JP3232552U - バッテリーアンダーカバー - Google Patents

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彩乃 波田野
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Abstract

【課題】機械的強度に優れ、且つ断熱性が良好なバッテリーアンダーカバーを提供する。【解決手段】ポリプロピレン系樹脂を含む発泡樹脂層10と、発泡樹脂層の両面に位置するポリプロピレン系樹脂を含む非発泡樹脂層20、30とを有する樹脂積層発泡シートからなるバッテリーアンダーカバー1であって、発泡樹脂層は、独立気泡率が80%以上であり、厚みが3〜6mmであり、密度が0.09〜0.2g/cm3である。【選択図】図2

Description

本考案は、バッテリーアンダーカバーに関する。
従来、熱可塑性樹脂を基材樹脂とした発泡樹脂層と、熱可塑性樹脂を基材樹脂とした非発泡樹脂層とを備える樹脂積層発泡シートが知られている。係る樹脂積層発泡シートは、耐熱性、軽量性に優れるため、食品包装用容器、車両のアンダーカバー等の原材料として使用されている。
ところで、車両用バッテリーは、一般的に、エンジンルームのエンジンの上部に設置されている。車両用バッテリーは、エンジンからの熱などによりバッテリーの表面が熱せられ、バッテリー内部にあるバッテリー液が高温になりやすい。その結果、バッテリーの寿命が減少しやすい。そこで、バッテリーを熱から保護するために、バッテリーの側面を被覆するバッテリーカバーが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平7−37567号公報
しかしながら、特許文献1のバッテリーカバーのようにバッテリーの側面のみを断熱しただけでは、バッテリーの下側にあるエンジンからの熱が伝わりやすく、バッテリー液の温度上昇を防ぐには不十分である。
また、バッテリーは重量が20kg近くあるため、バッテリーアンダーカバーには、エンジンの熱にさらされてもバッテリーの重さで変形しない機械的強度が必要である。
本考案は上記事情に鑑みてなされたものであり、高温保存後の機械的強度に優れ、且つ断熱性が良好なバッテリーアンダーカバーを提供することを目的とする。
本考案者らは、鋭意検討した結果、少なくとも3層を有する樹脂積層発泡シートを用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
本考案は以下の態様を有する。
[1]ポリプロピレン系樹脂を含む発泡樹脂層(A)と、前記発泡樹脂層の両面に位置するポリプロピレン系樹脂を含む非発泡樹脂層(B)とを有する樹脂積層発泡シートからなるバッテリーアンダーカバーであって、
前記発泡樹脂層(A)は、独立気泡率が80%以上であり、厚みが3〜6mmであり、密度が0.09〜0.2g/cmである、バッテリーアンダーカバー。
[2]前記樹脂積層発泡シートが、下記方法で測定される高温保存試験において、下記式(1)を満たす、[1]に記載のバッテリーアンダーカバー。
(t−t)/t<3 ・・・(1)
(式(1)中、tは試験前の試料厚みの平均値であり、tは試験後の試料厚みの平均値である。)
<高温保存試験>
樹脂積層発泡シートを170mm×240mmに切断し、端部から10mmの箇所4点と樹脂積層発泡シートの中心部1点との5点の箇所の厚みを測定する。前記5点の厚みの平均値をtとする。120℃の温度に設定したオーブン内に試料を入れた後、その上に20kgの基準分銅を置き、5時間静置した後、試料を取り出して前記5点の厚みを測定する。前記5点の厚みの平均値をtとする。
[3]前記樹脂積層発泡シートが平板状である、[1]又は[2]に記載のバッテリーアンダーカバー。
[4]前記非発泡樹脂層(B)の厚みが0.01〜1.0mmである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のバッテリーアンダーカバー。
[5]厚みが3〜20mmである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のバッテリーアンダーカバー。
本考案によれば、高温保存後の機械的強度に優れ、且つ断熱性が良好なバッテリーアンダーカバーを提供することができる。
本考案のバッテリーアンダーカバーの一例を示す斜視図である。 本考案のバッテリーアンダーカバーの一例を示す断面図である。 発泡シートの製造装置の一例を示す模式図である。 本考案の高温保存試験における厚みの測定位置を表す模式図である。 本考案の樹脂積層発泡シートの製造装置の一例を示す模式図である。
≪バッテリーアンダーカバー≫
本考案のバッテリーアンダーカバーは、樹脂積層発泡シートからなり、前記樹脂積層発泡シートは、発泡樹脂層(A)と、発泡樹脂層(A)の両面に設けられた非発泡樹脂層(B)とを有する。
バッテリーアンダーカバーの一例について、図1及び2を用いて説明する。
本考案のバッテリーアンダーカバー1は、図1に示すように、バッテリー台2の上に配置され、その上にバッテリー3を積載して使用されるものである。本態様では、平面視において矩形のバッテリーアンダーカバー1を例示したが、バッテリー台2の底板の形状に合わせた形状であってもよい。バッテリーアンダーカバー1は平板状であることが好ましい。
バッテリーアンダーカバー1は、図2に示すように、発泡樹脂層(A)10と、発泡樹脂層(A)10の一方の面に設けられた第一の非発泡樹脂層(B1)20と、発泡樹脂層10の他方の面に設けられた第二の非発泡樹脂層(B2)30と、を備える。樹脂積層発泡シート1は3層構造である。
なお、図2は、厚さ方向が拡大され、図示されている。
<発泡樹脂層(A)>
発泡樹脂層(A)は、樹脂組成物が発泡されてなる。樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂と発泡剤とを含有する。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体や、プロピレンと重合可能なビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。これらのポリプロピレン系樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。なかでも、ポリプロピレン単独重合体が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂が共重合体の場合、プロピレン由来の構成単位の含有量は、共重合体100質量%に対し、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、高溶融張力ポリプロピレン(HMS−PP)樹脂が好ましい。高溶融張力ポリプロピレン樹脂とは高分子量成分や分岐構造を有する成分をポリプロピレン樹脂中に混合したり、ポリプロピレンに長鎖分岐成分を共重合させたりすることで溶融状態での張力を高めたポリプロピレン樹脂である。高溶融張力ポリプロピレン樹脂は市販されており、例えば、Borealis社製の「WB130HMS」、「WB135HMS」、「WB140HMS」;Basell社製の「Pro−fax F814」;日本ポリプロ社製の「FB3312」、「FB5100」、「FB7200」、「FB9100」、「MFX8」、「MFX6」等が挙げられる。
前記ポリプロピレン系樹脂が、高溶融張力ポリプロピレン樹脂であるかどうかは、高分子構造上の違いのみならず、通常、その溶融張力(メルトテンション)の大きさによって判断できる。例えば、メルトテンションが5cN以上であれば、高溶融張力ポリプロピレン樹脂であると判断できる。
高溶融張力ポリプロピレン樹脂のメルトテンションは、例えば、10cN以上30cN以下が好ましい。上記下限値以上であると、発泡樹脂層(A)の強度をより高めやすい。上記上限値以下であると、熱成形性をより向上しやすい。
樹脂のメルトテンションの測定は、(株)東洋精機製作所製の測定装置「キャピログラフPMD−C」を使用して、以下のようにして測定できる。
まず試料樹脂を、230℃に加熱して溶融させた状態で、上記装置の、ピストン押出式プラストメーターのキャピラリー(口径2.095mm、長さ8mm)から、ピストンの降下速度を10mm/minの一定速度に保ちつつ紐状に押出す。次にこの紐状物を、上記ノズルの下方35cmに位置する張力検出プーリーに通過させた後、巻き取りロールを用いて、初速5m/minよりその巻き取り速度を、約66m/minの加速度でもって増加させながら巻き取って行う。そして紐状物が切れるまで試験を行った際に、張力検出プーリーによって検出された破断直前の極大張力をもって、試料樹脂のメルトテンションとする。
ポリプロピレン系樹脂の含有量は、発泡樹脂層(A)を構成する樹脂(a)100質量%に対し、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。
樹脂組成物は、その他の樹脂を含んでいてもよい。その他の樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレンを高圧下において重合させ分子中に長鎖分岐を形成させた低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、エチレンをチーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒を用いて中低圧下において重合させた密度が0.942g/cm以上の高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、前記HDPEの重合プロセスにおいて1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンを少量添加して分子中に短鎖分岐を形成させた密度が0.942g/cm未満の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)等が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン系単量体の単独重合体又は共重合体、スチレン系単量体と他のビニル系単量体との共重合体、又はこれらの混合物等が挙げられる。ポリスチレン系樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体に基づく構成単位が、前記ポリスチレン系樹脂の全構成単位に対して50質量%以上含まれるものが好ましく、70質量%以上含まれるものがより好ましく、80質量%以上含まれるものがさらに好ましい。
また、ポリスチレン系樹脂の質量平均分子量は、20万〜40万が好ましく、24万〜40万がより好ましい。前記質量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した値を、標準ポリスチレンによる較正曲線に基づき換算した値である。
上記スチレン系単量体の単独重合体又は共重合体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体又は共重合体が挙げられる。このなかでも、スチレンに基づく構成単位を、全構成単位に対して50質量%以上有するものが好ましく、ポリスチレン(単独重合体)がより好ましい。
また、ポリスチレン系樹脂として、ゴム成分を含むハイインパクトポリスチレンが用いられてもよい。
スチレン系単量体と他のビニル系単量体との共重合体としては、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、スチレン−フマル酸エステル共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−アルキレングリコールジメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体(例えばMBS樹脂)等が挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
スチレン系単量体と他のビニル系単量体との共重合体としては、スチレン系単量体に基づく構成単位を、前記共重合体の全構成単位に対して50質量%以上含むものが好ましく、70質量%以上含むものがより好ましく、80質量%以上含むものがさらに好ましい。
スチレン系単量体と他のビニル系単量体との共重合体としては、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂中の(メタ)アクリル酸に基づく構成単位の含有量は、ポリスチレン系樹脂を構成する全構成単位に対して、0.5〜6.8質量%が好ましく、1.0〜5.0質量%がより好ましく、1.3〜3.0質量%がさらに好ましい。上記数値範囲内とすることにより、優れた靭性や耐熱性が発揮されうる。
ポリスチレン系樹脂中の(メタ)アクリル酸に基づく構成単位の含有量は、スチレン−(メタ)アクリル酸の仕込み量から計算により算出できる。
ポリスチレン系樹脂中のブタジエンに基づく構成単位の含有量は、ポリスチレン系樹脂を構成する全構成単位に対して、0.5〜6.8質量%が好ましく、1.0〜5.0質量%がより好ましく、1.3〜3.0質量%がさらに好ましい。上記数値範囲内とすることにより、優れた靭性や耐熱性が発揮されうる。
ポリスチレン系樹脂中のブタジエンに基づく構成単位の含有量は、スチレン−ブタジエンの仕込み量から計算により算出できる。
ポリスチレン系樹脂中、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の含有量は、ポリスチレン系樹脂の総質量に対して10質量%以上が好ましい。スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の含有量が前記下限値以上であると、圧着性を高めやすい。
ポリスチレン系樹脂中のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の含有量は、特に限定されず、ポリスチレン系樹脂の総質量に対して100質量%でもよい。
ポリスチレン系樹脂中、スチレン−ブタジエン共重合体の含有量は、ポリスチレン系樹脂の総質量に対して10質量%以上が好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体の含有量が前記下限値以上であると、圧着性を高めやすい。
ポリスチレン系樹脂中のスチレン−ブタジエン共重合体の含有量は、特に限定されず、ポリスチレン系樹脂の総質量に対して100質量%でもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、市販のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法等により合成されたポリスチレン系樹脂、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系発泡体、ポリスチレン系樹脂発泡成形体(食品包装用トレー等)等を再生処理して得られたリサイクル原料を使用できる。前記リサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系発泡体、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンフラノエート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、テレフタル酸とエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールの共重合体、及びこれらの混合物並びにこれらと他の樹脂との混合物等が挙げられる。また、植物由来のポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンフラノエート樹脂が用いられてもよい。ポリエステル系樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
さらに、(メタ)アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリフェニレンエーテル系樹脂等が含まれていてもよい。
発泡樹脂層(A)を構成する樹脂(a)のメルトマスフローレート(MFR)は、5.0g/10min以下が好ましく、0.1g/10min以上4.0g/10min以下がより好ましく、0.5g/10min以上3.0g/10min以下がさらに好ましい。MFRが上記下限値以上であると、発泡樹脂層(A)の独立気泡率を80%以上にしやすい。MFRが上記上限値以下であると、発泡樹脂層(A)の強度をより高めやすい。
MFRは、熱可塑性樹脂の溶融時の流動性を表す数値である。MFRは、シリンダ内で溶融した樹脂を、一定の温度と荷重条件のもとで、ピストンによって、シリンダ底部に設置された規定口径のダイから、10分間あたりに押し出される樹脂量で表される。
本明細書において、MFRは、230℃、0.23MPaにおける数値である。
発泡樹脂層(A)を構成する樹脂(a)の融点は、150℃以上170℃以下が好ましく、155℃以上165℃以下がより好ましい。樹脂(a)の融点が上記下限値以上であると、発泡樹脂層(A)の強度をより高めやすい。樹脂(a)の融点が上記上限値以下であると、熱成形性をより向上しやすい。
樹脂(a)の融点は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載の方法により測定される。
樹脂組成物は、発泡剤を含有する。
発泡剤としては、例えば、重曹−クエン酸系発泡剤、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジド、ホウ水素化ナトリウム等の無機系分解性発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合物;N,N’−ジニトロソペンタンメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビスベンゼスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート等が挙げられる。気体の発泡剤としては、空気、窒素、炭酸ガス、プロパン、ネオペンタン、メチルエーテル、二塩化フッ化メタン、n−ブタン、イソブタン等が挙げられる。なお、ここで気体とは、常温(15℃〜25℃)で気体であることを意味する。一方、揮発性の発泡剤としては、エーテル、石油エーテル、アセトン、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
上記発泡剤のうち、n−ブタン、窒素が特に好ましい。
樹脂組成物中の発泡剤の含有量は、発泡剤の種類や、比重等を勘案して適宜決定され、例えば、樹脂100質量部に対して0.5〜20質量部が好ましく、0.8〜5.5質量部がより好ましい。
発泡樹脂層(A)中の発泡剤の含有量(いわゆる残存ガス量)は、発泡樹脂層(A)の総質量に対し、0.3〜3.6質量%が好ましく、0.5〜3.3質量%がより好ましい。
樹脂組成物は、界面活性剤、気泡調整剤、架橋剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤(炭化水素、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石鹸、シリコーン油、低分子ポリエチレン等のワックス等)、展着剤(流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ポリブテン等)、着色剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が添加されてもよい。
気泡調整剤としては、例えば、多価カルボン酸の酸性塩;多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。なかでも、独立気泡率を維持して、且つ熱成形性を向上しやすい点から、反応混合物が好ましい。
気泡調整剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
気泡調整剤の添加量は、樹脂100質量部に対して0.01〜1.0質量部が好ましい。
発泡樹脂層(A)は実質的に無機フィラーを含有しない。本明細書において、「実質的に無機フィラーを含有しない」とは、発泡樹脂層(A)の総質量に対する無機フィラーの含有量が0.1質量%以下であることを意味する。
無機フィラーとは、充填剤として用いられる無機化合物のことをいい、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、アルミナ、マイカ、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスバルーン、炭素繊維、ガラス繊維、カーボンブラック、金属粉等が挙げられる。
発泡樹脂層(A)は、実質的に無機フィラーを含有しないため、軽量であり、熱成形性により優れる。
発泡樹脂層(A)の独立気泡率は、80%以上であり、85%以上がより好ましい。上限値は特に限定されず、例えば、99%以下が好ましい。発泡樹脂層(A)の独立気泡率が上記数値範囲内であると、耐衝撃性に優れ、かつ、熱成形性をより向上しやすい。
発泡樹脂層(A)の独立気泡率は、JIS K7138:2006「硬質発泡プラスチック−連続気泡率及び独立気泡率の求め方」に記載の方法により測定される。
発泡樹脂層(A)の厚みT1は、3.0〜6.0mmが好ましく、4.0〜5.0mmがより好ましい。発泡樹脂層(A)の厚みが上記下限値以上であると、形状保持性に優れる。発泡樹脂層(A)の厚みが上記上限値以下であると、熱成形性をより向上できる。
本明細書において、厚みは、測定対象物の幅方向(TD方向)等間隔の20箇所をマクロゲージによって測定し、その算術平均値により求められた値である。
発泡樹脂層(A)の坪量は、250〜700g/mが好ましく、400〜600g/mがより好ましい。発泡樹脂層(A)の坪量が上記数値範囲内であると、取扱い性に優れる。
なお坪量は、以下の方法で測定することができる。
発泡樹脂層(A)の幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定する。各切片の質量(g)の平均値を1m当たりの質量に換算した値を、発泡樹脂層(A)の坪量(g/m)とする。
発泡樹脂層(A)の密度は、0.09〜0.2g/cmであり、0.1〜0.18g/cmが好ましい。発泡樹脂層(A)の密度が上記数値範囲内であると、取扱い性に優れる。
<発泡シートの製造方法>
発泡樹脂層(A)を形成する発泡シートは、従来公知の製造方法に準拠して製造される。
発泡シートの製造方法としては、樹脂組成物を調製し、樹脂組成物をシート状に押し出し、発泡(一次発泡)する方法が挙げられる(押出発泡法)。
発泡シートの製造方法の一例について、図3を用いて説明する。
図3の発泡シートの製造装置200は、インフレーション成形により発泡シートを得る装置であり、押出機202と、発泡剤供給源208と、サーキュラーダイ210と、マンドレル220と、2つの巻取機240とを備える。
押出機202は、いわゆるタンデム型押出機であり、押出機A202aと押出機B202bとが配管206で接続された構成とされている。第一の押出部202aはホッパー204を備え、押出機A202aには、発泡剤供給源208が接続されている。
押出機B202bには、サーキュラーダイ210が接続され、サーキュラーダイ210の下流には、マンドレル220が設けられている。マンドレル220は、カッター222を備える。
まず、樹脂組成物を構成する原料をホッパー204から押出機A202aに投入する。
ホッパー204から投入される原料は、発泡シートを構成する樹脂、及び必要に応じて配合される添加剤等である。
押出機A202aでは、原料を任意の温度に加熱しながら混合して樹脂溶融物とし、発泡剤供給源208から発泡剤を押出機A202aに供給し、樹脂溶融物に発泡剤を混合して樹脂組成物とする。
加熱温度は、樹脂の種類等を勘案して、樹脂が溶融しかつ添加剤が変性しない範囲で適宜決定される。
樹脂組成物は、押出機A202aから配管206を経て押出機B202bに供給され、さらに混合され、任意の温度に冷却された後、サーキュラーダイ210へ供給される。サーキュラーダイ210から押し出す際の樹脂組成物の温度は140〜190℃であり、より好ましくは150〜190℃である。
樹脂組成物は、サーキュラーダイ210から押し出され、発泡剤が発泡して円筒状の発泡シート101aとなる。サーキュラーダイ210から押し出された発泡シート101aは、冷却空気211を吹き付けられた後、マンドレル220に供給される。この冷却空気211の温度、量、吹き付け位置との組み合わせにより、発泡シート101aの冷却速度を調節できる。
円筒状の発泡シート101aは、マンドレル220で任意の温度にされ、サイジングされ、カッター222によって2枚に切り裂かれて発泡シート101となる。発泡シート101は、各々ガイドロール242とガイドロール244とに掛け回され、巻取機240に巻き取られて発泡シートロール102となる。
発泡シートの発泡倍数は、例えば、2〜20倍とされる。
なお、発泡シートは、インフレーション成形以外の方法により製造されてもよい。
<第一の非発泡樹脂層(B1)>
第一の非発泡樹脂層(B1)は、発泡樹脂層(A)の一方の面に位置する層である。
なお、本明細書において、「非発泡」とは、原料樹脂を発泡させていない状態を表し、発泡倍数が、1.0倍である場合をいう。
第一の非発泡樹脂層(B1)に含まれるポリプロピレン系樹脂としては、発泡樹脂層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
第一の非発泡樹脂層(B1)に含まれるポリプロピレン系樹脂は、発泡樹脂層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂と同じでもよく、異なってもよい。
第一の非発泡樹脂層を構成する樹脂(b1)のメルトマスフローレート(MFR)は、5.0g/10min以下が好ましく、0.1g/10min以上4.0g/10min以下がより好ましく、0.5g/10min以上3.0g/10min以下がさらに好ましい。MFRが上記下限値以上であると、発泡樹脂層(A)と接着しやすい。
第一の非発泡樹脂層を構成する樹脂(b1)の融点は、150℃以上170℃以下が好ましく、155℃以上165℃以下がより好ましい。樹脂(b1)の融点が上記下限値以上であると、発泡樹脂層(A)の強度をより高めやすい。樹脂(b1)の融点が上記上限値以下であると、熱成形性をより向上しやすい。
ポリプロピレン系樹脂の含有量は、第一の非発泡樹脂層(B1)を構成する樹脂(b1)100質量%に対し、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。
第一の非発泡樹脂層(B1)は、無機フィラーを含有する。本明細書において無機フィラーとは、充填剤として用いられる無機化合物のことをいい、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、アルミナ、マイカ、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスバルーン、炭素繊維、ガラス繊維、カーボンブラック、金属粉等が挙げられる。第一の非発泡樹脂層(B1)に用いられる無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルクが好ましい。
第一の非発泡樹脂層(B1)は、無機フィラーを含有するため、強度により優れる。
第一の非発泡樹脂層(B1)中の無機フィラーの含有量は、第一の非発泡樹脂層(B1)の総質量に対し、5〜40質量%であり、6〜40質量%が好ましく、7〜35質量%がより好ましい。第一の非発泡樹脂層(B1)中の無機フィラーの含有量が上記下限値以上であると、樹脂積層発泡シートの強度をより向上しやすい。第一の非発泡樹脂層(B1)中の無機フィラーの含有量が上記上限値以下であると、外観意匠性及び熱成形性をより向上しやすい。
無機フィラーの平均粒子径は、1〜50μmが好ましく、3〜30μmがより好ましい。無機フィラーの平均粒子径が上記数値範囲内であると、強度に優れる。
なお、本明細書において平均粒子径は、レーザー回折法で測定できる。
第一の非発泡樹脂層(B1)の坪量は、20〜500g/mが好ましく、30〜400g/mがより好ましい。第一の非発泡樹脂層(B1)の坪量が上記数値範囲内であると、取扱い性に優れる。
なお坪量は、以下の方法で測定することができる。
第一の非発泡樹脂層(B1)の幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定する。各切片の質量(g)の平均値を1m当たりの質量に換算した値を、第一の非発泡樹脂層(B1)の坪量(g/m)とする。
第一の非発泡樹脂層(B1)の厚みT2は、求められる強度等に応じて適宜決定され、例えば、0.01〜1.0mmが好ましく、0.02〜0.5mmがより好ましく、0.03〜0.3mmがさらに好ましい。上記下限値以上であれば、十分な強度を得られやすい。上記上限値以下であれば、成形加工が容易である。
第一の非発泡樹脂層(B1)には、添加剤が含まれてもよい。前記添加剤としては、難燃剤、難燃助剤、滑剤、展着剤、着色剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、界面活性剤、有機フィラー等が挙げられる。
第一の非発泡樹脂層(B1)に前記添加剤が含まれる場合、その含有量は樹脂100質量部に対して0質量部超30質量部以下が好ましい。
<第二の非発泡樹脂層(B2)>
第二の非発泡樹脂層(B2)は、発泡樹脂層の他方の面に位置する層である。
第二の非発泡樹脂層(B2)としては、前記<第一の非発泡樹脂層(B1)>と同様のものを使用できる。
第一の非発泡樹脂層(B1)を構成する樹脂(b1)の230℃、0.23MPaにおけるメルトマスフローレートが、発泡樹脂層(A)を構成する樹脂(a)の230℃、0.23MPaにおけるメルトマスフローレートよりも大きいことが好ましい。具体的には、[樹脂(b1)のMFR]−[樹脂(a)のMFR]で表される差は、0.2〜2.0が好ましく、0.5〜1.0がより好ましい。MFRの差が上記範囲内であると、発泡樹脂層(A)と第一の非発泡樹脂層(B1)とを圧着しやすい。
樹脂積層発泡シート1の厚みTは、用途等を勘案して適宜決定され、例えば、0.5〜6.0mmが好ましく、1.0〜5.5mmがより好ましい。樹脂積層発泡シートの厚みが上記下限値以上であれば、十分な強度を得られやすい。上記上限値以下であれば、成形加工が容易である。
樹脂積層発泡シートの坪量は、150〜1400g/mが好ましく、400〜1350g/mがより好ましく、600〜1300g/mがさらに好ましい。樹脂積層発泡シートの坪量が上記数値範囲内であると、取扱い性に優れる。
なお坪量は、以下の方法で測定することができる。
樹脂積層発泡シートの幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定する。各切片の質量(g)の平均値を1m当たりの質量に換算した値を、樹脂積層発泡シートの坪量(g/m)とする。
樹脂積層発泡シートの密度は、0.10〜2.0g/cmが好ましく、0.15〜1.0g/mがより好ましい。樹脂積層発泡シートの密度が上記数値範囲内であると、取扱い性に優れる。
樹脂積層発泡シートは、下記方法で測定される高温保存試験において、下記式(1)を満たすことが好ましい。
(t−t)/t<3 ・・・(1)
(式(1)中、tは試験前の試料厚みの平均値であり、tは試験後の試料厚みの平均値である。)
前記樹脂積層発泡シートが、下記方法で測定される高温保存試験において、下記式(1)を満たす、[1]に記載のバッテリーアンダーカバー。
(t−t)/t<3 ・・・(1)
(式(1)中、tは試験前の試料厚みの平均値であり、tは試験後の試料厚みの平均値である。)
<高温保存試験>
樹脂積層発泡シートを170mm×240mmに切断し、図4に示す5点の箇所(端部から10mmの箇所4点と樹脂積層発泡シートの中心部1点)の厚みを測定する。当該5点の厚みの平均値をtとする。120℃の温度に設定したオーブン内に試料を入れた後、その上に20kgの基準分銅を置き、5時間静置した後、試料を取り出して図4に示す5点の厚みを測定する。当該5点の厚みの平均値をtとする。
<樹脂積層発泡シートの製造方法>
樹脂積層発泡シート1の製造方法の一例について、説明する。
樹脂積層発泡シート1の製造方法は、例えば、発泡シートを得る発泡シート形成工程と、発泡シートの一方の面に第一の非発泡樹脂層(B1)を構成する樹脂を押出ラミネートにより圧着する第一の積層工程と、発泡シートの他方の面に第二の非発泡樹脂層(B2)を構成する樹脂を押出ラミネートにより圧着する第二の積層工程と、を備えることが好ましい。
なお、本明細書において「圧着」とは、熱処理で樹脂(b1)を融解させ、融解させた樹脂(b1)を発泡シート上に加圧しながら接合することを意味する。
発泡シート形成工程は、前述の発泡シートの製造方法と同様である。
第一の積層工程は、発泡シートの一方の面に第一の非発泡樹脂層(B1)を構成する樹脂を押出ラミネートにより圧着する工程である。
以下、第一の積層工程、及び第二の積層工程の一例について、図5を用いて説明する。
発泡シートロール102から発泡シート101を繰り出し、発泡シート101の一方の面に第一押出機111で溶融された樹脂103をダイ110より供給する。その後、一対の冷却ロール112で圧着する。
こうして、発泡樹脂層10と、第一の非発泡樹脂層(B1)20とを備える2層からなる樹脂積層発泡シート104となる。積層工程における加熱温度は、各層の材質等に応じて、適宜決定される。
第一の積層工程において、発泡シート101の一方の面に、第一の非発泡樹脂層(B1)20を構成する樹脂(b1)を圧着させる際の温度は、200〜240℃が好ましく、210〜240℃がより好ましい。
圧着させる際には、第一の非発泡樹脂層(B1)を構成する樹脂(b1)を、上記温度の範囲内で発泡シート101の上に押出してから2秒以内で加圧して圧着させることが好ましい。
第二の積層工程は、発泡シートの他方の面に第二の非発泡樹脂層(B2)を構成する樹脂を押出ラミネートにより圧着する工程である。
第一の積層工程で得られた2層からなる樹脂積層発泡シート104を、ロール113にかけ回し、発泡シートの他方の面に第二押出機115で溶融された樹脂105をダイ114より供給する。その後、一対の冷却ロール116で圧着される。
こうして、発泡樹脂層10と、第一の非発泡樹脂層(B1)20と、第二の非発泡樹脂層(B2)30とを備える3層からなる樹脂積層発泡シート1となる。
第二の積層工程において、発泡シート101の他方の面に、第二の非発泡樹脂層30を構成する樹脂を圧着させる際の温度は、200〜240℃が好ましく、210〜240℃がより好ましい。
圧着させる際には、第二の非発泡樹脂層(B2)を構成する樹脂を、上記温度の範囲内で発泡シート101の上に押出してから2秒以内で圧着させることが好ましい。
なお、前記2つの積層工程は、第二の積層工程、第一の積層工程の順に行ってもよいまた、本考案の樹脂積層発泡シートは上記製造方法(押出ラミネート法)に限定されず、発泡樹脂層と非発泡樹脂層とを共押出しや熱ラミネート法で積層してもよい。
以下、実施例および比較例により本考案をさらに具体的に説明するが、本考案は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ポリプロピレン系樹脂として、Borealis社製の「WB140HMS」(メルトテンション:23cN、メルトフローレート:1.7g/10分)を80質量部、ブロックポリプロピレンとして日本ポリプロ社製の商品名「BC6C」を10質量部、ポリオレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPO)としてサンアロマー社製の商品名「Q−100F」を10質量部の割合で混合してポリマー成分を調製した。前記ポリマー成分100質量部に対する割合が0.1質量部となる重曹−クエン酸系発泡剤(大日精化社製マスターバッチ、商品名「ファインセルマスターPO410K」)を配合して混合物を得た。口径が90mmの第1押出機の先端に、口径115mmの第2押出機を接続したタンデム押出機を準備した。前記混合物を、第1押出機に供給し、約200〜210℃にて溶融混練した。続いて、第2押出機内に発泡剤としてブタン(ノルマルブタン:イソブタン=65:35(質量比))をポリマー成分100質量部に対して2.0質量部となるように圧入してさらに溶融混練した。その後、約175℃まで冷却し、第2押出機の先端に接続されている環状の環状ダイ(240mmφ)に供給して、150kg/時間の押出量で円筒状に押出発泡させた。
得られた円筒状発泡体をその内面にエアーを吹き付けて冷却した。その後、冷却マンドレルプラグ(外径670mmφ長さ1500mm)上を沿わせて内面を固化させるとともに、そのプラグ上で外面にもエアーを吹き付けて冷却固化させた。続いて、円筒状発泡体をその押出方向に切断して切り開き、連続シートとしてロール状に巻き取り、厚み3.0mm、密度180kg/mの発泡シートを得た。
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、製品名:PL500A)100質量部(MFR=3.0g/10min)を第3押出機に供給した。第3押出機の先端に取り付けたTダイからシートを押し出し、押し出した直後の溶融状態のシートを発泡シートの一方の面に押し出し直後から1.3秒間以内に圧着させた。これにより、発泡樹脂層の片面に厚み0.03mmの非発泡樹脂層を有する樹脂積層発泡シートを得た。その後、反対側の片面にも同様に非発泡樹脂層を積層一体化することで、3層構成の樹脂積層発泡シートを得た。Tダイはいずれも、その樹脂流路における幅方向の両端部の温度が245℃となるように、両端部以外の部分の温度が280℃となるように調整した。圧着させる際の溶融状態のシートの温度は220℃であった。
得られた樹脂積層発泡シートを打ち抜き機(豊成産業社製)にて170mm×240mmのサイズに打ち抜き、バッテリーアンダーカバーを得た。
[実施例2]
発泡シートの密度が0.112g/cm、厚みが5mmとなるように条件を調整したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂積層発泡シートを得た。
[実施例3]
発泡シートの密度が0.180g/cm、厚みが5mmとなるように条件を調整したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂積層発泡シートを得た。
[実施例4]
発泡シートの両面に非発泡樹脂層の厚みが0.10mmになるように条件を調整したこと以外は、実施例2と同様にして樹脂積層発泡シートを得た。
[実施例5]
発泡シートの両面に非発泡樹脂層の厚みが0.80mmになるように条件を調整したこと以外は、実施例2と同様にして樹脂積層発泡シートを得た。
[実施例6]
発泡シートの両面にポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、製品名:PL500A)50質量部と、タルクマスターバッチ(日本タルク社製タルペット70P)50質量部を配合した樹脂配合物を積層させ、その非発泡樹脂層の厚みが0.10mmになるように条件を調整したこと以外は、実施例2と同様にして樹脂積層発泡シートを得た。
[実施例7]
実施例4と同様にして得られた樹脂積層発泡シート2枚を両面テープ(日東電工社製、製品名:No.5000NS)にて全面に貼合わせて、2枚重ねの樹脂積層発泡シートを得た。
[実施例8]
実施例6と同様にして得られた樹脂積層発泡シート2枚を両面テープ(日東電工社製、製品名:No.5000NS)にて全面に貼合わせ、2枚重ねの樹脂積層発泡シートを得た。
[実施例9]
実施例4と同様にして得られた樹脂積層発泡シート3枚を両面テープ(日東電工社製、製品名:No.5000NS)にて全面に貼合わせ、3枚重ねの樹脂積層発泡シートを得た。
[比較例1]
発泡シートの密度が0.076g/cm、厚みが5mmとなるように条件を調整したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂積層発泡シートを得た。
[比較例2]
発泡シートの密度が0.356g/cm、厚みが2mmとなるように条件を調整したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂積層発泡シートを得た。
[比較例3]
発泡シートの密度が0.116g/cm、厚みが5mmとなるように条件を調整したしたこと、及び非発泡樹脂層樹脂層(B)を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂積層発泡シートを得た。
[比較例4]
市販のポリスチレン発泡体(アルテ社製、商品名:発泡ボード5HB−B1)を、発泡シートとして用いた。
[比較例5]
市販のポリエチレン発泡体(イノアック社製、商品名:発泡ポリエチレンシートA8−051GR)を、発泡シートとして用いた。
[比較例6]
市販の熱可塑性ポリウレタン発泡体(アキレス社製、商品名:HD)を、発泡シートとて用いた。
[比較例7]
市販のポリプロピレン樹脂板(アズワン社製、商品名:ポリプロピレン板)を、樹脂板として用いた。
得られた樹脂積層発泡シートについて、発泡樹脂層の厚み、密度、独立気泡率、非発泡樹脂層の厚み、樹脂積層発泡シート全体の厚み、高温保存後の機械的強度、断熱性、及び耐薬品性を測定した。得られた結果を表1及び2に示す。
<厚み>
発泡シート、樹脂積層発泡シートの幅方向の両端20mmを除き、幅方向50mm間隔で21点を測定点とした。この測定点について、ダイヤルシックネスゲージSM−112(テクロック社製)を使用し、厚みを最小単位0.01mmまで測定した。この測定値の平均値を厚みT(mm)とした。なお、非発泡樹脂層(B)の厚みは、樹脂積層発泡シートの厚みから発泡シートの厚みを減じて算出した。
<密度>
厚みT(mm)と坪量M(g/m)とから、下記(2)式により密度ρ(kg/m)を求めた。
ρ=M/T ・・・(2)
<独立気泡率>
JIS K7138:2006「硬質発泡プラスチック‐連続気泡率及び独立気泡率の求め方」に記載の方法により、独立気泡率を測定した。
<高温保存後の機械的強度>
<高温保存試験>
樹脂積層発泡シートを170mm×240mmに切断し、図4に示す5点の箇所(端部から10mmの箇所4点と樹脂積層発泡シートの中心部1点)の厚みを測定した。当該5点の厚みの平均値をtとした。120℃の温度に設定したオーブン内に試料を入れた後、その上に20kgの基準分銅を置き、5時間静置した後、試料を取り出して図4に示す5点の厚みを測定した。当該5点の厚みの平均値をtとした。
<断熱性試験>
各実施例及び各比較例で得られた樹脂積層発泡シート100mm×100mmに切断した試料を、熱源から20mm離れた位置に載置した。次いで、熱源を所定温度に設定し、60分間放置した。
試料の中央部において、熱源側の表面と、熱源側とは反対側の表面との温度を測定し、その温度差を求めた。
熱源の所定温度は、80℃、90℃、100℃にそれぞれ設定した。結果を表1及び2に示す。
<耐薬品性試験>
各実施例及び各比較例で得られた樹脂積層発泡シートの中央部の表面に、希硫酸(濃度37質量%)を約0.5mL滴下して試料とした。その後、試料の表面を軽く拭き取った後、100℃環境下で12時間放置した。
その後、試料の表面状態を目視にて確認し、以下の評価基準で耐薬品性試験の結果を評価した。結果を表1及び2に示す。
(評価基準)
〇:拭き取った後の試料の表面に色・形状等の変化が見られなかった。
×:拭き取った後の試料の表面に色・形状等の変化が見られた。
Figure 0003232552
Figure 0003232552
本考案を適用した実施例1〜9は、高温保存後の機械的強度、断熱性、及び耐薬品性において優れていた。
発泡樹脂層(A)の独立気泡率が80%未満であり、且つ密度が0.09g/cm未満である比較例1は、高温保存後の機械的強度において劣っていた。
発泡樹脂層(A)の厚みが3mm未満であり、且つ密度が0.2g/cm超である比較例2は、断熱性において劣っていた。
非発泡樹脂層(B)を有しない比較例3〜6はいずれも、高温保存後の機械的強度において劣っていた。また、発泡樹脂層(A)の樹脂種としてポリスチレンを用いた比較例4、及び熱可塑性ポリウレタンを使用した比較例6はいずれも、耐薬品性において劣っていた。
発泡樹脂層(A)を有しない比較例7は、断熱性において劣っていた。
1・・・バッテリーアンダーカバー
10・・・発泡樹脂層
20・・・第一の非発泡樹脂層
30・・・第二の非発泡樹脂層
2・・・バッテリーケース
3・・・バッテリー

Claims (5)

  1. ポリプロピレン系樹脂を含む発泡樹脂層(A)と、前記発泡樹脂層の両面に位置するポリプロピレン系樹脂を含む非発泡樹脂層(B)とを有する樹脂積層発泡シートからなるバッテリーアンダーカバーであって、
    前記発泡樹脂層(A)は、独立気泡率が80%以上であり、厚みが3〜6mmであり、密度が0.09〜0.2g/cmである、バッテリーアンダーカバー。
  2. 前記樹脂積層発泡シートが、下記方法で測定される高温保存試験において、下記式(1)を満たす、請求項1に記載のバッテリーアンダーカバー。
    (t−t)/t<3 ・・・(1)
    (式(1)中、tは試験前の試料厚みの平均値であり、tは試験後の試料厚みの平均値である。)
    <高温保存試験>
    樹脂積層発泡シートを170mm×240mmに切断し、端部から10mmの箇所4点と樹脂積層発泡シートの中心部1点との5点の箇所の厚みを測定する。前記5点の厚みの平均値をtとする。120℃の温度に設定したオーブン内に試料を入れた後、その上に20kgの基準分銅を置き、5時間静置した後、試料を取り出して前記5点の厚みを測定する。前記5点の厚みの平均値をtとする。
  3. 前記樹脂積層発泡シートが平板状である、請求項1又は2に記載のバッテリーアンダーカバー。
  4. 前記非発泡樹脂層(B)の厚みが0.01〜1.0mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバッテリーアンダーカバー。
  5. 厚みが3〜20mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバッテリーアンダーカバー。
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