JP3927044B2 - 樹脂シートの製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外観の美しい樹脂シートの製造に好適な樹脂シートの製造装置、前記装置を用いた樹脂シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
熱可塑性樹脂を用いた樹脂シートの製造においては、製品の外観不良の発生を防止することが重要となるが、製造装置及び製造工程上の問題から不良品の発生を完全に防止できない。例えば、樹脂の発泡に伴う3次元の体積膨張から、ダイ出口で溶融樹脂がカーテンウォール現象を起こし、コルゲートマークと称される縦皺が生じたり、ダイ出口での溶融樹脂粘度と発泡ガス圧力とのバランス及びエアーギャップと称されるダイ出口から冷却装置までの距離との関係から、シート内部のガスが破泡して、シートの表面状態を悪化させたりするという問題がある。このような問題を解消する方法として、インフレーション成形法、サイジングダイ成形法等が試みられているが、目的とする樹脂シートの種類や厚み等によっては満足できる製品が得られず改善の余地があるため、更に種々の検討がなされている。
【0003】
特開昭63−288731号公報には、ダイス先端の中心から水平方向に一組の小口径(外径20〜35mm)の成形ロールをダイ出口直近(5〜12mm)に設けて表面を冷却した後、発泡させ、次いで冷却して発泡ポリオレフィンシートを得る方法が開示されている。この方法では、冷却ロールで発泡樹脂を挟み込むため、厚みが均一で、比較的表面が良好な樹脂シートが得られるが、発泡倍率が低下しやすく、幅方向の発泡倍率にバラツキが出やすいという問題がある。また、その他にも、小口径のロールをダイス出口から5〜12mmの極小間隔で配置する必要があるため、技術的困難を伴うという問題がある。
【0004】
特開平9−76331号公報には、ダイ出口に近接させて設置した引取ロールを押出し方向に対して30〜60°の角度にする等により、コルゲートマークの発生を解消する発泡ポリオレフィンシートの製造方法が開示されている。この方法はコルゲートマークの解消には効果的で、比較的表面が良好なシートが得られるが、ダイス先端の微小な傷や滞留物によるダイラインがシート表面に発生しやすいという問題がある。また、その他にも、発泡樹脂が冷却固化されるまでの延伸効果が大であることにより、当該シートの容器成形性の低下、延伸過程で発泡ガスに圧縮力が働くことにより気泡がつぶれ、発泡倍率が低下するという問題がある。
【0005】
特開平7−195488号公報及び特開平7−195495号公報には、縦型Tダイの真下に冷媒等の冷却手段を設置し、樹脂シートを挟持してて樹脂シートを冷却する方法が開示されている。しかし、これらの方法では、樹脂シートの固化が急速過ぎるためにシートに歪みが残り、幅方向に湾曲する問題があると共に、シートに冷媒を直接的に接触させるため、製造の際に床面等が濡れたり、シートに冷媒が残存するという問題もある。
【0006】
また、図7に示すように、ダイからシート状発泡体を下方向に押出し、横に3本並んだ冷却ロールで冷却と引き取りを行って、樹脂シート60を得る方法が広く採用されている。この方法においては、Tダイ出口62と冷却ロール63〜65の間でコルゲートマークが発生すると共に、エアーギャップが長いことにより、シート内部のガスが破泡するガス抜けの現象が生じ、シートの表面状態を悪化させる。この方法では、引き取り速度を上げればコルゲートマークは減少するものの、溶融シートに、ネックイン、皺、表面肌荒れが生じるという問題のほか、非常に薄いシートしか得られないという問題がある。
【0007】
更に、熱可塑性樹脂樹脂シートにフィルムをラミネートした積層シートの製造においても、上記の樹脂シートと同様にラミネートフィルムに皺が発生するという問題があるが、この問題も技術的及び設備コスト面から満足できる解決方法は見出されていない。
【0008】
本発明は、皺等の発生がなく、シート両面共に美しい外観を有するの樹脂シートを得ることができる樹脂シートの製造装置、及び前記装置を用いた樹脂シートの製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願出願人は、コルゲートマークの発生を防止できる装置として、図8、図9に示す発泡シートの製造装置に係る発明を開示しているが(特開2000−154267号公報参照;図8は発泡シートの製造装置の概念図、図9は図8の部分拡大図。)、Tダイ出口から押し出されたシートの一面が冷却ロール3に接触し、引き続いてシートの他面が冷却ロール4に接触するまでの若干の時間差により、前記他面側の光沢の向上が小さいという点で改善の余地がある。そこで、本願出願人は、特開2000−154267号公報に開示した発明中、樹脂シートが冷却ロール3を経て冷却ロール4に接触するまでの時間差に着目して研究を重ね、樹脂シートの両面において美しい光沢を有する樹脂シートが得られる製造装置及びそれを用いた製造方法として、下記の解決手段を見出したものである。なお、以下において、「樹脂シート」とは、発泡樹脂シート、無発泡樹脂シート、発泡樹脂シートと無発泡樹脂シートを組み合わせた積層シートを意味するものである。
【0010】
(1)第1の解決手段
本発明は、上記課題の第1の解決手段として、Tダイを押出口に有する押出機と、Tダイ出口から順に、複数の冷却ロールの組み合わせからなる冷却ゾーン、冷却ゾーンに続いて設けられ1本又は2本以上の引取ロールからなる引取ゾーン、引取ゾーンに続いて設けられた巻取機を備えた樹脂シートの製造装置において、
冷却ゾーンにおける複数の冷却ロールの組み合わせが、Tダイ出口に最も近接した冷却ロールが第1冷却ロールで、次に近接した冷却ロールが第2冷却ロールであり、
第1冷却ロールと第2冷却ロールが、Tダイ出口からの樹脂シートの押出方向に対して直交する方向に並設されている樹脂シートの製造装置を提供する。
【0011】
このように第1冷却ロールと第2冷却ロールを並設することにより、樹脂シートが第1冷却ロールを経て第2冷却ロールに接触するまでの時間を短くすることができるので、樹脂シート両面共に美しい光沢を付与できる。ここで「Tダイ出口からの樹脂シートの押出方向に対して直交する方向に並設されている」とは、同一方向に設けられていることを意味するもので、同一方向であれば隣り合って設けられていても良いし、若干の段差(例えば、前記直交する方向が鉛直方向であれば高低差、水平方向であれば前後差)をおいて設けられていても良い。
【0012】
(2)第2の解決手段
本発明は、上記課題の第2の解決手段として、Tダイを押出口に有する押出機と、Tダイ出口から順に、複数の冷却ロールの組み合わせからなる冷却ゾーン、冷却ゾーンに続いて設けられ1本又は2本以上の引取ロールからなる引取ゾーン、引取ゾーンに続いて設けられた巻取機を備えた樹脂シートの製造装置において、
冷却ゾーンにおける複数の冷却ロールの組み合わせが、Tダイ出口に最も近接した冷却ロールが第1冷却ロールで、次に近接した冷却ロールが第2冷却ロールであり、
第1冷却ロールと第2冷却ロールが、それらのロール端面中心を結ぶ線と、Tダイ出口からの樹脂シートの押出方向とのなす角度θ1が90〜170°になるように配設されている樹脂シートの製造装置を提供する。角度θ1は、110〜160°が好ましく、130〜160°がより好ましく、140〜160°が更に好ましい。
【0013】
このようにTダイと第1冷却ロール及び第2冷却ロールとの配置関係をθ1として設定することにより、樹脂シートが第1冷却ロールを経て第2冷却ロールに接触するまでの時間を短くすることができるので、樹脂シート両面共に美しい光沢を付与できる。
【0014】
(3)第3の解決手段
本発明は、上記課題の第3の解決手段として、Tダイを押出口に有する押出機と、Tダイ出口から順に、複数の冷却ロールの組み合わせからなる冷却ゾーン、冷却ゾーンに続いて設けられ1本又は2本以上の引取ロールからなる引取ゾーン、引取ゾーンに続いて設けられた巻取機を備えた樹脂シートの製造装置において、
冷却ゾーンにおける複数の冷却ロールの組み合わせが、Tダイ出口に最も近接した冷却ロールが第1冷却ロールで、次に近接した冷却ロールが第2冷却ロールであり、
第1冷却ロールが、Tダイ出口からの樹脂シートの押出方向と第1冷却ロールが樹脂シートを引き取る方向とのなす角度θ2が0〜70°となるように配置され、第2冷却ロールが第1冷却ロールに並設されている樹脂シートの製造装置を提供する。角度θ2は20〜70°が好ましく、40〜70°がより好ましく、50〜70°が更に好ましい。
【0015】
角度θが0°以上であると樹脂シートの冷却や送りが円滑になされ、製造操作が安定するので、品質も安定する。角度θが70°以下であるとダイス先端の微小な傷や滞留物によるダイラインが樹脂シートの表面に発生することがなく、発泡樹脂シートの場合には、発泡樹脂が冷却固化されるまでの延伸効果が大であることによる樹脂シートの容器成形性の低下、延伸過程で発泡ガスに圧縮力が加わることによる気泡の潰れ、発泡倍率の低下を引き起こすことがない。
【0016】
このように、Tダイと第1冷却ロールとの配置関係をθ2として設定し、かつ第1冷却ロールと第2冷却ロールとの配置関係を設定することにより、樹脂シートが第1冷却ロールを経て第2冷却ロールに接触するまでの時間を短くすることができるので、樹脂シート両面共に美しい光沢を付与できる。
【0017】
(4)第4の解決手段
本発明は、上記課題の第4の解決手段として、Tダイを押出口に有する押出機と、Tダイ出口から順に、複数の冷却ロールの組み合わせからなる冷却ゾーン、冷却ゾーンに続いて設けられ1本又は2本以上の引取ロールからなる引取ゾーン、引取ゾーンに続いて設けられた巻取機を備えた樹脂シートの製造装置において、
冷却ゾーンにおける複数の冷却ロールの組み合わせが、Tダイ出口に最も近接した冷却ロールが第1冷却ロールで、次に近接した冷却ロールが第2冷却ロールであり、
第1冷却ロールと第2冷却ロールが、Tダイ出口から押し出された樹脂シートと第1冷却ロールが接する第1接点とTダイ出口までの距離L1と、第1冷却ロールを経た樹脂シートが第2冷却ロールと接する第2接点とTダイ出口までの距離L2とが、次式:L2/L1=1〜10で表される数位範囲を満たすように配設されている樹脂シートの製造装置を提供する。なお、冷却ロールは円柱状のものであるため、樹脂シートと冷却ロールとの接触部分は接線となるが、上記発明では、冷却ロールの端面から見た場合を便宜上「接点」として捉えたものである。L2/L1は1〜7が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。
【0018】
このように、第1冷却ロールと第2冷却ロールとの配置関係L1及びL2で設定することにより、樹脂シートが第1冷却ロールを経て第2冷却ロールに接触するまでの時間を短くすることができるので、樹脂シート両面共に美しい光沢を付与できる。
【0019】
(5)第5の解決手段
本発明は、上記課題の第5の解決手段として、Tダイを押出口に有する押出機と、Tダイ出口から順に、複数の冷却ロールの組み合わせからなる冷却ゾーン、冷却ゾーンに続いて設けられ1本又は2本以上の引取ロールからなる引取ゾーン、引取ゾーンに続いて設けられた巻取機を備えた樹脂シートの製造装置において、
冷却ゾーンにおける複数の冷却ロールの組み合わせが、Tダイ出口に最も近接した冷却ロールが第1冷却ロールで、次に近接した冷却ロールが第2冷却ロールであり、
第1冷却ロールと第2冷却ロールが、Tダイ出口からの樹脂シートの押出方向に対して、第1冷却ロールが樹脂シートを引き取る角度θ3と、第2冷却ロールが樹脂シートを引き取る角度θ4がいずれも鋭角であり、かつθ3≧θ4になるように配設されている樹脂シートの製造装置を提供する。
【0020】
このように、Tダイと第1冷却ロールとの配置関係をθ3及びθ4で設定することにより、樹脂シートが第1冷却ロールを経て第2冷却ロールに接触するまでの時間を短くすることができるので、樹脂シート両面共に美しい光沢を付与できる。
【0021】
上記発明において所定の効果を発揮させるためには、Tダイ出口と第1冷却ロールとのクリアランスが1〜25mmであることが好ましい。
【0022】
上記発明において所定の効果を発揮させるためには、第1冷却ロールと第2冷却ロールとのクリアランスが0.1〜20mmであることが好ましい。
【0023】
上記発明において所定の効果を発揮させるためには、冷却ゾーンを構成する冷却ロールの本数が4〜11本で、第1冷却ロールの口径が40〜130mmで、他の冷却ロールの口径が同一又は異なっており、いずれも口径が40〜80mmの範囲であることが好ましい。
【0024】
また本発明は、上記課題の他の解決手段として、上記した樹脂シートの製造装置を用い、Tダイから押出した後、溶融状態の樹脂シートを冷却ゾーンで冷却し、更に引取ゾーンを介して成形する樹脂シートの製造方法であり、冷却ゾーン内に樹脂シートを通過させる際に、押出時の樹脂シート温度から60〜160℃低下するように急冷する樹脂シートの製造方法を提供する。
【0025】
上記発明においては、第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間で樹脂シートを挟み付けて圧力を加えることが好ましい。
【0026】
上記発明を適用することにより、樹脂シートの両面における光沢度(JIS K7105,入射角60°)の差が10%以下である樹脂シートが得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を説明する。図1は、本発明の製造装置の概念図であり、図2(a)、(b)、(c)、(d)は、図1の製造装置の同一又は異なる実施形態の部分拡大図、図3は図1の製造装置の異なる実施形態の部分拡大図である。
【0028】
(1)第1の実施形態
まず、図1により、第1の解決手段に対応する第1の実施形態を説明する。樹脂シートの製造装置は、図示していない押出機及び押出機の押出口に取り付けられたTダイ21と、それに続いて配置された、冷却ゾーンを構成する冷却ロール23〜28、引取ゾーンを構成する引取ロール29〜32及び図示していない巻取機とを備えている。なお、押出機は特に限定されず、所望のスクリュー径及びL/D比を有する単軸押出機や多層押出機を用いることができる。
【0029】
Tダイ21の出口22に近い位置から順に、第1冷却ロール23、第2冷却ロール24、第3冷却ロール25、第4冷却ロール26、第5冷却ロール27、第6冷却ロール28の計6本の冷却ロールが配置されている。
【0030】
第1冷却ロール23と第2冷却ロール24は、Tダイ出口からの樹脂シート33の押出方向(図1では鉛直方向)に対して直交する方向に並設されている。このとき、第1冷却ロール23と第2冷却ロール24は、鉛直方向に対して同じ高さで設けられているが、高低差をおいて設けられていても良い。
【0031】
Tダイ出口22と第1冷却ロール23とのクリアランス(図1中のa)は、1〜25mmが好ましく、2〜15mmがより好ましく、3〜6mmが更に好ましい。クリアランスaが1mm以上であると設置技術上の問題がなく、25mm以下であると冷却効果が向上する。
【0032】
第1冷却ロール23と第2冷却ロール24とのクリアランス(図1中のb)は、0.1〜20mmが好ましく、0.2〜10mmがより好ましく、0.3〜3mmが更に好ましい。クリアランスbが0.1mm以上であると樹脂シート33に対して挟み付けて圧力を加えることができ、20mm以下であると冷却効果が向上する。
【0033】
クリアランスbは、樹脂シート33の厚みに応じて調整することにより、発泡及び無発泡に拘わらず、樹脂シート33の表面肌及び光沢を美しくすることができる。クリアランスbと樹脂シート33の厚みtの関係は、発泡シートの場合にはbとtが同一か又は近似していることが好ましく、無発泡シートの場合、b≦t(b/t=0.8〜1)が好ましい。
【0034】
第2冷却ロール24以降の冷却ロールの本数は3〜10本の範囲で適宜選択することができ、好ましくは3〜7本である。冷却ロールの数が3本以上であると樹脂シートの冷却効果が向上し、10本以下であると樹脂シートに掛かる抵抗を適度な範囲に保持できるので、樹脂シートの表面にクラックが生じることがない。
【0035】
冷却ロールの口径は同一又は異なっていても良いが、第1冷却ロール23の口径は他の冷却ロールと同一か又は大きいことが好ましい。第1冷却ロール23の孔径が他の冷却ロール(特に第2冷却ロール)よりも大きいと、Tダイ出口の幅を所望幅に調整するため、Tダイの左右両側に2つの治具(ディッケル)を取り付けた際、第1冷却ロール23を2つの治具間に配置することができ、それによりクリアランスaを小さくできるので、外観の美しいシートが得られる。例えば、第1冷却ロール23の口径は、好ましくは40〜130mm、より好ましくは50〜110mmの範囲から選択でき、他の冷却ロールの口径は、好ましくは40〜80mm、より好ましくは50〜60mmの範囲から選択できる。
【0036】
冷却ロールの口径が40mm以上であると冷却ロールとして十分な強度を保持した上で、冷却効果を高めることができ、口径が130mm又は80mm以下であるとTダイ出口22とのエアーギャップが大きくなることによるネックインや皺の発生を防止でき、コルゲートマークの発生防止やガス抜け防止もできる。
【0037】
冷却ロールは、例えば、内部をジャケット式として冷媒を通し、ロール表面を温度調節して冷却できるようにしたものである。冷媒としては純水や工業用油等を用いることができ、図示していない冷媒温度調節装置から冷媒を循環させる。なお、隣り合う冷却ロール同士における冷媒流れ方向が互いに逆方向になるようにすることが、均一な樹脂シートを得るために好ましい。
【0038】
冷却ゾーンにおいて、Tダイ21と第3冷却ロール25〜第6冷却ロール28の配置関係は、樹脂シートを円滑に送りながら冷却できるのであれば特に限定されないが、第3冷却ロール25と第5冷却ロール27を図1において右方向に移動させる、即ち、第3冷却ロール25〜第6冷却ロール28までにおける樹脂シートの蛇行が小さくなるように配置することが望ましい。第3冷却ロール25〜第6冷却ロール28をこのように配置することにより、十分な冷却効果を保持したまま、樹脂シートの送りをより円滑になすことができる。
【0039】
第3冷却ロール25〜第6冷却ロール28における配置間隔(図1中のクリアランスc)は、目的とする樹脂シートの厚みに応じて適宜設定できるが、できるだけ小さくして樹脂シートの表面状態を良好に保持するため、樹脂シート33の厚みよりも1〜5mm大きな間隔にすることが好ましい。
【0040】
冷却ゾーンに続いて、引取ゾーンを形成する引取ロール29〜32が配置されている。ここで、引取ロール29は引き取り作用と共に、冷却作用をなすようにすることもできる。引取ロールは1本でもよいが、2本以上設けることができ、配置間隔や隣接する引取ロールの位置は、樹脂シート33の引き取りが円滑になせるのであれば特に限定されない。引取ロールの口径は特に限定されるものではなく、例えば100〜400mmにすることができる。引取ロール29〜32に続いて図示していない巻取機が配置されている。
【0041】
次に、第1の実施形態の製造装置がなす動作について説明する。図1に示すように、第1冷却ロール23と第2冷却ロール24は、樹脂シート33の押出方向に直交するように並設されている。このため、Tダイ出口22から押し出された樹脂シート33は、図7、図8の製造装置を用いた場合に比べて、樹脂シート33が第1冷却ロール23に接して一面が冷却された後、第2冷却ロール24に接して他面が冷却されるまでの時間(距離)が短縮される。その結果、樹脂シート33の両面における光沢度差を小さくすることができ、樹脂シートの両面共に美しい光沢等を有するものを得ることができる。
【0042】
(2)第2の実施形態
次に、図1、図2(a)により、第2の解決手段に対応する第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、第1冷却ロール23と第2冷却ロール24との配置関係に特徴を有するものであり、他の構成は第1の実施形態と同じにすることができる。
【0043】
図2(a)に示すように、第1冷却ロール23と第2冷却ロール24は、それらの端面中心を結ぶ線と、Tダイ出口からの樹脂シートの押出方向とのなす角度θ1が90〜170°、好ましくは110〜160°、より好ましくは130〜160°、更に好ましくは140〜160°になるように配設されている。
【0044】
第2の実施形態の装置においても、第1の実施形態の装置と同様の動作をなすことができる。
【0045】
(3)第3の実施形態
次に、図1、図2(b)により、第3の解決手段に対応する第3の実施形態を説明する。第3の実施形態は、第1冷却ロール23と第2冷却ロール24との配置関係に特徴を有するものであり、他の構成は第1の実施形態と同じにすることができる。
【0046】
図2(b)に示すように、第1冷却ロール23が、Tダイ出口22からの樹脂シート33の押出方向(図では鉛直方向)と第1冷却ロール23が樹脂シート33を引き取る方向とのなす角度θ2が0〜70°(好ましくは20〜70°、より好ましくは40〜70°、更に好ましくは50〜70°)となるように配設されている。そして、第2冷却ロール24は、第1冷却ロール23に並設されており、第1冷却ロール23と第2冷却ロール24は、鉛直方向に対して同じ高さで並設さられているが、高低差をおいて並設されていても良い。
【0047】
第3の実施形態の装置においても、第1の実施形態の装置と同様の動作をなすことができる。
【0048】
(4)第4の実施形態
次に、図1、図2(c)により、第4の解決手段に対応する第4の実施形態を説明する。第4の実施形態は、第1冷却ロール23と第2冷却ロール24との配置関係に特徴を有するものであり、他の構成は第1の実施形態と同じにすることができる。
【0049】
図2(c)に示すように、第1冷却ロール23と第2冷却ロール24とが、Tダイ出口22から押し出された樹脂シート33と第1冷却ロール23が接する第1接点とTダイ出口22までの距離L1と、第1冷却ロール23を経た樹脂シート33が第2冷却ロール24と接する第2接点とTダイ出口までの距離L2とが、次式:L2/L1=1〜10(好ましくは1〜7、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3)で表される数位範囲を満たすように配設されている。
【0050】
第4の実施形態の装置においても、第1の実施形態の装置と同様の動作をなすことができる。
【0051】
(5)第5の実施形態
次に、図1、図2(d)により、第5の解決手段に対応する第5の実施形態を説明する。第5の実施形態は、第1冷却ロール23と第2冷却ロール24との配置関係に特徴を有するものであり、他の構成は第1の実施形態と同じにすることができる。
【0052】
図2(d)に示すように、第1冷却ロール23と第2冷却ロール24は、Tダイ出口22からの樹脂シート33の押出方向に対して、第1冷却ロール23が樹脂シート33を引き取る角度θ3と、第2冷却ロール24が樹脂シートを引き取る角度θ4がいずれも鋭角であり、かつθ3≧θ4となるように配設されている。
【0053】
第5の実施形態の装置においても、第1の実施形態の装置と同様の動作をなすことができる。
【0054】
次に、上記した樹脂シートの製造装置を用いた樹脂シートの製造方法について説明する。
【0055】
押出機で溶融混練した熱可塑性樹脂をTダイ21の出口22から押出した樹脂シート(発泡シート又は無発泡シート)は、第1冷却ロール23〜第6冷却ロール28からなる冷却ゾーンを通過する際に急冷され、固化される。このとき、上記の第1〜第5の実施形態で説明したとおり、Tダイ出口22、第1冷却ロール23、第2冷却ロール24の配置関係が調整されているため、Tダイ出口22から押し出された樹脂シート33は、第1冷却ロール23及び第2冷却ロール24により、短い時間(距離)で両面共に冷却される。
【0056】
冷却の程度は原料樹脂の種類により異なるが、第6冷却ロール28を通過する時点において、Tダイ21における押出時の樹脂温度から60〜160℃、好ましくは100〜160℃低下させるように急冷する。
【0057】
また、第1冷却ロール23〜第6冷却ロール28においては、各ロールにおける冷却温度(ロールの表面温度)を異ならせることができ、例えば、第1冷却ロール23〜第6冷却ロール28にかけて徐々に冷却温度を低下させることができる。
【0058】
このようにして冷却した後、引取ロール29〜32を介して成形し樹脂シート33を得た後、巻取機によって巻き取る。
【0059】
本発明の製造装置を用いて積層樹脂シートを製造する場合には、図4、図5に示す装置を用い、特開2000−154267号公報の段落番号0027〜0039に開示された方法を応用して製造することができる。
【0060】
まず、図4により、図1の製造装置を用いた積層発泡シートの製造方法について説明する。
【0061】
上記した樹脂シートの製造方法と同様にした樹脂シートの製造と並行して、繰出ロール43に巻き取られている積層用フィルム44を、ガイドロール45、46及び47を経て送り出す。このとき、少なくともガイドロール47の表面を加温することにより、積層用フィルム44を軟化状態とする。
【0062】
ガイドロール47表面の加温温度(即ち、積層用フィルム44の加温温度)は樹脂の種類、フィルムの厚み、ライン速度、接着剤の有無等により異なるが、60〜200℃、好ましくは80〜150℃の範囲である。60℃以上であると積層用フィルム44の皺が十分によく取り除け、200℃以下であると積層用フィルム44が溶融破断することを防止したり、外観を美しくしたりできる。
【0063】
ガイドロール47は、例えば、内部ジャケット式とし、熱媒として純水や工業用油等を循環させて温度調節して加温できるようにしたものである。この温度調節ラインは、他のロールの温度調節ラインと別系統にすることが、より高品質の積層発泡シートを得るために望ましい。
【0064】
ガイドロール47の口径は、好ましくは40〜80mm、特に好ましくは50〜60mmである。口径が40mm以上であると積層用フィルム44の皺が十分によく取り除け、80mm以下であると積層用フィルム44の軟化の度合いが大きくなりすぎず、積層発泡シートの外観を向上させることができる。
【0065】
ガイドロール47の表面は、クロムメッキ又はフッ素樹脂塗装を行い、軟化状態のフィルム44とのべたつきを防止することが望ましい。また、積層用フィルム44として接着剤付きのフィルムを用いる場合には、接着剤付着面がガイドロール47に接触しないように送り出す。
【0066】
このようにしてガイドロール47において軟化状態にされた積層用フィルム44の端部を、Tダイ出口22と第1冷却ロール23との間に挿入し、樹脂シート33と積層用フィルム44と共に送り出し、樹脂シート33の表面に積層用フィルム44を積層する。その後、上記した樹脂シートの製造方法と同様に処理することにより、樹脂シート33の表面に積層用フィルム44が積層された積層発泡シート51が得られる。
【0067】
次に、図5により、図1の製造装置を用いた積層樹脂シートの他の製造方法について説明する。
【0068】
上記した発泡シートの製造方法と同様にした発泡シートの製造と並行して、繰出ロール43に巻き取られている積層用フィルム44を、ガイドロール48及び49を経て送り出す。そして、圧着ロール47と加熱ロール50とを圧接させ、かつ加熱ロール50の表面を加温した状態で、これらのロール間に図示するようにして樹脂シート33と積層用フィルム44とを通し、積層シート51を得る。
【0069】
加熱ロール50表面の加温温度(即ち、樹脂シート33と積層用フィルム44の加温温度)はフィルムの種類、フィルムの厚み、ライン速度、接着剤の有無等により異なるが、100〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲である。加温温度が100℃以上であると積層用フィルム44に皺が生じたり、樹脂シート33との接着強度が小さく剥がれやすくなったりすることを防止でき、300℃以下であると積層用フィルム44が溶融破断することを防止したり、外観を美しくしたりできる。
【0070】
加熱ロール50は、内部に遠赤外線ヒーターを組み込んだ方式、誘電発熱ジャケット方式又は上記したような熱媒循環方式等にすることができるが、ロール表面温度を均一にするため、遠赤外線ヒーター方式又は誘電発熱ジャケット方式が好ましい。
【0071】
加熱ロール50の表面は、硬質クロムメッキ、フッ素樹脂塗装、セラミックス塗装又はゴムライニング等にすることができるが、積層シート51の外観を向上させるため、厚み20〜50μmのフッ素樹脂塗装をすることが望ましい。
【0072】
圧着ロール47の圧着方式としては、スプリング加圧方式、エアーシリンダー方式、油圧シリンダー方式等を用いることができる。圧着ロール47の材質は、耐熱性があり、ある程度柔らかいものが好ましく、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性ゴムを挙げることができる。なお、加熱ロール50と圧着ロール47は、どちらを作動側ロールにしてもよい。圧着圧力は、所望のラミネート強度、ラミネートフィルムの表面艶を得るように適宜コントロールする。
【0073】
本発明は、無発泡シート、発泡シート、それらの積層体及びそれらに積層用フィルムをラミネートした積層シートの製造装置及び製造方法として適用することができ、用いる製造原料としては、次のものを挙げることができる。
【0074】
熱可塑性樹脂は樹脂シート化できるものであれば特に限定されず、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系樹脂、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエステル等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。また、これらの樹脂の構成単位を含む共重合体及びこれらの変性物(ポリスチレン変性ポリフェニレンエーテル)等も用いることができる。熱可塑性樹脂としては、特にスチレン系樹脂が好ましい。
【0075】
発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素、モノクロロジフルオロメタン、トリクロロジフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素等の揮発型発泡剤、窒素、二酸化炭素、酸素、空気等の気体、重炭酸ナトリウム、クエン酸モノナトリウム、重炭酸アンモニウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボンアミド等の熱分解型発泡剤等を用いることができる。発泡剤の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0076】
また、必要に応じて、相溶化剤、無機充填剤、滑剤、紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤等を熱可塑性樹脂に配合することができる。
【0077】
積層用フィルムに用いる樹脂としては、加熱により延伸できるものであれば特に限定されず、スチレン樹脂、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、(線状)低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロプレン、エチレン/プロピレンランダム共重合体、エチレン/プロピレンブロック共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体(例えば、エチレン/メチルメタクリレート共重合体)、エチレン−不飽和カルボン酸金属塩共重合体(例えば、エチレン/アクリル酸マグネシウム又はアクリル酸亜鉛共重合体)、プロピレン−塩化ビニル共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン/無水マレイン酸共重合体、プロピレン/オレフィン共重合体(プロピレン/エチレン共重合体、プロピレン/ブテン−1共重合体)、ポリエチレン又はポリプロピレンの不飽和カルボン酸(例えば、無水マレイン酸)変性物、エチレン/プロピレンゴム、アタクチックポリプロピレン等から選ばれる1種又は2種以上、更にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を挙げることができる。
【0078】
その他、積層用フィルムとしては、ガスバリア性を有するもの、例えば、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、アクリルニトリル/メチルメタクリレート/ブタジエン共重合体、ナイロン、二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、アイオノマー樹脂からなるフィルム又はこれらに金属蒸着したフィルム、更にはこれらの積層フィルム等を用いることができる。また、用途に応じていずれか一方又は両方の面に所望の印刷がなされたものを用いることもできる。
【0079】
積層用フィルムの製造において必要に応じて用いる接着剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、メタアクリル酸メチル重合体エラストマー等を挙げることができる。
【0080】
本発明の製造方法は、幅広い発泡倍率の樹脂シート及び発泡積層シートの製造に適しているが、特に発泡倍率が1.4〜3.0倍程度の樹脂シート及び発泡積層シートの製造に適している。
【0081】
本発明の製造方法は、樹脂シートの両面における光沢度(JIS K7105,入射角60°)の差が、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、更に好ましくは5%以下の樹脂シートの製造方法として適している。
【0082】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1〜7
表1に示す組成(樹脂成分は質量%表示。発泡剤は樹脂成分100質量部に対する質量部表示)の樹脂組成物を用い、下記の方法で樹脂シートを製造した。但し、実施例1〜6は図1、図2に示す製造装置を用い、比較例1〜3は図8に示す製造装置を用い(特開2000−154267号公報の図1に示す装置。本発明の図1とは、第1冷却ロール23に相当するロールがないほかは同一の装置)、比較例4、5は図6に示す製造装置(冷却ロールが1本)を用い、比較例6、7は図7に示す製造装置(タッチキャスト方式の引取機を使用)を用いた。
【0083】
〔樹脂組成物〕
GPPS:スチレン樹脂(東洋スチレン(株)製、「トーヨースチロール30」)
HIPS:ハイインパクトポリスチレン樹脂(東洋スチレン(株)製、「トーヨースチロールE640」)
SBS:スチレン/ブタジエンブロック共重合体(旭化成工業(株)製、「タフプレン126」)
PP:ポリプロピレン(グランドポリマー(株)製、「F701WC」)。
【0084】
〔製造装置〕
単軸押出機:φ50mm、L/D=28
Tダイの幅:680mm、クリアランス0.7mm
クリアランスa:表1に記載
クリアランスb:表1に記載
クリアランスc:2mm
θ1:θ2+90°
θ2:表1に記載
第1冷却ロール径及び第2冷却ロール径:50mm
冷却ロールの冷却手段:冷却ロールを内部ジャケット式とし、冷媒として所定温度に維持した工業用油を循環させる方式を採用した。
【0085】
表1の樹脂組成物100重量部に対して、発泡剤として重炭酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムの混合マスターバッチ(三協化成(株)製、「セルマイクM188−5」)を製造原料として用いた。
【0086】
前記製造原料を押出機に投入し、で表1に示す所要温度で溶融混練した後、Tダイ出口22から押出し発泡させてシート状発泡体とし、第1冷却ロール23〜第6冷却ロール28で表1に示す温度まで冷却し、引取ロール29〜32で引き取って成形して樹脂シートを得た後、最終的に巻取機で巻き取った。
【0087】
このようにして得られた樹脂シートについて、コルゲートマーク、表面肌、ネックラインを目視により観察して下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
【0088】
(1)コルゲートマーク
○:良好
×:不良
(2)表面
◎:非常に良好
○:良好
×:不良
(3)光沢度差(JIS K7105,入射角60°)
一面(表面)と他面(裏面)の光沢度を測定し、それぞれを示した。
【0089】
(4)ネックライン
○:良好
×:不良
【0090】
【表1】
Figure 0003927044
【0091】
表1から明らかなとおり、本発明の製造装置を使用した場合、得られた発泡シートの両面における光沢差等は同一であったが、比較例では、表面と裏面とで光沢等に差があった。
【0092】
【発明の効果】
本発明の製造装置を用いることにより、シート両面共に外観の美しい樹脂シート及び積層樹脂シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 樹脂シートの製造装置の概念図。
【図2】 図1の製造装置の部分拡大図。
【図3】 樹脂シートの製造装置の他実施形態の部分拡大図。
【図4】 図1の製造装置を用いた積層樹脂シートの製造方法を説明するための概念図。
【図5】図1の製造装置を用いた積層樹脂シートの別の製造方法を説明するための概念図。
【図6】 比較例4、5で用いた製造装置の概念図。
【図7】 比較例6、7で用いた製造装置の概念図。
【図8】 従来技術の樹脂シートの製造装置の概念図。
【図9】 図8の製造装置の部分拡大図。
【符号の説明】
1 Tダイ
2 Tダイ出口
3〜7 冷却ロール
8〜11 引取ロール
12 発泡シート
21 Tダイ
22 Tダイ出口
23 第1冷却ロール
24 第2冷却ロール
23〜28 冷却ロール(冷却ゾーン)
29〜32 引取ロール(引取ゾーン)

Claims (10)

  1. Tダイを押出口に有する押出機と、Tダイ出口から順に、複数の冷却ロールの組み合わせからなる冷却ゾーン、冷却ゾーンに続いて設けられ1本又は2本以上の引取ロールからなる引取ゾーン、引取ゾーンに続いて設けられた巻取機を備えた樹脂シートの製造装置において、
    冷却ゾーンにおける複数の冷却ロールの組み合わせが、Tダイ出口に最も近接した冷却ロールが第1冷却ロールで、次に近接した冷却ロールが第2冷却ロールであり、
    第1冷却ロールと第2冷却ロールが、それらのロール端面である円の中心点同士を結ぶ線と、Tダイ出口からの樹脂シートの押出方向とのなす角度θ1が90〜170°になるように配設されており、
    Tダイ出口から押し出された樹脂シートが前記第1冷却ロールに接して一面が冷却された後、前記第2冷却ロールに接して他面が冷却されるものである樹脂シートの製造装置。
  2. Tダイを押出口に有する押出機と、Tダイ出口から順に、複数の冷却ロールの組み合わせからなる冷却ゾーン、冷却ゾーンに続いて設けられ1本又は2本以上の引取ロールからなる引取ゾーン、引取ゾーンに続いて設けられた巻取機を備えた樹脂シートの製造装置において、
    冷却ゾーンにおける複数の冷却ロールの組み合わせが、Tダイ出口に最も近接した冷却ロールが第1冷却ロールで、次に近接した冷却ロールが第2冷却ロールであり、
    第1冷却ロールが、Tダイ出口からの樹脂シートの押出方向と第1冷却ロールが樹脂シートを引き取る方向とのなす角度θが0〜70°となるように配置され、第2冷却ロールが第1冷却ロールに並設されており、
    Tダイ出口から押し出された樹脂シートが前記第1冷却ロールに接して一面が冷却された後、前記第2冷却ロールに接して他面が冷却されるものである樹脂シートの製造装置。
  3. Tダイを押出口に有する押出機と、Tダイ出口から順に、複数の冷却ロールの組み合わせからなる冷却ゾーン、冷却ゾーンに続いて設けられ1本又は2本以上の引取ロールからなる引取ゾーン、引取ゾーンに続いて設けられた巻取機を備えた樹脂シートの製造装置において、
    冷却ゾーンにおける複数の冷却ロールの組み合わせが、Tダイ出口に最も近接した冷却ロールが第1冷却ロールで、次に近接した冷却ロールが第2冷却ロールであり、
    第1冷却ロールと第2冷却ロールが、Tダイ出口から押し出された樹脂シートと第1冷却ロールが接する第1接点とTダイ出口までの距離L1と、第1冷却ロールを経た樹脂シートが第2冷却ロールと接する第2接点とTダイ出口までの距離L2とが、次式:L2/L1=1〜10で表される数値範囲を満たすように配設されており、
    Tダイ出口から押し出された樹脂シートが前記第1冷却ロールに接して一面が冷却された後、前記第2冷却ロールに接して他面が冷却されるものである樹脂シートの製造装置。
  4. Tダイを押出口に有する押出機と、Tダイ出口から順に、複数の冷却ロールの組み合わせからなる冷却ゾーン、冷却ゾーンに続いて設けられ1本又は2本以上の引取ロールからなる引取ゾーン、引取ゾーンに続いて設けられた巻取機を備えた樹脂シートの製造装置において、
    冷却ゾーンにおける複数の冷却ロールの組み合わせが、Tダイ出口に最も近接した冷却ロールが第1冷却ロールで、次に近接した冷却ロールが第2冷却ロールであり、
    第1冷却ロールと第2冷却ロールが、Tダイ出口からの樹脂シートの押出方向に対して、第1冷却ロールが樹脂シートを引き取る角度θ3と、第2冷却ロールが樹脂シートを引き取る角度θ4がいずれも鋭角であり、かつθ3≧θ4になるように配設されており、
    Tダイ出口から押し出された樹脂シートが前記第1冷却ロールに接して一面が冷却された後、前記第2冷却ロールに接して他面が冷却されるものである樹脂シートの製造装置。
  5. Tダイ出口と第1冷却ロールとのクリアランスが1〜25mmである請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂シートの製造装置。
  6. 第1冷却ロールと第2冷却ロールとのクリアランスが0.1〜20mmである請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂シートの製造装置。
  7. 第2冷却ロール以降の冷却ロールの本数が3〜10本で、第1冷却ロールの口径が40〜130mmで、他の冷却ロールの口径が同一又は異なっており、いずれも口径が40〜80mmの範囲である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂シートの製造装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂シートの製造装置を用い、Tダイから押出した後、溶融状態の樹脂シートを冷却ゾーンで冷却し、更に引取ゾーンを介して成形する樹脂シートの製造方法であり、冷却ゾーン内に樹脂シートを通過させる際に、押出時の樹脂シート温度から60〜160℃低下するように急冷する樹脂シートの製造方法。
  9. 第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間で樹脂シートを挟み付けて圧力を加える請求項記載の樹脂シートの製造方法。
  10. 樹脂シートの両面における光沢度(JIS K7105,入射角60°)の差が10%以下である請求項8又は9記載の樹脂シートの製造方法。
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