JP2008074951A - 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート、耐熱シート及びその製造方法並びに食品用容器 - Google Patents

耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート、耐熱シート及びその製造方法並びに食品用容器 Download PDF

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英志 浅田
Masamitsu Harada
将充 原田
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Abstract

【課題】 本発明は、熱可塑性樹脂フィルムとの積層時、その積層後の保存又は成形時に、熱可塑性樹脂フィルムとの界面において気泡の発生に伴う界面剥離を生じることのない耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを提供する。
【解決手段】 本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートは、ガラス転移温度が110℃以上のスチレン系共重合体及びポリプロピレン系樹脂を所定割合で含有しており優れた耐熱性を有していると共に、連続気泡率が40%以上であって残存発泡ガス量が低く抑えられていることから、一面に熱可塑性樹脂フィルムを積層一体化するにあたって耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートが加熱された場合にあっても、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの間に、残存発泡ガスに起因した気泡溜まりが発生し、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとが界面剥離を生じることはない。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート、耐熱シート及びその製造方法並びに食品用容器に関する。
従来から発泡体からなる食品用容器が用いられているが、近年、電子レンジの普及と廃棄物処理の観点から、食品用容器には、耐熱性、耐油性、断熱性及び軽量性が重要になってきている。そして、上記要求性能を満たす素材として、耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡体やポリプロピレン系樹脂発泡体が用いられている。
しかしながら、耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡体は耐油性が不充分であることから、油分の多い食材を食品用容器内に収納して電子レンジで加熱した場合、過剰に加熱すると、高温に加熱された油分によって、食品用容器の内面がおかされるといった問題があった。
一方、ポリプロピレン系樹脂発泡体は耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡体に比して剛性が低いために、実用に適した強度を得ようとすると、耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡体に比して、食品用容器の厚みを厚くする必要があり、食品用容器の軽量性が低下すると共に使用後の廃棄物の量の増加を招くといった問題があった。
そこで、上記問題点を解決すべく、耐熱性ポリスチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを混合してなる樹脂からなる食品用容器が提案されている。そして、このような食品用容器は、耐熱性及び耐油性の双方に比較的、優れているものの表面性に劣り、又、ポリプロピレン系樹脂と比較すると、耐油性が不充分であることから、食品用容器の内面にポリプロピレン系樹脂などの熱可塑性樹脂フィルムを通常、熱ラミネーションで積層一体化させている。
具体的には、特許文献1には、スチレン系樹脂、熱可塑性樹脂及び特定の相溶化剤を含有する樹脂組成物を成形して得られる発泡シートと、この発泡シートと同一又は異なる材質からなる樹脂無発泡シートとの2層以上の積層体からなる耐熱及び耐油性樹脂シートが提案されている。
この耐熱及び耐油性樹脂シートを構成している発泡シートは、シートの厚み方向における各樹脂の含有量を変化させることによって耐熱性及び耐油性の向上を図っているが、このような発泡シートの押出発泡には特殊な条件を必要とし、又、実施例をみても、1.7〜2.5倍の低発泡倍率な発泡シートしか得られておらず、断熱性や軽量性に劣るといった問題点を有していた。
又、特許文献2には、(a)スチレン系樹脂5〜80重量%、(b)プロピレン系樹脂20〜95重量%の合計100重量部に対して、(c)スチレン−イソプレンブロック共重合体水素添加樹脂3〜20重量部、(d)揮発性有機発泡剤3〜60重量部を配合してなる樹脂組成物を押出発泡させて得られる発泡シートが提案されているが、プロピレン系樹脂の含有比率が高く、特定の揮発性有機発泡剤を用いて発泡させたものであって、食品用容器としてはその強度が不充分であった。
更に、特許文献3には、スチレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)とを含む樹脂組成物を発泡してなる発泡体において、該発泡体内の気泡膜は上記スチレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)とよりなる層状構造に形成されており,また,上記気泡膜を厚み方向の断面で見た時に,気泡膜の表面から引いた垂線がプロピレン系樹脂(B)と交差する数nが4以上であり,かつ発泡体の密度が0.5g/cm3以下であり,かつ独立気泡率が20%以上であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡体が開示されている。
しかしながら、食品用容器に成形して用いられる場合には、上述のように、スチレン系樹脂発泡体の一面に熱可塑性樹脂フィルムを積層一体化させて用いられるが、スチレン系樹脂発泡体の耐熱性が不充分であり、しかも、スチレン系樹脂発泡体の独立気泡率が高く、残存する発泡ガス量が多いことから、スチレン系樹脂発泡体の一面への熱可塑性樹脂フィルムの積層時或いは積層後の保存中に、或いは、食品用容器として用いて電子レンジで加熱調理した時に、スチレン系樹脂発泡体中に残存している発泡ガスが、スチレン系樹脂発泡体と熱可塑性樹脂フィルムとの間に溜まり、スチレン系樹脂発泡体と熱可塑性樹脂フィルムとの間に気泡が発生して界面剥離を生じるといった問題点を有していた。
そして、上記問題は、スチレン系樹脂発泡体の一面への熱可塑性樹脂フィルムの積層一体化を、低コストで生産性に優れている熱ラミネート法で行なった場合に特に発生し易いものであった。
特開2000−80174号公報 特開平6−49261号公報 特開2001−59037号公報
本発明は、熱可塑性樹脂フィルムとの積層時、その積層後の保存又は成形時に、熱可塑性樹脂フィルムとの界面において気泡の発生(気泡膨れ)に伴う界面剥離を生じることのない耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート、この耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを用いた耐熱シート及びその製造方法、並びに、上記耐熱シートを成形して得られる食品用容器を提供する。
本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートは、アクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分とスチレンとの共重合体を含み且つガラス転移温度が110℃以上であるポリスチレン系樹脂50〜80重量%、ポリプロピレン系樹脂15〜45重量%及びスチレン系エラストマー3〜10重量%からなり且つ連続気泡率が40%以上であることを特徴とする。
本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートに用いられるポリスチレン系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分とスチレンとの共重合体(以下「スチレン系共重合体」という)、即ち、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体又はスチレン−無水マレイン酸共重合体のうちの少なくとも一種を含んでおり、スチレン−メタクリル酸共重合体を含んでいることが好ましい。なお、上記スチレン系共重合体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記ポリスチレン系樹脂は、スチレン系共重合体以外のポリスチレン系樹脂を含有していてもよく、このようなポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレンなどのスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの共重合体などの他に、上記スチレン系単量体を主成分とする、上記スチレン系単量体とこのスチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体との共重合体や、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)であってもよい。
このようなビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
ポリスチレン系樹脂中におけるスチレン系共重合体の含有量は、少ないと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの耐熱性が低下して、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に熱可塑性樹脂フィルムを積層一体化させて用いた場合において、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの間に気泡の発生に伴う界面剥離を生じることがあるので、60重量%以上が好ましく、ポリスチレン系樹脂がスチレン共重合体のみから構成されていることがより好ましい。
そして、スチレン系共重合体を含めたポリスチレン系樹脂全体のガラス転移温度は、低いと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの耐熱性が低下して、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に熱可塑性樹脂フィルムを積層一体化させて用いた場合、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの間において気泡の発生に伴う界面剥離を生じる虞れがあり、更に、発泡適正温度をポリプロピレン系樹脂に近づけて、連続気泡率及び発泡倍率の双方が高い耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートとするために、110℃以上に限定され、高すぎると、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの脆性が強くなることがあるので、110〜140℃が好ましく、115〜130℃がより好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂のガラス転移温度は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」記載の方法に準拠して測定されたものをいう。具体的には、試料10mgを充填した測定容器を示差走査熱量計内に配設し、窒素ガス流量を30ミリリットル/分の条件下にて、昇温速度20℃/分で220℃まで昇温し10分間に亘って保持した後、測定容器を示差走査熱量計から取り出して室温にて急冷した後、再度、測定容器を示差走査熱量計内に配設し、窒素ガス流量を30ミリリットル/分の条件下にて、昇温速度10℃/分で220℃まで昇温して発熱量を測定して吸熱曲線を得、この吸熱曲線から得られた中間点ガラス転移温度をガラス転移温度とする。なお、示差走査熱量計としては、例えば、セイコー電子工業社から商品名「DSC200型」で市販されているものが用いられる。
ポリスチレン系樹脂として複数種類のスチレン系共重合体を用い、或いは、スチレン系共重合体にその他のポリスチレン系樹脂を含有している場合には、ポリスチレン系樹脂のガラス転移温度とは、これらの複数の樹脂を混合して得られたポリスチレン系樹脂全体の見掛けのガラス転移温度をいう。
なお、併用して用いているポリスチレン系樹脂同士の相溶性が不充分で、明確なガラス転移温度を決定することができない場合には、ポリスチレン系樹脂を構成している各樹脂のガラス転移温度を個別に測定し、得られたガラス転移温度を加重平均して得られた値をガラス転移温度とする。
そして、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを構成する樹脂中におけるポリスチレン系樹脂の含有量は、少ないと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの剛性や耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造時の発泡性が低下する一方、多いと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの耐油性及び耐熱性が不充分となり、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に熱可塑性樹脂フィルムを積層一体化して用いた場合において、高温に加熱された油分に接触した時、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの間において気泡の発生に伴う界面剥離を生じるので、50〜80重量%に限定され、55〜70 重量%が好ましい。
又、本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートに用いられるポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ホモポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ、プロピレン−α−オレフィン共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はランダムブロック共重合体の何れであってもよいが、ブロック共重合体が好ましい。なお、α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、イソブテン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数が4〜12のα−オレフィンが挙げられる。
そして、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、小さいと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造時に、押出圧が高くなり生産性が低下し或いは押出温度を低下させることが困難となり、高発泡倍率の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを得ることができないことがある一方、大きいと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造時に発泡性が低下し、或いは、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの脆性が強くなることがあるので、0.1〜2g/10分が好ましく、0.3〜1.0g/10分がより好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、JIS K7210(1999)のA法に準拠して、試験温度230℃、荷重21.18N(2.16kgf)にて測定されたものをいう。
更に、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを構成する樹脂中におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は、少ないと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの耐熱性や耐油性が低下する一方、多いと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの剛性や耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造時の発泡性が低下するので、15〜45重量%に限定され、20〜40 重量%が好ましい。
又、本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートに用いられるスチレン系エラストマーとしては、特に限定されず、例えば、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体や、これらの水添物などが挙げられ、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体が好ましい。なお、スチレン系エラストマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを構成する樹脂中におけるスチレン系エラストマーの含有量は、少ないと、ポリスチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂との相溶化が不充分となって、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造時における発泡性が低下して耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの美麗性が低下する一方、多いと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの剛性及び耐熱性が低下するので、3〜10重量%に限定され、4〜 7重量%が好ましい。
又、本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの連続気泡率は、40%以上に限定され、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。このように耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの連続気泡率を40%以上とすることによって、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート中に残存する発泡ガスが連続気泡を通じて外部に円滑に放出され、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート中に残存する発泡ガス量が低減されている。
従って、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に熱可塑性樹脂フィルムを積層一体化させる耐熱シートの製造時若しくはその後の保存時、又は、耐熱シートの熱成形時の加熱に伴って、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート中の残存発泡ガスが、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの界面に溜まるようなことはなく、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの間における気泡の発生に伴う界面剥離を防止することができる。
そして、耐熱シートを熱成形して得られた食品用容器を用いて加熱調理した場合にあっても、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート中の残存発泡ガス量が少ないことから、ポリスチレン系樹脂発泡シートが加熱調理時に加えられた熱によって二次発泡、変形するようなことはない。
しかしながら、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの連続気泡率が高すぎると、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの機械的強度が低下することがあるので、90%以下が好ましく、80%以下がより好ましい。
ここで、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの連続気泡率は、ASTM D2856−87に準拠して測定されたものをいう。具体的には、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートから該発泡シートの厚み方向の全長に亘って切り込むことによって一辺25mmの平面正方形状のシート状試験片を複数枚切り出し、この複数枚の試験片を厚み方向に全体の厚みが25mm程度となるように重ね合わせて積層体を形成する。
次に、上記積層体の見掛け体積をノギスを用いて正確に測定した上で、空気比較式比重計を用いて1−1/2−1気圧法によって体積を測定し、下記式により連続気泡率を算出する。なお、1−1/2−1気圧法による積層体の体積は、例えば、東京サイエンス社から商品名「空気比較式比重計1000型」で市販されている空気比較式比重計を用いて測定することができる。
連続気泡率(%)=100×(見掛け体積−空気比較式比重計による積層体の体積)/ 見掛け体積
そして、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの密度は、小さいと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの剛性が低下し、この耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて得られる成形品の機械的強度も低下することがある一方、大きいと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの断熱性が低下することがあるので、0.06〜0.25g/cm3が好ましく、0.08〜0.20g/cm3がより好ましい。なお、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの密度は、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの坪量及び厚みを測定し、これらの値に基づいて算出することができる。
又、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの厚みは、薄いと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの断熱性や機械的強度が低下することがある一方、厚いと、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの成形性が低下することがあるので、0.5〜4.0mmが好ましく、0.8〜3.5mmがより好ましい。
更に、上記耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面には熱可塑性樹脂フィルムが積層一体化されて耐熱シートとして用いられてもよい。この熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)などのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド及びこれらを主たる成分とする共重合体などが挙げられ、耐熱性、耐油性及び融着性に優れていることから、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
なお、エチレン−α−オレフィン共重合体を構成しているα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数が3〜12のα−オレフィンが挙げられ、又、プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成しているα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数が2〜12のα−オレフィンが挙げられる。
なお、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂フィルムには、その物性を損なわない範囲内において、タルク、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、酸化チタンなどの無機化合物、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐候性安定剤、帯電防止剤、顔料などの添加剤を添加してもよい。
次に、本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法について説明する。耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法としては、特に限定されず、例えば、押出機として、第一押出機の先端に第二押出機が接続されてなるタンデム型押出機を用い、第一押出機に、上記スチレン系共重合体を含み且つガラス転移温度が110℃以上であるポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びスチレン系エラストマーを所定割合にて供給して溶融混練した上で押出機内に発泡剤を圧入して更に溶融混練した後、溶融樹脂を第二押出機に連続的に供給して発泡に適した温度に冷却して、第二押出機の先端に取り付けた環状ダイスから円筒状に押出発泡し、得られた円筒状発泡体を徐々に拡径させた上で冷却マンドレルに供給して冷却した上で円筒状発泡体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断して切り開くことによって連続気泡率が40%以上の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを製造する方法が挙げられる。耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの連続気泡率の調整は、押出温度、ダイの温度などを調整することで行なうことができる。
なお、上記発泡剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、プロパン、ブタン、ペンタンなどの脂肪族炭化水素;1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)などのフロン系発泡剤が挙げられ、脂肪族炭化水素が好ましい。なお、発泡剤は単独で使用されても併用されてもよい。
そして、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に熱可塑性樹脂フィルムを積層一体化して耐熱シートを製造する方法としては、特に限定されず、例えば、押出機として、第一押出機の先端に第二押出機が接続されてなるタンデム型押出機を用い、第一押出機に、上記スチレン系共重合体を含み且つガラス転移温度が110℃以上であるポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びスチレン系エラストマーを所定割合にて供給して溶融混練した上で押出機内に発泡剤を圧入して更に溶融混練した後、溶融樹脂を第二押出機に連続的に供給して発泡に適した温度に冷却して、第二押出機の先端に取り付けた環状ダイスから円筒状に押出発泡し、得られた円筒状発泡体を徐々に拡径させた上で冷却マンドレルに供給して冷却した上で円筒状発泡体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断して切り開くことによって連続気泡率が40%以上の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを製造する一方、熱可塑性樹脂フィルムを別途、用意し、上記耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート及び上記熱可塑性樹脂フィルムのうちの何れか一方或いは双方を加熱しながら、上記耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に上記熱可塑性樹脂フィルムを重ね合わせて、上記耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと上記熱可塑性樹脂フィルムとを挟圧して熱融着一体化させて耐熱シートを製造する方法が挙げられ、この積層方法は所謂、熱ラミネート法と称されており、大掛かりな設備を必要とせず、熱成形機の直前に配設することができると共に、熱可塑性樹脂フィルムに印刷を施すことができるなど生産性に優れており好ましい。
上述した熱ラミネートによる耐熱シートの製造方法の他に、押出機として、第一押出機の先端に第二押出機が接続されてなるタンデム型押出機を用い、第一押出機に、上記スチレン系共重合体を含み且つガラス転移温度が110℃以上であるポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びスチレン系エラストマーを所定割合にて供給して溶融混練した上で押出機内に発泡剤を圧入して更に溶融混練した後、溶融樹脂を第二押出機に連続的に供給して発泡に適した温度に冷却して、第二押出機の先端に取り付けた環状ダイスから円筒状に押出発泡し、得られた円筒状発泡体を徐々に拡径させた上で冷却マンドレルに供給して冷却した上で円筒状発泡体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断して切り開くことによって連続気泡率が40%以上の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを製造する一方、熱可塑性樹脂を第三押出機に供給して溶融混練し、第三押出機の先端に取り付けられたTダイから押出し、この押出した溶融状態の熱可塑性樹脂フィルムを上記耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート上に連続的に供給して、上記耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に熱可塑性樹脂フィルムを押出ラミネートすることによって耐熱シートを製造する方法が挙げられる。
上述のように、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に熱可塑性樹脂フィルムを積層一体化させるにあたって、本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートは、その連続気泡率が40%以上であることから、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート中に残存する発泡ガスは連続気泡を通じて外部に円滑に放散されて、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート中に残存する発泡ガス量は低く抑えられており、熱可塑性樹脂フィルムを耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に積層一体化させる際に加えられる熱によって、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート中に残存する発泡ガスに起因して、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの界面に気泡溜まりが発生するようなことはなく、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとが全面的に強固に一体化されてなる耐熱シートを円滑に得ることができる。
更に、得られた耐熱シートの耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート中に残存する発泡ガス量は少ないことから、耐熱シートの保存中に経時的に、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの間に気泡溜まりを生じるようなことはなく、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとが長期間に亘って全面的に強固に一体化されてなる耐熱シートを得ることができる。
上述のようにして製造された耐熱シートを、汎用の熱成形方法を用いて、熱可塑性樹脂フィルムが内側となるように皿状、碗状などの容器状に熱成形することによって食品用容器を得ることができる。
この際、上述したように、耐熱シートの耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート中に残存する発泡ガス量は少ないことから、熱成形時の熱によって、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの間に気泡溜まりを生じるようなことはなく、食品用容器は、その耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとが全面的に確実に積層一体化されており、外観性に優れている。
得られた食品用容器中に油を含む食品を収納して電子レンジを用いて加熱、調理した場合、食品に含まれている油が加熱されて高温になる場合があるが、本発明の耐熱シートは、特定のスチレン系共重合体を含み且つガラス転移温度が110℃以上のポリスチレン系樹脂と、ポリプロピレン系樹脂とを所定割合でもって含有する樹脂からなり耐熱性に優れている上に、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート中の残存発泡ガス量も低く抑えられていることから、高温に加熱された油が熱可塑性樹脂フィルムに接触したとしても、油の接触部において、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの間に気泡膨れが発生して両者間に界面剥離を生じたり、食品用容器自体が変形するようなことはない。
本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートは、上述の如く、ガラス転移温度が110℃以上のスチレン系共重合体及びポリプロピレン系樹脂を所定割合で含有しており優れた耐熱性を有していると共に、連続気泡率が40%以上であって残存発泡ガス量が低く抑えられていることから、一面に熱可塑性樹脂フィルムを積層一体化するにあたって耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートが加熱された場合にあっても、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの間に、残存発泡ガスに起因した気泡溜まりが発生し、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとが界面剥離を生じることはない。
そして、本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートは、ガラス転移温度が110℃以上である特定のポリスチレン系樹脂を用い、発泡適正温度をポリプロピレン系樹脂に近づけていると共に、スチレン系エラストマーを用いてポリスチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂との相溶化を高めており、高発泡倍率にして優れた耐熱性も有しており、更に、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを構成しているポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトを0.1〜2g/10分とすることによって、更に高発泡倍率の発泡シートとすることができる。
又、本発明の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に熱可塑性樹脂フィルムを積層一体化してなる耐熱シートは、その保管中においても、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート中の残存発泡ガスが、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの界面に進入するようなことはなく、よって、耐熱シートは、その耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとが界面剥離することなく全面的に強固に一体化された状態にて長期間に亘って安定的に保管することができる。
そして、本発明の耐熱シートをその熱可塑性樹脂フィルムが内側となるように熱成形してなる食品用容器は、上述のように、その耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートが優れた耐熱性を有していると共にその残存発泡ガス量も少ないので、食品を収納して電子レンジを用いて加熱調理した場合に、食品に含まれた油分が高温に加熱され、この高温の油分が熱可塑性樹脂フィルムに接触した時にあっても、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムとの間に気泡膨れに伴う界面剥離が生じるようなことはなく、又、食品用容器自体が変形するようなこともない。
更に、本発明の耐熱シートにおいて、熱可塑性樹脂フィルムがポリプロピレン系樹脂フィルムである場合には、耐熱シートは、より優れた耐熱性及び耐油性を有する。
(実施例1)
口径が50mmの第一押出機の先端に、口径が65mmの第二押出機を接続してなるタンデム型押出機を用意した。そして、このタンデム型押出機の第一押出機に、スチレン−メタクリル酸共重合体1(大日本インキ化学工業社製 商品名「A−14」、ガラス転移温度:134.5℃)44重量%、耐衝撃性ポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「E641N」、ガラス転移温度:90℃)20重量%、プロピレン−エチレンブロック共重合体(日本ポリプロピレン社製 商品名「EC9」、エチレン含有量:3.8重量%、メルトフローレイト:0.5g/10分)30重量%及びスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体1(クラレ社製 商品名「セプトン2104」、スチレン含有量:65重量%)6重量%からなる樹脂100重量部及び核剤としてタルク0.4重量部を供給して230℃にて溶融混練した上で、第一押出機内に発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン(重量比)=35/65)3重量部を圧入して更に溶融混練した後、この溶融樹脂を第二押出機に連続的に供給して172℃に冷却して、第二押出機の先端に取り付けた環状ダイスから円筒状に押出発泡し、得られた円筒状発泡体を徐々に拡径させた上で直径が205mmの冷却マンドレルに供給して冷却した上で円筒状発泡体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断して切り開くことによって連続気泡率が68.6%で且つ厚みが2.4mmの耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。なお、スチレン−メタクリル酸共重合体1及び耐衝撃性ポリスチレンを上述の重量比で混合してなるポリスチレン系樹脂全体の見掛けのガラス転移温度は、119.4℃であった。又、環状ダイスは、その出口部において内径が70mmで且つ外径が70.9mmであった。
(実施例2)
スチレン−メタクリル酸共重合体2(PSジャパン社製 商品名「G9001」、ガラス転移温度:123.5℃)64重量%、プロピレン−エチレンブロック共重合体(日本ポリプロピレン社製 商品名「EC9」、エチレン含有量:3.8重量%、メルトフローレイト:0.5g/10分)30重量%及びスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体1(クラレ社製 商品名「セプトン2104」、スチレン含有量:65重量%)6重量%からなる樹脂100重量部を第一押出機に供給したこと以外は実施例1と同様にして、連続気泡率が63.1%で且つ厚みが2.4mmの耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。
(実施例3)
スチレン−メタクリル酸共重合体2(PSジャパン社製 商品名「G9001」、ガラス転移温度:123.5℃)64重量%、プロピレン−エチレンブロック共重合体(日本ポリプロピレン社製 商品名「EC9」、エチレン含有量:3.8重量%、メルトフローレイト:0.5g/10分)30重量%及びスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体2(クラレ社製 商品名「セプトン2063」、スチレン含有量:13重量%)6重量%からなる樹脂100重量部を第一押出機に供給したこと以外は実施例1と同様にして、連続気泡率が76%で且つ厚みが2.4mmの耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。
(比較例1)
スチレン−メタクリル酸共重合体2(PSジャパン社製 商品名「G9001」、ガラス転移温度:123.5℃)84重量%、プロピレン−エチレンブロック共重合体(日本ポリプロピレン社製 商品名「EC9」、エチレン含有量:3.8重量%、メルトフローレイト:0.5g/10分)10重量%及びスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体1(クラレ社製 商品名「セプトン2104」、スチレン含有量:65重量%)6重量%からなる樹脂100重量部を第一押出機に供給したこと以外は実施例1と同様にして、連続気泡率が62.1%で且つ厚みが2.4mmの耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。
(比較例2)
スチレン−メタクリル酸共重合体2(PSジャパン社製 商品名「G9001」、ガラス転移温度:123.5℃)40重量%、プロピレン−エチレンブロック共重合体(日本ポリプロピレン社製 商品名「EC9」、エチレン含有量:3.8重量%、メルトフローレイト:0.5g/10分)54重量%及びスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体1(クラレ社製 商品名「セプトン2104」、スチレン含有量:65重量%)6重量%からなる樹脂100重量部を第一押出機に供給したこと以外は実施例1と同様にして、連続気泡率が10.5%で且つ厚みが0.9mmの耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。
得られた耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面を50℃に加熱した後、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に、厚みが50μmの無架橋のポリプロピレンフィルムを重ね合わせて、210℃に加熱した熱ロールと、ゴムロールとの対向面間にて耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートとポリプロピレンフィルムとを挟圧一体化することによって、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面にポリプロピレンフィルムを積層一体化して耐熱シートを得た。
得られた耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの密度、並びに、得られた耐熱シートを用いて、耐熱・耐油性及び強度を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。なお、表1において、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体を「SEPS」と表記した。
(密度)
耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの坪量を汎用の要領で測定すると共に、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの厚みを測定し、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの坪量を厚みで除することによって耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの密度を算出した。
(耐熱・耐油性)
耐熱シートをそのポリプロピレンフィルムが内側となるようにして真空成形によって食品用容器に熱成形した。なお、食品用容器は、直径が220mmの平面円形状の底面部とこの底面部の外周縁から上方に向かって延設された高さが35mmの周壁部とから形成されていた。
一方、水と油(日清オイリオグループ社製 商品名「日清キャノーラ油」)とエタノールとを1:2:2の容積比にて混合してなる混合液を用意し、この混合液20ミリリットルを食品用容器内に供給した後、この食品用容器を1500Wの電子レンジを用いて40秒、50秒、60秒間に亘って加熱し、加熱後の食品用容器におけるポリプロピレンフィルム面を目視観察して下記基準に基づいて判断した。
○:耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートとポリプロピレンフィルムとの間に界面剥離は
生じておらず、食品用容器自体も変形していなかった。
×:耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートとポリプロピレンフィルムとの間に界面剥離が
生じているか、或いは、食品用容器の表面に陥没が生じており食品用容器自体が変
形していた。
(強度)
耐熱・耐油性試験において作製した食品用容器を用意し、この食品用容器内に水200ミリリットルを供給した後、この食品用容器を1500Wの電子レンジを用いて30秒間に亘って加熱した。しかる後、食品用容器を手で把持して持ち上げた時の状態を目視観察し、下記基準に基づいて判断した。
◎:食品用容器を問題なく持ち上げることができた。
○:食品用容器を問題なく持ち上げることができたが、食品用容器の底面部が若干、下
方に垂れ下がった。
△:食品用容器の底面部が下方に垂れ下がるために注意は必要であるが、食品用容器を
持ち上げることができた。
×:食品用容器の底面部が下方に垂れ下がって食品用容器が水の重さで変形してしまい
、食品用容器内の水がこぼれてしまった。
Figure 2008074951

Claims (8)

  1. アクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分とスチレンとの共重合体を含み且つガラス転移温度が110℃以上であるポリスチレン系樹脂50〜80重量%、ポリプロピレン系樹脂15〜45重量%及びスチレン系エラストマー3〜10重量%からなり且つ連続気泡率が40%以上であることを特徴とする耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート。
  2. ポリスチレン系樹脂が、スチレン−メタクリル酸共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート。
  3. ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトが0.1〜2g/10分であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート。
  4. スチレン系エラストマーが、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に熱可塑性樹脂フィルムが積層一体化されていることを特徴とする耐熱シート。
  6. 熱可塑性樹脂フィルムがポリプロピレン系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項5に記載の耐熱シート。
  7. アクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分とスチレンとの共重合体を含み且つガラス転移温度が110℃以上であるポリスチレン系樹脂50〜80重量%、ポリプロピレン系樹脂15〜45重量%、スチレン系エラストマー3〜10重量%及び発泡剤を押出機に供給して溶融混練し押出発泡して得られた連続気泡率が40%以上の耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートの一面に熱可塑性樹脂フィルムを熱ラミネートすることを特徴とする耐熱シートの製造方法。
  8. 請求項5又は請求項6に記載の耐熱シートをその熱可塑性樹脂フィルムが内側となるように熱成形してなることを特徴とする食品用容器。
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CN115028933A (zh) * 2022-07-28 2022-09-09 彧寰科技江苏有限公司 一种具有耐热变形能力的牙间刷改性握柄及其制备方法

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