JP3454639B2 - ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品

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JP3454639B2
JP3454639B2 JP17019796A JP17019796A JP3454639B2 JP 3454639 B2 JP3454639 B2 JP 3454639B2 JP 17019796 A JP17019796 A JP 17019796A JP 17019796 A JP17019796 A JP 17019796A JP 3454639 B2 JP3454639 B2 JP 3454639B2
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雅浩 新堂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリスチレン系樹
脂積層発泡シート及び成形品に関する。更に詳しくは、
本発明は、曲面印刷特性に優れたポリスチレン系樹脂積
層発泡シート及び成形品に関する。本発明のポリスチレ
ン系樹脂積層発泡シートは、主に即席麺容器等の深物ド
ンブリ容器に適している。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り発泡ポリスチレン系樹脂は、食品容器、包装容器とし
て広く使用されている。しかしながら、ポリスチレン系
樹脂発泡シートより得られる容器等は、硬質で剛性があ
る反面、脆いという欠点を有し、また、容器表面の硬度
が低いため容器表面に傷が付きやすく、容器の外観を損
ないやすいとともに、表面の光沢性に乏しく、外観美麗
なものではなかった。
【0003】上記の欠点を解消するものとしては、ポリ
スチレン系樹脂発泡シートに非発泡フィルムを積層し
た、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート等が提案され
(特公昭63−20702号)、食品容器等に広く使用
されるに至っている。これら積層発泡シートは、強度や
外観美麗性に優れる利点をいかし、即席麺等の深物ドン
ブリ容器として、数多く使用されている。
【0004】これら即席麺等に使用されるドンブリ型容
器は、主に非発泡フィルムを外側とした外観美麗な容器
であり、それら容器の非発泡フィルム面には印刷を施し
たフィルムをさらに積層したものや、曲面印刷機により
非発泡フィルム面に文字や模様等の印刷を施したもの、
またそれらを組み合わせたもの等、カラフルで表面光沢
性に優れた容器として使用されるのが一般的である。
【0005】しかしながら、曲面印刷用途に使用される
容器は、その性状により曲面印刷特性が左右されやす
く、ベタ印刷部分に斑点ができたり、凹凸が目立った
り、また、文字や模様がにじんだり、かすれたり等の問
題が生じやすい。これら問題が生じた際の印刷性を改善
する方法として、曲面印刷のスピードを遅くする等して
対処する方法が行われている。即ち、一分間当たりの容
器印刷の出来高を少なくしてやれば、印刷性は改善され
る。しかし、この方法では、生産性の低下を伴う。ま
た、他の方法として、容器と印刷ロールとの印圧を上げ
る方法があり、この方法によれば印刷性は改善される。
しかし、過度に印圧を上げすぎると容器にシワが発生し
やすい。また、容器が発泡体なので容器厚みや重量のバ
ラツキが発生しやすく、印圧の煩雑な微調整が必要であ
る。
【0006】また、容器の印刷性を改善する方法として
は、発泡シート及び非発泡フィルムの樹脂比率を変更す
る、非発泡フィルムの厚みを増やす又は発泡シートの気
泡を微細化する等、特に非発泡フィルムの表面平滑性を
向上させる方法が挙げられる。しかし、これら方法で
は、非発泡フィルムの厚みが増すので、シート目付が増
え、またシート目付を同じにするためには発泡シートの
倍率が上昇することとなるため容器強度が低下してしま
う。また、発泡シートの気泡を微細化することで平滑性
向上には効果はあるものの、気泡微細化は気泡膜の薄膜
化を伴うため、気泡が破れ連続気泡率の増大につなが
り、2次発泡性が低下する等の問題がある。
【0007】さらに、容器の曲面印刷特性は、容器成形
後の経日によって異なり、成形直後が最も悪く、経日が
たつにつれ良くなっていき、約5日程でそれら特性は一
定となる。この理由は定かではないが、恐らく成形直後
の容器の気泡内は負圧状態となっているため膜強度が弱
く、全体として容器強度が低下しているためであると考
えられる。よって、時間経過とともに空気の侵入が始ま
り、約5日で平衡になると考えられる。しかしながら、
容器成形後に時間をおくことで、印刷特性は向上して
も、それら容器の保管する場所が必要となるため、でき
るだけ早い時点での印刷が要望される。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、ポリスチレン系樹脂発泡シートと非発泡ポリスチレ
ン系樹脂フィルムとが積層されてなり、ポリスチレン系
樹脂発泡シートがポリスチレン系樹脂発泡シートと非発
泡ポリスチレン系樹脂フィルムの界面から200μmま
での範囲において410〜5000個/mm2 の平均気
泡数を有することを特徴とするポリスチレン系樹脂積層
発泡シートが提供される。
【0009】更に本発明によれば、ポリスチレン系樹脂
発泡シートと非発泡ポリスチレン系樹脂フィルムとが積
層されたポリスチレン系樹脂積層発泡シートを成形して
得られ、ポリスチレン系樹脂発泡シートがポリスチレン
系樹脂発泡シートと非発泡ポリスチレン系樹脂フィルム
の界面から200μmまでの範囲において410〜50
00個/mm2 の平均気泡数を有することを特徴とする
成形品が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明において、ポリスチ
レン系樹脂発泡シート(以下、発泡シートと称する)及
び非発泡ポリスチレン系樹脂フィルム(以下、非発泡フ
ィルムと称する)を構成する基材樹脂であるポリスチレ
ン系樹脂は、同一でもよく、異なっていてもよい。ここ
で、発泡シート及び非発泡フィルムを構成する基材樹脂
であるポリスチレン系樹脂としては、スチレン、メチル
スチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジ
メチルスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ビ
ニルトルエン、ビニルキシレン等のスチレン単量体の単
独重合体、又はアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル
(例えばメチル、エチル等のエステル)、メタクリル酸
(例えばメチル、エチル等のエステル)、無水マレイン
酸、ブタジエン等のビニル単量体との共重合体が挙げら
れる。具体的には、ポリスチレン樹脂、スチレン−無水
マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、
スチレン−アクリル酸エステル共重合体、耐衝撃性ポリ
スチレン樹脂(HIPS)、スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
三元共重合体等の耐熱性、耐衝撃性に優れた樹脂が挙げ
られる。
【0011】本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シー
ト(以下、積層発泡シートと称する)を構成する発泡シ
ートは、発泡シートと非発泡フィルムの界面から200
μmまでの範囲において410〜5000個/mm2
平均気泡径を有する。この範囲の平均気泡径を有するこ
とにより、発泡シート表面部の平滑性が向上し、曲面印
刷特性に優れた積層発泡シート得ることができる。こ
こで、平均気泡数が410個/mm2未満の場合は、発
泡シート表面部の平滑性向上に十分な効果を表すことが
できないので好ましくない。また、5000個/mm2
を超える場合には、それら気泡を生成させること自体困
難である。平均気泡数は、450〜3000個/mm2
が好ましく、500〜2000個/mm2が更に好まし
い。
【0012】
【0013】更に本発明においては、発泡シートの上記
以外の部分の平均気泡数、10〜400個/mm2
することが望ましい。平均気泡数が10個/mm2未満
では、積層発泡シートの表面の平滑性が悪くなり、外
観、曲面印刷特性も劣ることとなる。更に、非発泡フィ
ルムが形成されていない側の発泡シート表面の気泡粗が
目立ち、外観が著しく悪くなるので好ましくない。一
方、平均気泡数が400個/mm2を越える場合には、
気泡膜の厚みが薄くなるために、押出発泡時に気泡破れ
の原因となる。そのため、連続気泡率増加し、2次発
泡不良を引き起こすので好ましくない。なお、発泡シー
トの上記以外の部分というのは、積層発泡シートの発泡
シート厚みをtmmとしたとき、(2t/5)〜(3t
/5)mmまでの範囲のことを意味している。
【0014】更に、非発泡フィルムと発泡シートとの界
面部分に非常に微細な気泡(100μm以下)を有する
ことがより好ましい。特に、それら微細な気泡が厚み方
向に3個以上あることが望ましく、好ましくは5個以
上、更に好ましく7個以上あることが好ましい。これら
微細な気泡の存在が好ましいのは、比較的大きい発泡シ
ートの内部気泡による凹凸を埋めるような形で微細な気
泡が配列するので、結果として発泡シートの表面平滑性
を向上さすことができるからである。これら微細な気泡
の平均気泡径としては5〜100μmが望ましく、好ま
しくは10〜80μm、更に好ましくは20〜60μm
である。
【0015】また、発泡シートの発泡倍率2〜20倍で
あることが好ましい。発泡倍率が2倍より小さい場合、
積層発泡シートから成形された成形品の断熱性や剛性が
劣るので好ましくない。一方、20倍より大きい場合、
積層発泡シートの成形性が低下すると共に得られる成形
品にシワが入ったりするので好ましくない。また、発泡
シートの厚さは、1.0〜3.0mmであることが好ま
しい。厚さが1.0mmより薄い場合、積層発泡シート
から成形された成形品の断熱性や剛性が劣るので好まし
くない。一方、3.0mmより厚い場合、積層発泡シー
トの成形性が低下すると共に得られる成形品にシワが入
ったりするので好ましくない。
【0016】更に、非発泡フィルムの厚さは、10〜5
00μmであることが好ましい。厚さが10μmより薄
い場合、表面の光沢性や強度が不足するので好ましくな
い。一方、500μmより厚い場合、シート目付が重く
なりすぎるので好ましくない。なお、非発泡フィルムの
厚さは、15〜400μmがより好ましく、20〜30
0μmが特に好ましい。
【0017】ここで、本発明の積層発泡シートは、発泡
シートの少なくとも片面に非発泡フィルムが積層されて
なる。また、非発泡フィルムは、発泡シートの両面に積
層されていてもよい。更に、非発泡フィルム上には樹脂
フィルムを積層してもよく、この樹脂フィルムは表面及
び/又は裏面に印刷が施されていてもよい。この場合
は、非発泡フィルム下の気泡が微細であるために、それ
ら樹脂フィルム面の下地は白度に優れているため、樹脂
フィルムの色がより鮮やかになる効果も備えている。な
お、樹脂フィルムを構成する基材樹脂は、上記発泡シー
ト及び非発泡フィルムを構成する基材樹脂と同一の樹脂
を使用でき、またその厚さは、10〜500μmである
ことが好ましい。
【0018】次に、本発明によれば、上記積層発泡シー
トを成形して得られた成形品も提供される。本発明によ
る成形品は、その成形品を構成するポリスチレン系樹脂
発泡シートにおいてもポリスチレン系樹脂発泡シートと
非発泡ポリスチレン系樹脂フィルムの界面から200μ
mまでの範囲において410〜5000個/mm2 の平
均気泡数を有している。成形品が上記範囲の平均気泡数
を有していることにより、例えば曲面印刷時においても
良好な印刷性を維持することができる。成形方法は、公
知の方法をいずれも使用することができる。本発明の成
形品は、表面光沢性、表面平滑性に優れ、割れにくいと
いう利点を有している。また、成形品の形状は、特に限
定されず、浅絞り成形品、深絞り成形品のいずれにも使
用することができる。具体的には、食品容器、トレー、
皿、丼、コップ、発泡蓋材等に使用できる。なお、本発
明は、深絞り成形品に適用することが好ましい。深絞り
成形品は、成形品の口径/深さ≦2の関係を有するもの
をいう。
【0019】次に、上記積層発泡シートの製造方法につ
いて説明する。まず、発泡シートは公知の押出発泡法に
より製造することができる。この押出発泡法は、所望の
密度となるように、押出機に基材樹脂、発泡剤及び発泡
に必要な添加剤を入れ、溶融及び混練した後、押出金型
から押し出すことにより行われる。なお、予め基材樹
脂、発泡剤及び添加剤を均一に溶融及び混合した後、押
出機に送ってもよい。
【0020】発泡シートを形成するために使用される発
泡剤は、公知のものをいずれも使用することができ、分
解型発泡剤、気体又は揮発性の発泡剤が使用できる。な
お、発泡剤はブタンが好ましい。発泡に必要な添加剤と
しては、例えば造核剤等が挙げられる。更に、必要に応
じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤、難燃
剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
【0021】また、発泡シートを製造する場合、使用す
る樹脂の種類等により異なるが、押出機内の樹脂温度は
85〜260℃程度が好ましい。発泡剤は、基材樹脂1
00重量部に対して0.5〜20重量部添加することが
好ましい。一方、非発泡フィルムは、公知の押出法によ
り製造することができる。また、押出機内の樹脂温度
は、180〜330℃が好ましい。
【0022】溶融及び混練された樹脂は、ダイから直接
シート状、又は一旦円筒状に押し出された後、任意のラ
インで切断することによりシート及び/又はフィルムに
される。上記発泡シート及び非発泡フィルムは、共押出
法、接着剤を用いた貼り合わせ法又は熱を用いた融着法
等の公知の方法により積層してもよい。
【0023】共押出法は、押し出された樹脂を合流ダイ
に通して融着し、積層発泡シートを形成する方法であ
る。また、貼り合わせ法に使用できる接着剤は、公知の
ものをいずれも使用することができる。熱を用いた融着
法は、例えば、熱ロール及び/又は熱風により発泡シー
ト又は非発泡フィルムに熱を加えた後、非発泡フィルム
又は発泡シートに積層する方法である。特に、押出機に
より発泡シートを製造し、或いは熟成期間をおいて、別
の押出機により非発泡フィルムを押し出して直ちに融着
して積層する方法が多く採用される。
【0024】また、樹脂フィルムは、上記と同じ共押出
法、接着剤を用いた貼り合わせ法又は熱を用いた融着法
等の公知の方法により積層することができる。ここで、
非発泡フィルム下の気泡を微細化する方法としては、幾
つかの方法が考えられる。例えば、発泡シートを製造す
る際に、後に非発泡フィルムを積層する発泡シート表面
部を、空冷や水冷等により急冷し、発泡シート表面にス
キン層を多く存在させる方法が挙げられる。非発泡フィ
ルムを積層する発泡シートのスキン層には残存ガスが封
じ込められており、積層時又はそれらの成形時において
フィルムの熱量又はヒーター加熱により、残存ガスが新
たな微細気泡(2次気泡)を発生させる。
【0025】また、他の方法として、発泡シート製造時
又は非発泡フィルムを積層する前に、発泡シートの非発
泡フィルム積層面側に加熱ロール等により熱を加え、微
細気泡を発生させる方法も挙げられる。なお、微細気泡
は、非発泡フィルム積層時の熱により発生したり、また
その後成形品製造時のヒーター等による加熱により新た
に発生することもある。
【0026】上記微細気泡は、非発泡フィルム側の発泡
シート表面を被うか、又は比較的大きい気泡の隙間を埋
めることで、発泡シートの表面平滑性が向上し、結果と
して曲面印刷性に優れた成形品を提供することができ
る。微細気泡は、その後の熱成形においてその気泡サイ
ズは大きくなるが、気泡サイズの増加は特に印刷特性を
大きく左右するほどのものではない。要は積層発泡シー
ト又は成形品が上記平均気泡数の要件を備えていれば、
曲面印刷特性に優れた成形品を提供することができるも
のである。
【0027】以下実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、以下において示す部は重量部である。また、
平均気泡数は、次のように測定した。即ち、押出方向及
び押出方向と直交する幅方向の積層発泡シート若しくは
成形品の垂直縦断面の顕微鏡写真を、日本電子製の走査
型電子顕微鏡JSM T−300型を用い、倍率を10
0倍とし撮影した(n=5)。この写真を用いて非発泡
フィルムと発泡シートとの界面より発泡シート側の厚さ
200μmとそれに直交する方向に1000μm、即ち
200μm×1000μmの範囲に存在する気泡数を全
て測定し(気泡の一部でも含まれている場合もカウント
する)、この両者の平均を算出し、更にmm 2 あたりの
気泡数に換算した値を平均気泡数(個/mm 2 とし
た。
【0028】実施例1 ポリスチレン樹脂と造核剤としてタルク1.0部をブレ
ンドし、第1押出機に投入して溶融及び混練した。この
後、発泡剤としてブタンを3.0部の割合で押出機に圧
入して、樹脂と発泡剤を混合した。次に接続された第2
押出機にて樹脂温度を150℃に下げ、サーキュラーダ
イを通して押出発泡した。押し出された発泡シートの外
表面は、ダイに近接した空冷装置により急冷された。な
お、この時の冷却空気の圧力は1600mmAqであっ
た。このようにして、厚みが2.2mm、坪量が240
g/m2 の発泡シートを得た。
【0029】一定の熟成期間をおいた発泡シートの外表
面側に、Tダイを備えた押出機に、耐衝撃性ポリスチレ
ンを投入し、次いで溶融押出した厚さ150μmの非発
泡フィルムを積層した。得られた積層発泡シートの非発
泡フィルムとの界面から200μmまでの発泡シートの
平均気泡数は、420個/mm2 であった。またその他
の部分の平均気泡数は60個/mm2 であった。
【0030】ついで、これら積層発泡シートを用いて、
非発泡ポリスチレン系樹脂フィルムが外表面側になるよ
うに、開口部の内径140mm、底部の内径100m
m、深さ80mmの丼状容器の成形を行った。得られた
容器の上端10mmより50mmの側面部における気泡
数を測定したところ、非発泡フィルムとの界面から20
0μmまでの発泡シートの平均気泡数は660個/mm
2 、またそれ以外の部分については80個/mm2 であ
った。容器成形1時間後に、得られた容器の上端10m
mより50mmについて側面部に曲面印刷を施したとこ
ろ、これら容器は曲面印刷性に優れていた。なお、判定
の基準、方法及び結果等を表1に示す。
【0031】実施例2 冷却空気の圧力を2000mmAqとした以外は、実施
例1と同様にして実験を行った。得られた積層発泡シー
トの非発泡フィルムとの界面から200μmまでの発泡
シートの平均気泡数は、470個/mm2 であった。ま
た、その他の部分の平均気泡数は60個/mm2 であっ
た。さらに積層発泡シートを成形して得られた容器につ
いて、得られた容器の上端10mmより50mmの側面
部における気泡数を測定したところ、非発泡フィルムと
の界面から200μmまでの発泡シートの平均気泡数は
740個/mm2 、またそれ以外の部分については95
個/mm2 であった。容器成形1時間後に、得られた容
器について側面部に曲面印刷を施したところ、これら容
器は曲面印刷性に優れていた。なお、判定の基準、方法
及び結果等を表1に示す。
【0032】実施例3 非発泡フィルムを積層する直前に、積層される側の発泡
シート表面を加熱処理すること以外は実施例1と同様に
実験を行った。ただし、加熱ロールの表面温度は215
℃とした。得られた積層発泡シートの非発泡フィルムと
の界面から200μmまでの発泡シートの平均気泡数
は、725個/mm2 であった。また、その他の部分の
平均気泡数は60個/mm2 であった。さらに積層発泡
シートを成形して得られた容器について、得られた容器
の上端10mmより50mmの側面部における気泡数を
測定したところ、非発泡フィルムとの界面から200μ
mまでの発泡シートの平均気泡数は1025個/m
2 、またそれ以外の部分については90個/mm2
あった。容器成形1時間後に、得られた容器について側
面部に曲面印刷を施したところ、これら容器は曲面印刷
性に優れていた。なお、判定の基準、方法及び結果等を
表1に示す。
【0033】実施例4 発泡シート及び非発泡フィルムのポリスチレン系樹脂を
スチレン−アクリル酸共重合体とした以外は実施例1と
同様に実験を行った。得られた積層発泡シートの非発泡
フィルムとの界面から200μmまでの発泡シートの平
均気泡数は、460個/mm2 であった。また、その他
の部分の平均気泡数は55個/mm2 であった。さらに
積層発泡シートを成形して得られた容器について、得ら
れた容器の上端10mmより50mmの側面部における
気泡数を測定したところ、非発泡フィルムとの界面から
200μmまでの発泡シートの平均気泡数は660個/
mm2 、またそれ以外の部分については90個/mm2
であった。容器成形1時間後に、得られた容器について
側面部に曲面印刷を施したところ、これら容器は曲面印
刷性に優れていた。なお、判定の基準、方法及び結果等
を表1に示す。
【0034】比較例1 冷却空気の圧力を1000mmAq、とした以外は実施
例1と同様にして実験を行い、厚みが2.20mm、坪
量が240g/m2 の発泡シートを得た。その後、非発
泡フィルムを積層し、得られた積層発泡シートの非発泡
フィルムとの界面から200μmまでの発泡シートの平
均気泡数は、120個/mm2 であった。また、その他
の部分の平均気泡数は60個/mm2 であった。さらに
積層発泡シートを成形して得られた容器について、得ら
れた容器の上端10mmより50mmの側面部における
気泡数を測定したところ、非発泡フィルムとの界面から
200μmまでの発泡シートの平均気泡数は140個/
mm2 、またそれ以外の部分については65個/mm2
であった。容器成形1時間後に、容器側面部に曲面印刷
を施したところ、斑点、文字のかすれ等が発生したた
め、曲面印刷性に劣る成形品と判定した。なお、判定の
基準、方法及び結果等を表1に示す。
【0035】比較例2 非発泡フィルムを積層する直前に、積層する側の発泡シ
ート表面を加熱処理すること以外は、比較例1と同様に
実験を行った。得られた積層発泡シートの非発泡フィル
ムとの界面から200μmまでの発泡シートの平均気泡
数は、280個/mm2 であった。また、その他の部分
の平均気泡数は65個/mm2 であった。さらに積層発
泡シートを成形して得られた容器について、得られた容
器の上端10mmより50mmの側面部における気泡数
を測定したところ、非発泡フィルムとの界面から200
μmまでの平均気泡数は400個/mm2 、またそれ以
外の部分については60個/mm2 であった。容器成形
1時間後に、容器側面部に曲面印刷を施したところ、斑
点、文字のかすれ等が発生したため、曲面印刷性に劣る
成形品と判定した。なお、判定の基準、方法及び結果等
を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例5 非発泡フィルムを積層する際に、厚みが25μmの赤色
の印刷を施したポリスチレン非発泡フィルムを同時に非
発泡フィルム外表面に積層して、3層のシートとした以
外は実施例1と同様に実験を行った。ただし、中間層の
非発泡フィルムの厚みは100μmとした。容器形成1
時間後に、得られた容器について側面部に曲面印刷を施
したところ、これら容器は曲面印刷性に優れるものと判
定した。また、容器各部分での色差を測定したところ、
色のバラツキも少なく、鮮やかなものであることが判明
した。なお、判定の基準、方法及び結果等を表2に示
す。表2中、色度及び彩度の測定は、日本電色工業
(株)製 測色色差計 ND−300Aを使用した。表
中の色度a*、b*はそれぞれ色の方向性を示してお
り、+a*は赤、−a*は緑方向を示し、+b*は黄、
−b*は青方向を表している。また、彩度c*は下記式
により表され、鮮やかさの度合いを示している。
【0038】c*= [(a*)2+(b*)2 比較例3 比較例1で使用した発泡シートを使用した以外は、実施
例5と同様に実験を行った。容器形成1時間後に、得ら
れた容器について上端10mmより50mmの幅で側面
部に曲面印刷を施したところ、斑点、文字のかすれ等が
発生したため、曲面印刷性に劣る成形品と判定した。ま
た、容器各部分での色差を測定したところ、色のバラツ
キがあり、鮮やかさの少ないものであることが判明し
た。なお、判定の基準、方法及び結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、成形条件や成形後の経
日差による曲面印刷特性に影響を受けにくく、曲面印刷
特性に優れたポリスチレン系樹脂積層発泡シートを製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 25:00 B29K 25:00 105:04 105:04 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 (56)参考文献 特開 平3−61042(JP,A) 特公 昭62−30092(JP,B2) 特公 平3−4023(JP,B2) 特公 平7−121553(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 47/00 - 47/96 B29C 65/00 - 65/82 B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスチレン系樹脂発泡シートと非発泡
    ポリスチレン系樹脂フィルムとが積層されてなり、ポリ
    スチレン系樹脂発泡シートがポリスチレン系樹脂発泡シ
    ートと非発泡ポリスチレン系樹脂フィルムの界面から2
    00μmまでの範囲において410〜5000個/mm
    2 の平均気泡数を有することを特徴とするポリスチレン
    系樹脂積層発泡シート。
  2. 【請求項2】 ポリスチレン系樹脂発泡シートと非発泡
    ポリスチレン系樹脂フィルムとが積層されたポリスチレ
    ン系樹脂積層発泡シートを成形して得られ、ポリスチレ
    ン系樹脂発泡シートがポリスチレン系樹脂発泡シートと
    非発泡ポリスチレン系樹脂フィルムの界面から200μ
    mまでの範囲において410〜5000個/mm2 の平
    均気泡数を有することを特徴とする成形品。
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