JP2000015728A - 樹脂発泡積層シート - Google Patents

樹脂発泡積層シート

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JP2000015728A
JP2000015728A JP18360298A JP18360298A JP2000015728A JP 2000015728 A JP2000015728 A JP 2000015728A JP 18360298 A JP18360298 A JP 18360298A JP 18360298 A JP18360298 A JP 18360298A JP 2000015728 A JP2000015728 A JP 2000015728A
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sheet
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Kiyoshi Shimizu
潔 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深絞り品の成形性がよい樹脂発泡積層シート
を得る。 【解決手段】 (A)スチレン系樹脂10〜90重量%
及び(B)熱可塑性樹脂90〜10重量%を含有する樹
脂組成物からなる発泡層と、融点が100〜300℃の
熱可塑性樹脂からなる無発泡層とが積層されてなり、発
泡層の厚み方向断面における平均気泡数が20〜400
個/mm2で、かつ厚み方向断面における気泡径が200
μm未満である樹脂発泡積層シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性がよく、特
に深絞り形状の成形品の製造に適した樹脂発泡積層シー
トに関する。また、本発明は、樹脂発泡積層シートを用
いた容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】スチレ
ン系樹脂発泡シートは、成形性や剛性が優れているた
め、総菜容器等の各種食品容器の製造材料として汎用さ
れている。このスチレン系樹脂発泡シートは、シートに
新たな性質を付与したり、本来有している性質をより高
めたりするため、目的とする性質を有する無発泡シート
との積層シートにして使用されることが多い。
【0003】このような積層シートとしては、特公昭6
3−20702号公報に、発泡倍率が3〜10倍のポリ
スチレン系樹脂発泡シートに、未発泡ポリスチレン系樹
脂フィルムを積層した積層シートが開示されている。し
かし、この積層シートは、発泡倍率が3〜10倍である
ため、用途によっては所要の機械的強度を維持するため
にある程度の厚みが必要となり、それに伴い容器自体が
嵩張るという問題がある。さらに、熱成形時における賦
型性が悪いため、深絞り形状の容器を成形する場合にお
ける再現性が悪く、いわゆるシャープな成形品を得るこ
とができないので、容器デザイン上の制限を受けるとい
う問題もある。
【0004】また、他の積層シートとしては、特開平1
0−16025号公報に、ポリスチレン系樹脂発泡シー
トと非発泡ポリスチレン系樹脂フィルムとの積層シート
において、両層の界面から200μmまでの範囲の発泡
層に410〜5000個/mm2の平均気泡数を有するも
のが開示されている。しかし、発泡層の表層部に気泡数
が多い場合、容器成形時において、気泡から付加される
圧力により非発泡層が破れる場合があり、その場合には
発泡層からスチレンが放出され、特異なスチレン臭がす
るという問題がある。従って、このスチレン臭の発生を
防止するため、非発泡層が破れないように厚くする必要
があるが、その場合には重量がかさむほか、発泡品の特
徴であるパール様の光沢が失われるという問題が生じ
る。
【0005】本発明は、深絞り形状の成形品を再現性よ
く成形することができ、しかも所望のシャープな成形品
を得ることができる樹脂発泡積層シートを提供すること
を目的とする。また、本発明は、樹脂発泡積層シートを
用いた容器を提供することを他の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)スチレ
ン系樹脂10〜90重量%及び(B)熱可塑性樹脂90
〜10重量%を含有する樹脂組成物からなる発泡層と、
融点が100〜300℃の熱可塑性樹脂からなる無発泡
層とが積層されてなり、発泡層の厚み方向断面における
平均気泡数が20〜400個/mm2で、かつ厚み方向断
面における気泡径が200μm未満であることを特徴と
する樹脂発泡積層シートを提供する。また本発明は、上
記の樹脂発泡積層シートからなることを特徴とする容器
を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂発泡積層シートにお
ける発泡層は、(A)成分のスチレン系樹脂と、(B)
成分の熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からなるもの
である。
【0008】樹脂組成物で用いる(A)成分のスチレン
系樹脂としては、スチレン系モノマーの重合体、スチレ
ン系モノマーとそれらと共重合可能な他のモノマーとの
共重合体を挙げることができる。
【0009】スチレン系モノマーとしては、スチレン、
2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチル
スチレン、4−エチルスチレン、4−t−ブチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン等のアルキル置換スチレ
ン、α−メチルスチレン、α−メチル−4−メチルスチ
レン等のα−アルキル置換スチレン、2−クロロスチレ
ン、4−クロロスチレン等のハロゲン化スチレン等から
選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0010】スチレン系モノマーと共重合可能な他のモ
ノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸、アクリ
ル酸メチル又はメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル
又はメタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル又はメタク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル又はメタ
クリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸(C1
8)エステル又はメタクリル酸(C1〜C8)エステ
ル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミドのような
N−置換マレイミド等のマレイン酸又はその誘導体等か
ら選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0011】(A)成分のスチレン系樹脂は、ゴム変性
スチレン系樹脂にすることもできる。ゴム変性スチレン
系樹脂の製造において用いるゴムとしては、ブタジエン
ゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、ブタジエン−アク
リロニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプ
レンゴム、アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム等
の非スチレン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチ
レン−イソプレンゴム等のスチレン系ゴムから選ばれる
1種以上を挙げることができる。なお、ブタジエンゴム
は、シス−1,4構造の含有率の高いハイシス型のもの
であっても、シス−1,4構造の含有率の低いローシス
型のものであってもよい。ゴム変性スチレン系樹脂とす
る場合には、樹脂中におけるゴム成分の含有量が1〜2
0重量%であることが好ましい。
【0012】(A)成分を共重合体にする場合の重合形
態は特に限定されるものではなく、ブロック共重合体、
ランダム共重合体、テーパーブロック構造を有する共重
合体であってもよい。
【0013】樹脂組成物における(A)成分の含有量
は、10〜90重量%であり、好ましくは40〜90重
量%であり、特に好ましくは60〜80重量%である。
【0014】樹脂組成物で用いる(B)成分の熱可塑性
樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、結晶性ポリスチ
レン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル
系樹脂、ポリケトン系樹脂及びポリアセタール系樹脂か
ら選ばれる1種以上を挙げることができる。(B)成分
としては、ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン
が好ましい。
【0015】樹脂組成物における(B)成分の含有量
は、90〜10重量%であり、好ましくは60〜10重
量%であり、特に好ましくは40〜20重量%である。
【0016】樹脂組成物には、さらに(C)成分として
下記の(C−1)〜(C−4)から選ばれる1種以上の
相溶化剤を配合することができる。
【0017】(C−1)ビニル芳香族化合物と、共役ジ
エン化合物とからなる共重合体又はその水素添加物。 ビニル芳香族化合物としては、上記した(A)成分で用
いるモノマーを挙げることができ、共役ジエン化合物と
しては、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等を挙
げることができる。
【0018】(C−2)ビニル芳香族化合物と、共役ジ
エン化合物とからなる共重合体のエポキシ化物又はその
水素添加物。 ビニル芳香族化合物と、共役ジエン化合物とからなる共
重合体としては、(C−1)の共重合体を挙げることが
できる。
【0019】(C−3)(A)成分の構成単位となるス
チレン系モノマーと、(B)成分の構成単位となるモノ
マーとの共重合体。
【0020】(C−4)ビニル芳香族化合物と、カルボ
キシル基を有する化合物又は酸無水物との共重合体。 ビニル芳香族化合物としては、上記した(A)成分で用
いるスチレン系モノマーを挙げることができ、カルボキ
シル基を有する化合物及び酸無水物としては、(A)成
分で用いるスチレン系モノマーと共重合可能な他のモノ
マーを挙げることができる。
【0021】(C)成分の相溶化剤の配合量は、(A)
及び(B)成分の合計量に対して、好ましくは0.1〜
20重量部であり、特に好ましくは1〜10重量部であ
る。
【0022】樹脂組成物には、さらに必要に応じて、顔
料等の着色剤、高級脂肪酸塩等の分散剤、タルク等の無
機充填剤、導電性付与剤、帯電防止剤、シリコーン等を
添加することができる。
【0023】本発明の樹脂発泡積層シートにおける無発
泡層は、融点が100〜300℃の熱可塑性樹脂からな
るものである。
【0024】この熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィ
ン系樹脂、結晶性ポリスチレン、ポリエステル系樹脂、
ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスル
ホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリケトン系樹脂及
びポリアセタール系樹脂から選ばれる1種以上を挙げる
ことができる。
【0025】本発明の樹脂発泡積層シートは、発泡層の
一面又は両面に無発泡層を形成することにより製造する
ことができる。樹脂発泡積層シートの製造方法として
は、発泡層材料と無発泡層材料を共押出しする方法、予
め発泡層に相当する樹脂発泡シートを成形し、その上に
無発泡層に相当する樹脂フィルムをラミネートする方法
等を適用することができる発泡層は、例えば、樹脂組成
物からなるペレット(樹脂ペレット)を通常の押出機に
より溶融混練したのち、サーキュラーダイ、Tダイ等を
介して、発泡成形して得ることができる。発泡成形の方
法としては、化学発泡剤を添加して押出し成形する方
法、発泡ガス原料を注入しながら押出し成形する方法、
液状の発泡ガス原料を樹脂組成物に含浸させたものを押
出し成形する方法等を適用することができる。化学発泡
剤や発泡ガス原料としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素アンモニウム、アゾジカルボンアミド、アゾビスイ
ソブチロニトリル、液状のプロパン、ブタン等の炭化水
素等を挙げることができる。
【0026】本発明の樹脂発泡積層シートは、成形性を
向上させるため、発泡層の厚み方向断面(シート流れ方
向又はそれに直交する方向)における平均気泡数が20
〜400個/mm2であり、好ましくは20〜300個/m
m2、特に好ましくは25〜225個/mm2である。
【0027】本発明の樹脂発泡積層シートは、成形性を
向上させるため、厚み方向断面(シート流れ方向又はそ
れに直交する方向)における気泡径が200μm未満で
あり、好ましくは10〜150μmであり、特に好まし
くは30〜100μmである。
【0028】また、本発明の樹脂発泡積層シートは、下
記の(a)、(b)、(c)及び(d)から選ばれる1
以上の要件を具備することが好ましい。(a)〜(d)
の要件は全てを具備することが最も好ましいが、1つ又
は任意の組み合わせの2又は3つの要件を具備するもの
でもよい。
【0029】(a)発泡層の発泡倍率が、好ましくは
1.1〜2.9倍であり、特に好ましくは1.1〜2.
0倍であること。発泡倍率が前記数値範囲内であると、
保温性、断熱性、外観がよく、しかも容器のスタック性
がよくなり、嵩ばらない。
【0030】(b)シート全体の厚みが、好ましくは
0.3〜2.0mmであり、特に好ましくは0.4〜1.
2mmであること。厚みが前記数値範囲内であると、容器
の腰、断熱性がよく、しかも容器のスタック性がよくな
り、嵩ばらない。
【0031】(c)無発泡層の厚みが、好ましくは5〜
100μmであり、特に好ましくは5〜60μmであるこ
と。無発泡層が前記数値範囲内であると、容器成形時に
破れがなく、かつ表面光沢が10%以上の外観がきれい
な容器が成形できる。
【0032】(d)シートの表面光沢が、好ましくは1
0%以上、特に好ましくは15%以上であること。表面
光沢が10%以上であると成形時に引き伸ばされた場合
でも、表面外観が悪くならない。なお、表面光沢は、J
IS K7105に準拠して、入射角60°で測定され
る値である。
【0033】本発明の樹脂発泡積層シートは、深絞り性
や薄肉成形性を高めることができるため、樹脂発泡積層
シートの発泡層において(A)成分と(B)成分が両連
続相を形成していることが好ましい。ここで「発泡層に
おいて(A)成分と(B)成分が両連続相を形成してい
る」とは、発泡層のシート流れ方向及びシート流れ方向
に直交する方向のいずれの方向においても、(A)成分
のスチレン系樹脂相と(B)成分の熱可塑性樹脂相が、
粒子や繊維状のような互いに独立した状態で存在してい
るのではなく、両相が網目状に互いに連なった状態で混
在した相構造を形成していることを意味するものであ
る。発泡層がこのような両連続相構造である場合、発泡
層は、下記式(I)で表される体積変化率と、下記式(I
I)で表される重量減少率の関係を満たすものである。
【0034】 V’/V=0.5〜2.5 (I) [式中、V’は25℃のテトラヒドロフランに24時間
浸漬後のシート(発泡層)の体積(cm3)を示し、Vは
浸漬前のシート(発泡層)の体積(cm3)を示す。] (W−W’)/W×nPS≧0.7 (II) [式中、W’は25℃のテトラヒドロフランに24時間
浸漬後のシート(発泡層)の重量(g)を示し、Wは浸
漬前のシート(発泡層)の重量(g)を示し、nPSは浸
漬前のシート(発泡層)のスチレン系樹脂の含有比(重
量%)を示す]。
【0035】本発明の樹脂発泡積層シートには、導電性
付与剤、帯電防止剤、シリコーン等をコーティングする
ことができる。
【0036】本発明の容器は、上記した樹脂発泡積層シ
ートを所望形状に成形して得られるものである。本発明
でいう「容器」とは、本体と蓋を含む意味であり、例え
ば、総菜用の容器であれば、トレーと蓋を含む意味であ
る。本発明の容器は食品用容器、特に油分の多い食品用
容器として好適であるが、勿論それらに限定されるもの
ではなく、熱湯を注ぐタイプの各種インスタント食品容
器、紙コップ、電子レンジ等で加熱される容器、製造時
及び使用時において加熱殺菌される容器、各種の非加熱
容器等にも適用することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0038】実施例1〜5、比較例1〜2 表1に示す組成の(A)成分、(B)成分、(C)成分
の相溶化剤からなる樹脂組成物(発泡層材料)と無発泡
層材料を用い、下記の方法により樹脂発泡積層シートを
製造した。表1中、(A)、(B)成分、無発泡層材料
は重量%表示であり、(C)成分は(A)及び(B)成
分の合計量に対する重量部表示であり、発泡剤は
(A)、(B)及び(C)成分の合計量に対する重量部
表示である。なお、(A)、(B)及び(C)成分と無
発泡層材料の詳細は以下のとおりである。
【0039】[発泡層材料] (A)成分 GPPS:スチレン樹脂(ダイセル化学工業(株)製
「ダイセルスチロール51」) HIPS:ハイインパクトポリスチレン樹脂(ダイセル
化学工業(株)製「ダイセルスチロールS85」;ゴム
含有量8重量%) (B)成分 PP:ポリプロピレン(住友化学(株)製「FS861
1」) (C)成分(相溶化剤) (C−3):スチレン−エチレン−プロピレン−スチレ
ン共重合体(クラレ(株)製「セプトン2104」) [無発泡層材料] PP:ポリプロピレン(住友化学(株)製「FS861
1」)。
【0040】まず、発泡層材料を二軸押出機(池貝
(株)製のPCM30/2-28.5-2V)により溶融混練した後、
ストランド状に押し出したものを切断し、樹脂ペレット
を得た。この樹脂ペレットに対して、1重量部のミネラ
ルオイルを展着し、発泡剤として重炭酸ナトリウム及び
クエン酸ナトリウムの混合物(三協化成(株)製;セル
マイク623)を混合した。次に、樹脂ペレットを多層
押出機(φ50mm、φ35mm)のφ50mm押出機に供給
し、さらにφ35mm押出機に無発泡層材料となるポリプ
ロピレンを供給し、それぞれの押出機内で溶融混練し、
Tダイキャスト法によりシート状に押出し発泡させた
後、急冷して、樹脂発泡積層シートを得た。なお、実施
例1〜5の樹脂発泡積層シートの発泡層はすべて両連続
相構造であり、上記式(I)で表される体積変化率と、
上記式(II)で表される重量減少率の関係を満たしてい
た。
【0041】このようにして得られた各樹脂発泡積層シ
ートから、浅野研究所製の単発真空成形機を用い、図1
に示すような深絞りのカップ容器(厚み550μm;深
さ/直径=1/2)を成形した。容器の成形性は、スチ
レン系樹脂単独のシートの場合と同様に容易であり、再
現性よく、シャープな形状の成形品が得られた。これら
の樹脂発泡積層シートとカップ容器について、下記の方
法により、所定の平均気泡数及び気泡径を測定し、さら
に成形性(無発泡層の破れ及びスチレン臭の有無)につ
いて試験した。結果を表1に示す。
【0042】(平均気泡数)樹脂発泡積層シートのシー
ト流れ方向又はそれに直交する方向への任意部分の5カ
所の垂直断面を、走査型電子顕微鏡を用いて倍率50倍
で写真撮影した(5枚)。これらの写真を用い、それぞ
れの200×200μmの範囲における気泡数を計測
し、それらの平均値を求め、1mm2当たりの気泡数とし
て表示した。
【0043】(気泡径)平均気泡数の測定で撮影した写
真(5枚)を用い、シート厚み全体×幅1mmの範囲にお
ける気泡について、厚み方向の長さの最大径の値を測定
した。
【0044】(成形性:破れの有無)カップ容器の直径
方向への垂直断面を、走査型電子顕微鏡を用いて倍率5
0倍で写真撮影した(5枚)。平均気泡数の測定で撮影
したシートの断面写真と前記カップ容器の断面写真(各
5枚)を用い、樹脂発泡積層シート及びカップ容器の無
発泡層断面の任意部分の幅1mmの範囲について、その状
態を観察し、下記の基準で評価した。 ○:無発泡層に破れている部分が見られない。 ×:無発泡層に破れている部分が見られる。
【0045】(成形性:スチレン臭の有無)10×10
cmの樹脂発泡積層シート10枚及びカップ容器10個
を、ガス不透過性のアルミパックに入れ、開口部部分を
完全にシールした。その後、その状態で20℃で10日
間保存した後、アルミパックを開口した場合の臭いを5
人のパネルに嗅がせ、スチレン臭の有無を下記の基準で
評価した。 ○:スチレン臭を感じたパネルが0人。 ×:スチレン臭を感じた人が3人以上。
【0046】
【表1】
【0047】表1から明らかなとおり、平均気泡数が多
かったり、気泡径が大きかったりした場合には、気泡か
らの圧力により、成形性、特に深絞り品の成形性が低下
するため、無発泡層に破れが生じたり、無発泡層の破れ
に伴う特異なスチレン臭が発生したりした。
【0048】
【発明の効果】本発明の樹脂発泡積層シートは、成形性
がよく、特に深絞り品の成形性がよいため、所望のデザ
インの容器を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で成形したカップ容器の平面図及び正面
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101:00 25:08) Fターム(参考) 4F100 AK01A AK04A AK04J AK07A AK07B AK12A AK12K AK24A AK24J AK25A AK25J AK73A AL01A AL05A AL06A BA02 BA16 CA30A DJ01A GB16 JA04B JA13A JB16A JB16B JL01 JN21 YY00 YY00A YY00B 4J002 BB00X BC02X BC03W BC04W BC051 BC053 BC071 BC09W BC111 BC123 BE06X BN141 CD173 CF00X CG00X CH00X CJ00X CL00X CN03X

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレン系樹脂10〜90重量%
    及び(B)熱可塑性樹脂90〜10重量%を含有する樹
    脂組成物からなる発泡層と、融点が100〜300℃の
    熱可塑性樹脂からなる無発泡層とが積層されてなり、発
    泡層の厚み方向断面における平均気泡数が20〜400
    個/mm2で、かつ厚み方向断面における気泡径が200
    μm未満であることを特徴とする樹脂発泡積層シート。
  2. 【請求項2】 さらに、樹脂組成物中に、(C)成分と
    して下記の(C−1)〜(C−4)から選ばれる1種以
    上の相溶化剤を含有する請求項1記載の樹脂発泡積層シ
    ート。 (C−1)ビニル芳香族化合物と、共役ジエン化合物と
    からなる共重合体又はその水素添加物、 (C−2)ビニル芳香族化合物と、共役ジエン化合物と
    からなる共重合体のエポキシ化物又はその水素添加物、 (C−3)(A)成分の構成単位となるスチレン系モノ
    マーと、(B)成分の構成単位となるモノマーとの共重
    合体、 (C−4)ビニル芳香族化合物と、カルボキシル基を有
    する化合物又は酸無水物との共重合体。
  3. 【請求項3】 下記の(a)、(b)、(c)及び
    (d)から選ばれる1以上の要件を具備している請求項
    1又は2記載の樹脂発泡積層シート。 (a)発泡層の発泡倍率が1.1〜2.9倍であるこ
    と。 (b)シート全体の厚みが0.3〜2.0mmであるこ
    と。 (c)無発泡層の厚みが5〜100μmであること。 (d)シートの表面光沢が10%以上であること。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の樹脂発泡積層
    シートからなることを特徴とする容器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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