JP6083856B2 - 熱成形用多層シート及び電子レンジ加熱用容器 - Google Patents

熱成形用多層シート及び電子レンジ加熱用容器 Download PDF

Info

Publication number
JP6083856B2
JP6083856B2 JP2012228788A JP2012228788A JP6083856B2 JP 6083856 B2 JP6083856 B2 JP 6083856B2 JP 2012228788 A JP2012228788 A JP 2012228788A JP 2012228788 A JP2012228788 A JP 2012228788A JP 6083856 B2 JP6083856 B2 JP 6083856B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
sheet
thermoforming
styrene
polystyrene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012228788A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014079940A (ja
Inventor
岩本 晃
晃 岩本
斎藤 良成
良成 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSP Corp
Original Assignee
JSP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSP Corp filed Critical JSP Corp
Priority to JP2012228788A priority Critical patent/JP6083856B2/ja
Publication of JP2014079940A publication Critical patent/JP2014079940A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6083856B2 publication Critical patent/JP6083856B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

本発明は、熱成形用多層シート、及び該熱成形用多層シートを熱成形することにより得られる電子レンジ加熱用容器に関する。
近年、コンビニエンストア等において、調理済食品の加熱に電子レンジが使用されている。一般に、電子レンジ加熱用の容器には、耐熱性と断熱性が要求され、耐熱性と断熱性に優れる容器として、スチレン−メタクリル酸共重合体などのビカット軟化温度110℃以上の耐熱性ポリスチレンを基材樹脂とする発泡シートを熱成形してなる容器が用いられている。ここで、食品には油分が含まれるものもあるため、そのような食品の容器には、これらの特性のほかに耐油性も要求される。このような容器として、例えば、特許文献1に記載されたような、耐熱性ポリスチレン発泡シートに酢酸エチルなどの接着剤を介してポリプロピレンフィルムが積層接着されている積層シートを熱成形したものがある。
また、最近では、耐熱性ポリスチレン発泡シートにゴム変性ポリスチレンを基材樹脂とする樹脂層が押出ラミネートにより積層接着され、さらに該樹脂層面にポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルムが積層された積層発泡シートを熱成形した、より耐熱性の高い容器が使用されている。
特開平10−86924号公報
しかし、前記樹脂層を介してポリプロピレンフィルムが積層された積層発泡シートを熱成形した容器であっても、、特に油分の多いスパゲッティやカレーライス等を入れて電子レンジで加熱すると、その加熱条件によっては、容器の表面が局所的に過熱されてしまい、容器の発泡層の3次発泡に伴い、樹脂層、ポリオレフィンフィルムが発泡層から部分的に剥離して膨れ上がる現象(以下、「ブリスター」という。)が生じることがある。そこで、油分の多い食品を収納した容器を、電子レンジで加熱する際のブリスター発生の解決が望まれている。
本発明は、前記従来の問題を解決し、耐熱性と断熱性に優れ、かつ耐油性に優れると共に、電子レンジで加熱した際のブリスターの発生が抑制された電子レンジ加熱用容器を熱成形可能な熱成形用多層シート、及び該熱成形用多層シートから得られる電子レンジ加熱用容器を提供することを、その課題とするものである。
本発明によれば、以下に示す熱成形用多層シート、及び電子レンジ加熱用容器が提供される。
[1] ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする発泡シートの片面に、押出ラミネートにより積層接着されたゴム変性ポリスチレン樹脂層を介して、ポリオレフィン系樹脂フィルム層が積層接着されてなる、厚み0.5〜3mmの熱成形用多層シートであって、
該ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂が、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合物であり、該混合物の混合状態を表す相構造指数が0.4〜2であり、該発泡シートの見掛け密度が130〜260kg/mであり、該ゴム変性ポリスチレン樹脂層の坪量が70〜200g/mであることを特徴とする熱成形用多層シート。
[2] 前記混合物中のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合比が重量比で50:50〜85:15であることを特徴とする前記1又は2に記載の熱成形用多層シート。
[3] 前記ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂がスチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物を含み、その含有量が、前記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合物100重量部に対して、0.5〜10重量部であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の熱成形用多層シート。
[4] 請求項1〜3のいずれかの熱成形用多層シートを熱成形してなる電子レンジ加熱用容器。
本発明の熱成形用多層シートは、ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする発泡シートと、該発泡シートに積層接着されたゴム変性ポリスチレン樹脂層と、該樹脂層に積層接着されたポリオレフィン系樹脂フィルム層とを有し、該発泡シートの基材樹脂が、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体と、それ以外のポリスチレン系樹脂との特定の混合状態の混合物であり、かつ発泡シートが特定の見かけ密度範囲であると共に、樹脂層の坪量が特定範囲であることにより、該発泡シートが耐熱性と断熱性とのバランスに優れると共に、ゴム変性ポリスチレン樹脂層との接着性に優れることから、該熱成形用多層シートを熱成形することにより得られた容器は、カレーなどの油分の多い食材を入れて電子レンジで加熱されても、ブリスターの発生を効果的に防止することができるものである。
以下、本発明の熱成形用多層シートについて詳細に説明する。
本発明の熱成形用多層シート(以下、単に「多層シート」ともいう。)は、特定の混合物を基材樹脂とする発泡シート(以下、単に「発泡シート」ともいう。)と、該発泡シートの片面に積層接着されたゴム変性ポリスチレン樹脂層 (以下、単に「樹脂層」ともいう。)と、該樹脂層の外側表面に積層接着されたポリオレフィン系樹脂フィルム層(以下、単に「フィルム層」ともいう。)とを有するものである。
本発明における発泡シートを構成する基材樹脂は、ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂である。
本発明において、ポリスチレン系樹脂には、スチレン系単量体の単独重合体(ポリスチレン)、スチレン系単量体と他の単量体との共重合体、及びこれらの2種以上の混合物が包含され、その共重合体又は混合物中に中に含まれるスチレン系単量体に由来する構造単位は少なくとも50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。上記スチレン系単量体は、下記の一般式(1)で表される。
前記一般式(1)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはハロゲン原子またはメチル基を示し、pは0または1〜3の整数である。
一般に、発泡シートを構成するビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂としては、スチレン−アクリル酸共重合体やスチレン−メタクリル酸共重合体(以下、両者を総称してスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体ともいう。)が用いられる。しかしながら、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を基材樹脂とする発泡シートに、押出ラミネートによりゴム変性ポリスチレン系樹脂層を積層接着させると、積層直後には、発泡シートと樹脂層とが十分に接着していても、積層後長期間経過すると発泡シートと樹脂層との間で接着力が低下する場合があることがわかり、この接着力の低下がブリスター発生の原因のひとつとなることを、本発明者等は見出した。
前記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体中の(メタ)アクリル酸成分の含有量は、該共重合体中に5〜25重量%程度である。また、スチレンと共重合される共重合成分はメタクリル酸とアクリル酸との混合物であってもよい。また、成形性などを改良するために、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルが第三成分として少量共重合されることもある。
本発明において、発泡シートの基材樹脂であるビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂は、スチレン−アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合物、スチレン−メタクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合物、又はスチレン−アクリル酸共重合体とスチレン−メタクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合物である。
本発明において、ポリスチレン系樹脂(A)とは、上記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体以外のポリスチレン系樹脂を意味し、具体的には、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン共重合体や、さらには、ブタジエンなどのゴム状重合体の存在下でスチレン系単量体を重合してなるゴム変性ポリスチレン樹脂などが例示できる。
本明細書において、樹脂のビカット軟化温度はJIS K7206(試験荷重はA法、伝熱媒体の昇温速度は50±5℃/時の条件)にて求められる。
さらに、本発明の前記発泡シートを構成する混合物において、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合状態は、混合状態を表す相構造指数PI値が0.4〜2であることを要し、好ましくは0.6〜1.6である。
相構造指数PI値は、発泡シートにおけるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体と、ポリスチレン系樹脂(A)との混合状態を示すもので、下記式(2)で求められる。
前記式(2)において、φは前記混合物中のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の体積分率、ηは200℃、剪断速度100sec−1におけるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の溶融粘度、φは前記混合物中のポリスチレン系樹脂(A)の体積分率、ηは200℃、剪断速度100sec−1におけるポリスチレン系樹脂(A)の溶融粘度である。なお、本発明において、上記PI値を求めるための各樹脂の溶融粘度の測定条件として、押出機中での混練条件(温度、剪断速度)を勘案して、温度200℃、剪断速度100sec−1を採用した。
なお、前記式(2)におけるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体相の体積分率とポリスチレン系樹脂相の体積分率は、前記混合物に使用されるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の体積とポリスチレン系樹脂(A)の体積との総和を100としたときのそれぞれの体積分率意味する。なお、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合物には、他の樹脂を配合することができる。その場合、上記PI値が0.4〜2の範囲となるようにスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)の配合量を設定した上で、必要な量の他の樹脂を追加配合すれば良い。
前記樹脂層のPI値が前記範囲内であれば、前記混合物中において、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)とが両連続相構造をとることにより、発泡シートと樹脂層との間で十分な接着強度を得ることができ、電子レンジ加熱時のブリスター発生を防止することができる。なお、PI値が小さすぎると、発泡シートと樹脂層との間に、十分な接着強度が得られず電子レンジ加熱時にブリスターが発生しやすくなる。一方、PI値が大きすぎると、発泡シートと樹脂層との間で十分な接着強度は得られるが、十分な耐熱性が得られなくなる虞がある。
一般に、発泡シートの基材樹脂として用いられるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、その溶融粘度が、200℃、剪断速度100sec−1の条件下で、1000〜3000Pa・sのものが好ましく、より好ましくは1500〜2500Pa・sである。
前記ポリスチレン系樹脂(A)の溶融粘度は、200℃、剪断速度100sec−1の条件下で、500〜2000Pa・sが好ましく、より好ましくは600〜1800Pa・sである。その溶融粘度が前記範囲内であれば、混合物のPI値を前記範囲に調整することが容易となる。また、少ない配合割合で、混合物のPI値を調整しやすいことから、前記ポリスチレン系樹脂(A)の溶融粘度は、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の溶融粘度よりも低いことが好ましい。
前記混合樹脂中のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合比は、前記PI値が0.4〜2の範囲となるように定めることを要し、その場合、前記したように、該混合比が、重量比で50:50〜85:15となるようにすることが好ましい。
ポリスチレン系樹脂(A)の配合量が少なすぎると、PI値を前記範囲内とすること自体が困難であり、PI値を前記範囲内とするためには、ポリスチレン系樹脂(A)として極度に溶融粘度の低いものを用いなければならなくなるため、熱性形成に優れる発泡シートの製造自体ができなくなる虞がある。一方、ポリスチレン系樹脂の配合量が多すぎると、発泡シートの耐熱性が低下して、得られた容器が電子レンジで加熱されると変形する虞やブリスターが発生する虞がある。
本発明における発泡シートを構成する前記混合物には、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物(以下、単にスチレン−ブタジエンブロック共重合体等ともいう。)を配合することができる。前記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を多量に含む混合物からなる発泡シートは、耐衝撃性が低く割れ易いものであるが、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物を添加することにより耐衝撃性を改善することができる。さらに、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合状態が良くなるためか、ブリスターを効果的に抑制することができる。前記混合物におけるスチレン−ブタジエンブロック共重合体等の添加量は、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレンとの混合物100重量部に対して、0.5〜15重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部であり、更に好ましくは2〜10重量部である。
前記発泡シートを構成する混合物には、必要に応じてポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリスチレン系樹脂以外の樹脂を添加することもできる。但し、その含有量は、発泡シートを構成する基材樹脂中、10重量%以下であることが好ましい。
本発明の多層シートにおいては、前記発泡シートに、ゴム変性ポリスチレン樹脂層が押出ラミネートにより積層接着されている。
該ゴム変性ポリスチレン系樹脂は、通常、ポリブタジエンなどのゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体を重合して得られるものであり、ゴム状重合体にスチレン系重合体がグラフトし、分散相を形成するゴム状重合体粒子と、連続相を形成するスチレン系重合体で構成されるものである。前記ゴム変性ポリスチレン系樹脂を構成するスチレン系単量体は、好ましくはスチレンである。
該ゴム変性ポリスチレン系樹脂のメルトフローレイト(MFR)は1〜15g/10分が好ましく、より好ましくは2〜10g/10分である。メルトフローレイトが上記範囲内であれば、押出ラミネートにより、樹脂層を十分な接着強度で発泡シート上に容易に形成することができる。
前記メルトフローレイトは、JIS K7210(1999)に基づいて、表1の条件H(試験温度200℃、公称荷重5.00kg)により測定される値である。
なお、前記樹脂層中には、必要に応じて各種の添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、無機充填剤、着色剤等を添加することができる。
本発明の多層シートにおいては、前記ゴム変性ポリスチレン樹脂層に、ポリオレフィン系樹脂フィルム層が積層接着されている。該フィルム層を構成するポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体などのポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。これらの中では、耐油性及び耐熱性に優れるポリプロピレン系樹脂が好ましく、その中では、熱成形性に優れることからエチレンープロピレンランダム共重合体が好ましい。
該フィルム層が設けられていることにより、本発明の多層シートは耐油性に優れ、熱成形により得られる容器は、油分を含む食品を収納した状態で電子レンジにより加熱した際に油分により溶解するのを防止することができる。
該フィルム層を形成する方法としては、予め接着層が設けられたポリオレフィン系樹脂フィルムを熱ラミネートにより樹脂層上に積層接着することもできれば、接着層とポリオレフィン系樹脂層とを共押出して樹脂層上に押出ラミネートすることにより積層接着することや、前記ゴム変性ポリスチレン樹脂層、接着層及びポリオレフィン系樹脂フィルム層の3層を共押出して発泡シートに押出ラミネートすることにより積層接着することもできる。
前記熱ラミネートによる場合には、予め接着層が設けられたポリオレフィン系樹脂フィルムを用いるか、予め接着層を介してドライラミネートなどにより積層接着されたポリスチレン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂多層フィルムが用いられる。該フィルムとしては、延伸されたもの、無延伸のものを用いることができるが、熱成形性に優れることから無延伸フィルムが好ましく使用される。
接着層としては、ゴム変性ポリスチレン樹脂層とポリオレフィン系樹脂フィルムとを接着積層できさえすれば、いかなるものも用いることができ、例えば、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、酢酸エチルなどの従来公知の接着剤や、エチレン−酢酸ビニルなどの従来公知の接着性樹脂が用いられる。また、樹脂層、接着層及びポリオレフィン系樹脂フィルム層の3層を共押出する場合には、接着層としてポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を用いることもできる。
熱成形性と耐油性付与とを両立するという観点から、ポリオレフィン系樹脂フィルム層の坪量は、10〜50g/mが好ましく、より好ましくは20〜30g/mである。
本発明において、前記発泡シートの見掛け密度は130〜260kg/mである。本発明の多層シートを構成する発泡シートは、ゴム変性ポリスチレン樹脂を基材樹脂とする樹脂層との接着性が向上しているものの、ブリスターの発生を効果的に防止するためには、発泡シートの見掛け密度が前記範囲内である必要がある。該見掛け密度が小さすぎると、得られる容器の耐熱性が低下して、加熱された際に変形しやすく、また気泡中に発泡剤が比較的多く残っていることから、発泡シートと樹脂層との接着強度が十分であっても、電子レンジ加熱時に容器の発泡層の気泡が膨れやすくブリスターが発生しやすくなる。一方、該見掛け密度が大きすぎると、断熱性が低下して、電子レンジで加熱されると容器全体が温まりすぎて変形する虞がある。かかる観点から、該見掛け密度は、140〜250kg/mが好ましい。
本明細書における発泡シートの見掛け密度は、多層シートから押出方向10cm×全幅の測定用サンプルを切り出し、該測定用サンプルから発泡シートのみを切り分け、切り分けた発泡シートの重量を該発泡シートの外形寸法から求めた体積で割り算することにより求めることができる。
該発泡シートの坪量は100〜400g/mが好ましい。該坪量が小さすぎると、得られる容器の耐熱性が低下して、加熱された際に変形する虞がある。一方、該坪量が大きすぎるとコストアップに繋がる虞がある。かかる観点から、該坪量は、150〜380g/mがより好ましい。
本発明において、ゴム変性ポリスチレン樹脂層の坪量は70〜200g/mである。該坪量が小さすぎると、ブリスターの発生が防止できなくなる虞がある。一方、該坪量が大きすぎると、熱成形時における冷却時間が長くなって生産性が低下したり、容器形状によっては所望の形状どおりに熱成形できなくなる虞がある。かかる観点から、該坪量は80〜190g/mが好ましく、より好ましくは90〜180g/mである。
本発明の多層シートの厚みは0.5〜3mmである。該厚みが薄すぎると、得られる容器の断熱性や、剛性などの機械的強度が低下する虞がある。該厚みが厚すぎると、熱成形が低下する虞がある。かかる観点から、多層シートの厚みは0.8〜2.5mmが好ましい。
本発明の多層シートにおいては、独立気泡率が60%以上であることが好ましい。独立気泡率が低いと、熱成形により得られる容器の剛性が低くなる虞がある。かかる観点から、好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。通常、独立気泡率が高いと加熱時に気泡が三次発泡することによりブリスターが発生しやすくなるが、本発明の多層シートは特定の構成を有するため、ブリスターを効果的に抑制することができる。
本明細書における独立気泡率は、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用して測定された多層シート(カットサンプル)の真の体積Vxを用い、下記(3)式により独立気泡率S(%)を計算し、N=3の算術平均値で求める。なお、測定には、多層シートから無作為に切り出した25mm×25mm×「シート厚み」の複数のカットサンプルを厚みが約20mmとなるように重ねて用いる。
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (3)
Vx:上記方法で測定されたカットサンプルの真の体積(cm)であり、多層シートを構成する樹脂の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。
Va:測定に使用されたカットサンプルの外寸から計算されたカットサンプルの見掛け上の体積(cm)。
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)。
ρ:積層シートを構成する樹脂の密度(g/cm
ブリスターの発生を防止するためには、発泡シートと樹脂層の接着強度が強いことが好ましい。該接着強度は90度剥離試験にて剥離強度を求めることにより評価することができる。具体的には、一方で発泡シートを、他方で樹脂層及びフィルム層とを掴んで行う90度剥離試験(JIS Z0237、剥離速度条件400mm/min)において、剥離強度が300gf/25mm以上であることが好ましく、より好ましくは350gf/25mm以上、更に好ましくは400gf/25mm以上、特に好ましくは500gf/25mm以上である。
なお、剥離強度の上限は、1000gf/25mm程度である。
本発明の多層シートにおいては、前記のとおり、発泡シートの一方の面に樹脂層を介してフィルム層が積層されている。一方、他方の面には、無延伸ポリスチレン系樹脂フィルム、延伸ポリスチレン系樹脂フィルム、無延伸ポリエチレン系樹脂フィルム、延伸ポリエチレン系樹脂フィルム、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム、延伸ポリプロピレン系樹脂、無延伸ポリエステル系樹脂フィルム、延伸ポリエステル系樹脂フィルム等を、熱ラミネートにより接着積層することができ、これらのフィルムに印刷を施しておくことにより、意匠性を向上させることができる。
なお、これらのフィルムの厚みは、10〜50μmが好ましく、より好ましくは20〜30μmである。
本発明の多層シートにおいては、発泡シートに積層されている、前記樹脂層とフィルム層と接着層との総積層量が、発泡シートの気泡内圧1気圧当り90g/m以上であることが好ましく、より好ましくは100g/m以上、更に好ましくは110g/m以上である。内圧1気圧当りの総積層量が前記範囲内であると、加熱時に気泡の3次発泡による膨張を効果的に抑え込むことができ、ブリスターの発生を防止しやすくなる。なお、内圧1気圧当りの該総積層量の上限は、概ね200g/mである。
前記発泡シートの内圧は、気泡内の空気と残存発泡剤それぞれの分圧の和として求められる。なお、発泡シートの気泡の容積は、発泡シートの全容積から、発泡シートを構成する樹脂の容積を引き算することにより求めることができる。
空気の内圧の測定は、次のように行なう。
多層シートの中央部より、縦100mm×横100mm×シート厚みのサンプルを切り出す。次に、エタノールを満たした容器中に適度な大きさに切断したサンプルを入れ、容器内の空気を排出する。次に、空気が混入しないようにトルエンを容器内に入れ、サンプルをトルエンに溶解させ、気泡中の空気の20℃における体積を測定し、気泡内の空気分圧を求める。なお、発泡シートの発泡剤として使用されたブタンなどの炭化水素化合物がサンプル中に残存している場合には、炭化水素化合物を完全に溶解するのに十分量のトルエンを用いてサンプルを溶解することとする。
発泡剤の内圧は次のようにして測定する。まず、発泡シートの残存発泡剤量を測定する。発泡剤は全て気泡内に存在すると仮定して、得られた測定値から気体の状態方程式pV=nRTを用いて、20℃における気泡内の発泡剤の分圧を算出する。なお、発泡剤としてブタンなどの炭化水素化合物が使用される場合、発泡剤は発泡シートを構成する基材樹脂中にも一部分溶解しているが、熱成形の際に加熱によりその殆どが樹脂中から気泡中へ移動するため、容器の状態では、発泡剤は気泡中に存在することとなる。また、一部発泡剤のガス透過に伴い容器においても発泡剤は樹脂中に一部溶解していくが、やはり電子レンジの加熱により再び気泡中へ移動する。したがって、前記のように、気泡の3次発泡力を考慮すると、発泡剤は全て気泡内に存在すると仮定して内圧を見積もることが望ましい。
発泡剤量は、ガスクロマトグラフを用いて内部標準法により測定される値である。具体的には、多層シートの発泡シートから適量のサンプルを切り出し、このサンプルを完全に溶解し得る量のトルエンと内部標準物質の入った蓋付き試料ビン中に入れ蓋を閉めた後、充分に撹拌し発泡板中の発泡剤をトルエン中に溶解させた溶液を測定用試料としてガスクロマトグラフ分析を行って発泡シート中の発泡剤の含有量を求める。
本発明の多層シートは、展開倍率1.1〜2.0の容器の熱成形に用いられることが好ましい。その場合、前記樹脂層とフィルム層の合計坪量が、所望される容器の展開倍率×80g/m以上であることが好ましい。
なお、展開倍率は、成形部分の多層シートの面積を(A)、該成形部分の面積(A)に対応する部分の成形後の面積を(B)とした場合の(B)と(A)との比:(B)/(A)で求められる。
次に、本発明の熱成形用多層シートの製造方法の好ましい例について説明する。
本発明の多層シートは、例えば、予め発泡シートを製造し、次に該発泡シートの片面にゴム変性ポリスチレン樹脂層を押出ラミネートにより積層接着し、次に該樹脂層に熱ラミネートによりフィルム層を積層接着することにより製造される。発泡シートの製造、樹脂層の積層接着、フィルム層の積層接着は同一ラインで行なう方法を採用することができ、それぞれを別ラインで行なう方法を採用することができ、どれか二つを同一ラインで行なう方法を採用することもできる。
発泡シートは、次のようにして製造される。
前記したスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレン系樹脂(A)、必要に応じて添加されるスチレン−ブタジエンブロック共重合体、タルクなどの気泡調整剤等を発泡シート形成用押出機に供給し、加熱溶融し混練してから物理発泡剤を圧入し、さらに混練し、発泡可能な樹脂温度に調整して発泡シート形成用樹脂溶融物とする。
前記発泡シート形成用樹脂溶融物を環状ダイに導入し大気中に押出発泡させて、筒状発泡体を形成し、次いで筒状発泡体を円柱状冷却装置に沿わせて引取りながら切り開いてシート状の発泡シートとする。
なお、環状ダイを用いて発泡シートを製造すると、コルゲートと呼ばれる波状模様の発生を抑えて、幅1000mm以上の幅広の発泡シートを容易に製造することができる。
発泡シートの形成に使用する発泡剤としては、炭素数3〜5の飽和炭化水素や、炭素数2〜4の脂肪族エーテル、脂肪族アルコール、二酸化炭素、窒素、水などの物理発泡剤、炭酸水素ナトリウムなどの化学発泡剤を使用できる。これらの発泡剤の中でも、発泡性、熱成形性の観点から、前記炭素数3〜5の飽和炭化水素化合物を用いることが好ましく、その注入量は、最終的に得られる発泡シート中の該炭化水素化合物の含有量が3.5重量%以下(0を含まず)となるようにすることが好ましい。
次に、前記の方法で得られた発泡シートに、前記ゴム変性ポリスチレン樹脂層を押出ラミネートにより積層接着させて樹脂層を形成する。押出ラミネートの方法、押出ラミネートに使用する装置は、従来公知の技術を用いることができる。
次に、熱ラミネートにより前記樹脂層上にフィルム層を形成する。
この場合、予め接着層が設けられたポリオレフィン系樹脂フィルムを用いるか、ポリスチレン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂多層フィルムが用いられる。熱ラミネートの方法、熱ラミネートに使用する装置は、従来公知の技術を用いることができる。
必要に応じて、前記樹脂層、フィルム層が接着された発泡シートの反対側の面に、無延伸ポリスチレン系樹脂フィルム等を熱ラミネートにより積層することができる。この場合、前記フィルム層、樹脂層を積層してから、積層することもできれば、先に反対側のフィルムを積層してから、フィルム層、樹脂層を積層することもできる。
本発明の電子レンジ加熱用容器は、前記熱成形用多層シートを熱成形して得られたものであり、電子レンジ加熱用途に好適に用いられるものである。
熱成形方法としては、真空成形や圧空成形、更にこれらの応用としてフリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等やこれらを組み合わせた成形方法等が挙げられる。
これらの中では、得られた容器の積高さを均一にすることができ、内嵌合容器等の複雑な形状の容器を熱成形可能なマッチド・モールド成形が好適に採用される。
本発明の容器においては、容器の発泡層に積層されている、前記樹脂層とフィルム層と接着層との総積層量が、50g/m以上であることが好ましく、多層シートが最も引き伸ばされる容器の側面などの薄肉部においても該総積層量が50g/m以上であることが好ましい。総積層量が少なすぎると、熱成形時の気泡の膨張力を抑え込むことが困難になり、ブリスターが発生しやすくなる。
また本発明の容器においては、前記総積層量が、発泡シートの気泡内圧1気圧当り50g/m以上であることが好ましい。内圧1気圧当りの総積層量が前記範囲内であると、加熱時に気泡の3次発泡による膨張を効果的に抑え込むことができ、ブリスターの発生をより防止しやすくなる。
該内圧は、前記発泡シートの内圧と同様に、気泡内の空気分圧と残存発泡剤量から求められる分圧との合計であり、夫々の内圧は前記多層シートの場合と同様に求められる。
本発明の容器の展開倍率は、1.1〜2.0が好ましく、より好ましくは1.2〜1.8である。
本発明の容器は、油を含む食品を収納し、電子レンジ等で加熱されても、発泡シートと樹脂層との間の部分的な剥離、膨れ上がり(ブリスター)が起き難いので、商品価値が高いものである。
以下、本発明の多層シートにつき実施例により詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例において、発泡シート形成用の装置として、内径115mmの単軸の第一押出機と内径150mmの単軸の第二押出機を直列に連結した発泡シート形成用のタンデム押出機に、第二押出機の出口に環状ダイ(リップ径180mm、間隙0.4mm)が取付けられた押出装置を用いた。
実施例、比較例で用いたポリスチレン系樹脂(A)、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を表1に、ゴム変性ポリスチレン樹脂を表2に、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物を表3に示した。
実施例1〜6、比較例1〜7
表4に示す配合の原料と、気泡調整剤として前記原料100重量部に対して表4に示す量のタルク(松村産業社製ハイフィラー#12)を前記タンデム押出機の第一押出機に供給して、加熱溶融し混練してから、ノルマルブタン/イソブタン=35/65(重量比)の混合ブタン(表4中には「Bu」と記す。)を前記原料100重量部に対して表4に示す量となるように圧入し、さらに混練して、第二押出機に移送して表4に示す樹脂温度に調整して発泡シート形成用樹脂溶融物とし、該発泡シート形成用樹脂溶融物を環状ダイから、吐出量300kg/hrで大気中に押出し、外径670mmの冷却用筒(マンドレル)の外面に沿わせながら表4に示す速度で引取り、さらに押出方向に沿って2枚に切り開いて、発泡シート(幅1050mm)を製造した。
なお、実施例3では、発泡剤として、上記混合ブタン/ジメチルエーテル=50/50(重量比)の混合発泡剤(表4中には「Bu/DME」と記す。)を用いた。
次に、押出機の出口にTダイが取り付けられた押出ラミネート装置を用い、押出機に表4に示すゴム変性ポリスチレン樹脂を供給して、加熱溶融し混練し、樹脂層形成用樹脂溶融物とし、該樹脂層形成用樹脂溶融物をTダイから押出して、前記発泡シートに積層すると共に、表4に示すフィルムをポリオレフィン面を外表面となるようにして樹脂層に重ね合わせて一対のロール間を通過させることにより3者を積層接着させて、表4に示す坪量の樹脂層及びフィルム層を有する、多層シート(発泡シート/樹脂層/フィルム層)を製造した。このとき、樹脂層形成用樹脂溶融物の押出温度は250℃とし、ライン速度は15m/minとした。
なお、実施例6では、押出機を3台備え、各押出機の出口に共押出用のTダイが取り付けられた押出ラミネート装置を用い、各々の押出機にゴム変性ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン65重量%とポリプロピレン35重量%との混合物、ポリプロピレンを供給して溶融混練し、各々の溶融混練物をゴム変性ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレンとポリプロピレンとの混合物、ポリプロピレンの順でダイ内で積層し、各々の坪量が100g/m、30g/m、30g/mとなるように共押出して、発泡シートに押出ラミネートすることにより、表4に示す坪量の樹脂層及びフィルム層を有する多層シート(発泡シート/樹脂層/接着層/フィルム層)を製造した。上記ゴム変性ポリスチレンとしては、表1に示すHIPS1を用い、上記ポリプロピレンとしては、プライムポリマー社製「J900GP」を用いた。
実施例、比較例で得られた多層シートの物性を表4に示す。
発泡シートの見掛け密度、発泡シートの厚み、全体厚みは、多層シートからそれぞれ無作為に3箇所の測定用サンプルを採取し、該測定用サンプルを用いて前記方法により行ない、それぞれの測定値の算術平均値(n=3)を表中に示した。
発泡シートの内圧は次のようにして求めた。まず、多層シートの無作為に選択した3箇所から測定用サンプルを採取した。該測定用サンプルを用いて前記方法により空気分圧を計算し、それぞれの計算値を算術平均(n=3)することにより発泡シートの空気分圧を求めた。次に、上記サンプル採取箇所の近傍から新たに測定用サンプルを3片採取した。該測定用サンプルを用いて前記方法により残存発泡剤の分圧を計算し、それぞれの計算値を算術平均(n=3)することにより発泡シートの発泡剤分圧を求めた。各々求めた空気分圧と発泡剤分圧とを合計することにより発泡シートの内圧を求め表中に示した。
剥離強度
JIS Z0237に準拠し、積層直後の多層シートについて、一方で発泡シートを、他方で樹脂層及びフィルム層を、それぞれジグで掴み、剥離速度条件400mm/minの90°剥離を行ない、剥離強度(n=3の算術平均値)を求めた。
浅野研究所社製の単発成形機を用いて、得られた多層シートの熱成形を行なった。
金型として、表5に示す展開倍率の容器用のマッチドモールド成形金型(プラグ下)を用い、多層シートの樹脂層側を下側とし、加熱条件は、上ヒーター温度310℃、下ヒーター温度390℃、加熱時間15秒として、多層シートの熱成形を行った。
得られた容器について物性を測定した結果を表5に示す。
容器の内圧は、次のようにして求めた。まず、容器の側壁部の無作為に選択した3箇所から測定用サンプルを採取した。該測定用サンプルを用いて前記方法により空気分圧を計算し、それぞれの計算値を算術平均(n=3)することにより容器発泡層の空気分圧を求めた。次に、上記サンプル採取箇所の近傍から新たに測定用サンプルを3片採取した。該測定用サンプルを用いて前記方法により残存発泡剤の分圧を計算し、それぞれの計算値を算術平均(n=3)することにより容器発泡層の発泡剤分圧を求めた。各々求めた空気分圧と発泡剤分圧とを合計することにより容器の内圧を求め表5中に示した。
容器の側壁部における樹脂層とフィルム層の合計坪量は、容器側壁部からそれぞれ無作為に3箇所の測定用サンプルを採取し、該測定用サンプルを用いて多層シートの坪量の測定方法と同様の方法により行ない、それぞれの測定値の算術平均値(n=3)を表5中に示した。
ブリスター発生の有無は、熱成形で得られた容器に調理済みカレールー約75gを入れ、700Wの電子レンジで120秒間加熱した後のブリスター発生の有無を観察し、以下の基準で評価した。なお、カレールーの境界部は最も過熱されやすい箇所である。
○:ブリスターが発生しなかった。
×:ブリスターが発生した。
また、このとき容器に著しい変形が生じたものを容器の耐熱性「×」、容器に変形が全く生じなかったか、或いは変形が生じても使用上問題とならないレベルであったものを容器の耐熱性「○」として評価した。

Claims (4)

  1. ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする発泡シートの片面に、押出ラミネートにより積層接着されたゴム変性ポリスチレン樹脂層を介して、ポリオレフィン系樹脂フィルム層が積層接着されてなる、厚み0.5〜3mmの熱成形用多層シートであって、
    該ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂が、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合物であり、該混合物の混合状態を表す相構造指数が0.4〜2であり、該発泡シートの見掛け密度が130〜260kg/mであり、該ゴム変性ポリスチレン樹脂層の坪量が70〜200g/mであることを特徴とする熱成形用多層シート。
  2. 前記混合物中のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合比が重量比で50:50〜85:15であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱成形用多層シート。
  3. 前記ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂がスチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物を含み、その含有量が、前記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリスチレン系樹脂(A)との混合物100重量部に対して、0.5〜10重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱成形用多層シート。
  4. 請求項1〜3のいずれかの熱成形用多層シートを熱成形してなる電子レンジ加熱用容器。

JP2012228788A 2012-10-16 2012-10-16 熱成形用多層シート及び電子レンジ加熱用容器 Active JP6083856B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012228788A JP6083856B2 (ja) 2012-10-16 2012-10-16 熱成形用多層シート及び電子レンジ加熱用容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012228788A JP6083856B2 (ja) 2012-10-16 2012-10-16 熱成形用多層シート及び電子レンジ加熱用容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014079940A JP2014079940A (ja) 2014-05-08
JP6083856B2 true JP6083856B2 (ja) 2017-02-22

Family

ID=50784611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012228788A Active JP6083856B2 (ja) 2012-10-16 2012-10-16 熱成形用多層シート及び電子レンジ加熱用容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6083856B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6502727B2 (ja) * 2015-03-31 2019-04-17 積水化成品工業株式会社 熱成型用多層シート及びその製造方法、並びに加熱用容器
JP6850574B2 (ja) * 2016-09-23 2021-03-31 株式会社ジェイエスピー ポリスチレン系樹脂発泡シート、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及びポリスチレン系樹脂積層発泡成形体
JP7074568B2 (ja) * 2018-05-31 2022-05-24 株式会社ジェイエスピー ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法、ポリスチレン系樹脂発泡シート、ポリスチレン系樹脂発泡シートロール状物、及び電子レンジ加熱用容器
JP7428540B2 (ja) 2019-08-06 2024-02-06 株式会社ジェイエスピー ポリスチレン系樹脂発泡シート及びポリスチレン系樹脂積層発泡シート

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63264335A (ja) * 1987-04-22 1988-11-01 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 電子レンジ調理用容器成形用積層発泡シ−ト
JP4059415B2 (ja) * 1998-04-24 2008-03-12 株式会社ジェイエスピー ポリスチレン系樹脂発泡体/ポリオレフィン系樹脂多層体
JP4338114B2 (ja) * 1999-07-14 2009-10-07 株式会社ジェイエスピー ポリスチレン系樹脂発泡体/ポリオレフィン系樹脂多層体
JP5192188B2 (ja) * 2006-10-23 2013-05-08 株式会社ジェイエスピー スチレン系樹脂発泡体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014079940A (ja) 2014-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013237206A (ja) 熱成形用多層シート及び容器
JP6083856B2 (ja) 熱成形用多層シート及び電子レンジ加熱用容器
JP2009155557A (ja) 耐熱発泡シート及びその製造方法並びに食品用容器
JP2008207471A (ja) 熱成形用積層シート及び包装用容器
JP6306920B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シート、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器
TWI829818B (zh) 聚苯乙烯系樹脂多層發泡片及使用該發泡片的間隔紙
JP5673625B2 (ja) 熱成形用積層シート及び積層樹脂製容器
JP6850574B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シート、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及びポリスチレン系樹脂積層発泡成形体
JP6034129B2 (ja) 熱成形用多層シート及び電子レンジ加熱用容器
JP2019111785A (ja) ポリスチレン系樹脂多層発泡シート
JP2008073939A (ja) 積層発泡シート、多層発泡シート及びその製造方法並びに食品用容器
JP4059415B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体/ポリオレフィン系樹脂多層体
JP4484184B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらの容器
JP2014054830A (ja) 熱成形用多層シート及び容器
JP6502727B2 (ja) 熱成型用多層シート及びその製造方法、並びに加熱用容器
JP6899763B2 (ja) ポリスチレン系樹脂多層発泡シート
JP6955997B2 (ja) 多層発泡シート、及び多層発泡シートの製造方法
JP4338114B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体/ポリオレフィン系樹脂多層体
JP6212422B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡板およびその製造方法
JP7495820B2 (ja) ポリスチレン系樹脂多層発泡シート
JP5751670B2 (ja) ポリエチレン系樹脂多層発泡シート及びその成形体
JP2014111339A (ja) 積層発泡シート、及び、発泡成形品
JP6594816B2 (ja) 熱成型用多層シート、及び容器
JP2008074951A (ja) 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート、耐熱シート及びその製造方法並びに食品用容器
JP6802652B2 (ja) ポリスチレン系樹脂多層発泡シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6083856

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250