JP2019025858A - ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び包装用容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱成形性に優れ、実用上必要な強度、耐衝撃性を有し、より軽量化された容器を成形することを可能にするポリスチレン系樹脂積層発泡シートを提供する。
【解決手段】気泡21を含有するポリスチレン系樹脂の発泡層2の一方の面にポリスチレン系樹脂の第1の非発泡層3、発泡層2の他方の面にポリスチレン系樹脂の第2の非発泡層4が積層され、第1の非発泡層3、第2の非発泡層4がそれぞれグラフトゴム成分を3〜15質量%含有し、発泡層2の厚さに対する第1の非発泡層3、第2の非発泡層4の厚さの比がそれぞれ0.12〜0.29、シート全体の平均密度が0.7〜0.9g/cm3、シートの総厚が0.3〜1.5mmで形成され、気泡21の発泡層2の厚さ方向の平均径Rtが40〜70μm、引取り方向の平均径Rpが90〜140μm、アスペクト比Rp/Rtが1.5〜2.5であるポリスチレン系樹脂積層発泡シート1。
【選択図】図2
【解決手段】気泡21を含有するポリスチレン系樹脂の発泡層2の一方の面にポリスチレン系樹脂の第1の非発泡層3、発泡層2の他方の面にポリスチレン系樹脂の第2の非発泡層4が積層され、第1の非発泡層3、第2の非発泡層4がそれぞれグラフトゴム成分を3〜15質量%含有し、発泡層2の厚さに対する第1の非発泡層3、第2の非発泡層4の厚さの比がそれぞれ0.12〜0.29、シート全体の平均密度が0.7〜0.9g/cm3、シートの総厚が0.3〜1.5mmで形成され、気泡21の発泡層2の厚さ方向の平均径Rtが40〜70μm、引取り方向の平均径Rpが90〜140μm、アスペクト比Rp/Rtが1.5〜2.5であるポリスチレン系樹脂積層発泡シート1。
【選択図】図2
Description
本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡層の両面にポリスチレン系樹脂の非発泡層が積層して設けられるポリスチレン系樹脂積層発泡シート、及びポリスチレン系樹脂積層発泡シートで形成される包装用容器に関する。
食品、食材等が収容される合成樹脂製の包装用容器には、運搬の労力やコストの低減、使用後の処理時に排出される二酸化炭素の削減のため、必要な強度を確保しつつ軽量化することが望まれている。そのため、包装用容器の素材には、必要な強度を確保できると共に、より軽量なものが求められている。
このような要望に応える素材として、特許文献1のポリスチレン系樹脂積層発泡シートが提案されている。このポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、ポリスチレン系樹脂発泡層の両面にグラフトゴム成分を3〜15質量%を含有するポリスチレン系非発泡樹脂の非発泡層が積層され、非発泡層/発泡層の厚み比を0.3〜1.0、シート全体の平均密度を0.7〜0.9g/cm3、シートの総厚みを0.3〜1.0mmとして形成されたものであり、そのポリスチレン系樹脂発泡層は、発泡層の厚み方向の平均径:40〜70μm、発泡層の引き取り方向の平均径:90〜140μm、アスペクト比(発泡層の引き取り方向の平均径/発泡層の厚み方向の平均径):1.5〜3で規定される気泡を有する。
そして、特許文献1では、このポリスチレン系樹脂積層発泡シートは熱成形性に優れ、従来品よりも軽量であり、このポリスチレン系樹脂積層発泡シートにより、ヨーグルトやプリンのような深絞り容器に成形したときに実用上十分な剛性を有する容器を得ることができるとされている。
ところで、上記ポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、実用上必要な強度を有し、ある程度軽量化された容器を得ることを可能にするものの、運搬の労力やコストの一層の低減、使用後の処理時に排出される二酸化炭素の一層の削減の観点から、より軽量な容器を成形することができるポリスチレン系樹脂シートが切望されている。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、熱成形性に優れ、実用上必要な強度、耐衝撃性を有し、より軽量化された容器を成形することを可能にするポリスチレン系樹脂積層発泡シート、及びこのポリスチレン系樹脂積層発泡シートで形成される包装用容器を提供することを目的とする。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、気泡を含有するポリスチレン系樹脂の発泡層の一方の面にポリスチレン系樹脂の第1の非発泡層、前記発泡層の他方の面にポリスチレン系樹脂の第2の非発泡層が積層され、前記第1の非発泡層、前記第2の非発泡層がそれぞれグラフトゴム成分を3〜15質量%含有し、前記発泡層の厚さに対する前記第1の非発泡層の厚さ、前記第2の非発泡層の厚さの比がそれぞれ0.12〜0.29に設定され、シート全体の平均密度が0.7〜0.9g/cm3、シートの総厚が0.3〜1.5mmで形成され、前記気泡の前記発泡層の厚さ方向の平均径Rtが40〜70μm、前記気泡の前記発泡層の引取り方向の平均径Rpが90〜140μmであることを特徴とする。
これによれば、実用上必要な強度、耐衝撃性を確保しつつ、発泡層の厚さに対する第1の非発泡層の厚さ、第2の非発泡層の厚さの比がそれぞれ0.12〜0.29とし、非発泡層の厚さをより薄くして軽量化することができる。従って、熱成形性に優れると共に、実用上必要な強度、耐衝撃性を有し、より軽量化された容器を成形することを可能にするポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得ることができる。
これによれば、実用上必要な強度、耐衝撃性を確保しつつ、発泡層の厚さに対する第1の非発泡層の厚さ、第2の非発泡層の厚さの比がそれぞれ0.12〜0.29とし、非発泡層の厚さをより薄くして軽量化することができる。従って、熱成形性に優れると共に、実用上必要な強度、耐衝撃性を有し、より軽量化された容器を成形することを可能にするポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得ることができる。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、前記発泡層がグラフトゴム成分を3〜15質量%含有することを特徴とする。
これによれば、強度、耐衝撃性の特性をより高めることができ、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートを用いて包装用容器を成形する場合には、包装用容器の強度、耐衝撃性を一層高めることができる。
これによれば、強度、耐衝撃性の特性をより高めることができ、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートを用いて包装用容器を成形する場合には、包装用容器の強度、耐衝撃性を一層高めることができる。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、前記第1の非発泡層と前記第2の非発泡層がそれぞれ含有するグラフトゴム成分が4〜8質量%、前記発泡層が含有するグラフトゴム成分が7〜11質量%であり、前記発泡層の厚さに対する前記第1の非発泡層の厚さ、前記第2の非発泡層の厚さの比がそれぞれ0.20〜0.27、シート全体の平均密度が0.72〜0.80g/cm3、シートの総厚が0.7〜1.2mmで形成され、前記気泡の前記発泡層の厚さ方向の平均径Rtが50〜70μm、前記気泡の前記発泡層の引取り方向の平均径Rpが100〜140μmであることを特徴とする。
これによれば、発泡層の厚さに対する第1の非発泡層の厚さ、第2の非発泡層の厚さの比がそれぞれ0.20〜0.27とし、非発泡層の厚さをより一層薄くして軽量化することができると共に、より強度、耐衝撃性を高めることができる。従って、実用上必要な強度、耐衝撃性を確実に有し、より一層軽量化された容器を成形することを可能にするポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得ることができる。
これによれば、発泡層の厚さに対する第1の非発泡層の厚さ、第2の非発泡層の厚さの比がそれぞれ0.20〜0.27とし、非発泡層の厚さをより一層薄くして軽量化することができると共に、より強度、耐衝撃性を高めることができる。従って、実用上必要な強度、耐衝撃性を確実に有し、より一層軽量化された容器を成形することを可能にするポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得ることができる。
本発明の包装用容器は、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートで成形されていることを特徴とする。
これによれば、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの効果を得られる包装用容器を得ることができ、非常に軽量で、実用上必要な強度、耐衝撃性を有する食品、食材等を収容する包装用容器を得ることができる。
これによれば、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの効果を得られる包装用容器を得ることができ、非常に軽量で、実用上必要な強度、耐衝撃性を有する食品、食材等を収容する包装用容器を得ることができる。
本発明の包装用容器は、絞り率が0.5以上で、比重が0.9以下の深絞り容器であることを特徴とする。
これによれば、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの効果を得ることができ、非常に軽量で、実用上必要な強度、耐衝撃性を有するヨーグルトやプリン等を収容する深絞り容器を得ることができる。
これによれば、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの効果を得ることができ、非常に軽量で、実用上必要な強度、耐衝撃性を有するヨーグルトやプリン等を収容する深絞り容器を得ることができる。
本発明によれば、熱成形性に優れ、実用上必要な強度、耐衝撃性を有し、より軽量化された容器を成形することを可能にするポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得ることができる。
〔実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡シート〕
本発明による実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡シート1は、図1及び図2に示すように、気泡21を含有するポリスチレン系樹脂の発泡層2の一方の面にポリスチレン系樹脂の第1の非発泡層3が積層されていると共に、発泡層2の他方の面にポリスチレン系樹脂の第2の非発泡層4が積層されている。ポリスチレン系樹脂積層発泡シート1の総厚は、ヨーグルトやプリン等を収容する深絞り容器の成形に適するように、0.3〜1.5mm、好ましくは0.7〜1.2mmで形成されている。
本発明による実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡シート1は、図1及び図2に示すように、気泡21を含有するポリスチレン系樹脂の発泡層2の一方の面にポリスチレン系樹脂の第1の非発泡層3が積層されていると共に、発泡層2の他方の面にポリスチレン系樹脂の第2の非発泡層4が積層されている。ポリスチレン系樹脂積層発泡シート1の総厚は、ヨーグルトやプリン等を収容する深絞り容器の成形に適するように、0.3〜1.5mm、好ましくは0.7〜1.2mmで形成されている。
発泡層2、第1の非発泡層3、第2の非発泡層4で構成されるポリスチレン系樹脂積層発泡シート1の全体の平均密度は、ヨーグルトやプリン等を収容する深絞り容器に求められる必要な強度、耐衝撃性を得ると共に、密度0.9g/cm3程度のポリオレフィン系樹脂と同等以上の軽量化を図るため、0.7〜0.9g/cm3、好ましくは0.72〜0.80g/cm3で形成されている。
第1の非発泡層3、第2の非発泡層4は、第1の非発泡層3、第2の非発泡層4をそれぞれ100質量%とした場合にそれぞれグラフトゴム成分を3〜15質量%含有し、好ましくはそれぞれグラフトゴム成分を4〜8質量%で含有する。好適には発泡層2にもグラフトゴム成分を含有させる構成とし、発泡層2にグラフトゴム成分を含有させる場合、発泡層2を100質量%とした場合に含有させるグラフトゴム成分を3〜15質量%とするとよく、より好ましくはグラフトゴム成分を7〜11質量%とするとよい。これらの範囲のグラフトゴム成分を含有させることで、深絞り容器を熱成形した際に、座屈強度と耐衝撃性をバランス良く高めることができる。
発泡層2、第1の非発泡層3、第2の非発泡層4は、例えばグラフトゴムを含有しない汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)、グラフトゴムを含有する耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、スチレン系熱可塑性エラストマー、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)と耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)の混合物、或いは汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)と耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)とスチレン系熱可塑性エラストマーの混合物等とすることが可能である。
汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)には、スチレンモノマーを主体とするものであれば適宜のものを用いることが可能であり、例えば微量成分としてo−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン等の芳香族ビニル化合物の1種以上を含有するものとしてもよい。
耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)には、スチレンモノマーに微粒子状のグラフトゴムを含有させたものであれば適宜のものを用いることが可能である。グラフトゴム中のゴム成分としては、例えば1,3−ブタジエン(ブタジエン)、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチルペンタジエン等をモノマーとするジエン系ゴムを用いることが可能である。
スチレン系熱可塑性エラストマーには、例えばゴム成分として、ジエン成分が50質量%以上のスチレン−共役ジエンブロック共重合体の熱可塑性エラストマーを用いることが可能である。また、発泡層2、第1の非発泡層3、第2の非発泡層4を構成するポリスチレン系樹脂には、本発明の効果が得られる範囲で各種の添加物を含有させることが可能である。また、発泡層2の発泡剤には適宜のものを用いることが可能であり、例えば炭酸水素ナトリウムを主成分とする発泡剤、或いは炭酸水素ナトリウムとクエン酸を主成分とする発泡剤等を用いることができる。
ポリスチレン系樹脂積層発泡シート1における発泡層2の厚さに対する第1の非発泡層3の厚さの比は0.12〜0.29に設定され、好ましくは0.20〜0.27に設定される。また、発泡層2の厚さに対する第2の非発泡層4の厚さの比も0.12〜0.29に設定され、好ましくは0.20〜0.27に設定される。発泡層2の厚さに対する第1の非発泡層3、第2の非発泡層4の厚さの比が0.12未満では、深絞り容器等の包装用容器に成形した際に必要な座屈強度を得ることができず、又、0.29超では軽量化の程度が不十分となる。
ポリスチレン系樹脂積層発泡シート1における気泡21の発泡層2の厚さ方向の平均径Rtは40〜70μm、好ましくは平均径Rtは50〜70μmとし、又、気泡21の発泡層2の引取り方向の平均径Rpは90〜140μm、好ましくは平均径Rpは100〜140μmとする。これらの平均径Rt、Rpの数値範囲外では、深絞り容器等の包装用容器に成形した際に必要な落下の耐衝撃性を得ることができなくなる。尚、この場合、アスペクト比Rp/Rtは1.5〜3、好ましくはRp/Rtは1.5〜2.5の範囲とするとよい。
本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡シート1は、例えば押出ラミネート法、共押出法、接着剤を用いて別途製膜した非発泡層層用のシート貼り合わせる方法等の既存の製法で製造することができる。生産効率の観点からは共押出法が好ましく、共押出法で製造する場合には、押出機を2機以上使用し、ポリスチレン系樹脂の発泡層2をダイリップより押出す前に、フィードブロックダイ内でポリスチレン系樹脂の非発泡層3、4を両表面に積層し、ダイリップから同時に押出してポリスチレン系樹脂積層発泡シート1を得る。
この共押出法による製法では、フィードブロックダイ内で積層した積層体をダイリップより20〜50℃の温度範囲に設定された冷却ロール上に押出し、冷却して引き取ることによって、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート1を得るが、この引取りの際に冷却ロールの温度、ダイリップの間隙、冷却ロールの間隙を調整することによって、所定の平均径Rt、Rpの気泡21を含有する発泡層2及びポリスチレン系樹脂積層発泡シート1を得ることができる。
本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡シート1を用い、ヨーグルトやプリン等が収容される深絞り容器等の包装用容器を成形する際には、例えば真空成形、或いは圧空成形等の適宜の製法で成形することができる。ヨーグルトやプリン等が収容される深絞り容器を成形する場合には、絞り率が0.5以上で、比重が0.9以下の深絞り容器とすると、非常に軽量で、実用上必要な強度、耐衝撃性を有するヨーグルトやプリン等を収容する深絞り容器を得ることができて良好である。
本実施形態によれば、実用上必要な強度、耐衝撃性を確保しつつ、非発泡層の厚さをより薄くして軽量化することができる。従って、熱成形性に優れると共に、実用上必要な強度、耐衝撃性を有し、より軽量化された容器を成形することを可能となる。
〔実施例と比較例のポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び包装用容器の特性評価〕
各実施例の積層発泡シートと各比較例の積層発泡シートを上述の共押出法による製法で作成した。詳細には、後述の表1、表2に示すポリスチレン系樹脂と発泡剤を所定の配合比率にブレンドして発泡層用単軸押出機に供給すると共に、これと並行して発泡層用の樹脂を非発泡層用単軸押出機に供給し、溶融押出後幅1000mmTダイを用いてサンプルシートを作成した。そして、その特性を以下のように評価した。
各実施例の積層発泡シートと各比較例の積層発泡シートを上述の共押出法による製法で作成した。詳細には、後述の表1、表2に示すポリスチレン系樹脂と発泡剤を所定の配合比率にブレンドして発泡層用単軸押出機に供給すると共に、これと並行して発泡層用の樹脂を非発泡層用単軸押出機に供給し、溶融押出後幅1000mmTダイを用いてサンプルシートを作成した。そして、その特性を以下のように評価した。
〈1〉積層発泡シートの発泡層の厚さ方向の気泡平均径Rt
図3に示すように、積層発泡シートの幅方向に等間隔で10箇所、引取り方向に垂直方向の断面を顕微鏡にて撮影し、断面写真について発泡層の厚みt1を測定した。次に、発泡層の厚さ方向に長さt1の直線L1を引き、直線L1と交わる発泡層の全ての発泡気泡数n1をカウントした。それぞれの測定箇所におけるt1/n1を当該測定箇所の気泡の平均径とし、10箇所の平均値を各サンプルの発泡層の厚さ方向の気泡の平均径Rtとした。
図3に示すように、積層発泡シートの幅方向に等間隔で10箇所、引取り方向に垂直方向の断面を顕微鏡にて撮影し、断面写真について発泡層の厚みt1を測定した。次に、発泡層の厚さ方向に長さt1の直線L1を引き、直線L1と交わる発泡層の全ての発泡気泡数n1をカウントした。それぞれの測定箇所におけるt1/n1を当該測定箇所の気泡の平均径とし、10箇所の平均値を各サンプルの発泡層の厚さ方向の気泡の平均径Rtとした。
〈2〉積層発泡シートの発泡層の引取り方向の気泡平均径Rp
図4に示すように、積層発泡シートの幅方向に等間隔で10箇所、引取り方向と平行方向の断面を顕微鏡にて撮影し、断面写真について発泡層の長さt2を測定した。次に、発泡層の厚さ方向に対して垂線となる長さt2の直線L2を引き、直線L2と交わる発泡層の全ての発泡気泡数n2をカウントした。それぞれの測定箇所におけるt2/n2を当該測定箇所の気泡の平均径とし、10箇所の平均値を各サンプルの発泡層の引取り方向の気泡の平均径Rpとした。
図4に示すように、積層発泡シートの幅方向に等間隔で10箇所、引取り方向と平行方向の断面を顕微鏡にて撮影し、断面写真について発泡層の長さt2を測定した。次に、発泡層の厚さ方向に対して垂線となる長さt2の直線L2を引き、直線L2と交わる発泡層の全ての発泡気泡数n2をカウントした。それぞれの測定箇所におけるt2/n2を当該測定箇所の気泡の平均径とし、10箇所の平均値を各サンプルの発泡層の引取り方向の気泡の平均径Rpとした。
〈3〉積層発泡シートの平均密度
積層発泡シートの平均密度(g/cm3)は、積層発泡シートの幅方向に10箇所、サンプリングを行い、JIS K7112規格に準拠して測定した(使用機器:高精度電子比重計 MD−300S アルファーミラージュ株式会社製)。
積層発泡シートの平均密度(g/cm3)は、積層発泡シートの幅方向に10箇所、サンプリングを行い、JIS K7112規格に準拠して測定した(使用機器:高精度電子比重計 MD−300S アルファーミラージュ株式会社製)。
〈4〉包装用容器の座屈強度の評価
各実施例と各比較例の積層発泡シートにより、(株)浅野研究所製/単発真空成形機を用い、口径50mmで深さ50mmの容器サンプルを作成した。作成した容器サンプルで圧縮試験を行い、最大点荷重を容器の座屈強度とした(使用機器:静的万能材料試験機 Instron社製、圧縮条件:50mm/min)。座屈強度は40N以上をクリアしているものを○、クリアしていないものを×と評価する
各実施例と各比較例の積層発泡シートにより、(株)浅野研究所製/単発真空成形機を用い、口径50mmで深さ50mmの容器サンプルを作成した。作成した容器サンプルで圧縮試験を行い、最大点荷重を容器の座屈強度とした(使用機器:静的万能材料試験機 Instron社製、圧縮条件:50mm/min)。座屈強度は40N以上をクリアしているものを○、クリアしていないものを×と評価する
〈5〉包装用容器の落下衝撃試験の評価
各実施例と各比較例の積層発泡シートにより、(株)浅野研究所製/単発真空成形機を用い、口径50mmで深さ50mmの容器サンプルを作成した。作成した容器サンプルに80gの水(25℃)を充填し、開口をシールして密封したものをテスト用サンプルとした。このテスト用サンプルの容器10個を高さ80cmからコンクリートの床面に自由落下させ、容器の割れが発生した個数をカウントした。落下衝撃試験の評価では、容器の割れが1つでも発生すると×、発生しない場合を○と評価する。
各実施例と各比較例の積層発泡シートにより、(株)浅野研究所製/単発真空成形機を用い、口径50mmで深さ50mmの容器サンプルを作成した。作成した容器サンプルに80gの水(25℃)を充填し、開口をシールして密封したものをテスト用サンプルとした。このテスト用サンプルの容器10個を高さ80cmからコンクリートの床面に自由落下させ、容器の割れが発生した個数をカウントした。落下衝撃試験の評価では、容器の割れが1つでも発生すると×、発生しない場合を○と評価する。
〈6〉積層発泡シートの軽量化の評価
各実施例と各比較例の積層発泡シートの軽量化の目安として、ポリプロピレン(PP)基材に対して10%軽量化である比重0.82以上をクリアしているものを○、クリアしていないものを×と評価する。
各実施例と各比較例の積層発泡シートの軽量化の目安として、ポリプロピレン(PP)基材に対して10%軽量化である比重0.82以上をクリアしているものを○、クリアしていないものを×と評価する。
〔実施例と比較例の積層発泡シートに用いた原料〕
耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS):E640N(東洋スチレン社製)−ゴム量:6.0質量%、重量平均分子量(Mw):23万
汎用ポリスチレン樹脂(GPPS):G9401(東洋スチレン社製)−一般タイプ、MFR2.2(g/10分)
スチレン系エラストマー:TR2003(JSR株式会社製)−一般タイプ
発泡剤:ポリスレンES405(永和化成工業社製)
耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS):E640N(東洋スチレン社製)−ゴム量:6.0質量%、重量平均分子量(Mw):23万
汎用ポリスチレン樹脂(GPPS):G9401(東洋スチレン社製)−一般タイプ、MFR2.2(g/10分)
スチレン系エラストマー:TR2003(JSR株式会社製)−一般タイプ
発泡剤:ポリスレンES405(永和化成工業社製)
〔実施例1〜8及び比較例1〜8〕
実施例1〜8の積層発泡シートの配合比率、層構成、評価結果を表1に、比較例1〜8の積層発泡シートの配合比率、層構成、評価結果を表2に示す。表1、表2中、F層は発泡層に対応し、N層は発泡層の両面側にそれぞれ積層される第1の非発泡層、第2の非発泡層に対応する。
実施例1〜8の積層発泡シートの配合比率、層構成、評価結果を表1に、比較例1〜8の積層発泡シートの配合比率、層構成、評価結果を表2に示す。表1、表2中、F層は発泡層に対応し、N層は発泡層の両面側にそれぞれ積層される第1の非発泡層、第2の非発泡層に対応する。
表1、表2の結果から、シートの総厚み、非発泡層の厚みが厚くなる程、非発泡層N/発泡層Fの比が大きく程、座屈強度が大きくなる傾向があり、これらが薄くなる程、小さくなる程、座屈強度が小さくなる傾向があることが分かる。また、非発泡層N/発泡層Fの比が大きすぎると軽量化が不足する一方で、この比が小さすぎると座屈強度不足に加え、耐落下衝撃性も極端に低下することが分かる。
また、比較例3からシート総厚みが大きすぎると、成形による肉厚のバランスが取りづらくなり、かえって耐落下衝撃性が低下することが分かる。また、比較例4、5から気泡径が小さすぎたり大きすぎたりすると耐落下衝撃性が低下することが分かる。また比較例6、7から非発泡層のゴム成分量が少なすぎると耐落下衝撃性が低下し、逆にゴム成分量が多すぎると座屈強度が低下することが分かる。また、比較例7から発泡層だけの層構成の場合には座屈強度と耐落下衝撃性の双方が低下することが分かる。
本発明は、例えばヨーグルトやプリン等が収容される深絞りの包装用容器を成形する際に利用することができる。
1…ポリスチレン系樹脂積層発泡シート
2…発泡層 21…気泡
3…第1の非発泡層
4…第2の非発泡層
2…発泡層 21…気泡
3…第1の非発泡層
4…第2の非発泡層
Claims (5)
- 気泡を含有するポリスチレン系樹脂の発泡層の一方の面にポリスチレン系樹脂の第1の非発泡層、前記発泡層の他方の面にポリスチレン系樹脂の第2の非発泡層が積層され、
前記第1の非発泡層、前記第2の非発泡層がそれぞれグラフトゴム成分を3〜15質量%含有し、
前記発泡層の厚さに対する前記第1の非発泡層の厚さ、前記第2の非発泡層の厚さの比がそれぞれ0.12〜0.29に設定され、
シート全体の平均密度が0.7〜0.9g/cm3、シートの総厚が0.3〜1.5mmで形成され、
前記気泡の前記発泡層の厚さ方向の平均径Rtが40〜70μm、前記気泡の前記発泡層の引取り方向の平均径Rpが90〜140μmである
ことを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート。 - 前記発泡層がグラフトゴム成分を3〜15質量%含有することを特徴とする請求項1記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
- 前記第1の非発泡層と前記第2の非発泡層がそれぞれ含有するグラフトゴム成分が4〜8質量%、前記発泡層が含有するグラフトゴム成分が7〜11質量%であり、
前記発泡層の厚さに対する前記第1の非発泡層の厚さ、前記第2の非発泡層の厚さの比がそれぞれ0.20〜0.27、シート全体の平均密度が0.72〜0.80g/cm3、シートの総厚が0.7〜1.2mmで形成され、
前記気泡の前記発泡層の厚さ方向の平均径Rtが50〜70μm、前記気泡の前記発泡層の引取り方向の平均径Rpが100〜140μmである
ことを特徴とする請求項2記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。 - 請求項1〜3の何れかに記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートで成形されていることを特徴とする包装用容器。
- 絞り率が0.5以上で、比重が0.9以下の深絞り容器であることを特徴とする請求項4記載の包装用容器。
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JP2017150217A JP2019025858A (ja) | 2017-08-02 | 2017-08-02 | ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び包装用容器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7461846B2 (ja) | 2020-09-29 | 2024-04-04 | 積水化成品工業株式会社 | ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、およびポリスチレン系樹脂積層発泡容器 |
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2017
- 2017-08-02 JP JP2017150217A patent/JP2019025858A/ja active Pending
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