発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジド、ホウ水素化ナトリウム等の無機系化学発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリルおよびジアゾアミノベンゼンなどのアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタンメチレンテトラミンおよびN,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジドおよびp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジドトリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート、クエン酸などが挙げられる。
前記のように本実施形態においては、前記第一発泡層を靱性に優れたものとする上においてブタンを所定量含有させることが好ましい。
このブタンは、例えば、第一発泡層を形成するための樹脂発泡シートを、第一組成物をブタン以外の発泡剤によってシート状に押出発泡させて形成させた後に該樹脂発泡シートに含浸させて第一発泡層に含有させるようにしてもよいが、前記押出発泡における発泡剤として採用して第一発泡層に含有させることが合理的である。
なお、第一発泡層におけるブタン含有量は、押出発泡に際しての樹脂に対して配合する量、用いるブタンの種類(ノルマルブタン、イソブタン)や割合、押出発泡の条件等により適宜調整可能である。
この第一発泡層に対し、前記第二発泡層は、本実施形態においては、前記のように汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)を主成分とする第二組成物によって形成されている。
なお、通常、GPPSは、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂などに比べて柔軟で靱性に富んだ性質を示す。
このことから本実施形態の積層発泡シートは、第一発泡層が優れた靱性を発揮するのみならず、GPPSを主成分とした第二発泡層が前記第一発泡層に積層されていることでさらに優れた靱性を発揮するように形成されている。
前記第二組成物には、第一発泡層を形成させるための第一組成物において説明した発泡のための成分や添加剤などをGPPSの他に含有させ得るとともに、例えば、前記第二発泡層の靱性をさらに向上させるべく、スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂などのその他の樹脂を含有させることができる。
また、第二組成物を発泡状態にさせて第二発泡層を形成させるためには前記第一発泡層の説明において例示したような発泡剤を用いることができる。
このような第一発泡層と第二発泡層とを備えた本実施形態に係る積層発泡シートを作製する際には、一般的な共押出法による押出発泡のプロセスを採用して第一発泡層と第二発泡層とを積層一体化させ得る。
第一発泡層と第二発泡層との積層体は、例えば、前記第一組成物を発泡剤とともに溶融混練させるための第一押出機、第二組成物を発泡剤とともに溶融混練させるための第二押出機、第一押出機から押出される溶融樹脂と第二押出機から押出される溶融樹脂とを合流させる合流ダイ、及び、該合流ダイで合流された溶融樹脂を外周側と内周側とに分けて筒状に押出発泡させ、2層構造の筒状発泡体を形成させるためのサーキュラーダイなどを用いて形成させ得る。
そして、サーキュラーダイの円環状の吐出口から押出発泡させた円筒状の発泡体をサーキュラーダイの下流側(押出方向前方)に配した直径が前記吐出口よりも径大な冷却用マンドレルに供し、前記発泡体の内面を冷却用マンドレルの外周面に摺接させつつ該発泡体に引取りをかけ、該冷却用マンドレルで発泡体を拡径するとともに該発泡体を内側から冷却し、該冷却用マンドレルの下流側に設けたカッターで前記発泡体を押出方向に向けて連続的に切断して平坦なシートとなるように展開し、長尺帯状となるように作製されたものに樹脂フィルムを積層するなどして本実施形態における積層発泡シートとすることができる。
このようにして共押出法で作製する樹脂発泡シート(第一発泡層と第二発泡層との積層体)としては、厚みが0.5mm以上10.0mm以下となるように作製されることが好ましく、第一発泡層、及び、第二発泡層の発泡倍率がそれぞれ2倍以上20倍以下となるように作製されることが好ましい。
なお、各層の発泡倍率については、積層発泡シートをスライスした所定の大きさの試料を用いて測定することができ、該試料の大きさ(面積:S)と厚み(t)とを測定し、これらを乗じて試料の見掛け上の体積(V=S×t)を求め、該試料の質量(M)から各発泡層の見掛け密度(D=M/V)を計算し、該発泡層を形成している材料の密度(ρ)を当該見掛け密度(d)で除して求めることができる。

発泡倍率=使用材料の密度(ρ)÷試料(発泡層)の見掛け密度(d)
また、各発泡層を形成している材料の密度(ρ)については、発泡剤を除いてスチレン−メタクリル酸共重合体樹脂やスチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂を発泡層の作製に用いたのと同じ割合で溶融混合させて非発泡状態に形成させた試料、或いは、積層発泡シートから切り出した試料を熱プレスするなどして非発泡な状態にし、これらに対してJIS K7112「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」のA法(水中置換法)に基づく測定を実施して求めることができる。
前記樹脂発泡シートともに積層発泡シートを形成するための樹脂フィルムは、特に限定されるものではなく、従来、熱成形用樹脂シートにおいて利用されているものの中から適宜選択すればよい。
例えば、第一発泡層と第二発泡層との積層体に積層して非発泡層を形成させるための樹脂フィルムとしては、耐油・耐熱性が求められるような場合には、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、延伸ポリプロピレン樹脂フィルム、及び、無延伸ポリプロピレン樹脂フィルムの内のいずれかの樹脂フィルムを選択することが好ましい。
該樹脂フィルムは、通常、GPPSを主成分とするPSフィルムと貼り合わされたドライラミネートフィルムの状態で非発泡層の形成に用いることができ、PSフィルム側を前記第一発泡層に熱接着させて前記非発泡層を形成させることができる。
なお、樹脂フィルムは、通常、5μm〜100μmの厚みのものを採用することができる。
前記積層発泡シートを用いて発泡成形品を製造するのに際しては、例えば、積層発泡シートを所定温度に設定された加熱炉を通過させて軟化させた後、所望の成形型を用いて、真空成形、圧空成形、真空・圧空成形、マッチモールド成形などといった適宜な熱成形を実施すればよい。
本実施形態においては、非発泡層が積層されている第一発泡層は、メタクリル酸メチルの含有量が所定量に調整されているために、GPPSとの馴染みがよく、前記ドライラミネートフィルムや延伸ポリスチレン(OPS)フィルムなどと優れた接着力で接着され得る。
したがって、熱成形に際して樹脂フィルムが局所的に剥離されて火脹れ状の外観不良となることが抑制される。
なお、本実施形態の発泡成形品は、軽量性、靱性、耐熱性などにおいて優れることから、冷蔵、冷凍食品用の発泡成形品とされることが好ましく、冷蔵、冷凍状態の食品を収容した状態で電子レンジによって加熱されるレンジアップ用容器などがその好適な態様として挙げられる。
また、本実施形態の発泡成形品は、断熱性にも優れることから収容した食品を電子レンジで高温に加熱した場合でも素手で取り扱い易く、且つ、優れた保温性が発揮され得る。
しかも、本実施形態の発泡成形品は、靱性に富んでいることから片持ち状態にされたような場合でも割れが生じにくい。
さらに、本実施形態の発泡成形品は、電子レンジで高温となるまで加熱した場合でも前記非発泡層と前記第一発泡層との間に剥離が生じにくい。
なお、本実施形態においては、上記のように積層発泡シートを非発泡層が内側となるように熱成形した発泡成形品を例示しているが、本発明の発泡成形品は、非発泡層が容器外側となるように熱成形されたものであってもよい。
また、本発明の発泡成形品は、非発泡層が樹脂発泡層の両面に積層された積層発泡シートを熱成形した内外両面が非発泡層となっているものであっても良い。
さらに、本実施形態においては、発泡層が2層の積層発泡シートを熱成形する場合を例示しているが、本発明の発泡成形品は、前記第一発泡層のみを非発泡層と積層した積層発泡シートが熱成形されたものであっても、前記第一発泡層を含む3層以上の発泡層を非発泡層と積層した積層発泡シートが熱成形されたものであってもよい。
さらにその他の事項についても、本発明の発泡成形品は、上記例示に限定されるものでなく、上記において直接的に記載していないような事項であっても、本発明の効果を著しく損ねない技術事項についてはこれを採用することが可能である。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(樹脂発泡シートの作製)
まず、第一押出機(L/D:32、口径φ:50mm)の先端に接続配管を介して第二押出機(L/D:30、口径:65mm)が接続されてなるタンデム型押出機を用意した。
そして、下記配合内容となるように調製した樹脂発泡シート用の原料をタンデム型押出機の第一押出機に供給し該押出機内で溶融混練を実施した。

(A1)スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂:78質量%
PSジャパン社製 商品名「ML195」
成分:スチレン単量体含有量92質量%、メタクリル酸単量体含有量8質量%

(A1/A3)スチレン−メタクリル酸共重合体とMBS樹脂(トランス型ブタジエンブロック含有品)とのブレンド品:13質量%
PSジャパン社製 商品名「AMM11」
成分:スチレン単量体含有量62.8質量%、メタクリル酸単量体含有量6.3質量%、メタクリル酸メチル単量体含有量6.4質量%、ポリブタジエンブロック含有量24.6質量%

(B2)シス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂:9質量%
PSジャパン社製 商品名「H8117」
成分:ポリスチレンブロック含有量88質量%、ポリブタジエンブロック含有量12質量%

(X)気泡調整剤:「ML195」、「AMM11」、及び、「H8117」の合計100質量部に対して0.3質量部
東洋スチレン社製 商品名「TM401A」(タルクを配合した配合樹脂)
次に、第一押出機の途中から発泡剤としてブタンを圧入し、上記溶融混練物に対して前記ブタンを加えた上で更なる溶融混練を行った。
そして、溶融混練物中にブタンを均一に分散させた上で、この発泡剤を含む溶融混練物を第二押出機に連続的に供給して溶融混練を継続しつつ発泡に適した樹脂温度に冷却した。
その後、第二押出機の先端に取り付けたスリット口径70mmのサーキュラーダイから吐出量30kg/h、樹脂温度167℃の条件で該溶融混練物を押出発泡させ、ダイスリットから押出発泡された筒状の発泡体を冷却されているマンドレル上に沿わせるとともに、その外面をエアリングからエアーを吹き付けて冷却成形し、カッターにより切開して、平坦シート状の熱成形用樹脂発泡シートを作製した。
この熱成形用樹脂発泡シートの作製に際しては、坪量が132g/mで厚みが1.65mmになるように引取り速度およびブタンガス注入量を調整した。
尚、樹脂温度の具体的な数値は、下流側押出機の先端のブレーカープレートの温度を測定した値であり、直径方向の1/4の深さに樹脂温度計を刺したブレーカープレートの温度を測定した値である。
(実施例2)
気泡調整剤を増量するとともに坪量を192g/m、厚みが1.79mmになるように引取り速度、ブタンガス注入量を変更したこと以外は、実施例1と同様に積層発泡シート作製用の樹脂発泡シートを作製した。
(実施例3)
配合内容を、下記表に示すように

「ML195」/「AMM11」/「H8117」/「TM401A」=79/10/11/0.5

の質量割合とし、坪量を186g/m、厚みが1.93mmになるように引取り速度、ブタンガス注入量を変更したこと以外は、実施例1と同様に積層発泡シート作製用の樹脂発泡シートを作製した。
(実施例4)
配合内容を、下記表に示すように

「ML195」/「AMM11」/「H8117」/「TM401A」=79/5/16/0.5

の質量割合とし、坪量を189g/m、厚みが1.71mmになるように引取り速度、ブタンガス注入量を変更したこと以外は、実施例1と同様に積層発泡シート作製用の樹脂発泡シートを作製した。
(実施例5)

配合内容を、下記表に示すように

「ML195」/「AMM11」/「H8117」/「MM290」/「TM401A」=70/11/9/10/0.5

の質量割合とし、坪量を180g/m、厚みが1.74mmになるように引取り速度、ブタンガス注入量を変更したこと以外は、実施例1と同様に積層発泡シート作製用の樹脂発泡シートを作製した。

なお、ここで用いた「MM290」の詳細は以下の通りである。
(A2)「MM290」:PSジャパン社製
成分:スチレン単量体含有量84.0%、メタクリル酸単量体含有量11.4%、メタクリル酸メチル含有量4.6%
(実施例6)
配合内容を、下記表に示すように

「ML195」/「AMM11」/「H8117」/「MM290」/「TM401A」=60/11/9/20/0.5

の質量割合とし、坪量を184g/m、厚みが1.74mmになるように引取り速度、ブタンガス注入量を変更したこと以外は、実施例1と同様に積層発泡シート作製用の樹脂発泡シートを作製した。
(実施例7)
配合内容を、下記表に示すように

「ML195」/「AMM11」/「H8117」/「TM401A」=71/20/9/0.5

の質量割合とし、坪量を178g/m、厚みが1.68mmになるように引取り速度、ブタンガス注入量を変更したこと以外は、実施例1と同様に積層発泡シート作製用の樹脂発泡シートを作製した。
(実施例8:共押出)
第一発泡層を形成させるための押出機(第1押出機)を用意した。
まず、上流側押出機(L/D:32、口径φ:50mm)の先端に接続配管を介して下流側押出機(L/D:30、口径φ:65mm)が接続されてなるタンデム型押出機を用意した。
そして、下記配合内容となるように調製した樹脂発泡シート用の原料をタンデム型押出機の上流側押出機に供給し該押出機内で溶融混練を実施した。

「ML195」/「AMM11」/「H8117」/「TM401A」=80/11/9/0.3)

そして、この第1押出機の途中から発泡剤としてブタンを圧入し、溶融混練物に対して前記ブタンを加えた上で更なる溶融混練を行った。
そして、溶融混練物中にブタンを均一に分散させた上で、この発泡剤を含む溶融混練物を合流金型に供給した。
これとは別の第二発泡層を形成させるための第2押出機で、下記配合内容となるように調製した樹脂発泡シート用の原料をタンデム型押出機の上流側押出機(L/D:32、口径φ:50mm)に供給し該押出機内で溶融混練を実施した。

「HRM26」/「E640N」/「DSM1401A」=80/20/1.0

同様に、上流側押出機の途中から発泡剤としてブタンを圧入し、ブタンを均一に分散させた上で、この発泡剤を含む溶融混練物を下流側押出機(L/D:30、口径φ:65mm)に連続的に供給して溶融混練を継続しつつ発泡に適した樹脂温度に冷却した。
得られた溶融混練物を前記合流金型内で先の第1押出機から供給される溶融混練物と合流させて外側に被覆し、外側が耐熱性に優れた第一発泡層、内側が靱性に優れた第二発泡層となるようにサーキュラーダイから円筒状の発泡体を押出させ、該押出直後に、その内側と外側にエアーをかけて冷却し、さらにマンドレルによって冷却した後にこの円筒状の発泡体を切り開いて積層発泡シートを作製した。
この熱成形用樹脂発泡シートの作製に際しては、坪量が180g/mで厚みが1.91mmになるように引取り速度およびブタンガス注入量を調整した。
尚、樹脂温度の具体的な数値は、下流側押出機の先端のブレーカープレートの温度を測定した値であり、直径方向の1/4の深さに樹脂温度計を刺したブレーカープレートの温度を測定した値である。

「HRM26」:東洋スチレン社製 ポリスチレン樹脂
「E640N」:東洋スチレン社製 ハイインパクトポリスチレン樹脂
「DSM1401A」:東洋スチレン社製 タルクを配合したマスターバッジ
(実施例9:共押出)
第1押出機の配合内容を、下記表に示すように

「ML195」/「AMM11」/「H8117」/「MM290」/「TM401A」=55/16/9/20/0.5

の質量割合とし、坪量を181g/m、厚みが1.83mmになるように引取り速度、ブタンガス注入量を変更したこと以外は、実施例8と同様に積層発泡シート作製用の樹脂発泡シートを作製した。
(比較例1)
主成分をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(PSジャパン社製 商品名「MM290」)に変更するとともに、脂肪酸アミドを含有するスチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(PSジャパン社製 商品名「MA100」)と、スチレン−メタクリル酸共重合体及びMBS樹脂(トランス型ブタジエンブロック含有品)含有マスターバッチ(PSジャパン社製、商品名「AMM10」)とをさらに用いて積層発泡シート作製用の樹脂発泡シートを作製した。

なお、配合内容については、下記表に示すように

「MA100」/「MM290」/「AMM10」/「H8117」/「TM401A」=15/60/10/15/0.2

の質量割合とし、坪量を133g/m、厚みが1.60mmになるように引取り速度、ブタンガス注入量を変更したこと以外は、実施例1と同様に積層発泡シート作製用の樹脂発泡シートを作製した。

なお、ここで用いた「MA100」、「AMM10」の詳細は以下の通りである。

「MA100」:PSジャパン社製
脂肪酸アミドを含有するスチレン−メタクリル酸共重合体樹脂
成分:スチレン単量体含有量96質量%、メタクリル酸単量体含有量4質量%、脂肪酸アミド系添加剤1.5質量部

「AMM10」:PSジャパン社製マスターバッチ
(A2/A3)スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体とMBS樹脂(トランス型ブタジエンブロック含有品)とのブレンド品:
成分:スチレン単量体含有量56.4質量%、メタクリル酸単量体含有量8.4質量%、メタクリル酸メチル単量体含有量9.4質量%、ポリブタジエンブロック含有量25.7質量%
(比較例2)
比較例1で用いたのと同じスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(PSジャパン社製 商品名「MM290」)と下記のスチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂とを87質量%:13質量%の割合で用い、これらの樹脂100質量部に対する前記の気泡調整剤の割合を0.8質量部とし、押出発泡における樹脂温度を178℃にしたこと、坪量を183g/m、厚みが2.09mmとなるように引取り速度、ブタンガス注入量を調整したこと以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを作製した。

・スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(SBS)
旭化成ケミカルズ社製 商品名「タフプレン125」
スチレンブロック含有量40質量%、ブタジエンブロック含有量60質量%
(比較例3)
配合内容を、下記表に示すように
「T080」/「タフプレン125」/「CM140」/「TM401A」=95/5/3/2

の質量割合とし、坪量を179g/m、厚みが1.89mmになるように引取り速度、ブタンガス注入量を変更したこと以外は、実施例1と同様に樹脂発泡シートを作製した。

なお、「T080」、「CM140」の詳細は、下記の通りである。

「T080」:東洋スチレン社製スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂
成分:スチレン単量体含有量92質量%、メタクリル酸単量体含有量8質量%

「CM140」:東洋スチレン社製 架僑型スチレン−メタクリル酸系共重合樹脂
(比較例4)
配合内容を、下記表に示すように

「ML195」/「AMM11」/「H8117」/「MM290」/「TM401A」=40/11/9/40/0.3)

の質量割合とし、坪量を184g/m、厚みが1.81mmになるように引取り速度、ブタンガス注入量を変更したこと以外は、実施例1と同様に積層発泡シート作製用の樹脂発泡シートを作製した。
なお、それぞれの配合における各主成分については、下記の測定方法にて定量することができ、一部の結果を下記表に示す。
(樹脂中メタクリル酸含有量の測定方法)
樹脂の吸光度比A=D1697/D1600を次の要領で測定する。
まず、樹脂極微量を乳鉢中にKBr(臭化カリウム)粉末とともに入れて良く混ぜ合わせて得た混合粉末を錠剤成形機にてプレス成形してKBr錠剤を作製後、赤外分光分析を下記条件にて実施して赤外吸収スペクトルを得る。この際、吸光度が1Absorbanceを越えないような試料量とする。
なお、赤外吸収スペクトルの測定(吸光度D1697およびD1600の測定)は、サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック株式会社から商品名「iS10」で販売されているフーリエ変換赤外分光分析装置を使用して実施する。
・測定法:透過法
・測定波数領域:4000cm−1〜400cm−1
・測定深度の波数依存性:補正せず
・検出器:重水素化硫酸トリグリシン(DTGS)検出器およびKBrビームスプリッター
・分解能:4cm−1
・積算回数:32回(バックグランド測定時も同様)
得られた赤外吸収スペクトルの吸光度比A=D1697/D1600を計算し、予めメタクリル酸量既知の樹脂とポリスチレン樹脂を一定割合で混合した標準試料を用いて作成した検量線から、メタクリル量を算出する。
D1697とは、赤外吸収スペクトル曲線における波数1560cm−1±5cm−1での最低吸収位置と、赤外吸収スペクトル曲線における波数1780cm−1±5cm−1での最低吸収位置とを結ぶ直線をベースラインとした、波数1697cm−1±5cm−1の領域の赤外吸収スペクトル曲線におけるベースラインとの吸光度差(測定された吸光度−ベースラインの吸光度)の最大値を意味する。
また、D1600とは、赤外吸収スペクトル曲線における波数1560cm−1±5cm−1での最低吸収位置と、赤外吸収スペクトル曲線における波数1780cm−1±5cm−1での最低吸収位置とを結ぶ直線をベースラインとした、波数1600cm−1±5cm−1の領域の赤外吸収スペクトル曲線におけるベースラインとの吸光度差(測定された吸光度−ベースラインの吸光度)の最大値を意味する。
なお、上記においては、スチレンに対するメタクリル酸の量を求めている。
(樹脂中メタクリル酸メチル含有量の測定方法)
試料を0.1〜0.5mg精秤し、キューリー点が590℃の強磁性金属体(パイロホイル:日本分析工業(株)製)に圧着するように包み、キューリーポイントパイロライザーJPS−700型(日本分析工業(株)製)装置にて分解させて生成したメタクリル酸メチルをガスクロマトグラフ[GC7820(アジレント・テクノロジー(株)製)、(検出器:FID)]を用いて測定し、メタクリル酸メチルピーク面積とスチレンピーク面積の比とメタクリル酸メチル量から作成した検量線を使用して樹脂中メタクリル酸メチル量を算出した。
<測定条件>
加熱(590℃−5sec)
・オーブン温度(300℃)
・ニードル温度(300℃)
・カラム(EC−5(φ0.25mm×30m(膜厚0.25μm):GRACE社製)
<カラム温度条件>
・温度条件(50℃で0.5分保持後、200℃まで10℃/分で昇温し、さらに320℃まで20℃/分で昇温し、320℃にて0.5分保持)
・キャリアーガス(He)
・He流量(25ml/分)
・注入口圧力(100kPa)
・カラム入口圧力(100kPa)
・注入口温度(300℃)
・検出器温度(300℃)
・スプリット比(1/50) 検量線作成標準試料は、積水化成品工業(株)製の懸濁重合PMMA微粒子(商品名「テクポリマー MB−8」)を使用する。
(全樹脂中の全ブタジエンゴム量測定方法)
試料を0.1〜0.5mg精秤し、キューリー点が590℃の強磁性金属体(パイロホイル:日本分析工業(株)製)に圧着するように包み、キューリーポイントパイロライザーJPS−700型(日本分析工業製)装置にて分解させて生成したブタジエンと4−ビニルシクロヘキサンとをガスクロマトグラフ[GC7820(アジレント・テクノロジー(株)製)、(検出器:FID)]を用いて測定し、ブタジエンピークと4−ビニルシクロヘキサンピークの合計面積とブタジエン量から作成した検量線を使用して樹脂中全ブタジエンゴム量を算出した。
<測定条件>
・加熱(590℃−5sec)
・オーブン温度(300℃)
・ニードル温度(300℃)
・カラム(EC−5(φ0.25mm×30m(膜厚0.25μm):GRACE社製)
<カラム温度条件>
・温度条件(50℃で0.5分保持後、200℃まで10℃/分で昇温し、さらに320℃まで20℃/分で昇温し、320℃にて0.5分保持)
・キャリアーガス(He)
・He流量(25ml/分)
・注入口圧力(100kPa)
・カラム入口圧力(100kPa)
・注入口温度(300℃)
・検出器温度(300℃)
・スプリット比(1/30)
なお、検量線作成用標準試料は、POLYSCIENCES.INC製St/BD=85/15(CAT#07073)樹脂を使用する。
(樹脂中1,4−トランスブタジエンゴム含有量の測定方法)
樹脂の吸光度比A=D965/D1600を次の要領で測定する。
まず、樹脂約0.1gを良溶媒約20mLで溶解し、溶解液半分程度を利用してガラスプレート上でフィルム化を行う。
得られたフィルムの赤外分光分析を下記条件にて実施し、赤外吸収スペクトルを得る。
赤外吸収スペクトルの測定(吸光度D965およびD1600の測定)は、サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック株式会社から商品名「iS10」で販売されているフーリエ変換赤外分光分析装置を使用して実施する。
・測定法:透過法
・測定波数領域:4000cm−1〜400cm−1
・測定深度の波数依存性:補正せず
・検出器:重水素化硫酸トリグリシン(DTGS)検出器およびKBrビームスプリッター
・分解能:4cm−1
・積算回数:32回(バックグランド測定時も同様)
得られた赤外吸収スペクトルの吸光度比A=D965/D1600を計算し、予め1,4−トランスブタジエンゴム量既知の樹脂とポリスチレン樹脂を一定割合で混合した標準試料を用いて作成した検量線から、1,4−トランスブタジエンゴム量を算出する。
D965とは、赤外吸収スペクトル曲線における波数925cm−1±5cm−1での最低吸収位置と、赤外吸収スペクトル曲線における波数1045cm−1±5cm−1での最低吸収位置とを結ぶ直線をベースラインとして、波数965cm−1±5cm−1の領域の赤外吸収スペクトル曲線におけるベースラインとの吸光度差(測定された吸光度−ベースラインの吸光度)の最大値を意味する。
また、D1600とは、赤外吸収スペクトル曲線における波数1560cm−1±5cm−1での最低吸収位置と、赤外吸収スペクトル曲線における波数1635cm−1±5cm−1での最低吸収位置とを結ぶ直線をベースラインとして、波数1600cm−1±5cm−1の領域の赤外吸収スペクトル曲線におけるベースラインとの吸光度差(測定された吸光度−ベースラインの吸光度)の最大値を意味する。
なお、上記においては、スチレンに対するトランス型ブタジエンゴムの量を求めている。
また、スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂に1,2−ブタジエンが含有されている場合は、1,2−ブタジエンに由来する赤外吸収ピークが911cm−1付近に観測されることから、トランス型ブタジエンゴムの量と同様に吸光度を使ってスチレンに対する1,2−ブタジエンの量を求めることができる。
なお、シス型ブタジエンゴム量は、上記の熱分解ガスクロマトグラフによる全ブタジエンゴム量測定方法によって定量された全ブタジエンゴム量から、トランス型ブタジエンゴム量と1,2−ブタジエンゴム量とを減じた値をシス型ブタジエンゴムの含有量と判断することができる。
(耐油性評価)
(シート成形品の作製)
トレー容器形状の備えられた片側真空タイプのマッチモールド型(容器開口部外寸法:115mm×185mm、底部外寸法:70mm×115mm、容器深さ外寸法:30mm)を型内雰囲気温度165℃、雄型温度165℃、及び、雌型温度50℃に設定し、前記熱成形用樹脂発泡シートを型内で15秒予熱した後にマッチモールド成形して発泡成形品(トレー容器)を作製した。
上記トレー容器に、所定の温度に加熱したサラダオイルを、トレー深さの約70%まで注ぎ、30秒後にサラダオイルを除いて表面状態を目視にてチェックした。
そして、表面状態がオイル注入前とほとんど変化なければ耐油性良好(OK)とし、変化があればその状態を記録した。
(強度評価)
各実施例、比較例の熱成形用樹脂発泡シートに対してフィルムインパクトテスター(安田精機製作所社製 商品名「No.181フィルムインパクトテスター」)による強度評価を実施した。
評価に際しては、熱成形用樹脂発泡シートからそれぞれ100mm×90mmの評価試料を採取し、温度22℃、相対湿度40%となるように調整された環境下で衝撃球サイズ12.7mmR、振子角度90度での各試料の打抜必要エネルギー(単位:J)を求めた。
具体的には、打抜必要エネルギーを求める試料を試料板と試料押さえとの間にセットし、指針を3.0Jの線上に置き、振り子止めハンドルを倒して振り子を落下させた。
そして、これにより試料が破れて振り子が指針を押して示した目盛りを読み取った。
以上の操作を熱成形用樹脂発泡シートの表裏5回ずつ行い、その平均値を求めた。
各熱成形用樹脂発泡シートの厚み、及び、発泡倍率とともに打抜必要エネルギーを求めた結果を下記表に示す。
(表面粗さ)
作製した熱成形用樹脂発泡シートの算術平均粗さRaは、JISB 0601「表面粗さの定義および表示」に則って、次のように測定した。
装置:キーエンス社製 高精度レーザ測定器LT−9000
データ処理:コムス社製 非接触輪郭形状 粗さ測定システム MAP−2DS
測定範囲:18000μm、測定ピッチ:5μm、速度:1000μm/秒
評価長さ(ln):12.5mm、カットオフ(l):2.5mm
測定は、MD方向、TD方向それぞれ5回ずつ測定し、それらの算術平均粗さの平均値を各シートの表面粗さとした。
(ラミ接着性評価)
作製した熱成形用樹脂発泡シートを、土山産業社製ヒートパイプ式均熱ロールを用いて(熱ロールφ150、冷却ロールφ130)温度180℃、ロール速度4.0m/min、接圧0.5MPaの条件でフィルムラミネートを行った。
フィルムはCPPSドライラミフィルム(厚み50μm)を使用した。
得られたサンプルをMD方向、TD方向それぞれ幅25mm、長さ200mmにカットし、テンシロン万能試験機を用い、速度200mm/minの条件で剥離試験を実施。
サンプルが180度剥離の状態になったときの積分平均荷重(N)の平均値を測定。
MD方向、TD方向それぞれ3回ずつ測定し、剥離強度の平均を取った。
測定値5.0N以上を局所的な剥離が発生しない接着強度として「○」判定とした。
(脆性評価)
前記打抜必要エネルギーと熱成形用樹脂発泡シートの坪量から総合的に判定し、靭性に優れ実用上問題がないと考えられる場合「○」判定とし、靭性に劣り問題があると考えられる場合を「×」判定とし、どちらとも言い切れない場合を「△」判定とした。
Figure 2015091932
Figure 2015091932
Figure 2015091932
この表からも本発明によれば、靭性や耐熱性に優れた発泡成形品の形成に適した積層発泡シートが得られることがわかる。

Claims (9)

  1. スチレン成分とメタクリル酸メチル成分とを有する共重合体樹脂を含む樹脂組成物によって形成されている樹脂発泡シートであって、
    前記樹脂組成物は、含まれる全ての樹脂に占めるメタクリル酸メチルの割合が0.3質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とする樹脂発泡シート。
  2. 前記樹脂組成物は、前記共重合体樹脂としてスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂を含み、含まれる全ての樹脂に占めるメタクリル酸メチルの割合が0.3質量%以上1.0質量%以下である請求項1記載の樹脂発泡シート。
  3. ポリブタジエンブロックを有するメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体樹脂が前記樹脂組成物に含まれている請求項1又は2記載の樹脂発泡シート。
  4. 前記ポリブタジエンブロックの主成分がトランス型ポリブタジエンで、前記樹脂組成物は、全樹脂の0.1質量%以上5.5質量%以下となるようにトランス型ポリブタジエンを含む請求項3記載の樹脂発泡シート。
  5. 前記樹脂組成物には、ポリブタジエンブロックの主成分がシス型ポリブタジエンであるシス型スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂がさらに含有されており、前記樹脂組成物は、全樹脂の1質量%以上2.5質量%以下となるようにシス型ポリブタジエンを含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂発泡シート。
  6. 前記樹脂組成物とともにポリスチレン系樹脂組成物が共押出によって押出発泡されてなり、前記樹脂組成物からなる樹脂発泡層と前記ポリスチレン系樹脂組成物からなる樹脂発泡層との2層の樹脂発泡層が積層一体化されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂発泡シート。
  7. 厚みが0.5mm以上10.0mm以下で、発泡倍率が2倍以上20倍以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の樹脂発泡シート。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の樹脂発泡シートに、樹脂非発泡層を形成させるための樹脂フィルムが積層されてなり、前記樹脂組成物によって形成されている樹脂発泡層に前記樹脂フィルムが積層されていることを特徴とする積層発泡シート。
  9. 請求項8記載の積層発泡シートが熱成形されてなることを特徴とする発泡成形品。
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