JPH1158489A - ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、成形品及び製造方法 - Google Patents
ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、成形品及び製造方法Info
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- JPH1158489A JPH1158489A JP9217669A JP21766997A JPH1158489A JP H1158489 A JPH1158489 A JP H1158489A JP 9217669 A JP9217669 A JP 9217669A JP 21766997 A JP21766997 A JP 21766997A JP H1158489 A JPH1158489 A JP H1158489A
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Abstract
しうるポリスチレン系樹脂積層発泡シートを提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 ポリスチレン系樹脂発泡シートの少なく
とも片面に実質的に非発泡ではあるが、加熱処理の際に
微細な気泡に発泡可能な発泡剤を含有した発泡潜在性を
有した非発泡ポリスチレン系樹脂フィルムが積層されて
なるポリスチレン系樹脂積層発泡シートにより上記課題
を解決する。
Description
脂積層発泡シート、成形品及び製造方法に関する。更に
詳しくは、本発明は、主に即席麺容器等の食品容器や、
包装容器等の用途に適したポリスチレン系樹脂積層発泡
シート、成形品及び製造方法に関する。
泡ポリスチレン系樹脂は、食品容器、包装容器として広
く使用されている。しかしながら、ポリスチレン系樹脂
発泡シート単体より得られる容器等は、硬質で剛性があ
る反面、脆いという欠点を有しており、また、容器表面
の硬度が低いため容器表面に傷が付きやすく、容器の外
観を損ないやすいとともに、表面の光沢性に乏しく、外
観美麗なものではなかった。
ば特公昭63−20702号公報では、ポリスチレン系
樹脂発泡シートに無発泡フィルムを積層した、ポリスチ
レン系樹脂積層発泡シート等が提案されている。このシ
ートは強度や外観美麗性に優れているので、その利点を
いかし、即席麺等の食品容器等として、数多く使用され
ている。
ては、予め製造しておいたポリスチレン系樹脂発泡シー
トに、Tダイを備えた押出機より溶融状態の無発泡ポリ
スチレン系樹脂フィルムを積層する方法や、予め製造し
ておいた無発泡ポリスチレン系樹脂フィルムを加熱ロー
ル等を介し、熱融着する方法が一般的である。また、よ
り効率的な製造方法として、ポリスチレン系樹脂発泡シ
ートを製造し、ロール状に捲き取る以前に、インライン
でTダイを備えた押出機より溶融状態の無発泡ポリスチ
レン系樹脂フィルムを積層する方法も知られている。
共押出法により同様なポリスチレン系樹脂積層発泡シー
トを製造する方法も知られている。具体的な共押出法に
よるポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法とし
ては、発泡シートの製造を目的とした発泡剤を含有した
溶融状態のポリスチレン系樹脂と、無発泡フィルムの製
造を目的とした溶融状態のポリスチレン系樹脂とを同一
の押出金型で合流させて積層することにより製造する方
法である。これら共押出法は、生産性、コスト面からし
て、積層発泡シートを得る最も効率的な方法であると考
えられる。
スチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法の内、主に即
席麺用の食品容器等として使用されるものについて検討
を行った。共押出法によるポリスチレン系樹脂積層発泡
シートの製造においては、発泡シートと無発泡フィルム
との間に溶融時の粘度差があるため、積層発泡シート製
造が可能な範囲でのそれぞれの押出樹脂温度が著しく異
なってしまう。すなわち、発泡剤を含有する発泡シート
は、発泡剤が可塑剤としての役割をも果たすために、溶
融粘度が低い。従って、押出発泡のために必要とされる
適正樹脂温度までに下げることが容易に可能であるが、
発泡剤等を含まない無発泡フィルムは溶融粘度が高いた
めに、押出樹脂温度を下げることが難しい。結果とし
て、これら発泡シートに比べ高温である無発泡フィルム
が、金型内で積層された後、及び金型から大気中に放出
された後までも、発泡シートの適正な発泡を阻害し、発
泡シートの過熱による連続気泡率の上昇、2次発泡不良
を発生させる。また更には、無発泡フィルムと接する発
泡シートの気泡が、無発泡フィルムの熱により肥大化す
るために、外観不良となる。また、成形時に更に加熱さ
れることによって、気泡破れが発生しやすく、その部分
にシワが発生したりする。
−195629号公報には、発泡剤を含有した複数の溶
融樹脂の流れのうちの少なくとも1つに核形成剤を入れ
ずに、溶融粘度を調整しつつ、該流れを発泡剤の沸点以
上ではあるが均一な核形成が起こるよりも低い温度に維
持し、無発泡状態(表皮層を形成)で他の流れと共に押
出する方法が提示されている。これら公報に記載されて
いる実施例を抜粋すると、無発泡層(表皮層)として核
形成剤を添加せず、約5%のペンタンを含んだ溶融樹脂
の流れは、樹脂温度の調整と発泡シートの粘度調整とを
可能とし、安定して押出物が製造可能であり、発泡シー
トの過熱を防ぐことができることが示されている。
ている方法を用いたとしても、無発泡フィルムと発泡シ
ートの界面部分における発泡シートの気泡の肥大化を完
全に防ぐことが困難であり、通常の単層発泡シートと比
較すると、著しく外観の悪い積層発泡シートとなってし
まう。すなわち、単層の発泡シートでは、通常金型スリ
ット部より放出された後は、空冷、あるいは水冷等によ
り発泡シートの表面をすぐさま冷却し、スキン層をつけ
ることで、発泡過程にある発泡シート表面の気泡がそれ
ら中心部の気泡に比べ非常に細かくなるため、外観美麗
な発泡シートを得ることができる。一方、無発泡フィル
ム及び発泡シートを同一の金型で積層させ、押出発泡さ
せる場合には、無発泡フィルム越しに、発泡シートを冷
却することとなるため、比較的高い樹脂温度を有する無
発泡フィルムを冷却しつつの冷却となる。そのため、界
面部の発泡シートの冷却不足により、その部分の気泡が
肥大化するため、外観不良となってしまう。また、無発
泡フィルムは、それ自身による断熱膨張による冷却がな
いために、なおさら界面部の発泡シートの気泡は冷却不
足となる。無発泡フィルム側の冷却量をアップさせるこ
とでこの現象を、多少改善することが可能ではあるが、
無発泡フィルムの冷却量のアップは、フィルム自身の延
伸量を増大させることとなるため、強い延伸がかかりす
ぎることとなる。そのため、加熱成形時や容器の使用に
際し、変形等の問題を生じやすい。
層発泡シートの諸物性や熱成形した場合の成形品の特性
は、何ら考慮されていなかった。他方、共押出法によ
り、2層ともが発泡した積層発泡シートを製造する方法
は、既に知られている。例えば、特開平9−14177
3号公報には、微細な気泡を有する高密度の発泡シート
と、低密度の発泡シートが積層された積層発泡シートの
製造方法が例示されており、得られた積層発泡シート
は、印刷性及び成形性が優れているとされている。
で微細な気泡を有する積層発泡シートを製造すること
は、難しいことが知られていた。低倍率で微細な気泡を
有する発泡フィルムを製造する方法として、無機ガス
(例えば窒素や炭酸ガス)の使用や、気泡核剤(例えば
タルク等)を増量させる等の方法があるが、これら方法
は生産性低下が伴い、また気泡微細化にともなってそれ
ら気泡膜が薄くなる。そのため、連続気泡率が上昇し、
2次発泡性が低下する、外観不良が発生する等の問題を
生じるため、直接的に押出発泡により低倍率で微細な気
泡を有する発泡フィルムを製造することは困難であっ
た。
を解消すべく、得られた積層発泡シートの熱成形につい
て詳しく研究した結果、実質的に非発泡ではあるが、加
熱処理の際に微細に発泡可能とする発泡剤を含む発泡潜
在性を有したポリスチレン系樹脂フィルムとポリスチレ
ン系樹脂発泡シートを積層したポリスチレン系樹脂積層
発泡シートを加熱処理することで、発泡潜在性を有した
ポリスチレン系樹脂フィルムに非常に微細な気泡が生成
して発泡フィルムに変換され、外観良好で、かつ強度に
優れた成形品を製造しうるポリスチレン系樹脂積層発泡
シートを得ることができることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
樹脂発泡シートの少なくとも片面に実質的に非発泡では
あるが、加熱処理の際に微細な気泡に発泡可能な発泡剤
を含有した発泡潜在性を有した非発泡ポリスチレン系樹
脂フィルムが積層されてなるポリスチレン系樹脂積層発
泡シートが提供される。更に、本発明によれば、上記シ
ートを成形前又は成形後、或いは成形と同時に加熱処理
に付すことにより、発泡潜在性を有するポリスチレン系
樹脂フィルムを平均気泡径が150μm以下の気泡を有
する発泡フィルムに変換させてなるポリスチレン系積層
発泡成形品が提供される。
溶融状態のポリスチレン系樹脂と、発泡剤を含有した溶
融状態のポリスチレン系樹脂とを同一の押出金型内で合
流させて積層した後、押出発泡させることにより上記ポ
リスチレン系積層発泡シートにすることを特徴とするポ
リスチレン系積層発泡シートの製造方法が提供される。
層発泡シート(以下、積層発泡シートと称する)は、ポ
リスチレン系樹脂シート(以下、発泡シートと称する)
と実質的に非発泡ではあるが、加熱処理の際に発泡可能
な発泡剤を含有した発泡潜在性を有したポリスチレン系
樹脂フィルム(以下、発泡潜在性フィルムと称する)と
の積層体からなる。
理の際に発泡可能とは、成形等の加熱処理時には微発泡
しうるが、発泡シートとの積層時には発泡しないことを
意味する。発泡潜在性フィルムを構成する基材樹脂であ
るポリスチレン系樹脂は、具体的には、スチレン、メチ
ルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、
ジメチルスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、
ビニルトルエン、ビニルキシレン等のスチレン単量体の
単独重合体、又はスチレン単量体とアクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アク
リル酸エステル(例えばメチル、エチル等とのエステ
ル)、メタクリル酸エステル(例えばメチル、エチル等
とのエステル)、無水マレイン酸、ブタジエン等のビニ
ル単量体との共重合体が挙げられる。具体的には、ポリ
スチレン樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ス
チレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIP
S)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体等の耐熱
性、耐衝撃性に優れた樹脂が挙げられる。
IPS)が好ましい。耐衝撃性ポリスチレンは、サラミ
状若しくは単包状(コアシェル)のスチレン−ブタジエ
ン共重合体成分が分散しているが、これら重合体成分
は、フィルム押出時には気泡核剤としての効果はなく、
発泡潜在性フィルムを加熱する際には気泡核剤としての
効果を示すため、微細な気泡の生成が可能となるためで
ある。耐衝撃性ポリスチレンを用いる代わりに、ポリス
チレン系樹脂に、他のゴム成分(例えばイソプレン等)
を添加した基材樹脂を使用してもよい。
いるが、その発泡剤は、一般にポリスチレン系樹脂の発
泡剤として使用されるものであることが好ましい。特
に、沸点が−100℃〜200℃のものを使用すること
が好ましい。沸点が−100℃より低い場合、発泡潜在
性フィルムの押出時に気泡が生成しやすいので好ましく
ない。一方、200℃より高い場合、発泡潜在性フィル
ムを加熱処理した際に気泡が生成しにくいので好ましく
ない。より具体的な発泡剤としては、プロパン、ノルマ
ルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタ
ン、ヘキサン、イソヘキサン等のような脂肪族炭化水
素、塩化メチル、塩化エチル、フロン134aやフロン
152a等のハロゲン化炭化水素、トルエンやベンゼン
等の芳香族炭化水素等が挙げられる。また、これら発泡
剤は混合して用いても良い。
0.5〜10重量%の割合で含まれていることが好まし
い。発泡剤の含有量が、0.5重量%未満では、発泡潜
在性フィルムを加熱した際の気泡生成が起こりにくく、
また生成する気泡径も大きくなりやすく、更には発泡倍
率も低くなるため好ましくない。一方、10重量%を超
える場合には、フィルム押出時に気泡が生成しやすくな
るために好ましくない。従って、0.5〜10重量%の
範囲であれば、発泡潜在性フィルムの押出時の気泡生成
がなく、また発泡潜在性フィルムを加熱処理した際に微
細な気泡の生成が起こりやすく、外観良好な積層発泡シ
ートを得ることができる。
重量部%が更に好ましく、0.8〜3.0重量%が特に
好ましい。ここで、発泡潜在性フィルムに含まれる発泡
剤の量は、使用する発泡剤の沸点以上の温度で、かつ基
材樹脂の軟化点以上で、一定時間加熱した後に測定され
た値を意味する。ただし、沸点以下の温度であっても、
また基材樹脂の軟化点以下であっても、長時間加熱する
ことにより、前記と同じ測定値を得ることも可能であ
る。通常は150℃程度で、約1時間加熱したときに測
定される。
することにより、平均気泡径が150μm以下の非常に
微細な気泡を有する発泡フィルムに変換することができ
る。ここで、平均気泡径が150μmを超える場合に
は、外観美麗性に劣るので好ましくない。気泡の平均気
泡径は、5μm以上であることが好ましい。5μm以下
では気泡を生成させること自体が困難だからである。な
お、平均気泡径は、10〜100μmがより好ましく、
更に好ましくは20〜80μmである。
押出時には気泡核剤としての効果が少なく、発泡潜在性
フィルムを加熱する際には気泡核剤としての効果を示す
添加剤を加えることが好ましい。例えば、そのような添
加剤としては、酸化チタン、脂肪酸金属塩(例えばステ
アリン酸マグネシウムやカルシウム)、その他の界面活
性剤や滑剤等が挙げられる。
0μmであることが好ましい。厚さが10μmより薄い
場合、表面の光沢性や強度が不足するので好ましくな
い。一方、300μmより厚い場合、積層発泡シートの
成形性が低下すると共に成形品にシワが入ったりするの
で好ましくない。発泡シートを構成する基材樹脂である
ポリスチレン系樹脂は、上記の発泡潜在性フィルムに使
用することができるポリスチレン系樹脂と同種のものを
いずれも使用することができる。なお、発泡シートと発
泡潜在性フィルムを構成する基材樹脂は、同一でも、異
なっていてもよい。
ることが好ましい。発泡倍率が2倍より小さい場合、積
層発泡シートから成形された成形品の断熱性や剛性が劣
るので好ましくない。一方、20倍より大きい場合、積
層発泡シートの成形性が低下すると共に得られる成形品
にシワが入ったりするので好ましくない。また、発泡シ
ートの厚さは、1.0〜3.0mmであることが好まし
い。厚さが1.0mmより薄い場合、積層発泡シートか
ら成形された成形品の断熱性や剛性が劣るので好ましく
ない。一方、3.0mmより厚い場合、積層発泡シート
の成形性が低下すると共に得られる成形品にシワが入っ
たりするので好ましくない。
少なくとも片面に発泡潜在性フィルムが積層されてな
る。また、発泡潜在性フィルムは発泡シートの両面に積
層されていてもよい。本発明の積層発泡シートの発泡潜
在性フィルム上には、更に無発泡ポリスチレン系樹脂フ
ィルム(以下、無発泡フィルムと称する)が積層されて
いてもよい。無発泡フィルムを構成する基材樹脂である
ポリスチレン系樹脂は、上記の発泡潜在性フィルムに使
用することができるポリスチレン系樹脂と同種のものを
いずれも使用することができる。更に、発泡シート及び
発泡潜在性フィルムを構成する基材樹脂と、同一又は異
なる樹脂を使用してもよい。
ムを熱処理することにより得られる発泡フィルムに、更
に良好な印刷性を付与することができる。特に、積層発
泡シートから得られる成形品に曲面印刷を施す場合、良
好な印刷性を与えることができる。無発泡フィルムの厚
さは、10〜300μmであることが好ましい。また、
無発泡フィルムは、表面及び/又は裏面に印刷が施され
ていてもよい。
又は成形後、或いは成形時に加熱処理される。加熱処理
により、発泡潜在性フィルム中の発泡剤が発泡し、微細
な気泡を有する発泡フィルムに変換されることとなる。
加熱処理は、100〜300℃の温度下で行うことが好
ましい。更に、本発明によれば、上記積層発泡シートを
成形して得られた成形品を提供することができる。成形
方法は、公知の方法をいずれも使用することができる。
本発明の成形品は、表面光沢性、表面平滑性に優れ、割
れにくいという利点を有している。また、成形品の形状
は、特に限定されず、浅絞り成形品、深絞り成形品のい
ずれにも使用することができる。具体的にはトレー、
皿、丼、コップ、蓋材等の各種食品容器に使用すること
ができる。ただし、食品容器に限定されることなく、他
の用途でも使用することができる。
トの製造方法も提供される。発泡シートは公知の押出発
泡法により製造することができる。この押出発泡法は、
所望の密度となるように、押出機に基材樹脂、発泡剤及
び発泡に必要な添加剤を入れ、溶融及び混練した後、押
出金型から押し出すことにより行われる。なお、予め基
材樹脂、発泡剤及び添加剤を均一に溶融及び混合した
後、押出機に送ってもよい。
泡剤は、公知のものをいずれも使用することができ、例
えば分解型発泡剤、気体又は揮発性の発泡剤が使用でき
る。分解型発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウ
ム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸ア
ンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジド、ホ
ウ水素ナトリウム等の無機系分解性発泡剤、アゾジカル
ボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビスブチ
ロニトリル及びジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合物、
N,N’−ジニトリソペンタンメチレンテトラミン及び
N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタル
アミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド及びp,p’
−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−
トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノト
リアジン、バリウムアゾジカルボキシレート等が挙げら
れる。これら発泡剤は、単独でも組み合わせてもよい。
更に、分解温度、発生ガス量及び分解速度を調節するた
めに公知の発泡助剤を添加してもよい。
プロパン、ブタン(ノルマル、イソを含む)、メチルエ
ーテル等が挙げられる。一方、揮発性の発泡剤として
は、エーテル、石油エーテル、アセトン、ペンタン、イ
ソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソ
ヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。また、
上記以外にも水を使用することができる。
お、発泡剤は、基材樹脂100重量部に対して0.3〜
20重量部添加することが好ましい。発泡に必要な添加
剤としては、例えば気泡調節剤等が挙げられる。具体的
には、タルク、シリカ等の無機粉末、多価カルボン酸等
の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸
ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。
防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤等を添加し
てもよい。また、発泡シートを製造する場合、使用する
樹脂の種類等により異なるが、押出機内の樹脂温度は8
5〜260℃程度が好ましい。一方、発泡潜在性フィル
ムは、公知の押出法により製造することができる。発泡
潜在性フィルムに含まれる発泡剤は、予め基材樹脂と溶
融及び混練されていてもよく、押出機中に注入してもよ
い。ここで、発泡剤は、製造後上記割合になるように、
基材樹脂100重量部に対して、0.5〜5重量部含有
させることが好ましい。また、押出機内の樹脂温度は、
100〜300℃が好ましい。この樹脂は、押出機から
押し出されたのち、発泡シート製造用金型(例えば、T
ダイ)に導入され、該金型内で発泡シートを構成する樹
脂に積層される。発泡シート及び発泡潜在性フィルムを
構成するそれぞれの樹脂は、金型から直接シート状、又
は一旦円筒状に押出発泡された後、任意のラインで切断
することによりシート状にされ、積層発泡シートが製造
される。
合、公知の押出法によりフィルム状にした後、接着剤や
熱融着法により貼り合わせる方法が使用できる。上記共
押出法を用いることで、従来2工程が必要であった積層
発泡シートの製造が、1工程で行えるため、生産性を著
しく向上させることが可能となる。なお、生産性の向上
は望めないが、予め上記と同様の方法によりシート状に
された発泡シート上に、金型から押し出された発泡潜在
性フィルムを積層することにより積層発泡シートを製造
してもよい。この製造法でも、外観良好で、かつ強度に
優れた成形品を製造しうる本発明のポリスチレン系樹脂
積層発泡シートを製造することができる
細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない 実施例1〜4、比較例1〜3 実施例1〜4及び比較例1〜3では、押出機を2台使用
し、一方の押出機(発泡シート製造用)に発泡剤として
ブタンガス(ノルマルとイソをそれぞれ50%含む)
3.0重量部、タルク1.0重量部を基材樹脂100重
量部に添加し、樹脂温度を160℃に調整し、他方の押
出機を(発泡潜在性フィルム製造用)に発泡剤として前
記と同じブタンガスを基材樹脂に添加し(但し、比較例
3では添加せず)、樹脂温度を180℃に調整し(比較
例3において、180℃では押出圧力が高く押し出し不
能となるために200℃に調整した)、それぞれの押出
機より同一の金型へ溶融樹脂を供給し、金型内で積層
し、同一口金から同時に押し出すことにより積層発泡シ
ートを製造した。
発泡シート上に、発泡剤として前記と同じブタンガスを
添加し、樹脂温度250℃に調整し、この基材樹脂をT
ダイを備えた押出機よりフィルム状に押出することによ
り積層発泡シートを製造した。なお、使用した基材樹
脂、発泡倍率、厚さ、発泡潜在性フィルムへの発泡剤添
加量及び発泡潜在性フィルム中の発泡剤含有量を表1に
示した。また、発泡潜在性フィルム中の発泡剤含有量
は、積層発泡シートを10cm×10cm角に切り取っ
た試験片から発泡潜在性フィルムを剥離し、発泡潜在性
フィルムを10枚1組としてアルミホイルに包み、15
0℃に設定した恒温槽に1時間入れ、取り出した後にデ
シケーター内で冷却し、加熱前後の重量から算出した。
フィルム側が内側にくるように、180℃で加熱成形す
ることにより、φ180mm×深さ50mmの丼状の成
形品を製造した。なお、この加熱成形により、発泡潜在
性フィルム内に微細な気泡が形成され、発泡潜在性フィ
ルムは発泡フィルムに変換される。得られた成形品につ
いて、発泡フィルムの平均気泡径、厚み、成形性、外観
について測定した結果を表1に示した。ただし、表1に
記載した発泡フィルムの平均気泡径及び厚みは、容器底
部の測定結果である。
出し方向(MD方向)及びそれと直交する方向(TD方
向)の断面部の顕微鏡写真を撮影し、その写真より微細
な気泡を有する発泡フィルムの厚みを測定し(t)、t
間にある気泡数をNとすると、D=t/Nの式により算
出した。成形性は、容器リップ部が水ブクレ状になる場
合を×、シワの発生がない場合を○とした。
越しに発泡シートを目視した際に、気泡がはっきりと見
える場合には×、全く見えない場合を○とした。
品は、成形性が良好で、外観も美麗であった。なお、比
較例3において、フィルムへの発泡剤の添加量が0重量
部にもかかわらず、発泡剤の含有量が0.1重量部とな
っているのは、発泡シート中の発泡剤が移行してきたた
めである。
は、外観良好で、かつ強度に優れた成形品を成形するこ
とができる。また、本発明のポリスチレン系樹脂積層発
泡シートは、共押出法のような簡便な方法で発泡シート
と発泡潜在性フィルムを積層することにより能率よく、
大量に製造することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリスチレン系樹脂発泡シートの少なく
とも片面に実質的に非発泡ではあるが、加熱処理の際に
微細な気泡に発泡可能な発泡剤を含有した発泡潜在性を
有した非発泡ポリスチレン系樹脂フィルムが積層されて
なるポリスチレン系樹脂積層発泡シート。 - 【請求項2】 発泡潜在性を有した非発泡ポリスチレン
系樹脂フィルムに含まれる発泡剤が、−100〜200
℃の沸点を有し、発泡潜在性を有するポリスチレン系樹
脂フィルムに0.5〜10重量%の割合で含まれてなる
請求項1のシート。 - 【請求項3】 発泡潜在性を有するポリスチレン系樹脂
フィルムが、耐衝撃性ポリスチレンを少なくとも含む請
求項1又は2のシート。 - 【請求項4】 発泡潜在性を有するポリスチレン系樹脂
フィルム上に、更に無発泡ポリスチレン系樹脂フィルム
を積層してなる請求項1〜3いずれか1つのシート。 - 【請求項5】 非発泡ポリスチレン系樹脂フィルムが、
加熱処理により平均気泡径が150μm以下の微細な気
泡を有する発泡フィルムに変換されてなる請求項1〜4
いずれか1つのポリスチレン系積層発泡シート。 - 【請求項6】 請求項1〜4いずれか1つのシートを成
形前又は成形後、或いは成形と同時に加熱処理に付すこ
とにより、発泡潜在性を有するポリスチレン系樹脂フィ
ルムを平均気泡径が150μm以下の微細な気泡を有す
る発泡フィルムに変換させてなるポリスチレン系積層発
泡成形品。 - 【請求項7】 請求項5のシートを成形することにより
得られたポリスチレン系積層発泡成形品。 - 【請求項8】 発泡剤を含有した溶融状態のポリスチレ
ン系樹脂と、発泡剤を含有した溶融状態のポリスチレン
系樹脂とを同一の押出金型内で合流させて積層した後、
押出発泡させることにより請求項1〜5いずれか1つの
ポリスチレン系積層発泡シートにすることを特徴とする
ポリスチレン系積層発泡シートの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2001088252A (ja) * | 1999-07-16 | 2001-04-03 | Jsp Corp | ポリスチレン系樹脂発泡シート及び熱可塑性樹脂積層発泡シート、並びにそれらの容器 |
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JP2001301103A (ja) * | 2000-04-24 | 2001-10-30 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及びその製法 |
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