JP2001277442A - 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとそれを用いた成形品 - Google Patents

耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとそれを用いた成形品

Info

Publication number
JP2001277442A
JP2001277442A JP2000099554A JP2000099554A JP2001277442A JP 2001277442 A JP2001277442 A JP 2001277442A JP 2000099554 A JP2000099554 A JP 2000099554A JP 2000099554 A JP2000099554 A JP 2000099554A JP 2001277442 A JP2001277442 A JP 2001277442A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
polystyrene resin
resin foam
resistant polystyrene
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000099554A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Yonezawa
正好 米沢
Masamitsu Harada
将充 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Plastics Co Ltd filed Critical Sekisui Plastics Co Ltd
Priority to JP2000099554A priority Critical patent/JP2001277442A/ja
Publication of JP2001277442A publication Critical patent/JP2001277442A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐熱性を有するとともに脆性、成形性、
外観等が大幅に改善され、かつ経済性にも優れた耐熱ポ
リスチレン系樹脂発泡積層シートと、それを用いた食品
用容器等の成形品とを提供する。 【解決手段】 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シート
は、密度0.5〜0.05g/cm3の耐熱ポリスチレ
ン系樹脂発泡層と、密度0.5〜0.05g/cm3
ポリスチレン系樹脂発泡層との積層構造を有し、全体の
密度が0.35〜0.05g/cm3で、かつ総厚みが
0.5〜3mmである。成形品は、上記発泡積層シート
を、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層が内面側となるよう
に熱成形して製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来の耐熱ポリス
チレン系樹脂製の発泡シートに比較して耐熱性を損なう
ことなしに、当該シートの欠点である脆性を大幅に改善
した耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートと、それを
用いた、特に食品用の容器等として好適な成形品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】耐熱性を
有する耐熱ポリスチレン系樹脂にて形成された発泡シー
トは、従来の、汎用のポリスチレン系樹脂製の発泡シー
トに比ペて脆性が強く、押出発泡法等の、従来と同じ製
造方法で製造すると、製造途中に発泡シートが切断する
場合があり、生産性が悪いという問題があった。また、
上記耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを熱成形して容
器を製造する際にも、その強い脆性によってシ一トの切
断が多発したり、あるいは打ち抜き時の容器割れが発生
したりして製品収率が悪いという問題があった。
【0003】また、上記耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シ
ートは成形性も悪いため深絞り成形ができず、特に気泡
を細かくすると伸びが悪化してさらに成形性が悪くなる
ため、気泡の粗い、外観の劣るものしか得られないとい
う問題もあった。これを改善するために、耐熱ポリスチ
レン系樹脂にゴム分を添加したり(特公平5−7925
1号公報)、あるいは非発泡のフィルムを積層したり
(特公平5−3977号公報)することが検討された
が、それでもなお脆性の改善効果は十分でなく、さらな
る改善が望まれていた。
【0004】また耐熱ポリスチレン系樹脂はコスト的に
高いので、同程度の耐熱性能を有し、しかも経済的にも
有利な耐熱性のスチレン系樹脂発泡シートが望まれてい
た。本発明の目的は、高い耐熱性を有するとともに脆
性、成形性、外観等が大幅に改善され、かつ経済性にも
優れた耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートと、それ
を用いた食品用容器等の成形品とを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の耐熱
ポリスチレン系樹脂発泡シートの脆性改善、成形性改善
等について鋭意研究した。その結果、特定の密度範囲を
有する耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層と、同じく特定の
密度範囲を有する汎用のポリスチレン系樹脂の発泡層と
を積層して、特定の厚み、および密度範囲を有する発泡
積層シートとすることで、これらの課題が一挙に解決さ
れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂
発泡積層シートは、密度0.5〜0.05g/cm3
耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層と、密度0.5〜0.0
5g/cm3のポリスチレン系樹脂発泡層との積層構造
を有し、全体の密度が0.35〜0.05g/cm
3で、かつ総厚みが0.5〜3mmであることを特徴と
するものである。また本発明の成形品は、上記本発明の
耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートを、耐熱ポリス
チレン系樹脂発泡層が内面側となるように熱成形して形
成されたことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を説明する。 〈耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シート〉本発明の耐
熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートは、上記のように
耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層と、汎用のポリスチレン
系樹脂発泡層との積層構造を有するものである。積層構
造としては、・耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層/ポリス
チレン系樹脂発泡層の2層構造の他、・耐熱ポリスチレ
ン系樹脂発泡層/ポリスチレン系樹脂発泡層/耐熱ポリ
スチレン系樹脂発泡層の3層構造も挙げられる。
【0008】このうち耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層、
およびポリスチレン系樹脂発泡層の密度がそれぞれ0.
5〜0.05g/cm3の範囲に限定されるのは、以下
の理由による。すなわち耐熱ポリスチレン系樹脂発泡
層、およびポリスチレン系樹脂発泡層の密度が一方でも
0.5g/cm3を超えた場合には、発泡積層シート全
体の坪量が大きくなって経済的なメリットが失われる。
【0009】逆に、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層、お
よびポリスチレン系樹脂発泡層の密度が一方でも0.0
5g/cm3未満であった場合には、気泡の連通化が大
きくなるため、熱成形時の伸びが悪くなって亀裂が発生
したり、成形機内で部分的な加熱が発生しやすくなっ
て、成形条件の幅が狭くなったりするという問題を生じ
る。また、成形品の強度も低下する。さらに上記両発泡
層を積層してなる、本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発
泡積層シートの全体の密度が0.35〜0.05g/c
3の範囲に限定されるのは、以下の理由による。
【0010】すなわち全体の密度が0.35g/cm3
を超えた場合には、発泡シート製の容器の重要な特性の
一つである断熱性が不十分になり、また樹脂量が一定で
あれば密度が高くなるほど全体の厚みが薄くなるため、
強度も低下する。そのため、強度をアップすべく樹脂量
を増やす必要が生じ、コストアップにつながる。一方、
全体の密度が0.05g/cm3未満では、発泡積層シ
ートが軟らかすぎて、強度が不足する。
【0011】なお全体の密度は、これらの事実を併せ考
慮すると、上記の範囲内でも0.30〜0.07g/c
3程度、特に0.25〜0.08g/cm3程度である
のが好ましい。また、発泡積層シートの総厚みが0.5
〜3mmの範囲に限定されるのは、総厚みが0.5mm
未満では強度、断熱性が不足し、逆に3mmを超えた場
合には熱成形性が不良となるからである。
【0012】なおこれらの事実を併せ考慮すると、発泡
積層シートの総厚みは、上記の範囲内でも0.6〜2.
5mm程度、特に0.7〜2.3mm程度であるのが好
ましい。後述するように、少なくともその片面に熱可塑
性樹脂フィルム層を積層する場合、発泡積層シートの全
体の密度に、このフィルム層の密度は含まない。また同
様に、発泡積層シートの総厚みに、上記フィルム層の厚
みは含まない。
【0013】全体の密度、および総厚みは、あくまでも
両発泡層を対象とする。本発明の発泡積層シートにおけ
るその他の物性値については特に限定されないが、上記
耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層と汎用のポリスチレン系
樹脂発泡層との積層構造において、耐熱ポリスチレン系
樹脂発泡層の占める割合は、両者の総重量の20〜80
重量%であるのが好ましい。耐熱ポリスチレン系樹脂発
泡層の占める割合が総重量の20重量%未満では耐熱性
が低下し、例えば汎用のポリスチレン系樹脂単体の発泡
シートを熱成形した容器において問題となる、電子レン
ジ調理などによって加熱された食品の油等による表面の
侵食こそ生じないものの、上記電子レンジ調理などによ
る加熱時に、容器の変形が大きくなるおそれがある。
【0014】一方、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層の占
める割合が総重量の80%を超えた場合には、汎用のポ
リスチレン系樹脂発泡層を積層したことによる脆性の改
善効果が不十分になるおそれがあり、またコストメリッ
トも少なくなる。なお耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層の
占める割合は、上記耐熱性、脆性等の総合的な観点か
ら、前記の範囲内でも特に30〜70%程度であるのが
さらに好ましい。
【0015】前述した、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層
/ポリスチレン系樹脂発泡層/耐熱ポリスチレン系樹脂
発泡層の3層構造の場合は、両側の耐熱ポリスチレン系
樹脂発泡層の合計の重量が、上記の範囲内となるように
調整するのが好ましい。また後述するように、少なくと
もその片面に熱可塑性樹脂フィルム層を積層する場合、
総重量に、上記フィルム層の重さは含まない。総重量
は、あくまでも両発泡層を対象とする。
【0016】本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層
シートは、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層と汎用のポリ
スチレン系樹脂発泡層とをそれぞれ別個に押出発泡成形
した後、接着剤や熱融着等によって貼り合わせても製造
できるが、これらの製造方法では押出発泡成形から貼り
合わせ加工までの工程で、従来の、単層の耐熱ポリスチ
レン系樹脂発泡シートの場合と同様に、耐熱ポリスチレ
ン系樹脂発泡層が切断しやすいという問題がある上、工
程数が増加する分、単層のものよりコストアップにもな
る。
【0017】それゆえ本発明の発泡積層シートは、共押
出法によって、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層と汎用の
ポリスチレン系樹脂発泡層とを積層しつつ押出発泡成形
して製造するのがより好ましい。発泡積層シートを共押
出法で製造する場合、合流金型内での両樹脂の粘度が近
い方が、押出発泡成形し易いので、結果としてそれぞれ
の発泡層の密度差が離れていない方がよい。このため、
耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層の密度(A)と、汎用の
ポリスチレン系樹脂発泡層の密度(B)との比(A/
B)は、0.5〜2.0であることが好ましく、0.5
〜1.8であることがさらに好ましい。特に溶融粘度を
考慮するとA<Bであるもの、つまり比(A/B)が
1.0未満であるものが製造しやすい。
【0018】本発明の発泡積層シートのうち、耐熱ポリ
スチレン系樹脂発泡層を形成する耐熱ポリスチレン系樹
脂としては、ビカット軟化点が115℃以上、特に12
0℃以上のポリスチレン系樹脂が挙げられる。かかる耐
熱ポリスチレン系樹脂としては、例えばスチレン系モノ
マーと、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル
アミド、アクリルニトリル等との共重合体が挙げられ
る。
【0019】またこれら共重合体にさらにブタジエンゴ
ム等のゴムを混合した混合樹脂や、あるいは上記の成分
にさらにブタジエン等の、樹脂に柔軟性を付与しうる成
分を加えて共重合させた共重合体なども使用できる。中
でも特に、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン
−メタクリル酸系共重合体が、耐熱性、無臭性、経済性
等の点で好適である。さらに上記耐熱ポリスチレン系樹
脂は、耐熱性を損なわない範囲で、相溶性を有する他の
樹脂を含有してもかまわない。当該他の樹脂としては、
以下に述べるポリスチレン系樹脂発泡層を形成する、汎
用のポリスチレン系樹脂等が挙げられる。
【0020】ポリスチレン系樹脂発泡層を形成する、上
記汎用のポリスチレン系樹脂としては、例えばスチレ
ン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルス
チレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロ
ロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニル
キシレンの単独重合体または共重合体が挙げられる。こ
のうち共重合体としてはスチレン−ブ夕ジエン共重合体
等が例示される。また本発明の発泡積層シートは、その
少なくとも片面に、さらに熱可塑性樹脂フィルム層を積
層してもよい。
【0021】熱可塑性樹脂フィルム層を積層した場合の
具体的な層構成としては、例えば、 ・熱可塑性樹脂フィルム層/耐熱ポリスチレン系樹脂発
泡層/ポリスチレン系樹脂発泡層の3層構造、 ・熱可塑性樹脂フィルム層/ポリスチレン系樹脂発泡層
/耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層の3層構造、 ・熱可塑性樹脂フィルム層/耐熱ポリスチレン系樹脂発
泡層/ポリスチレン系樹脂発泡層/熱可塑性樹脂フィル
ム層の4層構造、 ・熱可塑性樹脂フィルム層/耐熱ポリスチレン系樹脂発
泡層/ポリスチレン系樹脂発泡層/耐熱ポリスチレン系
樹脂発泡層の4層構造、 ・熱可塑性樹脂フィルム層/耐熱ポリスチレン系樹脂発
泡層/ポリスチレン系樹脂発泡層/耐熱ポリスチレン系
樹脂発泡層/熱可塑性樹脂フィルム層の5層構造 等が挙げられる。
【0022】上記熱可塑性樹脂フィルム層を形成する樹
脂としては、例えばスチレン、メチルスチレン、エチル
スチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、
パラメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレ
ン、ビニルトルエン、ビニルキシレンの単独重合体また
は共重合体が挙げられる。具体的な樹脂としては、例え
ばスチレン−無水マレイン酸系共重合体、スチレン−ア
クリル酸系共重合体、スチレン−メタクリル酸系共重合
体、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレ
ン系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン系共重合体等が挙げられ、特に耐熱性を要求される側
(食品容器であれば内面側)に熱可塑性樹脂フィルム層
を形成する場合は、当該フィルム層を形成する樹脂とし
てスチレン−アクリル酸系重合体、スチレン−メタクリ
ル酸系共重合体等が好ましい。
【0023】更に、ガスバリヤ性を有する熱可塑性樹脂
フィルム層を積層することも好ましい態様であり、かか
るガスバリヤ性を有するフィルムとしては、例えばエチ
レン−酢酸ビニル系共重合体フィルム、ポリビニルアル
コールフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリア
ミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアクリロニ
トリルフィルム、塩化ビニリデン系・アクリロニトリル
共重合体フィルム、アクリロニトリル系メチルメタアク
リレート−ブタジエン共重合体フィルム、ナイロンフィ
ルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム、高密度ポリエチレンフィルム、アイオノマー樹
脂フィルム(例えば、登録商標サーリン)、あるいはこ
れらフィルムの少なくとも片面に金属蒸着膜が形成され
た金属蒸着フィルム等が挙げられ、これらが単独で、も
しくは2層以上を積層して用いられる。
【0024】熱可塑性樹脂フィルム層の厚みは10μm
〜500μm程度、特に15μm〜300μm程度であ
るのが好ましい。フィルム層の厚みが10μm未満で
は、容器に成形したときにフィルム層に穴明きが発生す
るおそれがある。なお、現在の押出技術では5μm程度
が、フィルムを安定して製造できる限界である。一方、
フィルム層の厚みが500μmを超える場合には、積層
時に、特にポリスチレン系樹脂発泡層に焼けやハクリが
生じるおそれがある。また以下に述べるようにフィルム
層を、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層および/またはポ
リスチレン系樹脂発泡層とともに、共押出法によって積
層、形成することも考えられるが、厚みが上記の範囲を
超える厚いフィルム層は、共押出法では発泡層と積層、
形成することができないので、製造コストの点で不利と
なる。
【0025】本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層
シートの製法は特に限定されず、前記のように共押出
法、接着剤を用いた接着法、あるいは熱を使用した熱融
着法などの製造方法を適宜、用いることができる。中で
も共押出法は、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シート
の生産性、作業性、経済性に優れる上、共押出の条件を
調整するだけで、製造される発泡積層シートの製品スペ
ックを種々、変更できるので、製品スペック幅を広くと
ることができ、しかも製造された発泡積層シートは成形
性に優れるといった利点がある。
【0026】これに対し、成形後の耐熱ポリスチレン系
樹脂発泡層とポリスチレン系樹脂発泡層とを貼り合わせ
る方法は、前記のように耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層
が割れやすい他、貼り合わせ工程を別途必要とするため
経済性の点で不利である。また、それぞれ別個に押出発
泡成形によって得られる耐熱ポリスチレン系樹脂発泡
層、ポリスチレン系樹脂発泡層の厚みを250μm以下
とすることが難しい上、両層の延伸コントロールが難し
いため、製造された発泡積層シートを熱成形する際の伸
びが低下して、良好な成形性が得られないおそれがあ
る。
【0027】また、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シ
ートの厚みが薄い、すなわち当該発泡積層シートを構成
する耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層および/またはポリ
スチレン系樹脂発泡層の厚みが薄い場合には、特に熱融
着法による貼り合わせ時に、薄い発泡層が熱によって収
縮を起こすおそれがあり、接着剤で接着したとしても延
伸が制御できないことから、やはり発泡積層シートの熱
成形時の伸ぴが悪くなって、成形性が低下する場合があ
る。
【0028】熱可塑性樹脂フィルム層を積層する場合、
上記両発泡層のうちの少なくとも一方と共押出法によっ
て積層、形成してもよい。特に、熱可塑性樹脂フィルム
層と耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層とポリスチレン系樹
脂発泡層とを全て一度に、共押出法によって積層、形成
するのが、その後の貼り合わせ工程を省略できるため、
生産性や経済性の点で好ましいが、例えば熱可塑性樹脂
フィルム層と耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層(あるいは
ポリスチレン系樹脂発泡層)とを共押出法によって積
層、形成し、その後、ポリスチレン系樹脂発泡層(ある
いは耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層)を、接着剤を用い
た接着法、または熱融着法によって積層することもでき
る。
【0029】各層間の接着に使用する接着剤としては、
例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、メタクリル酸メ
チル重合体エラストマー等の基材樹脂を含有する接着剤
(旭化成工業株式会社のタフプレン、タフテックなど)
が好ましく、その塗布厚みは5μm〜150μm程度が
好ましい。なお、接着剤を用いて各層を貼り合わせる場
合、接着剤の厚みは発泡積層シートの総厚みには加えな
い。熱融着法としては、例えばあらかじめ加熱した各層
を積層する方法、逆にあらかじめ積層した各層を加熱す
る方法、積層と過熱とを同時に行う方法等が挙げられ
る。
【0030】加熱の媒体としては熱ロールや熱風等が使
用される。このうち熱ロールの表面はクロムメッキまた
はテフロン(登録商標)コーティングを行い、加熱され
た層とのべたつきを防止しておくことが好ましい。接着
剤による接着法や熱融着法を用いた場合は、耐熱ポリス
チレン系樹脂発泡層、ポリスチレン系樹脂発泡層、熱可
塑性樹脂フィルム層の各境界面が明確にわかるが、共押
出法を用いた場合は層の境界面が不明確になる場合があ
る。
【0031】熱可塑性樹脂フィルム層には、酸化チタン
等の顔料を、フィルム製造時の原料100重量部に対し
て5重量部以下程度の割合で混合してもよい。また熱可
塑性樹脂フィルム層、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層、
およびポリスチレン系樹脂発泡層は、それぞれ着色剤等
であらかじめ着色されていてもよい。また、熱可塑性樹
脂フィルムにあらかじめ印刷を施し、その印刷面を内側
として積層するようにすれば、外観に艶が出て表面のき
れいな成形品を得ることができる。
【0032】耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層、およびポ
リスチレン系樹脂発泡層を形成するための押出発泡法、
共押出法は、従来同様に実施される。すなわち押出発泡
法は、所望の密度となるように、押出機に基材樹脂、発
泡剤及ぴ発泡に必要な添加剤を入れ、溶融混練した後、
押出機のダイから押し出すことにより行われる。また共
押出法は、積層する層の数だけ用意した押出機にそれぞ
れ各層用の基材樹脂、発泡剤(発泡層のみ)、添加剤等
を入れ、溶融混練した後、各押出機を繋ぐ合流金型内で
積層してダイから押し出すことにより行われる。
【0033】なお、あらかじめ基材樹脂と、発泡剤等の
添加剤とを均一に混合した後、押出機に供給してもよ
い。また、添加剤は、予め基材樹脂と同種の樹脂に高濃
度に添加した所謂マスターバッチとしておいてもよい。
本発明に使用できる発泡剤は、公知のものをいずれも使
用でき、かかるものとして分解型発泡剤、気体または揮
発性の発泡剤がある。分解型発泡剤としては、例えば、
炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニ
ウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリ
ウムアジド、ホウ水素ナトリウム等の無機系分解性発泡
剤、アゾジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル及びジアゾアミノベン
ゼン等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタンメ
チレンテロラミン及びN,N’−ジメチル−N,N’−
ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベン
ゼンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。これらの発
泡剤は、単独でも組み合わせてもよい。さらに分解温
度、発生ガス量及び分解速度を調節するために公知の発
泡助剤を添加することもできる。
【0034】気体の発泡剤としては、窒素、炭酸ガス、
プロパン、n−ブタン、i−ブタン、メチルエーテル等
が挙げられる。なお、ここで気体とは常温(25℃)、
常圧(1気圧)で気体であることを意味する。一方、揮
発性の発泡剤としては、エーテル、石油エーテル、アセ
トン、ペンタン、イソペンタン、へキサン、イソヘキサ
ン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、トルエン等が
挙げられる。また、水も使用することができる。これら
を混合使用することもできる。
【0035】上記発泡剤の中でもn−ブタン、i−ブタ
ン、あるいは両者の混合物(混合ブタン)等のブタン類
が好ましい。また気泡サイズを約40μm以下とするこ
とを望む場合は、窒素、炭酸ガス、水を単独で使用する
か、2種以上を併用することが好ましい。窒素等は、空
気から直接分離できるので安価であるという利点があ
る。発泡に必要な添加剤としては、例えば、気泡調節剤
等が挙げられる。具体的には夕ルク、シリカ等の無機粉
未、多価カルボン酸等の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸
ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの反応混合物等が挙
げられる。これら気泡調節剤を増量すると、気泡膜が熱
に弱くなり、押出積層時に気泡膜が破れ、その結果気泡
が大きくなることがある。このような気泡の増大を防ぐ
には、発泡剤として窒素、炭酸ガスを用いることが好ま
しい。
【0036】さらに必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤等を添加し
てもよい。溶融混練され、あるいはさらに積層された樹
脂は、発泡に最も適する温度に調節されたダイから直接
に、シート状に押し出して発泡させるか、または一旦、
円筒状に押し出して発泡させた後、任意のラインで切断
することによりシ一ト状とされる。 〈成形品〉上記本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積
層シートから、本発明の成形品を製造するための熱成形
の方法としては、例えば真空成形や圧空成形、あるいは
これらの応用としてのフリードローイング成形、プラグ
・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モール
ド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロ
ー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラ
グアシストリバースロード成形等の、従来公知の種々の
成形法を採用することができる。
【0037】かくして製造される本発明の成形品は、耐
熱ポリスチレン系樹脂発泡層が内面側とされるため、従
来の、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート単体にて形成
された成形品と同等の高い耐熱性を有するものとなる。
したがって、上記本発明の成形品は各種容器として好適
であるが、特に内容物である食品が電子レンジ等で加熱
調理に供される、食品用の容器に最適である。
【0038】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
さらに説明する。なお本発明の各実施例、比較例で製造
したシートの各特性は、それぞれ下記の方法によって測
定を行った。 [耐熱評価] 成形品の作製 発泡積層シートの場合は耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層
側が容器内面側となるように熱成形して、長辺190m
m、短辺140mm、深さ30mmの角トレー型の成形
品を得た。 耐油試験 上記トレーに、所定の温度に加熱したサラダオイルを、
トレー深さの約70%まで注ぎ、30秒後にサラダオイ
ルを除いて表面状態を目視にてチェックした。
【0039】そして、表面状態がオイル注入前とほとん
ど変化なければ耐油性良好(0K)とし、変化があれば
その状態を記録した。 熱変形試験 トレーに約50℃の温水を100cc入れ、ガラス板を
のせて蓋とした状態で、電子レンジ(500w)を用い
て3分間加熱した際の、トレー上縁部の変形状態をチェ
ックし、下記の3段階で評価した。 ・変形小:トレー上縁部(リップ部)において、相対向
する短辺のそれぞれの中心間を測定した寸法変化が±8
mm以下(元の寸法は190mm)であり、使用可と判
断される。 ・変形中:寸法変化が±8〜18mmの範囲内であり、
使用限度と判断される。 ・変形大:寸法変化が±18mm以上であり、使用不可
と判断される。 [脆性評価方法] 落球試験 実施例、比較例のシートより長さ150mm、幅50m
mの試験片を、その長さ方向がシートの押出方向と平行
方向および直行方向に各5枚ずつ切り取り、スパン10
0mmにてクランプし、重量80gの鉄球を試験片の中
央に落下させた際に、割れが発生する高さを調べた。そ
して試験片が3枚以上割れなかった高さをそれぞれの方
向での落球試験値とし、その平均値をシート全体の落球
試験値とした。なお積層シートの場合には、その表裏両
側(耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層側を表側とする)に
ついて、上記の試験を行った。
【0040】実施例1 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層用の樹脂である、スチレ
ン−メタクリル酸共重合体(旭化成工業社製G−900
1)96重量部と、スチレン−ブタジエン共重合体(旭
化成工業社製タフプレンA)4重量部との混合樹脂10
0重量部に対し、気泡調整剤としてタルク1重量部を添
加し、スクリュー径90mmと115mmのタンデム押
出機のうち、スクリュー径90mm押出機のホッパー上
にセットしたバッチ式連続混合装置に投入して均一に混
和した後、ホッパーより押出機へ供給した。
【0041】押出機のシリンダー温度は最高設定温度を
250℃とし、発泡剤として混合ブタン約3.7重量部
を加えた後、120kg/hの割合で合流金型に供給し
た。一方、ポリスチレン系樹脂発泡層用の樹脂である、
汎用のポリスチレン樹脂(旭化成工業社製G9305)
100重量部に対し、気泡調整剤としてタルク1.5重
量部と、商品名ハイドロセロ―ルCF−40S(ベーリ
ンガーインゲルハイムケミカルズ社製)0.6重量部と
を添加し、スクリュー径90mmと115mmのタンデ
ム押出機のうち、スクリュー径90mm押出機のホッパ
ー上にセットしたバッチ式連続混合装置に投入して均一
に混和した後、ホッパーより押出機へ供給した。
【0042】押出機のシリンダー温度は最高設定温度を
240℃とし、発泡剤として混合ブ夕ン約2.2重量部
を加えた後、80kg/hの割合で合流金型に供給し
た。合流金型に供給された上記2種類の樹脂を、当該合
流金型内で合流、積層したのち口径125mmの円形の
ダイに供給し、ダイのスリットを通して、内側が耐熱ポ
リスチレン系樹脂発泡層、外側がポリスチレン系樹脂発
泡層となるように円筒形に押出させた直後に、その内側
と外側にエアーをかけて冷却した。エアー温度は27℃
であり、吹きかけ量は、内側の耐熱ポリスチレン系樹脂
発泡層側では0.09m3/m2、外側のポリスチレン系
樹脂発泡層側では0.07m3/m2とした。
【0043】そして冷却後の円筒を切り開いて、耐熱ポ
リスチレン系樹脂発泡積層シートを製造した。上記耐熱
ポリスチレン系樹脂発泡積層シートのうち、耐熱ポリス
チレン系樹脂発泡層の厚みは1.47mm、密度は0.
095g/cm3、坪量は140g/m2であり、またポ
リスチレン系樹脂発泡層の厚みは0.43mm、密度は
0.140g/cm3、坪量は60g/m2であった。ま
た耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートの総厚みは
1.90mmであり、全体の密度は0.105g/cm
3であり、坪量は200g/m2であった。
【0044】なお耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シー
トの総厚み、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層の厚み、お
よびポリスチレン系樹脂発泡層の厚みはそれぞれ、顕微
鏡写真で測定した。また耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積
層シートの全体の密度と坪量は、発泡積層シートの任意
箇所の幅方向(TD方向)に沿って、一辺1cm角のサ
ンプルを10個切り取り、それぞれの厚みと重量とから
算出し、それらの平均値で表した。
【0045】さらに耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層、お
よびポリスチレン系樹脂発泡層の密度と坪量はそれぞ
れ、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートの任意箇所
の幅方向(TD方向)に沿って、一辺1cm角のサンプ
ルを10個切り取り、それらを各々カミソリで両層に分
けて、それぞれの厚みと重量とから算出し、それらの平
均値で表した。なお、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層ま
たはポリスチレン系樹脂発泡層のどちらかを着色してお
けば上記作業が容易となる。
【0046】実施例2 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層用の樹脂である、スチレ
ン−メタクリル酸共重合体(旭化成工業社製G−900
1)96重量部と、スチレン−ブタジエン共重合体(旭
化成工業社製タフプレンA)4重量部との混合樹脂10
0重量部に対し、気泡調整剤としてタルク1.2重量部
と、商品名ハイドロセロールCF−40S(べーリンガ
ーインゲルハイムケミカルズ社製)0.5重量部とを添
加し、スクリュー径90mmと115mmのタンデム押
出機のうち、スクリュー径90mm押出機のホッパー上
にセットしたバッチ式連続混合装置に投入して均一に混
和した後、ホッパーより押出機へ供給した。
【0047】押出機のシリンダー温度は最高設定温度を
250℃とし、発泡剤として混合ブタン約2.4重量部
を加えた後、110kg/hの割合で合流金型に供給し
た。一方、ポリスチレン系樹脂発泡層用の樹脂である、
汎用のポリスチレン樹脂(旭化成工業社製G9305)
100重量部に対し、気泡調整剤としてタルク1.2重
量部を添加し、スクリュー径90mmと115mmのタ
ンデム押出機のうち、スクリュー径90mm押出機のホ
ッパー上にセットしたバッチ式連続混合装置に投入して
均一に混和した後、ホッパーより押出機へ供給した。
【0048】押出機のシリンダー温度は最高設定温度を
240℃とし、発泡剤として混合ブ夕ン約3.5重量部
を加えた後、90kg/hの割合で合流金型に供給し
た。合流金型に供給された上記2種類の樹脂を、当該合
流金型内で合流、積層したのち口径135mmの円形の
ダイに供給し、ダイのスリットを通して、内側が耐熱ポ
リスチレン系樹脂発泡層、外側がポリスチレン系樹脂発
泡層となるように円筒形に押出させた直後に、その内側
と外側にエアーをかけて冷却した。エアー温度は27℃
であり、吹きかけ量は、内側の耐熱ポリスチレン系樹脂
発泡層側では0.09m3/m2、外側のポリスチレン系
樹脂発泡層側では0.08m3/m2とした。
【0049】そして冷却後の円筒を切り開いて、耐熱ポ
リスチレン系樹脂発泡積層シートを製造した。上記耐熱
ポリスチレン系樹脂発泡積層シートのうち、耐熱ポリス
チレン系樹脂発泡層の厚みは約1.00mm、密度は
0.110g/cm3、坪量は110g/m2であり、ま
たポリスチレン系樹脂発泡層の厚みは約0.90mm、
密度は0.100g/cm3、坪量は90g/m2であっ
た。また耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートの総厚
みは1.90mmであり、全体の密度は0.105g/
cm3であり、坪量は200g/m2であった。
【0050】実施例3 実施例1と同様の配合で、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡
層の重量が少なくなるように、それぞれの押出量や押出
条件を変えて耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートを
製造した。上記耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シート
のうち、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層の厚みは0.5
0mm、密度は0.070g/cm3、坪量は35g/
2であり、またポリスチレン系樹脂発泡層の厚みは
1.40mm、密度は0.118g/cm3、坪量は1
65g/m2であった。また耐熱ポリスチレン系樹脂発
泡積層シートの総厚みは1.90mmであり、全体の密
度は0.105g/cm3であり、坪量は200g/m2
であった。
【0051】比較例1 耐熱ポリスチレン系樹脂として、スチレン−メタクリル
酸共重合体(旭化成工業社製G−9001)96重量部
とスチレン−プタジエン共重合体(旭化成工業社製タフ
プレンA)4重量部の混合樹脂100重量部に対し、気
泡調整剤としてタルク1重量部を添加し、スクリュー径
90mmと115mmのタンデム押出機のうち、スクリ
ュー径90mm押出機のホッパ一上にセットしたバッチ
式連続混合装置に投入して均一に混和した後、ホッパー
より押出機へ供給した。
【0052】押出機のシリンダー温度は最高設定温度を
250℃とし、発泡剤として混合ブタン約3.3重量部
を加え、120kg/hの割合で、口径125mmの円
形のダイより円筒状に押出し発泡させた。この時、実施
例1と同様にエアーによる冷却を実施し、厚み1.90
mm、密度0.105g/cm3、坪量200g/m
2の、単層の、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを得
た。
【0053】比較例2 ポリスチレン樹脂(旭化成工業社製G9305)100
重量部に対し、気泡調整剤としてタルク1.2重量部を
添加し、押出発泡させて、厚み1.90mm、密度0.
105g/cm3、坪量200g/m2の、単層の、ポリ
スチレン樹脂発泡シートを得た。上記各実施例、比較例
のシートの物性を表1、2に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】表より、各実施例の発泡積層シートはいず
れも、単層のポリスチレン樹脂発泡シートである比較例
2に比べて耐熱性に優れる上、単層の耐熱ポリスチレン
系樹脂発泡シートである比較例1に比べて脆性が改善さ
れていることが確認された。また各実施例を比較した結
果、実施例3のものは、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層
の占める割合を、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シー
トの総重量の20%以下となるようにした結果(積層シ
ートの総坪量が200g/m2に対し、耐熱ポリスチレ
ン系樹脂発泡層の坪量は35g/m2であるので、上記
の割合は17.5%になる)、熱変形性が、実施例1や
実施例2に比べて少し大きく、悪いことが判明した。
【0057】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
特定の密度範囲を有する耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層
と、同じく特定の密度範囲を有する汎用のポリスチレン
系樹脂の発泡層とを積層して、特定の厚み、および密度
範囲を有する発泡積層シートとすることで、高い耐熱性
を有するとともに脆性、成形性、外観等が大幅に改善さ
れ、かつ経済性にも優れた耐熱ポリスチレン系樹脂発泡
積層シートが得られる。また上記発泡積層シートを、耐
熱ポリスチレン系樹脂発泡層が内面側となるように熱成
形することで、上記の特性に優れた食品用容器等の成形
品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA32 AA33 BA03 BA04 BA05 BA06 BA13 BA14 BA16 BA17 BA35 BA37 BA38 BA39 BA40 BA74 BA75 CA29 CE02 DA02 DA32 DA33 4F100 AC10H AH01H AK12 AK12A AK12B AK25A AK29 AL01 AL01A BA02 BA25 CA01 DJ01A DJ01B EH20 EH202 EJ02 EJ022 EJ50 GB16 JA13A JA13B JJ03 JJ03A YY00A YY00B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密度0.5〜0.05g/cm3の耐熱ポ
    リスチレン系樹脂発泡層と、密度0.5〜0.05g/
    cm3のポリスチレン系樹脂発泡層との積層構造を有
    し、全体の密度が0.35〜0.05g/cm3で、か
    つ総厚みが0.5〜3mmであることを特徴とする耐熱
    ポリスチレン系樹脂発泡積層シート。
  2. 【請求項2】耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層の占める割
    合が、総重量の20〜80重量%であることを特徴とす
    る請求項1記載の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シー
    ト。
  3. 【請求項3】耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層の密度
    (A)とポリスチレン系樹脂発泡層の密度(B)との比
    (A/B)が0.5〜2.0であることを特徴とする請
    求項1または2記載の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層
    シート。
  4. 【請求項4】耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層を形成する
    耐熱ポリスチレン系樹脂が、スチレン−アクリル酸系共
    重合体、およびスチレン−メタクリル酸系共重合体から
    なる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の耐熱ポリスチ
    レン系樹脂発泡積層シート。
  5. 【請求項5】耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層とポリスチ
    レン系樹脂発泡層とを、共押出法により、積層しつつ押
    出発泡成形して製造されたことを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡
    積層シート。
  6. 【請求項6】少なくともその片面に、さらに熱可塑性樹
    脂フィルム層が積層されていることを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれかに記載の耐熱ポリスチレン系樹脂
    発泡積層シ一ト。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載の耐熱
    ポリスチレン系樹脂発泡積層シートを、耐熱ポリスチレ
    ン系樹脂発泡層が内面側となるように熱成形して形成さ
    れたことを特徴とする成形品。
JP2000099554A 2000-03-31 2000-03-31 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとそれを用いた成形品 Pending JP2001277442A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000099554A JP2001277442A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとそれを用いた成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000099554A JP2001277442A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとそれを用いた成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001277442A true JP2001277442A (ja) 2001-10-09

Family

ID=18613893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000099554A Pending JP2001277442A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとそれを用いた成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001277442A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007112082A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Sekisui Plastics Co Ltd 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シート及びその成形品
JP2012006354A (ja) * 2010-06-28 2012-01-12 Sekisui Plastics Co Ltd 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとそれを用いた成形品
JP2012158065A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Jsp Corp ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び該発泡シートからなる容器
CN104093559A (zh) * 2012-02-07 2014-10-08 东洋制罐集团控股株式会社 气相沉积发泡体

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0579251B2 (ja) * 1988-01-23 1993-11-01 Kanegafuchi Chemical Ind
JPH09141773A (ja) * 1995-11-24 1997-06-03 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品、並びに積層発泡シートの製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0579251B2 (ja) * 1988-01-23 1993-11-01 Kanegafuchi Chemical Ind
JPH09141773A (ja) * 1995-11-24 1997-06-03 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品、並びに積層発泡シートの製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007112082A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Sekisui Plastics Co Ltd 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シート及びその成形品
JP4738975B2 (ja) * 2005-10-24 2011-08-03 積水化成品工業株式会社 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シート成形品
JP2012006354A (ja) * 2010-06-28 2012-01-12 Sekisui Plastics Co Ltd 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとそれを用いた成形品
JP2012158065A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Jsp Corp ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び該発泡シートからなる容器
CN104093559A (zh) * 2012-02-07 2014-10-08 东洋制罐集团控股株式会社 气相沉积发泡体
CN104093559B (zh) * 2012-02-07 2015-09-09 东洋制罐集团控股株式会社 气相沉积发泡体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2638532B2 (ja) ポリプロピレンフォームシートの硬質又は半硬質物品を成形する方法および多層フォームシート
JP2007154172A (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡シート、積層発泡シートおよびポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法ならびにそれらの成形体
JP5427708B2 (ja) 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートを用いた食品用容器
JP2007320264A (ja) 押出多層発泡シート
JPH09141773A (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品、並びに積層発泡シートの製造方法
JP3454639B2 (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品
JPH10324759A (ja) 熱可塑性樹脂積層発泡シートおよびその容器
JP2001277442A (ja) 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとそれを用いた成形品
JP6262109B2 (ja) 樹脂発泡シート、積層発泡シート、及び、発泡成形品
JP4979293B2 (ja) 熱可塑性樹脂製発泡シート、およびこの発泡シート製容器
JP4484184B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらの容器
JP2015193784A (ja) スチレン−メタクリル酸系樹脂シート、樹脂成形品、及び、容器
JP2009034934A (ja) 容器用積層シート
JP3530673B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡積層シートとその製造方法及びその成形品
JPH11129369A (ja) 合成樹脂発泡シートおよびその製造方法
JP3672768B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡積層シートの製造方法
JP2002166508A (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シート及びその容器
JPH01188537A (ja) 耐熱性スチレン系樹脂発泡シート
JP4547972B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートおよび成形体
JP3029615B2 (ja) 熱可塑性樹脂シ―ト
JP2000334896A (ja) ポリスチレン系樹脂多層発泡体及びその多層発泡体よりなる容器
JP4122249B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法
JP3448757B2 (ja) 積層ポリスチレン系樹脂発泡容器
JP2014111339A (ja) 積層発泡シート、及び、発泡成形品
JP2005307024A (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡シートおよび成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040809

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051111

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20051215

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20060331