JP4570224B2 - 熱可塑性樹脂積層発泡シート及びポリスチレン系樹脂発泡シート、並びにそれらの容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらから得られた容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリスチレン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に熱可塑性樹脂フィルムを積層した積層発泡シートが知られ、該積層発泡シートから熱成形によって得られた、丼、カップ等の深絞りの食品用容器が広く用いられてきた。
【0003】
かかる深絞りの食品用容器は、目的とする深絞りの形状が付与されたものでなければならないと共に、商品価値を高めるために側面部に美麗な印刷が施されるのが通常である。従って、深絞り容器の熱成形に用いられる積層発泡シートは、金型再現性、深絞り熱成形性、印刷性が共に優れているものであることが要求される。
【0004】
しかしながら、積層発泡シートの表面が平滑性に欠け表面の凹凸が激しければ、該シートから熱成形によって得られた深絞り容器の表面も平滑性に欠け表面の凹凸が激しいものとなり、その側面部に美麗な印刷を施すことができないものとなる。
【0005】
従来は、表面が平滑な積層発泡シートを得る方法として、ポリスチレン系樹脂発泡シートの押出発泡時に、該シートの表面に空気を吹きかけて冷却し、表層の気泡径を小さく仕上げ、更に該気泡径が小さく仕上げられた表層の上に熱可塑性樹脂フィルムを積層することによって、積層発泡シートの表面を平滑にすることが行われてきた。
【0006】
しかしながら、上記方法によって表面が平滑にされたポリスチレン系樹脂発泡シートは、該シートの表層が発泡時に急激に冷却されるので表層の密度は高いが、発泡シート内部の密度は低いままなので、表層と内部の密度が大きく異なるものであった。このような密度が不均一な積層発泡シートは、熱成形する際に表層と内部の加熱ムラが発生し、加熱条件の温度範囲が狭いという問題を有し、該積層発泡シートから熱成形によって得られた容器は、金型再現性が悪いという問題を有していた。
【0007】
更に、表層が急激に冷却された発泡シートは、熱成形時に破れや透孔が発生しやすいという問題もあった。更に、深絞り容器は開口部の剛性が優れていることも要求される。しかし、従来の積層発泡シートの剛性が未だ不充分であったことから、従来の深絞り容器の開口部の剛性も不充分なものであった。
【0008】
従来は上記問題を解決することができなかったので、深絞り成形性に優れると共に表面が平滑で、剛性にも優れた熱可塑性樹脂積層発泡シートを製造することは困難であった。その結果従来は、金型再現性に優れ、外観が美しく、美麗な印刷が施され、更に開口部の剛性が優れた深絞りの容器を得ることが困難であった。
【0009】
又、従来からポリスチレン系樹脂発泡シートは熱成形して、弁当箱、トレイ等の食品用容器として用いられてきた。
【0010】
かかるポリスチレン系樹脂発泡シートは、使い捨ての食品用容器として低価格で供給することが要求され、そのためには熱成形時の生産性が優れているものであることが要求される。即ち、高速で熱成形できると共に熱成形時に亀裂や破れが発生することがない発泡シートでなければならない。又、使い捨て容器として軽量であることや、包装される食品を保護するための剛性や断熱性を有することも要求される。更に、消費者に好ましい印象を与えるためには、食品容器は外観が美麗であることも要求される。
【0011】
外観が美麗な食品容器を得るためには、ポリスチレン系樹脂発泡シートの表面は美麗で平滑に仕上げられていなければならない。従来は、ポリスチレン系樹脂発泡シートの表面を美麗に仕上げる方法として、発泡シートの気泡径を小さく微細にすると共に、前記積層発泡シートと同様に、押出発泡時に発泡シートの表面に空気を吹きかけて冷却することによって表層を美麗且つ平滑にすることが行われてきた。
【0012】
しかしながら、発泡シートの表面に空気を吹きかけるという方法によって表層が平滑に形成された発泡シートは、前記積層発泡シートと同様に、発泡シートの表層が発泡時に冷却されるため、表層の密度は高いが、発泡シート内部の密度は低いままで、表層の密度と内部の密度が大きく異なったものであった。
【0013】
かかる密度が不均一な発泡シートは、熱成形する際に表層と内部の加熱ムラが発生し、加熱条件の温度範囲が狭く、熱成形時に発泡シートの亀裂や破れ、特に成形品開口部周縁の亀裂や破れが発生しやすく、生産性が向上しないという問題を有するものであった。又、発泡シートの表層と内部の加熱条件が異なることから、従来の発泡シートは加熱条件の温度範囲が狭く高速での成形ができない上に、金型再現性が悪いという問題も発生していた。
【0014】
更に、ポリスチレン系樹脂発泡シートから得られたトレイ等の食品容器は、前述の如く軽量で断熱性に富むことが要求されると同時に、剛性が優れていることも要求される。しかしながら、軽量性及び断熱性と、剛性とは相反する特性であって、これらの物性を同時に付与することは、従来は極めて困難であった。即ち、発泡倍率を大きくして、発泡シートを構成する樹脂量を少なくすれば、軽量性や断熱性は容易に改良することができるが、同時に発泡シートの剛性が低下することを防ぐことができなかった。その結果、従来の発泡シートから熱成形によって得られた容器は、軽量で断熱性に優れていても剛性が不十分であるという問題を有していた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決することを目的とする。即ち本発明は、深絞り形状の容器を熱成形しても発泡シートの破れや透孔が発生することがなく、金型の形状をそのまま再現できると共に表面が平滑で剛性が優れる熱可塑性樹脂積層発泡シート、及び表面が美麗で印刷性に優れ、容器の開口部等の剛性が優れた容器を提供することを目的とする。
【0016】
また本発明は、軽量であっても表面が美麗・平滑で熱成形性に優れ、高速での熱成形時に発泡シートの亀裂や破れが発生することがなく、金型の形状をそのまま再現できるポリスチレン系樹脂発泡シート、及び断熱性、軽量性に優れると共に表面が美麗な容器を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱可塑性樹脂積層発泡シートは、平均気泡径が155〜450μmのポリスチレン系樹脂第一発泡層と平均気泡径が35〜150μmのポリスチレン系樹脂第二発泡層とからなる発泡層と、最外層を構成するように上記ポリスチレン系樹脂第二発泡層に積層されている熱可塑性樹脂層とから構成される熱可塑性樹脂積層発泡シートであって、上記発泡層の密度が0.050g/cm3〜0.700g/cm3 (ただし、0.110g/cm 3 未満を除く)であり、且つ上記ポリスチレン系樹脂第一発泡層の密度D3と上記ポリスチレン系樹脂第二発泡層の密度D4との比(D3/D4)が0.80〜1.25であることを特徴とする。
【0018】
本発明の容器は、上記熱可塑性樹脂積層発泡シートを熱成形して得られた容器であって、熱可塑性樹脂層が外面側に位置することを特徴とする。該容器においては、その開口部の最大長さをDiとし、容器の深さをHとして、H/Diによって定められる絞り比が0.3以上1.3以下であることが好ましい。
【0019】
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、平均気泡径が155〜450μmのポリスチレン系樹脂第一発泡層と平均気泡径が35〜150μmのポリスチレン系樹脂第二発泡層とからなるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、上記発泡シートの密度が0.050g/cm3〜0.700g/cm3であり、且つ上記ポリスチレン系樹脂第一発泡層の密度D13と上記ポリスチレン系樹脂第二発泡層の密度D14との比(D13/D14)が0.80〜1.25(ただし、1.00以下を除く)であることを特徴とする。
【0020】
該ポリスチレン系樹脂発泡シートは、熱可塑性樹脂層がポリスチレン系樹脂第一発泡層に積層されていると共に、ポリスチレン系樹脂発泡シートの坪量と熱可塑性樹脂層の坪量の合計が100〜280g/m2であることが好ましい。
【0021】
本発明の容器は、上記ポリスチレン系樹脂発泡シートを、ポリスチレン系樹脂第二発泡層がポリスチレン系樹脂第一発泡層の外側に位置するように熱成形することによって得られたことを特徴とする。該容器においては、その開口部の最大長さをDiとし、容器の深さをHとして、H/Diによって定められる絞り比が0.1以上0.3未満であることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性樹脂積層発泡シート(以下、「積層発泡シート」という。)は、図1に示すように、ポリスチレン系樹脂第一発泡層(以下、「第一発泡層」という。)とポリスチレン系樹脂第二発泡層(以下、「第二発泡層」という。)とが積層された発泡層と第二発泡層の表面に積層された熱可塑性樹脂層とからなる。尚、図1は、本発明の積層発泡シートの一例を示す縦断面図であって、図1において、1は積層発泡シートを、2は発泡層を、3は第一発泡層を、4は第二発泡層を、5は熱可塑性樹脂層をそれぞれ示す。
【0023】
本発明の積層発泡シート1の発泡層2を構成する基材樹脂は、ポリスチレン系樹脂である。該ポリスチレン系樹脂はスチレンの単独重合体及び共重合体を包含する。該共重合体は、下記の一般式(1)で表されるスチレン系モノマーを共重合成分として含有するものが好ましく、該共重合成分のモノマー単位の含有量は、25重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。
【0024】
【化1】
上記一般式(1)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはハロゲン原子またはメチル基を示し、pは0または1〜3の整数である。
【0025】
上記スチレンの単独重合体や共重合体は、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合物などが例示される。
【0026】
上記ポリスチレン系樹脂は、ビカット軟化点が100℃以上のものを使用することが、発泡層2の耐熱性を向上させることができるので好ましい。ビカット軟化点の上限は、特に制限はないが通常は130℃である。
尚、該ビカット軟化点はJISK7206(試験荷重はA法、液体加熱法の昇温速度は50℃/時)にて求められる。
【0027】
上記ポリスチレン系樹脂は、その溶融粘度が、190℃、剪断速度100/secの条件において、20Pa・s〜10000Pa・sであることが好ましく、100Pa・s〜5000Pa・sであることがより好ましい。該溶融粘度が20Pa.s未満では、発泡層形成時にダイより押出された溶融樹脂を引取ることができず、発泡層の形成が困難になる虞れがある。一方、10000Pa・sを超えると、粘度が高すぎて押出圧力が上昇しすぎるので押出成形が困難になり、良質の発泡層2を得ることができなくなる虞れがある。
【0028】
本発明の発泡層2においては、スチレン二量体及び三量体の成分(以下、併せて「低分子量成分」という。)が2000重量ppm以下のものとすることが好ましく、1000重量ppm以下のものとすることがより好ましい。該成分を2000重量ppm以下にすると、剛性に優れた積層発泡シート1を得ることができる。
更に、第一発泡層3のみを低分子量成分が2000重量ppm以下、より好ましくは1000重量ppm以下として構成し、該第一発泡層3を容器の内側に向けて熱成形することによっても、開口部の剛性に優れた容器を得ることができる。
【0029】
本発明において、上記発泡層中の低分子量成分とは、以下のようにして測定した値である。
【0030】
試料の調整及び測定は次のように行なう。
1.発泡層約0.2gを正確に秤量し、ビーカー中において約15mlのテトラヒドロフランに溶解させる。
2.発泡層がテトラヒドロフランに完全に溶解したことを確認した後、該約15mlのテトラヒドロフラン溶液を、約250mlのn−ペンタン中に滴下してポリスチレン系樹脂を析出させる。次に、上記15mlのビーカー中に約5mlのテトラヒドロフランを入れてビーカー中を洗浄し、該洗浄に使用した約5mlのテトラヒドロフランを前記約250mlのn−ペンタン中に滴下することにより洗浄操作を行なう。該洗浄操作は二回行なう。
3.上記n−ペンタン中に滴下したポリスチレン系樹脂を、No.5Bのろ紙を使用してビーカー中にろ別する。尚、ろ過は、吸引ろ過は行なわず、自然ろ過を行なう。
4.上記ろ液の入ったビーカーを15℃の水浴にて保温しつつ、コンプレッサーエアーをろ液に吹きかけながら6〜8時間かけて、ろ液を約100mlに濃縮する。
5.上記約100mlに濃縮されたろ液に約40mlのアセトニトリルを加え、更に15℃の水浴にて保温しつつ、コンプレッサーエアーをろ液に吹きかけながら2〜3時間かけて、ろ液を約6〜9mlに濃縮する。
6.上記約6〜9mlに濃縮されたろ液にアセトニトリルを加え、全量が10mlとなるように希釈したものを測定用試料とする。
7.上記測定試料を下記仕様の高速液体クロマトグラフに注入して、発泡層中の低分子量成分の含有量を測定する。
【0031】
高速液体クロマトグラフの仕様は次の通りである。
測定装置 株式会社島津製作所製高速液体クロマトグラフ
液送ポンプLC−6A(二台)、自動試料注入装置SIL−6A、紫外線分光光度計検出器SPD−6A、カラムオーブンCTO−6A、システムコントローラSCL−6A、データ処理装置C−R3A
【0032】
測定条件
カラム 信和加工株式会社製 ULTRON VX−ODS(充填材ODSシリカ、内径4.6mm、長さ250mm、粒径5μm)
カラム温度 50℃
移動相 アセトニトリル:水(体積比6:4)を移動層の初期濃度とし、測定試料注入直後からリニアグラジエントを13分間行なうことにより、アセトニトリルのみの移動相とした後、更に22分間溶出させた。
流速 1.5ml/min
検出波長 225nm
注入量 5〜100μlの範囲で適宜選択する。
検量線 スチレン二量体及び三量体の標準試料(関東化学株式会社製)を使用し、絶対検量線法により定量する。
【0033】
本発明においては、上記ポリスチレン系樹脂に、脆性改善等を目的として耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−共役ジエンブロック共重合体や、該共重合体の水添物を添加することができる。
【0034】
又、上記ポリスチレン系樹脂には、本発明の目的を著しく損なわない範囲で、必要に応じて各種の添加剤、例えば、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機充填剤等を添加することができる。
【0035】
本発明の積層発泡シート1を形成するための気泡調整剤、即ち第一発泡層3と第二発泡層4を形成するための気泡調整剤としては、タルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物粉末、又は重炭酸ナトリウム、クエン酸モノナトリウム塩等が例示される。これらの気泡調整剤は、通常は単独で使用されるが2種以上組合せて用いてもよい。
【0036】
気泡調整剤として用いる無機物粉末は、粒子系が小さいほど発泡層の気泡径を小さくする効果が大きいので、使用量が少なくても気泡径が小さくなる。かかる観点から無機物粉末の平均粒子径(遠心沈降法)は30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることが更に好ましい。但し、平均粒子径が小さくなるほど加工に費用がかかり、無機物粉末の価格が高くなるので、0.1μmを下限とすることが好ましい。上記無機物粉末の中でも、タルクが気泡径を小さくする効果が大きいと共に安価なので最も好ましい。
【0037】
本発明の積層発泡シート1における発泡層2の製造に用いる発泡剤、即ち第一発泡層3と第二発泡層4の製造に用いる発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ブタンとi−ブタンとの混合物、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素およびこれらの混合物等の揮発型発泡剤を使用することができる。
但し、オゾン層の破壊等環境へ悪影響のを及ぼすことが少ないハロゲン化水素を含まないものを使用することが好ましい。
【0038】
又、本発明においては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等の分解型発泡剤を使用したり、二酸化炭素等の無機ガスや水を使用することもできる。更に、上記各種の発泡剤を適宜混合して用いることもできる。
【0039】
本発明における発泡剤は、特に限定されず目標とする発泡層2の密度に対応して適宜選択することができる。
【0040】
本発明における発泡層2は平均気泡径が155〜450μmの第一発泡層3と平均気泡径が35〜150μmの第二発泡層4とから構成される。本発明においては、第一発泡層3と第二発泡層4との間に他の発泡層を一層又は複数層介在させることもできる。但し、経済性の点からは、第一発泡層3と第二発泡層4のみで発泡層2を構成することが好ましい。
【0041】
上記第一発泡層3の平均気泡径は、155〜450μmである。平均気泡径が155μm未満の場合は、気泡膜が薄くなるため成形性が悪くなり、特に深絞り形状の成形を行うと、破れや透孔が発生する虞がある。一方、平均気泡径が450μmを超える場合は、外観が悪くなり、断熱性も低下する虞がある。
【0042】
上記第二発泡層4の平均気泡径は35〜150μmである。平均気泡径が35μm未満の場合は、後述する熱可塑性樹脂層5と第二発泡層4との界面において、第二発泡層4に破れや透孔が発生する虞がある。一方、平均気泡径が150μmを超える場合は、第二発泡層4の表面が凹凸状になるので、積層された上記熱可塑性樹脂層5の表面平滑性が悪くなり、熱成形によって得られる容器の外側表面の印刷性が低下する。
【0043】
上記平均気泡径は、つぎのように求める。
まず積層発泡シート1における押出方向に対して垂直な断面、即ち押出方向と直交する幅方向と厚さ方向で定まる面を顕微鏡で撮影し、各々の断面写真について第一発泡層3の厚さt3及び第二発泡層4の厚さt4を測定する。次に、各断面写真の厚さ方向に直線lを引き、直線lと交わる第一発泡層3における全ての気泡の数n3、及び直線lと交わる第二発泡層4における全ての気泡の数n4を数える。
このようにして得られたt3とn3から各断面写真について第一発泡層3の気泡径(t3/n3)を計算し、又t4とn4とから各断面写真について第二発泡層4の気泡径(t4/n4)を計算する。このように第一発泡層3の気泡径と第二発泡層4の気泡径を測定し、前者の平均値を第一発泡層3の平均気泡径とし、後者の平均値を第二発泡層4の平均気泡径とする。
【0044】
上記第一発泡層3の表面気泡数は、15〜115個/4mm2であることが好ましい。表面気泡数が15個/4mm2未満の場合は、断熱性が低下する虞があり、表面気泡数が115個/4mm2を超える場合は、深絞り形状の成形を行うと、破れや透孔が発生する虞がある。
【0045】
上記第二発泡層4の表面気泡数は、120〜500個/4mm2であることが好ましい。表面の気泡数が120個/4mm2未満の場合は、表面平滑性がなくなって印刷性が悪くなる虞がある。一方、表面の気泡数が500個/4mm2を超えると、連続気泡率が増大して熱成形する際の二次発泡が悪くなる虞がある。
【0046】
上記表面気泡数の測定は、反射式投影機(株式会社ミツトヨ製PJ3000)を用いて、第一発泡層3の表面を拡大投影し、該拡大された画面上において実際の試料面積4mm2に相当する面積内の気泡径の数を測定する。具体的には、積層発泡シートの第一発泡層3の表面をカミソリでスライスすることによって厚さ50μmの測定試料を作製し、次に該測定試料を、投影機の試料台に発泡層の表面が投影画面に写し出されるように水平に置き、拡大倍率50倍(面積の拡大倍率で2500倍)に拡大して、投影画面上において100cm2(実際の試料面積4mm2に相当する)範囲内の気泡数を測定する。
【0047】
第二発泡層4の表面気泡数の測定は、積層発泡シートを第二発泡層4と熱可塑性樹脂層5との界面で切り取り、次に熱可塑性樹脂層5が切り取られた第二発泡層4の表面をカミソリで50μmの厚さにスライスし、該50μmの厚さにスライスした測定試料について第一発泡層3の場合と同様に行う。
【0048】
上記表面気泡数の測定においては、反射式投影機の投影画面上の10cm各の正方形の内側を残してその周囲をマスキングテープ等で貼り、該正方形の内部に存在する気泡数を数える。尚、上記正方形の境界線上に気泡が存在している場合は、相対する一の辺を跨っている気泡は測定の対象とするが、相対する他の辺を跨っている気泡は測定の対象としない。
【0049】
上記発泡層2全体の密度は、0.050g/cm3〜0.700g/cm3である。該密度は、深絞り成形が優れているという観点からは、0.110g/cm3〜0.700g/cm3が好ましい。更に、深絞り成形及び断熱性が共に優れているという観点からは、0.110g/cm3〜0.195g/cm3が好ましい。又、容器開口部の剛性が優れているという観点からは、0.262g/cm3〜0.700g/cm3が好ましい。さらに、軽量であると共により高い断熱性を有するという観点からは、0.050g/cm3〜0.105g/cm3が好ましい。
【0050】
発泡層2の密度が0.050g/cm3未満の場合は、熱成形を行うと、伸び不足により容器に透孔が生じる虞がある。又、積層発泡シート1を熱成形して得られた深絞り形状の容器の剛性が小さくなって容器としての機能が低下する虞もある。一方、0.700g/cm3を超える場合は、熱成形して得られた容器が十分に軽量化できなくなる他、断熱性が低下したり、耐衝撃性がなくなったりする虞があり、経済性も低下する。
【0051】
上記発泡層2の密度D2(g/cm3)は次のように求める。
まず、熱可塑性樹脂層5の密度D5(g/cm3)と、後述する顕微鏡より求めた熱可塑性樹脂層5の厚さT5(mm)とから、熱可塑性樹脂層5の坪量W5(g/m2)を、次式によって求める。
【0052】
【数1】
W5=D5×(T5÷10)×10000
【0053】
次に、積層発泡シート1の坪量W1(g/m2)と、熱可塑性樹脂層5の坪量W5(g/m2)とから、発泡層2の坪量W2(g/m2)を次式により求める。
【0054】
【数2】
W2=W1 − W5
【0055】
次に、発泡層2の坪量W2(g/m2)と後述する顕微鏡により求める発泡層2の厚さT2(mm)とから、発泡層2の密度D2(g/cm3)を次式により求める。
【0056】
【数3】
D2=(W2÷10000)÷(T2÷10)
【0057】
上記第一発泡層3の密度D3と上記第二発泡層4の密度D4との比(D3/D4)は0.80〜1.25であり、加熱ムラをより少なくする観点から好ましくは0.82〜1.22であり、更に、0.85〜1.18がより好ましく、高速の熱成形においても加熱ムラを少なくするという観点からは0.90〜1.11が特に好ましい。該比が0.80未満の場合は、第一発泡層3の密度が第二発泡層4の密度に対して小さすぎるので、熱成形する際に第二発泡層4が十分に加熱される前に第一発泡層3が加熱されすぎて発泡層2の加熱ムラが発生し、熱成形可能な加熱条件の温度範囲が狭くなる結果、熱成形によって得られる容器の金型再現性が悪くなる虞がある。一方、該比が1.25を超えると第一発泡層3の密度が第二発泡層4の密度に対して大きくなりすぎるので、熱成形する際に第一発泡層3が十分に加熱される前に第二発泡層4が加熱されすぎて発泡層2の加熱ムラが発生し、熱成形可能な加熱条件の温度範囲が狭くなる結果、発熱層2に破れや透孔が発生する虞がある。
【0058】
本明細書において、第一発泡層3の密度D3と上記第二発泡層4の密度D4との比(D3/D4)は小数点以下3桁目を四捨五入して小数点以下2桁目まで求めた値を採用することとする。
【0059】
本発明の積層発泡シート1の発泡層2は、発泡層全体の密度が0.050g/cm3〜0.700g/cm3であると共に、第一発泡層3及び第二発泡層4の各々の密度が0.050g/cm3〜0.700g/cm3であることが好ましい。更に、深絞り成形性、剛性が優れているという点からは、第一発泡層3及び第二発泡層4の各々の密度が0.110g/cm3〜0.700g/cm3であることが好ましい。更に深絞り成形性及び断熱性が優れているという観点からは、0.110g/cm3〜0.195g/cm3が好ましく、容器開口部の剛性が優れているという観点からは、0.262g/cm3〜0.700g/cm3が好ましい。さらに、軽量性であると共により高い断熱性を有するという観点からは、0.050g/cm3〜0.105g/cm3が好ましい。
【0060】
第一発泡層3の密度が、0.050g/cm3未満の場合は、熱成形を行なうと、第一発泡層3の伸び不足により得られる容器に透孔が発生する虞や、深絞り形状の容器の剛性が小さくなって容器としての機能が低下する虞がある。
一方、該密度が0.700g/cm3を超える場合は、熱成形して得られた容器の断熱性が低下したり、衝撃を受けると割れやすくなったり、経済性が低下する虞がある。
【0061】
第二発泡層4の密度が、0.050g/cm3未満の場合は、熱成形を行なうと第二発泡層4の伸び不足により、第二発泡層4に破れや透孔が発生する虞がある。
一方、該密度が0.700g/cm3を超える場合は、衝撃を受けると割れやすくなったり、熱成形を行なう際に積層発泡シート1の加熱ムラが発生し、金型と同形状の容器が得られない虞がある上に、経済性も低下する。
【0062】
本明細書における第一発泡層3及び第二発泡層4の密度は、各発泡層から採取した短冊状の試験片について重量と体積を測定し、該測定によって得られた重量を体積で割って求めるものとし、試験片の体積は試験片の縦方向長さに横方向長さを掛けて算出した面積に、後述する顕微鏡により求めた各発泡層の厚さを掛けて求めるものとする。
尚、各発泡層の重量を測定する際は、各層の界面で分離した試験片について行うものとする。
【0063】
本明細書において、第一発泡層3と第二発泡層4及び発泡層2の密度は、上記方法によって測定し、g/cm3単位で小数点以下4桁目を四捨五入して小数点以下3桁目まで求めた密度の値を用いて計算する。
【0064】
本発明の積層発泡シート1における発泡層2の厚さは、0.4〜6mmが好ましく、0.5〜4mmがより好ましく、深絞り成形を行なうという点からは0.6〜3mmが特に好ましい。該発泡層2の厚さが0.4mm未満の場合は、積層発泡シートを熱成形して得られる容器の強度や断熱性が低下する虞がある。6mmを超える場合は、積層発泡シートを熱成形する際に発泡層2の内部と外部との間において加熱ムラが発生しやすく、金型の形状を再現した容器を得ることができない虞がある。
【0065】
本発明の積層発泡シート1においては、発泡層2の厚さに対する第一発泡層3の厚さの割合は、20〜80%が好ましく、20〜50%にすると成形性、外観、生産性等のバランスが良くなるのでより好ましい。第一発泡層3の厚さが発泡層2全体の20%未満の場合は、第一発泡層3が薄すぎて深絞り形状の熱成形を行う際の成形性が低下したり、熱成形された容器の開口部等の剛性が低下する虞がある。一方、発泡層2の厚さに対する第一発泡層3の厚さの割合が80%を超える場合は、第二発泡層4が薄すぎて表面が凹凸となり、熱成形された容器の側面部における印刷性が悪くなる虞がある。
【0066】
本明細書における上記積層発泡シート1の厚さ、熱可塑性樹脂層5の厚さ、発泡層2の厚さ、第一発泡層3の厚さ、第二発泡層4の厚さは、積層発泡シート1の押出方向に対して垂直な断面を顕微鏡で撮影し、その写真より求めるものとする。
【0067】
本発明の発泡層2の連続気泡率、即ち第一発泡層3と第二発泡層4とから構成される発泡層2の連続気泡率は、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、20%以下であることが特に好ましい。該連続気泡率が、40%を超えると、熱成形時の二次発泡性や得られる容器の強度等の物性が悪くなる虞がある。
【0068】
上記発泡体の連続気泡率の測定は、ASTM D2856の手順Cに準拠して行う。尚、連続気泡率の測定に用いる発泡層2の体積は、測定試料の面積と発泡層2の厚さから算出し、該発泡層2の厚さは前記の顕微鏡を使用する方法で求めた値を用いるものとする。
【0069】
本発明の積層発泡シート1においては、熱可塑性樹脂層5が第二発泡層4に積層され、最外層を構成する。
該熱可塑性樹脂層5に用いられる樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物が挙げられる。
【0070】
上記各種の樹脂の中でも、第二発泡層4との接着性、熱成形性、印刷性の点から、第二発泡層4の基材樹脂と同様のポリスチレン系樹脂を使用することが好ましく、柔軟性があって取り扱いやすい点で、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂がより好ましい。
【0071】
尚、上記熱可塑性樹脂層5には、本発明の目的を著しく損なわない範囲で、必要に応じて各種の添加剤、例えば、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機充填剤等を添加することができる。
【0072】
熱可塑性樹脂層5は少なくとも一層の樹脂層からなり、上記各種の樹脂の中から同種又は異なる種類の樹脂を選択し、複数の層からなる樹脂層として構成することもできる。
【0073】
熱可塑性樹脂層5の厚さは、10〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましい。該熱可塑性樹脂層5の厚さが10μm未満の場合は、熱成形する際に破れや透孔が発生する虞があり、熱成形によって得られた容器の開口部等の剛性が低下する虞もある。一方、500μmを超える場合は、加熱時間を長くしなければならないので、第二発泡層4の表面が加熱されすぎて凹凸が発生して外観不良になる虞がある。
【0074】
尚、本発明の積層発泡シート1は、第一発泡層3の表面にも熱可塑性樹脂層を積層することができる。熱可塑性樹脂層に用いることができる樹脂及び該樹脂層の厚さは、上記熱可塑性樹脂層5と同様である。但し、第一発泡層3側の熱可塑性樹脂層として、同じ樹脂を使用しなければならない理由はなく、用途や目的に応じて異なる樹脂を選択することができる。
【0075】
本発明の積層発泡シート1において、熱可塑性樹脂層5と第二発泡層4との層間の接着強度は、980mN/25mm以上であることが好ましく、2940mN/25mm以上であることがより好ましく、4900mN/25mm以上であることが特に好ましい。接着強度が980mN/25mm未満の場合は、熱成形の際に熱可塑性樹脂層5と第二発泡層4との間において剥離が発生する虞がある。尚、必要に応じて第一発泡層3の表面に熱可塑性樹脂層を積層した場合の接着強度は、第二発泡層4に熱可塑性樹脂層5を積層した場合と同様である。
【0076】
上記の熱可塑性樹脂層5と第二発泡層4との層間の接着強度は次のように求める。
積層発泡シート1から押出方向に平行な帯状の幅25mmの試験片を切り出し、JIS Z0237に準拠して剥離速度300mm/minの条件にて90°剥離試験を行ない、その結果得られた測定値(mN/25mm)を層間の接着強度とする。
尚、上記測定において25mm幅の試験片を作製できない場合は、できるだけ広幅の試験片を作製し、該試験片についての測定値(mN/試験片の幅mm)に(試験片の幅mm/25mm)をかけて得られた値を接着強度(mN/25mm)とする。
【0077】
本発明の積層発泡シート1の厚さは、0.5〜7mmが好ましく、0.7〜5mmがより好ましく、深絞り成形に優れているという点からは0.7〜4mmが特に好ましい。該積層発泡シートの厚さが0.5mm未満の場合は、得られる容器の強度や断熱性が低下する虞がある。一方、該厚さが7mmを超えると、熱成形を行う際に、シートの内部と外部の間において加熱ムラが発生しやすく、金型の形状を再現した容器を得ることができない虞がある。
【0078】
次に、本発明の積層発泡シート1の製造方法について説明する。
第一発泡層3は、押出機を用いて基材樹脂、気泡調整剤等の各種の添加剤、発泡剤を溶融混練した後、目的とする樹脂温度に調整された該基材樹脂等の溶融混合物を、高圧のダイ内から大気圧下に放出することによって形成される。尚、溶融混合物が高圧のダイ内から大気圧下に放出される際、必要に応じて第一発泡層3に空気を吹きかけて冷却することによって、平均気泡径を微調整することができる。
【0079】
第一発泡層3を形成するための発泡剤の添加量、気泡調整剤の添加量は、基材樹脂の種類・発泡剤の種類、気泡調整剤の種類や、目的とする各発泡層の密度によって適宜選択できるが、通常は、基材樹脂100重量部に対して、発泡剤は0.5〜10重量部、気泡調整剤0.1〜10重量部である。又、上記放出される溶融混合物の樹脂温度は、基材樹脂の種類、発泡剤の種類、気泡調整剤の種類や、目的とする発泡層の密度によって適宜選択できるが、通常は120〜250℃である。
【0080】
第一発泡層3における平均気泡径の調整は、例えば、基材樹脂100重量部当たり気泡調整剤としてタルクを0.1〜0.6重量部添加することによって行なう。
【0081】
第二発泡層4における平均気泡径の調整は、気泡調整剤の添加量が多い以外は、第一発泡層3の場合と同様である。具体的には、例えば、気泡調整剤としてタルクを0.6〜10重量部添加する。
但し、第二発泡層4における平均気泡径は、気泡調整剤の量を調節する以外に、溶融混合物が大気圧下に放出される際に空気を吹きかけて冷却すること等によって微調整することができる。
【0082】
但し、上記発泡時における空気による冷却は微調整にすぎない。本発明においては、第二発泡層4の気泡径を大気泡発泡層3の気泡径とは無関係に、気泡調整剤の量によって独自に調節できるので、従来の製法とは異なり少量の空気を吹きかけるだけで気泡径の小さい第二発泡層4を得ることができる。
【0083】
第一発泡層3と、第二発泡層4とを積層する方法としては、共押出法、熱融着法等が挙げられる。
【0084】
上記共押出法は、第一発泡層3の基材樹脂及び発泡剤等の溶融樹脂混合物と、第二発泡層4の基材樹脂及び発泡剤等の溶融樹脂混合物とを、ダイ内で融着し一体としてシート状に押出して発泡させる方法である。
該共押出法により二層からなる発泡層2を得るための方法には、▲1▼フラットダイを用いて第一発泡層3と第二発泡層4とを積層してから、板状に共押出することにより積層された発泡層2とする方法、▲2▼環状ダイを用いて第一発泡層3と第二発泡層4とを積層してから筒状に共押出した後、該筒状発泡体を切開いて積層された発泡層2とする方法、▲3▼環状ダイを用いて第一発泡層3と第二発泡層4とを積層してから筒状に共押出しすると共に、該発泡体の内面が接着可能な状態にあるうちに挾圧ロールで該発泡体を挟み込み、内面を圧着することによって貼り合わせて積層された発泡層2とする方法が挙げられる。
【0085】
上記共押出法は、発泡工程と積層工程とを同時にしかも連続的に行うことができるので生産性に優れる上に、発泡層同士の接着性、外観が極めてよいものが得られる。共押出法の中では、上記▲2▼の環状ダイを用いて筒状に共押出した後、該筒状発泡体を切開いて発泡層2を得る方法が、広幅の発泡層2を製造しやすいので好ましい。
【0086】
上記熱可塑性樹脂層5は、押出機を用いて基材樹脂と各種の添加剤を溶融混練した後、Tダイやサーキュラーダイ等の各種のダイからシート状に押出すことによって形成することができる。
【0087】
熱可塑性樹脂層5と発泡層2との積層は、熱可塑性樹脂層5と、第一発泡層3及び第二発泡層4からなる発泡層2との押出樹脂温度が異なるので、予め形成された発泡層2に熱可塑性樹脂層5を接着剤や、加熱融着や、押出ラミネートによって積層することが好ましい。但し、本発明はこれらに限定するものではなく、共押出しによって積層することもできる。
【0088】
次に、積層発泡シート1から得られた本発明の容器について説明する。
該容器は、上記積層発泡シート1の熱可塑性樹脂層5が積層された面が外面側に位置するように熱成形された容器である。熱可塑性樹脂層5が積層された面を外面側に位置するように熱成形すると、上記積層発泡シート1に破れや透孔が発生することを防ぐことができる。
【0089】
又、熱可塑性樹脂層5は平均気泡径が小さく、表面が平滑な第二発泡層4に積層されているので、熱可塑性樹脂層5の表面も平滑になり、外観が美麗である。しかも適度な圧縮強度を有しているので、深絞り形状の容器の外面側に印刷する場合であっても、かすれ等の印刷不良が発生することが殆どなく、良質の容器を得ることができる。
【0090】
更に、容器の内面側となる第一発泡層3を低分子量成分の含有量が少ないポリスチレン系樹脂発泡層として構成すると、剛性に優れた容器を得ることができる。
【0091】
本発明の容器は、雄型及び/又は雌型からなる金型を使用して積層発泡シート1を熱成形することにより得ることができる。該熱成形法としては、真空成形や圧空成形、更にこれらの応用としてフリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等やこれらを組み合わせた成形方法等が挙げられる。かかる熱成形法は、短時間に連続して容器を得ることができるので、好ましい方法である。
【0092】
積層発泡シート1から熱成形によって得られる容器の絞り比は、通常は0.1以上1.5以下であるが、0.3以上1.3以下の深絞りが好ましい。絞り比が1.5より大きいと部分的に薄い箇所が発生する虞がある。
尚、絞り比は、容器開口部の最大長さをDiとし、容器の深さをHとして、H/Diによって定められる。
【0093】
本発明の容器は、トレイ、丼、弁当箱、カップ等の用途に用いられ、特に開口部の形状が円形の深絞り形状の容器は、曲面印刷性が優れているので丼、カップ用として好適である。
【0094】
次に、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、「発泡シート」という。)について説明する。
該発泡シートは、図2に示すように、第一発泡層と第二発泡層とからなる。尚、図2は、本発明の発泡シートの一例を示す縦断面図であって、図2において、12は発泡シートを、13は第一発泡層を、14は第二発泡層をそれぞれ示す。
【0095】
本発明の発泡シート12を構成する基材樹脂は、前述した積層発泡シート1の発泡層2を構成する基材樹脂と同様である。又、発泡シート12を、スチレンの低分子量成分が2000重量ppm以下のものとすると開部の剛性に優れた容器が得られる点で好ましいこと、ポリスチレン系樹脂に、脆性改善等を目的として耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−共役ジエンブロック共重合体や、該共重合体の水添物を添加することができること、ポリスチレン系樹脂に、本発明の目的を著しく損なわない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を添加することができることも同様である。
【0096】
又、本発明の発泡シート12を形成するための気泡調整剤、即ち第一発泡層13と第二発泡層14を形成するための気泡調整剤は、前述した積層発泡シート1の発泡層2を形成するための気泡調整剤と同様である。
【0097】
又、本発明の発泡シート12の製造に用いる発泡剤、即ち第一発泡層13と第二発泡層14の製造に用いる発泡剤は、前述した積層発泡シート1の発泡層2の製造に用いる発泡剤と同様である。
【0098】
又、本発明の発泡シート12が平均気泡径が155〜450μmの第一発泡層13と平均気泡径が35〜150μmの第二発泡層14とから構成されることも、前述した積層発泡シート1の発泡層2と同様である。
尚、本発明の発泡シート12は、後述するように外観が美麗で成形性が良好とするためには第二発泡層が第一発泡層の外側に位置するように成形することが好ましい。
【0099】
発泡シート12における第一発泡層13の平均気泡径は、155〜450μmである。平均気泡径が155μm未満の場合は、気泡膜が薄くなるため熱成形性が悪くなり、例えば高速成形を行う場合に亀裂や破れが発生する虞がある。一方、平均気泡径が450μmを超える場合は、外観が悪くなり、断熱性も低下する虞がある。
【0100】
発泡シート12における第二発泡層14の平均気泡径は35〜150μmである。平均気泡径が35μm未満の場合は、熱成形時に亀裂や破れが発生する虞がある。一方、平均気泡径が150μmを超える場合は、第二発泡層3の表面が荒い凹凸状になるので、表面平滑性が悪くなる虞がある。
【0101】
発泡シート12における第一発泡層13及び第二発泡層14の平均気泡径の求め方は、前述した積層発泡シート1の第一発泡層3及び第二発泡層4の平均気泡径の求め方に準じて行うものとする。
【0102】
発泡シート12における第一発泡層13の表面気泡数は、15〜100個/4mm2であることが好ましい。表面気泡数が15個/4mm2未満の場合は、断熱性が低下する虞があり、表面気泡数が100個/4mm2を超える場合は、この面を内側として熱成形を行うと亀裂や破れが発生する虞がある。
【0103】
発泡シート12における第二発泡層14の表面気泡数は、120〜500個/4mm2であることが好ましい。表面の気泡数が120個/4mm2未満の場合は、表面平滑性がなくなって外観が悪くなる虞がある。一方、表面の気泡数が500個/4mm2を超えると、連続気泡率が増大して熱成形する際の二次発泡が悪くなる虞がある。
【0104】
発泡シート12における第一発泡層13の表面気泡数は、前述した積層発泡シート1の第一発泡層3の表面気泡数の測定に準じて求めるものとする。発泡シート12における第二発泡層14の表面気泡数も、前述した積層発泡シート1の第一発泡層3の平均気泡径の測定に準じて求めるものとする。
【0105】
発泡シート12全体の密度は、前述した積層発泡シート1の発泡層2の密度と同様に0.050g/cm3〜0.700g/cm3である。該密度は、深絞り成形が優れているという観点からは、0.110g/cm3〜0.700g/cm3が好ましい。更に、深絞り成形及び断熱性が共に優れているという観点からは、0.110g/cm3〜0.195g/cm3が好ましい。又、容器開口部の剛性が優れているという観点からは、0.262g/cm3〜0.700g/cm3が好ましい。さらに、軽量であると共により高い断熱性を有するという観点からは、0.050g/cm3〜0.105g/cm3が好ましい。
【0106】
発泡シート12の密度が0.050g/cm3未満の場合は、気泡膜が薄くなるので熱成形を行うと、伸び不足により容器に亀裂や破れが生じる虞がある。一方、密度が0.700g/cm3以上の場合は、熱成形時の発泡シート加熱時間を長くしなければならなくなったり、容器が重たくなり軽量化できなくなる虞がある。
【0107】
本明細書における発泡シート12の密度D12(g/cm3)は、発泡シート12の坪量S12(g/m2)と前述した顕微鏡により求めた発泡シート12の厚さT12(mm)とから次式により求める。
【0108】
【数4】
D12=(S12÷10000)÷(T12÷10)
【0109】
発泡シート12の上記第一発泡層13の密度D13と第二発泡層14の密度D14との比(D13/D14)は、前述した積層発泡シート1における第一発泡層3の密度D3と上記第二発泡層4の密度D4との比(D3/D4)と同様に、加熱ムラを少なくする観点から0.80〜1.25が好ましく、0.82〜1.22がより好ましく、0.85〜1.18が更に好ましく、高速の熱成形においても加熱ムラを少なくするという観点からは0.90〜1.11が特に好ましい。
【0110】
発泡シート12は、発泡シート全体の密度が0.050g/cm3〜0.700g/cm3であると共に、第一発泡層13及び第二発泡層14の各々の密度が0.050g/cm3〜0.700g/cm3であることが好ましい。更に、連続熱成形性、剛性が優れているという点からは、第一発泡層13及び第二発泡層14の各々の密度が0.110g/cm3〜0.700g/cm3であることが好ましく、0.110g/cm3〜0.195g/cm3であることがより好ましく、容器開口部の剛性が優れているという観点からは、0.262g/cm3〜0.700g/cm3であることが好ましい。さらに、軽量であると共により高い断熱性を有するという観点からは、0.050g/cm3〜0.105g/cm3が好ましい。
【0111】
第一発泡層13の密度が0.050g/cm3未満の場合は、熱成形を行うと、伸び不足により容器に亀裂や破れが生じる虞があり、容器の剛性が低下して容器としての機能も低下する虞がある。一方、該密度が0.110g/cm3以上の場合は、熱成形によって得られた容器が十分に軽量化できなくなる他、断熱性が低下したり、耐衝撃性がなくなる虞があり、経済性も低下する。
【0112】
第二発泡層14の密度が、0.050g/cm3未満の場合は、気泡膜が薄くなるので熱成形を行うと、伸び不足により容器に亀裂や破れが生じる虞がある。一方、該密度が0.110g/cm3以上の場合は、衝撃を受けると割れやすくなったり、熱成形を行う際に発泡シートの加熱ムラが発生し、金型と同形状の容器が得られない虞がある上に、経済性も低下する。
【0113】
発泡シート12の第一発泡層13及び第二発泡層14の密度の測定は、前述した積層発泡シート1の第一発泡層3の測定に準じて行うものとする。
【0114】
発泡シート12の厚さは、0.4〜5mmが好ましく、0.5〜4mmがより好ましく、熱成形の生産性が優れているという観点から0.6〜3mmが特に好ましい。該発泡シート12の厚さが0.4mm未満の場合は、発泡シートを熱成形して得られる容器の強度や断熱性が低下する。5mmを超える場合は、発泡シートを熱成形する際に発泡シート12の内部と外部との間において加熱ムラが発生しやすく、金型の形状を再現した容器を得ることができない虞がある。
【0115】
発泡シート12の厚さに対する第一発泡層13の厚さの割合は、20〜80%が好ましく、50〜80%にすると熱成形性が向上するのでより好ましい。第一発泡層13の厚さが発泡シート1全体の20%未満の場合は、第一発泡層13が薄すぎて熱成形性が低下するので、亀裂や破れが発生する虞がある。一方、発泡シート1の厚さに対する第一発泡層13の厚さの割合が80%を超える場合は、第二発泡層14が薄くなりすぎるので美感が損なわれる虞がある。
【0116】
発泡シート12の厚さ、第一発泡層13の厚さ、第二発泡層14の厚さは、前述した、積層発泡シート1における発泡層2の厚さ、第一発泡層3の厚さ、第二発泡層4の厚さの測定に準じて測定するものとする。
【0117】
発泡シート12の連続気泡率は、前述した積層発泡シート1の発泡層2の連続気泡率と同様である。又、該連続気泡率の測定も、前述した発泡層2の連続気泡率の測定に準じて行うものとする。
【0118】
本発明の発泡シート12は、図3に一例を示すように、熱可塑性樹脂層15が第一発泡層12に積層されていると共に、発泡シート12の坪量と熱可塑性樹脂層15の坪量の合計が100〜280g/m2であることが好ましい。かかる構成の発泡シート12は、ポリスチレン系樹脂第二発泡層がポリスチレン系樹脂第一発泡層の外側に位置するように熱成形されると、外観が美麗で強度も優れた容器となるので、トレイ、弁当箱等の浅絞り成形用に好適である。
但し、本発明においては熱可塑性樹脂層を発泡シート12の両面に積層することもできる。
【0119】
図3に示す態様の発泡シート12において、熱可塑性樹脂層15は第一発泡層13に積層されていることが好ましい。かかる発泡シート12においては、第一発泡層13は平均気泡径が大きく圧縮強度が高いことから、第一発泡層13と熱可塑性樹脂層15との接着性が良好である。その結果、熱成形における熱可塑性樹脂層15の伸びムラが少ないので、得られた容器は厚みが均一なものとなる。
【0120】
図3に示す態様の発泡シート12において、合計の坪量が100g/m2未満の場合は、シート全体の強度が弱くなる虞がある。一方、合計の坪量が280g/m2を超えるとトレイ、弁当箱等の浅絞り成形用の発泡シート12としては、得られる容器の厚みが大きくなりすぎる虞があると共に、軽量性、経済性が低下する虞がある。
【0121】
尚、図3に示す態様の発泡シート12において、発泡シート12の密度の測定は前述した積層発泡シート1の発泡層2の測定に準じて行うものとする。又、熱可塑性樹脂層15が積層された第一発泡層13の密度、平均気泡径、表面気泡数の測定は、前述した積層発泡シート1の第二発泡層14の測定に準じて行うものとする。
【0122】
熱可塑性樹脂層15は少なくとも一層の樹脂層からなり、複数の層からなる樹脂層として構成することもできる。特に、印刷層を含む二層から構成すると外観が美麗なものとなる。該印刷層は、例えば、印刷インキ等によって描かれた絵柄や文字等からなる任意の模様によって構成される。
【0123】
熱可塑性樹脂層15に用いられる樹脂としては、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリスチレンや耐衝撃性ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物が挙げられる。
【0124】
上記各種の樹脂の中でも、発泡シート12との接着性、熱成形性の点から、ポリスチレン系樹脂を使用することが好ましい。
【0125】
尚、上記熱可塑性樹脂層15には、本発明の目的を著しく損なわない範囲で、必要に応じて各種の添加剤、例えば、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機充填剤等を添加することができる。
【0126】
熱可塑性樹脂層15の厚みは、10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。該厚みが10μm未満では、熱成形する際に熱可塑性樹脂層15に亀裂や破れが発生する虞があり、100μmを超えると軽量性がなくなり、経済性が悪くなる虞がある。
【0127】
本発明の発泡シートの製造方法は、前述した積層発泡シート1の発泡層2の製造方法と同様である。
【0128】
図3に示す態様の発泡シート12においては、熱可塑性樹脂層15を発泡シート1に積層する方法として、例えば、予め押出インフレーション法等によって製造された熱可塑性樹脂フィルムを接着剤によって発泡シート12に積層する方法、予め製造された熱可塑性樹脂フィルムを加熱ロール等を用いて加熱融着させることによって発泡シート12に積層する方法、Tダイを用いて熱可塑性樹脂を押出して発泡シート12に積層する方法、共押出によって熱可塑性樹脂層15と発泡シート1とを積層する方法等が挙げられる。これらの方法の中でも、経済性及び生産性に優れるという点及びで、予め押出インフレーション法等によって製造された熱可塑性樹脂フィルムを加熱ロール等を用いて加熱融着させる方法が好ましい。
【0129】
上記方法の中では、熱可塑性樹脂フィルムを加熱ロール等を用いて加熱融着させる方法が、無延伸の押出インフレーションフィルムや、延伸により剛性・透明性が付与された押出インフレーションフィルムを用途に応じて使いわけることができるので好ましい。又、該方法によれば、印刷された熱可塑性樹脂層15を積層する際に、印刷された面側を発泡シート12に積層することによって印刷面が収納される食品と接触することを防ぐことができる。
【0130】
次に、発泡シート12から得られる本発明の容器について説明する。
該容器は、発泡シート12を第二発泡層14が第一発泡層13の外側に位置するように熱成形することによって得られた容器である。第二発泡層14が積層された面を外面側に位置するように熱成形すると、外観が美麗な容器を得ることができる。
【0131】
該容器を、発泡シート12を熱成形することにより得る方法は、前述した積層発泡シート1から熱成形によって容器を得る方法と同様である。
【0132】
発泡シート12から得られる容器の絞り比は、0.1以上0.3未満の浅い絞り比が好ましい。絞り比が0.3を超えると、容器の内側に亀裂や破れが発生する虞がある。
尚、絞り比は、容器開口部の最大長さをDiとし、容器の深さをHとして、H/Diによって定められる。
【0133】
発泡シート1から得られる容器は、トレイ、弁当箱等の用途に好適に用いられる。
【0134】
【実施例】
次に、本発明の積層発泡シート及び該シートから熱成形によって得られた容器について実施例1〜5、比較例1〜3によりさらに詳細に説明する。なお、実施例2は参考例である。
【0135】
以下の実施例、比較例において、実施例1〜4、比較例1〜3の場合は、第一発泡層3及び第二発泡層4の基材樹脂として、共に出光石油化学株式会社製ポリスチレン「HH32、溶融粘度2040P・s、密度1.05g/cm3、ビカット軟化点100℃以上」(以下、「樹脂A」という。)を使用した。
【0136】
実施例5の場合は、第一発泡層3の基材樹脂として、低分子量成分の含有量が少ない東洋スチレン株式会社製ポリスチレン「トーヨースチロールGP HRM−55、密度1.05g/cm3、ビカット軟化点100℃以上」(以下、「樹脂B」という。)を使用し、第二発泡層4の基材樹脂として「樹脂A」を使用した。
【0137】
上記樹脂Aの溶融粘度は、チアスト社製レオビス2100を使用して、内径1.0mm、長さ10mmのノズルを用い、温度190℃、剪断速度100/secの条件下にて測定した。
【0138】
実施例1〜5、比較例1〜3におけるタルクは、松村産業株式会社製ハイフィラー♯12を使用し、発泡剤は、n−ブタン70wt%とiso−ブタン30wt%からなるブタン混合物を使用した。
【0139】
実施例1〜5、比較例1〜3における熱可塑性樹脂層5は、日本ポリスチレン株式会社製耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)「H640N(密度1.05g/cm3)」(以下、「樹脂C」という。)を使用した。
【0140】
実施例1
第一発泡層3の形成には、バレル直径115mmの第一押出機とバレル直径150mmの第二押出機とからなるタンデム押出機を使用した。第一押出機の原料投入口から、樹脂A100重量部にタルク0.3重量部が添加された混合物を投入して加熱混練し、該混合物を約200℃に調整した後、樹脂Aとタルクの混合物100重量部に対して2.5重量部の発泡剤を圧入し、次いで、第二押出機内で樹脂温度を165℃に調整した。
【0141】
第二発泡層4の形成には、バレル直径115mmの第一押出機とバレル直径150mmの第二押出機とからなるタンデム押出機を使用した。第一押出機の原料投入口から、樹脂A100重量部にタルク0.9(重量部が添加された混合物を投入して加熱混練し、該混合物を約200℃に調整した後、樹脂Aとタルクの混合物100重量部に対して2.9重量部の発泡剤を圧入し、次いで、第二押出機内で樹脂温度を165℃に調整した。
【0142】
上記第一発泡層3を形成する溶融樹脂混合物と、第二発泡層4を形成する溶融樹脂混合物とを、両者共同じ吐出量で共押出用ダイ内に押出して、該ダイ内で両者を合流させてから大気圧下に筒状に放出し、筒状の内側及び外側に空気を吹きかけ、該筒状の放出物を直径340mmの冷却された円筒に沿わせて引取りながら切開いて、第一発泡層3と第二発泡層4とが積層された発泡層2を製造した。
【0143】
次に、押出ラミネート法により熱可塑性樹脂層5を形成し、本発明の積層発泡シート1を得た。具体的には、バレル直径110mmの押出機を使用し、幅1200mmのTダイから樹脂Cを押出して、上記発泡層2の第二発泡層4側に熱可塑性樹脂層5を積層した。
【0144】
実施例2
第一発泡層3として樹脂A100重量部あたりタルク0.4重量部を添加し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり4.9重量部の発泡剤を圧入し、第二発泡層4として樹脂A100重量部に対してタルク0.9重量部を添加し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部に対して3.6重量部の発泡剤を圧入し、第一発泡層3を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を、第二発泡層4を形成する溶融樹脂混合物の吐出量の0.66倍とすることにより発泡層2における第一発泡層3の厚さの割合を変えた以外は、実施例1と同様に積層発泡シート1を製造した。
【0145】
実施例3
第一発泡層3を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を、第二発泡層4を形成する溶融樹脂混合物の吐出量の3倍とすることにより発泡層2における第一発泡層3の厚さの割合を変えた以外は、実施例1と同様に積層発泡シート1を製造した。
【0146】
実施例4
第一発泡層3を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を、第二発泡層4を形成する溶融樹脂混合物の吐出量の0.33倍とすることにより発泡層2における第一発泡層3の厚さの割合を変えた以外は、実施例1と同様に積層発泡シート1を製造した。
得られた積層発泡シートは、熱成形可能な加熱条件の温度範囲が特に広いものであった。
【0147】
実施例5
第一発泡層3として樹脂B100重量部あたりタルク0.3重量部を添加し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり5.0重量部の発泡剤を圧入し、第二発泡層4として樹脂A100重量部に対してタルク0.81重量部を添加し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部に対して3.0重量部の発泡剤を圧入し、第一発泡層3を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を、第二発泡層4を形成する溶融樹脂混合物の吐出量の0.43倍とすることにより発泡層2における第一発泡層3の厚さの割合を変えた以外は、実施例1と同様に積層発泡シート1を製造した。
得られた積層発泡シートは、熱成形可能な加熱条件の温度範囲が広いものであった。尚、第一発泡層3の低分子量成分は、920重量ppmであった。
【0148】
比較例1
第一発泡層3として樹脂A100重量部あたりタルク0.3重量部を添加し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり2.5重量部の発泡剤を圧入し、第二発泡層4として樹脂A100重量部あたりタルク0.81重量部を添加し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり2.0重量部の発泡剤を圧入した以外は、実施例1と同様に積層発泡シート1を得た。
【0149】
比較例1において得られた積層発泡シート1は、第一発泡層3と第二発泡層4の密度が異なるので、熱成形する際、加熱条件の温度範囲が狭く、金型再現性が悪いものであった。
【0150】
比較例2
第一発泡層3として樹脂A100重量部あたりタルク0.5重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.1重量部の発泡剤を圧入し、第二発泡層4として樹脂A100重量部あたりタルク0.3重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.6重量部の発泡剤を圧入した以外は実施例1と同様に積層発泡シート1を製造した。
【0151】
比較例2において得られた積層発泡シート1は、第二発泡層4の平均気泡径が160μmとなり、熱成形された容器の側面部における印刷性が悪いものであった。
【0152】
比較例3
第一発泡層3として樹脂A100重量部あたりタルク0.45重量部を添加して加熱混練し、第二発泡層4として樹脂A100重量部あたりタルク0.75重量部を添加して加熱混練した以外は実施例1と同様に積層発泡シート1を製造した。
【0153】
比較例3において得られた積層発泡シート1は、第一発泡層3の平均気泡径が140μmとなり、熱成形性が悪く、特に深絞り成形を行うと透孔が発生した。
【0154】
上記実施例1〜5、比較例1〜3において得られた各積層発泡シートの第一発泡層3の平均気泡径・密度・表面気泡数、第二発泡層4の平均気泡径・密度・表面気泡数、発泡層2の厚さに対する第一発泡層3の厚さの割合、発泡層2の厚さに対する第二発泡層4の厚さの割合、発泡層2の厚さ、積層発泡シート1の厚さを実施例1〜5については表1に、比較例1〜3については表2に示す。
【0155】
上記実施例1〜5、比較例1〜3において得られた積層発泡シートの連続気泡率は、いずれも8〜20%であった。又、発泡層2と熱可塑性樹脂層5との接着性は良好で、いずれの積層発泡シートについても上記剥離試験において発泡層2の材料破壊が確認された。
【0156】
上記実施例、比較例における具体的な厚さの測定は、前記した方法に基づいて次のように行った。
各実施例、比較例で得られた積層発泡シート1につき、試験片を幅方向に等間隔で10箇所サンプリングし、各試験片における押出方向に対して垂直な断面を顕微鏡で撮影し、次に、各々の断面写真について各層の厚さを測定し、該10点の厚さの平均値を各層の厚さとした。又、表1、表2の発泡層2における第一発泡層3の厚さや、第二発泡層4の厚さの割合はこれらの平均値から算出した。
【0157】
上記実施例、上記比較例における具体的な密度の測定は、前記した方法に基づいて次のように行った。
積層発泡シート1から、押出方向に平行に長さ20mm、幅5mmの長方形の試験片を切出し、該試験片の厚さ方向断面を顕微鏡で撮影した。次に、該顕微鏡写真について、第一発泡層3の厚さl3(mm)と、第二発泡層4の厚さl4(mm)を測定した。次に、該試験片の重量w1(g)を測定してから、該試験片の熱可塑性樹脂層5を発泡層2から切り取り、該熱可塑性樹脂層5の重量w5を測定した。尚、このとき熱可塑性樹脂層5と第二発泡層4との界面に可能な限り近い位置で熱可塑性樹脂層5を切り取り、該切取った熱可塑性樹脂層5に第二発泡層4が多量に付着している場合は、第二発泡層4のみを削りとってから、該熱可塑性樹脂層5の重量w5(g)を測定した。
【0158】
次に、熱可塑性樹脂層5を切り取った残りの発泡層2から、スライサーを使用して第一発泡層3と第二発泡層4との可能な限り界面に近い位置を目標に、第二発泡層4を複数回に分けて平面状に切り取り、残った第一発泡層3の重量w3(g)を測定した。尚、第二発泡層4を切取る際には、試験片の縦断面を油性インキで着色し、該断面を適宜顕微鏡で観察し、第二発泡層4と第一発泡層3の界面を確認しながら切取った。
【0159】
尚、第一発泡層3と第二発泡層4との界面が不明確な場合は、押出発泡する際に、どちらか一方の発泡層に着色剤を添加することにより、発泡層の密度、発泡層の厚さ、平均気泡径等を明確に判断することができる。
【0160】
こうして得られた試験片の重量w1(g)、第一発泡層3の厚さl3(mm)、第二発泡層4の厚さl4(mm)、該熱可塑性樹脂層5の重量w5(g)、第一発泡層3の重量w3(g)から、第一発泡層3の密度d3、及び第二発泡層4の密度d4を次式により求めた。
【0161】
【数5】
d3=w3÷{2×0.5×(l3÷10)}
【数6】
d4=(w1−w3−w5)÷{2×0.5×(l4÷10)}
【0162】
以上の測定を、積層発泡シート1の幅方向における等間隔の10箇所について行い、各d3より求めた算術平均値から第一発泡層3の密度D1(g/cm3)を、各d4より求めた算術平均値から第二発泡層4の密度D2(g/cm3)をそれぞれ求めた。
【0163】
上記実施例1〜5、比較例1〜3において得られた積層発泡シートについて、プラグアシスト法により熱可塑性樹脂層5が積層された面を外面側に位置するように熱成形して、開口部が直径150mmの円形、深さ70mm、絞り比0.46の丼形状の容器を得た。
【0164】
上記成形によって得られた各容器の深絞り成形性、印刷性、金型再現性、成形の加熱条件の温度範囲の広さの評価を実施例1〜5については表1に、比較例1〜3については表2に示す。
【0165】
深絞り成形性の評価は、成形の底部周縁等の円弧状に引伸ばされて成形されている部分(以下、「コーナー部」という。)に破れや透孔が発生しているか否かを目視にて評価した。
○・・・容器のコーナー部に破れや透孔が発生していない。
×・・・容器のコーナー部に破れや透孔が発生している。
【0166】
印刷性の評価は、容器の側面部に曲面印刷を行い、容器の表面の印刷がかすれているかどうか否かを目視にて評価した。
○・・・容器の表面の印刷にかすれが無い。
×・・・容器の表面の印刷にかすれがある。
【0167】
金型再現性は熱成形を行い金型形状と同様な容器が得られるか否かを評価した。
○・・・金型形状と同様に再現されている。
×・・・金型形状と同様に再現されていない。
【0168】
【表1】
【0169】
【表2】
【0170】
次に、本発明の発泡シート及び該シートから熱成形によって得られた容器について、実施例6〜9、比較例4〜7によりさらに詳細に説明する。なお、実施例6および実施例9は参考例である。実施例6〜9、比較例4、5、7における発泡シート12の基材樹脂は、実施例1と同様に樹脂Aを使用し、タルクは、実施例1と同様に松村産業(株)製ハイフィラー♯12を使用し、発泡剤は、実施例1と同様にn−ブタン70wt%とiso−ブタン30wt%からなるブタン混合物を使用した。
【0171】
実施例6〜8、比較例4、5、7における熱可塑性樹脂層は、インフレーションフィルム(厚さ25μm、東和加工株式会社製「Dタイプ」)を使用して形成した。
【0172】
実施例6
第一発泡層13の形成には、バレル直径115mmの第一押出機とバレル直径150mmの第二押出機とからなるタンデム押出機を使用した。第一押出機の原料投入口から、樹脂A100重量部あたりタルク0.53重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.5重量部の発泡剤を圧入し、次いで、第二押出機内で樹脂温度を165℃に調整した。
【0173】
第二発泡層14の形成には、バレル直径115mmの第一押出機とバレル直径150mmの第二押出機とからなるタンデム押出機を使用した。第一押出機の原料投入口から、樹脂A100重量部あたりタルク0.77重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.0重量部の発泡剤を圧入し、次いで、第二押出機内で樹脂温度を165℃に調整した。
【0174】
上記第一発泡層13を形成する溶融樹脂混合物と、第二発泡層14を形成する溶融樹脂混合物とを、両者共同じ吐出量で共押出用ダイ(樹脂出口、直径84mm、0.5mmの円形状の細隙)内に押出して、該ダイ内で両者を合流させて積層させてから大気圧下に、第一発泡層13を内側として筒状に放出し、該筒状の放出物を直径340mmの冷却された円筒に沿わせて引取りながら切開いて、第一発泡層13と第二発泡層14とが積層された発泡シート12を製造した。
【0175】
次に、印刷層が設けられた厚み25μmのインフレーションフィルムを、加熱ロールを使用する熱ラミネート法により、印刷層が発泡シート側を向くように第一発泡層13側に積層し、図3に示す態様の発泡シートを得た。
【0176】
実施例7
第一押出機において、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.55重量部の発泡剤を圧入し、第二押出機において、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.7重量部の発泡剤を圧入した以外は、実施例6と同様に発泡シートを製造した。
【0177】
次いで、印刷層が設けられた厚み25μmのインフレーションフィルムを、加熱ロールを使用する熱ラミネート法により、印刷層が発泡シート側を向くように第一発泡層13側と第二発泡層14側の両方に積層し、熱可塑性樹脂層が積層された発泡シート12を得た。
【0178】
実施例8
第一発泡層13を形成するために樹脂A100重量部あたりタルク0.38重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.0重量部の発泡剤を圧入したこと、第二発泡層14を形成するために樹脂A100重量部あたりタルク0.77重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.5重量部の発泡剤を圧入したこと、第一発泡層13を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を第二発泡層14を形成する溶融樹脂混合物の吐出量の4倍とし、第二発泡層13を内側として大気圧下に筒状に放出したこと以外は実施例6と同様に本発明の発泡シートを製造した。
【0179】
次いで、印刷層が設けられた厚み25μmのインフレーションフィルムを、加熱ロールを使用する熱ラミネート法により、印刷層が発泡シート12側を向くように第二発泡層13側に積層し、図3に示す態様の発泡シートを得た。
【0180】
実施例9
第一発泡層13を形成するために樹脂A100重量部あたりタルク0.53重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.8重量部の発泡剤を圧入したこと、第二発泡層14を形成するために樹脂A100重量部あたりタルク0.77重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.1重量部の発泡剤を圧入したこと、第一発泡層13を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を、第二発泡層14を形成する溶融樹脂混合物の吐出量の0.33倍とすることにより発泡シート12の厚さに対する第一発泡層13の厚さの割合を変えたこと以外は、実施例6と同様に本発明の発泡シート12を製造した。
【0181】
比較例4
第一発泡層13を形成するために樹脂A100重量部あたりタルク0.35重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.2重量部の発泡剤を圧入したこと、第二発泡層14を形成するために樹脂A100重量部あたりタルク0.67重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり2.5重量部の発泡剤を圧入したこと以外は、実施例6と同様に発泡シート12を製造した。
【0182】
次いで、印刷層が設けられた厚み25μmのインフレーションフィルムを、加熱ロールを使用する熱ラミネート法により、印刷層が発泡シート側を向くように第二発泡層14に積層し、図3示す態様の発泡シートを得た。
【0183】
比較例4において得られた発泡シートは、密度が0.22g/cm3となり軽量性に欠けるものであった。
【0184】
比較例5
第一発泡層13を形成するために樹脂A100重量部あたりタルク0.38重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.8重量部の発泡剤を圧入したこと、第二発泡層14を形成するために樹脂A100重量部あたりタルク0.47重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.3重量部の発泡剤を圧入したこと以外は、実施例6と同様に発泡シートを製造した。
【0185】
次いで、印刷層が設けられた厚み25μmのインフレーションフィルムを、加熱ロールを使用する熱ラミネート法により、印刷層が発泡シート12側を向くように第一発泡層13と第二発泡層14の両方に積層し、熱可塑性樹脂層が積層された発泡シート12を得た。
【0186】
比較例5において得られた積層発泡シートは、第二発泡層14の平均気泡径が250μmとなり、外観が悪いものであった。
【0187】
比較例6
第一発泡層13を形成するために樹脂A100重量部あたりタルク0.67重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.6重量部の発泡剤を圧入したこと、第二発泡層14を形成するために樹脂A100重量部あたりタルク0.76重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.1重量部の発泡剤を圧入したこと以外は実施例6と同様に発泡シート12を製造した。
【0188】
比較例6において得られた発泡シートは、第一発泡層13の平均気泡径が100μmとなり、熱成形性が悪く亀裂や破れが発生した。
【0189】
比較例7
比較例6と同様に発泡シートを製造した。
次いで、印刷層が設けられた厚み25μmのインフレーションフィルムを、加熱ロールを使用する熱ラミネート法により、印刷層が発泡シート12側を向くように第一発泡層13に積層し、図3に示す態様の発泡シートを得た。
【0190】
上記実施例6〜9、比較例4〜7おいて得られた第一発泡層の平均気泡径・密度・表面気泡数、第二発泡層の平均気泡径・密度・表面気泡数、発泡シートの厚さに対する第一発泡層の厚さの割合、発泡シートの厚さに対する第二発泡層の厚さの割合、発泡シートの厚さを実施例6〜9については表3に、比較例4〜7については表4に示す。
【0191】
上記実施例6〜9、比較例4〜7において得られた発泡シートの連続気泡率は、いずれも8〜20%であった。
又、発泡シートと熱可塑性樹脂層との接着は良好で、いずれの熱可塑性樹脂層が積層された発泡シートにおいても、発泡シートの材料破壊が確認された。
【0192】
【表3】
【0193】
【表4】
【0194】
上記実施例6〜9、比較例4〜7における発泡シートの厚さ・第二発泡層の厚さ・第一発泡層、熱可塑性樹脂層積層後の発泡シートの厚さの具体的な測定は、前記実施例1〜5、比較例1〜3と同様に行なった。
【0195】
実施例6〜8、比較例4、5、7における厚さの測定は、熱可塑性樹脂層を積層した後に行った。
【0196】
実施例6〜8、比較例4、5、7における発泡シートの具体的な密度の測定は、前述した実施例1〜5、比較例1〜3と同様に行った。
【0197】
上記実施例9及び比較例6における発泡シートの具体的な密度の測定は、前記した方法に基づいて次のように行った。
発泡シートから、押出方向に平行に長さ20mm、幅5mmの長方形の試験片を切出し、該試験片の厚さ方向断面を顕微鏡で撮影した。次に、該顕微鏡写真について、発泡シートの第一発泡層の厚さL13(mm)と、発泡シートの第二発泡層の厚さL14(mm)を測定した。次に、該試験片の重量w12(g)を測定した。
【0198】
次に、スライサーを使用して第一発泡層と第二発泡層との可能な限り界面に近い位置を目標に、第二発泡層を複数回に分けて平面状に切り取り、残った第一発泡層の重量w13(g)を測定した。尚、第二発泡層を切取る際には、試験片の縦断面を油性インキで着色し、該断面を適宜顕微鏡で観察し、第二発泡層と第一発泡層の界面を確認しながら行った。
【0199】
尚、第一発泡層と第二発泡層との界面が不明確な場合は、押出発泡する際に、どちらか一方の発泡層に着色剤を添加することにより両層の界面を明確にすれば、発泡層の密度、発泡層の厚さ、平均気泡径等を測定することができる。
【0200】
こうして得られた試験片の重量w12(g)、第一発泡層の厚さL13(mm)、第二発泡層の厚さL14(mm)、第一発泡層の重量w13(g)から、第一発泡層の密度d13、及び第二発泡層の密度d14を次式により求めた。
【0201】
【数7】
d13=w13÷{2×0.5×(L13÷10)}
【数8】
d14=(w12−w13)÷{2×0.5×(L14÷10)}
【0202】
以上の測定を、発泡シートの幅方向における等間隔の10箇所について行い、各d13より求めた平均値から第一発泡層の密度D13(g/cm3)を、各d14より求めた平均値から第二発泡層の密度D14(g/cm3)をそれぞれ求めた。
【0203】
上記実施例6〜9、比較例4〜7において得られた発泡シートについて、プラグアシスト法により、第二発泡層が第一発泡層の外側に位置するように熱成形を行い、開口部が縦150mm、横120mmでコーナー部が丸い略長方形(最大開口部長さ153mm)、深さ30mm、絞り比0.19のトレイ形状の容器を得た。
【0204】
上記成形によって得られた各容器の熱成形性、外観、軽量性の評価を実施例6〜9については表3に、比較例4〜7については表4に示す。
【0205】
熱成形性の評価は、前記トレイ形状の容器の開口部周縁や底部周縁等において引伸ばされて成形されている部分(以下、「コーナー部」という。)に亀裂や破れが発生しているか否かを目視にて評価した。
○・・・容器のコーナー部に亀裂や破れが発生していない。
×・・・容器のコーナー部に亀裂や破れが発生している。
【0206】
外観の評価は、前記トレイ形状の容器外側の表面が平滑であるか否か、美麗であるか否かを目視にて評価した。
○・・・容器外側の表面が平滑で、美麗である。
×・・・容器外側の表面に凸凹があるので平滑さに欠け、美感が損なわれている。
【0207】
軽量性については、発泡シートの坪量が280g/m2以下の場合は軽量性があると評価し、発泡シートの坪量が280g/m2を超える場合は軽量性がないと評価した。
○・・・発泡シートの坪量が280g/m2以下である。
×・・・発泡シートの坪量が280g/m2超える。
【0208】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂積層発泡シートは、平均気泡径が155〜450μmのポリスチレン系樹脂第一発泡層と平均気泡径が35〜150μmのポリスチレン系樹脂第二発泡層とからなる発泡層と、最外層を構成するように上記ポリスチレン系樹脂第二発泡層に積層されている熱可塑性樹脂層とから構成される熱可塑性樹脂積層発泡シートであって、上記発泡層の密度が0.050g/cm3〜0.700g/cm3であり、且つ上記ポリスチレン系樹脂第一発泡層の密度D3と上記ポリスチレン系樹脂第二発泡層の密度D4との比(D3/D4)が0.80〜1.25であるという構成を採用している。従って、従来の熱可塑性樹脂積層発泡シートと比較すると剛性があり、熱成形する際に加熱ムラが発生せず、熱成形可能な加熱条件の温度範囲が広い。又、本発明の熱可塑性樹脂積層発泡シートは深絞り成形が可能で、金型再現性に優れている。更に、上記熱可塑性樹脂層は平均気泡径が小さく表面が平滑なポリスチレン系樹脂第二発泡層に積層されているので、熱可塑性樹脂層の表面が平滑で、外観が美麗であり、印刷性にも優れている。
【0209】
本発明の容器は、上記熱可塑性樹脂積層発泡シートを熱成形して得られた容器であって、熱可塑性樹脂層が積層された面が外面側となるように構成されている。従って、本発明の容器は、深絞り形状であっても破れや透孔がなく、従来の熱可塑性樹脂積層発泡シートを熱成形した容器と比較し、容器の開口部等の剛性に優れた容器である。また、本発明の容器は容器の外面側が平滑で印刷適性に優れているので、外観が美麗な上に、容器の外面側に印刷してもかすれ等の印刷不良が発生しない。該容器は、絞り比が0.3以上1.3以下の深絞りの場合に、外観が美麗で剛性が優れる丼、コップ等として好適なものとなる。
【0210】
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、平均気泡径が155〜450μmのポリスチレン系樹脂第一発泡層と平均気泡径が35〜150μmのポリスチレン系樹脂第二発泡層とからなるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、上記発泡シートの密度が0.050g/cm3〜0.700g/cm3であり、且つ上記ポリスチレン系樹脂第一発泡層の密度D13と上記ポリスチレン系樹脂第二発泡層の密度D14との比(D13/D14)が0.80〜1.25である。従って、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、軽量性を有すると共に熱成形性が優れており、高速で熱成形を行っても亀裂や破れが発生しない。又、外観が美麗である。ポリスチレン系樹脂第二発泡層の表面の気泡が細かく平滑であるため、該第二発泡層が特に美麗である。従って、ポリスチレン系樹脂第二発泡層がポリスチレン系樹脂第一発泡層の外側に位置するするように熱成形された容器は、外観が美麗なものとなる。
【0211】
上記発泡シートは、熱可塑性樹脂層がポリスチレン系樹脂第一発泡層に積層されていると共に、ポリスチレン系樹脂発泡シートの坪量と熱可塑性樹脂層の坪量の合計が100〜280g/m2であるという構成を採用すると、外観がより美麗となり、軽量であると共に強度も向上し、トレイ、弁当箱等の浅絞りの熱成形用に好適なものとなる。また、平均気泡径が大きく圧縮強度が高い第一発泡層に熱可塑性樹脂層が積層されているので、第一発泡層と熱可塑性樹脂層との接着性が良好である。その結果、熱成形における熱可塑性樹脂層の伸びムラが少なくなり、得られた容器は厚みが均一なものとなる。特に、ポリスチレン系樹脂第二発泡層がポリスチレン系樹脂第一発泡層の外側に位置するように熱成形された浅絞りの容器は、外観が美麗で金型形状が正確に再現されたものとなる。
【0212】
さらに上記ポリスチレン系樹脂発泡シートを熱成形して得られた容器は、ポリスチレン系樹脂第二発泡層がポリスチレン系樹脂第一発泡層の外側に位置するように熱成形されている。従って、容器は軽量性を有すると共に、外観が美麗で、容器の外面側が平滑である。該容器は、絞り比が0.1以上0.3未満の浅絞りの場合に、外観が美麗で剛性が優れるトレイ、弁当箱等として好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の熱可塑性樹脂積層発泡シートの一例を示す縦断面図である。
【図2】図2は、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの一例を示す縦断面図である。
【図3】図3は、熱可塑性樹脂層が積層されたポリスチレン系樹脂発泡シートの一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂積層発泡シート
2 発泡層
3 第一発泡層
4 第二発泡層
5 熱可塑性樹脂層
12 発泡シート
13 第一発泡層
14 第二発泡層
15 熱可塑性樹脂層
Claims (7)
- 平均気泡径が155〜450μmのポリスチレン系樹脂第一発泡層と平均気泡径が35〜150μmのポリスチレン系樹脂第二発泡層とからなる発泡層と、最外層を構成するように上記ポリスチレン系樹脂第二発泡層に積層されている熱可塑性樹脂層とから構成される熱可塑性樹脂積層発泡シートであって、上記発泡層の密度が0.050g/cm3〜0.700g/cm3 (ただし、0.110g/cm 3 未満を除く)であり、且つ上記ポリスチレン系樹脂第一発泡層の密度D3と上記ポリスチレン系樹脂第二発泡層の密度D4との比(D3/D4)が0.80〜1.25であることを特徴とする熱可塑性樹脂積層発泡シート。
- 請求項1記載の熱可塑性樹脂積層発泡シートを熱成形して得られた容器であって、熱可塑性樹脂層が外面側に位置する容器。
- 容器開口部の最大長さをDiとし、容器の深さHとして、H/Diによって定められる絞り比が0.3以上1.3以下である請求項2記載の容器。
- 平均気泡径が155〜450μmのポリスチレン系樹脂第一発泡層と平均気泡径が35〜150μmのポリスチレン系樹脂第二発泡層とからなるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、上記発泡シートの密度が0.050g/cm3〜0.700g/cm3であり、且つ上記ポリスチレン系樹脂第一発泡層の密度D13と上記ポリスチレン系樹脂第二発泡層の密度D14との比(D13/D14)が0.80〜1.25(ただし、1.00以下を除く)であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シート。
- 熱可塑性樹脂層がポリスチレン系樹脂第一発泡層に積層されていると共に、ポリスチレン系樹脂発泡シートの坪量と熱可塑性樹脂層の坪量の合計が100〜280g/m2であることを特徴とする請求項4記載のポリスチレン系樹脂発泡シート。
- 請求項4又は5記載のポリスチレン系樹脂発泡シートを、ポリスチレン系樹脂第二発泡層がポリスチレン系樹脂第一発泡層の外側に位置するように熱成形することによって得られたことを特徴とする容器。
- 容器開口部の最大長さをDiとし、容器の深さをHとして、H/Diによって定められる絞り比が0.1以上0.3未満である請求項6記載の容器。
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