JP5792950B2 - ポリスチレン系樹脂積層発泡シート - Google Patents

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Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、およびそれを成形してなる成形容器に関する。
従来より、プリンやヨーグルト等の食品容器として、ポリスチレン系樹脂の容器が用いられている。これはポリオレフィン系樹脂に対して、熱成形性や剛性に優れていて、シートを熱成形することによって、容易に剛性の優れた深絞り容器が得られることによっている。しかしながら近年環境問題が重要視されてくるに従って、これらの食品に対する容器の重量を削減することによって、輸送時やこれらの容器を使用した後の処理で発生する炭酸ガスをできるだけ削減することが求められている。ポリスチレン系樹脂はその密度が1.05g/cm3付近で、ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン系樹脂(密度は一般的には0.90〜0.92)より大きく、容器の肉厚が同等であれば、剛性に関しては優れているものの、その質量はポリオレフィン系樹脂の容器よりも大きくなる。従って、ポリスチレン系樹脂の加工適性を維持したたま、とりわけ剛性の低下を最小限にして、密度をポリオレフィン系樹脂と同等のレベルとすることが求められている。
一方でポリスチレン系樹脂は、古くからポリスチレンペーパーとして用いられているように、容易に発泡させて軽量化させることができる。しかしながら、単に発泡させたシートは、シートから容器に熱成形する際の絞り比が大きくなると、成形した容器の腰強度が著しく低下する。このような点を改善するために、発泡層の両面に非発泡層を設ける方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。
このような発泡積層シートは、一般に押出機で溶融された熱可塑性樹脂に各種の発泡剤を加圧下で混練し、押出機先端のダイスから大気圧下に押出し溶融樹脂内に気泡を形成させて発泡層を形成し、その両側の表面に非発泡の樹脂層を加熱融着させることにより得られる(特許文献4参照)。
この方法よりもより短い工程で効率よく前記のような発泡積層シートを製膜する方法としては、発泡層と非発泡層をそれぞれ個別の押出機で押出し、その両者をフィードブロックと呼ばれる合流部に供給して積層する方法や、Tダイによる成形の場合、マルチマニホールドダイを使用して積層する方法がある。しかしながら、このような共押出法では、溶融した樹脂がダイスのリップから押し出されて発泡層に気泡が形成される際に、気泡の成長が表面の非発泡層により制約を受けるために、発泡層の気泡形状や気泡径を制御することが困難であった。また、上記のいずれの方法で作製した発泡積層シートを用いても、本発明が目的とするプリンやヨーグルトの容器のような、絞り比が0.5以上のような深絞り容器では、著しく剛性が低下し、製品の輸送中に容器のつぶれやわれ等の問題が発生することがあった。
特開2009−178898号公報 特開2009−149054号公報 特開2008−273128号公報 特開2000−135754号公報
本発明は、上記の問題を解決するものであり、当該の層構成を有する発泡成形シートによって、熱成形成に優れ従来品よりも軽量で、プリンやヨーグルトのような深絞り容器に成形したとき、実用上十分な剛性を有する容器を得ることのできるポリスチレン系樹脂積層発泡シートを提供することを課題とする。
ものである。
発明者らは前記の課題を鋭意検討した結果本発明に至った。即ち本発明は、下記の(1)〜(3)で規定される気泡を有し、ポリスチレン系樹脂発泡層(A層)の両面に、グラフトゴム成分を3〜15質量%含有するポリスチレン系非発泡樹脂からなる表面層(B層)が積層され、前記A層とB層の片側の厚みの比(B/A)が0.3〜1.0であり、シート全体の平均の密度が0.7〜0.9g/cmで、総厚みが0.3〜1.0mmのポリスチレン系樹脂積層発泡シートである。
(1) A層の厚み方向の平均径(Rt):40〜70μm
(2) A層の引き取り方向の平均径(Rmd):90〜140μm
(3) アスペクト比(Rmd/Rt):1.5〜3
そして発泡層(A層)が、ブタジエングラフトゴム成分が3〜15質量%のポリスチレン系樹脂である前記のポリスチレン系樹脂積層発泡シートが好ましい。また、発泡層(A層)に使用されている発泡剤が炭酸水素ナトリウムとクエン酸を主成分とする化学発泡剤である前記のポリスチレン系樹脂積層発泡シートが好ましい。本発明は、これらのポリスチレン系樹脂積層発泡シートを用いた成形容器を包含する。
また、一方で本発明は マルチマニホールドダイ内で積層した3層構成の積層体を、ダイリップより40〜70℃の温度範囲に設定された冷却ロール上に押出し、冷却して引き取り、前記の積層発泡シートを製膜する際に、引取りの際にダイリップの間隙(Trip)と冷却ロール間隙(Troll)および冷却後の積層シートの総厚み(Tsheet)の厚みの関係を、Tsheet=1.0としたときに、Trip=0.7〜0.9、Troll=0.91〜0.97 の範囲で調整することを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法である。
本発明の層構成を有する積層発泡シートによって、熱成形性に優れ従来品よりも軽量で、プリンやヨーグルトのような深絞り容器に成形したとき、実用上十分な剛性を有する容器を得ることのできるポリスチレン系樹脂積層発泡シートが得られる。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの断面図である。 本発明の積層発泡シートの発泡層の厚み方向の気泡サイズを計測する方法を示す説明図である。 本発明の積層発泡シートの発泡層の引取り方向の気泡サイズを計測する方法を示す説明図である。
以下に本発明の詳細を説明する。本発明の積層発泡シートは、前記のようにポリスチレン系樹脂発泡層(A層)と、その両側の表面に積層されたポリスチレン系非発泡樹脂からなる表面層(B層)の基本的には3層構成で、本発明のシートの用途からして積層発泡シートの総厚みは0.3〜1.0mmであり、発明の課題から、積層発泡シートとしての平均の密度(坪量の逆数)は、0.7〜0.9g/cmに設定している。即ち0.7未満となると十分な剛性を得ることが困難となり、0.9を超えると目的のポリオレフィン系樹脂シート並み以上の軽量化が達成されたとは言えない。
本発明で発泡層(A層)および非発泡樹脂の表面層(B層)で使用するポリスチレン系樹脂は、実質的にグラフトゴムを含有していない一般用ポリスチレン樹脂(GPPS)、グラフトゴムを含有している耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、及びこれらの混合物である。
一般用ポリスチレン樹脂(GPPS)としては、単量体としてスチレンが主体であるが、微量成分としてo−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン等の芳香族ビニル化合物の1種以上を含有するものであっても良く、市販の樹脂を用いることもできる。
耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)とは、スチレン系単量体がグラフトした微粒子状のグラフトゴムを含有するポリスチレン樹脂を指す。グラフトゴム中のゴム成分としては、例えば1,3−ブタジエン(ブタジエン)、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチルペンタジエン等を単量体とするジエン系ゴムが用いられる。また、ジエン成分が50質量%以上のスチレン−共役ジエンブロック共重合体の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。中でも、ポリブタジエンやスチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。これらのポリスチレン樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲においては、鉱物油、ロジンエステル類、テルペン樹脂、高級脂肪酸、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸アミド、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の添加剤、を含有させることもできる。
非発泡の表面層(B層)に用いるポリスチレン樹脂は、ブタジエングラフトゴムが、樹脂全体を100質量%としたときに3〜15質量%のものである。また発泡層(A層)に用いるポリスチレン樹脂も、ブタジエングラフトゴムが、樹脂全体を100質量%に対して3〜15質量%のものが好ましい。この範囲のもので熱成形性と容器としたときの座屈強度と耐衝撃性のバランスが良好な発泡積層シートを得ることができる。
発泡層(A層)に用いるポリスチレン系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が38万以上、好ましくは38万〜60万、特に好ましくは38万〜43万である。Mwが35万未満のポリスチレン系樹脂を用いると、得られるポリスチレン樹脂組成物は剛性、耐衝撃性、伸び特性の劣るものとなる。又、本発明で使用するポリスチレン系樹脂において絡み合いの起こる限界分子量(Me=3万5千)以下のフラクションは耐衝撃性、伸び特性を低下させるので、その割合はポリスチレン系樹脂100質量%に対して3質量%以下であることが好ましい。Mw及びMe以下の分子量の割合の調整は公知の手法、例えば重合開始剤や重合温度等により調整できる。尚、本発明のMw及びMe以下の分子量の割合は、一般的なGPC測定法によって求めることができる。本発明で使用するHIPSは特に限定はされるこのではないが、HIPS中に含まれるポリブタジエン含量としてはHIPS100質量%に対して5〜15質量%、好ましくは6〜10質量%、特に好ましくは7〜9質量%であり、HIPS中に分散するゴム粒子の平均粒子径としては0.1〜5μm、好ましくは0.2〜4μm、特に好ましくは0.2〜3.5μmである。又、マトリックスのMwは15万以上が好ましく、例えばポリスチレン樹脂にブタジェン、ブテン等のゴム成分を含有させたものを挙げることができる。
発泡層(A層)には、前記の各種の添加物に加えて、発泡核剤として、タルク、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルシウム、クレー、クエン酸等を使用しても良い。
本発明の発泡積層シートを製造する方法についてのべる。まず発泡層(A)については、前記のポリスチレン系樹脂と化学発泡剤からなる樹脂組成物を押出機に投入して溶融混練し、マルチマニフォールドダイに供給する方法や、溶融可塑化された樹脂組成物に対して、押出機中にて易揮発性有機液体発泡剤(物理発泡剤)を圧入、混練して発泡押出する方法を用いることができる。化学発泡剤を用いる方法では、具体的には、重曹とクエン酸の混合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p、p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、炭酸塩、有機酸塩等が挙げられるが、重曹とクエン酸の混合物が好適に用いられ、発生する発泡ガスは炭酸ガスである。化学発泡剤の添加方法は特に限定されず、前記の各種原料樹脂の混合物又は溶融混練物にドライブレンドする方法や、押出機のホッパー中で定量フィーダーを使用して添加する方法、又はポリスチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等をベースとするマスターバッチを作成し添加する方法等を用いることができる。
物理発泡剤を用いる方法では、具体的には、窒素、炭酸ガス、プロパン、n − ブタン、i − ブタン、メチルエーテル等が挙げられる。なお、ここで気体とは常温(2 5 ℃ ) 、常圧( 1 気圧) で気体であることを意味する。一方、揮発性の発泡剤としては、エーテル、石油エーテル、アセトン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン等が挙げられる。また水も使用できる。これらを混合使用することもできる。
本発明における発泡層(A層)は、密度が0 . 5 〜 0 . 7 g / c m 3 の範囲であることが好ましく、A層と非発泡のB層の片側の厚みとの比(B/A)で、0.3〜1.0である(発泡積層シートの総厚みは0.3〜1.0mm)。B/Aが0.3未満では、容器に成形したときに十分な座屈強度が得られず、1.0を超えると軽量化が不十分となる。
発泡層(A層)に形成される気泡は厚み方向の平均径(Rt)が40〜70μmであり、引き取り方向の平均径(Rmd)が90〜140μmであり、且つこれらのアスペクト比(Rmd/Rt)が1.5〜3であることが重要である。Rtが40μm未満でも70μmを超えても、そのシートを用いて深絞り容器を成形したとき、容器の十分な落下衝撃性を得ることが困難となる。また、Rmdが90μ未満でも140μmを超えても同様である。即ち、RtおよびRmが前記の適正な範囲であり、その結果として(Rmd/Rt)は前記の範囲となり、より好ましくは2.0〜2.5の範囲である。
本発明の製造方法に用いられる製造装置としては、公知の押出発泡シート製造装置が好適である。すなわち、発泡層(A層)の押出しは、単軸押出機や二軸押出機等の公知の溶融混錬装置を単独あるいは2機以上を直列にして用いることができる。反応を十分進めるための滞留時間という観点から、押出機を2機以上直列に用いることが好ましい。具体的には、1機目の押出機で加熱溶融した樹脂組成物に対して発泡剤を圧入して混合し、2機目の押出機で冷却により樹脂温度を120〜180℃に調整した後、Tダイもしくはサーキュラーダイより空気中に発泡シートを押出す方法が好ましい。発泡シートの厚みは、ダイスの構造など設備構造や樹脂の処理流量、シートの引取速度等の運転条件により、調整することができる。また、発泡シートの密度は、発泡剤の添加量等および積層樹脂の厚みバランスにより調整することができる。
本発明の製造方法では、発泡剤を圧入するまでの1機目の押出機シリンダーの設定温度が重要であり、200〜270℃に設定するのが好ましく、さらに好ましくは220〜250℃である。200℃より低いと反応が十分に進まず、分子量増大効果が小さくなってしまい、スチレン系樹脂発泡シートの軽量化が困難となる可能性がある。また、270℃より高いと、2機目の押出機での冷却が困難になり、樹脂温度を十分に下げることができず、ダイス内で発泡してしまう可能性がある。
本発明におけるポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、従来公知の方法( 押出ラミネート法、共押出法、接着剤を用いて別途製膜した表面層用のシート貼り合わせる方法、又は熱を利用した融着法等)により製造することができる。 中でも共押出法が生産効率の点で好ましい。共押出法としては、押出機を2機以上使用し、前記のようにポリスチレン系樹脂発泡シートの発泡層(A層)をダイリップより押出す前に、マルチマニホールドダイ内で非発泡樹脂層(B層)を両表面に積層し、ダイリップから同時に押出してポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得る方法である。
共押出法で本発明の積層シートを製造する場合は、前記のようにマルチマニホールドダイ内で積層した積層体を、ダイリップより40〜70℃の温度範囲に設定された冷却ロール上に押出し、冷却して引き取ることによって、3層構成の積層シートが得られる。例えば、引取りの際にダイリップの間隙(Trip)と冷却ロール間隙(Troll)および積層シートの総厚み(Tsheet)の関係は、Tsheet=1.0としたときに、Trip=0.7〜0.9、Troll=0.91〜0.97 の範囲で調整することによって、発泡層の気泡の厚み方向の平均径(Rt)および引取り方向の平均径(Rmd)が、特許請求の範囲に記載した範囲にすることができる。
本発明のシートを熱成形する方法は、一般的な真空成形、圧空成形やこれらの応用として、シートの片面にプラグを接触させて成形を行うプラグアシスト法、又、シートの両面に一対をなす雄雌型を接触させて成形を行う、いわゆるマッチモールド成形と称される方法等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また成形前にシートを加熱軟化させる方法として非接触加熱である赤外線ヒーター等による輻射加熱等、公知のシート加熱方法を適応することができる。
<シートおよび容器の特性の評価方法>
各実施例および比較例で得られた発泡積層シートの特性を以下の方法で評価した。
1.積層シートのA層の厚み方向の平均気泡サイズ(Rt)
A層の平均気泡サイズ(Rt)は次のように求めた。発泡積層シートの巾方向に等間隔で10箇所、引取り方向に垂直方向の断面を顕微鏡にて撮影し、断面写真についてA層の厚み(t1)を測定する。次に、A層の厚さ方向に直線L1を引き、直線L1と交わるA層の全ての発泡気泡数(n1)をカウントする(図2参照)。各々の測定箇所についてt1/n1を該測定箇所の平均気泡サイズとし、10箇所の平均値を各サンプルのA層の厚み方向の平均気泡サイズ(Rt)とした。
2.積層シートのA層の引取り方向の平均気泡サイズ(Rmd)
A層の平均気泡サイズ(Rmd)は次のように求めた。積層シートの巾方向に等間隔で10箇所、引取り方向と平行方向の断面を顕微鏡にて撮影し、断面写真について引き取り方向に特定間隔で引いた直線L2の長さ(t2)を測定する。次に、A層の厚さ方向に対して垂線の直線L2を引き、直線L2と交わるA層の全ての発泡気泡数(n2)をカウントする(図3参照)。各々の測定箇所についてt2/n2を該測定箇所の平均気泡サイズとし、10箇所の平均値を各サンプルのA層の引き取り方向の平均気泡サイズ(Rmd)とした。
3.発泡シートの平均密度
本発明の発泡シートの平均密度(kg/m)は次のように求めた。発泡シートの巾方向に等間隔で10箇所、サンプリングしJIS−K7112法に準拠し測定した。
使用機器 ; 高精度電子比重計 EW−300SG アルファーミラージュ(株)製
尚、本明細書中の平均密度と坪量との関係は以下の通りである。
平均密度(g/cm)=坪量(g/m)÷厚み(mm/1000)
4.容器の座屈強度評価
本発明で得られたシートにて、(株)浅野研究所製/単発真空成形機を用い、口径70mm深さ70mmの容器サンプルを得た。得られた容器サンプルにて圧縮試験を行い、最大点荷重を容器の座屈強度とした。
使用機器 ; ストログラフVE1D(東洋精機社製)
圧縮条件 ; 50mm/min
破壊点検出レベル ; 最大点荷重の85%
5.容器の落下衝撃試験
本発明で得られたシートにて、(株)浅野研究所製/単発真空成形機を用い、口径70mm深さ70mmの容器サンプルを得た。得られた容器に80gの水(25℃)を充填、シールを行い密封したものをテスト用サンプルとした。同サンプルを高さ80cmからコンクリート床面に自由落下させ、容器の割れが発生した個数をカウントした。
6.軽量性
軽量化の目安として、PS基材に対して10%軽量化である比重0.90をクリアしているものを○、クリアしていないものを×とした。
<実施例に用いた原料>
ポリスチレンA ; H850N(東洋スチレン社製)
ゴム量;9.0質量%、重量平均分子量(Mw);19万
ポリスチレンB ; E640N(東洋スチレン社製)
ゴム量;6.0質量%、重量平均分子量(Mw);23万
ポリスチレンC ; G200C(東洋スチレン社製)
一般タイプ、 重量平均分子量(Mw);26万
スチレン系エラストマー ; TR2000(JSR株式会社製)
発泡剤 ; ポリスレンES−275(永和化成工業社製)
<重量平均分子量(Mw)、限界分子量(Me)の測定>
GPC法による一般的な方法で測定した。
測定機: 昭和電工社製Shodex SYSTEM−21、カラム:POLYMERLABORATORY INC.製 PL gelMIXED−B 3本、溶媒:テトラヒドロフラン)
(実施例1〜7、比較例1〜7)
各実施例および比較例について、表1に示したポリスチレン系樹脂と発泡剤を所定の配合比率にブレンドした後発泡層(A層)用65φ単軸押出機に供給し、併行してB層用の樹脂を非発泡層用65φ単軸押出機に供給し、溶融押出後巾450mmTダイを用いてサンプルシートを得た。尚、Tダイのリップ開度についてはシート厚みに対して0.8倍(但し、比較例2のみ0.95倍)になるように設定し、引取装置金属ロールの間隙についてはシート厚みに対して0.05mm(但し、比較例2のみ0.01mm)小さくなるよう設定した。各実施例及び比較例の配合比率、製膜条件を表1に、前記の評価による実施例の評価結果を表2に、比較例の評価結果を表3に示した。
1 表面層(B層:ポリスチレン系非発泡樹脂)
2 発泡層(A層:ポリスチレン系発泡樹脂)
3 気泡
L1 厚さ方向の平均気泡サイズを求めるための直線
L2 引き取り方向の平均気泡サイズを求めるための直線
t1 A層の厚み
t2 引き取り方向の直線L2の長さ

Claims (6)

  1. 下記の(1)〜(3)で規定される気泡を有し、ポリスチレン系樹脂発泡層(A層)の両面に、グラフトゴム成分を3〜15質量%含有するポリスチレン系非発泡樹脂からなる表面層(B層)が積層され、前記A層とB層の片側の厚みの比(B/A)が0.3〜1.0であり、シート全体の平均の密度が0.7〜0.9g/cmで、総厚みが0.3〜1.0mmのポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
    (1)下記1.により求めたA層の厚み方向の平均径(Rt):40〜70μm
    (2)下記2.により求めたA層の引き取り方向の平均径(Rmd):90〜140μm
    (3)アスペクト比(Rmd/Rt):1.5〜3
    1.積層シートのA層の厚み方向の平均気泡サイズ(Rt)
    発泡積層シートの巾方向に等間隔で10箇所、引取り方向に垂直方向の断面を顕微鏡にて撮影し、断面写真についてA層の厚み(t1)を測定する。次に、A層の厚さ方向に直線L1を引き、直線L1と交わるA層の全ての発泡気泡数(n1)をカウントする。各々の測定箇所についてt1/n1を該測定箇所の平均気泡サイズとし、10箇所の平均値を各サンプルのA層の厚み方向の平均気泡サイズ(Rt)とした。
    2.積層シートのA層の引取り方向の平均気泡サイズ(Rmd)
    積層シートの巾方向に等間隔で10箇所、引取り方向と平行方向の断面を顕微鏡にて撮影し、断面写真について引き取り方向に特定間隔で引いた直線L2の長さ(t2)を測定する。次に、A層の厚さ方向に対して垂線の直線L2を引き、直線L2と交わるA層の全ての発泡気泡数(n2)をカウントする。各々の測定箇所についてt2/n2を該測定箇所の平均気泡サイズとし、10箇所の平均値を各サンプルのA層の引き取り方向の平均気泡サイズ(Rmd)とした。
  2. 発泡層(A層)が、ブタジエングラフトゴム成分が3〜15質量%のポリスチレン系樹脂である請求項1に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  3. 発泡層(A層)に使用されている発泡剤が炭酸水素ナトリウムとクエン酸を主成分とする化学発泡剤である請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  4. 絞り比が0.5以上、且つ比重が0.90以下の深絞り容器用の、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートを用いた成形容器。
  6. マルチマニホールドダイ内で積層した3層構成の積層体を、ダイリップより40〜70℃の温度範囲に設定された冷却ロール上に押出し、冷却して引き取り請求項1に記載の積層シートを製膜する際に、引取りの際にダイリップの間隙(Trip)と冷却ロール間隙(Troll)および冷却後の積層シートの総厚み(Tsheet)の厚みの関係を、Tsheet=1.0としたときに、Trip=0.7〜0.9、Troll=0.91〜0.97 の範囲で調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法。
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