JP2001088252A - ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらの容器 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらの容器

Info

Publication number
JP2001088252A
JP2001088252A JP2000205205A JP2000205205A JP2001088252A JP 2001088252 A JP2001088252 A JP 2001088252A JP 2000205205 A JP2000205205 A JP 2000205205A JP 2000205205 A JP2000205205 A JP 2000205205A JP 2001088252 A JP2001088252 A JP 2001088252A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
foamed
foam
sheet
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000205205A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4484184B2 (ja
Inventor
Yoshihisa Ishihara
義久 石原
Takeshi Aoki
健 青木
Katsuhiro Shirie
克宏 尻江
Masaaki Yukitani
雅明 行谷
Hirobumi Mikoshiba
寛文 御子柴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSP Corp
Original Assignee
JSP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSP Corp filed Critical JSP Corp
Priority to JP2000205205A priority Critical patent/JP4484184B2/ja
Publication of JP2001088252A publication Critical patent/JP2001088252A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4484184B2 publication Critical patent/JP4484184B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、軽量であっても表面が美麗・平滑
で熱成形性に優れ、熱成形時に発泡シートの亀裂や破れ
が発生することがなく、金型の形状をそのまま再現でき
るポリスチレン系樹脂発泡シート、及び表面が美麗な容
器を提供することを目的とする。また本発明は、軽量で
あっても表面が美麗・平滑で熱成形性に優れ、熱成形時
に発泡シートの破れや透孔が発生することがなく、金型
の形状をそのまま再現できる熱可塑性樹脂積層発泡シー
ト、及び表面が美麗で印刷性に優れる容器を提供するこ
とも目的とする。 【解決手段】 本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート
1は、密度が0.05g/cm3以上0.11g/cm3
未満の発泡シート1であって、平均気泡径が155〜4
50μmのポリスチレン系樹脂第一発泡層2と平均気泡
径が35〜150μmのポリスチレン系樹脂第二発泡層
3とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリスチレン系樹
脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びに
それらから得られた容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリスチレン系樹脂発泡シー
トを熱成形して得られた、弁当箱、トレイ、丼、カップ
等が食品用容器として用いられてきた。
【0003】かかるポリスチレン系樹脂発泡シートは、
使い捨ての食品用容器として低価格で供給することが要
求され、そのためには熱成形時の生産性が優れているも
のでなければならない。即ち、高速で熱成形できると共
に熱成形時に亀裂や破れが発生することがない発泡シー
トであることが要求される。又、使い捨て容器として軽
量であることや、包装される食品を保護するための剛性
や断熱性を有することも要求される。更に、消費者に好
ましい印象を与えるためには、食品容器は外観が美麗で
あることも要求される。
【0004】外観が美麗な食品容器を得るためには、ポ
リスチレン系樹脂発泡シートの表面は美麗で平滑に仕上
げられていなければならない。従来は、ポリスチレン系
樹脂発泡シートの表面を美麗に仕上げる方法として、発
泡シートの気泡径を小さく微細にすると共に、押出発泡
時に、発泡シートの表面に空気を吹きかけて冷却するこ
とによって表層を美麗且つ平滑にすることが行われてき
た。
【0005】しかしながら、発泡シートの表面に空気を
吹きかけるという方法によって表層が平滑に形成された
ポリスチレン系樹脂発泡シートは、熱成形時に発泡シー
トの亀裂や破れ、特に成形品開口部周縁の亀裂や破れが
発生しやすく、生産性が向上しないという問題を有する
ものであった。又、発泡シートの表層と内部の加熱条件
が異なることから、従来の発泡シートは加熱条件の温度
範囲が狭く高速での成形ができない上に、金型再現性が
悪いという問題も有していた。
【0006】更に、ポリスチレン系樹脂発泡シートから
得られた食品容器は、前述の如く軽量で断熱性に富むこ
とが要求されると同時に、剛性が優れていることも要求
される。しかしながら、軽量性及び断熱性と、剛性とは
相反する特性であって、これらの物性を同時に付与する
のは極めて困難であった。即ち、発泡倍率を大きくし
て、ポリスチレン系樹脂発泡シートを構成する樹脂量を
少なくすれば、軽量性や断熱性は容易に改良することが
できるが、同時にポリスチレン系樹脂発泡シートの剛性
が低下するので、該発泡シートから熱成形によって得ら
れた容器は剛性が不十分になるという問題があった。
【0007】また、従来からポリスチレン系樹脂発泡シ
ートの少なくとも片面に熱可塑性樹脂フィルムを積層し
た積層ポリスチレン系樹脂発泡シートが知られ、該積層
発泡シートを熱成形して得られた、弁当箱、トレイ、
丼、カップ等も食品用容器として用いられてきた。
【0008】上記容器の中でも丼、カップ等の深絞り容
器として使用される成形用の積層発泡シートは、軽量
性、成形性と共に印刷性も重要な特性として要求されて
きた。
【0009】しかしながら、軽量性と、熱成形性及び印
刷性を同時に満足することは、極めて困難であって、従
来はこれらの特性を同時に満足する積層発泡シートを提
供することはできなかった。即ち、深絞り容器の場合、
軽量化という観点から密度は0.11g/cm3未満
(発泡倍率10倍以上)であることが要求されるのに対
し、密度が0.11g/cm3未満になるまで発泡倍率
を大きくして樹脂量を少なくすると、熱成形性、印刷性
が悪化することを防ぐことができなかった。
【0010】従来は、印刷性を向上させる手段として、
積層発泡シートを構成する発泡シートの製造時におい
て、発泡シートが発泡する際、その表面を急冷すること
により表面を平滑にして印刷性を向上させることが試み
られてきた。しかし、かかる方法では、積層発泡シート
の印刷性を向上させることはできても、表層の気泡径が
小さくなってしまうため熱成形性は向上せず、却って悪
くなる場合さえあった。
【0011】即ち、丼、カップ等の深絞り形状の容器を
熱成形によって得るには、積層発泡シートを加熱して軟
化させてから、雄型及び/又は雌型からなる金型を用い
て深絞りの形状に賦形することによって行われる。しか
し、押出発泡時に表面が急冷された発泡シートは、表面
は平滑になるが、同時に表層の気泡径が小さくなり気泡
膜が薄くなるので、熱成形時に発泡シートの破れや透孔
が発生するため良好な深絞り形状の容器は得られなかっ
た。
【0012】又、丼、カップ等の深絞り形状の容器は商
品価値を高めるために、側面部が美麗であることが要求
され、更に美麗な印刷を施されることが多い。容器の側
面を美麗に仕上げて印刷適性も向上させるためには、深
絞り成形用の積層発泡シートにおいて熱可塑性樹脂層が
積層された側の発泡シートの表面は特に平滑であること
が要求される。しかしながら、前述したように熱成形性
を犠牲にすることなく、熱可塑性樹脂層が積層された側
の発泡シートの表面を美麗で平滑に仕上げることが従来
はできなかった。
【0013】従って、従来は、軽量であると共に熱成形
性に優れ、外観が美しく、美麗な印刷が施された深絞り
形状の容器を得ることができる熱可塑性樹脂積層発泡シ
ートは存在しなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決することを目的とする。即ち本発明は、軽量であっ
ても表面が美麗・平滑で熱成形性に優れ、熱成形時に発
泡シートの亀裂や破れが発生することがなく、金型の形
状をそのまま再現できるポリスチレン系樹脂発泡シー
ト、及び表面が美麗な容器を提供することを目的とす
る。
【0015】また本発明は、軽量であっても表面が美麗
・平滑で熱成形性に優れ、熱成形時に発泡シートの破れ
や透孔が発生することがなく、金型の形状をそのまま再
現できる熱可塑性樹脂積層発泡シート、及び表面が美麗
で印刷性に優れる容器を提供することも目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のポリスチレン系
樹脂発泡シートは、密度が0.05g/cm3以上0.
11g/cm3未満の発泡シートであって、平均気泡径
が155〜450μmのポリスチレン系樹脂第一発泡層
と平均気泡径が35〜150μmのポリスチレン系樹脂
第二発泡層とからなることを特徴とする。
【0017】上記ポリスチレン系樹脂発泡シートは、熱
可塑性樹脂層がポリスチレン系樹脂第一発泡層に積層さ
れていると共に、ポリスチレン系樹脂発泡シートの坪量
と熱可塑性樹脂層の坪量の合計が100〜280g/m
2であることが好ましい。
【0018】本発明の容器は、ポリスチレン系樹脂第二
発泡層がポリスチレン系樹脂第一発泡層の外側に位置す
るように熱成形することによって得られたことを特徴と
する。該容器は、容器開口部の最大長さをDとし、容器
の深さをHとして、H/Dによって定められる絞り比が
0.1以上0.3未満であることが好ましい。
【0019】本発明の熱可塑性樹脂積層発泡シートは、
密度0.05g/cm3以上0.11g/cm3未満の発
泡層と熱可塑性樹脂層とからなる熱可塑性樹脂積層発泡
シートにおいて、上記発泡層は、平均気泡径が155〜
450μmのポリスチレン系樹脂第一発泡層と平均気泡
径が35〜150μmのポリスチレン系樹脂第二発泡層
とからなり、上記熱可塑性樹脂層は最外層を構成するよ
うにポリスチレン系樹脂第二発泡層に積層されているこ
とを特徴とする。
【0020】本発明の容器は、熱可塑性樹脂積層発泡シ
ートを熱成形して得られた容器であって、熱可塑性樹脂
層が外面側に位置する。該容器は、容器開口部の最大長
さをDとし、容器の深さをHとして、H/Dによって定
められる絞り比が、0.3以上1.3以下であることが
好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のポリスチレン系樹脂発泡
シート(以下、「発泡シート」という。)は、図1に示
すように、ポリスチレン系樹脂第一発泡層(以下、「第
一発泡層」という。)とポリスチレン系樹脂第二発泡層
(以下、「第二発泡層」という。)とからなる。尚、図
1は、本発明の発泡シートの一例を示す縦断面図であっ
て、図1において、1は発泡シートを、2は第一発泡層
を、3は第二発泡層をそれぞれ示す。
【0022】また、本発明の熱可塑性樹脂積層発泡シー
ト(以下、「積層発泡シート」という。)は、図3に示
すように、発泡層と熱可塑性樹脂層とからなる。尚、図
3は、本発明の積層発泡シートの一例を示す縦断面図で
あって、図3において、10は積層発泡シートを、11
は発泡層を、12は第一発泡層を、13は第二発泡層
を、14は熱可塑性樹脂層をそれぞれ示す。
【0023】次に、発泡シート1について説明する。本
発明の発泡シート1は押出発泡により製造され、その基
材樹脂はポリスチレン系樹脂である。該ポリスチレン系
樹脂はスチレンの単独重合体及び共重合体を包含する。
該共重合体は、下記の一般式(1)で表されるスチレン
系モノマーを共重合成分として含有するものが好まし
く、該共重合成分のモノマー単位の含有量は、25重量
%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。
【0024】
【化1】 上記一般式(1)において、Rは水素原子またはメチル
基を示し、Zはハロゲン原子またはメチル基を示し、p
は0または1〜3の整数である。
【0025】上記スチレンの単独重合体や共重合体は、
ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、
スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共
重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、ポリスチレン−ポリフェニレンエーテル
共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの
混合物などが例示される。
【0026】上記ポリスチレン系樹脂は、ビカット軟化
点が100℃以上のものを使用することが、発泡シート
1の耐熱性を向上させることができるので好ましい。
尚、該ビカット軟化点はJISK7206(試験荷重は
A法、液体加熱法における液体の昇温速度は50℃/
時)にて求められる。
【0027】本発明で用いられるポリスチレン系樹脂
は、その溶融粘度が、190℃、剪断速度100/se
cの条件において、20Pa・s〜10000Pa・s
であることが好ましく、100〜5000Pa・sであ
ることがより好ましい。該溶融粘度が20Pa・s未満
では、発泡シート1を形成する際にダイより押出された
溶融樹脂を引取ることができず、発泡シート1の形成が
困難になる虞れがある。一方、10000Pa・sを超
えると、粘度が高すぎて押出圧力が上昇して押出成形が
困難になり、良質の発泡シート1を得ることができなく
なる虞れがある。
【0028】本発明においては、上記ポリスチレン系樹
脂に、脆性改善等を目的としてスチレン−共役ジエンブ
ロック共重合体やその水添物をブレンドしたものを添加
することができる。
【0029】又、上記ポリスチレン系樹脂には、本発明
の目的を著しく損なわない範囲で、必要に応じて各種の
添加剤、例えば、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電
防止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃
剤、無機充填剤等を添加することができる。
【0030】本発明の発泡シート1の製造に用いる発泡
剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−
ブタンとi−ブタンとの混合物、ペンタン、ヘキサン等
の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の
環式脂肪族炭化水素、トリクロロフロロメタン、ジクロ
ロジフロロメタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1
−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1,1,2−テ
トラフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロラ
イド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素およ
びこれらの混合物等の揮発型発泡剤を使用することがで
きる。但し、オゾン層の破壊等環境へ悪影響のを及ぼす
ことが少ないハロゲン化水素を含まないものを使用する
ことが好ましい。
【0031】又、本発明においては、アゾジカルボンア
ミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビス
イソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等の分解型発泡
剤を使用したり、二酸化炭素等の無機ガスや水を使用す
ることもできる。更に、上記各種の発泡剤を適宜混合し
て用いることもできる。
【0032】本発明においては、発泡剤は特に限定され
ず、目標とする発泡シート1の密度に対応して適宜選択
することができる。
【0033】発泡シート1の密度は、0.05g/cm
3以上0.11g/cm3未満である。発泡シート1の密
度が0.05g/cm3未満の場合は、発泡シート1を
熱成形して得られた容器の剛性が小さくなって容器とし
ての機能が低下する虞があり、0.11g/cm3以上
の場合は、容器を軽量化できなくなる虞がある。
【0034】本明細書における上記発泡シート1の密度
D1(g/cm3)は、発泡シート1の坪量S1(g/
2)と後述する顕微鏡により求めた発泡シート1の厚
さT1(mm)とから次式により求める。
【0035】
【数1】D1=(S1÷10000)÷(T1÷10)
【0036】本発明における発泡シート1は平均気泡径
が155〜450μmの第一発泡層2と平均気泡径が3
5〜150μmの第二発泡層3とから構成されるが、第
一発泡層2と第二発泡層3との間に他の発泡層を一層又
は複数層介在させることもできる。但し、経済性の点か
らは、第一発泡層2と第二発泡層3のみで発泡シート1
を構成することが好ましい。
【0037】第一発泡層2の平均気泡径は、155〜4
50μmである。平均気泡径が155μm未満の場合
は、気泡膜が薄くなるため熱成形性が悪くなる。例え
ば、深絞り成形を行う場合、高速成形を行う場合に亀裂
や破れが発生する虞がある。一方、平均気泡径が450
μmを超える場合は、外観が悪くなり、断熱性も低下す
る虞がある。
【0038】第二発泡層3の平均気泡径は35〜150
μmである。平均気泡径が35μm未満の場合は、第二
発泡層3に亀裂や破れが発生する虞がある。一方、平均
気泡径が150μmを超える場合は、第二発泡層3の表
面が荒い凹凸状になるので、表面平滑性が悪くなる虞が
ある。
【0039】本明細書における上記第一発泡層2及び第
二発泡層3の平均気泡径は、つぎのように求める。発泡
シート1の幅方向に等間隔で10箇所、押出方向に垂直
方向の断面を顕微鏡で撮影し、各々の断面写真について
第一発泡層2の厚さt2及び第二発泡層3の厚さt3を測
定する。次に、各断面写真の厚さ方向に直線lを引き、
直線lと交わる第一発泡層2における全ての気泡径の数
2、及び直線lと交わる第二発泡層3における全ての
気泡径の数n3を数える。このようにして得られたt2
2から各断面写真について気泡径(t2/n2)を計算
し、10箇所の(t2/n2)の平均を第一発泡層2の平
均気泡径とする。又、t3とn3から各断面写真について
気泡径(t3/n3)を計算し、10箇所の(t3/n3
の平均を第二発泡層3の平均気泡径とする。
【0040】発泡シート1の密度は、発泡シート1密度
が0.05g/cm3以上0.11g/cm3未満である
と共に、第一発泡層2及び第二発泡層3の各々の密度も
0.05g/cm3以上0.11g/cm3未満であるこ
とが好ましい。第一発泡層2と第二発泡層3との密度
は、同じ密度にすることも異なる密度にすることもでき
る。両者が同じ密度であれば、熱成形する際の加熱ムラ
が極めて小さくなるので熱成形が向上する。一方、例え
ば、第二発泡層3の密度を第一発泡層2の密度より大き
くすれば、剛性に優れると共に熱成形にも優れる発泡シ
ート1を得ることができる。
【0041】第一発泡層2の密度が0.05g/cm3
未満の場合は、熱成形を行うと、伸び不足により容器に
亀裂や破れが生じる虞があり、容器の剛性が低下して容
器としての機能も低下する。一方、該密度が0.11g
/cm3以上の場合は、熱成形して得られた容器が十分
に軽量化できなくなる他、断熱性が低下したり、耐衝撃
性がなくなり、経済性も低下する。
【0042】第二発泡層3の密度が、0.05g/cm
3未満の場合は、気泡膜が薄くなるので熱成形を行う
と、伸び不足により容器に亀裂や破れが生じる虞があ
る。一方、該密度が0.11g/cm3以上の場合は、
衝撃を受けると割れやすくなったり、熱成形を行う際に
発泡シートの加熱ムラが発生し、金型と同形状の容器が
得られない虞がある上に、経済性も低下する。
【0043】本明細書における第一発泡層2、第二発泡
層3の密度は、各発泡層の重量を測定し、該測定値を求
める各発泡層の体積で割って求めるものとする。尚、各
発泡層の重量の測定は、発泡シート1を第一発泡層2
と、第二発泡層3との界面で分離した試験片について行
うものとする。
【0044】上記第一発泡層2の表面気泡数は、15〜
100個/4mm2であることが好ましい。表面気泡数
が15個/4mm2未満の場合は、断熱性が低下する虞
があり、表面気泡数が100個/4mm2を超える場合
は、この面を内側として熱成形を行うと亀裂や破れが発
生する虞がある。
【0045】上記第二発泡層3の表面気泡数は、120
〜500/4mm2であることが好ましい。表面の気泡
数が120個/4mm2未満の場合は、表面平滑性がな
くなって外観が悪くなる虞がある。一方、表面の気泡数
が500個/4mm2を超えると、連続気泡率が増大し
て熱成形する際の二次発泡が悪くなる虞がある。
【0046】本明細書における第二発泡層3の表面気泡
数の測定は、反射式投影機(株式会社ミツトヨ製PJ3
000)を用いて、第二発泡層3の表面を拡大投影し、
該拡大された画面上において実際の試料面積4mm2
相当する面積内の気泡径の数を測定することとする。具
体的には、投影機の試料台に測定試料を発泡シートの表
面が投影画面に写し出されるように水平に置き、拡大倍
率50倍(面積の拡大倍率で2500倍)に拡大して、
投影画面上において100cm2(実際の試料面積4m
2に相当する)範囲内の気泡数を測定する。第一発泡
層2の表面気泡数の測定は、第二発泡層3が積層される
反対側の面について、第二発泡層3の場合と同様に行
う。
【0047】上記表面気泡数の測定においては、反射式
投影機の投影画面上の10cm角の正方形の内側を残し
てその周囲をマスキングテープ等で貼り、該正方形の内
部に存在する気泡数を数える。尚、上記正方形の境界線
上に気泡が存在している場合は、相対する一の辺を跨っ
ている気泡は測定の対象とするが、相対する他の辺を跨
っている気泡は測定の対象としない。
【0048】本発明における発泡シート1の厚さは、
0.4〜5mmが好ましく、0.5〜4mmがより好ま
しく、0.6〜3mmが特に好ましい。該発泡シート1
の厚さが0.4mm未満の場合は、発泡シートを熱成形
して得られる容器の強度や断熱性が低下する。5mmを
超える場合は、発泡シートを熱成形する際に発泡シート
1の内部と外部との間において加熱ムラが発生しやす
く、金型の形状を再現した容器を得ることができない。
【0049】本発明の発泡シート1の厚さに対する第一
発泡層2の厚さの割合は、20〜80%が好ましく、5
0〜80%にすると熱成形性が向上するのでより好まし
い。第一発泡層2の厚さが発泡シート1全体の20%未
満の場合は、第一発泡層2が薄すぎて熱成形性が低下す
るので、亀裂や破れが発生する虞がある。一方、発泡シ
ート1の厚さに対する第一発泡層2の厚さの割合が80
%を超える場合は、第一発泡層2が厚すぎて美感が損な
われる虞がある。
【0050】本明細書における発泡シート1の厚さ、第
一発泡層2の厚さ、第二発泡層3の厚さは、発泡シート
1の押出方向に対して垂直方向の断面を顕微鏡で撮影
し、その写真より求めるものとする。
【0051】本発明の発泡シート1の連続気泡率は40
%以下であることが好ましく、30%以下であることが
より好ましく、20%以下であることが特に好ましい。
該連続気泡率が40%を超えると、熱成形時の二次発泡
性や得られる容器の強度等の物性が悪くなる虞がある。
【0052】本明細書における発泡シート1の連続気泡
率の測定は、ASTM D2856の手順Cに準拠して
行う。尚、連続気泡率の測定に用いる発泡シート1の体
積は、測定試料の面積と発泡シート1の厚さから算出し
た値を用いるものとする。
【0053】本発明の発泡シート1は、図2に一例を示
すように、熱可塑性樹脂層4が第一発泡層2に積層され
ていると共に、発泡シート1の坪量と熱可塑性樹脂層4
の坪量の合計が100〜280g/m2であることが好
ましい。かかる構成の発泡シート1は、外観が美麗で強
度も優れているので、トレイ、弁当箱等の浅絞り成形用
に好適である。尚、熱可塑性樹脂4は、第一発泡層2と
第二発泡層3の両面に積層することもできる。
【0054】図2に示す態様の発泡シート1において、
熱可塑性樹脂層4は第一発泡層2に積層されていること
が好ましい。かかる発泡シート1においては、第一発泡
層2は平均気泡径が大きく圧縮強度が高いことから、第
一発泡層2と熱可塑性樹脂層4との接着性が良好であ
る。その結果、熱成形における熱可塑性樹脂層4の伸び
ムラが少ないので、得られた容器は厚みが均一なものと
なる。
【0055】図2に示す態様の発泡シート1において、
合計の坪量が100g/m2未満の場合は、シート全体
の強度が弱くなる虞がある。一方、合計の坪量が280
g/m2を超えるとトレイ、弁当箱等の浅絞り成形用の
発泡シート1としては、得られる容器の厚みが大きくな
りすぎる虞があると共に、軽量性、経済性が低下する虞
がある。
【0056】尚、図2に示す態様の発泡シート1におい
て、発泡シート1の密度の測定は後述する積層発泡シー
ト10の発泡層11の測定に準じて行うものとする。
又、熱可塑性樹脂層4が積層された第一発泡層2の密
度、平均気泡径、表面気泡数の測定は、後述する積層発
泡シート10の第二発泡層13の測定に準じて行うもの
とする。
【0057】熱可塑性樹脂層4は少なくとも一層の樹脂
層からなり、複数の層からなる樹脂層として構成するこ
ともできる。特に、印刷層を含む2層から構成すると外
観が美麗なものとなる。該印刷層は、例えば、印刷イン
キ等によって描かれた絵柄や文字等からなる任意の模様
によって構成される。
【0058】熱可塑性樹脂層4に用いられる樹脂として
は、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリスチレ
ンや耐衝撃性ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポ
リエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレ
フィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル系樹脂、及びこれらの樹脂の
混合物が挙げられる。
【0059】上記各種の樹脂の中でも、発泡シート1と
の接着性、熱成形性、印刷性の点から、ポリスチレン系
樹脂を使用することが好ましい。
【0060】尚、上記熱可塑性樹脂層4には、本発明の
目的を著しく損なわない範囲で、必要に応じて各種の添
加剤、例えば、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防
止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、
無機充填剤等を添加することができる。
【0061】熱可塑性樹脂層4の厚みは、10〜100
μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。該厚
みが10μm未満では、熱成形する際に熱可塑性樹脂層
4に亀裂や破れが発生する虞があり、100μmを超え
ると軽量性、経済性が悪くなる虞がある。
【0062】次に、積層発泡シート10について説明す
る。本発明の積層発泡シート10は、発泡層11と熱可
塑性樹脂層14とからなり、熱可塑性樹脂層14が最外
層を構成するように第二発泡層13に積層されている。
発泡層11を構成する基材樹脂、各種の添加剤、製造に
用いる発泡剤、更に発泡層11の密度、厚さは前記発泡
シート1と同様である。
【0063】本発明の発泡層11は、前記発泡シート1
と同様に第一発泡層12と第二発泡層13とから構成さ
れ、第一発泡層12と第二発泡層13との間に他の発泡
層を一層又は複数層介在させることもできる。
【0064】本発明の発泡層11の密度は、前記発泡シ
ート1と同様に、密度が0.05g/cm3以上0.1
1g/cm3未満である。
【0065】本明細書における発泡層11の密度D
11(g/cm3)は、発泡層11に熱可塑性樹脂層14
が積層された後に次のように求める。まず、積層発泡シ
ート10の坪量S10(g/m2)と、熱可塑性樹脂層1
4の坪量S14(g/m2)とから、発泡層11の坪量S
11(g/m2)を次式により求める。
【0066】
【数2】S11=S10− S14
【0067】次に、発泡層11の坪量S11(g/m2
と後述する顕微鏡により求めた発泡層11の厚さT
11(mm)とから、発泡層11の密度D11(g/cm3
を次式により求める。
【0068】
【数3】D11=(S11÷10000)÷(T11÷10)
【0069】本明細書における発泡層11の第一発泡層
12の平均気泡径は、155〜450μmである。平均
気泡径が155μm未満の場合は、気泡膜が薄くなるた
め熱成形性が悪くなり、特に深絞り形状の成形を行う
と、破れや透孔が発生する虞がある。一方、平均気泡径
が450μmを超える場合は、外観が悪くなり、断熱性
も低下する虞がある。
【0070】本明細書における発泡層11の第二発泡層
13の平均気泡径は35〜150μmである。平均気泡
径が35μm未満の場合は、後述する熱可塑性樹脂層1
4と第二発泡層13との界面を起点として、第二発泡層
13に破れや透孔が発生する虞がある。一方、平均気泡
径が150μmを超える場合は、第二発泡層13の表面
が荒い凹凸状になるので、積層された上記熱可塑性樹脂
層14の表面平滑性が悪くなり、熱成形によって得られ
る容器の外面側表面の印刷性が低下する虞がある。
【0071】本明細書における上記第一発泡層12の平
均気泡径、及び第二発泡層13の平均気泡径は、前述し
た発泡シート1の第一発泡層2の平均気泡径、第二発泡
層3の平均気泡径と同じ測定方法で求める。尚、これら
の平均気泡径は、熱可塑性樹脂層14が発泡層11に積
層された後に測定するものとする。
【0072】本発明の積層発泡シート10における発泡
層11を構成する第一発泡層12の密度は、前記発泡シ
ート1を構成する第一発泡層2の密度と同様である。
又、第二発泡層13の密度は、前記第二発泡層3の密度
と同様である。
【0073】本明細書における発泡層11の第一発泡層
12及び第二発泡層13の密度は、各発泡層の重量を測
定し、該測定値を求める各発泡層の体積で割って求める
ものとする。尚、各発泡層の重量の測定は、積層発泡シ
ート10を第一発泡層12と第二発泡層13との界面、
第二発泡層13と熱可塑性樹脂層14との界面で分離し
た試験片について行うものとする。
【0074】発泡層11の第一発泡層12の表面気泡数
は、前記発泡シート1の第一発泡層2の表面気泡数と同
様である。又、発泡層11の第一発泡層12の表面気泡
数は、前記発泡シート1の第一発泡層2の表面気泡数と
同様である。
【0075】発泡層11の第一発泡層12の表面気泡数
は、前述した発泡シート1の第一発泡層2の表面気泡数
の測定と同じ方法で求める。上記積層発泡シートの第二
発泡層13の表面気泡数も、前述した発泡シート1の第
二発泡層3の平均気泡径と同じ測定方法で求める。但
し、第二発泡層13の場合は、熱可塑性樹脂層14の厚
さに第二発泡層3の厚さ50μmを加えた厚さに切り出
した試験片について測定する。この際、熱可塑性樹脂層
14の厚さは、予め顕微鏡を用いて撮影した積層発泡シ
ート10の断面写真から求める。
【0076】本発明における発泡シート1の厚さは、
0.5〜7mmが好ましく、0.7〜5mmがより好ま
しく、0.7〜4mmが特に好ましい。該発泡シート1
の厚さが0.5mm未満の場合は、発泡シートを熱成形
して得られる容器の強度や断熱性が低下する。7mmを
超える場合は、発泡シートを熱成形する際に発泡シート
1の内部と外部との間において加熱ムラが発生しやす
く、金型の形状を再現した容器を得ることができない。
【0077】本発明の積層発泡シート10における発泡
層11の厚さに対する第一発泡層12の厚さの割合は、
前記発泡シートと同様である。尚、発泡層11の厚さ、
第一発泡層12の厚さ、第二発泡層13の厚さは、、熱
可塑性樹脂層14が発泡層11に積層された後に、積層
発泡シート10の押出方向に対して垂直方向の断面を顕
微鏡で撮影し、その写真より求めるものとする。
【0078】発泡層11の連続気泡率の範囲及び連続気
泡率の測定は、前記発泡シート1と同様である。積層発
泡シート10の坪量は、280g/m2を超えて550
g/m2以下であることが好ましい。かかる坪量の積層
発泡シート10は、外観が美麗で強度も優れると共に深
絞り成形を行っても破れや透孔が発生しないので、丼、
カップ等の深絞り成形用に好適である。坪量が280g
/m2以下では深絞り成形によって得られる容器の剛性
が低下する虞がある。一方、550g/m2を超える
と、軽量性、経済性が低下する虞がある。
【0079】熱可塑性樹脂層14は、第二発泡層13に
積層される。このように構成すると、深絞り成形性、剛
性に優れると共に外観が美麗なものとなる。熱可塑性樹
脂層14に用いられる樹脂としては、前記した熱可塑性
樹脂層4と同様のものが挙げられる。
【0080】上記各種の樹脂の中でも、第二発泡層13
との接着性、熱成形性、印刷性の点から、第二発泡層1
3の基材樹脂と同様のものを使用することが好ましく、
柔軟性があって取り扱いやすい点で、耐衝撃性ポリスチ
レン系樹脂がより好ましい。
【0081】尚、上記熱可塑性樹脂層14には、本発明
の目的を著しく損なわない範囲で、必要に応じて各種の
添加剤、例えば、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電
防止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃
剤、無機充填剤等を添加することができる。
【0082】熱可塑性樹脂層14は少なくとも一層の樹
脂層からなり、上記各種の樹脂の中から同種又は異なる
種類の樹脂を選択し、複数の層からなる樹脂層として構
成することもできる。
【0083】熱可塑性樹脂層14の厚さは、10〜50
0μmが好ましく、60〜300μmがより好ましい。
該熱可塑性樹脂層14の厚さが10μm未満の場合は、
熱成形する際に破れや透孔が発生する虞があり、500
μmを超える場合は、加熱時間を長くしなければならな
くなるので、第二発泡層13の表面が加熱されすぎて凹
凸が発生して外観不良好になる虞がある。
【0084】尚、本発明の積層発泡シート1は、第一発
泡層12の表面に熱可塑性樹脂層を積層することもでき
る。熱可塑性樹脂層に用いることができる樹脂及び該樹
脂層の厚さは、上記熱可塑性樹脂層と同様である。但
し、熱可塑性樹脂層として、同じ樹脂を使用しなければ
ならない理由はなく、用途や目的に応じて異なる樹脂を
選択することができる。
【0085】本発明の積層発泡シート10において、熱
可塑性樹脂層14と発泡層11との層間の接着強度は、
980mN/25mm以上であることが好ましく、29
40mN/25mm以上であることがより好ましく、4
900mN/25mm以上であることが特に好ましい。
接着強度が980mN/25mm未満の場合は、熱成形
の際に熱可塑性樹脂層14と発泡層11との間において
剥離が発生する虞がある。
【0086】上記接着強度は次のように求める。積層発
泡シート10から押出方向に平行な帯状の幅25mmの
試験片を切り出し、JIS Z0237に準拠して剥離
速度300mm/minの条件にて90°剥離試験を行
ない、その結果得られた測定値(mN/25mm)を層
間の接着強度とする。尚、上記測定において25mm幅
の試験片を作製できない場合は、できるだけ広幅の試験
片を作製し、該試験片についての測定値(mN/試験片
の幅mm)に(試験片の幅mm/25mm)をかけて得
られた値を接着強度(mN/25mm)とする。
【0087】次に、本発明の発泡シート1の製造方法に
ついて説明する。発泡シート1の第一発泡層2は、押出
機を用いて基材樹脂、気泡調節剤等の各種の添加剤、発
泡剤を溶融混練した後、目的とする樹脂温度に調整され
た該基材樹脂等の溶融樹脂混合物を、高圧のダイ内から
大気圧下に放出することによって形成される。尚、溶融
樹脂混合物が高圧のダイ内から大気圧下に放出される
際、必要に応じて第一発泡層2に空気を吹きかけて急冷
することによって、平均気泡径を微調整することができ
る。
【0088】発泡剤の添加量、気泡調節剤の添加量は、
基材樹脂の種類・発泡剤の種類、気泡調節剤の種類や、
目的とする各発泡層の密度によって適宜選択できるが、
通常は、基材樹脂100重量部に対して、発泡剤は0.
5〜10重量部、気泡調節剤0.1〜0.4重量部であ
る。又、上記放出される溶融樹脂混合物の樹脂温度は、
基材樹脂の種類・発泡剤の種類、気泡調節剤の種類や、
目的とする発泡層の密度によって適宜選択できるが、通
常は120〜250℃である。
【0089】発泡シート1の第二発泡層3の形成は、気
泡調節剤を0.5〜10重量部添加する以外は上記発泡
シートの第一発泡層2の形成と同様である。尚、発泡シ
ートの第二発泡層3の平均気泡径は、気泡調節剤の量を
調節したり、溶融樹脂混合物が大気圧下に放出される際
に空気を吹きかけて急冷すること等によって微調整する
ことができる。
【0090】発泡シート1の第一発泡層2と、第二発泡
層3とを積層する方法としては、共押出法、熱融着法等
が挙げられる。
【0091】上記共押出法は、第一発泡層2の基材樹脂
及び発泡剤等の溶融樹脂混合物と、第二発泡層3の基材
樹脂及び発泡剤等の溶融樹脂混合物とを、ダイ内で融着
し一体としてシート状に押出して発泡させる方法であ
る。該共押出法により二層からなる発泡シート1を得る
ための方法には、フラットダイを用いてダイ内で各層
を積層してから板状に共押出することにより積層された
発泡シート1とする方法、環状ダイを用いてダイ内で
各層を積層してから筒状に共押出した後、該筒状発泡体
を切開いて積層された発泡シート1とする方法、環状
ダイを用いて筒状に共押出しすると共に、該発泡体の内
面が接着可能な状態にあるうちに挾圧ロールで該発泡体
を挟み込み、内面を圧着することによって貼り合わせて
積層された発泡シート1とする方法が挙げられる。
【0092】上記共押出法は、発泡工程と積層工程とを
同時にしかも連続的に行うことができるので生産性に優
れる上に、発泡層同士の接着性、外観が極めてよいもの
が得られる。共押出法の中では、上記の環状ダイを用
いて筒状に共押出した後、該筒状発泡体を切開いて発泡
シート1を得る方法が、広幅の発泡シート1を製造しや
すいので好ましい。
【0093】図2に示す態様の発泡シート1において
は、熱可塑性樹脂層4を発泡シート1に積層する方法と
して、例えば、予め押出インフレーション法等によって
製造された熱可塑性樹脂フィルムを接着剤によって発泡
層11に積層する方法、予め製造された熱可塑性樹脂フ
ィルムを加熱ロール等を用いて加熱融着させることによ
って発泡シート1に積層する方法、Tダイを用いて熱可
塑性樹脂を押出して発泡シート1に積層する方法、共押
出によって熱可塑性樹脂層4と発泡シート1とを積層す
る方法等が挙げられる。これらの方法の中でも、経済性
及び生産性に優れるという点で、予め押出インフレーシ
ョン法等によって製造された熱可塑性樹脂フィルムを加
熱ロール等を用いて加熱融着させる方法が好ましい。か
かる方法によれば、無延伸の押出インフレーションフィ
ルムや、延伸により剛性・透明性が付与された押出イン
フレーションフィルムを用途に応じて使いわけることが
できる。又、該方法によれば、印刷された熱可塑性樹脂
層4を積層する際に、印刷された面側を発泡シート1に
積層することによって印刷面が収納される食品と接触す
ることを防ぐことができる。
【0094】次に、本発明の積層発泡シート10の製造
方法について説明する。積層発泡シートの発泡層11の
製造方法は、前述した発泡シート1の製造方法と同様で
ある。
【0095】上記熱可塑性樹脂層14は、押出機を用い
て基材樹脂と各種の添加剤を溶融混練した後、Tダイや
サーキュラーダイ等の各種のダイからシート状に押出す
ことによって形成することができる。
【0096】熱可塑性樹脂層14と発泡層11との積層
は、熱可塑性樹脂層14と発泡層11との押出樹脂温度
が異なるので、予め形成された発泡層11に熱可塑性樹
脂層14を接着剤により積層する方法、加熱ロールを用
いて加熱融着により積層する方法、押出ラミネートによ
って積層する方法が好ましい。但し、本発明はこれらに
限定するものではなく、共押出しによって積層すること
もできる。
【0097】次に、本発明の発泡シート1から得られる
容器について説明する。該容器は、発泡シート1を第二
発泡層3が第一発泡層2の外側に位置するように熱成形
することによって得られた容器である。第二発泡層3が
積層された面を外面側に位置するように熱成形すると、
外観が美麗な容器を得ることができる。
【0098】本発明の発泡シート1から得られる容器
は、雄型及び/又は雌型からなる金型を使用して発泡シ
ート1を熱成形することにより得ることができる。該熱
成形法としては、真空成形や圧空成形、更にこれらの応
用としてフリードローイング成形、プラグ・アンド・リ
ッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、スト
レート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エア
スリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリ
バースドロー成形等やこれらを組み合わせた成形方法等
が挙げられる。かかる熱成形法は、短時間に連続して容
器を得ることができるので、好ましい方法である。
【0099】発泡シート1から得られる容器の絞り比
は、0.1以上0.3未満の浅い絞り比が好ましい。絞
り比が0.3を超えると、容器の内側に亀裂や破れが発
生する虞がある。尚、絞り比は、容器開口部の最大長さ
をDとし、容器の深さをHとして、H/Dによって定め
られる。
【0100】発泡シート1から得られる容器は、トレ
イ、弁当箱等の用途に用いられる。
【0101】次に、積層発泡シート10から得られる容
器について説明する。該容器は、上記積層発泡シート1
0の熱可塑性樹脂層14が積層された面が外面側に位置
するように熱成形された容器である。熱可塑性樹脂層1
4が積層された面を外面側に位置するように熱成形する
と、深絞りの熱成形をする場合であっても発泡層11に
破れや透孔が発生することを防ぐことができる。
【0102】特に、熱可塑性樹脂層14が平均気泡径が
小さく、表面が平滑な第二発泡層13に積層されている
と、熱可塑性樹脂層14の表面が平滑になり、しかも適
度な圧縮強度を有するので、深絞り形状の容器の最外面
に印刷する場合であっても、かすれ等の印刷不良が発生
することが殆どなく、良質の容器を得ることができる。
【0103】熱可塑性樹脂層14が発泡層11の両面に
積層されていると、更に剛性が優れた容器を得ることが
できる。
【0104】積層発泡シート10から得られる容器の成
形方法は、前述した発泡シート1から得られる容器と同
じ成形方法が挙げられる。
【0105】積層発泡シート10から得られる容器の絞
り比は、0.3以上1.3以下の深絞りが好ましく、
0.4を超えて1.3以下がより好ましい。絞り比がか
かる範囲内であれば、表面が平滑で外観が美麗であると
共に厚さが均一な容器が得られるが、絞り比が1.3を
超えると、部分的に薄い箇所が発生する虞がある。但
し、絞り比は容器開口部の最大長さをDとし、容器の深
さをHとして、H/Dによって定められる。
【0106】積層発泡シート10から得られる容器は、
トレイ、丼、弁当箱、カップ等の用途に用いられ、特に
開口部の形状が円形の深絞り形状の容器は、曲面印刷性
が優れているので丼、カップ用として好適である。
【0107】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0108】実施例1〜4、比較例1〜4における発泡
シート、実施例5〜8、比較例5〜7における発泡層の
基材樹脂は、共に出光石油化学株式会社製ポリスチレン
「HH32、溶融粘度2040Pa・s、密度1.05
g/cm3、ビカット軟化点100℃以上」(以下、
「樹脂A」という。)を使用した。
【0109】上記樹脂Aの溶融粘度は、チアスト社製レ
オビス2100を使用して、内径1.0mm、長さ10
mmのノズルを用い、温度190℃、剪断速度100/
secの条件下にて測定した。
【0110】実施例1〜8、比較例1〜7におけるタル
クは、松村産業株式会社製ハイフィラー♯12を使用
し、発泡剤はn−ブタン70wt%とiso−ブタン3
0wt%からなるブタン混合物を使用した。
【0111】実施例1〜3、比較例1〜3における熱可
塑性樹脂層は、インフレーションフィルム(厚さ25μ
m、東和加工株式会社製「Dタイプ」)を使用して形成
した。
【0112】実施例5〜8、比較例5〜7における熱可
塑性樹脂層は、日本ポリスチレン株式会社製HIPS
「H640N(密度1.05g/cm3)」(以下、
「樹脂B」という。)を使用して形成した。
【0113】次に、実施例1〜4、比較例1〜4に基づ
き、本発明の発泡シート及び該発泡シートから得られた
容器について詳細に説明する。
【0114】実施例1 第一発泡層の形成には、バレル直径115mmの第一押
出機とバレル直径150mmの第二押出機とからなるタ
ンデム押出機を使用した。第一押出機の原料投入口か
ら、ポリスチレン系樹脂「樹脂A」100重量部あたり
タルク1.5重量部を添加して加熱混練し、約200℃
に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.1重量
部の発泡剤を圧入し、次いで、第二押出機内で樹脂温度
を165℃に調整した。
【0115】第二発泡層の形成には、バレル直径115
mmの第一押出機とバレル直径150mmの第二押出機
とからなるタンデム押出機を使用した。第一押出機の原
料投入口から、ポリスチレン系樹脂「樹脂A」100重
量部あたりタルク2.5重量部を添加して加熱混練し、
約200℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり
2.9重量部の発泡剤を圧入し、次いで、第二押出機内
で樹脂温度を165℃に調整した。
【0116】上記第一発泡層を形成する溶融樹脂混合物
と、第二発泡層を形成する溶融樹脂混合物とを、両者共
同じ吐出量で共押出用ダイ(樹脂出口、直径84mm、
0.5mmの円形状の細隙)内に押出して、該ダイ内で
両者を合流させて積層させてから大気圧下に、第一発泡
層を内側として筒状に放出し、該筒状の放出物を直径3
40mmの冷却された円筒に沿わせて引取りながら切開
いて、第一発泡層と第二発泡層とが積層された発泡シー
トを製造した。
【0117】次に、印刷層が設けられた厚み20μmの
インフレーションフィルムを、加熱ロールを使用する熱
ラミネート法により、印刷層が発泡シート側を向くよう
に第一発泡層側に積層し、図2に示す態様の発泡シート
を得た。
【0118】実施例2 第一発泡層を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を、第二
発泡層を形成する溶融樹脂混合物の吐出量の3倍とする
ことにより、発泡シートの厚さに対する第一発泡層の厚
さの割合を変えたこと以外は、実施例1と同様に本発明
の発泡シートを製造した。
【0119】次いで、印刷層が設けられた厚み20μm
のインフレーションフィルムを、加熱ロールを使用する
熱ラミネート法により、印刷層が発泡シート側を向くよ
うに第一発泡層側と第二発泡層側の両方に積層し、図2
に示す態様の発泡シートを得た。
【0120】実施例3 第一発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク1.4重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり3.3重量部の発泡剤を圧入したこと、第
二発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク2.5重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり2.9重量部の発泡剤を圧入したこと、第
一発泡層を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を第二発泡
層を形成する溶融樹脂混合物の吐出量の4倍とし、第二
発泡層を内側として大気圧下に筒状に放出したこと以外
は実施例1と同様に本発明の発泡シートを製造した。
【0121】次いで、印刷層が設けられた厚み20μm
のインフレーションフィルムを、加熱ロールを使用する
熱ラミネート法により、印刷層が発泡シート側を向くよ
うに第二発泡層側に積層し、図2に示す態様の発泡シー
トを得た。
【0122】実施例4 第一発泡層を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を、第二
発泡層を形成する溶融樹脂混合物の吐出量の0.33倍
とすることにより発泡シートの厚さに対する第一発泡層
の厚さの割合を変えたこと、第二発泡層を内側として大
気圧下に筒状に放出したこと以外は、実施例1と同様に
本発明の発泡シートを製造した。
【0123】比較例1 第一発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク1.3重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり3.2重量部の発泡剤を圧入したこと、第
二発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク1.7重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり3.0重量部の発泡剤を圧入したこと、第
二発泡層を内側として大気圧下に筒状に放出したこと以
外は、実施例1と同様に発泡シートを製造した。
【0124】次いで、印刷層が設けられた厚み20μm
のインフレーションフィルムを、加熱ロールを使用する
熱ラミネート法により、印刷層が発泡シート側を向くよ
うに第二発泡層に積層し、図2に示す態様の発泡シート
を得た。
【0125】比較例1において得られた発泡シートは、
密度が0.22g/cm3となり軽量性に欠けるもので
あった。
【0126】比較例2 第一発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク1.7重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり3.5重量部の発泡剤を圧入したこと、第
二発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク1.7重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり3.5重量部の発泡剤を圧入したこと以外
は、実施例1と同様に発泡シートを製造した。
【0127】次いで、印刷層が設けられた厚み20μm
のインフレーションフィルムを、加熱ロールを使用する
熱ラミネート法により、印刷層が発泡シート側を向くよ
うに第一発泡層と第二発泡層の両方に積層し、図2に示
す態様の発泡シートを得た。
【0128】比較例2において得られた積層発泡シート
は、第二発泡層の平均気泡径が250μmとなり、外観
が悪いものであった。
【0129】比較例3 第一発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク2.1重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり3.0重量部の発泡剤を圧入したこと、第
二発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク2.5重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり3.0重量部の発泡剤を圧入したこと以外
は実施例1と同様に発泡シートを製造した。
【0130】比較例3において得られた発泡シートは、
第一発泡層の平均気泡径が140μmとなり、熱成形性
が悪く亀裂や破れが発生した。
【0131】比較例4 比較例3と同様に発泡シートを製造した。次いで、印刷
層が設けられた厚み20μmのインフレーションフィル
ムを、加熱ロールを使用する熱ラミネート法により、印
刷層が発泡シート側を向くように第一発泡層に積層し、
図2に示す態様の発泡シートを得た。
【0132】上記実施例1〜4、比較例1〜4おいて得
られた第一発泡層の平均気泡径・密度・表面気泡数、第
二発泡層の平均気泡径・密度・表面気泡数、発泡シート
の厚さに対する第一発泡層の厚さの割合、発泡シートの
厚さに対する第二発泡層の厚さの割合、発泡シートの厚
さを実施例1〜4については表1に、比較例1〜4につ
いては表2に示す。
【0133】上記実施例1〜4、比較例1〜4において
得られた発泡シートの連続気泡率は、いずれも8〜20
%であった。又、発泡シートと熱可塑性樹脂層との接着
は良好で、いずれの積層発泡シートにおいても、発泡シ
ートの材料破壊が確認された。
【0134】
【表1】 注1:発泡シートのみの坪量である。
【0135】
【表2】 注2:発泡シートのみの坪量である。
【0136】上記実施例4及び比較例3における具体的
な発泡シートの厚さの測定は、前記方法に基づいて次の
ように行った。得られた発泡シートにつき、試験片を幅
方向に等間隔で10箇所サンプリングし、各試験片の押
出方向に対して垂直方向の断面を顕微鏡で撮影し、次
に、各々の断面写真について各層の厚さを測定し、該1
0点の厚さの平均値を各層の厚さとした。又、表1の発
泡シートの厚さに対する第一発泡層の厚さの割合・第二
発泡層の厚さの割合はこれらの平均値から算出した。
【0137】実施例1〜3、比較例1,2,4における
厚さの測定は、インフレーションフィルムを積層した後
に、後述する実施例5〜8、比較例5〜7における積層
発泡シートの測定に準じて行った。
【0138】上記実施例4及び比較例3における発泡シ
ートの具体的な密度の測定は、前記した方法に基づいて
次のように行った。発泡シートから、押出方向に平行に
長さ20mm、幅5mmの長方形の試験片を切出し、該
試験片の厚さ方向断面を顕微鏡で撮影した。次に、該顕
微鏡写真について、発泡シートの第一発泡層の厚さl2
(mm)と、発泡シートの第二発泡層の厚さl3(m
m)を測定した。次に、該試験片の重量w1(g)を測
定した。
【0139】実施例1〜3、比較例1,2,4における
発泡シートの具体的な密度の測定は、前記方法に基づい
て後述する実施例5〜8、比較例5〜7と同様に行っ
た。
【0140】次に、スライサーを使用して第一発泡層と
第二発泡層との可能な限り界面に近い位置を目標に、第
二発泡層を複数回に分けて平面状に切り取り、残った第
一発泡層の重量w2(g)を測定した。尚、第二発泡層
を切取る際には、試験片の縦断面を油性インキで着色
し、該断面を適宜顕微鏡で観察し、第二発泡層と第一発
泡層の界面を確認しながら行った。
【0141】尚、第一発泡層と第二発泡層との界面が不
明確な場合は、押出発泡する際に、どちらか一方の発泡
層に着色剤を添加することにより両層の界面を明確にす
れば、発泡層の密度、発泡層の厚さ、平均気泡径等を測
定することができる。
【0142】こうして得られた試験片の重量w
1(g)、第一発泡層の厚さl2(mm)、第二発泡層の
厚さl3(mm)、第一発泡層の重量w2(g)から、第
一発泡層の密度d2、及び第二発泡層の密度d3を次式に
より求めた。
【0143】
【数4】d2=w2÷{2×0.5×(l2÷10)}
【数5】 d3=(w1−w2)÷{2×0.5×(l3÷10)}
【0144】以上の測定を、発泡シートの幅方向におけ
る等間隔の10箇所について行い、各d2より求めた平
均値から第一発泡層の密度D2(g/cm3)を、各d3
より求めた平均値から第二発泡層の密度D3(g/c
3)をそれぞれ求めた。
【0145】上記実施例1〜4、比較例1〜4において
得られた発泡シートについて、プラグアシスト法によ
り、第二発泡層が第一発泡層の外側に位置するように熱
成形を行い、開口部が縦150mm、横120mmでコ
ーナー部が丸い略長方形(最大長さ153mm)、深さ
30mm、絞り比0.19のトレイ形状の容器を得た。
【0146】上記成形によって得られた各容器の熱成形
性、外観、軽量性の評価を実施例1〜4については表1
に、比較例1〜4については表2に示す。
【0147】熱成形性の評価は、前記トレイ形状の容器
の開口部周縁や底部周縁等において引伸ばされて成形さ
れている部分(以下、「コーナー部」という。)に亀裂
や破れが発生しているか否かを目視にて評価した。 ○・・・容器のコーナー部に亀裂や破れが発生していな
い。 ×・・・容器のコーナー部に亀裂や破れが発生してい
る。
【0148】外観の評価は、前記トレイ形状の容器外側
の表面が平滑であるか否か、美麗であるか否かを目視に
て評価した。 ○・・・容器外側の表面が平滑で、美麗である。 ×・・・容器外側の表面に凸凹があるので平滑さに欠
け、美感が損なわれている。
【0149】軽量性については、発泡シートの密度が
0.11g/cm3未満の場合は軽量性があると評価
し、発泡シートの密度が0.11g/cm3以上の場合
は軽量性がないと評価した。 ○・・・発泡シートの密度が0.11g/cm3未満で
ある。 ×・・・発泡シートの密度が0.11g/cm3以上で
ある。
【0150】次に、実施例5〜8、比較例5〜7に基づ
き、本発明の積層発泡シート及び該積層発泡シートから
熱成形によって得られた容器について更に詳細に説明す
る。
【0151】実施例5 第一発泡層の形成には、バレル直径115mmの第一押
出機とバレル直径150mmの第二押出機とからなるタ
ンデム押出機を使用した。第一押出機の原料投入口か
ら、ポリスチレン系樹脂「樹脂A」100重量部あたり
タルク1重量部を添加して加熱混練し、約200℃に調
整された樹脂混合物100重量部あたり3.2重量部の
発泡剤を圧入し、次いで、第二押出機内で樹脂温度を1
65℃に調整した。
【0152】第二発泡層の形成には、バレル直径115
mmの第一押出機とバレル直径150mmの第二押出機
とからなるタンデム押出機を使用した。第一押出機の原
料投入口から、ポリスチレン系樹脂「樹脂A」100重
量部あたりタルク3重量部を添加して加熱混練し、約2
00℃に調整された樹脂混合物100重量部あたり3.
6重量部の発泡剤を圧入し、次いで、第二押出機内で樹
脂温度を165℃に調整した。
【0153】上記第一発泡層を形成する溶融樹脂混合物
と、第二発泡層を形成する溶融樹脂混合物とを、両者共
同じ吐出量で共押出用ダイ(樹脂出口、直径84mm、
0.5mmの円形状の細隙)内に押出して、該ダイ内で
両者を合流させて積層してから大気圧下に、第一発泡層
を内側として筒状に放出し、該筒状の放出物を直径34
0mmの冷却された円筒に沿わせて引取りながら切開い
て、第一発泡層と第二発泡層とが積層された発泡層を製
造した。
【0154】次に、押出ラミネート法により熱可塑性樹
脂層を積層し、本発明の積層発泡シートを得た。具体的
には、バレル直径110mmの押出機を使用し、幅12
00mmのTダイから「樹脂B」を押出して、上記発泡
層の第二発泡層側に熱可塑性樹脂層を積層した。
【0155】実施例6 第一発泡層を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を、第二
発泡層を形成する溶融樹脂混合物の吐出量の3倍とする
ことにより発泡層の厚さに対する第一発泡層の厚さの割
合を変えたこと以外は、実施例5と同様に本発明の積層
発泡シートを製造した。
【0156】実施例7 第一発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク1重量部を添加して加熱
混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量
部あたり4.5重量部の発泡剤を圧入したこと、第二発
泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂A」1
00重量部あたりタルク2.5重量部を添加して加熱混
練し、約200℃に調整された樹脂混合物100重量部
あたり3.6重量部の発泡剤を圧入したこと、第一発泡
層を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を第二発泡層を形
成する溶融樹脂混合物の吐出量の4倍とすることにより
発泡層の厚さに対する第一発泡層の厚さの割合を変えた
こと、大気圧下に第二発泡層を内側として筒状に放出し
たこと以外は実施例5と同様に本発明の積層発泡シート
を製造した。
【0157】実施例8 第一発泡層を形成する溶融樹脂混合物の吐出量を、第二
発泡層を形成する溶融樹脂混合物の吐出量の0.33倍
とすることにより発泡層の厚さに対する第一発泡層の厚
さの割合を変えたこと、大気圧下に第二発泡層を内側と
して筒状に放出したこと以外は実施例5と同様に本発明
の積層発泡シートを製造した。
【0158】比較例5 第一発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク1.3重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり2.7重量部の発泡剤を圧入したこと、第
二発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク1.7重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり1.9重量部の発泡剤を圧入したこと、大
気圧下に第二発泡層を内側として筒状に放出したこと以
外は実施例5と同様に積層発泡シートを製造した。
【0159】比較例5において得られた積層発泡シート
は、その発泡層の密度が0.22g/cm3となり軽量
性に欠けるものであった。
【0160】比較例6 第一発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク0.9重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり3.1重量部の発泡剤を圧入したこと、第
二発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク0.9重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり3.4重量部の発泡剤を圧入したこと以外
は実施例5と同様に積層発泡シートを製造した。
【0161】比較例6において得られた積層発泡シート
は、第二発泡層の平均気泡径が270μmとなり、印刷
性が悪いものであった。
【0162】比較例7 第一発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク1.5重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり3.2重量部の発泡剤を圧入したこと、第
二発泡層を形成するためにポリスチレン系樹脂「樹脂
A」100重量部あたりタルク2.5重量部を添加して
加熱混練し、約200℃に調整された樹脂混合物100
重量部あたり3.6重量部の発泡剤を圧入したこと以外
は実施例5と同様に積層発泡シートを製造した。
【0163】比較例7において得られた積層発泡シート
は、その第一発泡層の平均気泡径が140μmとなり、
熱成形性が悪く、特に深絞り成形を行うと発泡層に透孔
が発生した。
【0164】上記実施例5〜8、比較例5〜7において
得られた各積層発泡シートの第一発泡層の平均気泡径・
密度・表面気泡数、第二発泡層の平均気泡径・密度・表
面気泡数、発泡層の厚さに対する第一発泡層の厚さの割
合、第二発泡層の厚さの割合、発泡層の厚さ、積層発泡
シートの厚さを実施例5〜8については表3に、比較例
5〜7については表4に示す。
【0165】上記実施例5〜8、比較例5〜7において
得られた積層発泡シートの発泡層の連続気泡率は、いず
れも8〜20%であった。又、発泡層と熱可塑性樹脂層
との接着性は良好で、いずれの積層発泡シートについて
も前記剥離試験において発泡層の材料破壊が確認され
た。
【0166】
【表3】
【0167】
【表4】
【0168】実施例5〜8、比較例5〜7における厚さ
の測定は、熱可塑性樹脂層を積層した後に、次のように
行った。各実施例、比較例で得られた積層発泡シートに
つき、試験片を幅方向に等間隔で10箇所サンプリング
し、各試験片の押出方向に対して垂直方向の断面を顕微
鏡で撮影し、次に、各々の断面写真について各層の厚さ
を測定し、該10点の厚さの平均値を各層の厚さとし
た。又、表3、表4の発泡層の厚さに対する第一発泡層
の厚さ・第二発泡層の厚さの割合はこれらの平均値から
算出した。
【0169】実施例5〜8、比較例5〜7における発泡
層の具体的な密度の測定は、熱可塑性樹脂層を積層した
後に、前記した方法に基づいて次のように行った。積層
発泡シートから、押出方向に平行に長さ20mm、幅5
mmの長方形の試験片を切出し、該試験片の厚さ方向断
面を顕微鏡で撮影した。次に、該顕微鏡写真について、
第一発泡層の厚さl12(mm)と、第二発泡層の厚さl
13(mm)を測定した。次に、該試験片の重量W
11(g)を測定してから、該試験片の熱可塑性樹脂層を
発泡層から切り取り、該熱可塑性樹脂層の重量W14を測
定した。尚、このとき熱可塑性樹脂層と第二発泡層との
界面に可能な限り近い位置で熱可塑性樹脂層を切り取
り、該切取った熱可塑性樹脂層に第二発泡層が多量に付
着している場合は、第二発泡層のみを削りとってから、
熱可塑性樹脂層の重量W14(g)を測定した。
【0170】次に、熱可塑性樹脂層を切り取った残りの
発泡層から、スライサーを使用して第一発泡層と第二発
泡層との可能な限り界面に近い位置を目標に、第二発泡
層を複数回に分けて平面状に切り取り、残った第一発泡
層の重量W12(g)を測定した。尚、第二発泡層を切取
る際には、試験片の縦断面を油性インキで着色し、該断
面を適宜顕微鏡で観察し、第二発泡層と第一発泡層との
界面を確認しながら行った。
【0171】尚、第一発泡層と第二発泡層との界面が不
明確な場合は、押出発泡する際に、どちらか一方の発泡
層に着色剤を添加することにより、両層の界面を明確に
すれば、各発泡層の密度、各発泡層の厚さ、平均気泡径
等を測定することができる。
【0172】こうして得られた試験片の重量W
11(g)、第一発泡層の厚さl12(mm)、第二発泡層
の厚さl13(mm)、該熱可塑性樹脂層の重量W
14(g)、第一発泡層の重量W12(g)から、第一発泡
層の密度d12、及び第二発泡層の密度d13を次式により
求めた。
【0173】
【数6】d12=W12÷{2×0.5×(l12÷10)}
【数7】d13=(W11−W12−W14)÷{2×0.5×
(l13÷10)}
【0174】以上の測定を、積層発泡シート10の幅方
向における等間隔の10箇所について行い、各d12より
求めた平均値から第一発泡層の密度D12(g/cm3
を、各d13より求めた平均値から第二発泡層の密度D13
(g/cm3)をそれぞれ求めた。
【0175】上記実施例5〜8、比較例5〜7において
得られた積層発泡シートについて、プラグアシスト法に
より熱可塑性樹脂層が積層された面を外面側に位置する
ように熱成形を行って、開口部が直径150mmの円
形、深さ70mm、絞り比0.46の丼形状の容器を得
た。
【0176】上記成形によって得られた各容器の熱成形
性、印刷性、軽量性の評価を実施例5〜8については表
3に、比較例5〜7については表4に示す。
【0177】熱成形性の評価は、成形の底部周縁等の円
弧状に引伸ばされて成形されている部分(以下、「コー
ナー部」という。)に破れや透孔が発生しているか否か
を目視にて評価した。 ○・・・容器のコーナー部に破れや透孔が発生していな
い。 ×・・・容器のコーナー部に破れや透孔が発生してい
る。
【0178】印刷性の評価は、容器の側面部に曲面印刷
を行い、容器の表面の印刷がかすれているかどうか否か
を目視にて評価した。 ○・・・容器の表面の印刷にかすれが無い。 ×・・・容器の表面の印刷にかすれがある。
【0179】軽量性については、発泡層の密度が0.1
1g/cm3未満の場合は軽量性があると評価し、発泡
層の密度が0.11g/cm3以上の場合は軽量性がな
いと評価した。 ○・・・発泡層の密度が0.11g/cm3未満であ
る。 ×・・・発泡層の密度が0.11g/cm3以上であ
る。
【0180】
【発明の効果】本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート
は、密度が0.05g/cm3以上0.11g/cm3
満のポリスチレン系樹脂発泡シートであって、平均気泡
径が155〜450μmのポリスチレン系樹脂第一発泡
層と平均気泡径が35〜150μmのポリスチレン系樹
脂第二発泡層とからなる。従って、本発明のポリスチレ
ン系樹脂発泡シートは、軽量性を有すると共に熱成形性
が優れており、高速で熱成形を行っても亀裂や破れが発
生しない。又、外観が美麗である。ポリスチレン系樹脂
第二発泡層の表面の気泡が細かく平滑であるため、該第
二発泡層が特に美麗である。
【0181】上記発泡シートは、熱可塑性樹脂層がポリ
スチレン系樹脂第一発泡層に積層されていると共に、ポ
リスチレン系樹脂発泡シートの坪量と熱可塑性樹脂層の
坪量の合計が100〜280g/m2であるという構成
を採用すると、外観がより美麗となり、強度も向上し、
トレイ、弁当箱等の浅絞りの熱成形用に好適なものとな
る。また、平均気泡径が大きく圧縮強度が高い第一発泡
層に熱可塑性樹脂層が積層されているので、第一発泡層
と熱可塑性樹脂層との接着性が良好である。その結果、
熱成形における熱可塑性樹脂層の伸びムラが少なくな
り、得られた容器は厚みが均一なものとなる。
【0182】さらに上記ポリスチレン系樹脂発泡シート
を熱成形して得られた容器は、ポリスチレン系樹脂第二
発泡層がポリスチレン系樹脂第一発泡層の外側に位置す
るように熱成形されている。従って、容器は軽量性を有
すると共に、外観が美麗で、容器の外面側が平滑であ
る。該容器は、絞り比が0.1以上0.3未満の浅絞り
の場合に、外観が美麗で剛性が優れるトレイ、弁当箱等
として好適なものとなる。
【0183】本発明の熱可塑性樹脂積層発泡シートは、
密度0.05g/cm3以上0.11g/cm3未満の発
泡層と熱可塑性樹脂層とからなる熱可塑性樹脂積層発泡
シートにおいて、上記発泡層は、平均気泡径が155〜
450μmのポリスチレン系樹脂第一発泡層と平均気泡
径が35〜150μmのポリスチレン系樹脂第二発泡層
とからなり、上記熱可塑性樹脂層は最外層を構成するよ
うにポリスチレン系樹脂第二発泡層に積層されている。
即ち、発泡層の密度が0.05g/cm3以上0.11
g/cm3未満であることから軽量性を有する。又、熱
可塑性樹脂層がポリスチレン系樹脂第二発泡層に積層さ
れているので、深絞り成形性に優れていると共に、外観
が美麗である。更に、上記ポリスチレン系樹脂第二発泡
層の表面が平滑であることから、上記熱可塑性樹脂層の
表面も美麗且つ平滑である。
【0184】上記熱可塑性樹脂積層発泡シートを熱成形
して得られた容器は、熱可塑性樹脂層が積層された面が
外面側に位置するように構成されている。従って、軽量
性を有すると共に、深絞り形状の容器であっても破れや
透孔がなく、容器の外面側が平滑であることから外面側
の印刷性に優れている。該容器は、絞り比が0.3以上
1.3以下の深絞りの場合に、外観が美麗で剛性が優れ
る丼、コップ等として好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シー
トの一例を示す縦断面図である。
【図2】図2は、熱可塑性樹脂層が積層されたポリスチ
レン系樹脂発泡シートの一例を示す縦断面図である。
【図3】図3は、本発明の熱可塑性樹脂積層発泡シート
の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 発泡シート 2 第一発泡層 3 第二発泡層 4 熱可塑性樹脂層 10 積層発泡シート 11 発泡層 12 第一発泡層 13 第二発泡層 14 熱可塑性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 25:00 B29K 105:04 105:04 B29L 9:00 B29L 9:00 B65D 1/00 B (72)発明者 行谷 雅明 栃木県鹿沼市晃望台7−3 (72)発明者 御子柴 寛文 栃木県宇都宮市鶴田町3235−3 コーポク レアール B202

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が0.05g/cm3以上0.11
    g/cm3未満の発泡シートであって、平均気泡径が1
    55〜450μmのポリスチレン系樹脂第一発泡層と平
    均気泡径が35〜150μmのポリスチレン系樹脂第二
    発泡層とからなることを特徴とするポリスチレン系樹脂
    発泡シート。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂層がポリスチレン系樹脂第
    一発泡層に積層されていると共に、ポリスチレン系樹脂
    発泡シートの坪量と熱可塑性樹脂層の坪量の合計が10
    0〜280g/m2であることを特徴とする請求項1記
    載のポリスチレン系樹脂発泡シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のポリスチレン系樹
    脂発泡シートを、ポリスチレン系樹脂第二発泡層がポリ
    スチレン系樹脂第一発泡層の外側に位置するように熱成
    形することによって得られたことを特徴とする容器。
  4. 【請求項4】 容器開口部の最大長さをDとし、容器の
    深さをHとして、H/Dによって定められる絞り比が
    0.1以上0.3未満である請求項3記載の容器。
  5. 【請求項5】 密度0.05g/cm3以上0.11g
    /cm3未満の発泡層と熱可塑性樹脂層とからなる熱可
    塑性樹脂積層発泡シートにおいて、上記発泡層は、平均
    気泡径が155〜450μmのポリスチレン系樹脂第一
    発泡層と平均気泡径が35〜150μmのポリスチレン
    系樹脂第二発泡層とからなり、上記熱可塑性樹脂層は最
    外層を構成するようにポリスチレン系樹脂第二発泡層に
    積層されていることを特徴とする熱可塑性樹脂積層発泡
    シート。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の熱可塑性樹脂積層発泡シ
    ートを熱成形して得られた容器であって、熱可塑性樹脂
    層が外面側に位置する容器。
  7. 【請求項7】 容器開口部の最大長さをDとし、容器の
    深さをHとして、H/Dによって定められる絞り比が
    0.3以上1.3以下である請求項6記載の容器。
JP2000205205A 1999-07-16 2000-07-06 ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらの容器 Expired - Lifetime JP4484184B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000205205A JP4484184B2 (ja) 1999-07-16 2000-07-06 ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらの容器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20349599 1999-07-16
JP11-203495 1999-07-16
JP2000205205A JP4484184B2 (ja) 1999-07-16 2000-07-06 ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらの容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001088252A true JP2001088252A (ja) 2001-04-03
JP4484184B2 JP4484184B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=26513956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000205205A Expired - Lifetime JP4484184B2 (ja) 1999-07-16 2000-07-06 ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらの容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4484184B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001162735A (ja) * 1999-09-29 2001-06-19 Jsp Corp 熱可塑性樹脂積層発泡シート及びポリスチレン系樹脂発泡シート、並びにそれらの容器
JP2009505790A (ja) * 2005-08-29 2009-02-12 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 多孔性イヤーマフを包含する聴覚保護装置
JP2013209449A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン系樹脂発泡シート及び成形容器
JP2015067701A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 積水化成品工業株式会社 発泡成形体
JP2018131852A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 積水樹脂株式会社 建材
JP7457619B2 (ja) 2020-09-29 2024-03-28 積水化成品工業株式会社 ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、およびポリスチレン系樹脂積層発泡容器

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102164466B1 (ko) * 2019-06-26 2020-10-12 서기원 상품포장 트레이용 합성수지 적층시트의 제조방법

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09141773A (ja) * 1995-11-24 1997-06-03 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品、並びに積層発泡シートの製造方法
JPH1016025A (ja) * 1996-06-28 1998-01-20 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品
JPH1158489A (ja) * 1997-08-12 1999-03-02 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、成形品及び製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09141773A (ja) * 1995-11-24 1997-06-03 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品、並びに積層発泡シートの製造方法
JPH1016025A (ja) * 1996-06-28 1998-01-20 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品
JPH1158489A (ja) * 1997-08-12 1999-03-02 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、成形品及び製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001162735A (ja) * 1999-09-29 2001-06-19 Jsp Corp 熱可塑性樹脂積層発泡シート及びポリスチレン系樹脂発泡シート、並びにそれらの容器
JP4570224B2 (ja) * 1999-09-29 2010-10-27 株式会社ジェイエスピー 熱可塑性樹脂積層発泡シート及びポリスチレン系樹脂発泡シート、並びにそれらの容器
JP2009505790A (ja) * 2005-08-29 2009-02-12 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 多孔性イヤーマフを包含する聴覚保護装置
JP2013209449A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Sekisui Plastics Co Ltd ポリスチレン系樹脂発泡シート及び成形容器
JP2015067701A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 積水化成品工業株式会社 発泡成形体
JP2018131852A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 積水樹脂株式会社 建材
JP7457619B2 (ja) 2020-09-29 2024-03-28 積水化成品工業株式会社 ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、およびポリスチレン系樹脂積層発泡容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4484184B2 (ja) 2010-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4966881B2 (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及びその製造方法
JP2009149054A (ja) ポリスチレン系樹脂製発泡二軸延伸シート及びその製造方法並びにこのシート製の成形品
JP5933478B2 (ja) 積層発泡シート
JP2009155557A (ja) 耐熱発泡シート及びその製造方法並びに食品用容器
JP2001088252A (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらの容器
JP4570224B2 (ja) 熱可塑性樹脂積層発泡シート及びポリスチレン系樹脂発泡シート、並びにそれらの容器
JP5673625B2 (ja) 熱成形用積層シート及び積層樹脂製容器
JP2012006357A (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、容器、及び、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法
JPH1016025A (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形品
JP2010201623A (ja) 積層シート
JP2001179903A (ja) 積層発泡シート及び容器
JP2002219781A (ja) ポリプロピレン系樹脂の積層発泡成形品とその製造に用いる積層発泡体およびその製造方法
JP4545860B2 (ja) 多層発泡シート及び容器
JP2002166508A (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シート及びその容器
JP2009034934A (ja) 容器用積層シート
JP3976574B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂積層発泡シートおよびその製造方法
JP4008904B2 (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート
JP2000103016A (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体/ポリオレフィン系樹脂多層体
JP4367811B2 (ja) 多層ポリスチレン系樹脂発泡体及び容器
JP4338114B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体/ポリオレフィン系樹脂多層体
JPH11129369A (ja) 合成樹脂発泡シートおよびその製造方法
JP2019025858A (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び包装用容器
JP7457619B2 (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、およびポリスチレン系樹脂積層発泡容器
JP6754278B2 (ja) 多層発泡シート
JP2023049240A (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、およびポリスチレン系樹脂積層発泡容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070608

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100319

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250